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─ 17 ─ 国際交流学科 国際交流インターンシップ 台湾 月日 主な日程 9/14(月) 成田発,台湾着 9/15(火) 二年生との交流会,キャンパスツアー 9/16(水) ホテル日本語/テ形/ひらがなの授業 9/17(木) 航空日本語/テ形/ひらがな/やりもらいの授業 1年生との交流会 9/18(金) テ形/ひらがなの授業,日本語クラス見学 9/19(土) 高雄市視察 9/20(日) 高雄発,台北到着後,市内視察 9/21(月) 台北発,成田着 引率教員:林 千賀 准教授 参加者:7名 国際交流学科 3年生 4名  木村,高月,星野,井出 1年生 1名  山﨑 4年生 1名  佐藤 国際文化学科 3年生 1名  鈴

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─ 17 ─

国際交流学科 国際交流インターンシップ

台湾

月日 主な日程

9/14(月) 成田発,台湾着

9/15(火) 二年生との交流会,キャンパスツアー

9/16(水) ホテル日本語/テ形/ひらがなの授業

9/17(木) 航空日本語/テ形/ひらがな/やりもらいの授業1年生との交流会

9/18(金) テ形/ひらがなの授業,日本語クラス見学

9/19(土) 高雄市視察

9/20(日) 高雄発,台北到着後,市内視察

9/21(月) 台北発,成田着

        引率教員:林 千賀 准教授

        参加者:7名

        国際交流学科 3年生 4名  木村,高月,星野,井出

               1年生 1名  山﨑

               4年生 1名  佐藤

        国際文化学科 3年生 1名  鈴木

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2009年度コミュニケーション・インターンシップレポート

国際交流学科 山﨑 香寿美

研修の目的

・日本語教育について理解を深めること。

・海外の文化に触れ視野を広げること。

・リーダーシップの取れる人材を目指すこと。

・その時々に応じた適切な判断力を身につけること。

1.國立高雄餐旅學院

 國立高雄餐旅學院には,調理実習室・ワインセラー・バー・レストラン・飛行機の操縦室・機内・

チェックインフロアー・ホテルなどさまざまな施設が備わっていて,私たちは,学生が実際に実習し

ているホテルに泊まった。どの施設も本格的な作りになっていて,すごく驚かされた。

2.授業

 平仮名のクラスでは,平仮名の練習を行ない,応用として簡単な単語を用いたかるたをした。テ形

のクラスでは,テ形(〜って,〜いて,〜して,〜んで)の復習に加え,フラシュカードなどを用い

て「〜ています」の練習を行ない,それを使った『友達探しゲーム,ジェスチャーゲーム』をした。

航空日本語のクラスでは,場面を想定してデモンストレーションを行なったり,ディクテーションを

取り入れての練習をした。

2.1 平仮名の導入とゲーム

概要

・自己紹介(大学名と名前を黒板に書く)

・授業内容の説明

・あ〜な行までの文字の読み方・単語の読み方練習

・かるた

・ビンゴ

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・平仮名の導入

(1)平仮名 平仮名の一覧表を貼る

T:今日は,平仮名を練習して

いきたいと思います。ではま

ず,「あ行」からやっていき

ます。

T:あ

S:あ

T:い

S:い

・あ行をバラバラにし,学生に

発音してもらう。

・あ行を使った単語練習

 (あい,いえ,おい etc…)

