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ことばを引き出すために大切なこと
~子どもの言葉の発達と脳の発達について~
桑名市保健福祉部地域医療課地域リハビリテーション係ことばの相談言語聴覚士 村田貴志子
『子どもは、大人に比べると、根も幹も全体的に細く、弱々しい木にたとえられる
でしょう。根も幹も弱いのですから、十分に枝をはる事ができず、
そのために先端部分の葉っぱ(ことばの能力)の発達が未熟になっているのです。
本当にその子どもの力となることばを育てるためには、ことばの葉をしげらせる
木の根っこをしっかり張らせ、幹を太く、枝を多く出させるような働きかけをしなけ
ればなりません。』
失語症と子どもの
言葉の違い
大人の言語障害(失語症)と子どもの言葉の遅れについて
子どもの脳細胞の絡み合いの発達~刺激は脳の栄養~
胎 児 期生 後3 か 月
出生時 生 後15か月
人間の脳細胞は生まれる時に、すべてセットされています。その数は、生後減りこそすれ、増えることは
ありません。が、それにつながる電線の方は、始めはなんとも情けないヒョロヒョロの状態です。それが、
3カ月たち、1年するうちに、電線はあちこちで枝分かれし、密な連絡網を作り上げていきます。これが脳
の発達というものです。
脳の中の配線は、音の聞こえない真っ暗闇の中でじっと寝ていても、いつのまにか完成していくというわ
けにはいきません。末端からの刺激が脳に送り込まれると、あちこちの場所で豆電球がチカチカとまたた
きます。その光を頼りに配線工事が進められていくからです。
手の運動野にある脳細胞のからみあいの発達(Conel)『脳の話』岩波新書より
うまく生きていく
生きている
たくましく生きていく
0歳400g
1歳800g 2歳1000g 3歳1100g 25歳1400g
0歳400g 1歳800g
お腹すいたお腹いっぱいで満足快・不快
体温を一定に保つ心臓を動かす呼吸する消化する
睡眠をとる食欲怖い集団欲
見る 聞く 話す 感じる 運動
感覚末端受容器 町
大脳皮質 湖
神経経路 川
言語野 町
大脳辺縁系 町
脳幹=脊髄系 町
ことばはビルの最上階
引用:ことばをはぐくむ〔中川信子著〕
言えることば
わかることば
わかる事がら
「ジュース」と言う
ことばの表出
「ジュース飲む?」とたずねるとうなずく
ことばの理解
「ジュースを飲む」という行動
ことばに関連した体験・行動
離乳食について
・食べる機能にも発達の順番があります。
舌の動きが前後⇒上下⇒左右 という順番で発達
どろどろ ⇒ 押しつぶせる硬さ ⇒ 噛む硬さ
手づかみ食べしてますか?
・いつまで手づかみで食べてもいいの?
・手づかみ食べのメリットは何?
手づかみ食べしてますか?
1歳6か月ころまでは、
「手づかみ食べ」を主にしてください。
手づかみ食べしてますか?
・手づかみ食べのメリット:氷山の下「わかる事がら」
1.見てどんなものかがわかる力の基礎
①手でつかむことによって、食物の大きさ、硬さ
温度を感じることを経験
②どのくらいの力で握ることが出来るかを学習
2.口と手と目の協調運動を学習
手づかみ食べは言葉の基礎作りです
•大人とは違い、経験の少ない子どもは見ただけでそのものがどんなものかがわかりません。
感覚・運動は、教えられたらわかるものではなく、
自分自身で体験をすることで理解できます。
やわらかい、熱い、ねばねばする、という言葉の理解
にもつながります。
最後に
•言葉の発達は、全体の発達を促すことで促されます。
・子どもの持つ見えない力を信じて、楽しく遊ぶことが
より発達を促します。
参考文献
「ことばをはぐぐむ」 中川信子著 ぶどう社
「最新科学でハッピー子育て」 NHK出版
「乳幼児の摂食指導・・お母さんの疑問に答える・・」
向井美恵編著 医歯薬出版
研修担当:地域医療課 地域リハビリテーション係
言語聴覚士 村田 貴志子