7
日程 令和元年10月19日(土)~27日(日)、代表生徒4名が福祉先進国デンマークへ現地学習に行 ってきました。デンマークの社会福祉制度や高齢者福祉、教育制度を視察し、これからの社会福祉の発 展を担う人材としての資質を高めることができました。 R1.10.19~27 1日目 成田→コペンハーゲン(直行便約11時間) 専用車にてノーヒュンスホイスコーレ(国民高等学校)へ移動、泊 2日目 午前 講義 「デンマーク福祉政策」「福祉関係者の働き方」 午後 授業 ノーヒュンスホイスコーレ学生の授業参加、交流 3日目 午前 視察 認知症介護ハウス見学 午後 視察 コミュニケーション・ウェルフェアテクノロジーセンター見学 4日目 午前 視察 高齢者住宅訪問、日本食作りを通して交流体験 午後 視察 障がい者施設訪問 5日目 午前 視察 エフタスコーレ(専門高校)訪問 午後 講義 研修の振り返り 6日目 午前 コペンハーゲンへ鉄道で移動、終日コペンハーゲンフィールドワーク 7日目 コペンハーゲン発→成田(直行便) 8日目 成田着 帰着

Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

日程

令和元年10月19日(土)~27日(日)、代表生徒4名が福祉先進国デンマークへ現地学習に行

ってきました。デンマークの社会福祉制度や高齢者福祉、教育制度を視察し、これからの社会福祉の発

展を担う人材としての資質を高めることができました。

R1.10.19~27

1日目 成田→コペンハーゲン(直行便約11時間)

専用車にてノーヒュンスホイスコーレ(国民高等学校)へ移動、泊

2日目 午前 講義 「デンマーク福祉政策」「福祉関係者の働き方」

午後 授業 ノーヒュンスホイスコーレ学生の授業参加、交流

3日目 午前 視察 認知症介護ハウス見学

午後 視察 コミュニケーション・ウェルフェアテクノロジーセンター見学

4日目 午前 視察 高齢者住宅訪問、日本食作りを通して交流体験

午後 視察 障がい者施設訪問

5日目 午前 視察 エフタスコーレ(専門高校)訪問

午後 講義 研修の振り返り

6日目 午前 コペンハーゲンへ鉄道で移動、終日コペンハーゲンフィールドワーク

7日目 コペンハーゲン発→成田(直行便)

8日目 成田着 帰着

Page 2: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

認知症介護ハウス訪問

ゆったりと落ち着いた雰囲気で過ごされています 家具はすべて自宅からの持ち込みです。

コミュニケーション・ウェルフェアテクノロジーセンター訪問

視覚障がい・聴覚障がい・言語障がい・肢体不自由の方々が在宅で生活する上での環境を整えるため

のサポートをする施設。

たくさんの介護機器の体験をさせていただきました。

Page 3: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

高齢者住宅訪問

日本からのお土産で一緒に遊びました

カレーライスを作って振舞いました。大好評でみなさん完食です!!

全て高齢者住宅です。広い!!

