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現場活動 状況評価 ① 感染防御 ② 携行資器材 ③ 現場の安全・二次災害防止 ④ 傷病者の数 ⑤ 受傷機転 初期評価 (生理学的評価) 頸椎固定後 意識:呼びかけ/痛み→何桁? 気道:発声? 呼吸:見て、聞いて、感じる (速さ・深さ・胸の動き) 循環:脈(強さ、速さ) 皮膚の湿潤・温度 外出血 CPA,気道管理困難ならば以下の観察中断 即ロード&ゴー 全身観察 (解剖学的評価) 頭部 : 明らかな外表の損傷(視診+触診) 顔面 : 同上 + 上顎・下顎 頸部 : 明らかな外表の損傷、腫脹、変形(視診、触診) 気管偏位・頸静脈の怒張・皮下気腫・後頸部の圧痛 ヘルメットの着用があれば頸部の確認 胸部 : 明らかな外表の損傷 胸郭の変形・圧痛、左右差 奇異呼吸 腹式呼吸 呼吸音の左右差 腹部 : 明らかな外表の損傷 膨隆 腹壁の緊張・圧痛 骨盤 : 明らかな外表の損傷 下肢長差 圧痛 動揺(圧迫は1回だけ!!) 大腿 : 明らかな外表の損傷 変形 腫脹 下肢長差 圧痛 動揺 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部 : 明らかな外表の損傷 圧痛 変形 心タンポナーデ 気道閉塞 フレイルチェスト 開放性気胸 緊張性気胸 大量血胸 腹腔内出血 骨盤骨折 両大腿骨骨折 生命にかかわる損傷 重症そうな印象 意識障害 気道の異常 呼吸の異常 循環の異常 気道確保 吸引 酸素投与 補助換気 高エネルギー事故 応援隊の要請 ネックカラー 三辺テーピング フレイル固定 穿通性異物固定

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現場活動

状況評価 ① 感染防御 ② 携行資器材 ③ 現場の安全・二次災害防止 ④ 傷病者の数 ⑤ 受傷機転

初期評価 (生理学的評価) 頸椎固定後

意識:呼びかけ/痛み→何桁? 気道:発声? 呼吸:見て、聞いて、感じる (速さ・深さ・胸の動き) 循環:脈(強さ、速さ) 皮膚の湿潤・温度 外出血 CPA,気道管理困難ならば以下の観察中断 即ロード&ゴー

全身観察 (解剖学的評価) 頭部 : 明らかな外表の損傷(視診+触診) 顔面 : 同上 + 上顎・下顎

頸部 : 明らかな外表の損傷、腫脹、変形(視診、触診) 気管偏位・頸静脈の怒張・皮下気腫・後頸部の圧痛 ヘルメットの着用があれば頸部の確認 胸部 : 明らかな外表の損傷 胸郭の変形・圧痛、左右差 奇異呼吸 腹式呼吸 呼吸音の左右差 腹部 : 明らかな外表の損傷 膨隆 腹壁の緊張・圧痛 骨盤 : 明らかな外表の損傷 下肢長差 圧痛 動揺(圧迫は1回だけ!!) 大腿 : 明らかな外表の損傷 変形 腫脹 下肢長差 圧痛 動揺 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる

神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部 : 明らかな外表の損傷 圧痛 変形

心タンポナーデ 気道閉塞 フレイルチェスト 開放性気胸 緊張性気胸 大量血胸 腹腔内出血 骨盤骨折 両大腿骨骨折 生命にかかわる損傷 重症そうな印象

意識障害 気道の異常 呼吸の異常 循環の異常

気道確保 吸引 酸素投与 補助換気

高エネルギー事故

応援隊の要請

ネックカラー 三辺テーピング フレイル固定 穿通性異物固定

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車内活動

1. 病院連絡 まず第一報(ポイントだけ簡潔に)

年齢・性別・受傷機転・意識(JCS 何桁?)・ABCの異常

行った処置・到着予定時間

*ロード&ゴーでない場合は詳細観察後でよい

2. バイタルサインの確認

① (モニター装着) 脈拍数、呼吸数、血圧、脈圧、Spo2、心電図、体温

② 意識レベル再評価 (JCS 1 2 3,・・・・300?)

3.患者から聴取(SAMPLE/GUMBA)

1.受傷機転 2.主訴 3.最終食事時間 4.既往歴 5.アレルギー

4. 保温

5. 行った処置の確認 止血は? 車内酸素の切り替えは?

継続観察 病院到着まで繰り返し観察

1. 自覚症状の変化

2. 意識・気道・呼吸・循環・瞳孔(神経学的所見)

3. 頚部~腹部までの観察

4. みつかった傷の変化

5. 行った処置の確認

(詳細観察) 頭からつま先までより細かく診る

1.ABCの再評価

2.顔の全ての穴をみる

3.上肢や下腿部も確認する 、骨折部の末梢で脈拍もチェック

*骨盤の確認は 全身観察で行っているのでやらない

4.神経学的所見

① 瞳孔所見 : 左右差、対光反射、 眼球の向き

② 運動機能 : 手足の指が動くか?

③ 感覚機能 : 手足の先に触れているのがわかるか?

第二報病院連絡

詳細バイタル ・ 詳細観察にて得た所見 ・ 傷病者の変化等

創傷の処置

骨折の固定

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受講 i者テキスト

インストラクターズ マニュアル

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はじめに

PTEC の指導をするにあたり、受講者が効果的にコースを受講できるように、指導上のポイ

ントを作成しました。コースでは PTEC の根幹をなすロードアンドゴー(L&G)の概念と外

傷現場で必要な手技を中心に成人学習の原則に則って指導します。しかしながら、使用資器

材や出場体制、医療機関の対応などが地域によって異なっている現状を踏まえ、各地域の実

情や、細かな現場状況の対応について具体的に対応することなく、基本的事項について重点

的に指導を行ってください。

インストラクターとしての心構え

指導方法は、受講者のレベルや人数、開催母体(私的か公的か)によっても異なってきます、

またインストラクターの性格や年齢(序列)などによっても多少異なってくるでしょう。

以下に指導するにあたっての基本的事項を具体的に列挙しました、「教えることは、学ぶ

こと」です、指導しながら多くのことを学びましょう。

インストラクターとしての資質とは

① PTEC の各項目の詳細な知識

答えられない質問があったら、その事を認めて本を調べたり、専門家に尋ねて回答を探

す、不明確な回答をしない、また不明確であれば即答しない、知識を決してねつ造しないこ

と。

② 受講者の積極的な参カロを促す

参加する機会を最大にして、参カロしやすい雰囲気と環境を作る、受講者が恥ずかしさで腰

がひけて皆の前で実施する困難感を抱くのに対して、励まして成功を保証する、失敗を見つ

けたり、指摘しない。

③ ロールモデルを勤める能力

自ら PTEC の重要な実施上のポイントをデモできなければならない、ただし PTEC が推奨

している技能実技を修正してはならない。

④ コンセプトを伝える能力

PTEC の重要な実施上のコンセプトを効果的に伝えることが出来なければならない、個人

の経験論や個人的手技の指導は受講者の混乱を招くので指導しない。

⑤ 効果的にフィードバックする能力

技能の上達の目安として、慎重で一貫性のあるフィードバックを実施する。

⑥ 効果的に評価する能力

客観的な項目評価票があれば信頼が高まる、公正で適切な評価が求められるが、インストラクターは技能評価過程に限界があることを認識すべきである、コース前の実習は役立つ。

⑦ コースを調節管理する能力

限られたコース時間内で幹となる技法を指導する、インストラクターには自然に内容を

豊かにしてしまう傾向があるが付加的な情報を提供すると実習時間が奪われる。

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成人学習について

成人学習とは、その社会で「成人」と認知された成員が、能力を伸ばし、知識や技術を身に

つけることを通して、一個人かつ社会の一員として態度や行動を変容させていく上での、

全般的な「組織的教育過程」と捉えられている。

以下に成人学習を行うにあたっての基本的な事項を揚げる。

成人学習5つの特徴

○活用の原則

成人学習者は「いつかそのうち役立つから」という説明に納得しない。日々の実践の

中で、さっそく使える、役に立つスキルや理論武装を求めている。学習の現実の職場

や生活空間の状況を的確に把握し、学習内容の接点を設けることが有効である。

○協力の原則

権威主義的に学習を強要しても、成人は服従しない。学習者のプライドに敬意を払う

とともに、指導者と学習者の協力のもとに学習活動を進めていくことが大切である。具

体的には、学習目標の設定や学習計画の策定にあたって、成人学習者の自主性を重んじ

ることが重要である.

○工夫の原則

問題解決のための正解が1つに限らない。ブレーン・ストーミング注)などを使っ

て、学習者の創意工夫、自由な発想を引き出すことで、新たな発見や革新が促され

る。-人で抱えていては解決しなかった問題が、共有し衆知を集めることで解決

に導かれることも多い。

○経験の原則

一人ひとりの成人学習者が持っている豊かな経験を交流しあうことが、指導者と他の

学習者にとってきわめて有益である。そのために、いろいろな人の立場に立って複眼

的に考察する機会を増やすとともに、自分自身の経験を絶対的なものと思うことなく、

相対化して見直す習慣を育てる必要がある。

○肯定の原則

指導者もまた-人の学習者である、頭ごなしの否定や批判は、学習者の自尊心を傷

つけ、学習意欲の低下を招く。自分の意見とは異なる見解や提案に対して、いったん

は肯定的に受け止める度量が、成人学習の指導者には不可欠の条件である。

注)~ブレーン・ストーミング法~

多くのアイデアが出されていく中で、それら出された異質な意見・アイデアを組み合わ

せ改善し、一種の科学反応を起こすことにより、一層洗練させたアイデアを生み出し、そ

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れを繰り返す過程で連鎖的にアイデアを生み出していくを目的とした発想法。

<ルール>

1.出されたアイデアヘの一切の批判禁止

2.自由奔放な発言

3.より多くのアイデアを出す(質より量)

4. 組み合わせ・改善

<やり方>

テーマを決め、それに関係があると思われる事柄・アイデアを自由に発言し、出揃った

ら、それらをまとめてアイデアを抽出する。

フィードバックの仕方

適切なフィードバックは、受講者と指導者の信頼関係を築くと共に、受講者の自己

変革と受講内容の理解、記憶の定着化を促し、コースの目的を達成するために極めて重

要である。

フィードバックはインストラクターのキャラクター、受講者のレベルや反応そして、そ

のときの状況に合ったフィードバックを考えて行う必要がある。以下に効果的なフィード

バックに必要な条件を列記した。

効果的なフィードバックに必要な条件

1.雰囲気と信頼関係

効果的なフィードバックを行うためには受講者と指導者の雰囲気と信頼 関

係の構築が重要である。信頼関係は受講者がフィードバックを受け入れる体制を

つくる。一方的な指導ではなく、また緊張をほぐすためにジョークを言うことや目線

を合わせる、受講者からの質問を受けることが良い雰囲気つくりと信頼関係を生む。

2.ポジティブフィードバックを行う

ポジティブフィードバックとは良いところを褒めることである。ネガティブフィー

ドバックとは悪かったところを指摘することである。ネガティブフィードバックから始

めたり、ネガティブフィードバックに終始すると受講者はフィードバックを受け入れ

ることができなくなる場合があるといわれている。フィードバックの目的は、受講者

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が自己変革に通じるネガティブフィードバックを受け入れて、自分に身に付いていな

い新たな思考や技術を受け入れて身に付けることである。よって、効果的なフィードバ

ックを行いコースの目的を果たす必要がある。ただし、受講者側がポジティブフィー

ドバックを必要としていない場合や、ポジティブフィードバックを強調し過ぎると「た

だのおちょくり」に受け取られる場合があるので、状況に応じたフィードバックを行う

必要がある。

3.具体的なフィードバックを行う

抽象的なフィードバックは受講者の自己変革につながらない。何が良かったか、何を改

善すべきかを具体的に見つけ出し指摘することが重要である。

4.建設的にポイントを絞る

指摘することが多くある場合に、指摘事項をすべて指摘されることは、受講者にと

っては許容できるものではない。細かなことより、重要な箇所を見つけ出し、ポイ

ントを絞ったフィードバックを心がける。

5.理解と記憶への定着化の促進

行ったことの根拠を説明することや、受講者の質問を受けること、重要箇所を強

調することまた反復することによって受講者に理解させ、記憶へ定着化が促進され

る。指導する事項をただ単に行わせるのではなく、具体的な根拠(何のために行ってい

るのか、なぜ行っているのか)を説明する。また、重要なことは強調し、反復すること

が必要である。

フィードバックの例

ポジティブ+ネガティブ

「○○はとても良くできました。ただ、△△についてもう少し××すると良かったで

す。」

ポジティブ+ネガティブ+ポジティブ

「○○はすばらしかったです。ただ、△△ができていませんでした。でも××は良くでき

ていました。」

抽象的表現の悪い例

「全体のながれはとてもすばらしかったです。しかし、○○と××ができていませんでし

た」

○○と××ができていないのに全体のながれが良いわけがない。

このような抽象的なフィードバックは受講者と指導者の信頼関係を損ねる元になる。ポ

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ジティブフィードバックは具体的に行う必要がある、例えば声が「大きかった」と

か、「胸部の触診が良かった」など。

理解と記憶への定着化のフィードバック

「胸部を聴診する位置は、腋下で行います。前胸壁で聴診すると、気管音に邪魔さ

れて呼吸音の左右差が分かりづらいからです。」

手技に対する根拠を説明することにより、受講者へのより一層の理解と記憶への定着

化が期待できる。

コミュニケーションの重要性

コミュニケーションには以下の3つがある

1)言語的コミュニケーション

2)準言語的コミュニケーション

会話によって言語以外のメッセージが伝達されること。声の調子や変化など

3)非言語的コミュニケーション

表情・姿勢・しぐさ・態度・身体的接触による

情報の 35%は言語的なもので得られるが、残りの 65%はそれ以外のコミュニケーション

に含まれる。インストラクターは顔の表情や動作などにも注意をはらうことが重要かつ必

要である。

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東海大学外傷セミナー指導要領

スキル1の指導

(PTEC フローチャート確認) 20分

・ 指導員 1名が受講者 2名を指導する。状況評価から全身観察の流れを覚えることに重点をおく

・ 受講者は指導員の言葉を復唱しながら動き、観察の流れを身体で覚える

① 状況評価:指導員は簡単な事故想定を与える

② 初期評価:CABCの流れを言葉で復唱しながら身体で覚える

③ 全身観察:観察の流れの中で解剖学的異常を一つ提示する(複雑にしない)

・ 「感染防御確認」「ゴーグル、マスク、グローブ、ガウン装着」 ・ 「携行資機材確認」「外傷セット、呼吸管理セット、脊柱固定セット携行」 現場到着(関係者等に対して) ・ 「事故の状況(受傷機転)は?」 ・ 「傷病者の数は」 ・ 「現場の安全確保は?」 ・ 「危険排除のため○○を要請」 ※L&G念頭に置く

・ 「頭部保持、呼びかけ」「救急隊○○です、分かりますか?名前を言ってください」

(会話可能) ・ 「発語あり、気道は開通、意識 JCS一桁(Aは異常なし)」 ・ 「首を動かします。痛みあれば言ってください」(中立位へ) ・ 「2番員頭部保持交代」

・ 「呼吸(B)観察」「見て、聞いて、感じて」 ・ 「呼吸深さ、速さは」「左右差は」「様式は」 ・ 「酸素投与、高濃度マスク(リザーバー付)で 10リットル」

・ 「循環(C)観察」 ・ 「橈骨動脈強さ、性状(強さ、速さは?」 ・ 「皮膚の性状(温度、湿り気、色)は?」 ・ 「明らかな外出血(活動性出血)は?」 ※ 初期評価の異常は?L&G適応は?

・ 「頭部、明らかな損傷は?」「顔面明らかな損傷は?上顎は?下顎は?」 ・ 「頸部、明らかな損傷は?」「気管偏移は、頚静脈怒張は、皮下気腫は、項頸部の圧痛は?」

・ 「着衣の裁断」「2番員は頚椎カラー装着」 ・ 「胸部、明らかな損傷は、胸郭動揺、変形、左右差は?」

「胸部触診、動揺、痛みは、皮下気腫は?」 「胸部、聴診(側胸部又は第4肋間中腋窩線)、呼吸音の左右差」

・ 「腹部、明らかな損傷、腹部膨隆は?」「腹壁の圧痛、緊張は?」 ・ 「骨盤、明らかな損傷は?下肢長差は?」「動揺、圧痛は」「恥骨結合は?」 ・ 「大腿部、明らかな損傷、変形、腫脹は?」「動揺、圧痛は?」 ・ 「下腿(さっと)、触てるの分かりますか?」「足首動かせますか」「感覚良し、運動よし」 ・ 「上肢(さっと)、触てるの分かりますか?」「手を握れますか」「感覚良し、運動良し」 ・ 「○○に損傷ありバックボード○側に配置」 ・ 「背部、明らかな損傷は?」「圧痛は、変形は」

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(状況評価・初期評価・気道管理)

・ 感染防御、安全確保、応援隊の要請等、現場活動に必要な情報を認識、判断できるようにする。初期評価におい

ては生理学的異常を適切に評価でき、初期評価の異常に応じた呼吸管理・L&G宣言が行えることを目標とする。

【現場活動】

状況評価 ① 感染防御 ② 携行資器材 ③ 現場の安全・二次災害防止 ④ 傷病者の数 ⑤ 受傷機転

高エネルギー事故

初期評価 (生理学的評価) C 頸椎固定後

意識:呼びかけ/痛み→JCS何桁? A 気道:発声? B 呼吸:見て、聞いて、感じる (速さ・深さ・胸の動き) C 循環:脈(強さ、速さ) 皮膚の湿潤・温度 外出血

※CPA,気道管理困難ならば以下の観察中断 即ロード&ゴー

意識障害 気道の異常 呼吸の異常 循環の異常

気道確保 吸引 酸素投与 補助換気

高エネルギー事故

応援隊の要請

① 状況評価に必要な情報を認識できる。 ② 感染防御:保護具装備と確認、 ③ 携行資機材:外傷セット、呼吸管理セット、脊柱固定セットを携行することを確認。

※ ②及び③は現場到着前に済ます。 ④ 関係者からの情報及び現場状況から2次災害危険、傷病者数の確認、受傷機転を把握。

⑤ 傷病者数、現場状況から 2次災害の危険要素を認識し、安全確保のために必要な応援隊の要請ができること。(応援要請は初期評価に入る前行う!)

※ 必要な応援隊とは危険排除及び救出のための消防隊、救助隊、警察官、医師及び危険

排除に必要な部隊、組織、特殊資機材等である。 ※ 重症傷病者 1名に救急隊 1隊を基本とし、複数の傷病者を確認したら救急隊の増援を要請する。

⑥ 受傷機転:どのような受傷機転が高エネルギー事故であるかを認識できる ⑦ 状況評価の結果により「ロード&ゴー」を意識できるとともに、隊員に認識させる。

・ 同乗者の死亡 ・ 車から放り出された ・ 車に轢かれた ・ 5m以上跳ね飛ばされた ・ 車両大破 ・ 救出に 20分以上

・ 車の横転 ・ バイクと患者の距離が大 ・ 歩行者対自動車の事故 ・ 機械に巻き込まれた ・ 体幹部が挟まれた ・ 6m以上からの墜落

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(全身観察) 全身観察は緊急処置の必要性と L&Gの適応を解剖学的に判断できること。また、流れを身に付けるだけでなく観察のための手技(視診、触診、聴診)をしっかりと身に付ける。

全身観察 (解剖学的評価)

頭部 : 明らかな外表の損傷(視診+触診)

顔面 : 同上 + 上顎・下顎

頸部 : 明らかな外表の損傷、腫脹、変形(視診、触診) 気管偏位・頸静脈の怒張(視診)

皮下気腫・後頸部の圧痛(触診) ※ ヘルメットの着用があれば頸部の確認 ※ 頸部観察、着衣裁断後頚椎カラー装着

心タンポナーデ 気道閉塞 フレイルチェスト 開放性気胸 緊張性気胸 大量血胸 腹腔内出血 骨盤骨折 両大腿骨骨折 生命にかかわる損傷 重症そうな印象

ネックカラー 三辺テーピング フレイル固定 穿通性異物固定

①患者へのアプローチ:アプローチは最短距離且つ傷病者の首を動かせないように正面から接近する。 ②意識・呼び掛け:呼びかけと同時またはそれより前に頭部を保持できる。

:呼び掛け反応で気道評価し意識状態を JCSの桁数で評価する。 :頭部保持を交代する(ニュートラル位) :呼び掛けに反応(発語、開眼等)なければ気道確保指示 :気道確保困難であればL&G

③呼吸:「見て、聞いて、感じて」 :速さ、深さ、胸郭呼吸運動左右差 :頻呼吸、徐呼吸であれば換気補助 :呼吸停止であれば人工呼吸。 :酸素投与投与は高濃度マスク(リザーバーバッグ付)で 10リットル/毎分以上

④循環:橈骨動脈(強さ、速さ)、触れなければ頚動脈 :CPAであればCPR⇒L&G :皮膚の温度、湿潤、色を前腕等の露出した部分(左右)で確認

:大出血(活動性出血)確認 ⑤初期評価の異常でL&G宣言できること。 ※ 頚椎保護した状態で気道確保、補助換気、人工呼吸ができること。 ※ 腹臥位での初期評価では、呼び掛け後、迅速にログロールすることを判断する。 ※ 初期評価途中でログロールした場合は、ABCの観察に戻ること。 ※ 初期評価終了までに必要な呼吸管理できるように指導する。

・ 頭部顔面の触診は愛護的に(やさしく)

・ 孔は見ない(意識障害時のみ瞳孔径左右差確認) ・ 上顎、下顎骨骨折は気道閉塞の原因となる

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胸部 : 明らかな外表の損傷、胸郭動揺、奇異呼吸、腹式呼吸(視診) 胸郭の変形・圧痛、左右差(触診) 呼吸音の左右差(聴診)

腹部 : 明らかな外表の損傷・膨隆(視診) 腹壁の緊張・圧痛(触診)

骨盤 : 明らかな外表の損傷・下肢長差(視診) 圧痛 動揺(圧迫は1回だけ!!)(触診)

大腿 : 明らかな外表の損傷・変形・腫脹・下肢長差(視診) 圧痛 動揺(触診)

四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?)

背部 : 明らかな外表の損傷(視診) 圧痛 変形(触診)

※全身観察で得た生命にかかわる所見をまとめ、L&Gが宣言できること。

(GUMBA,SUMPLEは全脊柱固定から車内収容までの間に行ってよい)

① 視診は左右しっかりと見る(側胸部も) ② 触診は片側づつ胸郭全面を触れるように ③ 触診、聴診は健側からとする ④ 聴診は腋下(第 4肋間中腋下線)でしっかりと!(肺胞音聴取)

胸郭動揺⇒フレイル固定 開放創⇒三辺テーピング 穿通異物⇒固定

① 触診は臍を中心に概ね 4箇所、体重をかけずに 打撲等なさそうな場所から

② 穿通異物あるときは触診しない

穿通異物⇒固定

① 骨盤動揺は腸骨を外側から 1回確認 ② 腸骨異常なければ恥骨部確認 ③ 腸骨で動揺あれば恥骨は実施しない

① 触診は片側づつしっかりと ② 骨折肢の整復も簡単に触れて(実技はログロールブースで)

① 四肢は簡単に触れる ② 感覚機能との運動機能を確認する ③ 開放骨折の還納はしない、シーネ固定もしない ④ 意識なければ痛み刺激で確認

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(車内活動・緊急処置)

車内収容時及び収容後に実施する活動を理解し適切に実施できること。

車内活動

1. 病院選定・連絡 まず第一報(ポイントだけ簡潔に)

年齢・性別・受傷機転・意識(JCS 何桁?)・ABCの異常

行った処置・到着予定時間 ※ ロード&ゴーでない場合は詳細観察後でよい

2. バイタルサインの確認

① (モニター装着) 脈拍数、呼吸数、血圧、体温、脈圧、Spo2、心電図

② 意識レベル再評価 (JCS 1 2 3,・・・・300?)

4. 保温

5. 行った処置の確認 止血は? 車内酸素の切り替え状況は? 緊急処置は?

※上記項目の順序は前後してかまわない。

継続観察 病院到着まで繰り返し観察

1. 自覚症状の変化

2. 意識・気道・呼吸・循環・バイタル・瞳孔(神経学的所見)

3. 頚部~腹部までの観察

4. みつけた創傷の変化

5. 行った処置の確認

※ 様態変化あれば必ず初期評価(意識、A、B、C)に戻る

3.患者から聴取(SAMPLE/GUMBA) バックボード固定後に実施してよい

1.受傷機転 2.主訴 3.最終食事時間 4.既往歴・薬剤服用歴 5.アレルギー

① 意識障害ある場合年齢は推定でよい(20代男性等) ② 状況評価・初期評価での異常と気道管理状況を簡潔に伝える ③ 全身観察での異常と行った緊急処置を簡潔に伝える ④ 病院、ヘリポートまでの到着予定及びドクターヘリの要請の有無を伝える ⑤ L&G適応でない場合は詳細観察後にバイタルサインを併せて報告する

① モニター装着、酸素切り替え、バイタルサイン測定は隊員に対し指示できることでよい

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詳細観察 (車内活動に余裕がある場合の 頭からつま先までより細かく診る、すべての損傷を確認する。創傷の処置(四肢の骨折のシーネ固定)を行う。

1. ABCの再評価

2. 顔の全ての穴をみる

3. 頸部から胸部、腹部(緊急処置の状態)

4. 骨盤は全身観察で実施してるので行わない

5. 上肢や下腿部も確認する 、骨折部の末梢で脈拍もチェック

6. 神経学的所見

① 瞳孔所見 : 左右差、対光反射、 眼球の向き

② 運動機能 : 手足の指が動くか?

③ 感覚機能 : 手足の先に触れているのがわかるか?

