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日本語教員養成プログラム

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日本語教員養成プログラム

索引(科目名50音順)

ケ 言語学概論Ⅰ

大城 光正………………………………… 2

西村 周浩………………………………… 3

言語学概論Ⅱ

大城 光正………………………………… 4

西村 周浩………………………………… 5

言語学入門A………………………………… 6

言語学入門B………………………………… 7

コ ことばと認知…………………………………… 1

シ 社会言語学Ⅰ………………………………… 8

社会言語学Ⅱ………………………………… 10

心理言語学Ⅰ………………………………… 12

心理言語学Ⅱ………………………………… 13

セ 西洋人からみた日本文化A……………… 16

西洋人からみた日本文化B………………… 17

世界の中の日本語A………………………… 14

世界の中の日本語B………………………… 15

ニ 日本教育文化論A…………………………… 18

日本教育文化論B…………………………… 19

日本言語文化論A…………………………… 20

日本言語文化論B…………………………… 21

日本語学概論Ⅰ

大城 光正………………………………… 24

若井 勲夫………………………………… 25

日本語学概論Ⅱ

大城 光正………………………………… 26

若井 勲夫………………………………… 27

日本語学特論A……………………………… 28

日本語学特論B……………………………… 29

日本語学特論C……………………………… 30

日本語学特論D……………………………… 31

日本語教育概論Ⅰ………………………… 32

日本語教育概論Ⅱ………………………… 33

日本語教育特論B…………………………… 34

日本語教授法Ⅰ……………………………… 35

日本語教授法Ⅱ……………………………… 36

日本語と生活A……………………………… 22

日本語と生活B……………………………… 23

日本語表現論………………………………… 37

日本語文法Ⅰ………………………………… 38

日本語文法Ⅱ………………………………… 39

日本事情A…………………………………… 40

日本事情B…………………………………… 41

日本文化史概説A…………………………… 42

日本文化史概説B…………………………… 43

認知言語学Ⅰ………………………………… 44

認知言語学Ⅱ………………………………… 45

ヒ 比較言語学Ⅰ………………………………… 46

比較言語学Ⅱ………………………………… 48

索引(担当者名50音順)

イ 池田 哲郎

世界の中の日本語A………………………… 14

世界の中の日本語B………………………… 15

出野 晃子

日本語教授法Ⅰ……………………………… 35

日本語教授法Ⅱ……………………………… 36

ウ ヴィータ シルヴィオ

西洋人からみた日本文化A……………… 16

西洋人からみた日本文化B………………… 17

オ 大城 光正

言語学概論Ⅰ………………………………… 2

言語学概論Ⅱ………………………………… 4

日本語学概論Ⅰ……………………………… 24

日本語学概論Ⅱ……………………………… 26

日本語文法Ⅰ………………………………… 38

日本語文法Ⅱ………………………………… 39

カ 川久保 明日香

日本語教育概論Ⅰ………………………… 32

日本語教育概論Ⅱ………………………… 33

川澄 哲也

日本語教育特論B…………………………… 34

キ 岸 真由美

日本語教授法Ⅰ……………………………… 35

日本語教授法Ⅱ……………………………… 36

木島 雅夫

日本語教育概論Ⅰ………………………… 32

日本語教育概論Ⅱ………………………… 33

北上 光志

日本語表現論………………………………… 37

シ 庄垣内 正弘

言語学入門A………………………………… 6

言語学入門B………………………………… 7

日本語学特論A……………………………… 28

日本語学特論B……………………………… 29

ス 鈴木 孝明

ことばと認知…………………………………… 1

心理言語学Ⅰ………………………………… 12

心理言語学Ⅱ………………………………… 13

ニ 西村 周浩

言語学概論Ⅰ………………………………… 3

言語学概論Ⅱ………………………………… 5

日本語学特論C……………………………… 30

日本語学特論D……………………………… 31

比較言語学Ⅰ………………………………… 46

比較言語学Ⅱ………………………………… 48

ヒ 平塚 徹

認知言語学Ⅰ………………………………… 44

認知言語学Ⅱ………………………………… 45

モ 森 捨信

社会言語学Ⅰ………………………………… 8

社会言語学Ⅱ………………………………… 10

ヨ 吉野 秋二

日本教育文化論A…………………………… 18

日本教育文化論B…………………………… 19

日本文化史概説A…………………………… 42

日本文化史概説B…………………………… 43

ワ 若井 勲夫

日本言語文化論A…………………………… 20

日本言語文化論B…………………………… 21

日本語学概論Ⅰ……………………………… 25

日本語学概論Ⅱ……………………………… 27

日本語と生活A……………………………… 22

日本語と生活B……………………………… 23

若松 正志

日本事情A…………………………………… 40

日本事情B…………………………………… 41

1年次

1

ことばと認知

2単位

秋学期鈴木 孝明

講義目的(要旨)

 本講義で焦点を当てるのは日本語や英語といった「ことば」そのものの分析ではなく「ことば」を学び使用することので

きるヒトの能力です。このような人間の「知」のはたらきを解明する分野を認知科学とよびます。ヒトの「知」のはたらき

は、あらかじめ脳の中に組み込まれている情報によるもの、ある一定の情報が入ってきたら一定のやり方で対処する能力

によるもの、また外部からある特定の情報だけを積極的に取り入れて学習していく能力などによるものだと考えられてい

ます。このような「脳」の働きに焦点を当てて「ことばの不思議」の世界を探求します。

授業内容・授業計画

 ひとつの話題に関して、2、3回の講義を単位として進めていきます。それぞれの話題の第1回目では、その分野で何が

解明されているのか、どのような問題が残されているのかを中心に大きな問題提起を行います。これにつづく講義の後半

で、特定の学術的な研究(論文発表されたもの)を扱い、それを解説する方法で、問題提起に関して、再び受講者に考えて

もらう機会を提供したいと思います。知識を身につけることより『考えること』を中心とした授業にしていきたいと思いま

す。

第1回 ことばの認知科学とは

第2回 音とことば1:音のしくみと音を聞くしくみ

第3回 音とことば2:言語音の特徴とその獲得

第4回 動物のコミュニケーション1:信号刺激とサルのことば

第5回 動物のコミュニケーション2:ボノボの研究

第6回 自然言語の特徴と獲得1;自然言語

第7回 自然言語の特徴と獲得2:子どもの言語知識と普遍文法

第8回 心の発達と言語1:認知発達

第9回 心の発達と言語2:心の理論

第10回 脳と言語1:脳の構造と機能

第11回 脳と言語2:fMRIを用いた研究

第12回 言語の領域固有性1:失語症

第13回 言語の領域固有性2:サヴァン症候群

第14回 言語の領域固有性3:特異性言語障害

第15回 まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 なし。

履修上の注意

 本気で勉強したい人のみ履修登録してください。受講希望者は必ず第1回目の授業に参加してください。オリエンテーシ

ョンは初回のみです。授業はコンピュータのスライドを利用して進め、配布物は受講者がMoodleを利用して各自プリント

アウトして準備することとします。コンピュータによるMoodleの使用ができるようにしておいて下さい。

授業の到達目標

 「ことばの認知科学」を通して科学的方法論の基礎を学び、論理的かつ批判的に物事を考えられるようにすることです。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力,計画力,創造力,論理的分析力,総合的判断力)

評価方法

 出席を兼ねた課題の提出 (50%) 定期試験またはレポート (50%)

出席が7割に満たない場合には定期試験(レポート)は採点されません。また、すべての授業に遅刻なしで出席した場合はボ

ーナス点を加算します。受講者の人数により評価方法を変える事があるかもしれません。

教 材

教科書:使用しません。

2年次

2

言語学概論Ⅰ

2単位

春学期大城 光正

講義目的(要旨)

 「言語学」を一言で表現することは決して容易ではないが、「言語を科学する学問」と言うことができるであろう。言語

学には実にいろいろな分野があり、その学習対象は言語の音・文法(形態、統語)・意味等の言語自体をはじめとして、言

語を使用する人間・社会などの言語と関わるあらゆる側面にも及んでいる。この授業は、言語学の基礎的なことを理解し

てもらうための授業であり、また、言語学やその関連領域のいろいろな専門用語にも慣れることができることも考えてい

る。

授業内容・授業計画

 春学期の予定は以下のとおりである。

  1 回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)

  2 回目:言語学とは何か:言語学の方法と言語学の諸分野

  3 回目:言語とは何か:言語の要素、記号の二面性、ソシュール

  4 回目:言語とは何か:ラング・パロール、二重分節

  5 回目:言語とは何か:統合関係と系列関係、共時態と通時態、

  6 回目~8 回目:言語の音について / 音声学:音声器官、音声分類 / 音声学:音節、モーラ、アクセント

  9 回目~10 回目:音韻論について / 音韻論:音素、音素分析、日本語の音素

  11 回目~13 回目:形態論について / 形態素の種類 / 語形成

  14 回目:品詞分類

  15 回目:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたス

   ペース(教室)で「日本語教員養成コース」の必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をすること

がある。その際の定員は60名で、初回の授業出席者から決定し、座席を指定する。履修希望者で初回の授業に

出席できなかった場合、公欠扱い対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠

席しても定員に達していない場合のみ2回目からも履修ができる。なお、本授業は西村周浩先生の「言語学概論 I」

(火5)とリピート科目である。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

   チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合(つまり、ほぼ1カ月(正確には28日)

   ぶりの出席)は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。静かにまじめに授業に集中すること。

なお、「言語・ことば」に興味のない者は履修しないこと。

(4) 小テスト2回以上欠席したものは原則単位認定しない。

  (5) 各自で教科書は4月中に購入しておくこと。

(6) 春学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由であれ原則単位認定しない。

授業の到達目標

 言語学に関する基礎的な事柄とその専門用語について理解できるようになること。

身に付く力

 コミュニケーション基礎理解力・論理的分析力。

評価方法

 授業出席等の平常評価(20%)と各章ごとの数回の小テスト(80%)による総合評価。

教 材

 教科書:佐久間・加藤・町田著『言語学入門』(研究社)

2年次

3

言語学概論Ⅰ

2単位

春学期西村 周浩

講義目的(要旨)

 日常何気なく使っている言語。その言語が一体どのような仕組みで機能しているのかを考え、日頃単に「不思議だ」「面

白い」で済ませている言語現象に対し学問的理解を深める。この講義は特に言語の構造そのものに焦点を当てる。

授業内容・授業計画

言語構造の主要部である形態(語形)、音(音声・音韻)、統語(語順)、意味に重点を置き、個別に考えるとともに相

互の関連性についても随時概観していく。それとは別に、学問分野としての言語学の歴史を最終回として付け加える。

1. 導入:言語学とは何か?

2. 形態論(I)

3. 形態論(II)

4. 音声学・音韻論(I)

5. 音声学・音韻論(II)

6. 音声学・音韻論(III)

7. 音声学・音韻論(IV)

8. 音声学・音韻論(V)

9. 統語論(I)

10. 統語論(II)

11. 統語論(III)

12. 意味論(I)

13. 意味論(II)

14. 言語学史

準備学習等(事前・事後学習)

 定期的に行う試験(下記参照)に備えた復習。

履修上の注意

 試験は返却する予定ですので、自分の成績がどのように推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

 日常遭遇する言語現象の諸問題を適切な観察方法で認識し、それが言語構造のどの部分にどのように関与しているか正

しく理解できるようになること。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

- 授業参加: 20%

 - 試験: 80%(20% × 4 回)

試験時間は 20-40 分です。ノートの持ち込みはお控え下さい。詳しいスケジュールは第 1回目の授業にて。尚、試験は授

業の始めに行うので、遅刻しないように十分注意して下さい。

教 材

 参考書等:B. P. Hayes, Introductory Linguistics (unpublished, 2008)

(http://www.linguistics.ucla.edu/people/hayes/20/reader/HayesIntroductoryLinguistics2008.pdf)

A. Akmajian, Linguistics: An Introduction to Language and Communication, 5th ed. (MIT Press,

2001)

2年次

4

言語学概論Ⅱ

2単位

秋学期大城 光正

講義目的(要旨)

 この授業は、言語学に初めて触れる人を対象にして、言語学の基礎的ないろいろな概念を理解してもらうための授業で

あるが、秋学期から初めて履修する人にとっては少し理解出来ないところがでてくるかもしれないので、各自で春学期の

履修範囲を学習しておくこと。学習内容は、春学期に引き続いて、言語を取り巻くいろいろな事象についての基礎的な問題

を取り上げる。

なお、授業は春学期からの継続履修を前提に進めるので、春学期からの継続履修が望まれる。

授業内容・授業計画

 秋学期の授業内容は以下のとおりである。

  1 回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)、春学期の総まとめ

  2 回目:統語論の概説:言語理論、文の構造

  3 回目:構造主義言語学について

  4 回目:生成文法の基本的な考え方

  5 回目:生成文法の歴史と組織

  6 回目~8 回目:語の意味 / 文の意味 / 発話の意味

  9 回目:言語と社会

  10 回目:方言学、日本の方言区分

  11 回目~13 回目:言語の歴史 / 言語の比較 / 言語の類型

  14 回目:世界の言語分類

  15 回目:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたス

   ペース(教室)で「日本語教員養成コース」の必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をすること

がある。その際の定員は60名で、初回の授業出席者から決定し、座席を指定する。履修希望者で初回の授業に

出席できなかった場合、公欠扱い対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠

席しても定員に達していない場合のみ2回目からも履修ができる。本授業は西村周浩先生の「言語学概論 II」(火

5)のリピート科目である。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

   チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合(つまり、ほぼ1カ月(正確には28日)