・次の行へ

このとき,「あ行」を手で指し

示す。

できるだけ大きく,はっきりと

言う。

 このように続けていき,「あ行」が終わったら,「あ行」をランダムに出していき,学生に言っても

らい覚えているかを確認する。覚えられていない場合にはもう一度ゆっくり大きな声で言うようにす

る。その後,一人ずつ指名して答えてもらう。それが終わったら「あ行」の単語に移り,同じようにルー

ピング練習をしていく。「い行」が終わったらあ行と混ぜて言わせてみる。このように徐々に量を増

やしていく。90分の授業の中で「な行」までをノルマとして時間があるようであれば,「は行」に進

めた。先生から,もう少し大きな声でゆっくりと進めてほしいというアドバイスをいただき,さらに

私は50人のクラスだったので大人数をまとめることは大変なことなのによく頑張っていたと言ってい

ただいた。

 フラッシュカード(絵教材)を使っての授業は,めくるタイミングがすごく難しかった。

・かるた

 5人1組でグループを作り,最初にデモンストレーションを見てもらいルール説明を行なった。ゲー

ムは,間違えて違う文字を取っていないかを確認しながら行なった。

・ビンゴ

 5種類のカードを用意し,かるたと同じグループでビンゴが出るまで行なった。

2.2 テ形の授業

概要

・自己紹介

・テ形の復習

・〜ています形のフラッシュカード

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・友達探しゲーム

・ジェスチャーゲーム

五段動詞

語幹末尾子音 音便の形 例

〜う 音便の形 買う・伺う・会う・言う

〜る 促音便

〜って

走る・売る・帰る・さがる

〜つ 待つ・持つ

(〜く) 行く

〜く 〜イ音便

〜いて・〜いで

ひく・書く・聞く・たたく

〜ぐ 急ぐ・泳ぐ

〜す 〜して 貸す・返す

〜む 撥音便

〜んで

読む・飲む

〜ぶ 呼ぶ・遊ぶ・飛ぶ

〜ぬ 死ぬ

一般動詞

食べる る → 食べて

見る る → 見て

不規則変化動詞

来る → 来て

する → して

 上記の表を作り,テ形の復習をする際に用いた。スクリーンに映したが,学生は見えにくそうだっ

たので大きな紙に書いたほうがよいと思った。一通り,復習したら五段動詞の歌を歌った。五段動詞

の歌は,すごく盛り上がり学生もリラックスできてよかったと思った。

 その後,絵のフラッシュカードを使い「〜ています形」の導入を平仮名の時のようにルーピングを

用いて行なった。「〜ています形」の導入は,非常に難しく次の「友達探しゲーム」・「ジェスチャーゲー

ム」につなげるのに苦労した。

 先生からは,フラッシュカードの時もう少し1つ1つに間隔を取るとよかったとアドバイスをいた

だいた。

 学生に言ってほしいことを,伝えるのが本当に難しかった。もっと,言い方や質問を工夫しなけれ

ばいけなかったと思った。

 ジェスチャーゲームは,想像より盛り上がりに欠けており,改善の余地があった。1グループずつ

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では,やっていないグループがつまらなそうにしていたので,同時進行にすれば,競争心も強まり盛

り上がると思った。

2.2.2 テ形のパターン練習

 テ形のパターン練習は次の通り。

・学生1人に前に出てきてもらい,黒板に名前を書いてもらう。

      ↓

・他の学生に前に出てきてもらった学生は「何をしていますか?」と問う。

      ↓

・学生に「テ形の導入練習」の時に練習した「〜ています。」の文型を使って答えてもらう。

 スムーズに言えるようになるまで前に出てもらった学生に家族の名前などを書いてもらい練習す

る。

      ↓

・用意しておいたフラッシュカードを学生に見せ,「何をしていますか?」と問う。

      ↓

  例S「食べています。」

   T「そうですね。 食べています。 言ってください。 食べています。」

   学生に反復して言ってもらう。

  *少し間隔を開けても答えが出ない場合は下線部を言い同じように反復してもらう。

   (10種類ぐらいフラッシュカードを見せ全員で反復練習をする。)

      ↓

・ランダムにフラッシュカードを見せ,同じように反復練習をする。(10種類 程度)

      ↓

・生徒をランダムに1人ずつ指名し,ランダムにフラッシュカードを見せ答えてもらう。

 *学生が間違えたら言えるまで繰り返し練習する。(20種類 程度)

2.2.3 テ形のゲーム1(友達探しゲーム)