第二報病院連絡

詳細バイタル ・ 詳細観察にて得た所見 ・ 傷病者の変化等

スキル1指導方法 受講者 1班 4名を二グループに分け、指導員 1名(チューター含む)が 2名の受講生を指導する。 状況評価・初期評価・気道管理 30分 指導の進め方・ポイント 観察の流れは壁に表示する

① 初期評価の訓練をまず行う(腹臥位の初期評価も入れる) ② ABCの異常を想定で与え呼吸管理の訓練を行う ③ 想定及び現場写真を用いて状況評価、初期評価の訓練を行う ④ 状況評価・初期評価・気道管理のまとめを行う ⑤ 感染防御、資器材の確認は簡単に済す。 ⑥ 写真の提示するときは簡単な状況を説明する。 ⑦ 現場の「安全確保に必要な指示」「傷病者の状況に応じた指示、支援要請」を具体的に言わせる。 ⑧ 出血、打撲は洗濯バサミ(赤、青)赤布等で表現する ⑨ L&G適応の宣言理由を述べさせる

全身観察 30分

指導の進め方・ポイント 観察の流れは壁に表示する

① 想定に基づき訓練する。 ② 確実な視診、触診、聴診を目標とする ③ 全身観察のまとめを行う

創傷の処置

骨折の固定

① 眼、鼻、口、耳 ② 瞳孔は対応反射、眼球位(偏視)も

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④ 頭部、顔面はやさしく触診、上肢、下腿に関しては「簡単に」を強調する。 ⑤ 顔面の孔は詳細観察で行う(意識障害時の瞳孔径除く) ⑥ 胸部の触診では、胸郭の全面を触る必要性を強調する。 ⑦ L&Gを宣言した理由(病態)を述べさせる。

※ 意識ある傷病者の場合、病歴等はバックボード固定及び収容中に聴取してよい スキル2 各ブース 40分 車内活動(詳細観察・継続観察) 受講者 1班 4名を二グループに分け、指導員 1名が 2名の受講生を指導する。 行動、観察の流れは壁に表示 一般目標:車内活動(病院連絡・バイタル観察・処置の確認・保温・詳細観察)を適切に行うことができ

る。 個別目標: ① 車内活動で実施すべき項目を確認する ② ファーストコールの時期と報告内容を理解する。 ③ GUMBA、SAMPLEの確認。 ④ 詳細観察ではすべての損傷を観察できること。 ⑤ 第 2報、継続観察の必要性

指導の進め方

① 活動の流れを最初に確認する ② 想定に基づき訓練する。 ③ 車内活動のまとめを行う

指導のポイント ① 第 1報は重要なポイントを簡潔に、ドクターヘリの活用を考える ② モニター装着、バイタル観察、保温等は隊員への指示が適切にできれば良し ③ GUMBA、SAMPLEの受講生にはっきりと言わせる。(聴取時期は必ずしも車内ではない) ④ ABCの再評価忘れないよう徹底する ⑤ 顔面の孔の確認、瞳孔所見 ⑥ 骨盤は詳細確認では実施しない ⑦ 骨折肢末梢の脈拍確認、四肢運動機能、感覚機能 ⑧ 第 2報は観察したバイタル、容態変化、新たに発見した損傷を報告

ネックカラー・ヘルメット外し・(緊急処置) 受講生 4人で実施者、患者、隊員をローテーションして実施 ネックカラー 一般目標:ネックカラーを適切に装着できる。 個別目標: ①装着前に患者の頭頸部が中立位であることを確認できる。 ②適切なサイズを確認できる。 ③緩みなく装着することができる。

指導の進め方 指導時間:10分間 指導者による簡単なデモ 受講者に行わせる。 座位、仰臥位、腹臥位の場合の対処。

指導のポイント

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①中立位でなければ意味がないことを説明する 中立位に戻せない場合には、適応外であることを説明する。(中立位に出来ないときの固定方法も) ②指をあてる角度・位置に注意させる。 ③緩い場合には固定効果が少ないことを体験させる。 ④装着後も用手固定を継続する必要性

ヘルメット外し 一般目標:ヘルメットを適切に外すことができる。ヘルメットを外す目的は? 個別目標: ①シールドを上げて眼鏡などの有無を確認できる。 ②いつヘルメットを外すべきかを判断できる。(初期評価中断の判断) ③ヘルメットを正しく保持することができる。 ④(介助者)後頭部・顎部を正しく固定できる。 ⑤ヘルメットを正しく操作することができる。 ⑥介助者と確実に連携することができる。

指導の進め方 指導時間:20分間 指導者によるデモは省略 受講者に行わせる

仰臥位(顔面横向き)、腹臥位での対応 指導のポイント ①シールドを上げなければ正しい評価を行うことができないことを理解させる。 眼鏡等はヘルメットを外す際の障害になることを理解させる。 ②意識 ABCが確認できなければ直ちに外す。 意識 ABC確認できれば、その評価を優先する。 ③顎紐に頼りすぎるのは危険であることを説明する。 ④後頭部の手はできるだけ深く。顎部の前腕は患者の胸骨上で固定。 ⑤両側にしっかりと引っ張る。 鼻が引っかからないようにヘルメットを回転させる。 ⑥(特にヘルメットが脱げる直前)介助者の固定状況を確認させる。

緊急処置 展示モデルにおいて説明を行う ログロール・バックボード 受講者 4人で救急隊 3人、患者 1人をローテーションして実施 一般目標:患者のパッケージングを適切に行うことができる。 個別目標: ①ログロールする方向を正しく判定できる。 ②脊柱軸を保ってロールすることができる。 ③だれが合図を出すべきか理解する。 ④Z字移動を正しく行うことができる。 ⑤正しい位置にベルトをかけることができる。(最低 3本) ⑥ベルトをしっかりと締めることができる。 ⑦(伏臥位)いつログロールをするべきか正しく判断できる。 ⑧(伏臥位)頭部をただしい方法で保持することができる。 ⑨(伏臥位)ロール中は頸部の捻れを維持することができる。 ⑩(伏臥位)頭位を適切に中立位に戻すことができる。

指導の進め方

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・仰臥位からのログロール:20分間 初めの解説は不要 説明しながら受講者に行わせる 慣れてきたら傷病部位を指示する。 骨折肢の整復をいれてください。 パーケージング後の嘔吐時の対処を行う。

・伏臥位からのログロール:15分間 説明しながら受講者に行わせる。 慣れてきたら、意識状態等を想定付与する。

・ログリフト、スクープの適応について説明:5分 指導のポイント ①簡単な負傷状況を口頭で指示し、学習者が正しい方向を選定できるように導く。 ②体幹の捻れや頸部のねじれに注意する。 確実に 90度側臥位になるように指導する。 ③頭部保持者に合図を指示させる。 合図は「いち、にい、さん」が望ましい。 ④頸部に牽引力がかからないように。 バックボードのズレを足で止めさせる。 ⑤胸郭下部→呼吸抑制が厳しい 腰部→骨盤の骨部にベルトがかかっているか。 脚部→膝下のベルトは患者の苦痛の原因となる。 ⑥胸ベルトは通常の呼気のタイミングに合わせるとよい。 ベルトを引っ張るだけでは不可。 ⑦意識状態等を口頭で指示し、その状態でのログロールの緊急度を理解させる。 「直ちにログロール」の場合は背部観察、バックボード準備を省略させる。 ⑧保持者の親指が顔面を向くように。 ⑨ロール中に頸部の捻れを維持する意味を理解させる。 ⑨ 中立位に戻す際の痛みや抵抗に注意させる。 ⑩ ログリフト、スクープの適応(病態、現場の活動人員など)考える

車外救出(用手救出、毛布救出、立位ボード固定) 受講者3班計12人に対し指導員が展示説明を行い、その後6人2グループに分かれて実技を行う。適宜想定

を与え救急隊役、支援消防隊約を行わせる。 ※ 車外救出ブースは他のブースと離れているため時間管理に注意して下さい。 一般目標:緊急救出の適応、脊椎保護の必要性を理解する 個別目標: ①頚椎固定具を省略しての緊急救出の適応を理解し迅速に救出できる。 ②脊柱軸を保って救出する ③毛布救出時のテンションの掛け方 ④立位でボード固定する適応(受傷機転等)を考える

指導の進め方 指導員(ブースイントラ中心)が用手、毛布救出、立位固定のデモを先に行い、その後 6人グループに別れ実習を行う。(10分以内) ・用手救出:10分間 ・毛布救出:デモを含めて 10分間 意識状態、現場状況等の想定を適宜付与する。

・立位ボード固定:約 5分 指導のポイント

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①脊椎軸の保護を常に意識する。(迅速性も忘れず!) ②隊員間の連携を図る ③患者異動時は頭部保持者に合図を指示させる。 ④隊長のリーダーシップ、指示は明確にハッキリと

シナリオステーション OSCEの最終確認とする OSCEで注意事項、評価する項目を重点的に指導する 受講生 2人一組で実施、 当日は練習問題を用意します。

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ログロール・バックボード 一般目標:傷病者の全脊柱固定を適切に行うことができる。 個別目標: ①ログロールする方向を正しく判定できる。 ②脊柱軸を保ってロールすることができる。 ③だれが合図を出すべきか理解する。 ④Z字移動を正しく行うことができる。 ⑤正しい位置にベルトをかけることができる。 ⑥ベルトをしっかりと締めることができる。 ⑦(腹臥位)いつログロールをするべきか正しく判断できる。 ⑧(腹臥位)頭部をただしい方法で保持することができる。 ⑨(腹臥位)ログロール中は体幹と頭頸部の位置関係(中立位でなはい)を維持すること

ができる。

指導の進め方(例) ・腹臥位からのログロール:20分間 初めの解説は不要 説明しながら受講者に行わせる 慣れてきたら傷病部位を指示する。

・腹臥位からのログロール:10分間 説明しながら受講者に行わせる。 慣れてきたら、意識状態等を想定付与する。

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①簡単な負傷状況を口頭で指示し、受講者が正しい方向を選定できるように導く。 ②体幹の捻れや頸部のねじれに注意する。 確実に 90度側臥位になるように指導する。 ③頭部保持者に合図を指示させる。 合図は「いち、にい、さん」が望ましい。 ④頸部に牽引力がかからないように。 バックボードのズレを足で止めさせる。 ⑤胸郭下部→呼吸抑制が厳しい 腰部→骨盤の骨部にベルトがかかっているか。 脚部→膝下のベルトは傷病者の苦痛の原因となる。 ⑥胸ベルトは通常の吸気のタイミングに合わせるとよい。 ベルトを引っ張るだけでは不可。 ⑦意識状態等を口頭で指示し、その状態でのログロールの緊急度を理解させる。 「直ちにログロール」の場合は背部観察、バックボード準備を省略させる。 ただし、初期評価ブースで指導する場合は、ここでの指導は省略してよい。 ⑧頭部保持者の親指が顔面を向くように。 ⑨中立位に戻すのは、ログロール完了後。

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頸椎カラー・ヘルメット外し 頸椎カラー 一般目標:頸椎カラーを適切に装着できる。 個別目標: ①装着前に患者の頭頸部がニュートラル位であることを確認できる。 ②適切なサイズを確認できる。 ③緩みなく装着することができる。

指導の進め方(例) 指導時間:10分間 指導者による簡単なデモ できるだけ受講者に行わせる

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①ニュートラル位でなければ意味がないことを説明する ニュートラル位に戻せない場合には、適応外であることを説明する。 ②指をあてる角度・位置に注意させる。 ③緩い場合には固定効果が少ないことを体験させる。

ヘルメット外し 一般目標:ヘルメットを適切に外すことができる。 個別目標: ①シールドを上げて眼鏡などの有無を確認できる。 ②いつヘルメットを外すべきかを判断できる。 ③ヘルメットを正しく保持することができる。 ④(介助者)後頭部・顎部を正しく固定できる。 ⑤ヘルメットを正しく操作することができる。 ⑥介助者と確実に連携することができる。

指導の進め方(例) 指導時間:20分間 指導者によるデモは省略 できるだけ受講者に行わせる

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①シールドを上げなければ正しい評価を行うことができないことを理解させる。 眼鏡等はヘルメットを外す際の障害になることを理解させる。 ②意識 ABCの評価が困難、あるいは気道・呼吸管理が必要であれば、直ちに外す。 ヘルメットを被った状態で意識 ABCの評価ができる場合は、その評価を優先する。 ③顎紐だけを握ってはならない(紐が切れると危険)。

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④後頭部の手はできるだけ深く。顎部の前腕は傷病者の胸骨上で固定。 ⑤両側にしっかりと引っ張る。 鼻が引っかからないようにヘルメットを回転させる。 ⑥(特にヘルメットが脱げる直前)介助者の固定状況を確認させる。

初期評価・気道管理(状況評価を含む) 一般目標:意識・ABCの状態を迅速に評価し、必要に応じた緊急処置を行うことができる。 個別目標: ①状況評価に必要な情報を認識できる。 ②傷病者に適切にアプローチできる。 ③呼びかけと同時またはそれより前に頭部を保持できる。 ④意識状態を JCSの桁数で評価できる。 ⑤ABCを適切に評価できる。 ⑥必要に応じ、酸素投与・気道確保・補助呼吸・人工呼吸・CPRを指示できる。 ⑦(介助者)頸椎を保護した状態で補助・人工呼吸ができる。 ⑧評価の結果に応じて、L&Gを宣言できる。 ⑨初期評価を中断すべき状況を説明できる。

指導の進め方(例) 初期評価・気道管理のまとめと到達目標を紙に書いて貼っておく。 指導者によるデモ・解説は不要 初めの頃は状況評価を省略し、初期評価を訓練する。 意識ある/なし、発語ある/なし、ゴロゴロ音ある/なし、呼吸ある/なし、などの簡単な想定を付与し、⑥を訓練する。 腹臥位の想定を適宜入れる。 慣れてきたら、現場写真などを見せて必要な情報を聴取させる。 このステーションでは迅速性よりも確実な評価を第一目標とする。 最後の 5分間で掲示した紙の内容を確認する。

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①感染防御、資器材の確認は簡単に済ませてよい。 現場写真について、指導者はごく簡単に状況を説明する。 安全確認については、必要に応じて安全「確保」の指示を出させる。 傷病者数に応じて応援隊を要請させる。 ②傷病者がふり向かない(首を動かさない)ように注意。 ③保持する方向は、頭側から、体幹方向からのどちらでも可。 ④意識状態を JCSの桁数で表現させる。 ⑤すべての要素を網羅させる。出血については、簡単なムラージュを行う(洗濯バサミや

赤色のハンカチなどを利用するとよい)。 ⑥様々な想定を与える。 ⑦両膝で頭部固定

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⑧L&Gを宣言した理由を述べさせる。 ⑨原則として初期評価は中断しない。例外は、気道確保困難、心肺停止状態の場合である。

また、傷病者が腹臥位であったり、ヘルメットをかぶっている状態でで、初期評価が困

難と判断した場合には、体位変換したりヘルメットを脱がせるために初期評価を中断し

てよい。 車外救出 一般目標:事故車両内の傷病者を、頸椎を保護しながら迅速に救出できる。 (立位の傷病者のバックボード固定もここで習得する) 個別目標: ①車外救出にはどのような方法(用手法、毛布法)があるかを理解する。 ②各救出方法のメリット・デメリットを理解する。 ③各方法について、救出と状況評価・初期評価・全身観察の優先順位を理解する。 ④(用手法)救出する方向を正しく判断できる。 ⑤(毛布法)迅速に救出することができる。 ⑥立位の傷病者をバックボード上に安全に固定することができる。

指導の進め方(例) 用手での救出:20分間 初期評価の結果、意識状態が悪いとの想定を紹介し、インストラクターがデモン

ストレーションを行う。 その後、いろいろな方向への救出を指導しながら実体験させる。また、 初期評価→全身観察の後に救出する想定も加える(ただし、実際の評価・観察は

省略) 毛布を使っての救出:10分間 インストラクターは適応条件を説明し、デモンストレーションを行う。 その後、受講者に実体験させる。

立位傷病者のバックボード固定:5分間 インストラクターは適応条件を説明し、デモンストレーションを行う。 その後、受講者に実体験させる。

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①オプションとして一人で行う方法(通称タンゴダンス法)を紹介・指導しても良い。 ②KED:時間がかかるので L&Gでは適応外。脊柱保護は最も確実。 (この指導は省略してもよい。) 用手法:L&Gで適応。脊柱保護は中等度。 毛布法:もっとも素早いが脊柱保護に難点がある。 ③基本的には全身観察後終了後に救出 ・L&Gでなければ、KEDを使用して救出(KED救出は紹介のみ) ・L&Gであれば、用手法で救出 ・気道確保が困難、現場の安全性が充分に確保できないなどの状況では、毛布法で救

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出。 ④脊椎軸を最も動揺させないような救出方向を選ばせる。 ハッチバックなどでは後方への救出もある。 合図の声掛けは頭部保持者。 ⑤途中、動作を止めることのないよう迅速に救出 ⑥傷病者の不安を理解させる。 ボードの下端は傷病者の踵にしっかりとあてる。

全身観察 一般目標:L&Gの対象となる解剖学的損傷のすべてを迅速に発見でき、必要な緊急処置を行

うことができる。 個別目標: ①頭部顔面の観察 ②頸部の観察 ③胸部の観察 ④腹部の観察 ⑤骨盤の観察 ⑥大腿の観察 ⑦四肢の観察 ⑧麻痺の観察 ⑨背面の観察 ⑩必要な緊急処置を隊員に指示できる。 ⑪観察結果に応じて L&Gを宣言できる。

指導の進め方(例) 全身観察のまとめと到達目標を紙に書いて貼っておく。 指導者によるデモ・解説は不要。 状況評価の結果を付与し、受講者に訓練させる。 想定には緊急処置の必要な損傷を適宜組み込む。 このステーションでは迅速性よりも確実な観察を第一目標とする。 最後の 5分間で掲示した紙の内容を確認する。

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①頭部と顔面は、まとめて「ザッと診る」ことを強調する。 瞳孔観察は省略が基本。観察しても可。 ②気管偏位は触診でなければ判定できない。 ③胸郭の全面をきちんと触る。(触診の方法としては、両側同時、一側ずつのどちらでも

良い。例として、まず両側同時にスクリーニングし、もし不明な点があれば片側ずつ触

る。) 心音聴取、胸部打診は不要。 ④数ヶ所をゆっくり(突発的にならないよう)。指先をめりこませない。

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⑤腸骨稜を両側から内方向に圧迫する。恥骨結合は腸骨で動揺が確認されれば行わない。 ⑥手技は特に問わない。圧痛、轢音、動揺の確認を行う。 ⑦「明らかな」外傷のみ。時間をかけない。 ⑧触って分かるか、動かせるかで確認する。 ⑨背部(背中)だけでなく、後頭部から下腿まで仰臥位では観察不能な部分を指す。 ⑩3辺テーピング、穿通異物の固定、フレイルチェストの固定は必ず行う。腸管脱出の被覆は省略してもよいが、固定操作やログロールで脱出が助長されそうな場合には素早く

被覆する。 ⑪全身観察の終了後、L&Gの適否とその理由を宣言させる。

車内活動 一般目標:車内収容直後の活動、詳細観察、継続観察を適切に行うことができる。 個別目標: ①収容直後に行うべき活動項目とその優先順位を理解する。 ②継続観察の目的を理解し、かつ実行することができる。 ③詳細観察の目的を理解し、かつ実行することができる。 ④必要に応じて、医師に追加情報を伝達することができる(第 2報)。

指導の進め方(例)

受講者を 2人 1組とし、一方を傷病者役とする。 指導者は現場活動の概要(想定)を伝え、受講者に車内活動を行わせる。 必要に応じ、バイタルなどの数値を付与する。 適宜、病態変化の想定を与え、「容態変化あれば ABCの確認」を実践させる。

指導のポイント(個別目標の○数字に対応) ①・酸素ラインの切り替え、モニター装着、バイタル測定の準備を指示

..する。

・病院連絡(第一報) 年齢、性別、受傷機転、L&Gの理由となった損傷の概要、 行った処置、病院到着予定時刻、等 参考:第一報で重要な内容=”MIST” M: Mechanism=受傷機転

I: Injury=(主たる)損傷 S: Sign=(ショック状態他、L&Gの適応となるような)徴候 T: Treatment=(行った緊急・蘇生)処置

・現場出発を指示する ・バイタルサインを確認する

意識レベル(3-3-9分類)、呼吸数、脈拍数、血圧、SpO2、心電図、(体温)

・傷病者情報を聴取する 主訴、受傷の経緯、病歴・薬剤の服用状況、アレルギー、最終の食事摂取時刻

・傷病者の保温に努める。

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②病態の変化を遅れずに感知するために、以下を繰り返し行う。 ・自覚症状の変化を聴取 ・意識・気道・呼吸・循環・瞳孔(神経学的所見)を観察 ・頸部~腹部までの観察 ・みつかった創傷の変化はないか? ・行った処置の確認 ③すべての損傷を発見するために、頭からつま先までを詳細に観察する(状況により省略

可)。 全身観察との主たる違いは: ・ABCの再評価 ・顔の全ての穴をみる ・上肢や下腿部も確認する。 ・骨折部の末梢で脈拍もチェック ・骨盤の確認は 全身観察で行っているのでやらない ・神経学的所見

・ 瞳孔所見 : 左右差、対光反射、眼球の向き ・ 運動機能 : 手足の指が動くか? ・ 感覚機能 : 手足の先に触れているのがわかるか?

④病態の変化を報告する、追加処置に関する助言を求めるなど。

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模擬患者指導について

模擬患者は、SPと呼ばれOSCEにおいてシナリオに従って、患者役をつとめます。

医学教育でのSPには、模擬患者(Simulated Patient)と標準模擬患者(Standardized Patient)の2種類があるとされています。 OSCEの目的である客観的評価には、誰がやっても同じ基準で測定すること

ができ、受講者の判断に評価者側の主観によるばらつきが入らない公平な測定

が求められます。PTCJ では、OSCEの評価基準(評価票)及びシナリオが標準化さ

れていますので、患者役に一定レベルでの標準化された能力が求められることから、

標準模擬患者といえます。(別紙1) 各OSCEブースにおいて、シナリオ毎にまた、患者役毎に表現方法が異なるこ

とは、OSCEの客観性、公平性を維持できないことから、模擬患者の標準化を目的

に、ムラージュに先立ち、以下を参考に模擬患者の事前指導を行ってください。

1. シナリオの種類毎に、患者役、評価者、関係者役、メーク担当者を集め、シナリ

オ表を確認しながら評価者が行います。

2. 評価者は、模擬患者に求められる2つの能力を説明します。(別紙1)

3. 評価者は、模擬患者にOSCE開始時に、受講生に与える想定(シナリオ)

を説明します。受講生に対する想定は、共通項目として「OSCEについ

て」項に記載された4~10の項目と各シナリオ表記載の想定であること

を理解させます。 この時点で、現場評価の安全確保ができているかどうかを評価者が付与する

のか、関係者が表現するのか関係者役と決定しておきます。

4. 患者が、表現できない項目について確認します。

(瞳孔、脈拍数・強弱、冷感、胸郭動揺など、評価者が神の声として表現する事

項。)

5. 評価者は、模擬患者に想定及び現場評価結果を説明し、受傷機転、患者の置

かれた状況を理解させ、想像力を喚起します。

6. 車内観察のGUMBA及びバイタルサインを説明します。

7. 使用するシナリオの重点項目が何かを説明します。この時点で、L&Gの判断

が必要なシナリオで有れば、その理由も説明します。

8. 初期評価、簡易全身観察のうち、異常のある所見を説明し、初期評価から順番

に、異常所見の表現を確認、指導していきます。

9. 異常所見の表現を確認、指導時に、骨折、創傷などのムラージュ実施個所をメ

ーク担当者に指示、確認しておきます。

10.OSCE開始時の顔の向き・四肢の状態など体位を指示・説明します。

11.以上の確認を行った後、評価者が受講生役となって模擬患者と1対1で実際の

OSCEを行い、確認していきます。(参考事項:別紙2-1,2-2)

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別紙1

2種類の模擬患者 【模擬患者(Simulated Patient)】

模擬患者(Simulated Patient)は、医学生、歯学生、薬学生、看護学生、

研修医等の医療面接実習の相手役をつとめます。一定の訓練を受け、実際の

患者と同じような症状や心情を再現します。

【標準模擬患者(Standardized Patient)】

評価や試験に利用できるように、一定のレベルで標準化されています。総

合的な能力評価の一手段として、共用試験(臨床実習開始前の仮免許試験)

や認定医試験における OSCE などに用いられています。

OSCE(オスキー:ObjectiveStructured Clinical Examination)は、客観的

臨床能力試験として、医師・歯科医師国家試験にも導入される予定です。

模擬患者に求められる2つの能力

【想 像 力】

さまざまな受傷機転や症状を持つ患者に成りきることが必要です。

受傷機転や症状、観察データ、GUMBAなどの医学的背景を詳細に設定し

た上で演じていきます。それらの状況から心理的背景も理解した想像力が求

められます。アドリブを極力廃し評価者と共に、OSCEそのものの目的と

シナリオの求める患者像を具現化する能力が求められます。

【フィードバック能力】

患者役として、受講者へのフィードバックを求められる場合があります。

OSCE中は、受講者が適切に愛護的な問診や触診、聴診、処置などを実

施しているかどうか実際の患者になったつもりで、観察・処置を体で感じ取

ってください。

また、PTCJは外傷患者を想定していますらか、脊柱の動揺が無かった

かどうかは、常に感じ取ってください。

評価者が、受講者へのフィードバックを行う際に模擬患者に実際の患者の

立場としての感想を求められた場合、評価者に求められた指摘項目について

受講者のプラスの動機づけになるように温かい表現が、求められます。

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別紙2-1 模擬患者指導参考事項

初 期 評 価 1)L&Gの判断となる異常所見が有れば、先に説明します。 2)気道確保が必要かどうかを明らかにします。 3)補助呼吸が必要がどうかを明らかにします。 4)止血の必要な活動性(動脈性)出血が有るかどうかを明らかにします。 意識確認:覚醒(◯開眼 ◯閉眼)→模擬患者指導 意識レベル(JCS ◯1桁 ◯2桁 ◯3桁→痛み刺激に対する反応指導)

会話 ◯不能 ◯可能(◯名前 ◯場所 ◯主訴→内容を指導) 意識レベルから気道確保(◯要 ◯不要)→意識障害有は気道確保させる 顔の向き:◯正中 ◯右 ◯左 →模擬患者指導 頸部ニュートラル移行時の抵抗&痛み:◯有り ◯無し →模擬患者指導 瞳孔:◯正常 ◯異常(◯散大◯不同)→評価者付与

→意識障害有りは決めておく 気道開通確認:気道確保(◯要 ◯不要)→気道確保不要ならば、発声は確実に

:吸引(◯要 ◯不要)→吸引が必要ならば、唾液貯留によるゴロゴロ音 呼吸確認(気道確保):速さ(◯早い◯遅い)深さ(◯深い◯浅い)→模擬患者指導 補助呼吸(◯要 ◯不要)→補助呼吸させる場合は模擬患者指導

胸郭運動◯正常 ◯異常(◯動揺→◯右◯左→評価者付与) (◯フレイル→評価者付与) (◯シーソー→有は、模擬患者指導) *不的確な呼吸表現は、受講生に補助呼吸と高位頚髄損傷を疑わせる 循環確認:橈骨速さ(◯早い◯遅い)強さ(◯弱い◯強い)→評価者付与

皮膚湿潤、冷汗(◯有り ◯無し)→ムラージュで霧吹き 冷感(◯有り ◯無し)→評価者付与

活動性(動脈性)出血 ◯無し ◯有り(部位は? )→ムラージュ 別紙2-2 簡 易 全 身 観 察 1)L&Gの判断となる異常所見が有れば、先に説明します。

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2)腸管脱出、フレイルチェストなど緊急病態があるかどうかを明らかにします。 3)視診時の出血、創傷がある場所を指示し、どの部位にムラージュを行うか説明します。 4)触診時の圧痛確認では、意識レベルとの関係で、「痛い」と声で表現するか、

「顔をしかめる」等、体で表現するか指導します。 5)以下に、注意が必要な点を示します。 頭部/顔面:頭部、顔面の触診で、陥没骨折、上顎・下顎骨折がある場合の陥没や動揺の

表現は、ムラージュできませんので、評価者付与とします。 打撲痕などムラージュを施した部位に対する圧痛確認について、模擬患者が

意識レベルに応じて痛みを表現します。 頚部:視診における、外頚静脈怒張は、ムラージュや模擬患者本人が歯を食いしばること

で表現できる場合が有りますが、受講者に確実に認識させるためには、やはり無理

があるようですので、評価者付与とします。 また、気管偏移や、触診上の皮下気腫も同様に評価者付与とします。 頸部触診時の、模擬患者自身の患者表現は後頸部の圧痛に対しては行います。 また、ヘルメット装着想定で顎紐による損傷がある場合は、ムラージュを行います。

胸部:視診において、打撲痕をムラージュで表現できますが、 胸郭運動の異常(フレイルチェストを示唆する奇異呼吸運動など)は、評価者付与

とします。また、触診上の皮下気腫も評価者付与とします。 打撲痕などムラージュを施した部位に対する圧痛確認について、模擬患者が意識レ

ベルに応じて痛みを表現します。 聴診における呼吸音の左右差がある場合は、受講者が健側の聴診を行う場合は、 通常の呼吸を行い、患側の聴診を行う場合は、呼吸を止め胸郭のみ動かします。

腹部:視診上の膨隆は評価者付与とします。 打撲痕などムラージュを施した部位に対する圧痛確認について、模擬患者が意識レ

ベルに応じて痛みを表現します。 骨盤:動揺ありは、評価者付与とし、模擬患者は意識レベルに応じて痛みを表現します。 大腿:骨折ありは、ムラージュします。変形、腫脹、ありは、評価者付与とし、模擬患者

は意識レベルに応じて痛みを表現します。 背部:視診(又は触診)の椎骨の圧迫骨折を疑わせる脊柱の隆起は、評価者付与とします。

胸郭運動の異常(フレイルチェストを示唆する奇異呼吸運動など)は、評価者付与

とします。 打撲痕などムラージュを施した部位に対する圧痛確認について、模擬患者が意識レ

ベルに応じて痛みを表現します。 神経学所見のチェック:ログロールの前後で、意識がある場合、手足を動かせるか、触っ

て分かるか、しびれ感があるかどうかを模擬患者に表現させます。

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1

外傷基本 シナリオ訓練 想定 (オートバイの自過失事故、負傷者 1名) 市街地の緩やかなカーブを30歳の男性が400ccのオートバイで走行中、スピードを出し

すぎハンドルを取られ転倒し10m以上飛ばされた。負傷者は道路中央に仰臥位で倒れており、ヘルメットは外れていた。事故車両のオートバイからはオイルとガソリンが漏洩していた。事故