   ぶりの出席)は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。静かにまじめに授業に集中すること。

「言語・ことば」に興味のない者は履修しないこと。

(4) 小テスト2回以上欠席したものは原則単位認定しない。

(5) 各自で教科書は 10 月中に購入しておくこと。

(6) 秋学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由であれ原則単位認定しない。

授業の到達目標

 言語学に関する基礎的な事柄とその専門用語について理解できるようになること。

身に付く力

 コミュニケーション基礎理解力・論理的分析力。

評価方法

 授業出席等の平常評価(20%)と各章ごとの数回の小テスト(80%)による総合評価。

教 材

 教科書:佐久間・加藤・町田著『言語学入門』(研究社)

2年次

5

言語学概論Ⅱ

2単位

秋学期西村 周浩

講義目的(要旨)

日々使用している言語は、必ずしも完璧に整然とした仕組みをもつわけではなく、実際コミュニケーションの場で誤解

が生じることもあるし、その一方で全てを語らずとも意思が伝わる場合もある。また、我々は様々な場に応じたスタイルの

言葉を使い分けるし、方言の存在も知っている。さらに、言語が未来永劫同一でなさそうだということも、古典で習う日本

語と現代日本語の違いを目にすると現実的なものとして理解される。この講義は、言語構造の動的・流動的側面、具体的な

言語活動状況に注目する。

授業内容・授業計画

上述のように、言語構造の動的・流動的側面、具体的な言語活動状況に関するテーマをいくつか取り上げ、順次講義を行

う。また、それとは別に、最終回では近年の言語学の動向を概観する。

1. 導入:言語の基本構造の概略

2. 言語の変化(I)

3. 言語の変化(II)

4. 言語の変化(III)

5. 言語の変化(IV)

6. 言語の多様性・変動性(I)

7. 言語の多様性・変動性(II)

8. 言語の多様性・変動性(III)

9. 言語の多様性・変動性(IV)

10. 言語と文字(I)

11. 言語と文字(II)、語用論(I)

12. 語用論(II)

13. 言語習得

14. 言語学の最近の潮流

準備学習等(事前・事後学習)

 定期的に行う試験(下記参照)に備えた復習。

履修上の注意

言語学概論 I の履修、あるいはそれに相当する知識・理解量を前提とします。なお、試験は返却する予定ですので、自分

の成績がどのように推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

日常的に使用している言語が、歴史・社会などの文脈の中でどのような位置づけにあるのか正しく理解し、その相対的

価値を知ること。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

- 授業参加:25%

- 試験:75%(25% × 3 回)

試験時間は 20-40 分です。ノートの持ち込みはお控え下さい。詳しいスケジュールは第 1回目の授業にて。試験は授業の

始めに行うので、遅刻しないように十分注意して下さい。

教 材

参考書等:B. P. Hayes, Introductory Linguistics (unpublished, 2008)

(http://www.linguistics.ucla.edu/people/hayes/20/reader/HayesIntroductoryLinguistics2008.pdf)

A. Akmajian, Linguistics: An Introduction to Language and Communication, 5th ed. (MIT Press,

2001)

1年次

6

言語学入門A

2単位

春学期庄垣内 正弘

講義目的(要旨)

人間は古代において既に言語への学問的興味を持っていた。ヨーロッパとアジアの地で言語研究はそれぞれ発展し、現

在の言語学を成立させた。そのことについて本授業では解説する。

授業内容・授業計画

1回: 古代ギリシャ人の「言語学」

2回: ローマ人の「言語学」

3回: インド人の「言語学」

4回: 中国人の「言語学」

5~6回: 比較言語学の成立

7~8回: ソシュールと言語の構造

9~10回: ヨーロッパ構造主義

11~13回: アメリカ構造主義

14~最終回: 生成文法

授業の到達目標

言語学史についての基礎的な知識を習得することを到達目標とする。

評価方法

試験と出席回数(20%)

教 材

ハンドアウトを毎回配布する。

1年次

7

言語学入門B

2単位

秋学期庄垣内 正弘

講義目的(要旨)

言語の構造、言語の類型、さらに社会言語学について解説する。

授業内容・授業計画

1回: 言語構造の一般的特徴について

2~3回: 音声学について

4~6回: 音韻論について

7~9回: 形態論について

10~11回: 統語論について

12~13回:言語類型論について

14回~最終回: 社会言語学について

授業の到達目標

言語の構造、言語の類型、言語の変容と社会の関連についての基礎的な知識の習得を到達目標とする。

評価方法

試験と出席回数(20%)

教 材

ハンドアウトを毎回配布する。

2年次

8

社会言語学Ⅰ

2単位

春学期森 捨信

講義目的(要旨)

言語は様々な社会的、文化的要因により、変異、変化するが、社会言語学では多様な角度から言語と社会・人間とのつな

がりを調べる。例えば日本語は、水田稲作農業人のことばとして形成され、中国語からの語彙や文字の導入、仏教の伝来、

武家社会の台頭や商人文化の隆盛、西洋をモデルにした文明開化、敗戦以降のアメリカ傾倒、戦後民主主義下における国

語政策および外国語教育、高度経済成長時代以降の若者台頭などを背景に変容を見せてきた。これらのことは現在話され

ている日本語の形成に大なり小なり影響を与えている。

授業内容・授業計画

1 社会言語学とは (社会→文化→言語)2 言語変異のメカニズム:(その1)人為的

3 言語変異のメカニズム:(その 2)言語の合理性

(a) 同音衝突 一形一意

(b) ら抜き 根拠 一形一意、五段動詞での『ら抜き』

4 (c) 語気の調整

(d) 規則の簡素化(誤用)5 (e) 忌み嫌うタブー語の回避

(f) 意味衝突の回避=語の更迭

6 (g) 発音の簡素化→短縮

(h) 混同

7 (i) 外国語との接触

8 (j) 句末の開音化(発話躊躇から来るもの)

(k) 社会的規範への反抗、個人的心情の優先

9 (l) 性差ことば(その 1)描写、形容: (a) 比喩語 (b) 性差語彙 (c) 性差語法 (d) 先入観

(e) 性差削除と両性語彙

10 (m) 性差ことば (その 2)男性ことば、女性ことば: (a)夫婦間の呼称 (b) 人称代名詞 (c)命令表現

(d) 形容詞、動詞

 副詞 (e) Color terms (f) Hedge11 (n) 共通変種vs地域変種(Jp 共通語 CHN 普通体 putonghua)12 言語変異のメカニズム:(その 3)自然発生的=民衆語源

13 地域変種の例(関東と関西のことば)

14 若者こと: (a)訛り関係 (b)方言関係 (c) 二大特徴と文化的要因

準備学習等(事前・事後学習)

ネット上のサイト「京都産業大学 みんなの就職状況」には本講義を過去に受講した諸君の率直な評価が掲載されてい

るので、必ず一読してから受講するか否かを決めること。事後学習としては、毎回のノートの整理が肝要。

履修上の注意

(1)言語学理論を扱う講義ではない。(2)言語と社会、言語と文化、外国人に対する日本語教育、外国語教育、国際交

流、留学などに関心のある学生や教職志望の諸君の受講を勧める。(3)毎回、ノートを取ることが必要である。(4)私語、

居眠り、遅刻、ノート不携帯、携帯は厳禁。(5) 実際の講義回数の 3 分の 1 以上を公欠以外の理由で欠席した場合は受講は

継続しても良いが、受験資格は失われる。

授業の到達目標

 中国語、朝鮮語、英語、ヨーロッパ言語などと対比しながら日本語の言語形成の文化的、社会的諸相を概括し、併せて日

本語の言語変異とその背景にある社会学的特徴を考察することにある。

身に付く力

論理的思考力(課題発見力,論理的分析力,総合的判断力)

実践力(主体性)

コミュニケーションスキル(状況把握力,傾聴力,柔軟性,発信力,語学力)

態度・志向性(規律性,ストレスコントロール力,国際性)

9

評価方法

(1) 出席および受講態度 (2)ノート・テーキング (3)自筆ノート持参での期末試験

教 材

教科書 :なし

参考書等:『言語学は科学である』 城生佰太郎著(情報先端出版局出版)

2年次

10

社会言語学Ⅱ

2単位

秋学期森 捨信

講義目的(要旨)

(テーマ 「日本人と外国語」<言語政策>)

言語は様々な社会的、文化的要因により、変異、変化するが、社会言語学では、多様な角度から言語と社会・人間とのつ

ながりを調べる。例えば日本語は、水田稲作農業人のことばとして形成され、中国語からの語彙や文字の導入、仏教の伝来、

武家社会の台頭や商人文化の隆盛、西洋をモデルにした文明開化、敗戦以降のアメリカ傾倒、戦後民主主義下における国

語政策および外国語教育、高度経済成長時代以降の若者の台頭などを背景に変容を見せてきた。これらの諸要因は現在話

されている日本語に多くの言語遺産を残している。

授業内容・授業計画

1.社会言語学とは: 社会と言語

2.知恵、情報、思考伝達の手段としての言語

3.言語政策: 国際的レベル・国家レベル

4-8. 日本(人)と外国語: その一、中国語との出会い【大和言葉から日本語へ】

 a. 文字の伝来

 b. 音韻構造(ひらがなチャート)

 c. 3 母音⇒5 母音

 d. 文法構造

 e. 語彙と思考

 f. 新思想の導入(鎌倉以降)

 g. 漢文教育

9. 日本(人)と外国語: その二、ヨーロッパ語との接触

 a. 外来語

 b. 明治維新以降【フランス、ドイツ、英国】

 c. 大正時代 【鹿鳴館文, 和洋折衷化】

10.日本(人)と外国語: その三、WWⅡ以後

 a. 米語の流入

 b. 外来語についての総括

11-14. 外国語科目の義務教育取り入れ: 英語教育の支障となる問題点

 a. 文化的要因 (農耕民族 集団思考)

 b. 文字崇拝と音抜き教育

 c. ジャパニーズイングリッシュの国際性

 d. 脳 : 脳神経言語学からの示唆

準備学習等(事前・事後学習)

ネット上のサイト「京都産業大学 みんなの就職状況」には本講義を過去に受講した諸君の率直な評価が掲載されてい

るので、必ず一読してから受講するか否かを決めること。事後学習は、毎回のノートの整理。

履修上の注意

(1)言語学理論を扱う講義ではない。(2)言語と社会、言語と文化、外国人に対する日本語教育、外国語教育、国際交

流、留学などに関心のある学生や教職志望の諸君の受講を勧める。(3)毎回、ノートを取ることが必要である。(4)私語、

居眠り、遅刻、ノート不携帯、携帯は厳禁。(5) 実際の講義回数の 3 分の 1 以上を公欠以外の理由で欠席した場合は受講は

継続しても良いが、受験資格は失われる。

授業の到達目標

本講義の主たる目的は、中国、英語圏、ヨーロッパなどと対比しながら、日本における外国語導入(教育)の政策や実態

と、日本語の社会言語学的特徴を考察することにある。

身に付く力

論理的思考力(課題発見力,論理的分析力,総合的判断力)

実践力(主体性)

11

コミュニケーションスキル(状況把握力,傾聴力,柔軟性,発信力,語学力)

態度・志向性(規律性,ストレスコントロール力,国際性)

評価方法

(1) 出席および受講態度 (2)ノート・テーキング (3)自筆ノート持参での期末試験

教 材

教科書:なし

参考書等:『言語学は科学である』 城生佰太郎著(情報先端出版局出版)

2年次

12

心理言語学Ⅰ

2単位

春学期鈴木 孝明

講義目的(要旨)

ことばの産出や理解のメカニズムを探る分野を心理言語学とよびます。この授業が対象にするのは、言語そのものでは

なく、言語を獲得し使用するヒトであり、具体的には「脳」または「心」です。脳や心の仕組みと働きを、「言語」を通し

て解明しようとする試みを紹介します。春学期は、子どもの母語獲得を扱います。私達は皆、子どもの時に「ことば」を自

然に獲得しますが、そのためにはどのような脳内の機能が必要なのか、どのような学習能力が必要なのか、またどのような

入力データが必要なのか、そのような事を日本語と英語の例を中心に探っていきます。

授業内容・授業計画

第 1 回 授業紹介

第 2 回 母語獲得とは

第 3 回 言語音の知覚と語の獲得1

第 4 回 言語音の知覚と語の獲得2

第 5 回 言語音の知覚と語の獲得3

第 6 回 文の獲得1

第 7 回 文の獲得2

第 8 回 文の獲得3

第 9 回 入力と学習1

第 10 回 入力と学習2

第 11 回 入力と学習3

第 12 回 言語獲得理論1

第 13 回 言語獲得理論2

第 14 回 言語獲得理論3

第 15 回 まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 なし。

履修上の注意

全クラスに遅刻無しで出席してください。担当教員のホームページにある「欠席に関するポリシー」を読んで、納得して

から登録して下さい。

授業の到達目標

心理言語学の基本的な事項を知識として学ぶこと。言語学と心理学を題材として実証的な考え方と論理的な考え方の基

礎を培うこと。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力,計画力,創造力,論理的分析力,総合的判断力)

評価方法

出席(30%)提出課題(30%) 学期末テスト(40%) 履修登録者の人数によって変えることがあります。また、全クラスに

遅刻なしで出席した場合にはボーナス点を加算します。

教 材

 教科書は使用しません。

2年次

13

心理言語学Ⅱ

2単位

秋学期鈴木 孝明

講義目的(要旨)