(1) 導入

・フラッシュカードは置き,質問をする練習をする。

 T「何をしていますか?言ってください。 何をしていますか?」

 S「何をしていますか?」

 (言えるようになるまで)

      ↓

・再びフラッシュカードを見せる

 T「これはあなたの友達です。 友達は何をしていますか?」

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 S「泳いでいます。」(10回程度)

      ↓

・フラッシュカードを置き質問練習をする。

 T「友達は何をしていますか? 言ってください。 友達は何をしていますか?」

 S「友達は何をしていますか?」(言えるまで。)

      ↓

・フラッシュカードを持ち学生をランダムに指名する。

 T「友達は何をしていますか? 聞いてください。 ハイ。」

 S「友達は何をしていますか?」

 他の学生に答えてもらう。「音楽を聞いています。」(15人程度)

      ↓

 T「友達は歌を歌っていますか?」

  *1(歌っていないフラッシュカードを見せる。)

 S「いいえ。絵を描いています。(よくある間違い)」

 T「そうですね。歌を歌っていません。 言ってください。」

 S「歌を歌っていません。」

 T「友達は歩いていますか?」*1

 S「いいえ。歩いていません。」

      ↓

 T「友達は洗濯をしていますか?」

  *2(洗濯をしているフラッシュカードを見せる。)

 S「ハイ。洗濯をしています。」

2回繰り返す。

      ↓

・ランダムに質問する。(15回程度)     *間違いは正し,言えるまで

 次に1人の学生を指名する。(5人程度)   繰り返す。

(2)ゲーム

・プリント(パティーをしている絵)を見せながら場面説明。

 プリントの中で友達を決め,目印をつけてもらう。

 *この時,自分の決めた友達を他の人に教えてはいけない事をジェスチャーを付けて説明する。

      ↓

・プリントと下の表(ゲームで他の人の友達を書き込む際に使用)を配り,デモンストレーションを

2回ぐらい見せる。*プロジェクターにプリントを映す。

      ↓

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・質問があるか聞き,1番早く終わった人にはプレゼントがあることを知らせる。(よりゲームを一

生懸命に取り組んでくれる。)

 *途中で「終わった人は言ってください。」などと声をかける。

*この時は10人の友達を探してもらったが少し長く感じたので,人数をへらしたり,時間制限を設

けるとよい。

パートナーの名前 パートナーの友達の名前 何をしていますか?

 終了後,1番早い人に前に出てもらい答え合わせをする。

 お礼を言いプレゼントを渡す。

2.2.4 テ形のゲーム2(ジェスチャーゲーム)

・まずデモンストレーションを見せる。

      ↓

T1「この袋に,カードが入っています。」(袋からカードを出し学生に見せる。)

   ここから1枚引きます。」

T2(袋からカードを1枚引きアピール)

T1「カードは他の人に見せてはいけません。引いたカードを戻してもいけません。引いたら置いて

   ください。」*ジェスチャーを付けながら

T2「ジェスチャーをします。」(引いたカードに書かれたことをジェスチャーで表現)

T1「何をしていますか?」

*ランダムに学生を指名し答えてもらう。間違いは正し,当たるまで指名していく。その間T2

は,ジェスチャーを繰り返す。

S「○○をしています。(正解)」/(不正解)

T2「ハイ。そうです。」/「いいえ。ちがいます。」

   2回繰り返す

      ↓

・2つのグループを作る。まずグループ1に前に出てもらいやってもらう。

 次にグループ2

 *1先生の人数がいれば同時進行でも盛り上がると思う。

 *2 「いいですか?時間を計りますよ。急いでください。よーい,始め。」と声をかけ始める。

 *3ゲーム中に間違っていた単語は終わってから正す。

 終了後,勝ったチームにプレゼントを渡す。

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2.3 航空日本語

概要

・自己紹介

・単語練習

・シーン1

・シーン2(ディクテーション)

カ:いらっしゃいませ。パスポートと航空券をお願いします。

客:はい。

カ:東京までですね?