現場には警察官がすでに現着し交通整理をしていた。 負傷者の状態は意識清明、呼吸は浅く速い、脈拍は弱く速い、皮膚は湿潤し冷汗がありショッ

ク状態であった。負傷箇所は、前頭部血腫、後頸部に圧痛(頸椎損傷の疑い)、右胸部にフレイル

チェスト、右下腿部に活動性の出血(骨折の疑い)が見受けられた。 状況評価 1 感染防御確認 ゴーグル・マスク・ガウン・ゴム手袋の確認 2 携行資器材の確認 外傷セット、呼吸管理セット、脊椎固定器具セットの確認

3 受傷機転確認、負傷者の数、現場の安全確認・二次災害の防止 1 どのような事故か。 2 負傷者は何名いるか。負傷者はどのような状態か。 3 安全は確保されているか。警察には連絡をしたか。応援要請が必要であれば応援。

初期観察 (行動要領) 患者を振り向かせないように正面から近付き、用手頚椎固定を行った後に「声かけ」をする。 1 意識レベル、気道の観察(呼びかけに反応し発語あり)

1番員 <○○救急隊の○○です。お名前は言えますか。> 患者 <○○です> 1 番員 <意識レベルⅠケタ。気道は開通。2番員、頭頸部保持交代。頭部をニュートラル位

で保持。> 2番員 <そっと動かしますが、痛かったら直ぐに言って下さい。> 2 気道、呼吸の観察(呼吸あり、呼吸音の異常なし) 耳を患者の鼻に近づけ、呼吸の状態を「見て」「聴いて」「感じて」評価する。 1番員 <「見て」「聴いて」「感じて」、呼吸速く浅い。3番員、リザバー付き高濃度マスクに

て酸素投与 10L投与して下さい。> 3番員 <これからマスクを取り付けます> 3 循環の観察(橈骨で触知可能、湿潤・冷汗あり、左下腿部に活動性の出血) 患者の両手を触り、湿潤・冷感を観察する。 1 番員 <橈骨、速く弱い。冷汗、湿潤あり。ショック状態と判断、ロードアンドゴー、三次

医療機関に搬送します。> 1番員 <右下腿部に活動性の出血あり、3番員、止血処置をして下さい。>(全身を見ながら) 3番員 <止血処置しました。>

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2

簡易全身観察 (行動要領) なるべく言葉をかけながら、サッと視診し愛護的に触診する。 必要な処置は原則2、3番員に指示して行う。1番員はできる限り評価・観察に専念する。 DIP:D・動揺 I・圧痛 P・ポキポキ音 1 頭部

1番員 <前頭部に血腫、DIPなし。> 2 顔面

1番員 <顔面の明らかな外表の損傷なし。下顎・上顎の DIPなし。> 3 頸部 気管を上から下へ触り気管偏位を確認し、頸部の付け根辺りで両手を広げて触り、皮下気腫を

確認しながら後頸部に手を持って行き後頸部の圧痛、変形を確認する 1 番員 <頸部の明らかな外表の損傷、変形、腫脹なし。頚静脈の怒張なし。気管偏位なし。

皮下気腫なし。後頸部の圧痛あり。>(患者は後頸部の触診で痛みを訴える) 1番員 <3番員、服を裁断し、頚椎カラーを装着> 3番員 <頚椎カラーを装着しました。> 4 胸部 後頸部の圧痛を確認した段階で、胸腹部の着衣を裁断し、頚椎カラーを装着する。 1番員 <右胸部に損傷あり。> 1番員 <右胸部フレイルチェスト、奇異呼吸あり、3番員は、固定処置をお願いします。> 3番員 <固定処置をしました。> 健側から圧迫し、左側の触診は大きく手を広げて、片手は背部近くまでゆっくりと圧迫する。

右側は、傷口の遠位から愛護的に圧迫する 1番員 <左胸部 DIPなし、右胸部遠位から>(痛みを訴えた時点で押すのはやめる) 聴診は、大まかな目安としては腋窩中線第 4肋間付近を健側から聴診 1番員 <呼吸音の左右差あり。左減弱> 5 腹部 触診は、指をそろえた片方を腹壁に当て、もう一方の指先で腹壁に置いた手をゆっくりと圧迫

しながら腹部の左右上下4ヶ所を触診する。 1番員 <腹部の明らかな外表の損傷なし。膨隆なし。腹壁の緊張・圧痛なし。> 6 骨盤

DIP は、腸骨を左右から内側にやさしく圧迫し、恥骨をやさしく圧迫する。圧迫は 1 回だけ行う。また、腸骨を押して痛みを訴えた場合は、恥骨を圧迫しない。

1番員 <骨盤の明らかな外表の損傷なし。骨盤動揺なし。下肢の伸長差なし。> 7 大腿

1番員 <明らかな外表の損傷なし。変形、腫脹、DIPなし。> 8 四肢

1 番員 <足首を動かして下さい。手を握って下さい。触っているのが分かりますか。しびれるところはありませんか。神経学的所見異常なし。>

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3

全脊柱固定 ログロール(行動要領) バックボードに確実に固定されるまで、頭部から骨盤までを1本の丸太状態を保つように扱わ

なければならない。 1 ログロールの体制

1 番員 <3番員、患側にバックボードを置いて下さい。ログロールの準備が出来たので、2番員の合図でログロールを行います。>

3番員 <バックボードを患側に置きました。> 2番員 <1.2.3で行います。1.2.3> 2 背部の観察 傷病者を支える6本の手のうち、観察やボード引き寄せのため、離してよい手は上半身を支え

る隊員の下側の手だけである。 1番員 <背部の明らかな外表の損傷なし。変形、腫脹、DIPなし。> 3 バックボードの挿入 1番員 <バックボードを挿入。2番員の合図で体をバックボードに乗せます。> 2番員 <1.2.3> 4 バックボードに乗せる 1番員 <2番員の合図で体をZ移動します。> 2番員 <下方に移動します。1.2.3> 2番員 <上方に移動します。1.2.3> 5 バックボード固定 胸部のベルト固定は吸ったときに締める 1番員 <3番員、バンド固定を行います。> <イモビライザーで頭部固定を行います。> <前額部をバンド固定、上から3番目、下顎部をバンド固定、上から2番目。> 6 車内収容 1番員 <バックボード固定終了。車内収容を行います。2番員の合図で持ち上げます。> 2番員 <1.2.3>

車内活動 1 酸素を切り替え、モニターを装着、バイタル測定、保温を指示

2 病院連絡 まず第一報(ポイントだけ簡潔に)

1 年齢・性別

2 受傷機転・意識(JCS 何桁?)・ABCの異常

3 行った処置・到着予定時間

*ロード&ゴーでない場合は継続・詳細観察後でよい

3 バイタルサインの確認

1 (モニター装着) 脈拍数、呼吸数、血圧、脈圧、Spo2、心電図、体温

2 意識レベル再評価 (JCS 1 2 3,・・・・300?)

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4

4 患者から聴取(SAMPLE/GUMBA)

1.受傷機転 2.主訴 3.最終食事時間 4.既往歴 5.アレルギー

5 保温

継続観察 病院到着まで繰り返し観察

1 自覚症状の変化

2 意識・気道・呼吸・循環・瞳孔(神経学的所見)

3 頚部~腹部までの観察

4 みつかった傷の変化

5 行った処置の確認

(詳細観察) 頭からつま先までより細かく診る

1 ABCの再評価

2 顔の全ての穴をみる

3 上肢や下腿部も確認する 、骨折部の末梢で脈拍もチェック

*骨盤の確認は 全身観察で行っているのでやらない

4 神経学的所見

① 瞳孔所見 : 左右差、対光反射、 眼球の向き

② 運動機能 : 手足の指が動くか?

③ 感覚機能 : 手足の先に触れているのがわかるか?

第二報病院連絡

継続・詳細バイタル 継続・詳細観察にて得た所見 傷病者の変化等

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事故想定

1 バイク転倒(単独事故)負傷者 1 名

通報:オートバイの単独事故、50 歳代の男性が負傷。その他詳細不明。

状況:直線の幹線道路を走行中、止まっていた乗用車の間から、子供が急に飛び出してきたため、

それをよけようとして、ハンドルを切ったところ、止まっていた乗用車に衝突して 6メートル以

上、飛んでしまい仰臥位で倒れた。ヘルメットは脱げている。オートバイは前面が大破し、ガソ

リンタンクの下からガソリンが漏っている。飛び出した子供には怪我は無い。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、左下腿に活動性の出血。

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・24。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 98/60。SPO297%

2 乗用車車外放出(単独事故)負傷者 1 名

通報:乗用車がガードレールに衝突、車両が横転している。その他詳細不明。

状況:酒を飲んで、緩やかなカーブの幹線道路を走行中、ハンドル操作を誤り、電柱に衝突、車

両が横転し運転手が外に放出され仰臥位で倒れている。車両の前面が大破して、ラジエター水、

オイルが漏洩している。

初期評価:バイタル・JCSⅡ桁。呼吸・深いが回数は正常。脈・強く、遅い。皮膚・温かい。

負傷部位:前頭部に出血、後頸部の圧痛、右前胸部に奇異呼吸、右呼吸音減弱。

車内バイタル:バイタル・JCSⅢ。呼吸・18。脈・50。皮膚・温かい。血圧 210/120。SPO297%

3 ホームから転落

通報:駅のホームから、40 歳代の男性が転落し負傷。その他詳細不明。

状況:会社帰りに酒を飲み、駅のホームを歩いていたところ誤ってホームから転落した。線路の

上に仰臥位で倒れている。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、両上肢麻痺。右下腿に活動性の出血

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・24。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 95/60。SPO297%

4 ビル工事現場から墜落

通報:ビルの工事現場で、2階から、35 歳代の男性が墜落し負傷。その他詳細不明。

状況:5 階建てのビル工事現場で、2 階から1階へ墜落した。腹臥位で倒れている。倒れている

付近は、工事中のため工事資機材があるが、救急活動には支障がない。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、右前胸部に開放創(サッキングチェストウンド)がある。右下腿に活

動性の出血

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・36。脈・110。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 98/60。SPO283%

5 暴漢に腹部を刺された

通報:学校に暴漢がナイフをもって押し入り、何人か刺された模様。その他詳細不明。

状況:2階の教室に暴漢が押し入りナイフをもって暴れた。何人か切られたが一人は廊下で刺さ

れ階段から落ち踊り場で、腹部にナイフが刺さったまま、仰臥位で倒れている。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、腹部にナイフが刺さっている。右前腕に活動性の出血

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・24。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 95/60。SPO293%

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6 風呂場で転倒し腹部を切創

通報:70 歳の男性が風呂から出ようとしたところ転倒して負傷した。その他詳細不明。

状況:風呂場の入り口のガラスが割れ、右肘に大きな切創がありそこから活動性の出血がある。

腹部からは腸管が脱出している。前額部に打撲痕がある。ガラスは片付けられていた。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅いが回数は正常。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、腹部の腸管脱出。右膝の活動性出血

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・18。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 90/60。SPO293%

7 顔面を殴られ階段から転落

通報:地下鉄の階段、踊り場に 20 歳代の男性が倒れている。その他詳細不明。

状況:地下鉄の入り口付近で若者数人が喧嘩をした。一人が顔面を殴ったところ、階段を転落し

踊り場まで転落した。負傷者は右側臥位で倒れている。回りには野次馬が大勢いて、まだ仲間が

小競り合いしている。

初期評価:バイタル・JCSⅡ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:後頸部の圧痛、両下肢の麻痺。左下腿に活動性の出血。

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・24。脈・100。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 95/60。SPO293%

8 工場でパレットが崩れ下敷きとなる

通報:車の部品工場で、部品を積んだパレットが崩れ 50 歳の男性が下敷きとなった。その他詳

細不明。

状況:高さ約 6m のパレットが崩れ、その下に 50 歳の男性が右下腿をパレットに挟まれている。

そばにあるパレットも崩れそうになっている。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:頭頂部に鶏卵大の血腫、後頸部の圧痛、両下肢の麻痺。右下腿に活動性の出血。

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・24。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 95/60。SPO293%

9 乗用車の多重衝突事故(状況把握をしたと仮定して行う。)

通報:高速道路での乗用車 3台の衝突事故、負傷者多数いる模様。その他詳細不明。

状況:1 台の乗用車が追い越しを掛けようと、車線変更したところ、後ろから来たトラックと接

触、その弾みで、もとの車線に戻ったところで、更に後ろから来た乗用車と接触した。追い越し

を掛けた乗用車には運転者 1名、重症。トラック 2名、軽症。後ろから来た乗用車 1名、重症、2

名、軽症。追い越しを掛けた乗用車には運転者 1名は車外に放出されて腹臥位で倒れている

初期評価:バイタル・JCSⅡ桁。呼吸・浅く、速い。脈・弱く、速い。皮膚・冷汗、湿潤。

負傷部位:頭頂部に鶏卵大の血腫、後頸部の圧痛、後頸部の圧痛、右前胸部に奇異呼吸、右呼吸

音減弱。右下腿に活動性の出血。

車内バイタル:バイタル・JCS30。呼吸・24。脈・120。皮膚・冷汗、湿潤。血圧 95/60。SPO293%

10 プールでの飛び込み事故

通報:中学三年生(15 歳)、体育の時間にプールに飛び込み負傷。その他詳細不明。

状況:深さ約 1.5 m のプールに飛び込み、前額部を打つ。救急隊到着時にはプールサイドに仰臥

位でいた。たまにむせ込むが頸部が痛く水を吐くことが出来ないようだ。

初期評価:バイタル・JCSⅠ桁。呼吸・浅く、遅い、ごぼごぼいっている。脈・弱く、遅い。皮

膚・濡れていて分からない。

負傷部位:前額部に鶏卵大の血腫、後頸部の圧痛、両下肢の麻痺。

車内バイタル:バイタル・JCS1。呼吸・10。脈・45。皮膚・温かい。血圧 90/50。SPO283%

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PTEC     実技試験評価採点表  ver3.1 2003/3/6

状況評価 資機材の確認、感染防御、現場の安全性確認、傷病者数、受傷機転 を評価 2感染防御、安全性確認はおこなった 1何の評価もせず近づいた。評価が間違っていた。 -3

初期評価 頚椎保護 補助者に交代するまで完全におこなえた、中立位の管理ができた 2頚椎保護ができていない時があった(一瞬手を離すなど) 1明らかにわかるほど大きく動いた 0頚椎保護をおこなわなかった、痛み、抵抗があるのに無理に中立位にした。 -3

意識状態 JCS0、1桁、2桁、3桁で評価した、観察結果を口頭で表明した(例「発語有り」) 2声をかけたり痛み刺激を与えて、意識レベルを確認した 1評価せず -3

気道、呼吸 見て聞いて感じて評価した。酸素、気道管理の指示ができた。 2評価、指示が不十分(酸素投与の流量が適切でない・・等) 1評価せず。または、L&G症例で初期評価中に酸素投与しなかった。 -3気道確保又は人工換気が必要であるにもかかわらず、実施しなかった。 -5

循環 脈拍、皮膚の性状、外出血を評価 2どれかが抜けた 1循環に関して、全く評価しなかった -3活動性の外出血を初期評価終了までに止血しなかった -3

全身観察 頭部、顔面、頚部視診、触診、気管偏位、頚静脈、後頚部 1どれかが抜けた、きちんと観察していない 0

胸部、腹部 胸の視診・触診・聴診、腹部の視診・触診 1どれかが抜けた、きちんと観察していない 0

骨盤、大腿部 骨盤および大腿の視診・触診 1どれかが抜けた、きちんと観察していない、骨盤を2回以上触った 0

下腿・上肢・背面下腿・上肢:大まかに視触診、指先の動き・知覚。背面:視診・触診 1どれかが抜けた、下腿・上肢に時間をかけすぎ(合わせて30秒以上) 0

呼吸管理 酸素投与、気道・呼吸管理が適切にできた 2やってはいるが、不十分・不確実 1L&G症例にもかかわらず、酸素投与なしで車内収容 -5呼吸管理ができず生命の危険がある -5

状況判断 状況を適切に判断しそれに応じてロードアンドゴーを表明 2ロードアンドゴーとは言ったが、状況判断や根拠が不十分 1ロードアンドゴーの宣言なし -3

時間管理 頭部固定からログロール、リフト等開始まで3分以内 25分以内 17分以内 07分を越える -5

固定 全脊椎固定が適切にできた 2固定が不適切、ログロールの方向が違う 1脊柱固定をしなかった(ネックカラーまたはヘッドイモなしで収容) -5

車内活動 収容直後の処置病歴、酸素つなぎ変え、モニター装着、病院連絡、保温が適切にできた 2病歴・病院連絡の内容が不十分。時間切れ:口頭では完璧に解答。 1意識の悪い時の病歴を除いてどれかが抜けた。 0

継続観察 意識、ABC・バイタルサイン、頚~腹、見つけた傷、施行した処置を確認した 2どれかか抜けた。時間切れ:口頭では完璧に解答。 1全く実施できなかった。時間切れ:口頭での解答が不十分。 0急変時に初期評価に戻らずなにもしなかった -5

処置 処置がすべて適切であった 2(「呼吸管理」「固定」 現場で不要な処置をして現場滞在時間が長くなった、処置が不適切だった 1  以外の処置について評価)開放性気胸の被覆等生命に関わる処置ができなかった -5

活動性の外出血を止血しないまま車内収容した -5穿通性異物を大きく動かしたり、フレイルを乱暴に触ったり明らかに施行処置が悪化させる-5

印象(リーダーシップを含む)◎(是非インストラクターに推薦したい) 2○(インストラクターに推薦してもよい) 0△~×(インストラクターには推薦できない) -2

受講者氏名 優  25-30     可  12-19 得点

評価者          / 良  20-24 不可   0-11 Grade

ヘルメットあり:+1分

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国際蘇生連絡協議会( ILCOR)の 2005 年国際コンセンサス(CoSTR)翻訳 外傷救急( ILCOR-CoSTR:第 10 部 応急処置) 頚椎の安定化、出血のコントロールならびに創傷・擦過傷・熱傷や筋骨格系の損傷

などへの処置として、一般に行われている応急処置法について公表されたエビデンス

はほとんどなかった。脊髄損傷のもたらす結果は重大であるため、専門家らはヘルス

ケアプロバイダーの経験からの推測に基づいて頚椎の安定化について推奨される治療

法に対するコンセンサスをまとめた。戦場における出血の治療経験からは、訓練され

た市民救助者やヘルスケアプロバイダーによる圧迫止血法や止血帯の使用についての

エビデンスが得られた。しかし短時間のうちに医療を受けられるような状況での応急

処置にこれらの結果を適応するには慎重でなければならない。

創傷、熱傷、筋骨格の損傷、および歯の損傷や環境因子による損傷に対して行なわ

れている「常織的」治療法は、レベルの低いエビデンスでのみ支持されているという

事が、専門家たちにより明らかにされた。

頸椎損傷

頸椎固定

科学的コンセンサス:

救急部門で診察される成人鈍的外傷患者の約 2%が脊髄損傷を負っており、頭部や

顔面の損傷がある患者や GCS 8 点以下の患者ではそのリスクは 3 倍にもなる。

救急医療システム(EMS)従事者や救急部門のスタッフは成人や小児において脊髄損

傷を起こしうる受傷機転を正しく認識できる。EMS 職員はそのような状況で脊椎固定

器具を正しく使用することができるが、彼らは実際の脊髄損傷の症状や症候を正確に

認識できないかもしれない。これらのヘルスケアプロバイダーを対象とした研究から

は、応急処置法に対しては推定的なエビデンスしか得られない。応急処置の実施者が

顕性もしくは潜在性の脊髄損傷を認識できるかどうかを示した研究はない。

応急処置を行う救助者が脊椎固定器具を正しく使用できるというエビデンスもない。

病院内で頚髄損傷を見逃したり固定を行わなかった場合に、二次的な神経学的損傷の

リスクは 7~10 倍になるといわれているが、病院前の状況で二次的損傷が起こるかど

うか、脊椎固定器具でそれが予防できるかどうかは明らかではない。ある多変量解析

を用いた 5 年間の後ろ向きカルテ研究では、マレーシアの外傷病院に入院したすべて

の鈍的脊椎脊髄外傷患者と合衆国の外傷センターに入院した同様の外傷患者を比較し

ている。どちらの病院の患者かを知らされていない医師たちが調査したところ、現場

での脊柱固定を行なった状態で搬送された米国の患者よりも、脊柱固定なしに搬送さ

れたマレーシアの患者の方に、神経障害の証拠が少ないことが明らかになった。

脊椎固定器具が有害であるとするエビデンスはいくつかある。後ろ向きのカルテ研

究では脊椎固定器具により生命を脅かすような外傷が隠されてしまうことが明らかに

なった。さらに健常成人や小児においてバックボードへの固定が呼吸機能を障害した。

頚椎カラーの装着により、健常人および外傷性脳損傷のある患者の頭蓋内圧が上昇し

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た。

脊椎固定については BLS 専門委員会(タスクフォース)によっても検討された。さ

らなる情報については Part 2:"成人の BLS"および関連するワークシートを参照のこと。

推奨される処置:

脊髄損傷後の重篤な結末を考慮すると、ほとんどの専門家は、脊柱の運動制限が、

脊髄損傷の危険性のあるすべての患者の早期治療の目標であるということで意見が一

致した。応急処置実施者は脊髄損傷の可能性があるならば、用手的脊柱固定を行い、

脊柱の運動を制限するべきである。

応急処置実施者が応急処置レベルで脊椎固定器具を用いることを支持するエビデン

スがないことと、これらの器具はヘルスケアプロバイダーが使用した場合ですら有害

となる可能性を示唆するエビデンスがいくつかあることより、応急処置実施者は脊椎

固定器具の使用は控えるべきである。

重症出血

用手圧迫及び止血帯(ターニケット)の使用

科学的コンセンサス:

直接圧迫法

出血は応急処置の対象となる頻度の高い緊急事態であり、出血のコントロールが救

命につながるにもかかわらず、病院前もしくは野戦病院での出血コントロールにおけ

る直接圧迫法の有効性を報告した研究は 2 つしかなかった。この両研究とも、圧迫手

技は訓練された医療従事者が行っていた。1 つ目の後ろ向きの症例研究では高度に訓

練された救急車乗務員の出血コントロール技術について述べていた。出血コントロー

ルは創部表面に 4 インチ四方のガーゼを重ねて置き、その上に直接粘着性の弾性包帯

を巻いて行われていた。包帯は体表の出血点の上に、持続性の出血が止まるまで巻か

れた。圧迫により全例で有効に止血ができ、合併症もなかった。

野戦病院における、2 つ目の、非ランダム化観察において、50 人の連続した外傷性

四肢切断患者に対し、訓練された処置者が出血コントロールのために弾性包帯を使っ

て直接的圧迫を行った効果と、過去にあった炭坑爆発による外傷性四肢切断の 18 人の

患者に使用された止血帯の効果が比較された。直接圧迫によって出血がコントロール

された 50 人の患者のほうが、止血帯を使って出血コントロールが行なわれた 18 人の

患者よりも、持続性の出血が少なく、生存率も高く、入院時ヘモグロビン濃度も高か

った。

心臓カテーテル検査時の経験からの 4 つの研究、1 つの動物研究および臨床経験は、

直接圧迫が効果的かつ安全な出血コントロール法であることを示している。出血コン

トロールのための止血点の有効性、行いやすさ、安全性についてはいかなる研究報告

でも触れられておらず、また、出血肢の挙上が出血コントロールに有用か有害かを検

討した研究もこれまでの所報告されていない。

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止血帯(ターニケット)

応急処置実施者が止血のために止血帯を使用することについては意見が別れている。

止血帯は整形外科や血管外科手術において四肢の血流を遮断するためにルーチンかつ

安全に使用されているが、手術室では加える圧や遮断時間が厳密に測定され調節され

ているし、戦場においても遮断時間が正確に記録される。しかしこれらの結果を応急

処置の状況にあてはめることはできない。

2 つの研究が応急処置における止血帯使用の有効性と安全性についての矛盾したエ

ビデンスを示している。戦場における後ろ向きのケースシリーズでは、91 名の兵士に

対して医療従事者(47%)または非医療者(53%)によりのべ 110 回止血帯が使用され

た。止血帯によりほとんど(78%)の傷病者で概ね 15 分以内に出血がコントロールされ

た。受傷機転としては鋭的外傷が最も多く、阻血時間は 83±52 分(1-305 分の範囲)

であった。

止血成功率は医療スタッフが施行した群で兵士が行った群より高く、上肢(94%)の

方が下肢(71%、P<.01)よりも高かった。止血帯による神経学的合併症は 5 名(5.5%)

の 7 肢にみられ、それらの患者の阻血時間は 109~187 分であった。合併症として両側

腓骨神経麻痺と橈骨神経麻痺、3 例の前腕の末梢神経障害が 3 例、1 例の下肢遠位の知

覚異常および筋力低下がみられた。

前段で引用した炭坑爆発による外傷性切断肢の傷病者に関する非無作為研究では、

止血帯の使用は弾性包帯による直接圧迫に比べ出血量が多く、生存率は低くし、入院

時のヘモグロビン値が低くなっていた。

手術室での止血帯使用に伴う合併症については多数の報告がある。手術操作中の止

血帯使用による圧迫部直下の神経や筋肉の一過性または不可逆的な障害や、四肢の虚

血とこれが原因となった酸血症や高カリウム血症などの全身的合併症が報告されてき

た。その他の合併症として再灌流障害や四肢を失うこともある。これらの合併症発生

は加える圧や阻血時間とに関連している。

推奨される処置:

応急処置者は直接圧迫による外出血のコントロールを試みるべきである。応急処置

実施者は直接圧迫によって外出血のコントロールを試みるべきである。

応急処置で出血のコントロール目的に止血点の圧迫や患肢挙上を用いることを推奨

または否定するには、不十分なエビデンスしかない。

止血帯はある特定の状況化では有用であろう(例えば戦場で迅速な退避が必要でか

つ阻血時間を正確に測れる場合)。適応となる状況や適応症例、使用法を明確にするに

はさらなる研究が必要である。止血帯の使用方法や最適なデザインについては今も調

査段階である。応急処置実施者が出血コントロールに使うための止血帯の有効性、使

いやすさ、安全性については、賛否どちらの側のエビデンスも十分ではない。

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創傷と擦過傷

創洗浄

科学的コンセンサス:

創洗浄は創を清潔にするために、病院前、病院内でしばしば行われる。ヒトと動物

での研究から、清潔な水道の流水を使う創洗浄が生理食塩液を使う創洗浄と少なくと

も同等の効果があるという、有力なエビデンスがある。1 つのコクランメタ解析、ヒ

トにおける 1 つの小規模な無作為研究、及び 1 つのヒトにおける症例検討において、

水道の流水を使った創洗浄は生理食塩水を使った洗浄より創傷治癒を改善し、感染率

を下げることに効果的であった。1 つの小規模なヒトにおける無作為研究では、水道

水を使った洗浄による感染率は生理食塩水を使った洗浄の場合と同等であった。これ

らの研究の多くは医療現場において行われたものであるが、水道の流水使用は病院前

の応急処置実施者がすぐに応用できる。

推奨される処置:

皮膚表層の創と擦過傷は清潔な水道水で創洗浄をするべきである。

抗生剤軟膏の使用

科学的コンセンサス:

2 つの前向き無作為対照試験では、同様の応急処置の状況で、抗生剤軟膏 3 剤併用

群と単剤群、また非使用群の有効性を比較した。1 種の微生物(黄色ブドウ球菌)を接

種された皮内の化学的な水疱に対する軟膏の効果を調べた、1つの人のボランティア

による研究では、抗生剤軟膏単剤群または非使用群に比して、3 剤併用群がより速く

治癒し、感染率が低かった。抗生剤軟膏 3 剤併用群あるいは単剤群は、汚染した水疱

の治癒促進という点では無治療群よりも優れていた。地方の外来治療センターでの 59

人の子供の研究において、小さな皮膚外傷(例、蚊刺傷後や擦過傷) への抗生剤軟膏 3

剤併用群は、プラセボ軟膏を塗布された小児と比較して、ひとつの皮膚感染症、すな

わち連鎖球菌性膿皮症の発生率が低かった(15%対 47%)。

外科的に引き起こされた創傷の研究結果から推定すると、抗生剤軟膏の使用は支持

される。無菌条件(即ち剥皮術、または中間層植皮採取部)で引き起こされた創傷の

ある、ヒトのボランティアによる 2 つの研究において、色素化及び瘢痕化を最小にす

る点で、抗生剤軟膏 3 剤併用群が非使用群と比較して優れていた。(ただし)これらの

報告は非外科的でたぶん無菌化されていない応急処置下での創傷治療にはあてはまら

ないかも知れない。抗生剤軟膏 3 剤併用は皮膚表面のコアグラーゼ陰性黄色ブドウ球

菌を取り除くことができるが、創傷汚染と治癒への効果はこれらの研究からは推定で

きない。

推奨される処置:

一般救助者は、より少ない感染リスクでより速く治癒促進するために皮膚の擦り傷

と創傷に抗生物質の軟膏またはクリーム剤を塗るべきである。3 剤併用の抗生物質軟

膏の外用は 2 剤あるいは単剤の抗生物質軟膏またはクリーム剤より望ましいかもしれ

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ない。一般救助者は感染の危険性が減らし、早期治癒を促すために、皮膚の擦過傷や

創傷に抗生剤の軟膏またはクリームを使用するべきである。抗生剤 3 剤併用軟膏また

はクリームの外用は 2 剤あるいは単剤のものを使用するより望ましいかもしれない。

熱傷

水冷却

科学的コンセンサス:

冷たい水道水による熱傷の即時冷却は、動物での大規模の臨床観察研究や対照実験

によって支持されている。冷却することで疼痛を緩和し、浮腫、感染率、熱傷の深度、

および移植の必要性を減らし、より早期に治癒させるかも知れない。1 つの小規模な

ヒトのボランティアによる対照研究や、いくつかの大規模なヒトの後ろ向き研究、お

よび複数の動物研究で、熱傷を冷水(10℃~25℃【50°F~77°F】)で冷却したとき、

創傷治癒と疼痛緩和効果が一貫して向上することが報告されている。いくつかの研究

では、熱傷の冷却は可能な限り早く始めて、少なくとも疼痛が緩和するまで続けるべ

きであることを示している。

成人において短時間の氷または氷水の使用が小さな熱傷に安全で効果的かも知れな

いことを示す、限られたエビデンスはあるが、氷・氷水の長時間の使用は付加的な(二

次的な)組織損傷(壊死)を来たすおそれがある。動物研究から得られたエビデンスは、

大きな熱傷(全体表面積の 20%以上)に対する氷・氷水による 10 分間以上の冷却が低体

温をきたすことを示唆している。

推奨される処置:

応急処置実施者が冷水を用いてできるだけ早期に熱傷を冷却することは安全で、実

施可能であり、また効果的である。(しかし応急処置実施者は)特に熱傷面積が大きい

(全体表面積の 20%以上)ときは、10 分以上の氷または氷水による冷却は避けるべきで

ある。

熱傷水疱に対する応急処置

科学的コンセンサス:

熱傷の水疱の治療において、明確でエビデンスに基づいたコンセンサス(合意)は

全く存在しない。多くの推奨される処置は、レベル 5 かそれ以下の研究または日常診

療に基づいている。応急処置ガイドライン(指針)の多くが熱傷の水疱をそのままに

しておくように勧めているが、一部の研究者たちは、特に水疱が大きく(>2.5 cm)、

壁が薄いときは、熱傷の水疱液により治癒が遅れる可能性があることを示唆している。

1 つの症例対照研究では、水疱未加療群と水疱液排出群の創傷治癒率を見ると、熱傷

水疱液を除去することで治癒が促進されることがわかった。これとは対照的に、ほと

んどの動物でのデータが、水疱液排出群と比較して水疱未加療群ではより速く治癒し、

感染率が有意に低く、また瘢痕組織形成がより少ないことを示している。

推奨される処置:

水疱液排出(水疱デブリドマン)の必要性には賛否両論があり、応急処置トレーニ

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ングにはない設備と技術を必要とするので、応急処置実施者は熱傷の水疱をそのまま

にして、それを緩く覆うのみとするべきである。

筋骨格の損傷(骨折、捻挫、および打撲傷)

固定

科学的コンセンサス:

訓練された医療従事者による四肢固定の利点に関する報告は多数あるが、そのデー

タを応急処置実施者にあてはめることはできない。一般の応急処置実施者による四肢

骨折の整復が安全で、効果的で、または実施可能であるという仮説を裏付けるエビデ

ンスは全くない。

推奨される処置:

応急処置実施者は四肢のどのような損傷にも潜在的に骨折の可能性があると仮定す

べきである。応急処置実施者は傷ついた四肢を用手的に固定してもよいが、整復しよ

うと試みるべきではない。

圧迫

科学的コンセンサス:

レビュー担当者は、応急処置実施者が傷ついた四肢を圧迫することが安全、効果的

で、実際的であるという仮説を支持するデータを見出すことが出来なかった。傷つい

た四肢を圧迫することが浮腫を減少させることは広く受け入れられているが、この処

置に関しては未だ無作為試験は行われていない。10 人の健康な女性ボランティアの足

趾の血流をドップラーで評価した 1 つの小規模な研究(LOE 7) 84 は、中等度の周囲へ

の圧迫が末梢(足趾)の血流を減少させる可能性があることを示唆した。この情報は応

急処置領域でも考慮される必要がある。

推奨される処置:

非開放性の軟部組織損傷に対し、包帯を使用して全周性に圧迫を行い、浮腫の進行

を軽減させることを推奨する、または反対するに足る十分なエビデンスはない(クラス

未確定)。

患部冷却 W262

科学的コンセンサス:

軟部組織損傷に対する応急処置の基本は、出血、浮腫、および痛みを軽減すること

である。動物 85,86 およびヒト 87,88 における研究で、患部冷却が浮腫を軽減することが

示されている。患部冷却は、健常者と術後被験者において、筋肉と関節を含め、様々

な組織の温度を下げることが実験的に示されている。氷による冷却療法もまた核医学

画像処理研究で示されるように、骨代謝と共に動脈及び軟部組織の血流減少に寄与し

ている。(なお)その効果は時間依存性のようである。

氷による冷却は軟部組織の損傷後の痛みや腫れを減らし、障害期間を短縮するのに

効果的である。冷却療法が浮腫を軽減することについては良好なエビデンスがある。

前十字靱帯再建術を評価した 1 つの術後研究は、冷却療法が病院滞在期間、関節可動

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域、鎮痛剤の使用、およびドレーン排液量などの術後期の客観的利益には寄与してい

ないことを示した。しかしながら氷嚢で治療された患者群で、鎮痛剤服用が減少する

傾向はあった。冷却療法の他の方法である冷たいゲル、凍ったえんどう豆袋、および

他の冷却方法も有益かもしれない。いくつかの研究は再冷凍可能なゲルパックが非効

率的であることを示した。冷却療法の形式は術後の時期によって異なるものとなるが、

組織温度を減少させることでより効果的になるようである。

推奨される処置:

冷却は捻挫した関節と軟部組織損傷への応急処置として、一般に安全、効果的かつ

実施可能である。 20 分以上の冷却は有害かも知れない。ただし、それ以上長く冷却

しても合併症を来たさないとする幾つかの報告もある。

急性外傷後の患部冷却の最適な回数、期間、および初回処置のタイミングに関して

推奨するための十分な情報はない。多くの教科書において、氷による冷却治療の期間、

回数、および長さに関する推奨事項は一貫していない。

皮膚および表層の神経の凍傷を防止するためには、必要な防護策をとった上で氷に

よる 1 回 20 分以内の冷却に制限するのがいちばん良い。湿らせた衣類あるいはプラス

チックバックによる保護が理想的であるが、当て物付きの弾性包帯を通してでは低温

が十分に伝わらないかもしれない。皮下脂肪がほとんどない人の損傷部、特に表在末

梢神経部位の直上に氷を当てる場合には、注意が必要である。

歯牙損傷

歯の脱臼

科学的コンセンサス:

レビューされたエビデンスには、専門家の意見の批評論説と様々な培地における口

唇の線維芽細胞の生存に関する研究から推定されたものとがあった。専門家の意見と、

牛乳、塩水および他の細胞保存用媒地での組織の生存率を比較した研究から、脱臼歯

牙のインプラント(再移植)が行なわれるか、他の専門的処置を施されるまでは、ミ

ルクの中で脱臼した歯を保存することが支持された。

推奨される処置:

専門家の合意によると、脱臼した歯に試みられた再移植による潜在的な害は潜在的

な利益を上回るので、脱臼した歯はミルクの中に保存し、傷病者と共にできるだけ早

く歯科医のところへ搬送すべきである。

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BTLS アドバンスト プレテスト

アメリカの一般的な救急救命士の処置範囲を想定した問題です。

気管内挿管、輸液路確保、ショックに対する輸液、緊張性気胸に対する針脱気、骨髄輸注針を使用しての輸液、

緊急治療に必要な薬剤の使用、血糖値の測定が含まれております。

1 15歳の少年、火遊びをしていて爆発、負傷した。皮膚は冷たく、冷汗をかいている。末梢の脈拍は微弱で

あった。腹部には長さが24センチの金属片が刺さっている。以下の処置で正しいものを選べ。

A 金属片がしっかりと安定するように、愛護的に動かす。

B 金属片を取り除き、創の状況を確認する。

C 金属片の取り除き、刺入の深さを確認する。

D そのままの位置で固定する。

2 後腹膜腔に存在する臓器はどれか。

A 腎臓

B 肝臓

C 胃

D 子宮

3 34歳の男性、自動車事故で負傷、腹部の痛みを除いて外傷観察の結果異常はない。末梢血管再充填時間は

正常で、搬送中のバイタルサインは、血圧100/60,脈拍は120,RR28,循環に対する処置で適切

なものはどれか

A 0.9%生理食塩水で静脈路確保しゆっくり落とす。

B 乳酸リンゲルを20mg/Kg迅速に投与する。

C ショックパンツを装着し,3つのパートを加圧する

D ショックパンツを装着し,足部のみを加圧する。

4 過換気の定義として正しいものはどれか

A 呼吸数が30/分以上のもの

B 一回換気量が800ccよりも大きいもの

C SpO2が96%以上のもの

D PaCO2が35mmHgより少ないもの

5 ポケットマスクの記述で正しいものはどれか

A 最大30%の酸素投与が出来る。

B バッグマスクより多くの量を吹き込むことが出来る。

C バッグマスクよりも取り扱いが難しい。

D 外傷患者の初期の換気には適さない。

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6 セリック法とは何か?

A 両手でマスクホールドする方法

B 分時換気量の計算式

C 陽圧換気を行う方法

D 輪状軟骨を背側へ押し付ける方法

7 平均的成人における,門歯から声帯までの距離は何センチか?

A 10

B 15

C 20

D 25

8 有効なワクチンのあるウイルスはどれか?

A D型肝炎

B B型肝炎

C C型肝炎

D HIV

9 頭部全体,右下肢の全面,背部全面に熱傷を負った小児の熱傷面積は何%か?

A 30

B 40

C 50

D 60

10 感電の合併症で最も緊急度の高いものはどれか?

A 不整脈

B 頚椎損傷

C 低容量性ショック

D 腎不全

11 16歳の少女,燃えている家から救出された。全体で25%の部分的に深い熱傷を負っている。適切な

処置はどれか?

A 触って冷たくなるまで氷を当てる

B 流水で1分間,熱傷部位を冷却する

C 触って冷たくなるまで,流水で熱傷部位を冷却する

D 清潔なシーツ以外熱傷部位に当ててはいけない

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12 高齢者の外傷で最もよく起こりやすい兆候はどれか

A 低血圧

B 下肢の浮腫

C 皮膚の柔軟性の喪失

D 口呼吸

13 切断指の搬送中の取扱い方法で正しいものはどれか

A 氷で直接冷やす

B 生理食塩水に入れる

C ドライアイスの入ったナイロン袋に入れる

D ナイロン袋に入れて氷水の中に入れる

14 前腕骨折の処置で正しいものはどれか?

A 肘と骨折部を固定する

B 骨折部を固定する

C 手首と骨折部を固定する

D 手首と骨折部と肘を固定する

15 21歳男性,大学の運動選手,肘を負傷した,観察結果,肘の脱臼が認められる。

末梢の脈拍と感覚はある。 以下の処置で正しいものはどれか。

A エアスプリントを装着する

B 愛護的に牽引する。

C もっとも痛みの少ない位置で固定する。

D 少し不快となるまでまっすぐにしてから固定する。

16 43歳の男性,自動車事故の現場で立っているのを発見された。しきりに「何があったのか?」という質

問を繰り返している。目撃者によると,衝突の直後,1分間は意識が無かったとのことである。前額部に挫

傷,軽いめまいとむかつきを訴えている。神経学的所見に異常なく,バイタルサインにも異常は無い。かれ

の行動を説明するのにもっとも適しているものはどれか?

A アルコール又は薬剤の中毒

B 脳震盪

C 神経原性ショック

D 心因性ショック

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17 頭部外傷の患者でルーチンに行ってはならない処置はどれか?

A 100%酸素の投与

B 低血圧の場合に血圧を100から110に保つように輸液を行うこと

C 過換気

D 頚椎固定

18 頭部の単独外傷で頭蓋内圧亢進症状を呈している場合に見られるバイタルサインの組み合わせはどれか?

A 血圧80/60,脈拍50

B 血圧80/60,脈拍130

C 血圧170/100,脈拍50

D 血圧170/100,脈拍130

19 以下の外傷想定で「Load & Go」と考えられるものはどれか?

A 意識は清明で,片側の耳からの出血が続いている患者。

B 一時的な意識消失があったが,今は覚醒している患者。

C 腹部の圧痛があり,冷たくしっとりとした皮膚であり,血圧が100/70脈拍は130の患者

D 下腿の痛みと変形をともなう患者。

20 「Load & Go」状態の患者で救急車に収容する前に現場で実施する処置は?1つ選べ

A トラクションスプリントを大腿骨折に装着する

B 緊張性気胸を脱気する

C 静脈路確保する

D バイタルサインをとる

21 イニシャルアセスメントを中断する理由に該当するものを1つ選べ

A 心停止

B 複数の開放性骨折

C 脳実質が露出している重度の頭部外傷

D 重度のショック

22 24歳の女性4階の窓から飛び降りて,歩道に倒れているのを発見された。彼女は低血圧で,冷汗があり

頻脈で,意識が無い。頭蓋骨の開放性骨折,骨盤骨折,フレイルチェストの外傷がある。現場における滞在時間

は?

A 5分またはそれ以下

B 5分から10分

C 10分から15分

D 評価と患者の安定を図るためにできるだけ長く

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23 安定しているように見える患者が「Load & Go」状態になりうるものは次のうちどれか

A 両鎖骨の骨折

B 両大腿骨の骨折

C 両上腕骨の骨折

D 両脛骨骨折

24 以下の,うちどれが「Load & Go」になるか

A 墜落の負傷でしばらくノックアウトされたような状態であったが,意識が清明であるもの。

B 両下腿の骨折でバイタルサインに異常のないもの

C 胸部の銃創でショック状態

D 60%の3度熱傷

25 子供の墜落外傷でもっとも一般的な外傷部位はどこか

A 四肢

B 腹部

C 頭部

D 胸部

26 外傷を負った意識のない子供の傷病者で以下のうちで最もよい気道確保の方法はどれか

A 頭部後屈

B 修正下顎挙上法

C 頚部伸展

D 頚部屈曲

27 頭部外傷により意識のない自発呼吸のある4歳の子供の気管内挿管の手技でもっとも適切なものはどれか

A カフなしチューブで経口挿管

B カフなしチューブで経鼻挿管

C カフつきチューブで経口挿管

D カフつきチューブで経鼻挿管

28 骨髄輸注針施行時、第1選択の部位はどれか

A 脛骨中枢側

B 上腕骨末端

C 大腿中枢側

D 腓骨末端

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29 小児の外傷でイニシャルアセスメントの中でショックの信頼できる指標となるものはどれか

A 血圧

B 末梢血管再充填時間

C 頚動脈と橈骨動脈の比較

D 末梢動脈の数と性状

30 ライフルによる銃創でもっとも構造的なダメージをうけにくい臓器は以下のうちどれか

A 脾臓

B 腎臓

C 肝臓

D 肺

31 Golden Hourはいつから始まるか?

A 受傷時点から

B 救急隊が指令された時点から

C 現場に到着した時点から

D 現場から病院へ出発した時点から

32 自動車の後方からの衝撃による受傷でもっとも疑われる脊椎損傷の部位はどれか

A 頚椎

B 胸椎

C 腰椎

D 仙椎

33 34歳の男性、銃で右鼠径部を打たれた,創からは動脈性出血があり,直接圧迫により止血できない,患

者は混乱し,冷汗があり末梢の動脈は微弱である。輸液処置のうち,もっとも適切なものはどれか。

A 静脈路確保程度

B 末梢動脈の循環が最低限保たれる程度の輸液量

C 大量投与,すくなくとも2リットル以上し,再度患者を評価する

D この状態では静脈路確保をしない

34 以下のうち初期のショックでしばしば認められるものはどれか

A 心室性不整脈

B 低血圧

C 30から45%の血液喪失

D 脈圧の減少

Page 65: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

35 緊張性気胸はどのショックの分類となるか

A 心原性

B 低容量性

C 低酸素性

D 機械的

36 成人の予防可能な外傷死にもっとも多いものは何か?

A 気道障害

B 心タンポナーデ

C 出血性ショック

D 脊椎損傷

37 頚部固定の手技でもっとも簡便かつ,すぐに実施可能なものはどれか

A 頚椎カラー

B タオル,毛布を巻いたもの

C 砂嚢

D 両手か膝

38 以下のうち,迅速な救出に該当するものはどれか

A ラジエターから不凍液のもれ

B 麻痺した傷病者

C 有毒ガスの存在

D 妊娠した患者

39 神経源性ショック初期の典型的な症状はどれか

A 頻脈,冷たく湿った皮膚

B 頻脈,暖かく,乾いた皮膚

C 徐脈と冷たく湿った皮膚

D 徐脈と暖かく,乾いた皮膚

40 23歳の男性バイクの事故で負傷した。患者は指南力が低下し相当量の薬物を服用しているようだ。頭部

には大きな裂創があり動脈性に出血している。患者は処置を拒否し,触ろうとすると弁護士に訴えると脅し

ている。次にどうするべきか?

A 彼の弁護士に電話することを許可する

B 辞退書に署名をとり,好きにさせる。

C 警察官の保護の下に処置を行い,必要ならば拘束を行い搬送する

D 頭部外傷,出血が治まるまで待って搬送する。

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41 23歳の男性,自動車事故で胸部に鈍的外傷を負った,現場で挿管した。搬送途上,パラメディックはバ

ッグに抵抗を感じた。この場合考えられる原因はどれか?

A 心タンポナーデ

B フレイルチェスト

C 開放性気胸

D 緊張性気胸

42 緊張気胸の脱気で針を刺すもっとも適切な部位はどれか

A 第2肋骨の下,鎖骨中線上

B 第3肋骨の下,鎖骨中線上

C 第3肋骨上,鎖骨中線上

D 第3肋骨上,中腋窩線上

43 以下のうち頸静脈の怒張が認められるのはどれか?

A フレイルチェスト

B 血胸

C 開放性気胸

D 緊張性気胸

44 胸骨の単独骨折で現場における処置で適切な処置はどれか

A 心電図モニター

B 大量輸液

C 骨折部を用手的に圧迫固定

D 砂嚢とテープによる骨折部の固定

45 54歳男性自動車事故により負傷,ハンドルは変形し,イニシャルアセスメントで皮膚は蒼白で,吸気時

に橈骨動脈拍動の消失がある。これらから考えられるのはどれか?

A 心挫傷

B 心タンポナーデ

C フレイルチェスト

D 緊張性気胸

46 外傷患者における心停止に多い原因はどれか

A 脳損傷

B 低酸素

C 心筋挫傷

D 心室性不整脈

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47 49歳の男性自動車事故で負傷,先着隊がCPRを実施,腹部の膨隆と明らかな骨盤の変形,心電図は心

静止であった。適切な行動はどれか?

A 静脈路確保し,20ml/kgをボーラスで投与する

B 静脈路確保し,1リットルをボーラスで投与する

C 静脈路確保し,2から4リットルをボーラスで投与する

D 蘇生処置を中止し,死亡宣告する

48 胎児の死亡にもっとも多い原因はどれか

A 母親の死亡

B 胎児の血液の喪失

C 胎児の頭部外傷

D 子宮への穿通性外傷

49 子宮が臍部で触れるのは妊娠何月目以上の妊婦か

A 3

B 5

C 7

D 9

50 妊婦の熱傷におけるショックの処置に関する記述で正しいものはどれか

A 胎児に対する酸素の毒性を回避するために酸素投与は控えめにする

B 胎児への循環を改善するためにドーパミン等の昇圧剤を使用する

C 早期から大量の輸液を行う

D 胎児への輸液過剰を防ぐために,輸液負荷は緩徐に行う。

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BTLS アドバンスト プレテスト

アメリカの一般的な救急救命士の処置範囲を想定した問題です。

気管内挿管、輸液路確保、ショックに対する輸液、緊張性気胸に対する針脱気、骨髄輸注針を使用しての輸液、

緊急治療に必要な薬剤の使用、血糖値の測定が含まれております。

1 15歳の少年、火遊びをしていて爆発、負傷した。皮膚は冷たく、冷汗をかいている。末梢の脈拍は微弱で

あった。腹部には長さが24センチの金属片が刺さっている。以下の処置で正しいものを選べ。

A 金属片がしっかりと安定するように、愛護的に動かす。 ×

B 金属片を取り除き、創の状況を確認する。 ×

C 金属片の取り除き、刺入の深さを確認する。 ×

D そのままの位置で固定する。 ○

2 後腹膜腔に存在する臓器はどれか。

A 腎臓 ○ 後腹膜腔(腎臓、膵臓、大血管)

B 肝臓 × 腹腔(肝臓、胃、小腸、大腸、脾臓)

C 胃 × 腹腔(肝臓、胃、小腸、大腸、脾臓)

D 子宮 × 骨盤空(直腸、膀胱、子宮、卵巣)

3 34歳の男性、自動車事故で負傷、腹部の痛みを除いて外傷観察の結果異常はない。末梢血管再充填時間は

正常で、搬送中のバイタルサインは、血圧100/60,脈拍は120,RR28,循環に対する処置で適切

なものはどれか

A 0.9%生理食塩水で静脈路確保しゆっくり落とす。 ×

B 乳酸リンゲルを20mg/Kg迅速に投与する。 ×

C ショックパンツを装着し,3つのパートを加圧する ×

D ショックパンツを装着し,足部のみを加圧する。 ○

4 過換気の定義として正しいものはどれか

A 呼吸数が30/分以上のもの ×

B 一回換気量が800ccよりも大きいもの ×

C SpO2が96%以上のもの ×

D PaCO2が35mmHgより少ないもの ○

5 ポケットマスクの記述で正しいものはどれか

A 最大30%の酸素投与が出来る。 ×

B バッグマスクより多くの量を吹き込むことが出来る。 ○

C バッグマスクよりも取り扱いが難しい。 ×

D 外傷患者の初期の換気には適さない。 ×

低換気や過換気は、酸素化とは無関係で、維持さ

れる二酸化炭素分圧の値で決まる。二酸化炭素分

圧が 35mmHg以下なら過換気で、40mmHg以上

なら低換気。(正常値は 35mmHg~40mmHg)

BWM の容量は 1800cc しかない。ポ

ケットマスクは、BVMよりずっと多

くの換気量を稼ぐことが出来る。ま

た、多くのタイプの患者の初期換気に

適している

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6 セリック法とは何か?

A 両手でマスクホールドする方法 ×

B 分時換気量の計算式 ×

C 陽圧換気を行う方法 ×

D 輪状軟骨を背側へ押し付ける方法 ○

7 平均的成人における,門歯から声帯までの距離は何センチか?

A 10 ×

B 15 ×

C 20 ○

D 25 ×

8 有効なワクチンのあるウイルスはどれか?

A D型肝炎 ×

B B型肝炎 ○

C C型肝炎 ×

D HIV ×

9 頭部全体,右下肢の全面,背部全面に熱傷を負った小児の熱傷面積は何%か?

A 30 ×

B 40 ×

C 50 ○

D 60 ×

10 感電の合併症で最も緊急度の高いものはどれか?

A 不整脈 ○

B 頚椎損傷 ×

C 低容量性ショック ×

D 腎不全 ×

11 16歳の少女,燃えている家から救出された。全体で25%の部分的に深い熱傷を負っている。適切な

処置はどれか?

A 触って冷たくなるまで氷を当てる ×

B 流水で1分間,熱傷部位を冷却する ×

C 触って冷たくなるまで,流水で熱傷部位を冷却する ×

D 清潔なシーツ以外熱傷部位に当ててはいけない ○

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12 高齢者の外傷で最もよく起こりやすい兆候はどれか

A 低血圧 ○

B 下肢の浮腫 ×

C 皮膚の柔軟性の喪失 ×

D 口呼吸 ×

13 切断指の搬送中の取扱い方法で正しいものはどれか

A 氷で直接冷やす ×

B 生理食塩水に入れる ×

C ドライアイスの入ったナイロン袋に入れる ×

D ナイロン袋に入れて氷水の中に入れる ○

14 前腕骨折の処置で正しいものはどれか?

A 肘と骨折部を固定する ×

B 骨折部を固定する ×

C 手首と骨折部を固定する ×

D 手首と骨折部と肘を固定する ○

15 21歳男性,大学の運動選手,肘を負傷した,観察結果,肘の脱臼が認められる。

末梢の脈拍と感覚はある。 以下の処置で正しいものはどれか。

A エアスプリントを装着する ×

B 愛護的に牽引する。 ×

C もっとも痛みの少ない位置で固定する。 ○

D 少し不快となるまでまっすぐにしてから固定する。 ×

16 43歳の男性,自動車事故の現場で立っているのを発見された。しきりに「何があったのか?」という質

問を繰り返している。目撃者によると,衝突の直後,1分間は意識が無かったとのことである。前額部に挫

傷,軽いめまいとむかつきを訴えている。神経学的所見に異常なく,バイタルサインにも異常は無い。かれ

の行動を説明するのにもっとも適しているものはどれか?

A アルコール又は薬剤の中毒 ×

B 脳震盪 ○

C 神経原性ショック ×

D 心因性ショック ×

下肢の浮腫は、静脈瘤や活動性の低下による静脈のうっ滞よって

も発生する。皮膚弾性の消失や口呼吸が必ずしも脱水を意味する

ものではない。(これは、高齢ならば特段、何かの侵襲が無くても

おきると解釈する。)

エアスプリント(エアバンテージ)は四肢の

骨折を整復してから使用するのはよいが、脱

臼では痛みの少ない位置で固定するのがよ

い。

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17 頭部外傷の患者でルーチンに行ってはならない処置はどれか?

A 100%酸素の投与 ×

B 低血圧の場合に血圧を100から110に保つように輸液を行うこと ×

C 過換気 ○

D 頚椎固定 ×

18 頭部の単独外傷で頭蓋内圧亢進症状を呈している場合に見られるバイタルサインの組み合わせはどれか?

A 血圧80/60,脈拍50 ×

B 血圧80/60,脈拍130 ×

C 血圧170/100,脈拍50 ○

D 血圧170/100,脈拍130 ×

19 以下の外傷想定で「Load & Go」と考えられるものはどれか?