ことばの産出や理解のメカニズムを探る分野を心理言語学とよびます。この授業が対象にするのは、言語そのものでは

なく、言語を獲得し使用するヒトであり、具体的には「脳」または「心」です。脳や心の仕組みと働きを、「言語」を通し

て解明しようとする試みを紹介します。秋学期は第二言語習得とよばれる分野を扱います。ヒトが母語獲得以降に外国語

を学ぶ過程では、子どもの母語獲得には見られない特徴があります。しかし、また、子どもの母語獲得と驚くほど似た発達

過程があることも分かっています。第二言語習得における言語能力の特徴や学習のメカニズムを探っていきます。

授業内容・授業計画

第 1 回 授業紹介

第 2 回 第二言語習得とは

第 3 回 転移と普遍性1

第 4 回 転移と普遍性2

第 5 回 転移と普遍性3

第 6 回 中間言語の特徴1

第 7 回 中間言語の特徴2

第 8 回 中間言語の特徴3

第 9 回 普遍文法と第二言語習得1

第 10 回 普遍文法と第二言語習得2

第 11 回 普遍文法と第二言語習得3

第 12 回 学習者要因1

第 13 回 学習者要因2

第 14 回 学習者要因3

第 15 回 まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 なし。

履修上の注意

全クラスに遅刻無しで出席してください。担当教員のホームページにある「欠席に関するポリシー」を読んで、納得して

から登録して下さい。

授業の到達目標

心理言語学の基本的な事項を知識として学ぶこと。言語学と心理学を題材として実証的な考え方と論理的な考え方の基

礎を培うこと。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力,計画力,創造力,論理的分析力,総合的判断力)

評価方法

出席(30%)提出課題(30%) 学期末テスト(40%) 履修登録者の人数によって変えることがあります。また、全クラスに

遅刻なしで出席した場合にはボーナス点を加算します。

教 材

 教科書は使用しません。

1年次

14

世界の中の日本語A

2単位

春学期池田 哲郎

1

講義目的(要旨)

1. この「世界の中の日本語A」では、「世界の中」における「日本語」の位置やその特徴を学んでゆきたい。

2. 受講生諸君が日本語に「正しさ」「決めのセリフ」を求めるにはいくつかの理由がある。たとえば、無理やり暗記させら

れたとか、「責任ある大人として適切な場面で適切な表現を使いたい」のに出来ない「もどかしさ」のためとかである。優

越感と劣等感の間を行き来している「心のゆれ」のためかもしれない。ところが、人間は 30 歳までの知識しか使えない。だ

から、先人たちは暗記を奨励してきた。「正しい日本語」だろうが「問題な日本語」だろうが、それはそれでよい。「正し

さ」を声高に述べることは無知の裏返しかと思う。もちろん、社会人としては、その場に応じた適切な表現が必要だし、コ

ミュニケーションや就職や資格のためにそれに相応しい知識を会得する必要がある。それはあたりまえのことである。こ

の講義では、バランス感覚をもって「世界の中」における「日本語」の位置やその特徴を学んでゆきたい。

授業内容・授業計画

1. 第1回:講義 概説

2. 第2回:講義 神山と上賀茂の春

3. 第3回:講義 葵祭と伝統文化

4. 第4回:講義 現代日本語の特徴

5. 第5回:講義 レポートやゼミ論文の書き方

6. 第6回:講義 京都のことば

7. 第7回:講義 日本語の世界と方言

8. 第8回:講義 日本の古文

9. 第9回:講義 日本の漢字

10. 第10回:講義 日本の漢文

11. 第11回:講義 アジアの中の日本語

12. 第12回:講義 日本語の文法概説

13. 第13回:講義 京都の夏

14. 第14回:講義 世界の中の日本語

15. 第15回:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 ミニ・レポートや研究発表・データやレポートなどこれに該当する。

履修上の注意

 初回に授業方針の詳細および評価方法などについて説明・指導する。

授業の到達目標

 自分なりに世界における日本語の位置や特徴を捉え、それを他人に説明できるようにする。

身に付く力

1. 知識・理解(情報リテラシー)

2. 論理的思考力(課題発見力)

評価方法

1. 25% ミニ・レポート

2. 25% 最終レポート(レポート用紙 6 枚) or 研究発表(レポート用紙 1 枚での報告)

3. 50% 定期試験

空白行、大きな字、雑な字などは評価しない。

教 材

 スクリーン掲示。重要な事項のみプリントする。

1年次

15

世界の中の日本語B

2単位

秋学期池田 哲郎

講義目的(要旨)

 この「世界の中の日本語B」では、「世界の中の日本語A」に続いて、「世界の中」における「日本語」の位置やそ

の特徴を学んでゆきたい。世界中の人類のことばに優劣はないし、関西弁ですら、分析してみると、なんと普通のことばで

ある。今まで使ってきたから、懐かしく、美しいことばだといえる。これはこれで良い。

授業内容・授業計画

1. 第1回:講義 進め方

2. 第2回:講義 方言

3. 第3回:講義 関西弁

4. 第4回:講義 日本語の歴史と系統

5. 第5回:講義 日本語の文学と文字

6. 第6回:講義 日本語の文学と映像

7. 第7回:講義 敬語の文化論 方言と敬語

8. 第8回:講義 敬語の文化論 就活と敬語

9. 第9回:講義 世界の地誌とことばと文化

10. 第10回:講義 世界の散文や韻文

11. 第11回:講義 日本語の文法

12. 第12回:講義 日本語の文法

13. 第13回:講義 外国語の文法

14. 第14回:講義 外国語の文法

15. 第15回:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 ミニ・レポートや研究発表・データやレポートなどこれに該当する。

履修上の注意

 初回に授業方針の詳細および評価方法などについて説明・指導する。

授業の到達目標

 自分なりに世界における日本語の位置や特徴を捉え、それを他人に説明できるようにする。

身に付く力

1. 知識・理解(情報リテラシー)

2. 論理的思考力(課題発見力)

評価方法

1. 25% ミニ・レポート

2. 25% 最終レポート(レポート用紙 4 枚) or 研究発表(レポート用紙 1 枚での報告)

3. 50% 定期試験

4. 空白行、大きな字、雑な字などは評価しない。

教 材

 スクリーン掲示。重要な事項のみプリントする。

1年次

16

西洋人からみた日本文化A

2単位

春学期ヴィータ シルヴィオ

講義目的(要旨)

 近代以前の日本のイメージを追求するために、この国を訪れた人々の記録や17〜18世紀にヨーロッパで刊行され

たものなどは重要な手がかりの一つになる。その他、19世紀に入り日露戦争あたりまでに来日した人々の記述も多く

残されており、この二つの時代区分の中には、日本側の同時代記録にはない多くの事実を再発見することもある。また

日本の生活様式と日本人についての貴重なコメントも残されているため、時代によって日本観の変遷と共通点を見いだ

すことができる。本講の目的は、西洋人の記述を通じて、日本文化の過去と初期近代化のプロセスをたどり、今日の日

本との関係について考えることである。

授業内容・授業計画

1—「文化」の概念 異文化としての日本 ヨーロッパにおける日本イメージの問題点

2-大航海時代の日本発見

3-宣教師の活動と日本評価 ポルトガル・スペイン・英国の記録

4—まとめと小テスト

5—鎖国時代の日本論その一 フランソワ・カロン

6—鎖国時代の日本論その二 ケンペルとシーボルト

7-開国を迫られる日本 幕末の記録

8―まとめと小テスト

9 ー明治期日本論の様々な流れー外交官・貿易商・旅人

10-ジャポニズムの時代

11-日本研究のあけぼの

12-まとめと小テスト

13-19世紀における芸術国日本のイメージ

14-19世紀における近代批判と日本

履修上の注意

教科書に出ていない事柄もあるので、出席とノートへの筆記が必要である。学生の積極的な参加も求められている。

授業の到達目標

世界の中の日本について考えるようになること。

評価方法

出席、小テスト、試験の結果。特に発言と討論への参加が重視される。

教 材

教科書:佐伯彰一・芳賀徹 『外国人による日本論の名著』 (中公新書、1995 年刊) 777 円

1年次

17

西洋人からみた日本文化B

2単位

秋学期ヴィータ シルヴィオ

講義目的(要旨)

 日露戦争を境に日本イメージは多様化した。20世紀を三つの時代(日露戦争から第二次世界大戦終戦まで・戦後の

経済成長期・80年代以後現在まで)に分け、それぞれの日本観の特徴を分析する。第二次世界大戦のあと、欧米では

日本研究が盛んになり、すぐれた日本人論もいくつか提起され、それらは日本でも大きな反響を呼んだ。その後、「日

本」というブランドが色々なメディアを通じて世界の大衆文化に根を下ろした。本講の目的は、欧米人による日本論を

視野に据えながら、グローバル化した世界の日本の在り方について、学生と一緒に考えることである。

授業内容・授業計画

1-世界の中の日露戦争 その意味と日本観の変遷

2-サムライ日本の誕生

3-蝶々夫人の時代

4-まとめと小テスト

5-大戦間の美と武 ブルーノ・タウト

6-大戦間の美と武 オイゲン・ヘリゲル

7-大戦間の美と武 ポール・クロデール

8-まとめと小テスト

9-否定的異質論とベネディクトの「菊と刀」

10-相対的文化論とライシャワーの「ザ・ジャパニーズ」

11-肯定的異質論とヴォーゲルの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」

12-まとめと小テスト

13-アメリカ映画に見る日本イメージの諸相

14-世界の若者文化の日本観

履修上の注意

教科書に出ていない事柄もあるので、出席とノートへの筆記が必要である。学生の積極的な参加も求められている。

授業の到達目標

世界の中の日本について考えるようになること。

評価方法

出席、小テスト、試験の結果。特に発言と討論への参加が重視される。

教 材

教科書:佐伯彰一・芳賀徹 『外国人による日本論の名著』 (中公新書、1995 年刊) 777 円

3年次

18

日本教育文化論A

2単位

春学期吉野 秋二

講義目的(要旨)

文化は教育により伝達・創造され、また教育は文化に影響され変化します。本講義は、そうした教育と文化との関係を、

歴史学、特に日本古代史学を素材に考察します。

授業内容・授業計画

1.オリエンテーション

2.東アジアの文明・文化と教育

3.前近代中国の教育と文化-その①科挙の歴史-

4.前近代中国の教育と文化-その②士大夫の文化-

5.古代の教育制度

6.歴史書の成立と講書

7.中世の帝王教育-神皇正統記-

8.近世の古典研究・教育

9.近代の古代史教育

10.現在の歴史教育-日本古代史の場合-

11.外国教科書に見る日本古代史-その①-

12.外国教科書に見る日本古代史-その②-

13.生涯学習と日本古代史

14.まとめと質問

準備学習等(事前・事後学習)

適宜参考文献を教示しますので、各自の興味に応じて学習してください。日本古代史自体を対象とする講義ではありま

せんが、日本古代史を分析素材としますので、特に高校で日本史を履修しなかった皆さんは、高校日本史教科書等を取り

寄せ学習してください。

履修上の注意

3年次配当科目ですので、少し専門的な内容を講義する場合もあります。

授業の到達目標

教育と文化の相関関係を、歴史的経緯も踏まえ、広く国際的視座から理解することを目標にします。

身に付く力

課題発見力、論理的分析力、生涯学習力

評価方法

定期試験(持ち込み不可)100%教 材

毎回プリントを 2枚程度配布します。参考書などは適宜指示します。

3年次

19

日本教育文化論B

2単位

秋学期吉野 秋二

講義目的(要旨)

学校は、現在も今も、教育の場であると共に、地域社会の拠点として、地域文化の形成に大きな役割を果たしています。

本講義では、京都をフィールドとして、教育と地域社会・地域文化の相関関係を考察します。

授業内容・授業計画

1.オリエンテーション

2.江戸時代京都の教育文化-その①伊藤仁斎・東涯-

3.江戸時代京都の教育文化-その②庶民教育の系譜-

4.近現代京都史概論

5.番組小学校の誕生

6.中・高等教育の発達

7.京都の伝統文化と学校教育

8.第二次世界大戦と京都の学校教育

9.京都大学史概観

10.大学の街としての現代京都

11.京都の博物館・資料館と生涯教育

12.京都文化人の系譜

13.京都学と郷土史学習

14.まとめと質問

以上のような講義テーマをオムニバス形式で講義する(若干の変更の可能性もある)。

準備学習等(事前・事後学習)

適宜参考文献を教示しますので、各自の興味に応じて学習してください。京都市学校歴史博物館や大学付属の博物館・

資料館などを見学する機会をもってください。

履修上の注意

3年次配当科目ですので、やや専門的な内容を講義する場合もあります。

授業の到達目標

教育と文化の相関関係を、歴史的経緯も踏まえ、地域に即して理解することを目標にします。

身に付く力

課題発見力、生涯学習力

評価方法

定期試験(持ち込み不可)100%教 材

毎回プリントを 2枚程度配布します。参考書などは適宜指示します。

3年次

20

日本言語文化論A

2単位

春学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

日本語(国語)を母胎として日本文化が生まれ,共有の伝統,規範として受け継がれてきた。同時に,日本の文化的風土や

日本人の感情が日本語やその表現法を独自に創り出した。日本人の文化意識や文化感覚は日本人の言語意識や言語感覚

と相互に深く関連している。ここでいう文化とは民族の行動や生活の様式や型,即ち,生き方,考え方,感じ方の総体であ

る。このような観点から,言語の本質と機能,日本人の言語観や言語態度,文法・語彙・文字・音韻などにおける日本語と

しての特色や発想,言語表現に見られる日本語らしい思考法や感情などについて,歴史的な観点をも交えながら考察して

いく。言語の学は言語に対する愛であり,日本語の学は国語愛である。本講義は人間と言葉との関わりを基盤にして,言葉

の現象や使い方を分析し,分類し,言語主体の心的活動による語の意味を考え,言葉の体系として整理し解釈し,その奥に

ある言葉を生み出す原力と心意を明らかにしようとする。このようにして,言葉を究めながら,日本語とその表現に見ら

れる日本文化や言語文化の源泉,ひいては文化意思や文化力を探っていきたい。

授業内容・授業計画

(一)言語の本質と観念(1~3回)        (四)意味意識による語彙論(9~11回)

