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平成25年度 文部科学省委託事業 アセアン加盟国中学生 報告書 REPORT 独立行政法人 実施:国立青少年教育振興機構協力: アスジャ インターナショナル/アスコジャ 151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1 TEL 03-6407-7751 URL http://www.niye.go.jp 招聘交流事業 【インドネシア・タイ】 国立乗鞍青少年交流の家 【ベトナム・ミャンマー】 国立江田島青少年交流の家 Aグループ 10月22日(火)~11月1日(金) 【ラオス・フィリピン・シンガポール】 国立妙高青少年自然の家 【マレーシア・カンボジア】 国立諫早青少年自然の家 Bグループ 11月19日(火)~11月29日(金)

アセアン加盟国中学生 招聘交流事業 Nathania Alifiani Prameswari Larasati 13 女 5 Raka Naradi Pradana 14 男 6 Rania Ameera Moeljono 13 女 引率 Rizka Hermin Zulaicha

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平成25年度 文部科学省委託事業

アセアン加盟国中学生報告書REPORT

独立行政法人実施:国立青少年教育振興機構 協力:アスジャ・インターナショナル/アスコジャ〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1 TEL 03-6407-7751 URL http://www.niye.go.jp

招聘交流事業

【インドネシア・タイ】 国立乗鞍青少年交流の家

【ベトナム・ミャンマー】国立江田島青少年交流の家

Aグループ 10月22日(火)~11月1日(金)

【ラオス・フィリピン・シンガポール】国立妙高青少年自然の家

【マレーシア・カンボジア】 国立諫早青少年自然の家

Bグループ 11月19日(火)~11月29日(金)

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アセアン加盟国中学生招聘交流事業の概要

アセアン加盟国中学生招聘交流事業  ~日本・アセアンとのパートナーシップ構築のために~

企画委員会(事務局 国際・企画課)

地方教育施設(4施設)

[組織(企画委員会)]

アスコジャ〈1977年設立〉(アセアン10ヵ国の日本留学生OB会組織)

[アスコジャ]                      ①PERSADA (インドネシア元日本留学生協会) ⑥MAJA(ミャンマー元日本留学生協会) ②JAGAM(マレーシア元留日学生協会) ⑦JAC(カンボジア日本元留学生協会)③PHILFEJA(フィリピン元日本留学生連盟) ⑧JAV(ベトナム元日本留学生協会)④JUGAS(シンガポール留日大学卒業生協会) ⑨JAOL(ラオス元日本留学生会) ⑤OJSAT(タイ国元日本留学生協会)   

[海外の青少年・引率者]アセアン9ヵ国 総計63名 各国英語が話せる中学生  6名 英語・日本語が話せる引率者1名⎧|⎩

⎫|⎭

[日本の青少年]総計203名(交流者580名)

[共通プログラム1 〈目的と内容〉]

●海外の青少年の日本に対する理解の増進

 ①日本の地域文化を理解するプログラム ②日本の学校生活を理解する交流プログラム ③日本とアセアンパートナーシップについてディスカッション ④日本語学習プログラム~日本語の挨拶を覚える~        ⑤各施設の特色を生かした自然体験活動プログラム 

[共通プログラム2 〈目的と内容〉]●日本の青少年の国際的視野の醸成・次世代リーダーの養成    〈日本の青少年参加者に事前学習・事後学習を実施〉①歴史・文化を理解する力を育成するプログラム②海外の人々とコミュニケーションを図ろうとする力を育成するプログラム③計画的に考え行動する力を育成するプログラム④情報を収集し、創造力をもって課題を解決しようとする力を育成するプログラム⑤役割を意識し、集団の規範を守る力を育成するプログラム⑥集団内の人間関係を円滑にしようとする力を育成するプログラム 

プログラムについて1.目的:ASEAN諸国で日本に興味関心のある中学生を招聘し、国立青少年教育施設を拠点に、地域の特性を活かした自然体験、文化体験、日本の青少年との交流体験を通して、日本に対する理解の増進を行う。また、日本の青少年の国際的視野の醸成、次世代リーダーの養成をはかる。2.特徴:アスジャ・インターナショナル、アスコジャ協力のもと国立青少年教育振興機構本部がアセアン9カ国の中学生を招聘し、地方教育施設(妙高・乗鞍・江田島・諫早)が地域の特性を活かした自然体験・交流体験等のプログラムを実施する。

※色枠が本部企画委員

アスジャ・インターナショナル〈2000年設立〉

大学教授・国際交流事業有識者

[各地方教育施設独自プログラム]※各施設毎に企画委員会を開催し、事前の事業提案、運営の参画等教育効果の高い交流プログラムを実施する

Aグループ:10月22日~11月1日 11日間乗鞍青少年交流の家(岐阜県) ①参加者:インドネシア・タイ各7名       日本32名(交流者156名)

②各施設の特徴的なプログラム   A.白川郷、高山の伝統文化学習B.交流学生生徒宅へのホームステイC.新穂高など中部山岳国立公園の自然体験

D.日本人参加者によるプログラムの企画・運営E.日本人中学生と招聘中学生の泊を伴う交流会

江田島青少年交流の家(広島県) ①参加者:ベトナム・ミャンマー各7名      日本14名(交流者56名)

②各施設の特徴的なプログラムA.世界遺産(原爆ドーム、宮島)の視察B.中学校・高等学校での授業体験C.「ウミホタル観察」の体験

D.中学生によるプログラムの企画運営E.体験活動時等での交流機会(時間)の確保

Bグループ:11月19日~11月29日 11日間

②各施設の特徴的なプログラム   A.中学校での学校生活体験、意見交換会B.民泊を通したホストファミリーとの交流、日本文化体験C.長野市内での日本文化学習、スケート体験

D.生徒実行委員会を中心にした交流、意見交換会E.代表者による評価会での発表  

諫早青少年自然の家(長崎県)①参加者:カンボジア・マレーシア各7名     日本121名(交流者128名)

②各施設の特徴的なプログラムA.長崎市内班別研修B.ホームステイによる家庭生活体験

C.中学生による長崎市内研修の企画・プレゼン・交流会D.中学校生徒会による交流会の企画・運営

妙高青少年自然の家(新潟県)①参加者:ラオス・フィリピン・シンガポール各7名     日本36名(交流者240名)

Aグループ インドネシア・タイ

<国立乗鞍青少年交流の家>

招聘日程期 日 内  容

10月22日(火) 午前:入国午後:交流の家入所

10月23日(水) 午前:高山市長表敬訪問午後:世界遺産学習(白川郷見学)

10月24日(木)

日本人中学生との交流 ※学校生活体験インドネシア:高山市立宮中学校タイ:高山市立清見中学校 夜:ホームステイ

10月25日(金)ホームステイ家庭より登校日本人中学生との交流※意見交流

10月26日(土)

午前:日本文化学習(茶の湯の森等)午後:ホストファミリーとの交流 夜:交流の家で中学校生徒代表との   交流会

10月27日(日) 各訪問中学校企画プログラムへ参加10月28日(月) 自然体験(新穂高ロープウェイ見学)

10月29日(火)日本文化体験活動午前:餅つき、花餅づくり午後:クラフト体験

10月30日(水)~11月1日(金) 東京プログラム

日本人参加者の日程 人数32名(交流者156名)期 日 内  容

10月24日(木)

アセアン中学生との交流 ※学校生活体験 授業、給食、掃除、学級活動等インドネシア:高山市立宮中学校タイ:高山市立清見中学校 夜:ホームステイ(10家庭)

10月25日(金)日本人中学生との交流※日本とアセアンのパートナーシップ構築に向けて意見交流

10月26日(土) 午後:ホストファミリーと交流 夜:交流の家で招聘中学生と交流会

10月27日(日) 各訪問中学校企画プログラムへ参加

10月30日(水)~10月31日(金)

代表者3名が東京プログラムへ参加※合同評価会で発表

インドネシア

タ イ

№ 名前 年齢 性別

1 Emelly Fitria 13 女

2 Gabriel Possenti Bisma Bagaskara 13 男

3 Muhamad Anindya Hiroshi Purbayanto 13 男

4 Nathania Alifiani Prameswari Larasati 13 女

5 Raka Naradi Pradana 14 男

6 Rania Ameera Moeljono 13 女

引率 Rizka Hermin Zulaicha ̶ 女

№ 名前 年齢 性別

1 Rada Srionnual 13 女

2 Kamonnath Punyashthiti 14 女

3 Kanta Lawanyawuth 13 女

4 Lanlalit Rochanasmita 13 女

5 Pholwat Dudsdeemaytha 14 男

6 Napatkorn Assavakasem 13 男

引率 Theeraphol Pitackchartwong ̶ 男

●国立乗鞍青少年交流の家

[共通プログラム3 〈目的と内容〉 ]

●東京プログラムでのアセアン留学生による支援

 ①合同評価会でのアセアン留学生の参  画及び都内自主研修での支援を行う

[共通プログラム4 〈評価方法〉]

●評価会の実施

 ①海外の青少年参加者が日本に対する理解が増進した内容について具体的に発表 ②最後に東京でグループ毎に合同評価会を開催して、海外及び日本の青少年参加者が日本・アセアン  とのパートナーシップについての企画を発表

●調査の実施 ①海外及び日本の青少年参加者に、グローバル人材育成及びリーダーシップに関する調査を事前・事後で実施

【高山市表敬訪問】

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プログラムの特徴

1.招聘者に対するプログラムの特徴

(1) 中学校訪問、小学校・保育園での交流 ①授業、給食、掃除など、できるだけ普段どおりの学校生活を体験した。 ②ウイークデイにホームステイを実施し、翌日ホームステイ家庭より生徒と一緒に登校した。 ③地域の小学校・保育園を訪問し、児童・幼児との交流を行った。

(2) 日本文化、地域の伝統文化に触れる体験 ①各訪問中学校が企画したプログラムに参加し、地域の伝統文化を体験した。 ②世界文化遺産や飛騨高山の伝統的な町並み等の見学、餅つき・花餅づくりを体験した。