A 意識は清明で,片側の耳からの出血が続いている患者。 ×

B 一時的な意識消失があったが,今は覚醒している患者。 ×

C 腹部の圧痛があり,冷たくしっとりとした皮膚であり,血圧が100/70脈拍は130の患者 ○

D 下腿の痛みと変形をともなう患者。 ×

20 「Load & Go」状態の患者で救急車に収容する前に現場で実施する処置は?1つ選べ

A トラクションスプリントを大腿骨折に装着する ×

B 緊張性気胸を脱気する ×

C 静脈路確保する ×

D バイタルサインをとる ○

21 イニシャルアセスメントを中断する理由に該当するものを1つ選べ

A 心停止 ○

B 複数の開放性骨折 ×

C 脳実質が露出している重度の頭部外傷 ×

D 重度のショック ×

22 24歳の女性4階の窓から飛び降りて,歩道に倒れているのを発見された。彼女は低血圧で,冷汗があり

頻脈で,意識が無い。頭蓋骨の開放性骨折,骨盤骨折,フレイルチェストの外傷がある。現場における滞在時間

は?

A 5分またはそれ以下 ○

B 5分から10分 ×

C 10分から15分 ×

D 評価と患者の安定を図るためにできるだけ長く ×

過換気は、動脈血炭酸ガス分圧が低下、脳血管は収縮、脳血管床が減少する。その結果頭蓋内圧血

液量が減少し頭蓋内圧が減少する。しかし、過度の過換気状態は脳血流の低下を招き有害である。

頭蓋内圧亢進症状:頭痛、嘔吐、クッシング現象(除

脈と高血圧)

重篤な患者は、現場ではトラクションス

プリントを使用してはならない。(時間

がかかるから)

イニシャルアセスメント(初期観察)を中断出来る

のは、気道閉塞や心肺停止に対する処置を行う場合

のみである。

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23 安定しているように見える患者が「Load & Go」状態になりうるものは次のうちどれか

A 両鎖骨の骨折 ×

B 両大腿骨の骨折 ○

C 両上腕骨の骨折 ×

D 両脛骨骨折 ×

24 以下の,うちどれが「Load & Go」になるか

A 墜落の負傷でしばらくノックアウトされたような状態であったが,意識が清明であるもの。×

B 両下腿の骨折でバイタルサインに異常のないもの ×

C 胸部の銃創でショック状態 ○

D 60%の3度熱傷 ×

25 子供の墜落外傷でもっとも一般的な外傷部位はどこか

A 四肢 ×

B 腹部 ×

C 頭部 ○

D 胸部 ×

26 外傷を負った意識のない子供の傷病者で以下のうちで最もよい気道確保の方法はどれか

A 頭部後屈 ×

B 修正下顎挙上法 ○

C 頚部伸展 ×

D 頚部屈曲 ×

27 頭部外傷により意識のない自発呼吸のある4歳の子供の気管内挿管の手技でもっとも適切なものはどれか

A カフなしチューブで経口挿管

B カフなしチューブで経鼻挿管

C カフつきチューブで経口挿管

D カフつきチューブで経鼻挿管

28 骨髄輸注針施行時、第1選択の部位はどれか

A 脛骨中枢側

B 上腕骨末端

C 大腿中枢側

D 腓骨末端

大腿骨の骨折では、一肢につき約1ℓ 程度の出血を伴う。したがっ

て、両側の骨折では致命的な出血となることがある。

重傷熱傷患者であっても受傷直後に死亡することはまれである。

そのため重症度は高いが、緊急度はそれほど高くない

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29 小児の外傷でイニシャルアセスメントの中でショックの信頼できる指標となるものはどれか

A 血圧 ×

B 末梢血管再充填時間 ○

C 頚動脈と橈骨動脈の比較 ×

D 末梢動脈の数と性状 ×

30 ライフルによる銃創でもっとも構造的なダメージをうけにくい臓器は以下のうちどれか

A 脾臓 ×

B 腎臓 ×

C 肝臓 ×

D 肺 ○

31 Golden Hourはいつから始まるか?

A 受傷時点から ○

B 救急隊が指令された時点から ×

C 現場に到着した時点から ×

D 現場から病院へ出発した時点から ×

32 自動車の後方からの衝撃による受傷でもっとも疑われる脊椎損傷の部位はどれか

A 頚椎 ○

B 胸椎 ×

C 腰椎 ×

D 仙椎 ×

33 34歳の男性、銃で右鼠径部を打たれた,創からは動脈性出血があり,直接圧迫により止血できない,患

者は混乱し,冷汗があり末梢の動脈は微弱である。輸液処置のうち,もっとも適切なものはどれか。

A 静脈路確保程度 ×

B 末梢動脈の循環が最低限保たれる程度の輸液量 ○

C 大量投与,すくなくとも2リットル以上し,再度患者を評価する ×

D この状態では静脈路確保をしない ×

34 以下のうち初期のショックでしばしば認められるものはどれか

A 心室性不整脈 ×

B 低血圧 ×

C 30から45%の血液喪失 ×

D 脈圧の減少 ○

小児は成人の場合と異なり、リフティングタイムは早期ショ

ックの検出に有用であると考えられている。

銃創の損傷程度は、被弾組織の密度と弾性に比例する。脾臓、腎

臓、肝臓は比較的、弾性が乏しいため損傷程度は高くなる。一方、

空気が充満している肺では、その損傷程度は低い。

カテコールアミンが分泌されると血管収縮等が起きる。血管収

縮は収縮期血圧よりも拡張期血圧を上げるため、ほとんどの場

合、初期には脈圧の狭小化が起きる

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35 緊張性気胸はどのショックの分類となるか

A 心原性 ○

B 低容量性 ×

C 低酸素性 ×

D 機械的 ◎

36 成人の予防可能な外傷死にもっとも多いものは何か?

A 気道障害 ○

B 心タンポナーデ ×

C 出血性ショック ×

D 脊椎損傷 ×

37 頚部固定の手技でもっとも簡便かつ,すぐに実施可能なものはどれか

A 頚椎カラー ×

B タオル,毛布を巻いたもの ×

C 砂嚢 ×

D 両手か膝 ○

38 以下のうち,迅速な救出に該当するものはどれか

A ラジエターから不凍液のもれ ×

B 麻痺した傷病者 ×

C 有毒ガスの存在 ○

D 妊娠した患者 ×

39 神経源性ショック初期の典型的な症状はどれか

A 頻脈,冷たく湿った皮膚 ×

B 頻脈,暖かく,乾いた皮膚 ×

C 徐脈と冷たく湿った皮膚 ×

D 徐脈と暖かく,乾いた皮膚 ○

40 23歳の男性バイクの事故で負傷した。患者は指南力が低下し相当量の薬物を服用しているようだ。頭部

には大きな裂創があり動脈性に出血している。患者は処置を拒否し,触ろうとすると弁護士に訴えると脅し

ている。次にどうするべきか?

A 彼の弁護士に電話することを許可する ×

B 辞退書に署名をとり,好きにさせる。 ×

C 警察官の保護の下に処置を行い,必要ならば拘束を行い搬送する ○

D 頭部外傷,出血が治まるまで待って搬送する。 ×

1 傷肺の虚脱による酸素化障害と縦隔の偏位、胸腔内圧上昇による静脈環

流の減少により心原性ショックになる。

2 機械的(閉塞性)ショックである。

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41 23歳の男性,自動車事故で胸部に鈍的外傷を負った,現場で挿管した。搬送途上,パラメディックはバ

ッグに抵抗を感じた。この場合考えられる原因はどれか?

A 心タンポナーデ ×

B フレイルチェスト ×

C 開放性気胸 ×

D 緊張性気胸 ○

42 緊張気胸の脱気で針を刺すもっとも適切な部位はどれか

A 第2肋骨の下,鎖骨中線上 ×

B 第3肋骨の下,鎖骨中線上 ×

C 第3肋骨上,鎖骨中線上 ×

D 第3肋骨上,中腋窩線上 ○

43 以下のうち頸静脈の怒張が認められるのはどれか?

A フレイルチェスト ×

B 血胸 ×

C 開放性気胸 ×

D 緊張性気胸 ○

44 胸骨の単独骨折で現場における処置で適切な処置はどれか

A 心電図モニター ×

B 大量輸液 ×

C 骨折部を用手的に圧迫固定

D 砂嚢とテープによる骨折部の固定 ×

45 54歳男性自動車事故により負傷,ハンドルは変形し,イニシャルアセスメントで皮膚は蒼白で,吸気時

に橈骨動脈拍動の消失がある。これらから考えられるのはどれか?

A 心挫傷 ×

B 心タンポナーデ ○

C フレイルチェスト ×

D 緊張性気胸 ×

46 外傷患者における心停止に多い原因はどれか

A 脳損傷

B 低酸素 ×

C 心筋挫傷

D 心室性不整脈 ×

心タンポナーデでは、ベックの三徴(静脈圧上昇、低血圧、心音減弱)奇脈、

頸静脈怒張、中心静脈圧上昇がある。

奇脈は吸気時に末梢で脈が触れない。

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47 49歳の男性自動車事故で負傷,先着隊がCPRを実施,腹部の膨隆と明らかな骨盤の変形,心電図は心

静止であった。適切な行動はどれか?

A 静脈路確保し,20ml/kgをボーラスで投与する ×

B 静脈路確保し,1リットルをボーラスで投与する

C 静脈路確保し,2から4リットルをボーラスで投与する ×

D 蘇生処置を中止し,死亡宣告する ×

48 胎児の死亡にもっとも多い原因はどれか

A 母親の死亡

B 胎児の血液の喪失 ×

C 胎児の頭部外傷 ×

D 子宮への穿通性外傷 ×

49 子宮が臍部で触れるのは妊娠何月目以上の妊婦か

A 3 ×

B 5 ○

C 7 ×

D 9 ×

50 妊婦の熱傷におけるショックの処置に関する記述で正しいものはどれか

A 胎児に対する酸素の毒性を回避するために酸素投与は控えめにする ×

B 胎児への循環を改善するためにドーパミン等の昇圧剤を使用する ×

C 早期から大量の輸液を行う

D 胎児への輸液過剰を防ぐために,輸液負荷は緩徐に行う。 ×

子宮低は妊娠5ヶ月で臍の高さ、妊娠7か月では心窩部まで達する。

妊婦は循環血液量の 30~35%を失って初めて低血圧を呈するから、妊婦の血圧が有意に低下して

いる場合は、すでにかなりの量が失われているため早期から大量の輸液が必要となる可能性が高

い。

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JPTEC Pre-Test 2

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1. 15歳の少年が爆傷を負った。発汗、四肢冷感があり末梢の脈は弱い。 腹部に15cmの金属が刺さっている。腹部の金属の処置はどのようにするのが 適切か?

A. しっかり固定されるように愛護的に動かす。 B. 浅く刺さっているようなら引き抜く。 C. 刺さっている深さに関わらず抜く。 D. そのままの位置で固定する。

2. 後腹膜腔に存在する臓器はどれか? A. 腎臓 B. 肝臓 C. 胃 D. 子宮

3. 初期評価のときにどれが気道確保の手段として適切か A. 顎先挙上 B. 顎先ひきあげ C. 修正下顎挙上 D. 経口または経鼻エアウェイ

4. 外傷患者の現場活動ついて適切なものはどれか? A. 首の痛みを訴えていたが、歩けるので、歩いて救急車に乗ってもらった。 B. 救急車到着時歩いてきた患者にもその場で初期評価をした。 C. 意識の悪い外傷患者の右下肢の骨折に現場で副子固定をした。 D. ショック状態だが呼吸は安定しているので現場で酸素投与はしなかった。

5. 呼吸回数が1分間に6回の患者がいた。酸素投与はどのようにして行うか? A. リザーバーマスクで1分間に12L B. 経鼻カヌラで6L C. ベンチュリーマスクで40% D. リザーバ付バッグバルブマスクで換気をしつつ酸素投与

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6. つぎのうち高エネルギー外傷でないのはどれか A. 歩行者が車にはねられ5m飛ばされた。 B. 衝突事故で車の前部が20cm変形している。 C. 衝突事故で車から外へ飛び出して倒れている。 D. 車が横転している。

7. 外傷に関する統計で正しいのはどれか? A. 死因統計(厚生省 2001年)によれば、不慮の事故による死亡は 第2位である。

B. 不慮の事故死は 1~24歳では死因順位の第3位(厚生省 2001年)である。 C. 交通事故死は年々増加傾向にある。 D. 高齢者より若年者のほうが不慮の事故の死因順位が高い。

8. つぎのうち正しいのはどれか A. 外傷のプレホスピタルケアでは重症度の過小評価(アンダートリアージ)は問題視されない。

B. 手術室で止血処置が必要な、腹腔内出血が疑われる傷病者は搬送に10分かかる直近の2次病院よりも15分かかるが即座に手術ができる3次病院

の方が搬送先としては適切である。 C. 防ぎえた外傷死は受傷直後に起きることが多い。 D. 防ぎえた外傷死は、日本では20%以下と考えられる。

9. 有効なワクチンがあるのはどれか? A. デルタ肝炎 B. B型肝炎 C. C型肝炎 D. HIV

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10. 次の内で後期ショックの状態に典型的な所見はどれか? A. 頻脈、冷たく湿った皮膚 B. 頻脈、あたたかい乾いた皮膚 C. 徐脈、冷たく湿った皮膚 D. 徐脈、暖かい乾いた皮膚

11. 顔面、頚部、胸部、背部に熱傷をおった患者を治療している。 最初になすべきことはなにか?

A. 熱傷面積を計算する。 B. 熱傷部位を覆う C. 呼吸状態の評価 D. ショックの治療

12. 自動車が高圧電線に激突した。高圧電線が車にかかっていて、 傷病者が中に閉じ込められている。次に何をするべきか?

A. 電力会社に電話をして電気を止めてもらう。 B. 電線に触れないようにして患者を救出する。 C. 電線を電線バサミ、ゴム手袋で取り除く D. 電線を電線バサミ、ゴム手袋、ゴム長靴で取り除く

13. 高齢者の外傷に関して正しいのはどれか? A. 高齢者では、若年者に比して内臓の出血は少ない。 B. 熱傷では、高齢者は、若年者よりも予後が良い。 C. 同様の外傷をおった場合高齢者は若年者よりも死亡率が高い。 D. 自動車事故は高齢者では少ない受傷機転である。

14. 長幹骨を適切に固定するには A. 体幹に近い関節を固定する B. 骨折部位のみを固定 C. 骨折部の前後の骨を固定する D. 骨折部位と近位、遠位の関節を固定する。

Page 81: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

15. 次の骨折でもっとも内出血が多いのは A. 大腿骨 B. 上腕骨 C. ヒ骨、けい骨 D. 多発骨盤骨折

16. 両側の単純大腿骨折でどのくらいの失血量が推定されるか? A. 3L B. 0.5L C. 1L D. 2L

17. 頭蓋内圧亢進をともなった頭部外傷では次のどんな観察所見が得られることが多いか?

A. 頻脈、高血圧 B. 頻脈、低血圧 C. 徐脈、高血圧 D. 徐脈、低血圧

18. 自動車事故で目の周りが黒くなり、左の耳から出血していた。どんな損傷が考えられるか?

A. 頭蓋底骨折 B. 陥没骨折 C. 硬膜外出血 D. 硬膜下出血

19. 頭蓋内圧が上昇した時に脈圧はどう変化するか? A. 減少する B. 増大する C. 人によりいろいろ D. 変化なし

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20. 20歳の女性が3階の窓から転落した。明らかな外傷はないようだ。搬送中の観察で呼吸数は36回/分、脈拍は148回/分に上昇した。次に何をすべきか?

A. ショックパンツを着用しサイレンをならして病院に急行 B. バッグバルブマスクで換気 C. 継続観察 D. 詳細観察

21. オートバイの事故で貴方が全身観察をしている。首の観察をしているときに同僚が両下肢の開放性骨折を発見した。次に何をすべきか?

A. 足の傷の被覆とスプリント B. ショックパンツを使用して足だけ膨らませる。 C. 全身観察を続ける。 D. すぐロードアンドゴー

22. 初期評価を中止する所見はどれか? A. 処置で改善しない気道閉塞 B. あえぎ呼吸 C. 腹部の穿通異物 D. 非常に弱い脈

23. 頭部を銃で撃たれた女性が意識ない状態で発見された。首は固定されており気道は開通している。脈拍数は124/分ですが呼吸をしていない。次に何をするか?

A. 換気を試みる B. 病院に連絡し脳外科医に準備してもらう C. 無視して一次観察を続ける D. すぐロードアンドゴー

Page 83: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

24. 26歳の男性が3階の窓から転落しました。首の固定をしているときに頚動脈の脈が非常に弱く速いことに気がついた。次に何をしますか?

A. ショックパンツを装着 B. 全身観察を続ける C. ショックの原因がわかるまで一次観察を中止する。 D. すぐ搬送

25. 化学工場の爆発と火災で受傷した男性がいます。観察中でどのような所見があればロードアンドゴーの状態になるでしょうか?

A. 眼の化学熱傷 B. 意識レベルの低下 C. 上肢の骨折 D. 30% の3度熱傷

26. 現場活動で適切なのはどれか? A. 腹臥位で、呼吸がない患者を背部の観察をせずに仰臥位にログロールした。 B. 腹臥位でヘルメットが脱げかけている傷病者をヘルメット装着のまま

ログロールした。 C. メガネをつけたままヘルメットを脱がした。 D. ヘルメットをつけていると気道の評価がしにくいので常に初期評価の

前にヘルメットは脱がす。

27. 観察の結果ロードアンドゴーの状態でないのは、どの状態か? A. 呼吸状態が良くない交通事故患者 B. 胸部への銃創があり脈が速くショック状態の患者 C. 10%の酸による熱傷をおった実験室で働いている研究者 D. 意識がないオートバイ事故の患者

Page 84: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

28. ビルの屋上からの転落。初期評価後、四肢の感覚がないと訴える。次に何をすべきか?

A. 全身観察をする。 B. 脳浮腫を防ぐため過換気にする。 C. 速やかに頚椎カラーを装着し、バックボードに固定する。 D. すぐにロードアンドゴー

29. 小児の頭部外傷のときに容態の変化を観察するのにもっとも有用なのはどれか? A. 嘔吐の頻度 B. 意識レベル C. 反射 D. 知覚の観察

30. 意識のない小児の外傷患者において気道を確保するのにもっとも適切な方法は何か?

A. 頭部後屈 B. 修正下額挙上 C. 首の伸展 D. 首を挙上

31. 小児が高所から墜落した時にもっとも多い損傷部位はどこか? A. 四肢 B. 腹部 C. 頭部 D. 胸部

32. 小児の外傷患者でショックを認識するのにもっとも有用な指標はどれか? A. 血圧 B. 毛細血管再充填時間(capillary refill) C. 頚動脈と橈骨動脈の比較 D. 橈骨動脈の脈の速さと質

Page 85: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

33.どの部分の脊椎が車の追突事故の患者で損傷を受けやすいか? A. 頚椎 B. 胸椎 C. 腰椎 D. 仙骨、腸骨

34. 80km/hで進行中の車が塀にぶつかった。シートベルトをしていないドライバーはハンドルで胸部を打った。胸部がハンドルに当たった瞬間に、ドライバーの胸

腔内の臓器はどんなスピードで動くか? A. 全く動かない B. 40km/hのスピードで前方に C. 80km/hのスピードで前方に D. 160km/hのスピードで前方に

(車のスピード+ドライバーのスピード)

35. 墜落の損傷を規定するのに重要な因子は A. 高さ、当たった場所、地面の状態 B. 当たった場所、着ていた衣服、地面の状態 C. 高さ、落下中の動き、基礎疾患 D. 高さ、地面の状態、基礎疾患

36. ゴールデンアワーは何時始まるか? A. 受傷時 B. 出動指令が出た時 C. 現場到着時 D. 病院に向けて現場を出発した時

37. 速い脈、正常な血圧はどういう状況を意味するか? A. 早期の出血性ショック B. 早期の神経原性ショック C. 後期の熱傷によるショック D. 後期の出血性ショック

Page 86: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

38. 早期ショックに一般的に見られるのはどれか? A. 心室性不整脈 B. 低血圧 C. 30 to 45%の血液の喪失 D. 脈圧の狭小化

39. 次の内のどれが成人の防ぎえた外傷死の原因で最も多いか? A. 緊張性気胸 B. 心タンポナーデ C. 出血性ショック D. 脊髄損傷

40. 緊張性気胸はどのタイプのショックに分類されるか? A. 心原性 B. 循環血液量減少性 C. 機械的(閉塞性) D. 低酸素性

41. 次の受傷機転のうちどれが脊椎固定の必要性がもっとも乏しいか? A. 14歳の男性が以前に捻挫した右足首をバスケット中にひねって右足首に変形のある状態。

B. 24歳の男性が喧嘩で殴られ意識が悪い。 C. 15歳の女性がスケート中に転倒した。意識の消失はなく不安がっている。

四肢の痺れを訴えている。 D. 12歳の子供が裏庭のプールで溺れた。

42. 妊婦の自動車事故。壊れた車の運転席に座っている状態で発見された。車から火の手が上がっている。どうやって患者を救出するか?

A. ショートバックボードを使用 B. ロングバックボードを使用 C. ショートバックボードを使用しロングバックボードに移す。 D. 迅速救出法

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43. 頚椎の保護を観察および搬送の準備の時に継続して施行するのは重要である。 なぜか?

A. 頚椎損傷に関して高い頻度で訴訟の可能性があるから B. 頚椎の固定をしないと患者に永遠に脊髄損傷をきたす可能性が大きくなる。

C. ほとんどの外傷患者は痙攣を起こしやすいので D. 誰かが頭のそばで患者に話し掛けてあげることが重要

44. 神経原性ショックで典型的な所見は? A. 徐脈、冷たく湿った皮膚 B. 徐脈、暖かい乾いた皮膚 C. 頻脈、冷たく湿った皮膚 D. 頻脈、暖かく乾いた皮膚

45. 現場評価について誤っているのはどれか? A. 重傷外傷が通報から予測されたため現場に向かう前に感染防御

(手袋、ゴーグル)した。 B. 衝突事故で、激しく壊れた車のなかでぐったりしている傷病者が 2人いた

ので、患者に接触する前に、救助隊、救急隊の応援を要請した。 C. 外傷患者の救護に向かう際は吸引器は重いので通常携行しない。 D. 他に傷病者がいないか常に確認する必要がある。

46. 外傷患者が一次観察で次の所見があった。呼吸困難、弱くて速い脈、頚静脈は平坦、気管は正中、左胸部で呼吸音は減弱、奇異性呼吸なし。もっとも考えやすい外傷は

なにか? A. 心タンポナーデ B. フレイルチェスト C. 緊張性気胸 D. 大量血胸

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47. 次のうちのどの状態が頚静脈の怒張を伴いやすいか? A. フレイルチェスト B. 血胸 C. 開放性気胸 D. 緊張性気胸

48. 32歳の男性が運転中自動車事故にあった。ハンドルが曲がっていた。初期評価で脈は弱く頻脈だった。橈骨動脈の拍動が吸気時に消失する。これらの所見から次の

どの損傷が考えやすいか? A. 心挫傷 B. 心タンポナーデ C. フレイルチェスト D. 緊張性気胸

49. 妊婦の低血圧を伴った外傷患者は左にやや傾けて搬送するが、これは子宮が何を圧迫するのを避けるためか?

A. 大動脈 B. 腎臓 C. 脊椎 D. 下大静脈

50. 胎児の外傷による死亡で最も多い原因は何か? A. 母体の死亡 B. 胎児の出血 C. 胎児の頭部外傷 D. 子宮への穿通性外傷

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JPTEC Pre-Test 2

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1. 15歳の少年が爆傷を負った。発汗、四肢冷感があり末梢の脈は弱い。 腹部に15cmの金属が刺さっている。腹部の金属の処置はどのようにするのが 適切か?

A. しっかり固定されるように愛護的に動かす。 × B. 浅く刺さっているようなら引き抜く。 × C. 刺さっている深さに関わらず抜く。 × D. そのままの位置で固定する。 ○

2. 後腹膜腔に存在する臓器はどれか? A. 腎臓 ○ 後腹膜腔(腎臓、膵臓、大血管) B. 肝臓 × 腹腔(肝臓、胃、小腸、大腸、脾臓) C. 胃 × 腹腔(肝臓、胃、小腸、大腸、脾臓) D. 子宮 × 骨盤空(直腸、膀胱、子宮、卵巣)

3. 初期評価のときにどれが気道確保の手段として適切か A. 顎先挙上 × B. 顎先ひきあげ × C. 修正下顎挙上 ○(BTLSでは) D. 経口または経鼻エアウェイ ×

4. 外傷患者の現場活動ついて適切なものはどれか? A. 首の痛みを訴えていたが、歩けるので、歩いて救急車に乗ってもらった。× B. 救急車到着時歩いてきた患者にもその場で初期評価をした。 ○ C. 意識の悪い外傷患者の右下肢の骨折に現場で副子固定をした。 × D. ショック状態だが呼吸は安定しているので現場で酸素投与はしなかった。×

5. 呼吸回数が1分間に6回の患者がいた。酸素投与はどのようにして行うか?p83 A. リザーバーマスクで1分間に12L × B. 経鼻カヌラで6L × C. ベンチュリーマスクで40% × D. リザーバ付バッグバルブマスクで換気をしつつ酸素投与 ○

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6. つぎのうち高エネルギー外傷でないのはどれか A. 歩行者が車にはねられ5m飛ばされた。 × B. 衝突事故で車の前部が50cm変形している。 ○p28 C. 衝突事故で車から外へ飛び出して倒れている。 × D. 車が横転している。 ×

7. 外傷に関する統計で正しいのはどれか?p244 A. 死因統計(厚生省 2001年)によれば、不慮の事故による死亡は第 5位である。 × B. 不慮の事故死は 1~19歳では死因順位の第 1位(厚生省 2001年)である。 × C. 交通事故死は昭和 40年をピークに減少傾向だったが、最近では増加している。 × D. 高齢者より若年者のほうが不慮の事故の死因順位が高い。 ○

8. つぎのうち正しいのはどれか A. 外傷のプレホスピタルケアでは重症度の過小評価(アンダートリアージ)は問題視されない。 ×

B. 手術室で止血処置が必要な、腹腔内出血が疑われる傷病者は搬送に10分かかる直近の2次病院よりも15分かかるが即座に手術ができる3次病院の方が搬送先とし

ては適切である。○(トラウマバイパス)p11 C. 防ぎえた外傷死は受傷直後に引き続く二次性で起きることが多い。×p62 D. 防ぎえた外傷死は、日本では 38.6%にも上がると考えられる。×p246

9. 有効なワクチンがあるのはどれか? A. デルタ肝炎 × B. B型肝炎 ○ C. C型肝炎 × D. HIV ×

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10. 次の内で後期ショックの状態に典型的な所見はどれか?P51 A. 頻脈、冷たく湿った皮膚 × B. 頻脈、あたたかい乾いた皮膚 × C. 徐脈、冷たく湿った皮膚 ○ D. 徐脈、暖かい乾いた皮膚 ×

11. 顔面、頚部、胸部、背部に熱傷をおった患者を治療している。 最初になすべきことはなにか?

A. 熱傷面積を計算する。× B. 熱傷部位を覆う × C. 呼吸状態の評価 ○ D. ショックの治療 ×

12. 自動車が高圧電線に激突した。高圧電線が車にかかっていて、傷病者が中に閉じ込められている。次に何をするべきか?

A. 電力会社に電話をして電気を止めてもらう。 ○ B. 電線に触れないようにして患者を救出する。 × C. 電線を電線バサミ、ゴム手袋で取り除く × D. 電線を電線バサミ、ゴム手袋、ゴム長靴で取り除く ×

13. 高齢者の外傷に関して正しいのはどれか? A. 高齢者では、若年者に比して内臓の出血は少ない。 × B. 熱傷では、高齢者は、若年者よりも予後が良い。 × C. 同様の外傷をおった場合高齢者は若年者よりも死亡率が高い。 ○ D. 自動車事故は高齢者では少ない受傷機転である。 ×

14. 長幹骨を適切に固定するには A. 体幹に近い関節を固定する × B. 骨折部位のみを固定 × C. 骨折部の前後の骨を固定する × D. 骨折部位と近位、遠位の関節を固定する。 ○

Page 93: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

15. 次の骨折でもっとも内出血が多いのは ( )は開放骨折の場合 A. 大腿骨 ×1000ml(~2000 ml) B. 上腕骨 ×300ml(~500 ml) C. ヒ骨、けい骨 ×500ml(~1000 ml) D. 多発骨盤骨折 ○1000ml(~4000 ml)

16. 両側の単純大腿骨折でどのくらいの失血量が推定されるか? A. 3L × B. 0.5L × C. 1L × D. 2L ○

17. 頭蓋内圧亢進をともなった頭部外傷では次のどんな観察所見が得られることが多いか?