   ・我と汝としての言葉              ・擬声語・擬態語の意識と特質

(二)言語主体観による文法論(4~6回)     (五) 言語意識による文字・表記論(12~13回)

   ・敬語の本質と考え方              ・仮名遣いの語意識

(三)主体意識による表現・文章論(7~8回)   (六) 国語論的な音声・音韻論(14~15回)

   ・助詞・接尾語の表現的意味           ・韻律の感覚と特質

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために、毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

言語は人間が生きる文化として在る。例えば,日本人が対人関係や世間に気を遣う意識は,自己と他者の位置づけを言語的に

把握する表現方法に反映する。このことは外国語と比較して考えると,日本語(国語)や日本文化の特質としてより明らかになる

だろう。逆に,外国語を学ぶ場合,常に母国語である日本語と比較し,対照しているはずであり,また,そうあらねばならない。

そのためには,まず,日本語を言語として改めて認識する必要がある。本講義によって日本語とその文化について,自らの言語行

動を内省し,学び方を学び,考え方を考え,日本語に対する言語感覚を磨き,言葉を大切にし,信頼する態度を養ってほしい。わ

が国の言葉への興味や関心を深め,感性を高めることは,ひいては国際文化の理解により資することになるだろう。

学問的な権威と伝統に対する畏敬の精神こそ大学の授業の根底に在るべきものであり、学生時代は学問によって盛り上る力

と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する姿勢と欲求を大

事にし,好学の志操を持たせ,言葉に対する知的探究心を刺激し,誘発し,培おうとしている。言葉がおもしろいと感じる精神の

発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。出席票の裏面に記した質問や意見・感想は,次の時間に紹介・解説し,前

時の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど、基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートを見

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

3年次

21

日本言語文化論B

2単位

秋学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

日本語(国語)を母胎として日本文化が生まれ,共有の伝統,規範として受け継がれてきた。同時に,日本の文化的風土や

日本人の感情が日本語やその表現法を独自に創り出した。日本人の文化意識や文化感覚は日本人の言語意識や言語感覚

と相互に深く関連している。ここでいう文化とは民族の行動や生活の様式や型,即ち,生き方,考え方,感じ方の総体であ

る。このような観点から,言語の本質と機能,日本人の言語観や言語態度,文法・語彙・文字・音韻などにおける日本語と

しての特色や発想,言語表現に見られる日本語らしい思考法や感情などについて,歴史的な観点をも交えながら考察して

いく。言語の学は言語に対する愛であり,日本語の学は国語愛である。本講義は人間と言葉との関わりを基盤にして,言葉

の現象や使い方を分析し,分類し,言語主体の心的活動による語の意味を考え,言葉の体系として整理し解釈し,その奥に

ある言葉を生み出す原力と心意を明らかにしようとする。このようにして,言葉を究めながら,日本語とその表現に見ら

れる日本文化や言語文化の源泉,ひいては文化意思や文化力を探っていきたい。

授業内容・授業計画

(一) 言語の本質と観念(1~3回)

  ・日本人の言語観

(二) 言語主体観による文法論(4~6回)

  ・人称代名詞の意味と意識

(三) 主体意識による表現・文章論(7~9回)

  ・疑問表現の心意

(四) 意味意識による語彙論(10回~12回)

  ・日本人の美意識-古語を探る

(五) 国語論的な音声・音韻論(13~15回)

  ・詩歌の韻律と感覚

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために,毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

言語は人間が生きる文化として在る。例えば,日本人が対人関係や世間に気を遣う意識は,自己と他者の位置づけを言語的に

把握する表現方法に反映する。このことは外国語と比較して考えると,日本語(国語)や日本文化の特質としてより明らかになる

だろう。逆に,外国語を学ぶ場合,常に母国語である日本語と比較し,対照しているはずであり,また,そうあらねばならない。

そのためには,まず,日本語を言語として改めて認識する必要がある。本講義によって日本語とその文化について,自らの言語行

動を内省し,学び方を学び,考え方を考え,日本語に対する言語感覚を磨き,言葉を大切にし,信頼する態度を養ってほしい。わ

が国の言葉への興味や関心を深め,感性を高めることは,ひいては国際文化の理解により資することになるだろう。

学問的な権威と伝統に対する畏敬の精神こそ大学の授業の根底に在るべきものであり,学生時代は学問によって盛り上る力

と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する姿勢と欲求を大

事にし,好学の志操を持たせ,言葉に対する知的探究心を刺激し,誘発し,培おうとしている。言葉がおもしろいと感じる精神の

発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。出席票の裏面に記した質問や意見・感想は,次の時間に紹介・解説し,前

時の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど,基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートをみ

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

1年次

22

日本語と生活A

2単位

春学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

日常の身近な日本語(国語)の現象や使い方を材料にして,音韻・文字・語彙・意味・語法・文法・文体などに関わる

諸問題を取り上げ,歴史的な観点をも交え,分析し,分類し,言葉の体系として整理し解釈する。そうして,生きた言葉の

知識やはたらきを学び,その上に,日本語とその表現の特質,日本人の言語意識や言語感情なども究めていく。広くて深い

言葉の森を歩きながら,言葉を内省(内観)的に捉え,言葉そのものを考える素養と態度を身に付け,言葉に対する知的な

興味や関心を高め,言語感覚を磨いていきたい。

言葉の学びは言葉に対する愛であり,日本語の学びは国語愛である。本講義は言葉の理想主義をめざし,人間と言葉と

の関わりを視点に,言葉を知り,好み,楽しむことを第一義として,言語主体の心的活動による語の意味を考え,その奥に

ある言葉を生み出す原力と心意を考えようとする。知ることを愛し,喜ぶことは研究への一歩である。さらにまた,学問的

な権威と伝統に対する畏敬の精神と好学の志操は大学の授業の根底に在って,支えるものである。

授業内容・授業計画

(一) 言語生活の中の言葉(1~3回)     (四) 言葉としての人名・地名(10~12回)

・お嬢さま言葉の意識と感覚          ・男性名の言葉

(二) 季節に生きる言葉(4~6回)      (五) 語彙による意味の世界(13~14回)

・ことばの季節感覚              ・山名の言葉

(三) 歌の中の言葉(7~9回)        (六) 言葉の教養と道徳(15回)

・唱歌の言葉と表現              ・古典に表れた言葉の戒め

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために,毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

身の回りに言葉が溢れているが,気にならない人が多い。また,日本人は母国語意識が弱いと言われている。本講義は言葉のよ

ろず屋・百貨店であり,言葉の相談室でもある。何よりも言葉を気に懸けて振り返り,言葉に執着し,言葉自体を考えていく。毎

時間,言葉で始まり,言葉で終わる知の営みで,学生諸君の言語感覚や言語意識を刺激し,誘発する。言葉をより深く知ろうとす

る心情の醸成を通して,高い人間性を育もうとする。授業がきっかけとなって,言葉に関心を抱き,言葉が好きになり,言葉の深

みを発見し,言葉を尊重する態度を身につけ,言葉の教養による人間形成を目指してほしい。

言葉がおもしろいと感じる精神の発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。学生時代にこそ基礎的な学問によっ

て盛り上がる力と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する

姿勢と欲求を大事にし,知的探究心を培い,学び方を学び,考え方を考えようとしている。出席票の裏面に記した質問や意見・

感想は次の時間に紹介・解説し,前時の内容の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど,基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートを見

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

1年次

23

日本語と生活B

2単位

秋学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

日常の身近な日本語(国語)の現象や使い方を材料にして,音韻・文字・語彙・意味・語法・文法・文体などに関わる

諸問題を取り上げ,歴史的な観点をも交え,分析し,分類し,言葉の体系として整理し解釈する。そうして,生きた言葉の

知識やはたらきを学び,その上に,日本語とその表現の特質,日本人の言語意識や言語感情なども究めていく。広くて深い

言葉の森を歩きながら,言葉を内省(内観)的に捉え,言葉そのものを考える素養と態度を身に付け,言葉に対する知的な

興味や関心を高め,言語感覚を磨いていきたい。

言葉の学びは言葉に対する愛であり,日本語の学びは国語愛である。本講義は言葉の理想主義をめざし,人間と言葉と

の関わりを視点に,言葉を知り,好み,楽しむことを第一義として,言語主体の心的活動による語の意味を考え,その奥に

ある言葉を生み出す原力と心意を考えようとする。知ることを愛し,喜ぶことは研究への一歩である。さらにまた,学問的

な権威と伝統に対する畏敬の精神と好学の志操は大学の授業の根底に在って,支えるものである。

授業内容・授業計画

(一) 言語生活の中の言葉(1~3回)     (四) 言葉としての人名・地名(10~12回)

・学校名の略称                ・鉄道線路名の言葉と意識

(二) 季節に生きる言葉(4~6回)      (五) 語彙による意味の世界(13~14回)

・ことばの歳時記               ・色名と言語感覚

(三) 歌の中の言葉(7~9回)        (六) 言葉の教養と道徳(15回)

・童謡の言葉と表現              ・愛語と戒語

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために,毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

身の回りに言葉が溢れているが,気にならない人が多い。また,日本人は母国語意識が弱いと言われている。本講義は言葉のよ

ろず屋・百貨店であり,言葉の相談室でもある。何よりも言葉を気に懸けて振り返り,言葉に執着し,言葉自体を考えていく。毎

時間,言葉で始まり,言葉で終わる知の営みで,学生諸君の言語感覚や言語意識を刺激し,誘発する。言葉をより深く知ろうとす

る心情の醸成を通して,高い人間性を育もうとする。授業がきっかけとなって,言葉に関心を抱き,言葉が好きになり,言葉の深

みを発見し,言葉を尊重する態度を身につけ,言葉の教養による人間形成を目指してほしい。

言葉がおもしろいと感じる精神の発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。学生時代にこそ基礎的な学問によっ

て盛り上がる力と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する

姿勢と欲求を大事にし,知的探究心を培い,学び方を学び,考え方を考えようとしている。出席票の裏面に記した質問や意見・

感想は次の時間に紹介・解説し,前時の内容の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど,基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートを見

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

2年次

24

日本語学概論Ⅰ

2単位

春学期大城 光正

講義目的(要旨)

 現在、世界の人々が日本を注視し、日本の各地で、また、世界の各地で、日本語を学ぶ人が増えている。このように日本

語教育が注目をあつめるようになったのは、近年の日本の経済的な貢献が大であることは言うまでもないであろう。そこ

で、日本語教育においても日本語を教える側の外国語としての日本語、日本語学に関する知識・実力が問われているが、さ

らには日本語学の理論を教育の実践へとつなげていく方法についても考えなければならない。また、外国語を学ぶ者にと

っても、日本語と外国語の言語的な違いを認識することは外国語学習に非常に有益である。それゆえ、この授業は、基礎的

な“日本語学力”を身につけるための授業内容であり、現代日本語を体系的・網羅的に理解することを目指している。外国

語を学んで留学した学生が、留学先の日本語学習者から助詞「ハ」と「ガ」の用法の違い、「コーヒーが飲みたい」と「コ

ーヒーを飲みたい」の用法の違い、「握る」と「掴む」の違いなどの質問を受けるかもしれない。さらに、「日本語はモー

ラ(拍)言語」、「日本語のアクセントは高さアクセント」、「私が君に本をくれた。」の誤用を扱う“やりもらい表現”、日本

語のアスペクト「テイル形」の用法、「間違いやすい敬語表現」、「文字表記」、「標準語」と「方言」問題など、「日本

語」についての基本的な知識を習得することは留学を希望している学生にとっても有用であろう。

授業内容・授業計画

 教科書は使用するが、必ずしもその順序・内容にはとらわれない。春学期の授業の主なテーマは、以下のとおりである。

  1 回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)

  2 回目~3 回目:日本語概説(日本語と国語、日本語教育と国語教育、言語の分類、日本語の系統)

  4 回目:日本語の音声と音韻(音声学、調音器官)

  5 回目~7回目:日本語の音声(母音、子音、音節、音韻論、音素、モーラ、アクセント、アクセントの地方差)

  8 回目~10 回目:日本語の語彙(基本語彙、基礎語彙、語彙量、延べ語数、理解語彙、語種、語義、語構成)

  11 回目~14 回目:日本語の文字・表記(文字体系、日本語表記、仮名遣い、片仮名、平仮名、ローマ字、漢字)

15 回目:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたスペース

   (教室)で「日本語教員養成コース」の必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をする場合がある。

その際の定員は60名で、初回の授業出席者から決定し、座席を指定する。履修希望者で初回の授業に出席でき

なかった場合、公欠扱い対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠席しても

定員に達していない場合のみ2回目からも履修ができる。本授業は若井勲夫先生の「日本語学概論 I」(木 I)と

複数開講科目である。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

   チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。静かにまじめに授業に集中すること。

「日本語」に興味のない者は履修しないこと。また、各自で教科書は4月中に購入しておくこと。

(4) 小テスト2回以上欠席したものは原則単位認定しない。また、春学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由で

   あれ原則単位認定しない。

授業の到達目標

 日本語学に関する基礎的な事柄とその専門用語について理解できるようになること。

身に付く力

 コミュニケーション基礎理解力・論理的分析力。

評価方法

 授業出席等の平常評価(20%)と各章ごとの数回の小テスト(80 パーセント)による総合評価。

教 材

 教科書:日野資成著『ベーシック現代の日本語学』(ひつじ書房)