【書道体験】

2.日本人参加者に対するプログラムの特徴

(1) 異文化交流体験 アセアン中学生の民族舞踊の披露、そして、日本の中学生が合唱の披露を行うなど、お互いの文化を紹介して交流するとともに、お互いの国への理解を深めた。

(2) アセアン中学生と高山市内中学生代表との交流会 国立乗鞍青少年交流の家に宿泊し、アセアンの中学生と日本の中学生との共通点、相違点、アセアン諸国とのパートナーシップの育成についてディスカッションを行った。 アセアン文化の体験として「民族舞踊」をアセアンの中学生から習う機会を設けた。

●国立乗鞍青少年交流の家 ●国立乗鞍青少年交流の家

成果と課題

■参加者の声

<アセアン参加者>・乗鞍プログラムは大変充実しており、日本の文化を楽しく学ぶことができました。

・日本の中学生は大変礼儀正しく親切で、時間に厳しい面を持っていました。

・高山市の有名な飛騨牛と朴葉味噌を味わって、とてもよかった。

・日本に大変興味を持ちました。これからもっと日本語を勉強して留学したいと思いました。

【餅つき体験】

【民族舞踊の発表】

■運営施設企画委員会開催による事業の質の向上・受入中学校との連絡を密にすることにより、中学校訪問プログラムの内容の充実、ホームステイ家庭との連携をスムーズに行うことができた。

・高山市・高山市教育員会との連携を図ることにより、アセアン中学生への事前学習(高山市の概要説明・日本語講座等)の徹底ができた。また、高山市教育委員会と協力して、本事業の交流会への一般中学生を公募することにより、本所で行われる国際交流事業についての知名度が上がった。

・第2回企画委員会で、「ホームステイの泊数を増やしてはどうか」・「地域と密着したプログラム内容にしては」等、非常に協力的で前向きな意見をいただくことができた。

<日本人参加者>・同年齢のアセアン中学生と交流することにより、日本人中学生の語学力(英語)・コミュニケーション能力・積極性について、劣っていることを実感しました。この経験を活かして、視野を外国に向け勉強していきたいと思いました。

・アセアンの異文化を理解することが、アジア全体の平和や協力につながっていくと思いました。 

■考察(成果と課題) 本事業では、事前の打ち合わせから学校訪問・中学校企画のプログラム・ホームステイ等、高山市立宮中学校・高山市立清見中学校の関係者には多大な協力を得た。学校訪問では大変温かく歓迎していただき、授業においてもアセアンの中学生が参加しやすいように工夫をしていただいた。アセアンの中学生は、2日間の中学校生活を体験することにより、日本の中学校についての学校生活や文化について理解を深めることができた。また、ホームステイでは日本の生活様式、乗鞍プログラムでは日本の自然の美しさ・伝統文化・礼儀作法等日本への理解・興味関心を高めることができた。さらに、交流会を通してアセアンと日本の共通点・相違点・パートナーシップの育成についてのディスカッションを行った。その結果、アセアンの中学生の日本理解だけでなく相互の理解につながった。パートナーシップの構築例を挙げれば、高山市内の中学生がフィリピンの災害に対して、我が国のことのように心配し、募金活動を開始したという喜ばしい連絡を受けた。 この事業も3年目となり、国際交流の経験の少ない高山市内の中学生も「不安」から「交流をしてみたい」という意識に変わりつつある。訪問先の中学校からは「負担は大きいが生徒のためには大変良い機会である」という意見をいただいた。今後、第2回の企画委員会(事後反省会)で出た反省点を活かし、次年度の計画に反映させていきたい。

【地域文化の学習】【幼児との交流】

【高山市内中学校生徒による合唱】 【交流会でのディスカッション】 【民族舞踊学習】

中日新聞より (平成25年12月5日)

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Aグループ ベトナム・ミャンマー

<国立江田島青少年交流の家>

招聘日程期 日 内  容

10月22日(火) 午前:入国午後:江田島青少年交流の家 到着

10月23日(水)

午前:所内案内(オリエンテーション)、   人間関係づくり午後:江田島市長表敬訪問 夜:ウェルカムパーティー   (企画・運営:江田島の中学生)

10月24日(木)

午前:江田島市立三高中学校訪問午後:所内ビンゴ 夜:野外炊事~お好み焼きパーティー   (企画・運営:江田島の中学生)

10月25日(金)

午前:広島県立大柿高等学校訪問午後:大柿自然環境体験学習交流館   「さとうみ科学館」での環境学習 夜:江田島の中学生とのディスカッション

10月26日(土)午前:世界遺産巡り(宮島・厳島神社)午後:ホームステイ家族と対面、ホームステ   イによる日本の生活体験

10月27日(日)

午前:ホームステイによる日本の生活体験午後:クラフト作り体験(江田島の中学生と

の交流) 夜:ウミホタルの観察

10月28日(月)

午前:世界遺産巡り(原爆ドーム・広島平和記念資料館)

午後:買い物体験 夜:日本語学習、体験の整理※江田島市内の中学生、高校生との交流

10月29日(火)

午前:合同発表会準備午後:合同評価会(東京プログラム)準備 夜:合同発表会(江田島の中学生ととも   に)、さよならパーティー(企画・運   営:江田島の中学生)

10月30日(水)~11月1日(金) 東京プログラム

日本人参加者の日程 人数14名(交流者56名)期 日 内  容

7月28日(日)~ 29日(月)(1泊2日)

○開講式・オリエンテーション(事業説明)○参加者の交流○昨年度参加者から学ぶ○目標設定、課題確認、企画の視点・留意事項

○交流プログラムについて【担当決定】○野外炊事に向けて~広島お好み焼き体験~

8月12日(月) ○交流プログラムの企画【内容検討】○ディスカッションに向けて【テーマの決定】

9月15日(土) ○交流プログラムの企画【運営の準備】○ディスカッションに向けて【資料の作成】

9月23日(日) ○交流プログラムの企画【運営の準備】○ディスカッションに向けて【資料の作成】

10月14日(月・祝)

○交流プログラムのリハーサル○ディスカッションのリハーサル

10月23日(水) ○ウェルカムパーティー【運営】10月24日(木) ○野外炊事~お好み焼きパーティー~【運営】10月25日(金) ○ディスカッション(アセアン中学生とともに)10月27日(日) ○クラフト作り体験(アセアン中学生とともに)

10月29日(火) ○合同発表会(アセアン中学生とともに)○さよならパーティー【運営】

11月4日(月・祝) ○フェスティバル江田島 発表準備

11月10日(日) ○フェスティバル江田島 リハーサル11月17日(日) ○フェスティバル江田島 発表

ミャンマー

ベトナム № 名前 年齢 性別1 Ngo Hai Anh 14 男2 Nguyen Hoang Ha 14 女3 Nguyen Huu Khiem 16 男4 Nguyen Dieu Linh 14 女5 Phung Thi Quynh Mai 14 女6 Ngo Huy Vu 14 男引率 Tran Thi To Nga ― 女

№ 名前 年齢 性別1 Wathun Maw Tun 15 男2 Sun Htut Aung 14 男3 Myat Thway 16 男4 Shoon Lae Yee Win Htun 16 女5 Sa Myat Sandra 13 女6 Aye Thidar Moe 16 女引率 Thant Sin Naing ― 男

プログラムの特徴1.招聘者に対するプログラムの特徴◆ ベトナム、ミャンマーの中学生が日本を理解するためのプログラムを体験(1)江田島の特色を生かした自然体験活動 江田島青少年交流の家では、「ウミホタル観察」を行った。残念ながら、台風接近に伴う天候の悪化により「カッター研修」は実施できなかった。また、江田島市内にある大柿自然環境体験学習交流館「さとうみ科学館」で、海辺の生物についての講義と観察を行った。

(2) 日本の地域文化を理解するプログラム(世界文化遺産巡り:原爆ドーム、厳島神社) 広島平和記念公園(原爆ドームや平和記念資料館等)での平和学習と宮島(厳島神社等)の見学において、地域文化を学習した。

(3) 日本の学校生活を理解する交流プログラム 江田島市立三高中学校や広島県立大柿高等学校を訪問して学習活動等の体験を行うとともに、高校生や中学生との交流を図った。特に、日本の文化的な活動として「琴」「書道」「絵手紙」などの学習に取り組んだ。

(4) ホームステイによる日本の生活体験 1泊2日の日程で、地元の小学校の学習発表会の参観、祭りの見学(獅子舞や法被の体験)、手作り餃子を一緒に調理するなど、日本の家庭生活を体験した。

2.日本人参加者に対するプログラムの特徴◆ 江田島市内の中学校(4校)から、公募により14名の中学2年生が参加◆ 日本の青少年の国際的視野の醸成・次世代リーダーの養成をするプログラムを、7月から11  月まで全8回述べ9日間の事前・事後学習を実施(1) 交流プログラムの運営に向けた企画・立案と運営 「ウェルカムパーティー」、「野外炊事~お好み焼きパーティー~」、「さよならパーティー」の実施に向けて準備を行った。交流期間中は、参加者が楽しめるように工夫した運営を行った。

(2) ベトナム、ミャンマー、日本とのパートナーシップに関する学習 テーマを、自分たちにとって身近な内容である「スポーツ」と「マンガ・アニメ」に設定した。まずはお互いを知るために、日本、ベトナム、ミャンマー各国の状況を調べ、共通するところや違いなどを探りながら、ディスカッションの準備を進めた。ディスカッションでの意見交換を通して、お互い(3か国)が、自国と相手国の現状等を理解することができた。これからは自分たちが中心となって、文化交流を通してお互いを知り尊重していくこと、そうして、さらによりよい関係を築くために自分ができること・やってみたいことを考えることができた。

(3) フェスティバル江田島2013での発表 「フェスティバル江田島2013」(主催:江田島市、江田島市教育委員会、江田島青少年交流の家)において、江田島の市民等に向けて、事業での取組や学んだこと、これからの自分の目指す姿などを発表した。・「仲間と助け合うことを学んだ。困っている人を助けたり、自分が助けられたり。どんな壁もみんなと協力して乗り越えることができた。」

・「この事業を通して積極的に意見が言えるようになった。」・「リーダーとして、進んで行動していきたい。」・「ベトナム・ミャンマーの人たちとの交流はとても楽しかった。将来、もっと多くの人たちとの交流が行えるような仕事に就きたい。」

