デバイス・マネジメント・システム InnovativeField …›³7. DCSのベンダーおよび機種に依存しないIFO構成 4. システム仕様 • アプリケーション仕様

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1. InnovativeField Organizerとは InnovativeField Organizer（以下IFO）は、FOUNDATIONTM

フィールドバスやHART®通信プロトコルに対応したフィールド機器を管理するデバイス・マネジメント・システムです。

1.1 特長

• プラントスタート前のループチェックや調節弁の検査において、計器室と現場作業員が組で実施する従来方式を変革し、迅速なスタートに貢献します。

• プラント運転に入ると、24時間365日、フィールド機器の状態を監視し、機器の変調を早期に検出します。

• HART通信の場合でも、すべてのフィールド機器に常時接続し、マルチプレクサ方式の一般的なHART通信に比べ、圧倒的な通信パフォーマンスで運転中の機器状態をリアルタイムに監視します。

• プラント運転中の調節弁を常時オンラインで診断します。

• 調節弁の状態基準保全を行うための指標を定量化します。

• DCSソフトウェアに影響することなくIFOを導入できます。

• ヨーロッパのユーザ団体NAMURの要求する警報基準107 （以下NAMUR NE107）、フィールドバス協会の定めるFF912に準拠して機器状態を表示します。

1.2 メリット

• プラントスタート前のフィールド機器の接続確認、調整設定や点検、ループテストを強力に支援することで、迅速で正確なプラントのスタートアップを支援します。

• プラントがスタートし運転に入ると、フィールド機器の稼働状況を24時間365日、保全員に代わって機器の健康状態をモニタリングし、機器の不調や劣化の早期検知で、突発的なトラブルの未然回避に貢献します。

• さらに、プラント停止中の定期修理における調節弁のメンテナンスでは、診断情報を保全情報として活用することで、調節弁の稼働状態からの適切な保全計画を立案し、時間基準保全から状態基準保全への移行を支援します。

2. 機能概要 2.1 機器状態表示

フィールド機器の稼働状況を、プラント装置の管理階層やシステム構成に合わせたツリー形式で表示します。これにより運転員、保全員の業務目線で見やすい機器管理画面を提供し、快適な視認性・利便性を提供します。

図1. 機器管理画面

IFOは、機器ツリー上で機器の状態をヨーロッパのユーザ団体NAMURが発行するNE107（NAMUR、2006）に準拠したシンボルで表示します。機器のアラート状態を検知した場合には、メッセージを発生時刻のタイムスタンプ付きで記録し、アラート履歴情報として保存します。

• NAMUR NE107準拠のシンボルマークアラート状態

シンボルアラート状態の説明

英語表記日本語表記

Maintenance Required 要保守

Out of Specification 動作条件逸脱

Check Function 点検中

Failure 故障

デバイス・マネジメント・システム

InnovativeField Organizer™【R31】

No.SS1-IFO310-0001（初　版）

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Azbil Corporation No. SS1-IFO310-0001

2.2 調整・設定フィールド機器の調整設定は、各フィールド機器メーカが提供するDevice Type Manager（DTM）またはDevice Description

（DD/EDD）を呼び出すことで、アズビル㈱以外の様々なメーカの機器を調整設定することができます。

図2. アズビル㈱ AVP302 用DTM

また、FOUNDATIONフィールドバスに対応したフィールド機器の場合には、メーカが提供するDevice Description（DD）またはElectronic Device Description（EDD）を利用しても調整設定できます。

2.3 タグコミッショニング正しい仕様のフィールド機器が接続できているかどうか、容易にかつ迅速に確認し、その報告書作成を支援します。

2.4 ループテスト支援試運転準備、スタートアップ前準備とループ確認を迅速に行うことを支援します。従来のコミュニケータや信号発生器を使った3点または5点チェックの面倒な模擬信号入力を自動化し、動作試験およびその報告書作成を支援します。本機能は、HARTコマンド40に対応しているフィールド機器がサポート対象です。

2.5 インターロックテスト、シーケンステスト支援模擬入力ツールを利用することで、シーケンステストやインターロックテストで行う現場または端子盤での模擬入力をIFOから複数のHART機器に出力電流値を一括で設定可能にします。このツールにより、シーケンステストやインターロックテストで行う現場または端子盤での模擬入力作業を不要とし、テスト作業の効率化だけでなく、解線行為を不要にすることで再接続時の接続ミスが発生する原因そのものを排除でき、安全性の向上に貢献します。本機能は、HARTコマンド40に対応しているフィールド機器がサポート対象です。