2年次

25

日本語学概論Ⅰ

2単位

春学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

外国語を学ぶ場合,意識するか否かに拘わらず,常に母国語である日本語(国語)と比較し,対照しているはずであり,

また,そうあらねばならない。そのためには,まず日本語を言語として改めて認識する必要がある。日本語に対する基礎的

な知識を十分にわきまえ,研究の方法を学ぶことによって,外国語と異なった日本語の特質,表現や発想の個性を捉え直

すことができよう。そうして,日本語が日本人の意識や感情にまで深く関わっていることが分かってくる。

フィロロジー(文献学,言語学)は言葉に対する愛であり,日本語の学は国語愛である。本講義は人間と言葉との関わり

を探る視点で,言葉の現象や使い方を分析し,分類し,言語主体の心的活動による語の意味を考え,言葉の体系として整理

し解釈し,その奥にある言葉を生み出す原力と心意を考えようとする。このようにして,日本語を究めながら,言語意識と

言語感覚を高め,日本語を尊重し,信頼する態度を養い,外国語学習の基盤を培っていきたい。

授業内容・授業計画

(一)言語論(1~3回)               (四)意味・語彙論(9~11回)

・我と汝としての言葉    ・語感の意味と意識

(二)文法論(4~6回) (五)文字・表記論(12~14回)

   ・「が」と「は」の意味と表現  ・宛字の発想と意識

(三)表現・文章論(7~8回) (六)音声・音韻論(15回)

  ・発想による表現的意味  ・韻律の感覚と特質

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために,毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

また,授業中に紹介する参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

人間は母国語たる言語によって対象を捉え,認識し,思考する。言葉によって表されないものはもともと何もなかったのであ

り,言葉によって表現されて初めて,物として,思想として定まる。文化や歴史はこのように言葉によって創造され,共通の規範

として受け継がれていく。本講義によって日本語(国語)とその文化について,自らの言語行動を内省し,学び方を学び,考え方

を考え,日本語に対する言語感覚を磨き,言葉を大切にする態度を養ってほしい。母国語の感性を高めることは言葉への興味や

関心を深め,ひいては外国語学習により資することになろう。

学問的な権威と伝統に対する畏敬の精神こそ大学の授業の根底に在るべきものであり,学生時代は学問によって盛り上がる

力と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する姿勢と欲求を

大事にし,好学の志操を持たせ,言葉に対する知的探究心を刺激し,誘発し,育てようとしている。言葉がおもしろいと感じる精

神の発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。出席票の裏面に記した質問や意見・感想は次の時間に紹介・解説し,

前時の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど,基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートを見

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

2年次

26

日本語学概論Ⅱ

2単位

秋学期大城 光正

講義目的(要旨)

 現在、世界の人々が日本を注視し、日本の各地で、また、世界の各地で、日本語を学ぶ人が増えている。このように日本

語教育が注目をあつめるようになったのは、近年の日本の経済的な貢献が大であることは言うまでもないであろう。そこ

で、日本語教育においても日本語を教える側の外国語としての日本語、日本語学に関する知識・実力が問われているが、さ

らには日本語学の理論を教育の実践へとつなげていく方法についても考えなければならない。また、外国語を学ぶ者にと

っても、日本語と外国語の言語的な違いを認識することは外国語学習に非常に有益である。それゆえ、この授業は、基礎的

な“日本語学力”を身につけるための授業内容であり、現代日本語を体系的・網羅的に理解することを目指している。外国

語を学んで留学した学生が、留学先の日本語学習者から助詞「ハ」と「ガ」の用法の違い、「コーヒーが飲みたい」と「コ

ーヒーを飲みたい」の用法の違い、「握る」と「掴む」の違いなどの質問を受けるかもしれない。さらに、「日本語はモー

ラ(拍)言語」、「日本語のアクセントは高さアクセント」、「私が君に本をくれた。」の誤用を扱う“やりもらい表現”、日本

語のアスペクト「テイル形」の用法、「間違いやすい敬語表現」、「文字表記」、「標準語」と「方言」問題など、「日本

語」についての基本的な知識を習得することは留学を希望している学生にとっても有用であろう。

なお、授業は春学期からの継続履修を前提に進めるので、春学期からの継続履修が望まれる。

授業内容・授業計画

 教科書は使用するが、必ずしもその順序・内容にはとらわれない。秋学期の授業の主なテーマは、以下のとおりである。

  1回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)春学期総まとめ

  2回目~4回目:日本語文法(日本語文法とは、品詞論の1・2・3)

  5回目~6回目:日本語文法(構文論の 1・2)

  7回目~8回目:日本語の表現(待遇表現の1・2)

  9回目:日本語の歴史(時代区分)

  10回目~11回目:日本語の歴史(音韻史、文法史)

  12回目~15回目:日本の方言(方言区分、各方言の特徴)とまとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたスペース

   (教室)で「日本語教員養成コース」の必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をする場合がある。

定員は60名で、初回の授業出席者から決定する。履修希望者で初回の授業に出席できなかった場合、公欠扱い

対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠席しても定員に達していない場合

のみ2回目からも履修ができる。本授業は若井勲夫先生の「日本語学概論 II」(木 I)と複数開講科目である。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

   チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。静かにまじめに授業に集中すること。

「日本語」に興味のない者は履修しないこと。

(4) 小テスト2回以上欠席したものは原則単位認定しない。なお、秋学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由で

   あれ原則単位認定しない。また、各自で教科書は 10 月中に購入しておくこと。

授業の到達目標

 日本語学に関する基礎的な事柄とその専門用語について理解できるようになること。

身に付く力

 コミュニケーション基礎理解力・論理的分析力。

評価方法

 授業出席等の平常評価と各章ごとの数回の小テストによる総合評価。

教 材

 教科書:日野資成著『ベーシック現代の日本語学』(ひつじ書房)

2年次

27

日本語学概論Ⅱ

2単位

秋学期若井 勲夫

講義目的(要旨)

外国語を学ぶ場合,意識するか否かに拘わらず,常に母国語である日本語(国語)と比較し,対照しているはずであり,

また,そうあらねばならない。そのためには,まず日本語を言語として改めて認識する必要がある。日本語に対する基礎的

な知識を十分にわきまえ,研究の方法を学ぶことによって,外国語と異なった日本語の特質,表現や発想の個性を捉え直

すことができよう。そうして,日本語が日本人の意識や感情にまで深く関わっていることが分かってくる。

フィロロジー(文献学,言語学)は言葉に対する愛であり,日本語の学は国語愛である。本講義は人間と言葉との関わり

を探る視点で,言葉の現象や使い方を分析し,分類し,言語主体の心的活動による語の意味を考え,言葉の体系として整理

し解釈し,その奥にある言葉を生み出す原力と心意を考えようとする。このようにして,日本語を究めながら,言語意識と

言語感覚を高め,日本語を尊重し,信頼する態度を養い,外国語学習の基盤を培っていきたい。

授業内容・授業計画

(一) 言語論(1~3回)

・日本人の言語観

(二) 文法論(4~6回)

・態の表現的意味

(三) 表現・文章論(7~9回)

・指示語の意識と感覚

(四) 意味・語彙論(10~12回)

・外来語の受容と創造

(五) 音声・音韻論(13~15回)

・詩歌の韻律と感覚

準備学習等(事前・事後学習)

勉強する態度で大切なことは「自得自発」の精神である。「自得」は自分で心に悟り,「自発」は自分から進んですることであ

る。そのために,毎回,講義で学んだことを整理し,「自学自習」によって,気づき,調べたことを後で補い,付け足していく。

また,授業中に紹介する参考文献は積極的に読んで,幅広く言語・日本語(国語)についての知識を増やし,思考を深めてほしい。

履修上の注意

毎時間,出席をとる。欠席した時は,速やかに必ずノートの補充をすること。ノートの書き方は次のことを実践すること。1.

縦書きで記す。2.日付を書く(配布の資料にも)。3.ノンブル(ページ番号)を付ける。4.余白を多くとる。

授業の到達目標

人間は母国語たる言語によって対象を捉え,認識し,思考する。言葉によって表されないものはもともと何もなかったのであ

り,言葉によって表現されて初めて,物として,思想として定まる。文化や歴史はこのように言葉によって創造され,共通の規範

として受け継がれていく。本講義によって日本語(国語)とその文化について,自らの言語行動を内省し,学び方を学び,考え方

を考え,日本語に対する言語感覚を磨き,言葉を大切にする態度を養ってほしい。母国語の感性を高めることは言葉への興味や

関心を深め,ひいては外国語学習により資することになろう。

学問的な権威と伝統に対する畏敬の精神こそ大学の授業の根底に在るべきものであり,学生時代は学問によって盛り上がる

力と精神を鍛えなければならない。この授業は知るということに対していつも開かれ,学生諸君の真理を追究する姿勢と欲求を

大事にし,好学の志操を持たせ,言葉に対する知的探究心を刺激し,誘発し,育てようとしている。言葉がおもしろいと感じる精

神の発動・活動は言学の研究の根本であり,出発点である。出席票の裏面に記した質問や意見・感想は次の時間に紹介・解説し,

前時の補充・発展となる。師弟相互による授業の知的な創造と深化といえる。

身に付く力

学び方を学び,考え方を考える態度と能力を養うことを基本とする。詳しく言えば,必要な知識はどのようにして得られるか,

分析の方法はどういう点に注意するか,現象にとらわれず本質を見究めるためにどのような視点を取るべきかなど,基礎的かつ

実際的な方法論を身に付ける。常に自主的に考え,学生の手で解決に至る筋道を練り上げる能力,また,言語・日本語(国語)

の具体的,個別的な事実,現状を抽象化,一般化して,普遍的,体系的な原理,理論を導き出す能力を培う。なお,学問は実際に

授業に出て,黒板を前にして師弟が対面して,学生自らがその場の中で経験,体感して身に付けるものである。他人のノートを見

てわかるものではない。

評価方法

論述式の定期試験(85%)に,毎時間の出席状況(15%)を加えて総合的に判定する。なお,欠席が多い場合はたとえ受験

しても無効(不認定)である。

2年次

28

日本語学特論A

2単位

春学期庄垣内 正弘

講義目的(要旨)

漢字文化圈の中で日本語が漢字を導入し、音読と訓読をどのように発達させたか、また仮名の成立によって類例のない

独特の表記法をどのように発展させたかについて、他の漢字文化圏言語とも比較しながら解説する。

授業内容・授業計画

1回: 日本における漢字の導入

2回~4回: 漢字の音読

4~6回: 漢字・漢文の訓読

7回~8回: 平仮名の成立と発達

9~10回: 片仮名の成立

11回~13回: 他の言語の漢字の取り扱い

14回~最終回: 日本語の表記法の特徴

授業の到達目標

日本語における漢字使用と日本語表記法の特徴に関する基本的な知識の習得を到達目標とする。

評価方法

試験と出席回数(20%)

教 材

ハンドアウトを毎回配布する。

2年次

29

日本語学特論B

2単位

秋学期庄垣内 正弘

講義目的(要旨)

近世以来、印欧語がどのように日本語に導入され、どのように日本語化されたのかについて概説する。

授業内容・授業計画

1回: 言語における借用語の成立について

2回: 日本語における中国語からの借用について

3回~8回: 明治以降の英語の借用について

9回~13回: 明治以前の印欧語の借用について

14~最終回 日本語における印欧語からの借用語の日本語化について

授業の到達目標

日本語中に大量に導入された印欧語からの借用語についてその性格と歴史についての基礎的な知識の習得を到達目標

とする。

評価方法

試験と出席回数(20%)

教 材

ハンドアウトを毎回配布する。

2年次

30

日本語学特論C

2単位

春学期西村 周浩

講義目的(要旨)

 人間はニーズに合わせて語彙を次々と活発に刷新していくが、そのプロセスの詳細を意識的に省みることはあまりない。

しかし、ひとたび目を向けると、多様ではあるが決して好き勝手に語が作られているわけではないという事実が見えてく

る。この観察を日本語という言語を通して体験することが、本講義の目的である。

授業内容・授業計画

上記の講義目的で触れた「観察」を効率よく行うことを目指して、本講義では指定した教科書の内容にそって授業を進め

ていく。

1. 導入:言語学と日本語学

2. 第 1 章「常套手段は足し算」(I)

3. 第 1 章「常套手段は足し算」(II)、第 2章「引き算で省エネ、合わせ技もある」(I)

4. 第 2 章「引き算で省エネ、合わせ技もある」(II)

5. 第 2 章「引き算で省エネ、合わせ技もある」(III)

6. 第 3 章「由来さまざま」(I)

7. 第 3 章「由来さまざま」(II)

8. 第 4 章「何でも縮める日本語」(I)

9. 第 4 章「何でも縮める日本語」(II)

10. 第 4 章「何でも縮める日本語」(III)

11. 第 5 章「ならず者の心理」

12. 第 6 章「ポケモン誕生」(I)

13. 第 6 章「ポケモン誕生」(II)

14. 第 6 章「ポケモン誕生」(III)

準備学習等(事前・事後学習)

 授業の各回の前に教科書の指定範囲を一読しておくことが望ましいが、主眼は授業後の復習にある。理解度をチェック

するための小テストの準備や課題(下記参照)への取り組みが、これに該当する(但し、最終分は扱いが異なる)。

履修上の注意

 教科書は第 2回目の授業までに準備して下さい。尚、小テスト・課題は返却する予定ですので、自分の成績がどのように

推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

 日本語という身近な言語を我々がどのように操っているのか―無意識的なものへの学問的意識を向上させる。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

 - 授業参加: 28%

 - 理解度チェックのための小テスト・課題: 72%(12% × 6 回)