客:そうです。

カ:ご希望のお席はございますか?

客:窓側がいいですね。

カ:かしこまりました。(申し訳ございません。窓側は満席でございます。)おたばこは?

客:吸いません。

カ:それでは,ノースモーキングでよろしいですか?

客:はい。

カ:荷物はひとつですね。

客:いいえ。2つです。

カ:お待たせいたしました。こちらが搭乗券でございます。搭乗時刻は3時でございます。9番ゲー

トでございます。

客:どうも。

カ:ありがとうございました。

 上記のシーン1をやるにあたって,プリントを配布し,まず最初にシーン1(空港でのチェックイ

ン)のデモンストレーションを2回行ない,その後シーン1をいくつかに区切って下線部で導入練習

をしていった。その際,クラスをお客様役とカウンター役の2つに分けて練習した。役を入れ替えク

ラス全員が両方の役を練習できるようにした。シーン1すべての導入練習が終わったら,ペアで練習

させ,発表の場を設けた。

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ディクテーションチェックインII

客:すみません。      をお願いします。カ:パスポートと      をお願いします。客:これが私の      と航空券です。どうぞ。  この便は,      ですか?カ:はい,      の東京行きです。  少々,お待ちください。  お待たせしました。   が搭乗券です。  搭乗ゲートは      です。 搭乗時間は です。客:どうも。それから      はどこですか?カ:お手洗いは      です。  エスカレーターの      です。客:ありがとう。カ:ありがとうございました。

 シーン2では,シーン1で覚えたフレーズも多いため練習方法を変えディクテーションを行なった。

上記のディクテーション用紙を配布し,ディクテーションのデモンストレーションを行なった。文は

大きい声でゆっくりと読んだ。デモンストレーションは,3・4回行なった。そして,シーン1では

出てこなかった「○○はどこですか?」「○○は,あちらです。△△の前です。」の言い回しの練習を

黒板に地図を書いて行なった。この地図は,大きな紙に事前に書けばよりよかった。このときも,答

えが1つでは無いため学生への質問は注意する必要がある。答え合わせは,学生に答えを聞いた。最

後にペアでの練習・発表をして授業を終えた。

 先生からは,学生の前に立つときは自信を持って下さい,学生は先生の表情などをよく見ているの

で先生がおどおどしていたのでは学生との関係は築きにくくなってしまう,というアドバイスをいた

だいた。そのアドバイスをいただいて,その通りだと思った。

3.交流会

 日本語学科1年生・2年生と交流した。

<ゲーム>

・自己紹介ゲーム

 ビンゴゲームの要領で自己紹介をした相手から自分の集めている色のシールをもらう。

・目隠し鬼

 グループに分かれ,代表者がアイマスクをして前に出る。仲間はアイマスクをした代表者を声だけ

でゴールへ導かなければならない。かかった時間が短いグループの勝利となる。

・インディアンボーイ

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 全員で輪を作りインディアンボーイの歌を歌う。先生が「○人!!」と大きな声で言うので言われた

