当院でのフィルムレスシステム（造影・X線TVjsrt-knt.umin.jp/shiryou/H20/H20forum3_pre/H20f20104.pdf · Dokkyo Medical University Koshigaya Hospital 獨協医科大学越谷病院

Dokkyo Medical University Koshigaya Hospital

獨協医科大学越谷病院

中島正弘

当院でのフィルムレスシステム

（造影・X線TV）


病院紹介病院紹介

診療科１９科

入院ベット７２３床

一日外来数２０００人

三次救命救急センター併設


診療報酬の改正内容今年度、以下のように保険点数の見直しが行われた。

現行改正

画像診断管理加算１５８点７０点

画像診断管理加算２８７点１８０点

画像診断管理加算の引上げ

デジタル映像化処理加算の廃止

現行改正

単純撮影の場合６０点平成２１年度末までの経過措置

１５点

特殊撮影の場合６４点

造影剤使用撮影の場合７２点

乳房撮影の場合６０点

※ 電子画像管理加算との併算定不可


今回の診療報酬の見直しに伴い、今後、多くの医療機関でフィルムレスへの取り組みが進んでいくことが予想されます。

コンピューター画像処理加算の見直し（対象拡大及び点数の引上げ、名称変更）【核医学診断料及びコンピューター断層撮影診断料】

現行改正

コンピューター

画像処理加算６０点電子画像管理加算１２０点

【エックス線診断料】

現行改正

単純撮影の場合

―

６０点

特殊撮影の場合６４点

造影剤使用撮影の場合７２点

乳房撮影の場合６０点


ＰＡＣＳ導入

当院では、２００６年４月よりフィルムレスにて運用開始した。

準備期間として、２００５年２月より、放射線部内システム委員がPACS導入委員として稼動した。

ＰＡＣＳ導入の目的

フィルムレスシステムを想定した、院内ＰＡＣＳシステムの構築。

画像およびレポートのオーダ連携と院内配信を行なう。


院内のシステム紹介

ＨＩＳ：ＥＧＭａｉｎ（富士通）

【２００１．２～】

ＥＧＭａｉｎＥＸ

【２００８．２～】

ＲＩＳ：Ｄｒ，ＶｉｅｗＲＩＳ（ＡＪＳ）

【２００４．７～】

ＰＡＣＳ：ＣｅｎｔｒｉｃｉｔｙＬＸ（ＧＥ）

【２００６．４～】

院内ネットワーク

HIS・RIS系：最終１００ベース

PACS・モダリティ系：最終１０００ベース


院内ネットワークの構成

HIS・RIS系ネットワーク：黄色

PACS・モダリティ系ネットワーク：赤色

基本構成

富士通ルータ

ハブ

ハブ

HIS・RIS系

PACS・モダリティ系

ハブ

：光

：1000ベース

：100ベース


システムの概要

RIS

HIS

予約

受付

撮影

モダリティ検像PACS サーバ

PACS Webサーバ

Report サーバ

配信

所見

読影

保存

Report WS

PACS WS

富士通（株）

ＡＪＳ（株）

ＧＥ横河メディカルシステム（株）

患者情報予約情報実績情報

患者情報

ＤＩＣＯＭ画像

連携

ＤＩＣＯＭ画像

患者情報予約情報

患者情報予約情報

参照画像配信

参照レポート配信ＤＩＣＯＭ画像


画像の圧縮・保存について

GE独自の圧縮方式により１/３に可逆圧縮された画像。

（プログレッシブ・ウェブレット）

全ての画像が保存されている。

可逆にて未圧縮状態に戻した画像。

最近参照した直近の1.4T分の画像が保存されている。

PACSサーバ

WEBサーバ

DICOM規格の可逆圧縮にてDICOM画像としてDVD-RAMに保存されている。

２次保管


ＰＡＣＳサーバの容量

UROSKOP　AcecessCR FUJI FCR5000

第2撮影室 CR FUJI 他軌道断層装置 FCR5000 8680 101.7CR キヤノン CXD-1 5320 62.3CR FUJI FCR5000 10240 120CR キヤノン CXD-1 85680 1004.1CR FUJI FCR5000 48800 571.9

第6撮影室 CR FUJI 一般撮影装置 FCR5501D 124800 1462.5ポータブル CR FUJI FCR9000 42000 492.2第7撮影室 DR shimazu X線TV装置 SONIALVISION第8撮影室 DR 東芝 X線TV装置 ARD-2000

第11撮影室 XA 東芝血管撮影装置 DFP-2000 35880 420.5

第1CT室 CT GE 全身用X線CT装置 ProseedSA 20000 234.4NM 東芝デジタルガンマカメラ E-CAM 1700 19.9NM 東芝三検出器ガンマカメラ GCA-9300A 400 4.7