※詳しいスケジュール・方式は第 1回目の授業にて。

教材

 教科書:窪園晴夫『新語はこうして作られる』(岩波書店、2002 年)

2年次

31

日本語学特論D

2単位

秋学期西村 周浩

講義目的(要旨)

 言語を用いたコミュニケーションという目的が達成される―こうした状況を我々は日常茶飯事的に体験している。しか

し、そういった状況で用いられた言語表現の背後には実は我々が日頃ほとんど意識することのない微妙なニュアンスが隠

れている。本講義では「当たり前」で済まされてきたコミュニケーション上の重要パーツである言語の細部に光を当てる。

授業内容・授業計画

本講義は、授業の効率を考えた上で、指定した教科書の内容にそって行う。

1. 導入:言語学と日本語学

2. 第 1 章「言葉のケジメとは」(I)

3. 第 1 章「言葉のケジメとは」(II)

4. 第 2 章「移動のケジメ」(I)

5. 第 2 章「移動のケジメ」(II)

6. 第 2 章「移動のケジメ」(III)

7. 第 2 章「移動のケジメ」(IV)、第 3章「中田選手はボールをゴールに蹴った」(I)

8. 第 3 章「中田選手はボールをゴールに蹴った」(II)

9. 第 4 章「行為のケジメ」(I)

10. 第 4 章「行為のケジメ」(II)

11. 第 4 章「行為のケジメ」(III)

12. 第 4 章「行為のケジメ」(IV)、第 5章「モノのケジメ」(I)

13. 第 5 章「モノのケジメ」(II)、第 6章「ケジメのなさを利用する日本語」(I)

14. 第 6 章「ケジメのなさを利用する日本語」(II)、第 7章「言葉と文化」

準備学習等(事前・事後学習)

 授業の各回の前に教科書の指定範囲を一読しておくことが望ましいが、主眼は授業後の復習にある。理解度をチェック

するための小テストの準備や課題(下記参照)への取り組みが、これに該当する(但し、最終分は扱いが異なる)。

履修上の注意

 教科書は第 2回目の授業までに準備して下さい。尚、小テスト・課題は返却する予定ですので、自分の成績がどのように

推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

 当然のように思われていた日本語の言語現象がいかに日本語「らしい」ものであるか、学問的注意力をもって自覚できる

ようになること。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

 - 授業参加: 28%

 - 試験: 72%(12% × 6 回)

※詳しいスケジュール・方式は第 1回目の授業にて。

教 材

 教科書:影山太郎『ケジメのない日本語』(岩波書店、2002)

2年次

32

日本語教育概論Ⅰ

2単位

春学期川久保 明日香, 木島 雅夫

講義目的(要旨)

法務省入国管理局によると、日本国内の外国人登録者数は 208 万人を超え、日本の総人口の 1.6 パーセントを占めてい

る。このような状況の中で、日本語教育の重要性はますます問われることとなるだろう。この授業では、日本語教師を目指

す学生だけではなく、日本語学の知識を習得したい学生も対象とし、日本語学と日本語教授法といった日本語教育におけ

る各分野の基礎的知識を網羅的、かつ広範囲に渡り学んでいく。

授業内容・授業計画

授業は日本語教育の各理論の理解を目指したものである。具体的には以下のことを学んでいく。

1 海外で日本語を学ぶ

2 海外で日本語を教える

3 国内で日本語を学ぶ

4 国内で日本語を教える

5 なぜ言語学を学ぶのか

6 言語学の各論(1)

7 言語学の各論(2)

8 社会と言葉

9 人々とことばの権利

10 日常生活の中の日本語

11 日本語教育史の意味

12 戦争と日本語教育

13 1945年以降の日本語教育

14 まとめ

15 最終試験

履修上の注意

他の日本語教員養成コースの科目も受講していることが望ましい。

授業の到達目標

日本語教育の基本的な知識と専門用語を身につける。

評価方法

1)出席点と定期的に課す小テスト、総括テストにより総合的に行う。全授業数の三分の一以上を欠席したものは評価の

対象としない

2)無断で授業を欠席したものには授業内容に関するプリントを配布しない。

教 材

教科書:遠藤織枝 『概説日本語教育』 (三修社、2000 年) 2,300 円+税

その他プリントを配布する

2年次

33

日本語教育概論Ⅱ

2単位

秋学期川久保 明日香, 木島 雅夫

講義目的(要旨)

法務省入国管理局によると、日本国内の外国人登録者数は 208万人を超え、日本の総人口の 1.6パーセントを占めてい

る。このような状況の中で、日本語教育の重要性はますます問われることとなるだろう。この授業では、日本語教師を目指

す学生だけではなく、日本語学の知識を習得したい学生も対象とし、日本語学と日本語教授法といった日本語教育におけ

る各分野の基礎的知識を網羅的、かつ広範囲に渡り学んでいく。

授業内容・授業計画

授業は日本語教育の各理論の理解を目指したものである。具体的には以下のことを学んでいく。

1 異文化コミュニケーションとは何か

2 日本語教育現場における異文化コミュニケーション

3 日本語教育での教授法

4 レベル別の指導法

5 技能別の指導法

6 評価活動の目的

7 教育機関での評価

8 各種日本語テスト

9 外国語教授法(1)

10 外国語教授法(2)

11 第二言語習得研究とは何か

12 教室指導の役割

13 日本語の習得過程と指導のタイミング

14 まとめ

15 最終試験

履修上の注意

他の日本語教員養成コースの科目も受講していることが望ましい。

授業の到達目標

日本語教育の基本的な知識と専門用語を身につける。

評価方法

1)出席点と定期的に課す小テスト、総括テストにより総合的に行う。全授業数の三分の一以上を欠席したものは評価の

対象としない

2)無断で授業を欠席したものには授業内容に関するプリントを配布しない。

教 材

教科書:遠藤織枝 『概説 日本語教育』 (三修社、2000 年) 2,300 円+税

その他プリントを配布する。

3年次

34

日本語教育特論B

2単位

春学期川澄 哲也

講義目的(要旨)

「日本語学」「日本語教育」といった分野に関心がある人を対象に、今後これらの分野に携わっていく上で必要とされる

基礎知識を教授する。なお受講生の中に日本語教育能力検定試験を受ける人がいることを想定し、同試験の出題範囲に対

応した授業内容になるようにも配慮している。

授業内容・授業計画

1.イントロダクション (授業案内/日本、日本語、日本語教育を取り巻く現状)

2.言語と教育 (言語教授法/異文化間教育)

3.言語と社会[1] (言語政策/言語接触)

4.言語と社会[2] (言語のバリエーション/言語運用)

5.言語と心理 (言語習得/言語理解の過程)

6.言語学の基礎知識

7.日本語の音声[1]

8.日本語の音声[2]

9.日本語の語彙[1]10.日本語の語彙[2]11.日本語の文法[1]12.日本語の文法[2]13.日本語の文字/日本語史

14.対照言語学

15.総括と補遺

準備学習等(事前・事後学習)

授業中に随時参考文献を紹介するので、積極的に読み、自らも知識の拡大に努めること。

履修上の注意

この授業と関連する(=上述した授業内容と関連のある)他の科目も幅広く受講することが望ましい。

授業の到達目標

日本語学や言語学に関する基礎知識を習得することと、日本語教育をめぐる諸問題を理解することの 2 点が、この授業

の到達目標である。

身に付く力

論理的思考力(分析力)

評価方法

平常点 100% (ほぼ毎回、授業の最後に、理解度を確認するための課題を行う。その出来に基づいて評価する)

教 材

毎回、こちらでハンドアウトを用意する。

3年次

35

日本語教授法Ⅰ

2単位

春学期出野 晃子, 岸 真由美

講義目的(要旨)

日本語教師に求められることとは、まずは、「正しい日本語の知識」であり、それをいつ、どのように教えるかといった

教授のノウハウである。しかし、決してそれだけでは十分とはいえない。学習者を取り巻く様々な状況を鑑みながら、与え

られた条件、環境の中でどのように授業を創り出せるかといった創造性も大切である。本授業では、実際の日本語教育の現

場における様々なケースを紹介しながら、授業の計画から実践までを総合的に行う。

授業内容・授業計画

 本授業は、日本語教育実習を念頭に置いた日本語教育の実践のための準備として以下のことを学ぶ。具体的な授業の実

際を紹介し、かつ実際の教材作成や指導案作成等も行いながら各内容について深める。なお、クラスではグループワークに

よる話し合いや発表を中心とするので、一人一人が問題意識を持った積極的な参加が求められる。

1. 日本語教育とは

2. コースデザイン1

3. コースデザイン2

4. 教室活動1

5. 教室活動2

6. 教室活動3

7. 教材・教具1

8. 評価

9. 外国語教授法と日本語教育

10. レベル別教授法(初級)

11. レベル別教授法(中級)

12. レベル別教授法(上級)

13. 教育実習に向けて1(教案作成)

14. 教育実習に向けて2

(15) 最終試験

準備学習等(事前・事後学習)

 普段から問題意識をもって、日本語学習者を取り巻く社会問題などについて新聞等などで深めておくこと。

履修上の注意

第 1回目から授業を行うので、事前に教科書を購入しておくこと。

授業の到達目標

 日本語教育についての知識と日本語教育の現場で必要となる教授に関する基礎的な知識について身につけること。秋学

期に行う教育実習に向け、教案作成の基本的な形式を学び、作成できるようになること。

身に付く力

 主体性、創造力、計画力、傾聴力・発信力(コミュニケーション力)

評価の方法

 出席 40%  課題・小テスト・参加態度 40%  最終試験 20%

教 材

 教科書:小林ミナ『よくわかる教授法』(アルク、1998 年)

指定図書:『みんなの日本語 ⅠⅡ』(スリーエーネットワーク)、『げんきⅠⅡ』、ジャパンタイムズ

3年次

36

日本語教授法Ⅱ

2単位

秋学期出野 晃子, 岸 真由美

講義目的(要旨)

 日本語教授法Ⅰで学んだことをもとに、教案作成、および日本語教育実習を中心に行う。視聴覚教材や日本語クラスの見

学、参加などによって実際の日本語教育の現場を知り、さらに模擬授業においては自身が教壇に立つだけではなく、学習者

役を演じることで、授業の組み立てや教室活動などを多角的かつ複合的に学んでいくことを目的とする。

授業内容・授業計画

1. オリエンテーション

2. 授業の実際 1 (授業の組み立て、教室活動の基本)

3. 授業の実際 2 (モデル授業および実習生の模擬授業視聴、フィードバック)

4. グループによる模擬授業発表のための準備

5. 模擬授業発表1(グループによる発表等)

6. 実習に向けて 1(授業見学のしかた等)

7. 実習に向けて 2(担当者、学習者情報、学習項目の決定)

8. 実習に向けて 3(授業の組み立て(アウトライン)、教案作成)

9. 実習1

10. 実習 2

11. 実習 3

12. 実習 4

13. 実習 5

14. 実習 6(15) 全体のフィードバックおよびレポート

準備学習等(事前・事後学習)

日本語教授法Ⅰを受講していない人は、実習に際し、担当教員に相談し指示を受けること

履修上の注意

本学の留学生クラスの授業見学においては、日程、教室、見学にあたっての注意などを必ず確認しておくこと。

授業の到達目標

1. 自分で一から授業の組み立てや教室活動を考え、教案や教材教具の作成等をし、創造性を発揮して模擬授業(および

実習)に取り組むことで実際の一連の授業運びを体験し、ものごとをやり遂げる達成感を得ること。

2. 他人の授業にも積極的に参加し、客観的な立場から建設的な意見や助言を与えあえるようになること。

身に付く力

 主体性、創造力、計画力、傾聴力・発信力(コミュニケーション力)

評価の方法

 出席 40%  実習および参加状況(課題、レポート提出含む)60%を総合的に評価します。

教 材

 授業で配布する資料等

指定図書:『みんなの日本語 ⅠⅡ』(スリーエーネットワーク)、『げんきⅠⅡ』、ジャパンタイムズ

2年次

37

日本語表現論

2単位

秋学期北上 光志

講義目的(要旨)

自分の考えを他人に伝える時、多くの場合言葉が使用され、文の連なりという形で実現される。これらは単純なもの

から複雑なものまでいろいろあるが、必ず意味的にまとまっている。この総体をテクストあるいは談話という。テクス

トを作り出していく過程において、人の心理状態は常に一定ではない。これらの変化は言語構造になんらかの形で反映

される。授業ではこの規則性を探るための談話分析を日本語の資料を使用して行う。こういった作業を通して、美しい

日本語の文章を書くテクニックを習得する。

授業内容・授業計画

最初にテクストの概念を解説する。テクストを学ぶ目的は、あるまとまった情報を他人に伝える時に、人はどのよう

な工夫をするのかを解明し、またそのテクニックを体得することである。このことを行う上で、「テクストの単位と主

題」、「卓立性」、「結束性」というテーマを設定する。これらのテーマに関連して、助詞、視点の移動、語順、ポー

ズ、文脈内指示、省略、代用、反復、接続表現、段落といった項目を学習する。こういった項目を使って、書き手(話

し手)は読み手(聞き手)の注意力をどのように持続させる工夫をしているかを、小説だけでなく、新聞、雑誌、漫画、

ビデオ、歌などの視聴覚資料を通して学ぶ。そしてこれと並行して文章力を高める実践的なテクスト分析練習も行う。

授業日程は以下の通り。

1回(10 月 1 日)授業計画の説明、アンケートテスト

2回(10 月 8 日)テクストと読解

3回(10 月 15 日)テクストと助詞

4回(10 月 22 日)テクストとやりもらい表現

5回(10 月 29 日)テクストとテンス・アスペクト

6回(11 月 5 日)テクストと複合動詞

7回(11 月 12 日)テクストと指示詞

8回(11 月 19 日)中間テスト

9回(11 月 26 日)テクストと接続詞

10 回(12 月 3 日)テクストと段落

11 回(12 月 10 日)テクストと発話表現

12 回(12 月 17 日)テクスト分析(発話表現)