2.6 フィールド機器設定パラメータの自動吸い上げと帳票作成自動化

フィールド機器の調整が完了すると、プラントをスタートする前にすべての機器に設定されたパラメータをマスタとして吸い上げ、台帳管理が一般的に行われています。従来は機器１台１台現場を回り、実施していた作業を、IFOから複数の機器に対し一括で実施し、帳票を自動で作成します。この機能は、各フィールド機器メーカが提供しているDTM、またはDDで帳票出力として定義されているパラメータを帳票に出力します。

2.7 診断アプリケーションフィールド機器が機器内部で行う自己診断に加え、機器だけでは実現できない高度な診断メカニズムや、機器に特化した管理機能を、IFOにプラグインするオプションアプリケーションとして提供します。

2.7.1 PLUG-IN Valstaff（調節弁診断メンテナンスサポートパッケージ）

PLUG-IN Valstaffは、アズビル㈱製のスマートバルブポジショナと組み合わせてオンラインCV診断、ポジショナ・オートセットアップ、複数調節弁の自動ステップ応答検査機能、バルブシグネチャ検査機能（*）を、IFO上で実現します。

* バルブシグネチャ検査機能はスマートバルブポジショナ 700シリーズと組み合わせて実行することができます。

図3. スティック・スリップ診断

3. システム構成 3.1 Advanced-PS（TDCS3000）の場合

HART通信を利用して、フィールド機器とIFOを接続します。プロセスコントローラPM-EX、PM100（R15およびR20）、A-MCの入出力サブシステムをベースユニット形で構成し、HART通信対応ベースユニット形入出力モジュールを実装します。入出力モジュールとデジタルフィールド機器間はアナログ信号（DC 4～20mA）で接続、また、入出力モジュールと機器管理システムとの間はデバイスコミュニケーションネットワーク（Ethernet）で接続します。

LCN ネットワーク

ベースユニット形HART通信対応入出力モジュール

4～20mA

HG

A-MC PM100 PM-EX

NIM EIMデバイスコミュニケーションネットワーク（Ethernet）

図4. Advanced-PS ／ TDCS3000でのIFO構成

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3.2 Industrial-DEO ／ Harmonas R410の場合

HART通信またはFOUNDATIONフィールドバスを利用して、デジタルフィールド機器とIFOを接続することができます。HART通信を利用する場合は、プロセスコントローラDOPC Ⅳ、DOPC Ⅲ、DOPC Ⅱ、DOPC、HCの入出力サブシステムをベースユニット形で構成し、HART通信対応ベースユニット形入出力モジュールを実装します。入出力モジュールとデジタルフィールド機器間はアナログ信号（DC 4～20mA）で接続、また、入出力モジュールと機器管理システム間はデバイスコミュニケーションネットワーク

（Ethernet）で接続します。またFOUNDATIONフィールドバスを利用する場合は、FOUNDATIONフィールドバス対応プロセスコントローラ（DOFC）を介して、IFOとの高速通信を実現します。

X-BUS

HC

DOSS DOSS

DOPC DOPCⅡ DOPCⅢ DOPCⅣ

DEO制御ネットワーク

DOFC

FOUNDATION フィールドバス


デバイスコミュニケーション

ネットワーク（Ethernet）

4～20mA

図5. Industrial-DEO ／ Harmonas R410でのIFO構成

3.3 Industrial-DEO R410以外の場合

HART通信を利用して、デジタルフィールド機器とIFOを接続することができます。HART通信を利用する場合は、プロセスコントローラDOPC Ⅲ、DOPC Ⅱ、DOPC、HCの入出力サブシステムをベースユニット形で構成し、HART通信対応ベースユニット形入出力モジュールを実装します。入出力モジュールとデジタルフィールド機器間はアナログ信号（DC 4～20mA）で接続、また、入出力モジュールとIFO間はデバイスコミュニケーションネットワーク（Ethernet）で接続します。