●国立江田島青少年交流の家 ●国立江田島青少年交流の家

【海辺の生物観察】 【厳島神社の大鳥居】【海辺の生物観察】 【厳島神社の大鳥居】 【中学校授業体験】

【お好み焼きパーティー】 【ディスカッションでの発表】【お好み焼きパ ティ 】 【ディスカ シ ンでの発表】 【フェスティバル江田島での発表】

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●国立江田島青少年交流の家

成 果 と 課 題

<ベトナム人参加者> 「江田島は美しい街だ。ベトナムも日本と同じような美しい国にしたい。」「人々もやさしい。自分も人にどうやって親切にするかをたくさん学んだ。そのお返しをしたい。」「日本の生活から、『時間を守ること』『自律すること』を学んだ。」<ミャンマー人参加者> 「日本とベトナム、ミャンマーの文化を交換することができた。この経験は自分の人生に大きな役割を果たすことだろう。」「最高な7日間を過ごすことができた。江田島の生活をしっかりと見ることができた。また、たくさんの人と関わることができありがたかった。このすばらしい体験を基に新しい生活を築いていきたい。」「将来、またベトナムの人と一緒に日本に来たい。」

<日本人参加者> 「プログラムの企画や運営を通して、自分が成長できた。」「人と話すことが苦手だったが、積極的になれた。」「将来、ベトナム・ミャンマーと、さらに世界と日本をつなぐ仕事に就きたい。」<企画委員> 「この交流を1つの出会いとして、将来、お互いに訪ねてまた再会して欲しい。この交流をきっかけに、あらゆる場面が自分を成長させるチャンスだと思って、がんばって欲しい。」

■運営施設企画委員会開催による事業の質の向上について 企画委員の参画により、企画委員会での意見交換を通してきめ細かな運営が可能となった。委員8人中5人が昨年度に引き続き本事業に携わり、前年度までの実施状況を踏まえたより効果的な事業運営のための意見が出された。さらに、企画委員自らがプログラムの講師や通訳を務めるなど、直接参加者への指導と支援にあたることができた。企画委員の事業運営の主な役割は次のとおりである。1.招聘者に対するプログラム ○ 大柿自然環境体験学習交流館「さとうみ科学館」での海辺の生物についての講義と観察の指導。 ○ 広島平和記念公園での平和学習と宮島の見学での、英語によるガイド。 ○ 江田島市立三高中学校と広島県立大柿高等学校の訪問に際して、学習活動等の体験や交流活動の受け入れ。 ○ ホームステイ家族の募集のための広報や調整。 ○ 江田島市長表敬訪問や江田島市内での体験活動プログラムの調整。 ○ 大学生ボランティアの選定と指導。2.日本人参加者に対するプログラム ○ 中学校生徒の参加推奨及び調整。 ○ 日本とベトナム、ミャンマーのパートナーシップの構築に関するディスカッションでの指導と助言。 

【さよならパーティー】【合同発表会】

■考察(成果と課題)○ ベトナム、ミャンマーと江田島の中学生が、さまざまなプログラム(交流体験活動、ディスカッション、合同発表会など)を通して、心を通わし、お互いの文化をシェアし、活発に意見交換をすることができた。また、交流する機会(時間)をできるだけ多く持てるよう、体験活動(竹炭を使ったクラフト作り)を取り入れた。お互いにかかわりあう場面(時間)をしっかりと確保していくことが大切である。

○ ディスカッションのテーマが「スポーツ」と「マンガ・アニメ」というとても身近で若者が熱く語り合えるものだったこともあり、ウェルカムパーティーから、国境を越えてアニメのキャラクターや好きな漫画を紹介しあったり、サッカーの話で盛り上がったり、言葉や国境を越えて、楽しく親しく交流し合う姿がみられた。

○ ホームステイ時に、各家庭に大学生のボランティアを1名ずつ配置したことで、アセアンの子どもたちの生活支援を行うことができた。大学生ボランティアは海外からの留学生も多く、円滑な通訳が難しい場面もみられた。ホストファミリーからは、「短時間であったが楽しいひと時で、受け入れてよかった。」との声をいただいた。

○ スケジュールがやや過密になったところもあったため、ゆったりとしたプログラム編成とする必要がある。

●東京プログラム

Aグループ東京プログラム(タイ・インドネシア・日本・ベトナム・ミャンマー)

 大使館訪問や留学生の話により自国と日本の現在の関係を学びましたか

<参加者の声>・自国と日本の違いや歴史について学ぶのはとても興味深かった。自国と日本が良い友達であると知った。

・私たち若い世代が自国と日本の関係を発展させられるよう頑張りたいと思った。<留学生の声> 日本とアセアンの交流事業の大切さを実感した。中学生たちは日本での滞在期間で学生同士、国籍関係なくとても仲良く交流していた。多くの学生が異文化理解だけではなく、日本を始めアセアンの国々を好きになることからまた日本で学びたい、将来国際機関で働きたいなど立派な夢もできたように感じた。発表を聞いても、国間の歴史や誤解など超えて世界平和を目指そうという具体的な考えもあり、とても印象的だった。(ミャンマー人留学生)

【インドネシア大使館訪問】

【ミャンマー人留学生からの留学体験談】

【タイ人留学生からの留学体験談】

0% 80%60%40%20% 100%

■学んだ ■少し学んだ ■あまり学ばない ■全く学ばない

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■施設での成果報告 交流最終日に「合同発表会」を開催した。ベトナム・ミャンマー・日本の3か国の中学生が、交流を通して学んだこと、将来の目指す姿などを発表した。また、発表を受けて、企画委員会委員から激励のことばをいただいた。

【ベトナム大使館訪問】

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●東京プログラム

Aグループ評価会(タイ・インドネシア・日本・ベトナム・ミャンマー)

◆日本とタイのパートナーシップ構築のための8つのポイント

①中学生、高校生、大学生レベルでの交流を深める。②日本がタイへ災害発生時の対応法を伝える。③文化や伝統の全体像を把握するため、日本語⇔タイ語の翻訳を推進する。

④政治、経済、歴史の相互理解を深める。⑤日本入国時のビザ申請免除を機に観光客を増やす。⑥タイ語、日本語の勉強を推進する。インターネット語学コースを設立する。

⑦観光業を通じて経済を活性化する。⑧両国で食の展覧会を開催。食文化の交流を深める。

●東京プログラム

Aグループ評価会(タイ・インドネシア・日本・ベトナム・ミャンマー)

◆スピーチコンテストの開催 お互いの文化(スポーツ、食、服、音楽など)を知ることが大切だ。例えば今年はアセアンと日本の交流が開始されて40周年であり、それに関連して様々な催し物が開催されているが、スピーチコンテストなどを開催すれば語学力も向上し、お互いの国への理解を深めることもできる。更に重要なことは留学出来る環境を整えることだ。また政府には、アセアン加盟国中学生招聘交流事業のような事業をもっと支援することを期待する。アセアンと日本がお互いに協力し合って、発展できるような関係を築いて、平和を作りたい。一人一人の力は小さいが、皆で協力し合えば、大きな事を達成することができる。

◆平和の架け橋プロジェクト 日本文化には感動したし、中学校で今後も忘れることのない体験をした。こういった交流事業を通して、今後互いの国の関係を深めることができると思う。今回の経験を第一ステップとして、アセアンと日本の関係を強固なものにしていきたい。 日本の生徒から多くのことを学んだ。江田島の歴史、日本の良い点、過ちを学んだ。日本と良い関係を結ぶには、こういった交流事業は不可欠だ。この事業の参加者は将来リーダーとして日本とアセアンの関係を引っ張っていくだろう。若い世代が友情を育んでいけば、将来は明るいし、平和な世界になる。「歴史」「交流」「文化」への理解を深めることができれば、「平和」を作ることができる。こういった交流事業は「平和」の基本となるであろう。

評価会に向けて十分な議論ができましたか。

0% 80%60%40%20% 100%

■できた ■少しできた ■あまりできなかった ■できなかった ■無回答

16 5 3

0% 80%60%40%20% 100%

■満足した ■やや満足した ■あまり満足しない ■満足しない ■無回答

17 5 2

◆日本とインドネシアのパートナーシップ構築のためにできること

①文化交流②インドネシア&日本フードフェスティバルの開催③スポーツ祭典の開催④共に働きかけあい、より良い未来の構築⑤交換留学⑥テレビ会議(LINE、Skype等)⑦双方に各々の文化を教え合う。

◆中学生によるアセアン合同キャンプの実施 「子ども同士が協力し合い、自然とふれあい、一つのことを成し遂げる」というもの。心が通じ合えば、友情も深まり、相手国の文化を尊重できるようになる。共同でダンス等を考え、言葉の壁を乗り越えたい。私たちの世代から日本とアセアンの強い絆を作りたい。

自国の発表に満足できましたか。

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Bグループ ラオス・フィリピン・シンガポール

<国立妙高青少年自然の家>

招聘日程

期 日 内  容

11月19日(火) 成田空港到着国立妙高青少年自然の家へ移動

11月20日(水) 妙高市長、教育長表敬訪問妙高市立新井中学校と第1回交流活動

11月21日(木) 日本食文化体験(うどん作り)地域生活文化体験(わら草履作り)

11月22日(金) 日本文化体験長野市(善光寺・エムウエーブ)見学

11月23日(土) 民泊プログラムホストファミリーとの交流

11月24日(日) 民泊プログラムホストファミリーともちつき体験

11月25日(月) 上越教育大学訪問大学生との交流

11月26日(火) 妙高市立新井中学校と第2回交流活動フェアウェルパーティー

11月27日(水)~ 29日(金) 東京プログラム

日本人参加者の日程 人数36名(交流者240名)

期 日 内  容

11月20日(木) 妙高市立新井中学校にて交流

11月21日(木)~ 25日(月)

特別活動の時間、放課後などを活用し、実行委員会を中心にした、意見交換会へ向けての事前学習

11月26日(火)妙高市立新井中学校にて交流意見交換会フェアウェルパーティー

11月27日(水)~28日(木)