13 回(12 月 24 日)テクスト分析(副動詞)

14 回(1 月 7 日)まとめ

15 回(1 月 14 日)模擬テスト

16 回(1 月 21 日)秋学期総括テスト

履修上の注意

1)毎回小テストを行う。小テストを4回以上欠席した者、5回以上授業を欠席した者は春学期総括テストを受験できない。

遅刻(あるいは早退)2回は欠席1回とみなす。2)授業を妨害する行為を行った者は退室させ、早退1回とみなす。3)

無断で授業を欠席した者には授業内容に関するプリントを配布しない。4)座席は指定とする。指定された座席以外に着席

すると欠席とみなす。5)評価は授業活動、小テスト、春学期総括テストで総合的に行う。授業は毎回プリントを配布し、

それを用いて質疑応答を行う。課題を頻繁に出すので、その都度必ず提出すること。

授業の到達目標

 実践的分析作業を通して文章の書き方と論理的表現を体得すること。

評価方法

 平常点(40%)と定期試験(60%)

教 材

 プリントを配布します。

2年次

38

日本語文法Ⅰ

2単位

春学期大城 光正

講義目的(要旨)

 現代日本語の文法を概説し、いろいろな文法現象に関する問題(ほとんど選択問題)を実際に解くことから日本語の文法

を理解習得できるようにする。また、日本語と外国語の対照に興味のある人、日本語教師を目指して「日本語教育能力検定

試験」の受験を考えている人などを対象にした、基礎的な“日本語文法力”の実力養成も兼ねている。また、外国語を学ん

で留学した学生が、留学先の日本語学習者から助詞「ハ」と「ガ」の用法の違い、「ここに本がある。」と「ここで本を読

む。」の助詞「ニ」と「デ」の用法の違い、指示詞「コ」、「ソ」、「ア」の用法、「ここから富士山が見れる。」の“ラ

抜き言葉”、「私が君に本をくれた。」の誤用を扱う“やりもらい表現”、「音楽を聴いている/車が止まっている/選手が

次々に到着している/ その本はすでに読んでいる/ 2度カナダを訪れている」の“テイル”形の用法など、「日本語文法」

についての基本的な質問を受けることや、簡単な「日本語(文法)」を教えてほしいという要望を受けることもあるので、

留学を希望している学生の履修も大いに希望する。

(例)「英語の形容詞 beautiful “ 美しい”と pretty “ きれいな”が、どうして日本語では“美しい”が形容詞で“きれい

な”が形容動詞なのですか。」>日本語文法では、“美しい”と“きれいな”の違いは活用の違いで特徴づけられますが、

どちらも状態や性質などを表わす意味機能に違いはないので一括して“形容詞”(イ形容詞とナ形容詞)として扱います。

授業内容・授業計画

 授業は一応教科書に即して行う。主なテーマとしては、以下のとおりである。

  1回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)

  2回目:語(文の組み立て、品詞について:動詞、形容詞、判定詞(コピュラ・断定の助動詞)、助動詞、名詞、副詞、

      助詞、連体詞、感動詞、指示詞)

  3回目~9回目:品詞(動詞、形容詞、助動詞、名詞、指示詞、連体詞、副詞、助詞、接続詞、感動詞、接辞)

  10回目~12回目:単文(補足語について、述語について、ヴォイス(受け身・使役・可能・自発)について)

  13回目:単文(テンス(タ形)・アスペクト(テイル形など)について)

  14回目:単文まとめ

  15回目:まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたスペース

(教室)で「日本語教員養成コース」の選択必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をする場

合がある。その際の定員は60名で、初回の授業出席者から決定する。履修希望者で初回の授業に出席できな

かった場合、公欠扱い対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠席しても

定員に達していない場合のみ2回目からも履修ができる。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

    チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。

(4) 小テスト3回以上欠席したものは原則単位認定しない。なお、春学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由で

   あれ原則単位認定しない。また、各自で教科書は4月中に購入しておくこと。

授業の到達目標

 日本語に関するいろいろな文法的な現象が理解できるようになること。

身に付く力

 日本語力、論理的理解力。

評価方法

 授業出席(20%)と各章ごとの小テスト(80%、ほとんど全て選択問題)による総合評価。

教 材

 教科書:益岡・田窪著『基礎日本語文法―改訂版―』(くろしお出版)

2年次

39

日本語文法Ⅱ

2単位

秋学期大城 光正

講義目的(要旨)

 現代日本語の文法を概説し、いろいろな文法現象に関する問題(ほとんど選択問題)を実際に解くことから日本語の文法

を理解習得できるようにする。また、日本語と外国語の対照に興味のある人、日本語教師を目指して「日本語教育能力検定

試験」の受験を考えている人などを対象にした、基礎的な“日本語文法力”の実力養成も兼ねている。また、外国語を学ん

で留学した学生が、留学先の日本語学習者から助詞「ハ」と「ガ」の用法の違い、「ここに本がある。」と「ここで本を読

む。」の助詞「ニ」と「デ」の用法の違い、指示詞「コ」、「ソ」、「ア」の用法、「ここから富士山が見れる。」の“ラ

抜き言葉”、「私が君に本をくれた。」の誤用を扱う“やりもらい表現”、「音楽を聴いている/車が止まっている/選手が

次々に到着している/その本はすでに読んでいる/2度カナダを訪れている」の“テイル”形の用法など、「日本語文法」

についての基本的な質問を受けることや、簡単な「日本語(文法)」を教えてほしいという要望を受けることもあるので、

留学を希望している学生の履修も大いに希望する。

(例)「英語の形容詞 beautiful “ 美しい”と pretty “ きれいな”が、どうして日本語では“美しい”が形容詞で“きれい

な”が形容動詞なのですか。」>日本語文法では、“美しい”と“きれいな”の違いは活用の違いで特徴づけられますが、

どちらも状態や性質などを表わす意味機能に違いはないので一括して“形容詞”(イ形容詞とナ形容詞)として扱います。

なお、授業は春学期からの継続履修を前提に進めるので、春学期からの継続履修が望まれる。

授業内容・授業計画

 授業は一応教科書に即して行う。主に扱うテーマは、以下のとおりである。

  1回目:シラバス説明(講義目的・内容、授業履修上の注意、評価方法、教科書)、春学期総まとめ

  2回目:単文(ムードについて:慨言(らしい・ようだ・そうだ・はずだ)、説明(のだ・わけだ)など)

  3回目~5回目:単文(疑問と否定、提題と取り立て、名詞句、指示(コソアド))

  6回目~9回目:複文(複文補足節副詞節連体節について)

  10回目~11回目:複文(並列節(テ形並列と連用形並列など)について、従属節の従属度)

  12回目~13回目:敬語(尊敬・謙譲・丁寧・美化・丁重;対者敬語と素材敬語)

  14回目~15回目:注意すべき表現、まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

 毎回の授業内容に関して教科書の該当箇所を精読しておくこと。授業終了後はノートにまとめた内容を教科書の内容と

ともに理解する。

履修上の注意

(1) 初回の授業に必ず出席して授業内容等の説明を参考にして履修するかどうかを決定すること。限られたスペース

(教室)で「日本語教員養成コース」の選択必修科目として効率的に授業を実施するために履修制限をする場

合がある。その際の定員は60名で、初回の授業出席者から決定する。履修希望者で初回の授業に出席できな

かった場合、公欠扱い対象者のみ考慮する(第2回目の授業に「公欠扱い」の証明書持参)。初回に欠席しても

定員に達していない場合のみ2回目からも履修ができる。

(2) 授業は始業チャイムと同時にスタートするので、始業チャイム前に必ず教室に入っておくこと。出欠席は毎回

    チェックして平常評価する。特別な理由なくして3回連続欠席した場合は原則除籍扱いとする。

(3) 授業中の居眠り、私語、笑い、携帯電話の使用、帽子の着用は厳禁。

(4) 小テスト3回以上欠席したものは原則単位認定しない。なお、秋学期1/3 以上欠席の場合はいかなる理由で

    あれ原則単位認定しない。また、各自で教科書は10月中に購入しておくこと。

授業の到達目標

 日本語に関するいろいろな文法的な現象が理解できるようになること。

身に付く力

 日本語力、論理的理解力。

評価方法

 授業出席(20%)と各章ごとの小テスト(80%、ほとんど全て選択問題)による総合評価。

教 材

 教科書:益岡・田窪著『基礎日本語文法―改訂版―』(くろしお出版)

2年次

40

日本事情A

2単位

春学期若松 正志

講義目的(要旨)

 「日本事情」では、日本の文化を現代との関連で考えるとともに、そのための方法を学びます。春学期開講の「日本

事情A」ではまず、日本の社会について、基礎的なことがらを確認します。日本の地理・歴史・政治・経済などに関す

る各自の知識を確認しつつ、それらと日本の文化との関連を考えます。そして次に、日本文化を学ぶための方法・資料

などについて、具体的に学びます。比較文化論的考察、データ分析、歴史的考察、そして現代日本のサブカルチャーなど

についても見ていきます。これらによって、現在の日本を正しく把握し、日本の今後を考えていく基礎を身につけても

らいたいと考えています。

授業内容・授業計画

以下の内容を考えています。

 1.はじめに(1回)

  ○自己紹介  ○ガイダンス  ○授業の具体例(化粧・アニメ)

 2.日本に関する基礎知識(7回)

  ○日本の地理・自然環境と文化  ○日本の歴史と文化  ○日本の法・政治と文化

○日本の経済と文化  ○日本の芸術

 3.日本・日本人のイメージ-比較文化論的考察とデータ分析-(2回)

  ○日本論・日本人論・日本文化論の系譜  ○『現代日本人の意識構造』と『日本人の価値観・世界ランキング』

 4.江戸時代と現代-歴史的考察-(1回)

 5.現代の日本文化と経済(3回)

  ○日本人の危機意識  ○日本のポピュラーカルチャー  ○その他

 6.おわりに(1回)

授業中に課題をやってもらうことが多いです(履修上の注意、参照)。また、視聴覚資料やインターネットなども適宜使

うつもりです。

準備学習等(事前・事後学習)

 授業中に行う問題プリント(基礎知識確認プリント)に、解答できるための準備(テーマは事前に提示。宿題として出さ

れる場合は、そのプリントの解答)。

また、日常的に新聞・ニュースなどをよく見て日本の現状を知り、そこでの議論について考える習慣をつけてほしい。

履修上の注意

金曜朝1時限の授業です。遅刻しないでください。授業の最初に課題をやってもらうことが多いです(宿題になること

もあります)。最初の 10 分は何も見ないで、次の 10 分は持ち込み資料や電子辞書などで調べて正しい解答を書いてもらう

ような形式です。

 文化学部日本文化コースの必修科目です。確実に合格するためには、しっかり出席して、課題をきちんとこなし、授業

をしっかり聞いて理解してください。

 なお、他学部(文化学部以外)の学生は履修制限がありますので、所定の期間内に Web 履修登録画面より申請してくだ

さい(受講希望者が多い場合は抽選が行われます)。

授業の到達目標

日本という国・社会が今後どのようになっていくのか、きちんと考えることができるようになることが、最終的な目

標です。そのためには、日本の現状とその歴史的・社会的背景の把握が重要です。

身に付く力

 問題プリントへの解答作業を通して、調べる力、考える力を身に付けます。

さまざまな議論を知り考えることで、状況把握力、思考の柔軟性、総合判断力を身に付けます。

評価方法

学期末の定期試験(80%)・平常点(授業中の課題・感想、宿題など。20%)などにより、評価する予定です。

教 材

 プリント配付。参考書などは随時紹介します。

2年次

41

日本事情B

2単位

秋学期若松 正志

講義目的(要旨)

 「日本事情」では、日本の文化を現代との関連で考えるとともに、そのための方法を学びます。秋学期開講の「日本

事情B」では、戦後日本の政治・経済・文化の展開について、経済大国としての発展や国際社会との関係などについて学

びます。また、現代の日本の時事問題についても色々取り上げたいと思います。「萌え」文化論、歴史教科書問題、日本

の国際貢献などについて、さまざまな立場の意見を紹介しながら、日本の将来について思いをめぐらせてみたいと思い

ます。

授業内容・授業計画

次のような内容を考えています。

 1.はじめに(1回)

  ○自己紹介  ○ガイダンス  ○授業の具体例

 2.戦後の日本史(9回)

  ○戦後改革と復興  ○戦後の政治路線  ○国際社会への復帰   ○高度経済成長

  ○55年体制    ○経済大国の実情(貿易摩擦・バブル経済)  ○政権交代

 3.日本の時事問題(4回)

  ○「萌え」社会・「萌え」文化論  ○歴史教科書問題  ○日本の国際貢献  ○その他

 4.おわりに(1回)

授業中に課題をやってもらうことが多いです(履修上の注意、参照)。また、実際のモノや視聴覚資料、インターネット

なども適宜使うつもりです。

準備学習等(事前・事後学習)