第1MRI室 MR シーメンス MRI 20000 234.4

第２MRI室 MR 東芝 VISART/EX 15000 175.8

第２CT室 CT 東芝全身用X線CT装置 Aquilion 75000 878.9

心カテ室 XA シーメンス血管撮影装置コロスコープTOP 175500 2056.6

救命１F 第３CT室 CT東芝全身用X線CT装置 Vision 20000 234.4

合計 718700 8422.4

備考設置場所検査種別メーカー名

外来棟2F

北棟１F

一般撮影装置

一般撮影装置第5撮影室

RI診断室

第１撮影室泌尿器透視装置UROSKOP　Acecess

第3撮影室

14700

175.8

172.3

装置名画像発生量（GB)　年画像発生量（MB)　月

15000

年間画像発生量約8.2TB


X線テレビ・造影部門でのフィルムレス

・泌尿器、婦人科撮影装置

・X線テレビ

・血管造影装置

・心臓カテーテル装置


泌尿器・婦人科系検査

DR CR

CRによるカセッテ撮影とDRによる撮影を行っているRISによりどちらにもMWM接続できるように接続されている


整形外科系検査整形外科による関節造影やブロックも行ってる体位によりコメントを検像端末によりコメントを付加してPACSサーバーに送信している


造影検査

X線テレビ装置は直接型FPD装置2台で行っている


血管造影１

動画はそのままPACSに送信される


DSA画像では患者の動きによりミスマッチを起こしてしまうのでマスクの修正を行って静止画としてPACS送信を行っている

血管造影２


血管造影３RA600により静止画像・動画・Live画像の順にシリーズ変更を行ってPACS送信を行っている


心臓カテーテル装置１当院での冠状動脈造影装置はMWM接続されていないため検像端末RA６００によりAccession Noを付加してPACSに送信している


右心カテーテルデータおよびLVGデータは別装置において解析を行っている

心臓カテーテル装置２

現在はオーダーリングシステムだけでの運用だが、今後電子カルテ化されるときには心電図データやその他のデータの一括管理を行っていく予定である


画像表示

現在はPACSシステムへの出力が１２bitの対応で行っているため各装置の表示数を１２bitにそろえて出力をしている。

FPDの多様化により１６bit出力が可能になり、今後PACS装置の１６bit表示対応が必要になってくると考える


GE RA600 ５台設置場所造影部門

CT室救命CT室MRI部門心カテ室

一般撮影用検像端末

Infocom EV-Station 2台

導入当初、心カテ装置とCT装置1台が、MWM接続できない為、全て検像へ画像転送し、検像端末にて、Accession No. のマッチングを行なってからPACSサーバへ画像転送してた。

検像端末


検像端末の必要性

Accession No. の付加

・HIS停止時間帯の画像

・MWM接続不可能な装置からの画像

・システムダウン時の画像

ヒューマンエラーの救出

・マーカーの間違い・入れ忘れ

・システム誤終了・・・など

撮影画像の最終チェック

・ダブルチェック


修正端末①修正端末でCentricityから画像データを取得

(修正端末でのQuery/Retrieve)

②修正端末で情報修正

③修正端末から画像データの送信

④オリジナルと修正後データの両方を保存

必要に応じオリジナルを消去

⑤HISへ新たな画像登録を通知

修正端末Centricity

②情報修正

①修正端末でのQuery/Retrieve

③画像データを送信

オリジナル画像

オリジナル画像

修正後画像

修正後画像

⑤HISへ通知

④データを保存(必要に応じオリジナルを消去)

修正端末対応修正項目

•患者名

•患者ID

•性別

•生年月日

•Accession No.（オーダー番号）


システム障害時

障害回数

ＨＩＳダウン２回

ＲＩＳダウン３回

ＰＡＣＳダウン運用への影響は無し

その他（ネットワークなど）運用への影響は無し

《主な原因》

ＨＩＳ：OSの不具合、DISK装置の故障

ＲＩＳ：HIS連携用プログラムの不具合、JAVAエラー

ＰＡＣＳ：部分的な再起動などのみ

その他：ハブの故障、情報コンセントの設定ミスなど


フィルミング

フィルム出力の依頼

・整形外科領域の計測時の依頼

・他院への紹介・保険会社等への出力依頼

・システムダウン時の出力

ＤＲＹイメージャーの確保


まとめ

フィルムレスシステム導入にあたり、病院全体だけでなく、放射線部としてワーキンググループを作り、構築から運用までを、十分考えることが必要である。

ＰＡＣＳだけでなく、ＨＩＳ・ＲＩＳも含め、理解することが、自分の施設にあったシステム構築に繋がる。

既存の装置や現状の運用を十分に考慮してシステムを構築することが、使いやすいかつ正確なシステムとなる。


ご清聴ありがとうございました。


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