代表4名が東京プログラムへ参加*合同評価会で発表

シンガポールフィリピン

№ 名前 年齢 性別1 Kethida Phouangphet 15 女2 Souphatta Phamavanh 15 女3 Viriya Sengchanh 14 男4 Dungchai Songeun 16 女5 Pralinya Chaleunsouk 16 男6 Sathaphone Phimpho 15 男引率 Soudalee Phanthamixai ̶ 女

●国立妙高青少年自然の家

プログラムの特徴

1.招聘者に対するプログラムの特徴について

(1) 妙高市立新井中学校との交流 招聘者にとってもっとも心に残るプログラムとなった。実際に授業を受け、給食を食べ、休み時間をともに過ごし、清掃活動や部活動を体験した。日本人の友達との友情を深めるとともに、自国の学校教育との違いについて考察することができた。

(2) 民泊を通したホストファミリーとの交流 それぞれの国ごとに民泊を行い、ホストファミリーと交流した。生け花や着物の着付け、地元の料理などそれぞれが貴重な体験をすることができた。また2日目は3つのファミリーが合同で公民館を借りて、餅つきを体験させていただいた。日本のおもてなしの心について学んだ。

(3) 妙高市長・教育長表敬訪問 妙高市役所を訪問した。市役所をあげての歓迎式だけではなく意見交換会を開いていただき、市長、教育長に自国について紹介したり、妙高市についてのお話を聞くことができた。

(4) 上越教育大学との交流 大学をあげて歓迎していただき、大学の国際交流の授業に参加させていただいたり、特別に日本語の授業を開講していただいた。学生とも交流し、一緒に学食を体験したり、アカペラサークル、ストリートダンス部の活動に参加させていただいた。

(5) 長野市内見学 善光寺・オリンピック記念館(エムウエーブ)を見学した。日本文化について深く学んだり、初めてのスケート体験を行うことができた。

 妙高市立新井中学校、第2学年生徒240名に受け入れていただき、交流会を実施した。新井中学校ではASEAN交流会担当を新たに組織し、校長先生をはじめ全校体制で受け入れていただいた。ASEANの生徒1名に対し2名の交流生徒を立候補を元に決めていただき、生徒実行委員会を組織した。

(1) 第1回交流活動 全校交流会、給食体験、学級交流会、授業体験、清掃活動、部活動体験を行った。2年生各学級に3名ずつアセアンの中学生を招き、交流生徒が中心となりながらともに過ごした。どの学級も先生方の指導がすばらしく、お互いにすぐに打ち解け、身振り手振りを使いながらコミュニケーションをとっていた。英語が得意でなくても自分の意志を伝えることができたことは大きな自信となった。

(2) 第2回交流活動 学年交流会、代表生徒との意見交換会、レクリエーションを行った。意見交換会は①ASEANに広がっている日本の文化について②ASEANと日本の違いについて③将来の夢についての3つのテーマを設定し、生徒実行委員会が中心となって進められた。ASEANの生徒が日本の文化のすばらしさを発表することで生徒は自国について誇りを持ち、積極的に外国の仲間と関わろうとする意欲を養うことができた。また、別れの式では心と心の交流が深まり、時間がすぎてもお互いに別れを惜しんでいた。

(3) 評価会への参加 代表生徒4名が参加した。今の自分たちにできることを具体的に考え、堂々と発表することができた。

2.日本人参加者に対するプログラムの特徴について

●国立妙高青少年自然の家

ラオス

№ 名前 年齢 性別1 Ang Jun Sheng Jordan 13 男2 Chang Po Chun 15 男3 Chong Xin Zi, Claire 16 女4 Christina Wong Yi Zhen 16 女5 Tan Ying Hui 13 女6 Jasmine Chua Xianhui 15 女引率 Ng Hon Yuen ̶ 男

№ 名前 年齢 性別1 Joashriel Abania 14 男2 Namahig Asa Arao Mahiwo 14 男3 Ella Beatriz Garcia Saga 15 女4 Chelseya Joanna Desembrana Laigo 15 女5 Maria Mikaela Renee Dyoco Cervantes 14 女6 Maria Denise Reyes Sarmiento 15 女引率 Priscilla Legaspi Minas ̶ 女

【部活動の体験】】

【市長・教育長表敬訪問】

【ホストファミリーとの交流】

【代表生徒による意見交換会】

【240人との記念撮影】

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13 14

成 果 と 課 題

【フェアウェルパーティーでおもてなし】  【ホストファミリーのみなさんと餅つき後の記念撮影】

■運営施設企画委員会開催による事業の質の向上について

 新しい公共型の事業運営を行い、企画委員の方々にそれぞれの活動の部分で参画していただいた。それぞれの専門性を十分に生かしていただくことで、非常に活動の質の高い事業になった。○妙高市立新井中学校 中学校との交流プログラムの計画と運営 日本人中学生への指導○妙高市グリーンツーリズム推進協議会 民泊プログラムの作成○国立大学法人上越教育大学 大学訪問の計画と運営○NPO法人妙高山麓自然体験活動指導者会 民話プログラムなどの運営○上越国際交流協会 通訳業務

運営施設企画委員会

妙高青少年自然の家

国立大学法人上越教育大学

妙高市グリーンツーリズム推進協議会

NPO法人妙高山麓自然体験活動指導者会

上越国際交流協会妙高市立新井中学校

●国立妙高青少年自然の家

■参加者の声

<フェアウェルパーティーでの姿から> 「お世話になった人たちにお礼の気持ちを示そう」というねらいを立て、ASEAN参加者がホストファミリーと新井中学校の交流生徒を招待するという形で開催した。代表スピーチの中で、「日本のおもてなしは本当に素晴らしいと思いました。」という言葉があった通り、参加者は伝統芸能を披露するなど、招待した方々にお礼の気持ちをもって接していた。ホストファミリーや新井中学校の方々に喜んでいただき、とてもうれしそうだった。 新井中学校の代表生徒も、「コミュニケーションに自信がついた。」「楽しく交流できて自信になった。」等、自らの成長を実感している発表をしていた。<毎日のふり返りから> 「日本人と交流することで、自分はもっと積極的にならなければいけないと感じた」(フィリピン人参加者) 「私は家に帰ったらお母さんにホストファミリーになってと頼みたいと思う」(ラオス人参加者) 「もっと日本語が必要と思った。日本語をがんばって勉強したい」(シンガポール人参加者) 参加者はすべて、毎日ふり返りを行う中で、今、自分がやるべきこと、やりたいことを具体的にしっかりと考えることができた。

■考察(成果と課題) 今回、本部からの計画を受け、妙高では育てたい人物像を次の3点に設定した。 ①交流プログラムを通して自国にいかせるお互いの文化を具体的に語れること。 ②自分の将来の姿を具体的に見据え、今自分のやるべきことがわかること。 ③お互いに積極的にコミュニケーションをとろうとする意欲と態度を身につけること。 引率の先生方とも共通理解を図り、参加者は活動を通して3つのねらいを十分に達成することができた。反面、「国としての使命」を考えることは十分にはできなかった。育てたい人物像についてはしっかりと検討する必要があることを感じた。 日本人参加者との交流については新井中学校の計画の元で行い、お互いに素晴らしい成果をあげることができた。特に新井中学校は240人の2年生生徒全員が交流を通して、「もっと英語を話せるようになりたい。」「いままで気にもしなかった外国の事について興味がわいた。」というように具体的な感想をもつことができた。 妙高青少年自然の家は新しい公共型の施設運営を行っており、そのおかげで市長との意見交換会など、他施設ではできないプログラムを実現することができた。専門性の高い方が参画してくださることで事業の質は飛躍的に向上した。

●国立諫早青少年自然の家

Bグループ マレーシア・カンボジア

<国立諫早青少年自然の家>

招聘日程

期 日 内  容

11月19日(火)午前:福岡空港到着  :太宰府天満宮・九州国立博物館午後:職員との顔合わせ

11月20日(水)

午前:施設案内、日本文化(浴衣試着)体験午後:長崎県立諫早高等学校附属中学校   交流と長崎市内班別研修コースのプレゼン  :諫早市表敬訪問 夜:長崎市内班別研修コース決め   シルクスクリーン準備

11月21日(木)午前:長崎大学熱帯医学研究所午後:長崎県美術館(シルクスクリーン体験) 夜:長崎市内班別研修準備

11月22日(金) 終日:長崎市内研修(日本人青年とグループ活動) 夜:長崎市内班別研修のまとめ、ホームステイ準備

11月23日(土) 午前:ホストファミリーを交えた餅つき午後:クラフト制作、ホームステイ

11月24日(日) 終日:ホームステイ 夜:中学校と行う交流会の準備

11月25日(月)午前:三菱重工業長崎造船所午後:長崎歴史文化博物館(活版印刷体験) 夜:成果発表会準備

11月26日(火)

午前:長崎県立諫早高等学校附属中学校   各国文化の紹介、市内研修に関わる協議午後:買い物体験、成果発表会準備 夜:成果発表会、送別レセプション

11月27日(水)~ 29日(金) 東京プログラム

日本人参加者の日程 人数121名(交流者128名)

期 日 内  容

11月20日(水) 長崎県立諫早高等学校附属中学校交流

11月22日(水) 長崎市内班別研修グループ活動11月23日(土) 餅つき

11月26日(火) 長崎県立諫早高等学校附属中学校交流送別レセプション

【長崎市内自主研修中に市内を流れる中島川でハートストーンを発見】

マレーシア

カンボジア

№ 名前 年齢 性別1 Tang Shi Ying 14 女2 Jordane Fang Minh Yi 14 女3 Chee Ka Shong 15 男4 Cayson Ooi Yi Chung 14 男5 Choo Yi Tzu 14 女6 Ng Ke Chen 14 女引率 Quah Saw Ting ― 女

№ 名前 年齢 性別1 Chanvisoth Poch 13 男2 Panharith Pauv 15 男3 Kimheang Ouch 14 女4 Bophanith Lonn 15 男5 Kim Chhib Phuong 14 女6 Mony Chanroath 14 男引率 Rotha Ry ― 男