人数のグループを作って座る。溢れてしまったら輪から出なくてはいけない。最後に残った2人が勝

利となる。

・フルーツバスケット

 フルーツではなく日本の国民的アニメ「ドラえもん」を使いフルーツバスケットをした。徐々に難

易度を上げて行った。

・メイキングセンテンスゲーム

 6人程度のグループを作る。1列になり,1人ずつ3つの机からカード(名詞・動詞などを書いて

おく)を3枚取り1つの文を作る。正解したら列の後ろにまわり次の人と交代する。正解数の多いグ

ループが勝利(時間制限あり)。

・着物の着付け

 國立高雄餐旅學院の学生は着物の着付け方を知っている人もいて,思っていたよりもスムーズに進

んだ。着物を着た学生は大はしゃぎで写真を撮っていた。

4.学生との交流

 高雄の学生は,あたたかく私たちを迎えてくれて,私も反対の立場になったら来てくれた人に高雄

の学生のように接したいと思った。私が一番感心したのは高雄の学生は私たち7人全員を見ていて,

決して私たちをひとりにすることはなかった。みんな全体のことに気を配っていて私たちが困ってい

るとすぐに助けてくれ「大丈夫?」と声をかけてくれた。高雄市内を案内してくれている時など,道

を歩く際は私たちが車道側に行かないようさり気なく気遣ってくれて,さすがホスピタリティを学ん

でいる学生だなと感心しました。私にはまだできていない事なので見習いたいと思った。そして,高

雄の学生は,勉強している日本語で話すことをとても楽しそうにしていてすごく驚いた。日本だった

ら,英語に自信があってもネイティブスピーカーと会話することを積極的にできる人は少ないけれど,

学生たちは少し間違えていても私たちに楽しそうに話しかけてくれるので,私も,高雄の学生が日本

語で知らない言葉があったらできる限り簡単な日本語に変えて伝えるように心がけた。逆に私が分か

らない中国語があるときには,ゆっくり教えてくれて本当にうれしかった。交流会では,私の説明に

ちゃんと反応を返してくれてとてもやりやすかった。交流会があったことで,応用日本語学科の皆と

打ち解けることができたと思う。夜市に,連れて行ってもらった時は1つ1つの屋台を説明してくれ,

ちゃんと台湾の名物も紹介してくれた。私も,母国のことをしっかり説明できるようになりたいと思っ

た。

5.まとめ・感想

 初めてのミーティングの時は,1年生1人ということでとても不安だった。2年生もおらず,3・4

年生だけだったので専門的な授業をまだ履修してないのは私だけだから,迷惑をかけてしまうのでは

と思っていた。しかし,先輩方のフォローで何度も助けられて私も付いていくことができた。台湾に

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着き,交流会で初めて学生の前に立った時は,すごく緊張して時計を見る余裕もなく,覚えていった

台詞を言うので精一杯だった。次の日の授業が心配になり先輩方と夜に部屋で何度も打ち合わせと練

習をしたにも関わらず,初日の授業は,全然うまく進めることが出来なかった。そんななか,学生の

笑顔に何度も救われて教師という仕事の楽しさを肌で感じることが出来たと思う。

 最後には同じ授業を受け持った先輩方と助けあいながら進めることができて,非常に達成感を感じ

た。校内を歩いていて私が教えた学生に,「先生!こんにちは」とあいさつされた時は涙が出るほど感

動した。

 この研修を終えて自分の意見を持つことも大切だが,他の人にその意見を発表してセッションしな

ければ,意味がないことをつくづく感じた。そして,人前に立って自分の意見を言うことに,少し慣

れた気がしている。この経験を生かして,さまざまな交流の場に参加してたくさんの人と出会って話

してみたいと思った。

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研修先:オスロ大学(ノルウェー),大連外国語学院(中国)