A. 頻脈、高血圧 × B. 頻脈、低血圧 × C. 徐脈、高血圧 ○ D. 徐脈、低血圧 ×

18. 自動車事故で目の周りが黒くなり、左の耳から出血していた。どんな損傷が考えられるか?

A. 頭蓋底骨折 ○ B. 陥没骨折 × C. 硬膜外出血 × D. 硬膜下出血 ×

19. 頭蓋内圧が上昇した時に脈圧はどう変化するか? A. 減少する × B. 増大する ○ C. 人によりいろいろ × D. 変化なし ×

頭痛、嘔吐、乳頭浮腫(うっ血乳頭):眼底を見

ると視神経の出口である視神経乳頭に浮腫が見

られる。外転神経麻痺(圧迫による)意識障害、

クッシング現象(頭蓋内圧亢進に伴う徴候で、血圧

の上昇、脈圧の増加、徐脈)

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20. 20歳の女性が3階の窓から転落した。明らかな外傷はないようだ。搬送中の観察で呼吸数は36回/分、脈拍は148回/分に上昇した。次に何をすべきか?

A. ショックパンツを着用しサイレンをならして病院に急行 × B. バッグバルブマスクで換気 ○ C. 継続観察 × D. 詳細観察 ×

21. オートバイの事故で貴方が全身観察をしている。首の観察をしているときに同僚が両下肢の開放性骨折を発見した。次に何をすべきか?

A. 足の傷の被覆とスプリント × B. ショックパンツを使用して足だけ膨らませる。 × C. 全身観察を続ける。 ○ D. すぐロードアンドゴー ×

22. 初期評価を中止する所見はどれか? A. 処置で改善しない気道閉塞 ○ B. あえぎ呼吸 × C. 腹部の穿通異物 × D. 非常に弱い脈 ×

23. 頭部を銃で撃たれた女性が意識ない状態で発見された。首は固定されており気道は開通している。脈拍数は124/分ですが呼吸をしていない。次に何をするか?

A. 換気を試みる ○ B. 病院に連絡し脳外科医に準備してもらう × C. 無視して一次観察を続ける × D. すぐロードアンドゴー ×

24. 26歳の男性が3階の窓から転落しました。首の固定をしているときに頚動脈の脈が非常に弱く速いことに気がついた。次に何をしますか?

A. ショックパンツを装着 × B. 全身観察を続ける ○ C. ショックの原因がわかるまで一次観察を中止する。 × D. すぐ搬送 ×

Page 95: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

25. 化学工場の爆発と火災で受傷した男性がいます。観察中でどのような所見があればロードアンドゴーの状態になるでしょうか?

A. 眼の化学熱傷 × B. 意識レベルの低下 ○ C. 上肢の骨折 × D. 30% の3度熱傷 ×

26. 現場活動で適切なのはどれか? A. 腹臥位で、呼吸がない患者を背部の観察をせずに仰臥位にログロールした。○ B. 腹臥位でヘルメットが脱げかけている傷病者をヘルメット装着のままログロールした。×

C. メガネをつけたままヘルメットを脱がした。× D. ヘルメットをつけていると気道の評価がしにくいので常に初期評価の前にヘルメットは脱がす。×

27. 観察の結果ロードアンドゴーの状態でないのは、どの状態か? A. 呼吸状態が良くない交通事故患者 × B. 胸部への銃創があり脈が速くショック状態の患者 × C. 10%の酸による熱傷をおった実験室で働いている研究者 ○ D. 意識がないオートバイ事故の患者 ×

28. ビルの屋上からの転落。初期評価後、四肢の感覚がないと訴える。次に何をすべきか?

A. 全身観察をする。 ○ B. 脳浮腫を防ぐため過換気にする。 × C. 速やかに頚椎カラーを装着し、バックボードに固定する。 × D. すぐにロードアンドゴー ×

29. 小児の頭部外傷のときに容態の変化を観察するのにもっとも有用なのはどれか? A. 嘔吐の頻度 × B. 意識レベル ○ C. 反射 × D. 知覚の観察 ×

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30. 意識のない小児の外傷患者において気道を確保するのにもっとも適切な方法は何か?P112

A. 頭部後屈 × B. 修正下顎挙上 ○ C. 首の伸展 × D. 首を挙上 ×

31. 小児が高所から墜落した時にもっとも多い損傷部位はどこか? A. 四肢 × B. 腹部 × C. 頭部 ○ D. 胸部 ×

32. 小児の外傷患者でショックを認識するのにもっとも有用な指標はどれか? A. 血圧 × B. 毛細血管再充填時間(capillary refill) ○ C. 頚動脈と橈骨動脈の比較 × D. 橈骨動脈の脈の速さと質 ×

33.どの部分の脊椎が車の追突事故の患者で損傷を受けやすいか? A. 頚椎 ○ B. 胸椎 × C. 腰椎 × D. 仙骨、腸骨 ×

34. 80km/hで進行中の車が塀にぶつかった。シートベルトをしていないドライバーはハンドルで胸部を打った。胸部がハンドルに当たった瞬間に、ドライバーの胸

腔内の臓器はどんなスピードで動くか? A. 全く動かない × B. 40km/hのスピードで前方に × C. 80km/hのスピードで前方に ○ D. 160km/hのスピードで前方に ×

(車のスピード+ドライバーのスピード)

運動の第一の法則:物体は外からの

力が働かない限り直線運動を続け

る(ニュートン)

小児においても下顎挙上法が第一選択

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35. 墜落の損傷を規定するのに重要な因子は A. 高さ、当たった場所、地面の状態 ○ B. 当たった場所、着ていた衣服、地面の状態 × C. 高さ、落下中の動き、基礎疾患 × D. 高さ、地面の状態、基礎疾患 ×

36. ゴールデンアワーは何時始まるか? A. 受傷時 ○ B. 出動指令が出た時 × C. 現場到着時 × D. 病院に向けて現場を出発した時 ×

37. 速い脈、正常な血圧はどういう状況を意味するか? A. 早期の出血性ショック ○ B. 早期の神経原性ショック × C. 後期の熱傷によるショック × D. 後期の出血性ショック ×

38. 早期ショックに一般的に見られるのはどれか? A. 心室性不整脈 × B. 低血圧 × C. 30 to 45%の血液の喪失 × D. 脈圧の狭小化 ○

39. 次の内のどれが成人の防ぎえた外傷死の原因で最も多いか? A. 緊張性気胸 × B. 心タンポナーデ × C. 出血性ショック ○ P101(BTLS) D. 脊髄損傷 ×

出血性のショックでは、早期は血圧を維持しようと交

感神経が有意となる。そのため脈拍が速くなり動脈が

十分に拡張しないうちに収縮するため最低血圧が高

くなり、拡張期が短くなる。そのため脈圧の狭小化が

おきる

Page 98: 状況評価 - scn-net.ne.jpkenji/21.pdf · 四肢 : あきらかな外傷があるか簡潔にみる 神経学的所見(手を握れるか?足首を動かせるか?) 背部

40. 緊張性気胸はどのタイプのショックに分類されるか? A. 心原性 × B. 循環血液量減少性 × C. 機械的(閉塞性) ○ D. 低酸素性 ×

41. 次の受傷機転のうちどれが脊椎固定の必要性がもっとも乏しいか? A. 14歳の男性が以前に捻挫した右足首をバスケット中にひねって右足首に変形の

ある状態。 ○ B. 24歳の男性が喧嘩で殴られ意識が悪い。 × C. 15歳の女性がスケート中に転倒した。意識の消失はなく不安がっている。四肢の

痺れを訴えている。 × D. 12歳の子供が裏庭のプールで溺れた。 ×

42. 妊婦の自動車事故。壊れた車の運転席に座っている状態で発見された。車から火の手が上がっている。どうやって患者を救出するか?

A. ショートバックボードを使用 × B. ロングバックボードを使用 × C. ショートバックボードを使用しロングバックボードに移す。 × D. 迅速救出法 ○

43. 頚椎の保護を観察および搬送の準備の時に継続して施行するのは重要である。 なぜか?

A. 頚椎損傷に関して高い頻度で訴訟の可能性があるから × B. 頚椎の固定をしないと患者に永遠に脊髄損傷をきたす可能性が大きくなる。 ○ C. ほとんどの外傷患者は痙攣を起こしやすいので × D. 誰かが頭のそばで患者に話し掛けてあげることが重要 ×

44. 神経原性ショックで典型的な所見は? A. 徐脈、冷たく湿った皮膚 × B. 徐脈、暖かい乾いた皮膚 ○ C. 頻脈、冷たく湿った皮膚 × D. 頻脈、暖かく乾いた皮膚 ×

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45. 現場評価について誤っているのはどれか? A. 重傷外傷が通報から予測されたため現場に向かう前に感染防御(手袋、ゴーグル)

した。 × B. 衝突事故で、激しく壊れた車のなかでぐったりしている傷病者が 2人いたので、患

者に接触する前に、救助隊、救急隊の応援を要請した。 × C. 外傷患者の救護に向かう際は吸引器は重いので通常携行しない。 ○ D. 他に傷病者がいないか常に確認する必要がある。 ×

46. 外傷患者が一次観察で次の所見があった。呼吸困難、弱くて速い脈、頚静脈は平坦、気管は正中、左胸部で呼吸音は減弱、奇異性呼吸なし。もっとも考えやすい外傷は

なにか? A. 心タンポナーデ × B. フレイルチェスト × C. 緊張性気胸 × D. 大量血胸 ○

47. 次のうちのどの状態が頚静脈の怒張を伴いやすいか? A. フレイルチェスト × B. 血胸 × C. 開放性気胸 × D. 緊張性気胸 ○

48. 32歳の男性が運転中自動車事故にあった。ハンドルが曲がっていた。初期評価で脈は弱く頻脈だった。橈骨動脈の拍動が吸気時に消失する。これらの所見から次の

どの損傷が考えやすいか? A. 心挫傷 × B. 心タンポナーデ ○ C. フレイルチェスト × D. 緊張性気胸 ×

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49. 妊婦の低血圧を伴った外傷患者は左にやや傾けて搬送するが、これは子宮が何を圧迫するのを避けるためか?

A. 大動脈 × B. 腎臓 × C. 脊椎 × D. 下大静脈 ○

50. 胎児の外傷による死亡で最も多い原因は何か?P121 A. 母体の死亡 ○ B. 胎児の出血 × C. 胎児の頭部外傷 × D. 子宮への穿通性外傷 ×

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Q.1 Preventable Trauma Deathを減らすことが外傷治療における大命題のひとつである (     )Q.2 厚生省2001年発表の死因統計では、「不慮の事故」は第5位である (     )Q.3 1~24歳の死因順位は「不慮の事故死」による死亡が第2位である (     )Q.4 交通事故死亡者数は、昭和45年をピークに減少しているが、近年では1万人前後を

推移している(     )

Q.5 わが国には交通事故を調査、分析をする機関がある (     )Q.6 外傷のシステムの整備は外傷患者の転帰を改善する(米国) (     )Q.7 初療の標準化は外傷患者の転帰を改善する(米国) (     )Q.8 呼吸数10回以下は重症である (     )Q.9 総頚動脈は収縮期血圧60㎜Hgで触知出来る (     )Q.10 外傷の受傷機転は「鈍的外傷」と「鋭的外傷」に大別される (     )Q.11 杙創は鈍的外傷である (     )Q.12 銃創は鋭的外傷である (     )Q.13 シャベルアップ外傷はシートベルトを着用したときにおきやすい (     )Q.14 バイク事故で片方の知覚・運動障害を認めたら引きぬき損傷を疑う (     )Q.15 米国外科学会はアンダートリアージ率を10%以下にするために50%以上オーバートリアージ

を容認すべきと勧告している(     )

Q.16 対光反射が消失した頭部外傷症例では90%以上が死亡か植物状態である (     )Q.17 病院で外傷の初療にあたる医師が、現場の救急隊に求める初期の情報として血圧

は重要である(     )

Q.18 生死を分ける「Golden Hour」とは救急隊現場到着から決定的治療が行われる手術室に到達するまでをいう

(     )

Q.19 交通死亡事故では原則として行政解剖が行われる (     )Q.20 ヘリコプターによる救急搬送では救急車搬送と比較して騒音も振動も大きい (     )Q.21 ヘリコプターによる救急搬送では飛行高度が高くなるとSaO2が低下する (     )Q.22 ヘリコプターによる救急搬送では呼吸循環動態が正常な傷病者に酸素投与は必要 (     )Q.23 ヘリコプターによる救急搬送では潜水病の傷病者搬送は1000m以上の高度を遵守 (     )Q.24 ヘリコプターによる救急搬送では気胸が疑われる傷病者の搬送は、できるだけ低空

を飛行する(     )

Q.25 ヘリコプターによる救急搬送では救助目的の飛行でも、許可を受けた場所以外への離着陸はできない

(     )

Q.26 重症外傷では現場での評価・観察は2分以内にする (     )Q.27 重症外傷では現場滞在時間を15分以内にする (     )Q.28 重症外傷では全て脊柱固定を行う (     )Q.29 重症外傷では四肢の骨折は積極的に牽引・固定し搬送する (     )Q.30 ロードアンドゴーとは生命危機に必要のない観察・処置を省いて搬送することである (     )Q.31 手洗いは消毒液入りの溜めた水で行う (     )Q.32 手洗いは30秒以上流水で行う (     )Q.33 日常の手洗い(手袋を外したあと)は市販の石鹸でよい (     )Q.34 外した手袋は感染性廃棄物専用容器に廃棄する (     )Q.35 外傷現場では手袋・ゴーグルは必須である (     )Q.36 針刺し事故の場合傷口は口で吸わず、絞り出し流水で洗う (     )Q.37 手袋を外した後は必ず手洗いを行う (     )Q.38 標準予防策はアメリカCDC(疾病管理予防局)が1996年に示した (     )Q.39 患者救出時は手袋を2重にするかケブラー手袋を着用する (     )Q.40 複数患者の処置では手袋は交換する必要はない (     )Q.41 汚染された救急車内は消毒液を噴霧して消毒する (     )Q.42 外傷現場へは、活動の妨げになるので資器材はなるべく持ち込まない (     )Q.43 感染防護具として手袋とゴーグルまたはフェイスシールドを必ず着用する (     )Q.44 頭頸部をニュートラル位に戻すのが危険な場合は、タオルや毛布等を使用してその

ままの頭位で固定する(     )

Q.45 リザーバーのないバッグバルブマスクでも15L/分以上の酸素を投与すれば、十分な吸入酸素濃度が得られる

(     )

Q.46 耳出血がある時は経鼻エァウェイは使用できる (     )Q.47 重症外傷傷病者には全例、リザーバー付き酸素マスクで酸素を10L以上投与する (     )Q.48 現場評価は傷病者に接してから行う (     )Q.49 現場評価では二次危険の把握する (     )Q.50 現場評価で患者数の把握をする (     )

外傷セミナー プレテスト

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Q.51 現場評価で受傷機転の把握をする (     )Q.52 現場評価で受け入れ病院の把握をする (     )Q.53 高エネルギー事故は原則として第三次救急医療機関を選定する (     )Q.54 現場到着時の情報収集は効率的に行う (     )Q.55 受傷機転から傷病者に対する衝撃の判断をする (     )Q.56 救急現場においていかなる状況においても安全確保を行う (     )Q.57 危険が継続する現場においても勇気を出して救出作業を最優先しなければならない (     )Q.58 事故車両からの救出ではエンジンの停止、車両固定が重要である (     )Q.59 応援要請はすべての患者を評価した後に行うべきである (     )Q.60 8mの高所からの墜落は高エネルギー事故である (     )Q.61 1番員は観察に徹し、必要な処置は他の番員に指示する (     )Q.62 患者に接触する前に声をかけ、意識状態を確認する (     )Q.63 発声すれば気道は開通している (     )Q.64 外傷患者の気道確保は頭部後屈法を行う (     )Q.65 ロードアンドゴー症例では酸素はリザーバー付きで10リットル以上投与する (     )Q.66 外傷時の気道確保は下顎挙上か下顎引出しを行う (     )Q.67 四肢からの活動性出血有無の観察は初期評価で行う (     )Q.68 初期評価の循環評価では血圧を測る (     )Q.69 リフィリングタイムは小児ではあてにならない (     )Q.70 初期評価とは患者を生理学的に診ることである (     )Q.71 血圧低下はショックの晩期症状である (     )Q.72 CPAでは全身観察を省略できる (     )Q.73 CPAでは脊柱固定を省略できる (     )Q.74 手足が動かせる傷病者は頭頸部の固定を省略してよい (     )Q.75 自力歩行している傷病者は頭頸部の固定を省略してよい (     )Q.76 脈拍を触知して不整があれば現場で直ちに心電図モニターを装着する (     )Q.77 小児傷病者のリフィリングタイムは足底でも診ることができる (     )Q.78 患者の苦痛軽減を最優先として活動する (     )Q.79 止血は直接圧迫止血が原則である (     )Q.80 頻脈はショックの早期症状である (     )Q.81 外傷患者に補助呼吸を行うときは両膝で頭部を固定し行う (     )Q.82 簡易全身観察とは患者を解剖学的に診ることである (     )Q.83 頚部の外傷は急変する危険性が高い (     )Q.84 簡易全身観察では各部位ごとに視診、触診を繰り返す (     )Q.85 ログロールの前に四肢の運動・感覚をざっと確認する (     )Q.86 着衣の裁断では患者のプライバシーや気温に十分注意する (     )Q.87 下顎骨折は気道閉塞の原因にはならない (     )Q.88 簡易全身観察では生命にかかわる外傷所見を迅速に観察する (     )Q.89 「TAF開緊血」には簡易全身観察で鑑別すべき臓器損傷が含まれている (     )Q.90 簡易全身観察で聴診を要するのは胸部と腹部の観察時である (     )Q.91 胸部打診で鼓音は血胸を疑う (     )Q.92 1番員はフレイルチェストを確認したら観察を中断して直ぐに処置を行う (     )Q.93 1番員は腸管脱出を確認したら観察を中断して直ぐに処置を行う (     )Q.94 両大腿骨骨折はロードアンドゴーの適応である (     )Q.95 凶器の形状は医療機関への重要な情報である (     )Q.96 女性は刃先を拇指方向に振り上げることが多い (     )Q.97 銃創で通常、射入口は射出口より小さい (     )Q.98 体幹部の刺創は胸腹部に重篤な損傷が存在する事を考慮する (     )Q.99 麻痺、しびれなど神経学的所見がなければ全脊柱固定はする必要はない (     )Q.100 ニュートラルポジション位に固定するのは、損傷脊髄や腫脹が神経管の血流を阻害

し、さらなる脊髄の機能障害を防ぐためでもある(     )

Q.101 ログロールを実施する時は必ず1番員が合図をする (     )Q.102 バックボードに患者を固定するには、最低、腋下胸部、骨盤部、膝の周辺を固定する (     )Q.103 重傷外傷患者は全て頚椎軸をニュートラル位にする (     )Q.104 意識が無い患者を車外へ救出する際は積極的にKEDを使用する (     )Q.105 事故現場で立位でいる患者は脊椎固定の必要は無い (     )Q.106 水飛び込みによる脊髄損傷患者は完全麻痺発生の頻度が高い (     )Q.107 水飛び込みにより受傷した患者は水上で脊柱固定した後に引き上げる (     )Q.108 頭部の動揺を止めるには砂嚢が優れている (     )Q.109 患者が嘔吐した場合は固定を外し顔を横に向ける (     )Q.110 小児のニュートラル位の固定は成人と同様後頭部にパッドをあてる (     )

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Q.111 患者をバックボード上でスライドさせる時、頭部を保持した隊員は積極的に引いたり押したりしてはいけない

(     )

Q.112 ログロールし患者の背部を観察するときは、患者の頭部側に近い肩を保持している手で観察する

(     )

Q.113 骨盤骨折の患者はログロールせず、ログリフト法やスクープストレッチャ-を使用しバックボードにのせる

(     )

Q.114 心挫傷合併の疑いがある場合には搬送中に心電図の監視は重要である (     )Q.115 意識レベル二桁とは刺激すると覚醒する状態である (     )Q.116 外傷で意識障害のある患者では瞳孔所見は重要ではない (     )Q.117 外傷では服用している薬の聴取は必要ではない (     )Q.118 病歴やアレルギーの聴取は病院到着後に聴取すればよい (     )Q.119 現場で観察すれば車内での観察は省略してもよい (     )Q.120 ショックパンツの加圧は現場で行う (     )Q.121 詳細な観察は搬送中繰り返し行わなければならない (     )Q.122 搬送中はそれまでに行った処置のチェックを繰り返し行う (     )Q.123 妊婦はバックボードごと身体を10~15°右に傾ける (     )Q.124 外傷患者では低体温に注意する (     )Q.125 最終食事摂取時刻は気管内挿管や全身麻酔の導入にあたっての重要な情報である (     )Q.126 頭蓋内亢進が疑われ血圧が高いときは軽度頭高位(15~30度)を考慮する (     )Q.127 毛布による車両からの救出は初期評価で異常がある場合に適応される (     )Q.128 用手による救出では掛け声は必ず隊長が行う (     )Q.129 KEDは縦方向の救出に優れている (     )Q.130 ヘルメットを脱がす目的は、「頭部保持」にある (     )Q.131 ヘルメット装着時の方が頸椎の位置はニュートラル位に保たれている (     )Q.132 ヘルメットを脱がす際には、ヘルメットを左右に広げ左右に揺すりながら脱がす (     )Q.133 ヘルメットを脱がすときは必ず2名で行う (     )Q.134 アメリカンフットボールのヘルメットを脱がすと頚部が過後屈する (     )Q.135 ヘルメットの衝撃吸収はハーフ型よりフルフェイス型の方が高い (     )Q.136 下顎骨折では舌の維持性が失われ舌根沈下をきたす (     )Q.137 鼻出血では経鼻エアウエイは禁忌である (     )Q.138 外傷の急性期は嘔吐しやすい (     )Q.139 外傷患者の気道確保は頭部後屈を行う (     )Q.140 外傷現場には必ず吸引器を持参する (     )Q.141 下顎骨折で舌が落ち込んでいるときは門歯あたりで下顎を保持し前方へ引き出す (     )Q.142 外傷患者が嘔吐した場合は直ぐに顔を横に向け吐物をかき出す (     )Q.143 頚椎カラー単独では頚椎の固定は不十分である (     )Q.144 頚椎をニュートラル位にするとき痛みや抵抗がある場合はそのままの状態で固定す (     )Q.145 ニュートラル位にするとき痛みや抵抗があっても頚椎カラーは装着しなければならな (     )Q.146 バックボードに完全に固定されるまでは用手で頚椎固定をしつづけなければならない (     )Q.147 頚椎カラーのサイズが小さければ過進展となる (     )Q.148 頚椎カラーの装着までに初期評価と頚部の観察を終了する (     )Q.149 フレイルチェストの呼吸不全の最大の原因は奇異性呼吸による呼吸の不効率である (     )Q.150 フレイルチェストの際に動揺部を用手固定することは有効な処置である (     )Q.151 フレイルチェストの処置はバストバンドを全周に巻く (     )Q.152 フレイルチェストの処置は砂嚢を損傷部に当て固定する (     )Q.153 開放性気胸は主に穿通する鋭的外傷でみられる (     )Q.154 開放性気胸は緊張性気胸にはならない (     )Q.155 開放性気胸の吸気時では胸腔内は大気圧と等しいため肺は完全に膨張しない (     )Q.156 開放性気胸では創部をガーゼで圧迫し被覆する (     )Q.157 三辺テーピングを行うときは下方を開放する (     )Q.158 開放性気胸では大量の酸素投与をしてはいけない (     )Q.159 腹部刺創症例では刃物の安定化が難しいので刃物は現場で抜く (     )Q.160 腹腔内は大気より陰圧のため腸管などの腹部臓器は脱出していることが多い (     )Q.161 脱出した臓器は可能な限り現場で腹腔内へ戻す (     )Q.162 脱出した臓器は感染しやすいのでできるだけ現場で水や生理食塩水で洗う (     )Q.163 脱出した臓器を被服するものは滅菌されたものでなければならない (     )Q.164 臓器が脱出していない腹部刺創では腹膜を穿通しているかどうか指を挿入して確認 (     )Q.165 通常四肢骨折が致命的になることは少ない (     )Q.166 ロード&ゴー症例でも現場での四肢の固定は行わなければならない (     )Q.167 股関節脱臼では膝関節の下に枕を置き屈曲位を保つ (     )Q.168 開放骨折では牽引固定したとき骨折部が還納させてはならない (     )

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Q.169 切断肢は氷水に直接入れて冷やす (     )Q.170 ほとんどの止血は直接圧迫法で対処できる (     )Q.171 わが国では外傷性CPAで社会復帰した例はない (     )Q.172 CPAであれば時間のロスを防ぐためにバックボードへの固定は省く (     )Q.173 CPAでは開放性気胸に対する3辺テーピングは行う (     )Q.174 外傷性CPAではVFの発生は非常に多い (     )Q.175 外傷性CPAでは開胸心マッサージが有効な例がある (     )Q.176 CPAでは頚椎固定を省き直ちにCPRを行う (     )Q.177 外傷性CPAに対するBLS,ALSは非外傷性と異なる (     )Q.178 重症外傷では体温低下しやすい (     )Q.179 32℃以下の低体温外傷症例では救命困難である (     )Q.180 死の三候(deadly triad)とは32℃以下の低体温、ph7.2以下のアシドーシス、受

傷機転である(     )

Q.181 シバリング(震え)によるエネルギー消費量は正常代謝の10倍である (     )Q.182 救急車内では電気毛布やマッサージで積極的に加温する (     )Q.183 体温低下が起こると、すぐに消費エネルギー量も低下する (     )Q.184 低体温による心室細動は除細動の効果が高い (     )Q.185 低体温の傷病者は、電気毛布などで体表面を積極的に加温する (     )Q.186 純粋な脊髄損傷は第2腰椎までである (     )Q.187 中心性脊髄損傷では歩行できるが手が動かない状態になる (     )Q.188 半側型脊椎損傷では麻痺に左右差を生じる (     )Q.189 脊髄損傷による麻痺は時間経過とともに強くなる (     )Q.190 第7頚髄が残存していれば車椅子での日常生活自立が可能となる (     )Q.191 日本での脊髄損傷は欧米諸国に比べ少ない (     )Q.192 頚髄損傷は胸髄腰髄損傷の3倍である (     )Q.193 日本では高齢者の転倒による頚髄損傷が多い (     )Q.194 完全麻痺では回復は望めない (     )Q.195 外傷死亡患者の約半数は頭部外傷が原因とされている (     )Q.196 神経線維断裂によって生じるびまん性脳損傷はオートバイ事故などに好発する (     )Q.197 頭部外傷は脳浮腫が予想されるのでプレホスピタルから体温を下げることが重要で (     )Q.198 頭蓋底骨折は重要な臨床症状で判断が可能である (     )Q.199 外傷性脳内血腫は受傷後より高度な意識障害を伴い、多くは脳挫傷や硬膜下血腫

を合併している(     )

Q.200 外耳孔、外鼻孔からの出血で意識障害がある場合は、現場で早期にダブルリング試験を実施する

(     )