【ホームステイ出発前にホストファミリーの皆さんと撮影】

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15 16

プログラムの特徴

1.招聘者に対するプログラムの特徴(1)日本の文化・歴史の学習  ① 太宰府天満宮(門前町や境内の庭園など)  ② 九州国立博物館(「特別展:尾張徳川家の至宝」で徳川文化を学ぶ)(2)長崎市の見学(歴史、文化、産業、平和、国際貢献等の学習)  ① 長崎市内班別研修(長崎県立諫早高等学校附属中学校生徒の推奨コース)  ② 長崎県美術館(日本美術の学習、日本文化の体験、シルクスクリーン体験)  ③ 長崎歴史文化博物館(長崎とアセアン諸国との歴史的なつながり、活版印刷体験)  ④ 長崎大学熱帯医学研究所(日本の医学技術と国際貢献)  ⑤ 三菱重工長崎造船所(長崎を代表する国際企業の様子と技術の歴史、国際貢献)(3)長崎県立諫早高等学校附属中学校との交流体験  ① 1回目

 中学生が計画した長崎市内班別研修のモデルコース(6コース)をプレゼンテーションし、アセアン中学生がコースを選択する。

  ② 2回目ア.アセアン中学生と日本人中学生が、自国を紹介するプレゼンテーションを行う。イ.長崎市内班別研修に関わるディスカッションを行う。

(4)日本語の基礎的な学習  ① 挨拶など、基本的なコミュニケーションをとるための日本語を学ぶ。  ② 交流の際に、積極的に話しかけるように促す。(5)日本の生活体験  ① 2人1組でホームステイをし、日本の家庭生活を体験することで、日本の生活文化に触れ、日本人との   交流を深める。  ② 餅つき体験や浴衣試着(6)成果発表会   最後の夜に、成果発表会と送別会を行う。

2.日本人参加者に対するプログラムの特徴

(1)長崎県立諫早高等学校附属中学校生徒 1)長崎市内班別研修の推奨コースの作成  ① 1クラスが2つの推奨コースを作成し、そのコースの魅力を英語で説明する。    ・条件:長崎市内、別日程で訪問する施設は除外、電車・バスで訪問    ・時間:10時~ 15時30分(現地活動時間)※必ず平和公園と原爆資料館を組み込む  ② 生徒には、アセアン中学生に、長崎の何を見せることが、日本理解につながるのかを考えさせること   で、自国への理解を深める契機とする。  ③ プレゼンテーションを行うことにより、表現力を高める。  ④ プレゼンテーションをした班と実際に研修に行った班が昼食をともにしながら、意見交換を行う。 2)交流会の企画運営  ① 交流会を企画運営する(生徒会中心)。  ② 日本や長崎・諫早の何を伝えるのか。また、アセアン中学生の母国の話をどう受け止めるのかについ   て、事前に研修を行う。 3)評価会の実施   3年間の交流を通して学んだことをまとめる評価会を行う。(2)ホストファミリー  ① 1泊2日、2人1組のアセアン中学生を受け入れ、日本の生活体験を提供する。  ② ホームステイ出発前に、一緒に餅つきを行う。  ③ 最終日の成果発表会及び送別交流会に参加する。(3)ボランティア  ① 長崎市内班別研修に同行しアセアン中学生と交流することにより、外国人とのコミュニケーション能力を   高めるとともに、異文化理解の一助とする。  ② 餅つきに参加する。  ③ 最終日の成果発表会及び送別交流会に参加する。

●国立諫早青少年自然の家 ●国立諫早青少年自然の家

成 果 と 課 題

【シルクスクリーン体験】 【附属中学校生の研修コースプレゼン】

1. 参加者の声<マレーシア人参加者>・ホームステイで私は日本の家族と一緒にとてもいい時間を過ごした。本当に大好きです。

・私の夢である、文化を共有できる仲間ができた。<カンボジア人参加者>・私の期待していたものを見ることができた。・もう一度日本に来ることを望む。・私の将来にとてもよかった。そしてほかの国の友達がたくさんできた。

・日本について知らなかったことを学ぶことができた。

<日本人参加者>・世界に対しての考え方が変わり、自分をもっと世界で試してみたいと思った。

・交流時間を長くしてほしい。・自分の英語力のなさが分かった。・楽しかった。貴重な体験ができた。・交流をしたことで、交流国のことだけでなく、長崎や日本の文化、観光地のことについて考え直すことができた。

・もっといろいろな国から大勢来てほしい。・一緒に街を回りたい。

2. 運営施設企画委員会開催による事業の質の向上について○ 企画委員会の構成メンバーを、これまでどおり連携・協力機関の長に依頼した。そのため、企画委員会での各委員からの指導・助言が、昨年度までの経験を踏まえたものになり、事業の企画・運営に反映することができた。

○ 企画委員が事業内容に直接関わり、事業内容に関わる打合せが円滑になった。○ 企画委員からの助言を受け、具体的に訪問先での滞在時間を延長し、見学や体験を増やした。また、ホームステイの時間も延長した。結果として余裕を持った研修ができ、参加者の満足度が高くなった。

3. 考察(成果と課題)(1)成果① アセアン中学生、日本人中学生ともに満足度が高い。中でも中学校との2度にわたる交流と、ガールスカウトの協力をいただくホームステイはアセアン中学生の満足度が高い。同年代の生徒間で交流する体験のおもしろさ、大切さが見て取れる。

② アセアン中学生は平和学習への関心が高く、市内研修のすべてのコースに平和公園と原爆資料館を組み込んだのは良かった。

③ 市内班別研修の企画を附属中学校生に依頼したのは、双方に効果的であった。附属中学校生は自国(地元)の文化・歴史・観光等を見直すとともに、コミュニケーション能力を高めるきっかけとなった。アセアン中学生は、国の枠を超えた研修チームを作ることで、友好の幅が広がるとともに、企画してくれた生徒との交流も進んだ。

④ ホームステイは昨年度に引き続きホストファミリーを引き受けてくださる家庭もあった。その家庭はホームステイへの関心が高まり、今回の受け入れ家族のリーダー的役割も果たした。また、滞在時間の延長はホストファミリーにも好評であった。

⑤ 夕食時間を18時以降とすることで、昼間の研修時間に余裕ができた。⑥ 成果発表会において、今回の経験を発表するのではなく、経験に基づき、それぞれの国と日本が今後もっとよりよい関係を作るために必要なことについて考え、発表することができた。

⑦ 島原半島世界ジオパークでの研修をやめ、他の時間に振り向けたことで、時間をかけた充実した研修につながった。(2)課題① 二度目の中学校訪問の日が定期考査の前日となり、負担をかけている。また、中学校に滞在する時間が短く、中学生の改善してほしい点のほとんどが「交流の時間を増やしてほしい」である。アセアン中学生にも同様な意見があるが、同じ理由で反映できなかった。

② 上記の理由により、中学生の家庭からホストファミリーが出にくい(本年度が2家族、昨年度はなし)。③ 県北部地域(佐世保地区)の活用を検討し、活動地域の幅を広げたい。

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17 18

Bグループ評価会(ラオス・フィリピン・シンガポール・日本・カンボジア・マレーシア)

●東京プログラム●東京プログラム

 大使館訪問や留学生の話により自国と日本の現在の関係を学びましたか

<参加者の声>・大使館では、自国が何故日本と関係があるかについて説明してくれた。

・日本に駐在するシンガポールの職員が直接体験した話を聴くことが出来て有益だった。<留学生の声> ジュニアプログラムを通じて、自分の国の中学生と日本で過ごすことができ、とても貴重な経験になった。自分の国でも、中学生と接する機会もなかなかなく、このプログラムを通じて最近の若者の行動や考え方を知ることができた。また、このプログラムで中学生たちに日本で様々な日本文化を体験させ、グループメンバーと相談して自分の体験を発表させることはとても良い経験だと思う。様々な国の学生の前で自分の考え方をしっかり発表することができ、社交性や自己成長に繋がると思う。(マレーシア人留学生)

【ラオス大使館訪問】

【シンガポール人留学生からの留学体験談】

【マレーシア・カンボジア人参加者の浅草訪問】

0% 80%60%40%20% 100%

■学んだ ■少し学んだ ■あまり学ばない ■全く学ばない ■無回答

22 5 2 1

Bグループ東京プログラム(ラオス・フィリピン・シンガポール・日本・カンボジア・マレーシア)

【フィリピン大使館訪問】

◆アセアンと日本の関係強化のためにしたいこと①日本のアニメに興味があるため、留学するための奨学金を得たい。

②アセアン&日本関係強化委員会の設立。③日本語と英語の習得。④アセアンと日本の友人とコンタクトを取り続ける。⑤ホストファミリーになり、日本人を受け入れる。⑥この事業への参加を多くの人に勧める。

◆日本とフィリピンの強い絆①技術供与:フィリピンは日本から技術を学んだお陰で、自力で開発できるようになった。

②農業:農業は日本、フィリピンの両国のGNPに寄与し、雇用も創出している。このような関係は両国の経済発展に繋がるだけでなく、親交を更に深める。

③災害支援:フィリピンは大きな台風被害に遭ったが、日本は多くの支援をしてくれた。逆に東日本大震災、原発事故の際にはフィリピンは日本に対して、様々な支援を行った。

④労働力:日本は少子高齢化が進行し、フィリピンの若い労働力を必要としている。

◆二国間関係を強化し、活発な人的交流を実施①教育:日本では幅広い分野の教育を行っている。ほぼ毎日の課外活動、放課後の掃除、昼食を教室で食べるなど。

②日本の生活:ホームステイでは日本の生活が体験できた。日本人は誰にでも元気よく挨拶していて驚いた。

③自然:妙高の自然はシンガポールで見られる自然とは異なる。

④日本人の姿勢:日本人からお互いを尊重し合う姿勢を学べた。日本人の優しさに触れ、心が温まった。

⑤歴史:日本は多様な歴史を持っており、シンガポールとは大きく異なる。お互いの歴史を知れば、二国間関係を強くすることができると思う。まずは両国の人的交流を活発にしていきたい。