このインターンシップは国際交流基金の助成を受けて実施された。

海外日本語インターンシップに参加して

国際交流学科 藤沢 奈穂

 私が今回このインターンシップへ参加したのは,日本語をもっとたくさんの国の方々に学んでもら

いたい,日本へ興味を持っていただくためのお手伝いをさせてもらいたいという思いと,自分の将来

への糧にできたらいいなという思いがあったからです。

 私の将来の夢は,海外で少しでも多くの方に日本の良さを知っていただくために,日本の文化や様々

なものを紹介する活動をすることです。今回のインターンシップでは日本語を通して,日本語でのあ

いさつや言葉づかいを知っていただけたらよいなという思いを持って臨みました。

 私は今回,ノルウェーの首都にあり,国内最大規模の大学であるオスロ大学の日本語学科の初等ク

ラスで,先生方のアシスタントとして授業に参加をしていました。クラスを取っている学生は約60

人程度で,会話中心の授業の日は大きな教室で学生全員と一緒に教科書の会話例文をもとに発音やス

ムーズに話す練習などをし,文法・口頭練習の授業の日は60人を3つのクラスに分け,それぞれのク

ラスで文法の使い方を教えたり,練習問題の採点をしたりしていました。

 まず私は教案を立てる前に,授業時の例文や問題文に出てくる新しい単語をチェックし,それぞれ

の単語の否定形・過去形や活用,また新しい表現などを調べ,それらをまとめ,また英語でも説明で

きるようにしました。そして授業時に,学生たちに事前にその新しい単語や表現を勉強してきたかど

うかを確認して,私がまとめてきたことを補足として学生たちに指導していました。この時に,事前

に勉強をしてきていない学生もいることがあったので,そのような学生でも理解ができるよう,何度

も声に出す練習などをして,覚えてもらえるように考えながらまとめをしました。

 いつも授業をする前日の事前指導の際に,担当の先生に私が立ててきた教案をチェックしていただ

きました。初めての教案を立てたとき,私は自分が指導する際に話す言葉や練習問題の進め方など,

たくさんのことを事細かに書いていました。しかし,担当の先生にチェックしていただいた際,教案

自体は悪くないものの,実際の授業の際は全てが教案通りにはいかないし,授業中に確認する際に見

てすぐわかるように,キーワードとしてまとめて書くなどの工夫が必要だとアドバイスをいただきま

した。そして実際に授業で自分の立てた教案をもとに授業をしてみると,やはり教案通りにはうまく

進められず,学生の名前と顔を確認することに必死になってしまっていました。授業後の指導では,

授業を進める中で一番大切なことはテンポよく進めて,学生が考えない時間をつくらないことだとア

海外日本語インターンシップ

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ドバイスをいただきました。その後の授業の事前準備は,いただいたアドバイスをもとにいつも見て