特別支援学校訪問

遊具にも一つ一つ工夫があります

たくさんの可愛い教室

Page 4: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

エフタスコーレ訪問

エフタスコーレとは・・・

デンマーク独特の学校形態で、全寮制の中学校

学生さんに校内を案内してもらい、授業の様子を

見学させていただきました。

ノーヒュンスホイスコーレでの交流

南高校の紹介を英語でスピーチし、ハンドマ

ッサージをさせていただきました。

日本人留学生とのディスカッション

テーマ「人間成長とは」

Page 5: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

私は今回のデンマーク研修で多くの事を学ぶことが出来ました。特に、教育の大切さを学ぶこ

とができ、専門職の力が大きいという事が分かりました。デンマークには認知症クラウンという

方がいて、親近感、温かさ、愛を大切にして利用者と接している姿を見て、利用者の笑顔を引き

出す力の凄さを感じました。日本の施設では、デンマークの利用者のように多くの笑顔が見られ

ないような気がします。だから、私は利用者の嬉しい感情を引き出せるように、親近感、温かさ、

愛の他にも利用者と対等な関係でいることを忘れず、利用者と接していきたいと思います。そし

て、実際に現場に出て働いた時、利用者を笑顔にすることができ、安心感を与えられるような人

になりたいと思いました。

この他にも、多くの施設を見学させていただき、講義を受けることで、デンマークと日本の違

いを学ぶことができました。すぐに、デンマークの真似をしたりするのは難しいので、まずは、

今回の研修で学んだことを他の人に知ってもらったり、自分達が理想としている介護や福祉政

策は何なのかをしっかり考え、今の私たちには何ができるのか、何をしなければならないのかな

ども考えていきたいと思います。そして、現場に出て働いた時に、少しでも理想としていた介護

が出来るようにしたいと思います。

今回の研修では、普段の授業では学べないことが多くあり、とても充実した研修となりまし

た。今回の研修で学んだことをこれからに活かしていけるよう、勉強や実習に一生懸命取り組ん

でいきたいと思います。

今回の研修で大きく考え方が変わりました。私は実際に現地に行ってみるまで「デンマークが

進んでいるなら、デンマークで行っていることを日本でそのまますれば良いのではないか。」と

思っていました。しかし、最初の Momoyo 先生の授業の中で、日本とデンマークではそもそも

の土台が違うため、そのままではいけないということが分かりました。それぞれの国の文化や歴

史を踏まえた上で進めていくことが大切だと思いました。また、日本にはないデンマーク特有の

「コミューン」や「ペタゴー」という新しい言葉を知ることができました。デンマークでは、ペ

タゴーは専門職で日本にはないですが、専門性を持ってご利用者様のお話を聞くことは日本でも

できると思いました。

研修で、認知症ケアハウスや高齢者住宅、エフタスコーレなど様々な所に行かせていただきま

したが、どの場所でも、一人の人間としての尊厳というものが大切にされていると強く感じまし

た。デンマークは「施設」というより「家」としての雰囲気があり、居心地の良さを感じました。

一つの部屋が家としての役割を果たしており、自分らしい生活を営むことができていて感銘を受

けました。

今回の研修でデンマークで行っていることを全て日本でするのは難しいけど、「気持ちの持ち

方」や「考え方」などはすぐに日本でも実践することができると思うので、私たちからまわりに

発信していきたいと思います。そして、日本は今、どこが問題なのかを明確にし、そこを改善し

ていく必要があると思います。いきなり大規模なことを行うのは難しいかもしれませんが、「草

の根運動」なら可能性もみえてくるはずです。

私は将来、利用者様のニーズをしっかり読み取り、より良い生活を営んでいただけるよう支援

することができるような介護福祉士になりたいです。

Page 6: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

全体を通して学んだことは、一人ひとりとの向き合い方です。高齢者だからといって、なぜ制

限されなければならないのかと気づかされた時、「ハッ」としました。確かに、なぜ食事の時間、

就寝の時間等決められており、それに高齢者の方が応じるのかと思いました。100 人の方がい

れば 100 通りの生き方、1 日の過ごし方があり、必ず全て同じにする必要はないと改めて気づ

くことができました。利用者本位が強く表れているのは、ここからだろうと思いました。

コミュニケーションをとる際には、相手を受け入れる姿勢を感じました。例えば「来てくれて

ありがとう」「会えてうれしい」といったポジティブな言葉をかけてくださり、ハグや握手など

の肌と肌が触れあう機会がありました。この時、「この人は私の敵じゃない」というのを無意識

に感じ、触れ合うことの温かさや親近感を感じました。そして、話を聞いてもらう際、目と目が

必ず合い、うなずきや笑顔を言葉が分からないのに必ずしてくれて、緊張もなく話すことができ

ました。そして、「今、目の前にいる人に興味を持つ」ということを教えていただき、これからの

私たちに必要な力と思ったので、取り入れていきます。「その人に興味がどうしても持てなかっ

たらどうする。」と疑問を投げかけられたときは戸惑いましたが、「なぜ、私はこの人に興味を持

てないのか」ということを考え、興味が持てないからといって、関係を避けるのはやめようと思

いました。今日はこれではダメだったから、明日はこれで行こうといったチャレンジを行いたい

です。興味が持てないのは、その人のことをまだ知らないというなら、もっと情報を集め、少し

ずつでもその人のことを知っていけたらと考えています。私は今まで自分が違和感を感じたこと

は避けてきました。けれど、これからは避けることをやめ、1 つの物に立ち向かっていきたいで

す。そして、どんな人でも今まで生きていた背景があることをしっかりとらえ、一つひとつのア

イデンティティを知ることに頑張りたいです。

このように、短い研修でありましたが、様々な介護機器等だけでなく、人との関わりによって

得たものが大きいです。そして、得たものはこれからに活かしていきます。さらに、もっと成長

していき、現状にとどまらず、次の進化へ行動していこうと思います。「なぜ?」といった疑問を

大事にし、利用者本位のあるケアを進めていきたいです。まだ、デンマークの福祉で学びたい事

はたくさんあります。留学という視野を含め、これからも福祉に対する姿勢を追及していこうと

思います。

Page 7: Í >kou.oita-ed.jp/oitaminami/2020/10/21/22福祉先進... · 2020. 10. 21. · Title: Microsoft Word - ï¼ ï¼ ç¦ ç¥ å é ²å ½ï¼ ã ã ³ã ã ¼ã ¯ï¼ è¦ å¯

デンマークの福祉が進んでいるから、日本も同じことをしたらよいというわけではなく、人口

や面積、人間性などすべてが違っているため、今の日本の現状をしっかり理解した上で、「どう

すればよいのか?」「変えていく必要はあるのか?」など様々な視点から考えていく必要がある

と分かりました。

介護方法も同じで、認知症介護ハウスの認知症クラウンの方がハグをされたように、日本で同

じことをして受け入れてもらえるのか考えることが大切だと思いました。これには、今まで私た

ちが過ごしてきた環境・生活歴が大きく関係していて、利用者様のこの部分を知ることがポイン

トになります。ですが、今の日本には利用者一人ひとりに向き合う時間的余裕、人手が足りてい

ないと気づくことが出来ました。どうすれば、この現状から抜け出すことができるのか難しい課

題ですが、みんなで考え、改善していくことは楽しそうだとも思いました。

デンマークでは福祉や介護に対する知識(教育)が統一されている=「同じお道具箱を持って

いる」という説明がとても印象深く、私にとって驚きでした。日本では施設によって教育が違っ

ていたり、介護職員側の捉え方が違っている場合が多いと感じていました。しかし、それを国が

統一することによって、同じレベルでのケアの実施が可能になり、質の向上につながっていくと

分かりました。すべてにおいて条件が違っているので、難しい話になってくると思いますが、日

本の各地域それぞれで始められることを見つけ、実施していけるとよいと思いました。そのため

の課題・目標などを私たち高校生が理解することは、福祉の発展にとって大きなことだと学ぶこ

とができました。