◆学習したこと①英語や日本語で積極的に交流しようとする向上心。②おもてなしの心を持って交流し、日本の良さを再確認した。③英語力向上、海外への興味拡大、留学志望者が増えた。◆成果①90%がアセアンへの興味が湧いた。②75%が日本の良さを再発見した。③93%が英語力向上の必要性を感じた。世界言語の英語を学ぶことの重要性を再確認した。

◆今後活かしたいこと 異文化への理解を深め、英語力&コミュニケーション能力を向上させる。

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19 20

調査について

 アセアン9カ国からの招聘中学生・各国6人、計54人及び日本人参加者計201人に対して、グローバル人材育成測定尺度(26項目)とリーダーシップ測定尺度(18項目)を用いて調査を行った。 グローバル人材育成測定尺度については、事業目的を踏まえ、文部科学省グローバル人材育成推進会議が整理した要素IからIIIをもとに、「IKR評定用紙(簡易版)」等をもとに国立青少年教育振興機構(国際・企画課)において作成した。リーダーシップ測定尺度は、リーダーが集団に果たす2つの働き「PM理論 (三隅, 1978)」を参考にし、課題達成機能 (Performance) 行動と集団維持機能 (Maintenance) 行動を問う質問項目について、国立妙高青少年自然の家が作成した「リーダーシップ測定尺度」(18項目)を用いた。 招聘者に対しては、事業前・事業終了直後(事業後)、日本人参加者に対しては、事前研修時及び事業後に同じ調査項目を用いて調査を実施した。集計・分析は、各得点の平均と標準偏差を算出した。そしてアセアン各国からの招聘者の事業前・後の結果の差を見るため、「対応のあるサンプルのt検定」で分析した。

要素Ⅰ-①語学力、要素Ⅰ-②コミュニケーション能力要素Ⅱ-①主体性・積極性、要素Ⅱ-②チャレンジ精神、要素Ⅱ-③協調性・柔軟性、要素Ⅱ-④責任感・使命感要素Ⅲ-①異文化理解、要素Ⅲ-②日本人としてのアイデンティティ要素Ⅳ-リーダーシップ(事業趣旨)

要  素 質 問 項 目1

グローバル人材育成尺度

要素Ⅰ

①語学力

英語で自己紹介ができる2 外国の人に英語で話しかけることができる3 将来外国の学校に行きたい4 将来外国の会社ではたらきたい5

②コミュニケーション能力

だれにでも話しかけることができる6 人の話しをきちんと聞くことができる7 人のために何かをしてあげるのが好きだ8 人の心の痛みがわかる9

要 

素 

①主体性・積極性自分からすすんで何でもやる

10 前むきに、物事を考えられる11 先を見通して、自分で計画が立てられる12

②チャレンジ精神小さな失敗をおそれない

13 うまくいくようにいろいろな工夫することができる。14 新しいことに挑戦したい15

③協調性・柔軟性だれとでも仲よくできる

16 その場にふさわしい行動ができる17 自分かってな、わがままを言わない18

④責任感・使命感いやがらずに、よく働く

19 自分に割り当てられた仕事は、しっかりとやる20 自分がするべき役割をはっきりわかっている。21

要素Ⅲ

①異文化理解交流国の文化(日常生活等)を理解している。

22 交流国の歴史を理解している。23 初めての環境に自分からなじもうと努力する24

②日本人としてのアイデンティティ日本の文化(日常生活等)を説明することができる。

25 日本の歴史を説明することができる。26 日本人としての良さを説明できる。27

外向き志向日本人として世界に貢献したい

28 外国の人との交流を通して自分の可能性を広げたい29 交流した外国の人と将来もつながりをもちたい30

リーダーシップ測定尺度

課題達成機能

人が嫌がることでも自分から進んで取り組むことができる。31 すすんでお手伝いや勉強をすることができる。32 危ないことを予測して避けることができる。33 その場の状況にあわせて考えることができる。34 決めた時間にあわせて行動することができる。35 先のことを考えて行動することができる。36 内容を考えて話すことができる。37 反省したことを次の行動や活動に生かしている。38 物事をいろいろな方向から見ることができる。39 わからないことは自分で調べることができる。40 興味のあることにチャレンジしてみたい。41

集団維持機能

全体の目標にあわせて活動に取り組んでいる。42 ルールや約束を必ず守ることができる。43 親や先生に言われなくても規則にしたがうことができる。44 困っている友だちがいたら励ますことができる。45 友だちの立場に立って話を聞くことができる。46 明るく元気にあいさつや返事ができる。47 場を和ますことができる。

Bグループ評価会(ラオス・フィリピン・シンガポール・日本・カンボジア・マレーシア)

●東京プログラム

評価会に向けて十分な議論ができましたか。

0% 80%60%40%20% 100%

■できた ■少しできた ■あまりできなかった ■できなかった ■無回答

11 311 1 4

0% 80%60%40%20% 100%

■満足した ■やや満足した ■あまり満足しない ■満足しない ■無回答

21 5 1 3

自国の発表に満足できましたか。

◆日本・カンボジアユースセンターの設立 ユースセンターを作ることができたら、中学生レベルでも貢献できて、日本・カンボジア間の交流も深めることが可能である。日本人にもカンボジアで多くのことを体験して欲しい。双方の国の相違点を理解すれば、国同士は争いなく共存できる。

◆マレーシアでのホームステイの実施 日本で学んだことを通して、国際関係を深めるためにはホームステイが最も有効な方法だと感じた。日本人にも是非マレーシアに来て欲しい。 今後は、JAGAMのようなスポンサーの協力を得てホストファミリー探しを行ないたい。

<留学生の声> 参加者のみなさんと過ごした時間は短かったですが、中学生のみなさんが楽しんでお互いに協力したり、いろいろな面白い意見を交換したりする姿を見て、本当によかったと思います。このプログラムを通してみんなで仲良くなって、いろいろな国の人と文化や習慣を交換して学ぶことができて、中学生のみなさんにとってとてもいい経験になると思います。(ラオス人留学生)

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21 22

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

1.招聘者に対する調査

表1 [招聘者] グローバル人材育成測定尺度・   リーダーシップ指標の変化

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.68 4.96 0.28 -6.28 0.000 *

要素Ⅰ 4.93 5.20 0.27 -4.97 0.000 *語学力 5.19 5.43 0.24 -2.84 0.006 *

コミュニケーション能力 4.67 4.98 0.31 -4.73 0.000 *要素Ⅱ 4.68 4.88 0.21 -3.67 0.001 *

主体性・積極性 4.61 4.96 0.34 -4.49 0.000 *チャレンジ精神 4.61 4.80 0.19 -2.28 0.027 *協調性・柔軟性 4.70 4.82 0.12 -1.41 0.163 責任感・使命感 4.78 4.94 0.16 -1.75 0.085

要素Ⅲ 4.35 4.81 0.46 -6.78 0.000 *異文化理解 4.09 4.60 0.52 -5.73 0.000 *

~人としてのアイデンティティ 4.61 5.02 0.41 -4.65 0.000 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.68 4.96 0.28 -5.80 0.000 *

課題達成機能 4.63 4.93 0.30 -5.51 0.000 *集団維持機能 4.76 5.01 0.25 -4.27 0.000 *

図1 [招聘者] グローバル人材育成測定尺度・   リーダーシップ指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

表2 [日本人参加者]グローバル人材育成測定尺度・   リーダーシップ指標の変化

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 3.73 4.20 0.46 -9.87 0.000 *

要素Ⅰ 3.60 4.01 0.41 -10.82 0.000 *語学力 3.01 3.58 0.57 -10.59 0.000 *

コミュニケーション能力 4.19 4.44 0.25 -6.61 0.000 *要素Ⅱ 4.05 4.35 0.30 -9.78 0.000 *

主体性・積極性 3.86 4.21 0.35 -7.66 0.000 *チャレンジ精神 4.10 4.37 0.26 -6.62 0.000 *協調性・柔軟性 4.07 4.38 0.30 -6.94 0.000 *責任感・使命感 4.17 4.46 0.28 -6.45 0.000 *

要素Ⅲ 3.60 4.14 0.54 -12.55 0.000 *異文化理解 3.41 4.04 0.64 -11.17 0.000 *

日本人としてのアイデンティティ 3.79 4.24 0.45 -9.33 0.000 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.08 4.37 0.29 -10.53 0.000 *

課題達成機能 4.04 4.35 0.31 -10.28 0.000 *集団維持機能 4.16 4.42 0.27 -7.95 0.000 *

図2 [日本人参加者]グローバル人材育成測定尺度・   リーダーシップ指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

2.日本人参加者に対する調査

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

調査結果(全体)

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

調査結果(乗鞍)

1.招聘者に対する調査結果表1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 乗鞍 招聘者

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.51 4.63 0.12 -1.19 0.257

要素Ⅰ 4.70 4.91 0.21 -1.88 0.087 語学力 4.96 5.17 0.21 -1.56 0.147

コミュニケーション能力 4.44 4.67 0.23 -1.40 0.190 要素Ⅱ 4.44 4.49 0.05 -0.42 0.679

主体性・積極性 4.42 4.50 0.08 -0.46 0.651 チャレンジ精神 4.33 4.47 0.14 -1.16 0.269 協調性・柔軟性 4.39 4.56 0.17 -0.88 0.400 責任感・使命感 4.64 4.44 -0.19 1.21 0.253

要素Ⅲ 4.38 4.53 0.15 -1.19 0.261 異文化理解 4.14 4.33 0.19 -1.40 0.189

~人としてのアイデンティティ 4.61 4.72 0.11 -0.59 0.570

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.48 4.58 0.10 -1.17 0.266

課題達成機能 4.44 4.60 0.16 -1.47 0.168 集団維持機能 4.54 4.55 0.00 -0.05 0.961

図1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 乗鞍 招聘者

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 乗鞍プログラムに参加したインドネシア・タイ中学生12名の回答を分析したところ、統計学的に有意な点数の上昇が見られた項目はなかった。グローバル人材要素Ⅱ責任感・使命感については、平均点の落ち込みも見られた。 招聘中学生のほとんどが経済的に恵まれており、海外旅行・日本への旅行が初めてでない中学生が多く、生活水準の高さも感じられた。その結果、乗鞍プログラムでは体験・克服的な内容のウエイトが少なく、観光要素が多かったのではないかと考えられる。