Q.201 外鼻孔からの出血で気道確保困難例がある (     )Q.202 急性硬膜下血腫は、急性硬膜外血腫と比較すると予後不良である (     )Q.203 広範な白質の損傷で意識障害が高度である病態をびまん性軸索損傷という (     )Q.204 顔面・前頚部損傷は緊急度が極めて高い (     )Q.205 鼻腔損傷の患者でも気道確保のために経鼻エアウエイを使用する (     )Q.206 頚部開放創では「空気塞栓」をきたすことがある (     )Q.207 頚部開放創では創を密閉してはならない (     )Q.208 眼球外傷では眼球周囲の血液は拭き取る (     )Q.209 拭きぬけ骨折(ブローアウト骨折)は野球ボールがあたるなどの鈍的外力でおこる (     )Q.210 外耳道出血では頭蓋低骨折を疑う (     )Q.211 髄液漏の確認にダブルリング試験がある (     )Q.212 鼻腔からの出血はタンポンガーゼで止血する (     )Q.213 頭蓋低骨折による鼻腔出血ではタンポンガーゼの挿入は禁忌である (     )Q.214 心タンポナーデではBeckの3徴が全て現れる (     )Q.215 Beckの3徴とは血圧低下、静脈圧上昇、心音減弱である (     )Q.216 フレイルチェストの固定では砂嚢や輸液バッグを用いて固定する (     )Q.217 開放性気胸では開放創をガーゼで全て覆い閉鎖する (     )Q.218 簡易全身観察での胸部聴診は前胸壁で行う (     )Q.219 聴診は痛みを訴えている方から行う (     )Q.220 緊張性気胸では必ず頚静脈の怒張が見られる (     )Q.221 血胸だけでは出血性ショックにはならない (     )Q.222 気管の偏位は緊張性気胸ではよく見られる (     )Q.223 奇異性呼吸に対して厚手のガーゼで胸壁を圧迫する (     )Q.224 成人の胸腔内は片側だけで約500~1,000mlの血液を貯留することが出来る (     )Q.225 腹部は診療上判断が困難であるためBlack Boxと言われている (     )

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Q.226 腹部外傷では受傷機転が重要であるため、状況把握のために多くの時間を費やすのは仕方がない

(     )

Q.227 腹部外傷では致死的であってもショックを呈さないことがある (     )Q.228 腹部触診は痛みのある方から行う (     )Q.229 腹部触診は腹部臓器の損傷を悪化させないように強く圧迫してはいけない (     )Q.230 腹腔内出血、腸管損傷では受傷早期から腸雑音の減弱、消失を認める (     )Q.231 腹部外傷では正確な身体所見をとるために、時間をかけて観察を行う (     )Q.232 原因不明のショックは腹部外傷を疑う (     )Q.233 腹部外傷患者では痛み軽減のための膝屈曲位は推奨されない (     )Q.234 腹部膨満が無くても大量出血はある (     )Q.235 最大吸気時に横隔膜は第4肋間まで上昇する (     )Q.236 腹部の上限は両側の乳頭を結んだ線にまで及ぶ (     )Q.237 下腹部にシートベルト痕があれば高頻度に腹腔内損傷がある (     )Q.238 成人男性の場合腹腔内出血1500mlまでは腹部膨満は認めないとされている (     )Q.239 腸雑音の消失は受傷後2~3時間後である (     )Q.240 腹腔内出血を疑ったら緊急開腹手術が可能な病院に搬送する (     )Q.241 骨盤は仙骨と両側の腸骨、坐骨から構成されている (     )Q.242 骨盤輪は靭帯により安定性を得ている (     )Q.243 骨盤動揺の確認は腸骨翼に両手をあてて下方へ押すように確認する (     )Q.244 骨盤後方要素骨折の確認は恥骨結合部に両手をあてて圧迫する (     )Q.245 骨盤動揺の確認は2回行う (     )Q.246 骨折部より末梢の動脈が触知できなければ牽引整復を行う (     )Q.247 膝関節部の骨折では高率に動脈損傷を伴う (     )Q.248 開放創からの出血は、止血帯による中枢側の緊縛が原則である (     )Q.249 空気止血帯の圧は上肢下肢共に最高300mmHgである (     )Q.250 阻血の進行症状は疼痛、蒼白、脈拍消失、異常感覚、運動麻痺である (     )Q.251 動脈性出血では空気止血帯を必ず使う (     )Q.252 刺入された凶器が不安定であれば抜去する (     )Q.253 頸部開放創は出血していなくても圧迫する (     )Q.254 刺創・切創では多発外傷になることは少ない (     )Q.255 鋭的損傷の中で外界と体腔内とに交通が生じたものを穿通性損傷という (     )Q.256 銃創の射入口はほとんどが1cm以下である (     )Q.257 弾丸は体内で揺れたり回転したりすることはない (     )Q.258 刺創より銃創の方が死亡率が高い (     )Q.259 杙創では搬送のために異物を抜去する (     )Q.260 小児では腹部打撲での肝損傷の確率は高い (     )Q.261 小児では交通事故、墜落では頭部に衝撃を受ける確率が高い (     )Q.262 小児では大量出血では成人よりも急速に死に至る (     )Q.263 思春期以降の患者を除けば最低20回/分の呼吸数が必要である (     )Q.264 小児では低体温には成人以上に注意が必要である (     )Q.265 小児の観察、処置の際に保護者に協力を仰ぐのは有効ではない (     )Q.266 小児の外傷では、精神的な障害を残すことはない (     )Q.267 小児は、成人に比較して体重当たりの体表面積が大きい (     )Q.268 小児では頭蓋内の出血のみで出血性ショックをきたし得る (     )Q.269 成長線(骨端線)の損傷は成長障害を残す原因にはならない (     )Q.270 小児では平らな面に仰臥位に横たえると頸椎が前屈する (     )Q.271 高齢者は転倒による受傷機転が多い (     )Q.272 高齢者で収縮期血圧120mmHg以下はショックと考える (     )Q.273 高齢者では通常血圧によりショックに陥る血圧が異なる (     )Q.274 高齢者は転倒により骨盤骨折をきたすこともある (     )Q.275 総義歯の場合、はずした方がバックマスクなど処置が行いやすい (     )Q.276 妊婦にみられる仰臥位低血圧症候群を防止するためバックボード固定は行わない (     )Q.277 外傷妊婦の搬送体位は左側臥位が望ましい (     )Q.278 外傷現場で胎児心音の聴取は重要である (     )Q.279 妊婦では腹部に外力が働いた場合、子宮及び胎児に損傷を受ける確率は低い (     )Q.280 循環血液量は妊娠末期までには非妊娠時よりも20%程度増加する (     )Q.281 妊婦後期の安静時の呼吸数は通常より10~15回/分増加する (     )Q.282 外傷による妊婦のCPAでは胎児の救命は絶望的である (     )Q.283 外傷のない多数傷病者発生時は2次災害防止のため風下から接近する (     )Q.284 多数傷病者発生時、原則1人の傷病者に対してのトリアージは60秒以内に行う (     )

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Q.285 トリアージポストとは、災害現場から救出した傷病者を現場救護所に収容する前にトリアージを行う場所である

(     )

Q.286 トリアージオフィサーは、原則として処置・治療には参加しない (     )Q.287 集団災害でCPAは早期CPRに着手しなければならない (     )Q.288 START法によるトリアージでは迅速な血圧測定が要求される (     )Q.289 歩行可能者でも呼吸数が30回以上/分であれば緊急治療群である (     )Q.290 医師は覚せい剤中毒を診断したら法的な届け出義務がある (     )Q.291 救急隊員は救急現場で現場付近にいるものに業務の協力を求めることはできない (     )Q.292 救急救命士は都道府県知事の免許を受けて活動できる (     )Q.293 医師は外因による死亡は診療の有無に関係なく異状死体として警察に届けなければ

ならない(     )

Q.294 犯罪性のある症例では着衣裁断は傷のないところからするのが望ましい (     )Q.295 死斑は圧迫を受けた部位には出現しない (     )Q.296 死後硬直の進行は気温が高いほど遅い (     )Q.297 凍死による心停止時の直腸温は約28℃である (     )Q.298 被虐待児を発見した者は児童相談所などへ通告する義務がある (     )Q.299 アルコール飲酒の致死量は血中濃度4.0mg/mlである (     )Q.300 アルコール飲酒で死に至るのは通常飲酒後2時間以内である (     )

得点 点

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Q.1 Preventable Trauma Deathを減らすことが外傷治療における大命題のひとつである

( ○ )p9

Q.2 厚生省2001年発表の死因統計では、「不慮の事故」は第5位である ( ○ ) p4Q.3 1~19歳の死因順位は「不慮の事故死」による死亡が第1位である ( × ) p3Q.4 交通事故死亡者数は、昭和45年をピークに減少しているが、近年では1万

人前後を推移している( ○ )

p5Q.5 わが国には交通事故を調査、分析をする機関がある ( ○ ) p9Q.6 外傷のシステムの整備は外傷患者の転帰を改善する(米国) ( ○ ) p8Q.7 初療の標準化は外傷患者の転帰を改善する(米国) ( ○ ) p10Q.8 呼吸数10回以下は重症である ( ○ ) p18Q.9 総頚動脈は収縮期血圧60㎜Hgで触知出来る ( ○ ) p46Q.10 外傷の受傷機転は「鈍的外傷」と「鋭的外傷」「その他」に大別される ( × ) p12Q.11 杙創は鋭的外傷である ( × ) p12Q.12 銃創は鋭的外傷である ( ○ ) p12Q.13 シャベルアップ外傷は歩行者と乗用車の衝突でおきやすい ( × ) p13Q.14 バイク事故で片方の知覚・運動障害を認めたら脊椎の半側型の損傷を疑う ( × ) p196Q.15 米国外科学会はアンダートリアージ率を10%以下にするために50%以上オーバー

トリアージを容認すべきと勧告している( ○ )

p17Q.16 対光反射が消失した頭部外傷症例では90%以上が死亡か植物状態である (Q.17 病院で外傷の初療にあたる医師が、現場の救急隊に求める初期の情報とし

て血圧は重要である( ○ )

p18Q.18 生死を分ける「Golden Hour」とは受傷から決定的治療が行われる手術室に

到達するまでをいう( × )

Q.19 交通死亡事故では原則として行政解剖が行われる (Q.20 ヘリコプターによる救急搬送では救急車搬送と比較して騒音は過大である

が振動は少ない( × )

p30Q.21 ヘリコプターによる救急搬送では飛行高度が高くなるとSaO2が低下する ( ○ ) p29Q.22 ヘリコプターによる救急搬送では呼吸循環動態が正常な傷病者でも酸素投

与は必要( × ) p29

Q.23 ヘリコプターによる救急搬送では潜水病の傷病者搬送は300m以下の高度を遵守する

( × )p30

Q.24 ヘリコプターによる救急搬送では気胸が疑われる傷病者の搬送は、できるだけ低空を飛行する

( ○ ) p29

Q.25 ヘリコプターによる救急搬送・救助目的の飛行は許可を受けた場所以外でも離着陸できる

( × )p34

Q.26 重症外傷では現場での評価・観察は2分以内にする ( ○ ) p43Q.27 重症外傷では現場滞在時間を5分以内にする ( × ) p43Q.28 重症外傷では全て脊柱固定を行う ( ○ ) p44Q.29 重症外傷では四肢の骨折は現場では牽引・固定しない。 ( × ) p48Q.30 ロードアンドゴーとは決められた観察を2分以内で行い、生命が脅かされる

可能性があると判断された場合は、なすべき処置を行い5分以内に現場を出発する。生命危機に必要のない観察・処置を省略することである

( × ) p41

Q.31 衛生学的手洗いは消毒液入りの溜めた水で行うい流水で洗う ( × ) p54Q.32 日常的手洗いは30秒以上流水で行う ( × ) p54Q.33 日常の手洗い(手袋を外したあと)は市販の石鹸でよい ( ○ ) p54Q.34 外した手袋は感染性廃棄物専用容器に廃棄する ( ○ ) p55Q.35 外傷現場ではマスク・ガウン・手袋・ゴーグルは必須である ( × ) p55Q.36 針刺し事故の場合傷口は口で吸わず、絞り出し流水で洗う ( ○ ) p56Q.37 手袋を外した後は必ず手洗いを行う ( ○ ) p55Q.38 標準予防策はアメリカCDC(疾病管理予防局)が1996年に示した ( ○ ) p53Q.39 患者救出時は手袋を2重にするか革・ケブラー手袋を着用する ( × ) p55Q.40 複数患者の処置では手袋は交換する必要がある ( × ) p55Q.41 汚染された救急車内は消毒液を噴霧した消毒は効果が無い ( × ) p56Q.42 外傷現場へは、必要資機材を必要な限り現場に持参する ( × ) p59Q.43 感染防護具として手袋とゴーグルまたはフェイスシールド・マスク・ガウンを

必ず着用する( × )

P60Q.44 頭頸部をニュートラル位に戻すのが危険な場合は、タオルや毛布等を使用

してそのままの頭位で固定する( ○ )

p61

外傷セミナー プレテスト正解

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Q.45 リザーバーのないバッグバルブマスクでは十分な吸入酸素濃度が得られな ( × ) p64Q.46 耳出血がある時は経鼻エァウェイは使用しない ( × ) p65Q.47 重症外傷傷病者には全例、リザーバー付き酸素マスクで酸素を10L以上投

与する( ○ )

p65Q.48 現場評価は傷病者に接する前に行う ( × ) p67Q.49 現場評価では二次危険の把握する ( ○ ) p67Q.50 現場評価で患者数の把握をする ( ○ ) p67Q.51 現場評価で受傷機転の把握をする ( ○ ) p67Q.52 現場評価で受け入れ病院の把握をする (Q.53 高エネルギー事故は原則として第三次救急医療機関を選定する ( ○ ) p72Q.54 現場到着時の情報収集は効率的に行う ( ○ ) p67Q.55 受傷機転から傷病者に対する衝撃の判断をする ( ○ ) p72Q.56 救急現場においていかなる状況においても安全確保を行う ( ○ ) p70Q.57 危険が継続する現場においても救助者自らの安全を確保することは重要で ( × ) p70Q.58 事故車両からの救出ではエンジンの停止、車両固定が重要である ( ○ ) p70Q.59 応援要請はすべての患者を評価する前(初期の段階で早期に)に行うべき ( × ) p71Q.60 8mの高所からの墜落は高エネルギー事故である(6m以上) ( ○ ) p45Q.61 1番員は観察に徹し、必要な処置は他の番員に指示する ( ○ ) p75Q.62 患者に接触し頭頸部を両手で固定してから声をかけ、意識状態を確認する ( × ) p75Q.63 発声すれば気道は開通している ( ○ ) p77Q.64 外傷患者の気道確保は下顎挙上法を行う ( × ) p77Q.65 ロードアンドゴー症例では酸素はリザーバー付きで10リットル以上投与する ( ○ ) p79Q.66 外傷時の気道確保は下顎挙上か下顎引出しを行う ( ○ ) p77Q.67 四肢からの活動性出血有無の観察は初期評価で行う ( ○ ) p79Q.68 初期評価の循環評価では血圧測定は不要である ( × ) p81Q.69 リフィリングタイムは小児では有用である ( × ) p80Q.70 初期評価とは患者を生理学的に診ることである ( ○ ) p74Q.71 血圧低下はショックの晩期症状である ( ○ ) p79Q.72 CPAでは全身観察を省略できる ( ○ ) p81Q.73 CPAでも脊柱固定を実施する ( × ) p81Q.74 手足が動かせる傷病者でも頭頸部の固定をする ( × ) p85Q.75 自力歩行している傷病者でも頭頸部の固定をする ( × ) p113Q.76 脈拍を触知して不整があれば車内で心電図モニターを装着する ( × ) p81Q.77 小児傷病者のリフィリングタイムは足底でも診ることができる ( ○ ) p80Q.78 患者の蘇生処置とロードアンドゴーの適応とを判断するための活動をする ( × ) p74Q.79 止血は直接圧迫止血が原則である ( ○ ) p79Q.80 頻脈はショックの早期症状である ( ○ ) p79Q.81 外傷患者に補助呼吸を行うときは両膝で頭部を固定し行う ( ○ ) p78Q.82 簡易全身観察とは患者を解剖学的に診ることである ( ○ ) p83Q.83 頚部の外傷は急変する危険性が高い ( ○ ) p85Q.84 簡易全身観察では各部位ごとに視診、触診を順次観察する ( × ) p83Q.85 ログロールの前に四肢の運動・感覚をざっと確認する ( ○ ) p89Q.86 着衣の裁断では患者のプライバシーや気温に十分注意する ( ○ )Q.87 下顎骨折は気道閉塞の原因となる ( × ) p85Q.88 簡易全身観察では生命にかかわる外傷所見を迅速に観察する ( ○ ) p83Q.89 「TAF開緊血」には簡易全身観察で鑑別すべき臓器損傷が含まれている ( ○ ) p84Q.90 簡易全身観察で聴診を要するのは胸部の観察時である ( × ) p86Q.91 胸部打診で鼓音は気胸を疑う ( × ) p86Q.92 1番員はフレイルチェストを確認したら3番員に指示をして処置を行わせる ( × ) p86Q.93 1番員は腸管脱出を確認したら3番員に指示をして処置を行わせる ( × ) p86Q.94 両大腿骨骨折はロードアンドゴーの適応である ( ○ ) p88Q.95 凶器の形状は医療機関への重要な情報である ( ○ ) p95Q.96 女性は刃先を小指方向に振り上げることが多い ( × ) p96Q.97 銃創で通常、射入口は射出口より小さい ( ○ ) p96Q.98 体幹部の刺創は胸腹部に重篤な損傷が存在する事を考慮する ( ○ ) p95Q.99 麻痺、しびれなど神経学的所見がなくとも全脊柱固定は必要である ( × ) p100Q.100 ニュートラルポジション位に固定するのは、損傷脊髄や腫脹が脊柱管の血

流を阻害し、さらなる脊髄の機能障害を防ぐためでもある( × )

p101Q.101 ログロールを実施する時は必ず頭部保持(2番員)が合図をする ( × ) p105Q.102 バックボードに患者を固定するには、最低、腋下胸部、骨盤部、膝の周辺を

固定する( ○ )

p108

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Q.103 重傷外傷患者でニュートラル位に戻す際、痛みを訴えたり、頸部に抵抗がある場合はそのままの状態で固定する

( × )p104

Q.104 意識が無い患者を車外(緊急脱出)へ救出する際はKEDを使用しない ( × ) p141Q.105 事故現場で立位でいる患者でも脊椎固定は必要 ( × ) p113Q.106 水飛び込みによる脊髄損傷患者は完全麻痺発生の頻度が高い ( ○ ) p117Q.107 水飛び込みにより受傷した患者は水上で脊柱固定した後に引き上げる ( ○ ) p118Q.108 頭部の動揺を止めるには砂嚢は有効ではない ( × ) p111Q.109 患者が嘔吐した場合は固定をしたまま顔を横に向ける ( × ) p111Q.110 小児のニュートラル位の固定は成人と逆に肩から腰に毛布またはタオルを ( × ) p112Q.111 患者をバックボード上でスライドさせる時、頭部を保持した隊員は積極的に

引いたり押したりしてはいけない( ○ )

p107Q.112 ログロールし患者の背部を観察するときは、患者の頭部側に近い肩を保持

している手で観察してはならない( × )

p106Q.113 骨盤骨折の患者はログロールせず、ログリフト法やスクープストレッチャ-を

使用しバックボードにのせる( ○ )

p88Q.114 心挫傷合併の疑いがある場合には搬送中に心電図の監視は重要である ( ○ ) p122Q.115 意識レベル二桁とは刺激すると覚醒する状態である ( ○ ) p123Q.116 外傷で意識障害のある患者では瞳孔所見は有用である ( × ) p122Q.117 外傷では服用している薬の聴取は必要である ( × ) p121Q.118 病歴やアレルギーの聴取は病院到着前に聴取する ( × ) p121Q.119 現場で観察し車内では、継続観察・詳細観察(ロードアンドゴーでは患者の

状態が安定)を行う( × ) p125

Q.120 ショックパンツの加圧は現場で行う ( ○ ) p127Q.121 継続観察は搬送、原則として5分おき ( × ) p124Q.122 搬送中はそれまでに行った処置のチェックを繰り返し行う ( × ) p124Q.123 妊婦はバックボードごと身体を10~15°左に傾ける ( × ) p303Q.124 外傷患者では低体温に注意する ( × ) p124Q.125 最終食事摂取時刻は気管内挿管や全身麻酔の導入にあたっての重要な情

報である( ○ )

p122Q.126 頭蓋内亢進が疑われ血圧が高いときは軽度頭高位(15~30度)を考慮す ( ○ ) p122Q.127 毛布による車両からの救出は初期評価で異常がある場合に適応される ( ○ ) p131Q.128 用手による救出では掛け声は必ず救助者が行う ( × ) p132Q.129 KEDは縦方向の救出に優れている ( ○ ) p141Q.130 ヘルメットを脱がす目的は、「気道確保」にある ( × ) p142Q.131 ヘルメット装着時の方が頸椎の位置はニュートラル位に保たれている ( ○ ) p143Q.132 ヘルメットを脱がす際には、ヘルメットを左右に広げ、横方向への動きは避 ( × ) p146Q.133 ヘルメットを脱がすときは必ず2名で行う ( ○ ) p144Q.134 アメリカンフットボールのヘルメットを脱がすと頚部が過後屈する ( ○ ) p147Q.135 ヘルメットの衝撃吸収はAハーフ型よりフルフェイス型の方が高い ( ○ ) p142Q.136 下顎骨折では舌の維持性が失われ舌根沈下をきたす ( ○ ) p155Q.137 鼻出血では経鼻エアウエイは禁忌である ( ○ ) p156Q.138 外傷の急性期は嘔吐しやすい ( ○ ) p156Q.139 外傷患者の気道確保は下顎押し出しである ( × ) p156Q.140 外傷現場には必ず吸引器を持参する ( ○ ) p157Q.141 下顎骨折で舌が落ち込んでいるときは門歯あたりで下顎を保持し前方へ引

き出す( ○ )

p157Q.142 外傷患者が嘔吐した場合は直ぐにバックボードごと横に向け吐物をかき出 ( × ) p157Q.143 頚椎カラー単独では頚椎の固定は不十分である ( ○ ) p158Q.144 頚椎をニュートラル位にするとき痛みや抵抗がある場合はそのままの状態

で固定する( ○ )

p159Q.145 ニュートラル位にするとき痛みや抵抗があったら頚椎カラーは装着しなくとも ( × ) p159Q.146 バックボードに完全に固定されるまでは用手で頚椎固定をしつづけなければ

ならない( ○ )

p159Q.147 頚椎カラーのサイズが小さければ前屈となる ( × ) p158Q.148 頚椎カラーの装着までに初期評価と頭頚部の観察を終了する ( × ) p158Q.149 フレイルチェストの呼吸不全の最大の原因は骨折部位の痛みによる呼吸抑

制と、合併する肺挫傷による呼吸不全による( × )

p164Q.150 フレイルチェストの際に動揺部を用手固定することは有効な処置である ( ○ ) p164Q.151 フレイルチェストの処置でバストバンドを全周に巻くのは呼吸が抑制されるた

め慎むべき( × )

p165Q.152 フレイルチェストの処置で砂嚢を損傷部に当てるべきでない ( × ) p165

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Q.153 開放性気胸は主に穿通する鋭的外傷でみられる ( ○ ) p166Q.154 開放性気胸は緊張性気胸に陥るときがある ( × ) p166Q.155 開放性気胸の呼気時では胸腔内は大気圧と等しいため肺は完全に膨張し ( × ) p166Q.156 開放性気胸では創部を三辺テーピングし被覆する ( × ) p168Q.157 三辺テーピングを行うときは下方を開放する ( ○ ) p169Q.158 開放性気胸では大量の酸素投与をする ( × ) p169Q.159 腹部刺創症例では刃物の安定化が難しいが刃物は抜かない ( × ) p171Q.160 腹腔内は大気より陽圧のため腸管などの腹部臓器は脱出していることが多 ( × ) p171Q.161 脱出した臓器は腹腔内へ戻してはならない ( × ) p172Q.162 脱出した臓器は水や生理食塩水で洗わない ( × ) p173Q.163 脱出した臓器を被服するものは滅菌されたものでなければならない ( ○ ) p172Q.164 臓器が脱出していない腹部刺創では腹膜を穿通しているかどうか確認する

必要は無い( × )

p173Q.165 通常四肢骨折が致命的になることは少ない ( ○ ) p176Q.166 ロード&ゴー症例では現場での四肢の固定は必要ない ( × ) p176Q.167 股関節脱臼では膝関節の下に枕を置き屈曲位を保つ ( ○ ) p177Q.168 開放骨折では牽引固定すると骨折部が還納してしまことがあるのでしてはな

らない( ○ )

p178Q.169 切断肢は生理食塩水に浸したガーゼに包み、ビニール袋に入れ氷水に直接

入れて冷やす( × )

p181Q.170 ほとんどの止血は直接圧迫法で対処できる ( ○ ) p177Q.171 わが国では外傷性CPAで社会復帰した例もある ( × ) p185Q.172 CPAであってもバックボードへの固定を行う ( × ) p189Q.173 CPAでは開放性気胸に対する3辺テーピングは行う ( ○ ) p190Q.174 外傷性CPAではPEAの発生は非常に多い ( × ) p190Q.175 外傷性CPAでは開胸心マッサージが有効な例がある ( ○ ) p187Q.176 CPAでも頚椎固定し直ちにCPRを行う ( × ) p189Q.177 外傷性CPAに対するBLS,ALSは非外傷性と大きく異なることはない ( × ) p189Q.178 重症外傷では体温低下しやすい ( ○ ) p192Q.179 32℃以下の低体温外傷症例では救命困難である ( ○ ) p192Q.180 死の三候(deadly triad)とは34℃以下の低体温、ph7.2以下のアシドー

シス、血液凝固障害である( × )

p192Q.181 シバリング(震え)によるエネルギー消費量は正常代謝の10倍以上である ( × ) p193Q.182 救急車内では電気毛布やマッサージで加温はだめ(抹消での酸素消費を増

加されから)( × )

p194Q.183 体温低下が起こると、すぐに消費エネルギー量は増大する ( × ) p193Q.184 低体温による心室細動は除細動の効果が低い ( × ) p194Q.185 低体温の傷病者は、電気毛布などで体表面を積極的に加温してはならない ( × ) p194Q.186 純粋な脊髄損傷は第2腰椎(L2)までである ( ○ ) p196Q.187 中心性脊髄損傷では歩行できるが手が動かない状態になる ( ○ ) p196Q.188 半側型脊椎損傷では麻痺に左右差を生じる ( ○ ) p196Q.189 通常は脊髄損傷による麻痺は時間経過とともに回復する ( × ) p196Q.190 第7頚髄(C7)が残存していれば車椅子での日常生活自立が可能となる ( ○ ) p197Q.191 日本での脊髄損傷は欧米諸国と変わらない ( × ) p197Q.192 頚髄損傷は胸髄腰髄損傷の3倍である ( ○ ) p197Q.193 日本では高齢者の転倒による頚髄損傷が多い ( ○ ) p198Q.194 完全麻痺では回復はほとんど望めないが、3~6ヵ月で車椅子での自立が可

能である( × ) p206

Q.195 外傷死亡患者の約半数は頭部外傷が原因とされている ( ○ ) p223Q.196 神経線維断裂によって生じるびまん性脳損傷はオートバイ事故などに好発 ( ○ ) p218Q.197 頭部外傷は脳浮腫が予想されるのがプレホスピタルでは保温が重要である ( × ) p198Q.198 頭蓋底骨折は重要な臨床症状で判断が可能である ( ○ ) p193Q.199 外傷性脳内血腫は受傷後より高度な意識障害を伴い、多くは脳挫傷や硬膜

下血腫を合併している( ○ )

p194Q.200 外耳孔、外鼻孔からの出血で意識障害がある場合は、車内でダブルリング

試験を実施する( × ) p193

Q.201 外鼻孔からの出血で気道確保困難例がある ( ○ ) p199Q.202 急性硬膜下血腫は、急性硬膜外血腫と比較すると予後不良である ( ○ ) p194Q.203 広範な白質の損傷で意識障害が高度である病態をびまん性軸索損傷という (Q.204 顔面・前頚部損傷は緊急度が極めて高い ( ○ ) p199

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Q.205 鼻腔損傷の患者では気道確保のために経鼻エアウエイを使用することは禁忌である

( × )p202

Q.206 頚部開放創では「空気塞栓」をきたすことがある ( ○ ) p203Q.207 頚部開放創では創を密閉する必要がある ( × ) p203Q.208 眼球外傷では眼球周囲の血液は拭き取らない(虹彩、硝子体、脈絡膜の脱