すぐわかる教案をつくり,授業中では,流れやテンポを崩さないように心がけてきました。ただ,こ

なす回数につれてだんだんと克服はしてきましたが,授業をしている中で,不安なところや自信がな

いところがあると,つまずいてしまったり,声が小さくなったりすると指摘されてしまいました。教

案を立てる際,いつも必ずしていたことは,その授業時にポイントとなる部分の板書文をつくること

でした。板書文をつくることによって,口頭だけで説明するよりも,学生が理解しやすく,頭に残り

やすいと考えたからです。例えば,『四人』というとき口頭だけで説明した際,学生は読み方が「よにん」

なのか,「よんにん」なのか聞き取れない場合があります。普段,数字の『四』は「よん」と読みま

すが,人数を数える時は同じ漢字でも,「よん」ではなく,「よ」と読みます。これを板書にして書く

ことにより,目で見てその違いが分かります。実際に授業で板書をしたところ,たくさんの学生が分

かりやすかったと言ってくれました。私自身も板書文をつくり,授業で使用する際,文法事項の説明

をよりスムーズにすることができたと思います。

 会話のクラスの事前準備は,どのようにしたら学生がスムーズに,またよりネイティブに近く日本

語を話せるかということを考えながら,教科書の会話練習をもとに準備をしました。その際,担当の

先生から教えていただいたのは,1つの文を一度文節で区切り,それを後ろから順々につなげて読ん

でいくというものでした。例えば,「先生,教科書を忘れました。」という文であれば,「先生,/教科

書を/忘れました。」といったように文節で区切り,実際の読む練習では,最初に,「忘れました。」だ

けを何度か練習させ,スムーズに言えるようになったら,「教科書を」の文節を足し,「教科書を忘れ

ました。」という形にして,また何度か練習をさせます。このようにして,最終的に1文を通してスムー

ズに発音する練習をします。実際にその方法をやるとやらないとでは,スムーズに発音できるかどう

かが違いました。また事前準備の際に,矢印でその言葉の音がどのように上がり下がりをしているの

かを書き,授業での練習でその部分に気をつけて発音をしていました。

 今回,自分で教案を考えること,実際に学生の前で授業をすることを初めて経験させていただき,

この活動を通して,人に言語を教えるという楽しさ,難しさを知ることができ,また,どのようにし

たら円滑に授業を進めることができるか,どのようにしたら学生がよりよく日本語を覚えて話せるよ

うになるのかということをたくさん考えることができました。また担当の先生方にたくさんのアドバ

イスをいただき,指導していいただいたことを,今後きちんと振り返り,必ず自分のものにしていき

たいと思います。

 放課後などに大学の中にあるカフェテリアで学生と一緒に折り紙や日本のアニメや音楽などについ

て話をしたり,学生の住んでいるアパートなどを訪問して,一緒に日本のお好み焼きや,カレーライ

スを一緒に作って食べたりしました。その時は,「授業の中で,すでに勉強をした単語や表現を交え

て会話をする」というルールを作って,料理をつくりながらも,一緒に楽しみながら日本語を教える

こともでき,私も日本の文化や料理を教えることができました。また,一人の学生の御実家に3日間

ホームステイをさせていただき,ノルウェー人ならではの生活を体験したり,伝統的なヘラジカ料理

を食べさせていただいたりと日本では経験できないことをたくさんさせていただきました。そのホー

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─ 30 ─

ムステイ期間中の生活では,学生にノルウェーの文化を日本語で説明してもらいました。そのほかに

も,オスロ市内を学生に案内してもらって,日本語の会話練習の手伝いをしました。またノルウェー

のクリスマスのお菓子の作り方を日本語で教えてもらったり,同じ年代の学生のみなさんと色々なこ

とについて日本語と英語を交えながら意見交換をすることができたりして,学生と日本語と英語を通

してさまざま交流をすることができました。

 今回,この海外日本語インターンシップに参加し,オスロ大学で日本語を現地の学生に教えたり,

文化交流をしたりと,普段では決してできない,とても貴重な体験をたくさんさせていただきました。

そのなかでも,やはり自分自身がたくさんの方々と交流を持つことができ,その中で自分が今まで知

ることができなかった世界を見て,肌身で体験をすることができ,たくさんのことを勉強し,吸収す

ることができました。例えば,50人もの現地の学生の前で自分の母国語である日本語を指導している

中で,学生たちが普段日本人は考えないようなこと,感じないようなことを質問してきたり,また,

それに対して何が適切な答えなのかというのを考えたりさせられました。そのたくさんの学生たちと

の交流の中で,お互いの文化や言葉,意見や考え方を交換することができ,本当に有意義な時間を過

ごすことができました。今後は,この海外日本語インターンシップで感じたこと,学んだことを決し

て忘れず,今後の生活に大いに生かし,それをたくさんの人に伝えていけたらよいと思います。

大連外国語学院でのインターンシップについて

国際交流学科 糸川 実里

1.研修参加の動機

 私は,2年生から日本語教授法を学び,日本語の教え方,外国人から見た日本語の文法,また国際