2.日本人参加者に対する調査結果表2 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 乗鞍 日本人

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 3.78 4.09 0.31 -4.92 0.000 *

要素Ⅰ 3.60 3.91 0.32 -3.36 0.002 *語学力 3.05 3.42 0.37 -3.10 0.004 *

コミュニケーション能力 4.14 4.41 0.27 -2.57 0.015 *要素Ⅱ 4.01 4.21 0.20 -3.18 0.003 *

主体性・積極性 3.76 3.96 0.21 -2.48 0.019 *チャレンジ精神 4.21 4.35 0.15 -1.39 0.174 協調性・柔軟性 3.99 4.19 0.20 -1.85 0.073 責任感・使命感 4.09 4.34 0.25 -3.21 0.003 *

要素Ⅲ 3.54 4.08 0.54 -5.82 0.000 *異文化理解 3.34 3.85 0.51 -4.73 0.000 *

日本人としてのアイデンティティ 3.74 4.30 0.56 -5.14 0.000 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.00 4.19 0.19 -3.18 0.003 *

課題達成機能 3.92 4.16 0.24 -4.04 0.000 *集団維持機能 4.15 4.25 0.10 -1.27 0.212

図2 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 乗鞍 日本人

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 乗鞍プログラムに参加した日本人中学生32名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能について有意な点数の上昇が見られた。 今回、地方施設での宿泊を伴う交流会・東京プログラムで、日本とASEAN諸国についてのディスカッション・東京プログラムでの発表を実施したため、特にリーダーシップに関する課題達成機能の点数が上昇したと考えられる。

 この事業に参加した全アセアン中学生54名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに有意な点数の上昇が見られた。 今年度は、昨年に比べ日本人とディスカッションしたり交流する機会が増え、日本人と対面する時間が増えたことにより、全ての中位項目の点数が上昇したと考えられる。

 この事業に参加した全日本人中学生201名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに有意な点数の上昇が見られた。 今年度は、昨年に比べ中学生が企画・運営を行なったり、ディスカッションを焦点化した施設が多くなったことから、全ての項目の点数が上昇したと考えられる。

Page 13: アセアン加盟国中学生 招聘交流事業 Nathania Alifiani Prameswari Larasati 13 女 5 Raka Naradi Pradana 14 男 6 Rania Ameera Moeljono 13 女 引率 Rizka Hermin Zulaicha

23 24

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

調査結果(江田島)

1.招聘者に対する調査結果表1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 江田島 招聘者

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.83 5.05 0.21 -1.96 0.076

要素Ⅰ 5.08 5.33 0.25 -2.64 0.023 *語学力 5.24 5.54 0.30 -2.24 0.047 *

コミュニケーション能力 4.94 5.13 0.19 -1.47 0.169 *要素Ⅱ 4.81 4.97 0.16 -1.38 0.195 *

主体性・積極性 4.76 5.22 0.46 -3.25 0.008 *チャレンジ精神 4.69 4.64 -0.06 0.31 0.761 *協調性・柔軟性 4.86 4.92 0.06 -0.39 0.701 責任感・使命感 4.94 5.11 0.17 -0.92 0.377

要素Ⅲ 4.54 4.82 0.28 -1.78 0.103 異文化理解 4.32 4.36 0.04 -0.26 0.801

~人としてのアイデンティティ 4.75 5.28 0.53 -2.66 0.022 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.79 5.15 0.36 -2.76 0.018 *

課題達成機能 4.71 5.16 0.45 -3.14 0.009 *集団維持機能 4.92 5.13 0.21 -1.40 0.188

図1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 江田島プログラムに参加したベトナム・ミャンマー中学生12名の回答を分析したところ、統計学的にリーダーシップに関して有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材については、全体では有意な点数の上昇が見られなかったが、要素Ⅰ・Ⅱでは、有意な点数の上昇が見られた。 今回、日本人参加者とのディスカッション(テーマ:スポーツ、マンガ・アニメ)の準備(資料作りや発表)に力を入れたため、グローバル人材育成のコミュニケーション能力やリーダーシップの課題達成機能の点数が上昇したと考えられる。

2.日本人参加者に対する調査結果表2 グローバル人材・リーダーシップ評価結果     江田島 日本人

平均点t値 p値

有意差(事業前-事業後)

有意差(事業後-追跡)事業前 事前学習後 事業後 追跡

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.24 4.69 4.99 5.24 -9.87 0.000 * *

要素Ⅰ 3.89 4.30 4.82 5.12 -10.82 0.000 * *語学力 3.88 4.36 4.84 5.21 -10.59 0.000 *

コミュニケーション能力 3.91 4.25 4.83 5.02 -6.61 0.000 *要素Ⅱ 4.52 4.95 5.13 5.32 -9.78 0.000 *

主体性・積極性 4.48 4.93 5.00 5.31 -7.66 0.000 *チャレンジ精神 4.52 4.90 5.19 5.29 -6.62 0.000 *協調性・柔軟性 4.60 5.02 5.24 5.36 -6.94 0.000 *責任感・使命感 4.50 4.93 5.07 5.31 -6.45 0.000 *

要素Ⅲ 4.15 4.68 4.92 5.26 -12.55 0.000 *異文化理解 4.50 4.76 4.98 5.36 -11.17 0.000 *  

日本人としてのアイデンティティ 3.81 4.60 4.86 5.17 -9.33 0.000 * *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.24 4.77 5.05 5.31 -10.53 0.000 *

課題達成機能 4.29 4.73 5.04 5.27 -10.28 0.000 *集団維持機能 4.16 4.84 5.08 5.37 -7.95 0.000 *

図2 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 追跡

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 江田島プログラムに参加した日本人中学生14名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに有意な点数の上昇が見られた。また、ベトナム・ミャンマー中学生との交流後の調査・追跡調査の比較において、グローバル人材の育成については、有意な点数の上昇が見られた。 今回、リーダー養成の事業であることを参加者に常に意識させていたこと、アセアンの中学生との交流後、「フェスティバル江田島2013(H25.11.17実施)」での発表に向け、事後学習※にも力をいれたことで、リーダーシップの点数が上昇したと考えられる。※ 日本人参加者は、国際交流後、「フェスティバル江田島2013」での発表に向け、事後学習を2回(5時間×2日)行っている。ここでは、発表内容の検討や発表に向けての練習をする活動と同時に、この事業全体を振り返り、自分の成長に気づかせる活動を取り入れている。自己の変容に気づき、自分に自信を持てたことが、点数の上昇に影響を与えたと考える。実際に、本事業後、自分の将来の夢が明確になった参加者や生徒会活動等に意欲的に参加する者が多数いた。

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

調査結果(妙高)

1.招聘者に対する調査結果表1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 妙高 招聘者

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.76 5.18 0.42 -5.48 0.000 *

要素Ⅰ 4.99 5.38 0.38 -3.22 0.005 *語学力 5.26 5.63 0.36 -1.79 0.091

コミュニケーション能力 4.72 5.13 0.40 -3.76 0.002 *要素Ⅱ 4.81 5.07 0.27 -2.38 0.029 *

主体性・積極性 4.76 5.11 0.35 -2.59 0.019 *チャレンジ精神 4.83 5.19 0.35 -2.16 0.045 *協調性・柔軟性 4.81 4.89 0.07 -0.38 0.709 責任感・使命感 4.81 5.11 0.30 -1.72 0.104

要素Ⅲ 4.36 5.12 0.76 -8.38 0.000 *異文化理解 4.11 5.02 0.91 -6.39 0.000 *

~人としてのアイデンティティ 4.61 5.22 0.61 -4.27 0.001 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.81 5.15 0.34 -5.06 0.000 *

課題達成機能 4.75 5.10 0.35 -4.78 0.000 *集団維持機能 4.91 5.24 0.33 -3.40 0.003 *

図1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 妙高プログラムに参加したラオス・フィリピン・シンガポール中学生18名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに有意な点数の上昇が見られた。 今回、各プログラムの運営に上越教育大学・妙高グリーンツーリズム推進協議会等の専門的な知識や技術をもった方に参画していただくことにより、異文化理解と自国についてのアイデンティティの2項目についての伸びが大きかった。また長期の集団生活を通して、規範意識・役割意識が身についた。

2.日本人参加者に対する調査結果表2 グローバル人材・リーダーシップ評価結果     妙高 日本人

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.26 4.86 0.60 -3.85 0.001 *

要素Ⅰ 4.17 4.71 0.54 -4.96 0.000 *語学力 3.44 4.25 0.81 -4.66 0.000 *

コミュニケーション能力 4.90 5.17 0.27 -3.56 0.001 *要素Ⅱ 4.67 4.97 0.30 -3.28 0.002 *

主体性・積極性 4.49 4.82 0.34 -2.39 0.023 *チャレンジ精神 4.76 4.90 0.14 -1.35 0.186 協調性・柔軟性 4.64 5.01 0.37 -3.96 0.000 *責任感・使命感 4.80 5.16 0.35 -2.44 0.020 *

要素Ⅲ 4.11 4.83 0.72 -6.07 0.000 *異文化理解 3.97 4.75 0.78 -4.76 0.000 *

日本人としてのアイデンティティ 4.25 4.90 0.65 -5.84 0.000 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.70 5.04 0.34 -4.47 0.000 *

課題達成機能 4.61 4.99 0.38 -4.33 0.000 *集団維持機能 4.86 5.13 0.27 -3.88 0.000 *

図2 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前

事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 妙高プログラムに参加した日本人中学生36名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに非常に有意な点数の上昇が見られた。 今回、生徒によるASEAN実行委員会を組織し、生徒が自主的・主体的に活動を進め、意見交換会を成功させたことが自信となり、全ての項目の点数が上昇したと考えられる。

事業後

事前学習後 事業後

Page 14: アセアン加盟国中学生 招聘交流事業 Nathania Alifiani Prameswari Larasati 13 女 5 Raka Naradi Pradana 14 男 6 Rania Ameera Moeljono 13 女 引率 Rizka Hermin Zulaicha