X-BUS

HC

DOSS DOSS

DOPC DOPCⅡ DOPCⅢ

DEO制御ネットワーク


デバイスコミュニケーション

ネットワーク（Ethernet）

4～20mA

図6. Industrial-DEO ／ Harmonas R410以外でのIFO構成

3.4 DCS機種に依存しない接続

DCSのアナログ入出力端子、または中継端子から個別接続型 HART通信対応ユニット「HNU」に配線することにより、 HART機器とIFOを接続することができます。HART通信を利用する場合は、DCSのアナログ入出力端子とHART機器間は、アナログ信号（DC 4～20mA）で接続します。DCSのアナログ入出力端子または中継端子とHNU間はアナログ配線し、また、 HNUとIFO間はデバイスコミュニケーションネットワーク

（Ethernet）で接続します。

DCSオペレータステーション

DCSコントローラ

DCSアナログ入出力端子

個別接続型 HART通信対応ユニット「HNU」

図7. DCSのベンダーおよび機種に依存しないIFO構成

4. システム仕様 • アプリケーション仕様最大サポート機器数 3000 devices/systemクライアント／サーバ構成未対応（将来バージョンで対応予定）

• コンピュータプラットフォーム形番 HD-P955FDSC4J名称デスクトップCPU-z620

仕様

Windows 7 Pro (64bit)日本語版、Xeon 3.66GHz、4GBメモリ、500GB-HDD（RAID1）、DVD-RAMドライブLAN 4ch、COM：1ポート、USB：9ポート、DC電源パネル、ビデオ出力（DVI 2ch、アナログ接続時は別ケーブル用）

HART通信対応X-バス／ FX-バス入出力機器については、HART通信対応X-バス／FX-バス入出力機器のスペックシートを参照ください。DCSに依存しない接続については、個別接続型 HART通信対応ユニット「HNU」のスペックシートを参照ください。FOUNDATIONフィールドバス通信機器については、FOUNDATIONフィールドバス対応コントローラDOFCのスペックシートを参照ください。

【注意】弊社が本アプリケーションソフトウェアの動作確認を実施しているコンピュータプラットフォームは上記形番の機種のみです。本アプリケーションソフトウェアを実行するコンピュータプラットフォームとして上記形番の機種を強く推奨しますが、上記機種以外のコンピュータを使用する場合は、少なくとも下記条件を満たしてください。

・Windows 7 Professional SP1 32bit版・メモリ 32bit：2GB RAM以上、64bit：4GB RAM以上・Cドライブの空き容量 20GB 以上・有線LAN

なお、弊社動作確認済みコンピュータプラットフォームで発生しない不適合事象については、一切の保証をいたしかねますので、ご了承ください。

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5. ライセンス体系 5.1 InnovativeField Organizer• InnovativeField Organizer 基本ライセンス

形　番ライセンス名称

FNV-IFO3xJ00 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス16TAGエントリエディション

FNV-IFO3xJ01 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス100TAGFNV-IFO3xJ03 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス300TAGFNV-IFO3xJ05 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス500TAGFNV-IFO3xJ10 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス1000TAGFNV-IFO3xJ20 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス2000TAGFNV-IFO3xJ30 InnovativeField Organizer R3x基本ライセンス3000TAG

• InnovativeField Organizer AVP限定バルブ管理専用ライセンス


FNV-IFO3xJV1 InnovativeField Organizer R3x AVP限定ライセンス16TAGエントリエディション

FNV-IFO3xJV2InnovativeField Organizer R3x AVP限定ライセンス25TAG






接続する機器を、スマート・バルブ・ポジショナAVPx02, AVPx03のみに限定したIFOライセンスです。接続機器をポジショナ限定から解除する場合には、IFO基本ライセンスに置き換えてください。

• InnovativeField Organizer DCS接続ライセンス


FNV-IFO3xJ-AInnovativeField Organizer R3x DCS接続ライセンス for APS/TDCS

FNV-IFO3xJ-BInnovativeField Organizer R3x DCS接続ライセンス for DEO R400 or earlier

FNV-IFO3xJ-CInnovativeField Organizer R3x DCS接続ライセンス for DEO R410 or later

FNV-IFO3xJ-YInnovativeField Organizer R3x DCS接続ライセンス for Other DCS

5.2 PLUG-IN Valstaff• PLUG-IN Valstaff 基本ライセンス


FNN-IFV3xJ01PLUG-IN Valstaff R3xライセンス16TAGエントリエディション

FNV-IFV3xJ02 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス25TAGFNV-IFV3xJ05 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス50TAGFNV-IFV3xJ10 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス100TAGFNV-IFV3xJ20 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス200TAGFNV-IFV3xJ30 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス300TAGFNV-IFV3xJ50 PLUG-IN Valstaff R3xライセンス500TAG