出があるから)( × )

p205Q.209 拭きぬけ骨折(ブローアウト骨折)は野球ボールがあたるなどの鈍的外力で ( ○ ) p205Q.210 外耳道出血では頭蓋低骨折を疑う ( ○ ) p205Q.211 髄液漏の確認にダブルリング試験がある ( ○ ) p205Q.212 鼻腔からの出血はタンポンガーゼで止血できるが頭蓋低骨折を疑うので挿

入は禁忌( × )

p206Q.213 頭蓋低骨折による鼻腔出血ではタンポンガーゼの挿入は禁忌である ( ○ ) p206Q.214 心タンポナーデではBeckの3徴が全て現れるのは1/3程度である ( × ) p209Q.215 Beckの3徴とは血圧低下、静脈圧上昇、心音減弱である ( ○ ) p209Q.216 フレイルチェストの固定では厚手のガーゼやタオルを用いて固定する ( × ) p211Q.217 開放性気胸では開放創を三辺テーピングーで覆い被覆する ( × ) p212Q.218 簡易全身観察での胸部聴診は両側第4肋間腋窩中線で行う ( × ) p214Q.219 聴診は痛みを訴えていない方から行う ( × )Q.220 緊張性気胸では頚静脈の怒張が認められるが、循環血液量の減少により

静脈の怒張が隠されてしまうことがある( × )

p214Q.221 血胸は出血性ショックになる(片側だけで2500ml~3000mlが貯留することが ( × ) p215Q.222 気管の偏位は緊張性気胸の重篤な状態で見られる ( × ) p214Q.223 奇異性呼吸に対して厚手のガーゼで胸壁を圧迫する ( ○ ) p211Q.224 成人の胸腔内は片側だけで約2500ml~3000mlの血液を貯留することが出 ( × ) p215Q.225 腹部は診療上判断が困難であるためBlack Boxと言われている ( ○ ) p216Q.226 腹部外傷では受傷機転は重要であるが、状況把握のために多くの時間を費

やしてはならない( × ) p221

Q.227 腹部外傷では致死的であってもショックを呈さないことがある ( ○ ) p221Q.228 腹部触診は痛みのないところから愛護的に行う ( × ) p224Q.229 腹部触診は腹部臓器の損傷を悪化させないように強く圧迫してはいけない ( ○ ) p224Q.230 腹腔内出血、腸管損傷では受傷早期から腸雑音の減弱、消失は稀である(2

~3時間後)( × )

p223Q.231 腹部外傷では正確な身体所見をとるためでも、時間をかけて観察してはなら ( × ) p226Q.232 原因不明のショックは腹部外傷を疑う ( ○ ) p228Q.233 腹部外傷患者では痛み軽減のための膝屈曲位は推奨されない ( ○ ) p224Q.234 腹部膨満が無くても大量出血はある ( ○ ) p223Q.235 最大呼気時に横隔膜は第4肋間まで上昇する ( × ) p217Q.236 腹部の上限は両側の乳頭を結んだ線にまで及ぶ ( ○ ) p217Q.237 下腹部にシートベルト痕があれば高頻度に腹腔内損傷がある(約90%) ( ○ ) p221Q.238 成人男性の場合腹腔内出血1500mlまでは腹部膨満は認めないとされて ( ○ ) p223Q.239 腸雑音の消失は受傷後2~3時間後である ( ○ ) p223Q.240 腹腔内出血を疑ったら緊急開腹手術が可能な病院に搬送する ( ○ ) p227Q.241 骨盤は仙骨と両側の腸骨、恥骨、坐骨から構成されている ( × ) p229Q.242 骨盤輪は靭帯により安定性を得ている ( ○ ) p229Q.243 骨盤動揺の確認は腸骨翼に両手をあてて内側に向けて絞り込むように1回 ( × ) p232Q.244 骨盤後方要素骨折の確認は恥骨結合部に片手をあてて圧迫する ( × ) p80Q.245 骨盤動揺の確認は1回行う ( × ) p232Q.246 骨折部より末梢の動脈が触知できなければ牽引整復を行う ( ○ ) p237Q.247 膝関節部の骨折では高率に動脈損傷を伴う ( ○ ) p240Q.248 開放創からの出血は、圧迫止血が原則である ( × ) p240Q.249 空気止血帯の圧は上肢は最高300mmHg、下肢は最高500mmHgであ ( × ) p241Q.250 阻血の進行症状は疼痛、蒼白、脈拍消失、異常感覚、運動麻痺である ( ○ ) p241Q.251 圧迫止血不可能な場合に空気止血帯を使う ( × ) p241Q.252 刺入された凶器が不安定でも抜去しない ( × ) p240Q.253 頸部開放創は出血していなくても圧迫する ( ○ ) p250Q.254 刺創・切創では多発外傷になることは少ない ( ○ ) p244Q.255 鋭的損傷の中で外界と体腔内とに交通が生じたものを穿通性損傷という ( ○ ) p244Q.256 銃創の射入口はほとんどが1cm以下である(射出口も) ( ○ ) p261Q.257 弾丸は体内で揺れたり回転したりする ( × ) p259Q.258 刺創より銃創の方が死亡率が高い ( ○ ) p261Q.259 杙創では搬送のために異物を抜去してはならない ( × ) p265

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Q.260 小児では腹部打撲での肝損傷の確率は高い ( ○ ) p268Q.261 小児では交通事故、墜落では頭部に衝撃を受ける確率が高い ( ○ ) p266Q.262 小児では大量出血では成人よりも急速に死に至る ( ○ ) p268Q.263 思春期以降の患者を除けば最低20回/分の呼吸数が必要である ( ○ ) p269Q.264 小児では低体温には成人以上に注意が必要である ( ○ ) p266Q.265 小児の観察、処置の際に保護者に協力を仰ぐのは有効である ( × ) p271Q.266 小児の外傷では、精神的な障害を残すことがある ( × ) p266Q.267 小児は、成人に比較して体重当たりの体表面積が大きい ( ○ ) p266Q.268 小児では頭蓋内の出血のみで出血性ショックをきたし得る ( ○ ) p266Q.269 成長線(骨端線)の損傷は成長障害を残す原因となる ( × )  Q.270 小児では平らな面に仰臥位に横たえると頸椎が前屈する ( ○ ) p267Q.271 高齢者は転倒による受傷機転が多い ( ○ ) p273Q.272 高齢者で収縮期血圧120mmHg以下はショックと考える ( ○ ) p274Q.273 高齢者では通常血圧によりショックに陥る血圧が異なる ( ○ ) p273Q.274 高齢者は転倒により骨盤骨折をきたすこともある ( ○ ) p273Q.275 総義歯の場合特に邪魔にならない限りはずさない方がバックマスクなど処置

が行いやすい( × )

p273Q.276 妊婦にみられる仰臥位低血圧症候群を防止するためバックボード固定し左

に傾ける( × )

p275Q.277 外傷妊婦の搬送体位は左側臥位が望ましい ( ○ ) p275Q.278 外傷現場で胎児心音の聴取は意義は少ない ( × ) p276Q.279 妊婦では腹部に外力が働いた場合、子宮及び胎児に損傷を受ける確率は ( × ) p275Q.280 循環血液量は妊娠末期までには非妊娠時よりも50%程度増加する ( × ) p275Q.281 妊婦後期の安静時の呼吸数は通常より15~20回/分増加する ( × ) p275Q.282 外傷による妊婦のCPAでも胎児の救命する可能性は残されている ( × ) p276Q.283 外傷のない多数傷病者発生時は2次災害防止のため風上から接近する ( × ) p279Q.284 多数傷病者発生時、原則1人の傷病者に対してのトリアージは60秒以内に ( ○ ) p282Q.285 トリアージポストとは、災害現場から救出した傷病者を現場救護所に収容す

る前にトリアージを行う場所である( ○ )

p280Q.286 トリアージオフィサーは、原則として処置・治療には参加しない ( ○ ) p281Q.287 集団災害でCPAはCPRに着手しない ( × ) p281Q.288 START法によるトリアージでは迅速な血圧測定が要求されない ( × ) p282Q.289 歩行不能者で呼吸数が30回以上/分であれば緊急治療群である ( × ) p282Q.290 医師は覚せい剤中毒を診断したら法的な届け出義務がある(保健所へ、警

察はない)( ○ )

p289Q.291 救急隊員は救急現場で現場付近にいるものに業務の協力を求めることがで ( × ) p292Q.292 救急救命士は厚生労働大臣の免許を受けて活動できる ( × ) p292Q.293 医師は外因による死亡は診療の有無に関係なく異状死体として警察に届け

なければならない( ○ )

p291Q.294 犯罪性のある症例では着衣裁断は傷のないところからするのが望ましい ( ○ ) p294Q.295 死斑は圧迫を受けた部位には出現しない ( ○ ) p295Q.296 死後硬直の進行は気温が高いほど早い ( × ) p295Q.297 凍死による心停止時の直腸温は約28℃である ( ○ ) p296Q.298 被虐待児を発見した者は児童相談所などへ通告するが義務までは記載され

ていない( × )

p297Q.299 アルコール飲酒の致死量は血中濃度4.0mg/mlである ( ○ ) p301Q.300 アルコール飲酒で死に至るのは通常飲酒後4~5時間後である ( × ) p301

得点 点

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JPTEC プロバイダー プレテスト

Ver.5.2

平成 19年7月改訂

JPTEC協議会筆記試験問題審査選定検証委員会 ○ 本プレテストはJPTECプロバイダーコース受講に必要な予備知識を確認させてい

ただくものです。問題文の正誤について必ず全問解答し、受講時に提出してください。 ○ 観察、処置に関する質問内容は、特に説明のない場合、すべてプレホスピタルの現場

で救急救命士、救急隊員が外傷傷病者に対して実施する場合についてのものです。 ○ 出題内容は「病院前救護ガイドライン(プラネット)」に準拠しています。

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1.両側大腿骨折はロードアンドゴーの適応である。 2.救出に20分以上要した場合は高エネルギー事故に該当する。 3.複数傷病者ではすべての傷病者の観察処置が終わるまで手袋をはずさない。 4.腹臥位の傷病者は初期評価開始前に仰臥位にする。 5.ロードアンドゴーの状況における全身観察で四肢の変形があれば、副子固定を行う。 6.二輪車事故では熱傷(roadburn)を受傷することがある。 7.墜落外傷時、落下地点の性状は傷病者が受けるエネルギーに影響する。 8.銃創では射入口と射出口を結んだ線上に損傷があるものと考える。 9.回転機械に手を挟まれるとデグロービング損傷をきたしやすい。 10.慢性閉塞性肺疾患を合併している傷病者に高濃度酸素投与は行わない。 11.バックボード固定により、潜在的な肝損傷や大動脈損傷の増悪防止も期待できる。 12.鼻出血に対し経鼻エアウェイを挿入するとタンポナーデ効果が期待できる。 13.外傷傷病者のショックの原因で最も多いのは出血である。 14.初期評価の循環の観察の時点で血圧を測定する。 15.意識清明なときは JCS(Japan Coma Scale)「I-1」と評価する。 16.急性硬膜下血腫はCT画像上、三日月型を呈することが多い。 17.肝硬変の合併は外傷性頭蓋内出血の高リスク因子である。 18.開放性気胸(サッキングチェスト)に対する3辺テーピングは車内収容前に実施す

る。 19. 歩行できれば脊髄損傷は否定できる。 20. 出血性ショックでは早期から意識の変調(不安、不穏など)がみられることが多い。 21. 破傷風に感染した場合、受傷早期(搬送中)から意識障害がみられることが多い。 22. ダブルリングサインが陽性であれば頭蓋底骨折が疑われる。 23. 腹部脱出臓器はできるだけ腹腔内に戻す。 24. 激しい頭痛は頭蓋内圧亢進症状のひとつである。 25. 心タンポナーデによるショックは閉塞性ショックに分類される。 26. 開放骨折で骨折片が露出しているときは患肢を牽引しながら還納し、整復する。 27. 妊娠末期の傷病者では出血によるショック症状が出にくい。 28. 経鼻エアウエイ挿入により鼻出血を来たしたときはただちに抜去する。 29. 動脈損傷による出血に対しては緊縛止血帯が第一優先である。 30. 小児は成人に比べ腹部打撲で肝損傷を来たす確率が高い。 31. 高齢者では出血が起こっても頻脈になりにくい。 32. 妊婦の全脊柱固定では骨盤部にベルトをかけてはならない。 33. 咽頭反射が残っている場合には経鼻エアウェイを使うべきではない。 34. セリック法とは輪状軟骨と脊往で食道を圧迫閉鎖する手技である。 35. 気道確保の障害となる場合はネックカラーを外してもよい。 36. 床に水平に寝かせた小児では頭部が後屈しやすい。 37. 頭頸部をニュートラル位にすると脊椎の生理的彎曲を保ちやすい。 38. 直接圧迫止血では定期的に圧迫を解除する必要かおる。

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39. 骨盤骨折が疑われる傷病者ではログロールは禁忌である。 40.傷病者をバックボードに固定する場合は頭→胸→腰→脚の順に固定する。 41.ヘルメットを脱がせる前にネックカラーで頭頚部を固定する。 42.KEDを用いた救出は原則として非ロード&ゴー症例で考慮する。 43.MISTのSとは脈拍数や血圧などの具体的数値を意味する。 44.状況評価で高エネルギー外傷と判断した場合でも初期評価と全身観察で異常がなけ ればロード&ゴーではない。

45. 全身観察で奇異呼吸を発見した場合はロード&ゴーの適応である。 46. 外傷性心・大血管破裂の死亡時期は、大半が「外傷死亡の第1のピーク」に該当す る。

47. オーバートリアージとアンダートリアージでは前者のほうが PTD につながりやす い。

48. 気胸はヘリコプター搬送によって病態が悪化しやすい。 49. 下位脊髄損傷では意識障害を来たしやすい。 50. 徐脈は頭蓋内圧亢進症状のーつである。 51. 頭蓋内圧亢進を疑った場合は頭部高位を考慮する。 52. 非ロード&ゴー症例では現場で詳細観察を行ってもよい。 53. 車の横転は高エネルギー事故である。 54. 全身観察は初期評価と併せて 10分以内で行うこと目標とする。 55. 医療機関では傷病者来院から手術開始まで1時間以内を目標とする。 56. 初期評価は t5秒以内に行い、原則として中断しない。 57. 全身観察では解剖学的な観点から生命を脅かしうる損傷を見つけ出す。 58. 継続観察では行った処置の確認とバイタルサインのチェックを5分毎に行う。 59. 搬送中に傷病者の状態が急変した場合、最初にすることは医師への報告である。 60. 車両の変形は搭乗者の受けた外力の大きさと方向を推測する上で重要である。 61. 体表所見の重症度が、そのまま深部臓器の損傷の重症度を反映する。 62. 一般に身長の3倍以上の高さからの墜落は重症外傷を引き起こすと言われている。 63. 墜落時の損傷様式で頻度の高い組み合わせは踵骨骨折と頭蓋底骨折である。 64. 刺創で成傷器が刺さったままの場合、原則として抜去しない。 65. 胸部圧迫症の急性期の死亡原因は急激な高カリウム血症である。 66. 痛み刺激に対して、はらいのけは無いが、顔をしかめる時は、「JCS200」と評価

する。 67. 初期評価での意識評価はJCSの桁数の把握のみでよい。 68. 急性硬膜外血腫は意識清明期の存在が特徴的である。 69. 一次性脳損傷は適切な気道管理・呼吸管理・循環管理で改善が期待できる。 70.鼻出血でダブルリングサインがある場合、鼻腔内にタンポンで圧迫止血する。 71. 心タンポナーデはプレホスピタルの現場で容易に診断可能である。 72. フレイルチェストとは奇異呼吸を呈する多発肋骨骨折である。 73. 緊張性気胸と心タンポナーデは閉塞注ショックを呈する。

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74.頸静脈の怒張は出血性ショックを示唆する。 75. 左下位肋骨骨折があれば脾臓の損傷を疑う。 76. 十二指腸損傷では早期から腹膜炎症状を呈することが多い。 77. 骨盤骨折による出血は主に腹腔内に貯留する。 78. 脊椎損傷のなかで最も頻度が高いのは腰椎である。 79. 神経原性ショックでは皮膚は温かい。 80. 片側大腿骨の非開放性骨折の出血量は約1,000mlと推定する。 81. 高齢者は疼痛闘値が高い(疼痛に対する感度が低い)。 82. 高齢者傷病者は血圧低下により意識障害を発症しやすい。 83. 呼吸回数30回/分以上の頻呼吸は補助呼吸の適応である。 84. 口腔底の損傷で経口ェアウェイが使用できない場合は経鼻ェアウェイの適応である。 85.L&Gの症例では後頭部の痛みを訴えてもニュートラル位に戻し固定する。 86.外傷の救急現場で補助呼吸が必要な場合は、両膝で側頭部を挟んで固定し換気する。 87. 全脊柱固定は、病院搬入後、傷病者の脊椎・脊髄損傷が否定されるまで継続する。 88. 外傷傷病者の気道確保は頭部後屈が第一選択である。 89. 3辺テーピング法では上方となる一辺を開放する。 90. 股関節脱臼で伸展が困難な場合、もっとも楽な体位を保ち毛布などを用いて固定す る。 91. ログロールの合図は必ず隊長が行う。 92. 腹部穿通異物の場合、ログロールにより損傷が悪化する可能性があるのでログリフ トを行う。 93.初期評価中に気道確保が必要と判断したら、評価を中断してヘルメットを脱がせる。 94. ヘルメットには多くの種類があるので、脱がせ方にも種類に応じた多くの方法があ る。 95. 車外救出時、常に傷病者の頭部側が先行するように引き出す。 96. 外傷の重症度・緊急度の判断の重みは、生理学的評価、解剖学的評価、受傷機転の 順である。 97. 外傷傷病者の重症度・緊急度の判断根拠に年齢や既往症は含まれない。 98. 多数傷病者の発生現場で、短時間で効果的にトジアージを行う方法として START 法がある。 99. 不慮の事故は、本邦の 1~19歳の死因の第1位である。 100.外傷病院前救護の標準化は PTD(preventable trauma death)の減少に寄与する。

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JPTEC プロバイダー プレテスト

Ver.5.2

平成 19年7月改訂

JPTEC協議会筆記試験問題審査選定検証委員会 ○ 本プレテストはJPTECプロバイダーコース受講に必要な予備知識を確認させてい

ただくものです。問題文の正誤について必ず全問解答し、受講時に提出してください。 ○ 観察、処置に関する質問内容は、特に説明のない場合、すべてプレホスピタルの現場

で救急救命士、救急隊員が外傷傷病者に対して実施する場合についてのものです。 ○ 出題内容は「病院前救護ガイドライン(プラネット)」に準拠しています。

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○1.両側大腿骨折はロードアンドゴーの適応である。 P11 ○2.救出に20分以上要した場合は高エネルギー事故に該当する。P12 ×3.複数傷病者では交差感染を防ぐため手袋は患者ごとに交換する。P14 ×4.腹臥位の傷病者は状況評価や処置が困難と判断した場合は、一時中断し体位変換し

た後に評価する(初期評価は、傷病者のもとに到着したら直ちに、そのままの状態で実施されるべきものである)。P19

×5.ロードアンドゴーの症例では四肢骨折の固定は現場では行わない。P24 ○6.二輪車事故では熱傷(roadburn)を受傷することがある。P33 ×7.墜落外傷時に傷病者が受けるエネルギーは、墜落した高さと落下地点の性状により

決定される。P35 ×8.銃創では射入口と射出口を結んだ線上に損傷があるものと考えるのは危険である。

P39 ○9.回転機械に手を挟まれるとデグロービング損傷をきたしやすい。P39 ×10.慢性閉塞性肺疾患を合併している傷病者にも高濃度酸素投与を行う。P46 ○11.バックボード固定により、潜在的な肝損傷や大動脈損傷の増悪防止も期待できる。

P148 ×12.鼻出血に対し経鼻エアウエイを挿入するのは禁忌である。P65 ○13.外傷傷病者のショックの原因で最も多いのは出血である。P48 ×14.初期評価の循環の観察では血圧を測定する必要はない。P24 ×15.意識清明なときは JCS(Japan Coma Scale)「I-0」と評価する。P55 ○16.急性硬膜下血腫はCT画像上、三日月型を呈することが多い。P63 ○17.肝硬変の合併は外傷性頭蓋内出血の高リスク因子である。P124 ○18.開放性気胸(サッキングチェスト)に対する3辺テーピングは車内収容前に実施

する。(必ず現場で実施する)p21 ×19. 歩行できても脊髄損傷は否定でない。P153 ○20. 出血性ショックでは早期から意識の変調(不安、不穏など)がみられることが多

い。P51 ×21. 破傷風に感染した場合、意識障害はない。P911(救命士テキスト下) ○22. ダブルリングサインが陽性であれば頭蓋底骨折が疑われる。P66 ×23. 腹部脱出臓器は腹腔内に戻してはならない。P22 ○24. 激しい頭痛は頭蓋内圧亢進症状のひとつである。P67 ○25. 心タンポナーデによるショックは閉塞性ショックに分類される。P76 ×26. 開放骨折で骨折片が露出しているときは還納し、整復したりしない。P145 ○27. 妊娠末期の傷病者では出血によるショック症状が出にくい。P121 ×28. 経鼻エアウエイ挿入により鼻出血しても抜去しない。P130 ×29. 動脈損傷による出血に対しても直接圧迫止血が第一優先である。P144 ○30. 小児は成人に比べ腹部打撲で肝損傷を来たす確率が高い。P111 ○31. 高齢者では出血が起こっても頻脈になりにくい。P115 ×32. 妊婦の全脊柱固定では子宮を避けてベルトを渡す。P122

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×33. 咽頭反射が残っている場合には経口エアウエイを使うべきではない。P130 ○34. セリック法とは輪状軟骨と脊椎で食道を圧迫閉鎖する手技である。P131 ○35. 気道確保の障害となる場合はネックカラーを外してもよい。P138 ×36. 床に水平に寝かせた小児では頭部が前屈しやすい。P135 ○37. 頭頸部をニュートラル位にすると脊椎の生理的彎曲を保ちやすい。P149 ×38.直接圧迫止血では出血が持続している間は、圧迫を続ける。P144 ×39. 骨盤骨折が疑われる傷病者のログロールは総合的に評価し慎重に行う。P153 ×40.傷病者をバックボードに固定する場合は脚→腰→胸→頭の順に固定する。P152 ×41.ヘルメットを脱がせてからネックカラーで頭頚部を固定する。P158 ○42.KEDを用いた救出は原則として非ロード&ゴー症例で考慮する。P166 ×43.MISTのSとはショック状態、ロード&ゴーの理由を意味する。P24 ×44.状況評価で高エネルギー外傷と判断した場合はロード&ゴーである。P189 ○45. 全身観察で奇異呼吸を発見した場合はロード&ゴーの適応である。P187 ○46. 外傷性心・大血管破裂の死亡時期は、大半が「外傷死亡の第1のピーク」に該当

する。P222 ×47. オーバートリアージとアンダートリアージでは後者のほうが PTD につながりや

すい。P192 ○48. 気胸はヘリコプター搬送によって病態が悪化しやすい。P203 ×49. 上位脊髄損傷では、頭部外傷を伴い意識障害を来たしやすい。P198(プレ外傷) ○50. 徐脈は頭蓋内圧亢進症状のーつである。P67 ○51. 頭蓋内圧亢進を疑った場合は頭部高位を考慮する。P828(救命士テキスト下) ○52. 非ロード&ゴー症例では現場で詳細観察を行ってもよい。P101 ○53. 車の横転は高エネルギー事故である。P12 ×54. 全身観察は初期評価と併せて 2分以内で行うこと目標とする。P19 ×55. 医療機関では受傷から手術開始まで1時間以内を目標とする。P195 ○56. 初期評価は 15秒以内に行い、原則として中断しない。P17 ○57. 全身観察では解剖学的な観点から生命を脅かしうる損傷を見つけ出す。P19 ○58. 継続観察では行った処置の確認とバイタルサインのチェックを5分毎に行う。

P26 ×59. 搬送中に傷病者の状態が急変した場合、最初にすることは初期評価、簡易全身観

察である。P25 ○60. 車両の変形は搭乗者の受けた外力の大きさと方向を推測する上で重要である。

P28 ×61. 体表所見の重症度が一概に深部臓器損傷の重症度を反映するとは限らない。P28 ○62. 一般に身長の3倍以上の高さからの墜落は重症外傷を引き起こすと言われている。

P35 ×63. 墜落時の損傷様式で頻度の高い組み合わせは踵骨骨折と胸腰椎移行部の骨折であ

る。P35 ○64. 刺創で成傷器が刺さったままの場合、原則として抜去しない。P39

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×65. 圧挫症候群(クラッシュ・シンドローム)の死亡原因は急激な高カリウム血症である。P41

○66. 痛み刺激に対して、はらいのけは無いが、顔をしかめる時は、「JCS200」と評価する。P55

○67. 初期評価での意識評価はJCSの桁数の把握のみでよい。P17 ○68. 急性硬膜外血腫は意識清明期の存在が特徴的である。P63 ×69. 二次性脳損傷は適切な気道管理・呼吸管理・循環管理で改善が期待できる。P62 ×70. 鼻出血でダブルリングサインがある場合、鼻腔内にタンポンで圧迫止血してはな

らない。P70 ×71. 心タンポナーデはプレホスピタルの現場では容易に診断できない。P81 ○72. フレイルチェストとは奇異呼吸を呈する多発肋骨骨折である。P79 ○73. 緊張性気胸と心タンポナーデは閉塞性ショックを呈する。P78・P80 ×74. 頸静脈の怒張は心タンポナーデ、緊張性気胸を示唆する。P78・P80 ○75. 左下位肋骨骨折があれば脾臓の損傷を疑う。P85 ×76. 十二指腸損傷では早期から腹膜炎症状を呈しない例もある。P85 ×77. 骨盤骨折による出血は主に後腹膜腔内に貯留する。P89 ×78. 脊椎損傷のなかで最も頻度が高いのは頸椎である。P94 ○79. 神経原性ショックでは皮膚は温かい。P97 ○80. 片側大腿骨の非開放性骨折の出血量は約1,000mlと推定する。P100 ○81. 高齢者は疼痛閾値が高い(疼痛に対する感度が低い)。P115 ○82. 高齢者傷病者は血圧低下により意識障害を発症しやすい。P116 ○83. 呼吸回数 30 回/分以上の頻呼吸は補助呼吸の適応である。(除呼吸 10 回/分以

下)P46 ○84. 口腔底の損傷で経口エアウエイが使用できない場合は経鼻エアウエイの適応であ

る。P130 ×85. L&Gの症例でも後頸部の痛みを訴えたらニュートラル位で固定してはならない。

P134 ○86. 外傷の救急現場で補助呼吸が必要な場合は、両膝で側頭部を挟んで固定し換気す

る。P131 ○87. 全脊柱固定は、病院搬入後、傷病者の脊椎・脊髄損傷が否定されるまで継続する。

P148 ×88. 外傷傷病者の気道確保は下顎挙上法が第一選択である。P46 ×89. 3辺テーピング法では状況にもよるが上方を開放することは好ましくない。P139 ○90. 股関節脱臼で伸展が困難な場合、もっとも楽な体位を保ち毛布などを用いて固定

する。P146 ×91. ログロールの合図は必ず頭部保持の隊員が行う。P151 ○92. 腹部穿通異物の場合、ログロールにより損傷が悪化する可能性があるのでログリ

フトを行う。P152 ○93.初期評価中に気道確保が必要と判断したら、評価を中断してヘルメットを脱がせる。

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P155 ×94. ヘルメットは大きく分類するとジェット型、フルフェイス型があり、脱がせ方も

同じ方法で脱がせる。P158 ×95. 車外救出時、状況によっては足から先行するように引き出すことがある。P162 ○96. 外傷の重症度・緊急度の判断の重みは、生理学的評価、解剖学的評価、受傷機

転の順である。P187 ×97. 外傷傷病者の重症度・緊急度の判断根拠に年齢や既往症は含まれる。P187 ○98. 多数傷病者の発生現場で、短時間で効果的にトジアージを行う方法として START 法がある。P212 ○99. 不慮の事故は、本邦の 1~19歳の死因の第1位である。P244 ○100.外傷病院前救護の標準化は PTD(preventable trauma death)の減少に寄与する。

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