25 26

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

*統計的手法を用いて分析を行った結果、統計的に意味がある差が見られた項目

調査結果(諫早)

1.招聘者に対する調査結果表1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 諫早 招聘者

平均点t値 p値 有意差

事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 4.57 4.89 0.32 -5.35 0.000 *

要素Ⅰ 4.91 5.09 0.19 -2.14 0.056 語学力 5.25 5.27 0.02 -0.17 0.870

コミュニケーション能力 4.56 4.92 0.35 -2.68 0.021 *要素Ⅱ 4.58 4.89 0.31 -3.49 0.005 *

主体性・積極性 4.44 4.92 0.47 -3.14 0.009 *チャレンジ精神 4.47 4.72 0.25 -1.33 0.212 *協調性・柔軟性 4.67 4.89 0.22 -1.61 0.136 責任感・使命感 4.72 5.03 0.31 -1.57 0.144

要素Ⅲ 4.13 4.64 0.51 -3.99 0.002 *異文化理解 3.78 4.50 0.72 -4.29 0.001 *

~人としてのアイデンティティ 4.47 4.78 0.31 -1.69 0.119

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 4.59 4.87 0.29 -2.68 0.021 *

課題達成機能 4.58 4.79 0.22 -1.77 0.104 集団維持機能 4.61 5.01 0.40 -3.52 0.005 *

図1 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 諫早 招聘者

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 諫早プログラムに参加したカンボジア・マレーシア中学生12名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅱ・Ⅲに有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、集団維持機能に有意な点数の上昇が見られた。 今回、長崎市内班別研修プログラムを附属中学校生が企画・プレゼンし、それをアセアン中学生が選択し研修をしたこと。さらに、その後相互の国の文化を紹介や交流会、ディスカッションを実施したため、要素Ⅲの異文化理解の点数が上昇したと考えられる。

2.日本人参加者に対する調査結果表2 グローバル人材・リーダーシップ評価結果     諫早 日本人

*平均点

t値 p値 有意差事業前 事業後 変化

グローバル人材育成尺度

グローバル人材育成に関する全質問平均 3.51 3.98 0.47 -7.83 0.000 *

要素Ⅰ 3.40 3.81 0.40 -8.86 0.000 *語学力 2.77 3.35 0.57 -8.95 0.000 *

コミュニケーション能力 4.03 4.27 0.23 -5.04 0.000 *要素Ⅱ 3.83 4.14 0.31 -8.76 0.000 *

主体性・積極性 3.63 4.01 0.38 -6.82 0.000 *チャレンジ精神 3.84 4.15 0.32 -6.44 0.000 *協調性・柔軟性 3.87 4.17 0.30 -5.54 0.000 *責任感・使命感 3.98 4.23 0.25 -4.88 0.000 *

要素Ⅲ 3.40 3.90 0.50 -9.09 0.000 *異文化理解 3.13 3.80 0.67 -9.57 0.000 *

日本人としてのアイデンティティ 3.67 3.99 0.32 -5.19 0.000 *

リーダー

シップ 

リーダーシップに関する全質問平均 3.90 4.18 0.28 -8.61 0.000 *

課題達成機能 3.87 4.16 0.29 -8.01 0.000 *集団維持機能 3.95 4.22 0.26 -6.43 0.000 *

図2 グローバル人材育成測定尺度・リーダーシップ   指標の変化 諫早 日本人

6

5.5

5

4.5

4

3.5

3事業前 事業後

グローバル人材育成に関する全質問平均要素Ⅰ要素Ⅱ要素Ⅲリーダーシップに関する全質問平均

 諫早プログラムに参加した日本人中学生121名の回答を分析したところ、グローバル人材の育成・リーダーシップに関して統計学的に有意な点数の上昇が見られた。グローバル人材を要素毎に見ると、要素Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ共に有意な点数の上昇が見られ、リーダーシップに関しては、課題達成機能・集団維持機能ともに有意な点数の上昇が見られた。 今回、長崎市内自主研修プログラムを附属中学校生が企画・プレゼンし、それをアセアン中学生が選択し研修をしたこと。さらに、その後相互の国の文化を紹介する交流会、ディスカッションを実施したため、要素Ⅲの異文化理解の点数が上昇したと考えられる。また、点数は高くないが、英語でプレゼンを行い、その後の交流やディスカッションで、初めて外国人と会話した生徒も多く、コミュニケーションが成立したことで英語力に自信がつき、要素Ⅰの語学力の点数が上昇した。さらに、長崎市の魅力を自ら調べ、その魅力を招聘生徒に伝える経験を通し、日本人としてのアイデンティティも点数が向上した。

友達に会えなくなり寂しいです。家族と友達にたくさん話をします。時間を守ります。日本の友達に連絡を取ります。町をきれいにして、もっと良い人間になれるよう努力します。

【花餅づくり】

【初めての餅つき】

アセアン加盟国中学生(N=54名)

日本語をもっと勉強します。 日本留学のための奨学金

に応募するように友人を勇気づけます。

日本を忘れることはありません。将来また訪問出来ることを願っています。

アンケート調査

国に帰って行いたいこと

・礼儀正しくなった。日本で学校を訪問したとき、生徒たちがいつも「おはようございます」「こんにちは」と挨拶してくれた。挨拶をされたら、良い気分で1日を過ごせるということに気がついた。そこで今は、自分から積極的に人に挨拶するよう心がけている(フィリピン生徒)

・日本人の親切が、本当に嬉しく感激した。だからこそ自分が日本語を話せないためにその親切に応えることができなかったのがとても悔しかった。そこで日本語の勉強をさらに頑張っている(シンガポール生徒)

・日本での経験を通して、「行動が言葉よりも多くのことを言う」ということを学んだ。他人に何かを伝えたいとき、まずは行動や自分の努力する姿勢で示そうと意識するようになった(フィリピン生徒)

・生徒たちは、日本で若い労働力が減少していると学んだ。そこで数人は、「将来日本の大学で勉強して働きたい」とインドネシアに帰国して日本語を習い始めた。(インドネシア引率者)

国に帰ってから実際に行なったこと

0% 80%60%40%20% 100%■生まれた  ■生まれなかった ■無回答

43 5 6

自国と日本の発展のために帰国後できることは生まれましたか。

0% 80%60%40%20% 100%■思う  ■やや思う ■あまり思わない ■思わない ■無回答

30 16 2 2 4

自国と日本の発展のための仕事に就きたいと思いますか。

0% 80%60%40%20% 100%■思う  ■やや思う ■あまり思わない ■思わない ■無回答

42 7 1 4

留学生として再度日本に訪問したいと思いますか。

0% 80%60%40%20% 100%■満足  ■やや満足 ■やや不満

44 7 3

事業全体をとおして満足しましたか。

シンガポールに帰ったら…・新しい日本人の友達と連絡を取り続ける。・日本語能力試験の勉強をして、ぜひ合格します!

日本での経験と学んだことを友人と家族にシェアします。

Page 15: アセアン加盟国中学生 招聘交流事業 Nathania Alifiani Prameswari Larasati 13 女 5 Raka Naradi Pradana 14 男 6 Rania Ameera Moeljono 13 女 引率 Rizka Hermin Zulaicha

「アセアン加盟国中学生招聘交流事業」運営施設

【国立江田島青少年交流の家(広島県)】Aグループ:10月22日(火)~10月30日(水)招聘者:ベトナム・ミャンマー 各7名

【国立乗鞍青少年交流の家(岐阜県)】Aグループ:10月22日(火)~10月30日(水)招聘者:タイ・インドネシア 各7名

【国立諫早青少年自然の家(長崎県)】Bグループ:11月19日(火)~11月27日(水)招聘者:マレーシア・カンボジア 各7名 【国立妙高青少年自然の家(新潟県)】

Bグループ:11月19日(火)~11月27日(水)招聘者:ラオス・フィリピン・シンガポール 各7名

【国立青少年教育振興機構(東京都)】Aグループ:10月30日(水)~11月1日(金)招聘者:タイ・インドネシア・ベトナム・ミャンマー 各7名Bグループ:11月27日(水)~11月29日(金)招聘者:ラオス・フィリピン・シンガポール・マレーシア・カンボジア 各7名

本部企画委員会開催による事業の質の向上

○ 日本とアセアンだけでなく、アセアン各国の関係も深められるように企画してはとの意見から、平成24年度から東京での合同評価会を設定し、平成25年度には日本人中学生にも参加してもらった。最後に東京に集まることにより、研修成果の共有及び各国間の交流を図ることができた。○ アセアンからの招聘者にもグローバル人材・リーダーシップの調査を行なってはどうかとの意見から、平成24年度から招聘者及び日本人参加者両方に調査を実施し、事業の効果を検証してプログラムの改善に役立てた。○ 日本にいる自分の国の大学生・大学院生などは、自分もこうなりたいというモデルになるため、交流の機会を持ってはどうかとの意見から、平成25年度は各国大使館訪問およびアセアン各国留学生の東京プログラムへの参加を実施した。

アセアン加盟国と日本の青少年の交流事業のまとめ ~3年間の研究を振り返って~

 本事業は、アセアン諸国と日本の青少年の交流促進を図ることを目的とするほか、青少年の企画力や、リーダーシップ能力の育成をねらいとしました。事業報告書の調査結果に見られるように、当該プログラムへの参加は、青少年の意識・行動面に強いインパクトを与えており、事業の実施が極めて有効であったことを示しています。 3年間の継続事業を振り返れば、初年度の事業展開に比べて2年、3年と事業を重ねるにつれて、プログラムはより青少年のリーダー養成のための内容を拡充し、施設側の受け入れもよりスムーズに実施されました。さらに事業回数を重ねるにつれて、より地域や学校との連携・協力に基づく優れた事業計画、展開、評価が実施されており、それらも本事業の特筆すべき成果と言えるでしょう。 今後もさらに本事業を礎として、アセアン諸国と日本の青少年の交流が進展し、双方の青少年の優れた人間形成が図られるとともに、地域や学校と連携したプログラム開発が進展することを願います。当該事業の実現にあたり、多大なご尽力を頂きました関係者の皆様に、心より御礼を申し上げます。

(本部企画委員会委員長 金藤ふゆ子)