 授業中に行う問題プリント(基礎知識確認プリント)に、解答できるための準備(テーマは事前に提示。宿題として出さ

れる場合は、そのプリントの解答)。

 また、日常的に新聞・ニュースなどをよく見て日本の現状を知り、そこでの議論について考える習慣もつけてほしい。

履修上の注意

金曜朝1時限の授業です。遅刻しないでください。授業の最初に課題をやってもらうことが多いです(宿題になること

もあります)。最初の 10 分は何も見ないで、次の 10 分は持ち込み資料や電子辞書などで調べて正しい解答を書いてもら

うような形式です。

 文化学部日本文化コースの必修科目です。確実に合格するためには、出席して、課題をきちんとこなし、授業をしっか

り聞いて理解してください。

 なお、他学部(文化学部以外)の学生は履修制限がありますので、所定の期間内に Web 履修登録画面より申請してくだ

さい(受講希望者が多い場合は抽選が行われます)。

授業の到達目標

日本という国・社会が今後どのようになっていくのか、きちんと考えることができるようになることが、最終的な目

標です。そのためには、日本の現状とその歴史的・社会的背景の把握が重要です。

身に付く力

 問題プリントへの解答作業を通して、調べる力、考える力を身に付けます。

さまざまな議論を知り考えることで、状況把握力、思考の柔軟性、総合判断力を身に付けます。

評価方法

学期末の定期試験(80%)・平常点(授業中の課題・感想、宿題など。20%)などにより、評価する予定です。

教 材

 プリント配付。参考書などは随時紹介します。

2年次

42

日本文化史概説A

2単位

春学期吉野 秋二

講義目的(要旨)

日本史の文化事象とその流れについて、原始から江戸時代までを対象に概説します。日本、特に京都には建築・仏像・

庭園などさまざまな文化財が残されています。本講義では、各時代を代表する文化財をとりあげながら、時代の推移と共

に変化する文化の諸相を検証します。

授業内容・授業計画

1.オリエンテーション -日本文化史とは-

2.縄文文化と弥生文化

3.古墳文化

4.飛鳥・白鳳文化

5.天平文化

6.弘仁・貞観文化

7.国風文化

8.院政期の文化

9.鎌倉文化

10.北山文化

11.東山文化

12.安土・桃山文化

13.元禄文化

14.化政文化

準備学習等(事前・事後学習)

適宜参考文献を教示しますので、各自の興味に応じて学習してください。京都にはさまざまな博物館・資料館がありま

す。特に京都国立博物館の常設展は、日本文化史の流れを体感できる最高の教材です。是非一度見学してください。

履修上の注意

日本史の苦手な人、京都の歴史をほとんど知らない人は、日本史 Bの高校教科書や日本史の図録の関係部分を見てお

くことを強くおすすめします。

授業の到達目標

今後、日本文化・日本史を学習するための基礎的素養を身につけることを目的とします。

身に付く力

課題発見力、生涯学習力

評価方法

定期試験(持ち込み不可)100%。

教 材

毎回 1、2枚プリントを配布します。なお参考文献は適宜紹介します。

2年次

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日本文化史概説B

2単位

秋学期吉野 秋二

講義目的(要旨)

歴史は人がつくるものですが、文化も同様です。本講義では、日本文化について、飛鳥時代から江戸時代まで対象として、

それぞれの時代を代表する文化人に焦点をあてて考察し、各時代の文化の特色をあぶり出します。

授業内容・授業計画

1.オリエンテーション -日本文化史とは-

2.聖徳太子 -虚像と実像-

3.小野妹子 -遣隋使と飛鳥文化-

4.行基 -天平文化と行基の社会事業-

5.空海 -虚像と実像-

6.嵯峨天皇 -弘仁文化の担い手たち-

7.菅原道真 -遣唐使停止の意義-

8.定朝 -古代彫刻の到達点-

9.成尋 -唐宋変革期の東アジア-

10.重源 -東大寺再建と勧進-

11.叡尊と忍性 -鎌倉仏教の実像-

12.観阿弥と世阿弥 -能楽の成立-

13.本居宣長 -国学と古典研究-

14.まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

伝記など、適宜参考文献を教示しますので、各自の興味に応じて学習してください。京都にはさまざまな博物館・資料

館があります。特に京都国立博物館の常設展は、日本文化史の流れを体感できる最高の教材です。是非一度見学してくだ

さい。

履修上の注意

日本史の苦手な人、京都の歴史をほとんど知らない人は、日本史 Bの高校教科書や日本史の図録の関係部分を見てお

くことを強くおすすめします。

授業の到達目標

今後、日本文化・日本史を学習するための基礎的素養を身につけることを目的とします。

身に付く力

課題発見力、生涯学習力

評価方法

定期試験(持ち込み不可)100%教 材

毎回 1、2枚プリントを配布します。なお参考文献は適宜紹介します。

2年次

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認知言語学Ⅰ

2単位

春学期平塚 徹

講義目的(要旨)

本講議では、言葉はものごとをどのように表しているか、言葉の意味とはどのようなものかといった問題を、人間の心の

働きから解明していくことを目的とします。

授業内容・授業計画

授業はスライドを用いて行います。このスライドは、moodle にも掲載します。また、授業の最後に問題を出し、メールで

解答してもらいます。

1. オリエンテーション

2. 人間はものごとをありのままに見ているの?

3. 言葉はものごとをありのままに表現しているの?

4. 「太郎は次郎に似てる」と「次郎は太郎に似てる」は同じ意味なの?

5. 「高速道路が走っている」って言うけど高速道路が走るの?

6. 言葉の意味は指しているものだけで決まるの?

7. 名詞は物、形容詞は性質、動詞は動作を表しているの?

8. 「スイカ」って、「果物」?それとも「野菜」?

9. 「ウソ」って、「本当でないことを言うこと」なの?

10. 「山登り」って、単に「山に登ること」なの?

11. 1つの単語にたくさんの意味があるのはなぜ?

12. 「1 年先」と言うと未来のことなのに、「先ほど」と言うと過去のことなのはなぜ?

13. 「明日は学校がない」って、学校が消えちゃうの?

14. 映画を「1 本、2 本…」って数えるのはなぜ?

15. まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

講義時間内に紹介しきれない項目について、授業時間外に見て学習するように指示します。また、授業で使用するスライ

ドを moodle に掲載していますので、復習に活用してください。

履修上の注意

既に言語学全体の概説的な授業を履修している方が望ましいが、これは必ずしも前提されていません。

授業の到達目標

自然言語の諸側面が、人間の認知能力にどのように動機付けられているかを、授業で紹介する諸研究にもとづいて理解

すること。そして、そのようにして得られた知見を、授業で紹介した事例以外の事例にも適用し、認知言語学的な分析を行

なえるようになること。

身に付く力

コミュニケーションスキル(語学力)

評価方法

期末試験 100%ただし、履修者が多くない場合には、出席を取って、平常点として最大 20%まで算入します。

教 材

教科書:無し

2年次

45

認知言語学Ⅱ

2単位

秋学期平塚 徹

講義目的(要旨)

本講議では、文が事態をどのように表しているか、言葉の意味はどのように変化していくかといった問題を、人間の心の

働きから解明していくことを目的とします。

授業内容・授業計画

授業はスライドを用いて行います。このスライドは、moodle にも掲載します。また、授業の最後に問題を出し、メールで

解答してもらいます。

1. オリエンテーション

2. 文は出来事をそのまま表現しているの?

3. 主語・他動詞・目的語は何を表しているの?

4. 大阪城を建てたのは豊臣秀吉?それとも大工さん?

5. Smoking kills. を「喫煙は殺す」って訳すと変なのはなぜ?

6. 「質問があります」を英語で「質問を持っています」って言うのはなぜ?

7. sleeper が「寝台車」を意味するのはなぜ?

8. I sent a letter to Mary. と I sent Mary a letter. は同じ意味なの?

9. He loaded hay onto the wagon. と He loaded the wagon with hay. は同じ意味なの?

10. 「ベストセラー」が売り上げの一番多い人ではないのはなぜ?

11. may に「してよい」と「かもしれない」の 2 つの意味があるのはなぜ?

12. 「切っても切れない」って矛盾していないの?

13. I walked to the station。 を「駅に歩いた」と訳すとおかしいのはなぜ?

14. 「やる」と「くれる」はどう違うの?

15. まとめ

準備学習等(事前・事後学習)

講義時間内に紹介しきれない項目について、授業時間外に見て学習するように指示します。また、授業で使用するスライ

ドを moodle に掲載していますので、復習に活用してください。

履修上の注意

既に言語学全体の概説的な授業を履修している方が望ましいが、これは必ずしも前提されていません。

授業の到達目標

自然言語の諸側面が、人間の認知能力にどのように動機付けられているかを、授業で紹介する諸研究にもとづいて理解

すること。そして、そのようにして得られた知見を、授業で紹介した事例以外の事例にも適用し、認知言語学的な分析を行

なえるようになること。

身に付く力

コミュニケーションスキル(語学力)

評価方法

期末試験 100%ただし、履修者が多くない場合には、出席を取って、平常点として最大 20%まで算入します。

教 材

教科書:無し

2年次

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比較言語学Ⅰ

2単位

春学期西村 周浩

講義目的(要旨)

言語を「比較」するとはどのような手続きなのか。その方法論を学び、分野としての主要目的である「再建」、つまり、

古代語を含む既存の諸言語を比べることで、今は失われてしまったそれらの祖先にあたる言語がいかに復元されるのか考

える。その一方で、言語の歴史的な諸段階(復元されたもの、そして現代も含めて)を観察することで、言語がどのように

変貌を遂げるのか、この講義ではその方面にも多くの時間を割く。

授業内容・授業計画

本講義では、まず言語学の概論的な授業をダイジェスト的に行う。その後、失われた言語の復元に用いられる方法を考え、

言語がいかに変化を遂げるのか、その実態を順次見ていく。

1. 導入:比較言語学とは何か?

2. 言語学の基礎(I):音声学

3. 言語学の基礎(II): 音韻論

4. 言語学の基礎(III):形態論(形態素、複合、派生、屈折)

5. 音の変化(I):言語の比較方法・言語の系統

6. 音の変化(II):音法則

7. 音の変化(III):音韻体系への影響

8. 音の変化(IV):その多様な種類 1

9. 音の変化(V):その多様な種類 2

10. 音の変化(VI):その多様な種類 3、日本語における音変化

11. 意味・語順の変化(I)

12. 意味・語順の変化(II)

13. 言語変化と社会・方言・言語接触(I)

14. 言語変化と社会・方言・言語接触(II)

準備学習等(事前・事後学習)

 定期的に行う試験(下記参照)に備えた復習。

履修上の注意

試験は返却する予定ですので、自分の成績がどのように推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

我々が日常的に接している言語が恒常的なものではないことを認識し、可能な場合はその歴史的な背景を正しく理解で

きるようになること。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

- 授業参加: 20%

- 試験: 80%(20% × 4 回)

時間は 20-40 分です。ノートの持ち込みはお控え下さい。詳しいスケジュールは第 1回目の授業にて。尚、試験は授業の

始めに行うので、遅刻しないように十分注意して下さい。

教 材

参考書等:H. H. Hock, Principles of Historical Linguistics, 2nd rev. and updated ed. (Mouton de Gruyter, 1991)

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2年次

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比較言語学Ⅱ

2単位

秋学期西村 周浩

講義目的(要旨)

比較言語学の分野でデータ供給源として中心的な役割を果たしている印欧(インド・ヨーロッパ)語族。そこに含まれる

諸言語を比較することで、今は失われてしまったそれらの祖先にあたる言語、すなわち印欧共通祖語の再建が長年進めら

れてきた。狭義の意味での「比較」という手法の実践の糸口、その過程、そして得られた知見を概観する。

授業内容・授業計画

 印欧語族には、ギリシア語、ラテン語、サンスクリット語など学習がやや難しいと言われる古代語が含まれている。それ

らの言語の文法の概略を説明しながら、印欧語比較言語学が 200 年にわたって積み重ねてきた知識の主要部を伝える。

1. 導入:印欧語とは?

2. 印欧語の音韻体系・形態組織(I)

3. 印欧語の音韻体系・形態組織(II)

4. 印欧語の音韻体系・形態組織(III)

5. 印欧語の音韻体系・形態組織(IV)

6. サンスクリット語とはどのような言語か?(I)

7. サンスクリット語とはどのような言語か?(II)

8. サンスクリット語とはどのような言語か?(III)

9. サンスクリット語とはどのような言語か?(IV)

10. ギリシア語・ラテン語とはどのような言語か?(I)

11. ギリシア語・ラテン語とはどのような言語か?(II)

12. ギリシア語・ラテン語とはどのような言語か?(III)

13. ギリシア語・ラテン語とはどのような言語か?(IV)

14. 印欧語比較言語学の行方

準備学習等(事前・事後学習)

 定期的に行う試験(下記参照)に備えた復習。

履修上の注意

 比較言語学 Iの履修、あるいはそれに相当する知識・理解量を前提とします。なお、定期的に行う試験は返却する予定で

すので、自分の成績がどのように推移しているかその都度目安にして下さい。

授業の到達目標

 印欧語族には、我々に馴染みのある英語、ドイツ語、フランス語なども含まれている。印欧語比較言語学を学ぶことで、

そうした現代語に対する歴史的意識を高める。

身に付く力

 論理的思考力(課題発見力、論理的分析力)

評価方法

 - 授業参加: 25%

- 試験: 75%(25% × 3 回)

試験時間は 20-40 分です。ノートは持ち込んでいただいてけっこうです。詳しいスケジュールは第 1 回目の授業にて。尚、

試験は授業の始めに行うので、遅刻しないように十分注意して下さい。

教 材

 参考書等:B. W. Fortson, IV, Indo-European Language and Culture: an Introduction (Blackwell, 2004)

吉田和彦『比較言語学の視点:テキストの読解と分析』(大修館書店、2005)

吉田和彦『言葉を復元する:比較言語学の世界』(三省堂、1996)