• PLUG-IN Valstaff DMS接続ライセンス


FNV-IFV3xJ-APLUG-IN Valstaff R3xDMS接続ライセンス for IFO

6. 外部ストレージ IFO上で動作するPLUG-IN Valstaffが収集している調節弁の診断データを、外部ストレージに自動バックアップすることができます。なお自動バックアップには、弊社で動作確認済みの下記外部ストレージを使用することができます。

■ イメーション㈱製 USB外付ドッキングステーションメーカー品番：RDX-USB3-EXT-DOCK■ イメーション㈱製 RDXカートリッジ（記憶容量：1TB）メーカー品番：RDX-1TB-IMN

イメーション㈱ホームページ　http://www.imation.co.jp/rdx/

【注意】外部ストレージに自動バックアップを使用する場合には、お客様の運用において、PCを健全な状態に保っていただく必要があります。ただし、IFO用PCにウィルス対策ソフトウェアをインストールしないでください。ウィルスチェックは他PCからリモートで実施してください。　また、弊社動作確認済み品以外の外部ストレージを使用した場合は、動作やデータ保全に関する一切の保証をいたしかねますのでご了承ください。これを承知の上で、弊社動作確認済み品以外の外部ストレージを使用する場合、少なくとも以下の条件は満たしてください。

・特別なソフトウェアを必要としないもの（IFO用PCには、弊社製品以外のソフトウェアをインストールしないでください）

・セキュリティ機能がついていないもの

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ご使用上の注意本書では、機器を安全に使用していただくために次のようなシンボルマークを使用しています。

■ 絵表示

このような表示は、してはいけない「禁止」を表す内容です。このような表示は、必ず実行していただきたい「指示」を表す内容です。

安全上の注意

注意定期的なバックアップ、およびウィルスチェックを実施してください。収集したデータが破損したり、プログラムが誤動作する可能性があります。本 PC にウィルス対策ソフトウェアをインストールしないでください。ウィルスチェックは他 PC からリモートで実施してください。ループチェックツールを使用する場合は、次のツールを終了してから使用してください。

• ベンダー DTM• デバイスディスクリプション• PLUG-IN Valstaff• デバイスウォッチャー

ループチェックツールが予期せぬ動作をする可能性があります。AI チェックを実行する際には、制御プログラムやインターロックプログラムなどのプログラムを停止してください。DCS への入力値が変更され、予期せぬ動作をする場合があります。AO チェックを実行する際には、制御プログラムやインターロックプログラムなどのプログラムを停止してください。また、アズビル製以外の DCS を使用する場合も、プログラムを停止してください。出力値を書き込むため、予期せぬ動作をする場合があります。

警告取り扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う危険の状態が生じることが想定される場合。

注意取り扱いを誤った場合に、使用者が軽傷を負うか、または物的損害のみが発生する危険の状態か生じることが想定される場合。

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• ValstaffTMは、アズビル株式会社の商標です。 • FOUNDATION

TMは、Fieldbus Foundationの登録商標です。 • HART®は、HART Communication Foundationの登録商標です。 • Windows 7、Windows XP、Windows Vista、Windows Server 2003、Windows Server 2008は、米国Microsoft Corporation の米国及びその他の国における商標です。 • その他本文中に記載している製品名、機種名、社名は各社の商標です。

北海道支店東北支店北関東支店東京支社

（011）781-5396（022）290-1400（048）621-5070（03）6810-1211～2

中部支社関西支社中国支店九州支社

（052）324-9772（06）6881-3331（082）554-0750（093）285-3530

（25）

本　社〒100-6419 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル

お問い合わせは、弊社事業所へお願いいたします。

本資料からの無断転載、複製はご遠慮ください。

〔ご注意〕この資料の記載内容は、お断りなく変更する場合もありますのでご了承ください。

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〈アズビル株式会社〉　http://www.azbil.com/jp/初版発行：2014年 8月印　　刷：2014年 8月（初版）

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