コミュニケーションを学ぶことができました。その締めくくりとして,国際交流基金の助成を受けた

約2ヶ月間のインターンシップに参加しました。

2.受入機関と現地での授業

 受け入れ先は大連外国語学院・日本語学院でした。見学したクラスは,4年1組・13組,3年3組・

7組・16組,南山校舎の学生のクラスでした。実習を担当したクラスは3年1組,2年2組・4組・

17組・18組・22組でした。

 担当した授業では,『日本語作文教室II』,『中級日語聴力教程上』,『当代日本語 会話』をテキスト

として使用しました。実習の担当時間は,3年1組の授業のうち20分,リスニングの授業の30分が3

回,会話のクラスが2コマでした。

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3.授業準備と授業について

3.1 3年1組の実習について

 中級から上級レベルの学生だったので,語彙コントロールをしやすいクラスでした。しかし,クラ

スの中でレベルがバラバラなので分かっている学生とそうでない学生を区別することが難しかったで

す。

 このクラスでは,「オノマトペ」を使った短文作りのテストをしました。そのテストを採点して,

どんな間違いが多かったか調べ,学生に教えるということをしました。学生のレベルが違うというこ

とで,誤用頻度を調べ,クラス全体で多い間違い問題だけ解説することにしました。

〈教案を作るときに気をつけたこと〉

 教案を作るとき気をつけたことは,どの学生でもわかるように簡単でわかりやすい言葉を選んだこ

とです。オノマトペは状態を表すものが多いので,実際に動作してみせるということも取り入れまし

た。例文を作って間違った文との比較をして間違いをわからせるように教案に取り入れました。その

例文も実際に学生の解答から正しい解答,間違った解答を抜き出し,身近な感じを持ってもらいまし

た。

〈評価できた点・反省した点〉

 授業を振り返ってみて長所と思えたのは,実際に動作したことによってどのような状態を表すかを

より具体的に学生に教えられたことです。学生の解答を引用したことによって同じような間違いをし

た学生にも理解してもらうことができたと感じました。逆に,反省した点は,解説をした後で本当に

学生が間違いに気づき,理解できたかどうかということと,そのあとの活動を用意できなかったこと

です。解説ということで,自分ばかりが話してしまい,学生に発言させる活動を考えることができま

せんでした。

3.2 2年22組・18組・17組での実習について

 3クラスでヒアリングの授業を実習しました。クラスの中ではレベルの差があまりなく,教えやす

い授業でした。しかし,3クラスともレベルと雰囲気が違い,クラスの違いを感じながら3回同じ授

業を行うことで,失敗を改善していくことができるチャンスができました。

〈教案を作るとき気をつけたこと〉

 教案を作るとき,LL教室での授業であることを考えて,パワーポイントを作成しました。授業の

流れは決まっていたので,本文を見てみて学生がわからなさそうなものを探し,それをわかりやすく

解説する教案を作りました。最初に本文について話すときも,なるべく学生が答えやすい発問を考え

なければ学生の興味がなくなってしまうので,思いつきで発問するのではなく,学生がどんな答えを

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言うかも考えておくことも必要です。習得しているものも多いので,すぐに解説するのではなく,意

味がわからなければ答えられないような発問を考えることが大切だと先生から教えていただきまし

た。

〈評価できた点・反省した点〉

 授業を行なって,評価できたのは,3回通すことによって悪いところを改善し,次の授業にのぞむ

ことができたことです。先生からのフィードバックがあったので,自分自身で気づかなかった課題を

見つけていただいて,考えることができました。3回目は最初に比べて緊張せずにできました。内容

を頭に入れることができ,流れをつかんでスムーズに進めることができました。反省すべき点は,予

習をしていたクラスはスムーズに進んでいると思ってしまいましたが,それは予習をしていた一部だ

というのを考えてなかったと思いました。3回目の最後に本文を読むということを忘れてしまい,気

持ちいい終わり方ができなかったのが悔しかったです。

〈ヒアリング書き取り問題を考える〉

 ヒアリングの授業の実習では,ヒアリング書き取り問題を考えることもしました。毎回,課が終わ

るごとにその課の中の単語や文法を使って短文を作り,学生に聞きとらせ,ノートに書き取らせてい

ます。その短文は,インターネットでその単語を検索してよく使われているもので文を作るというも

のです。意味がわかりやすく,しっかりとした文を作ることは大変でした。また,レベルが高い学生

に合わせて文章を長くし,中国人が聞き取りづらい発音を入れてみて学生がどのように聞き取るのか

見てみるということはとても興味深いものでした。

 また,採点をして解説をするためにパワーポイントを作成しました。新しく導入した単語をわかり

やすく絵を描いて導入して,難しい単語や文法は発問して学生に聞きながら解説しました。

3.3 2年2組・4組について(会話)

 この2クラスは,ヒアリングのクラスよりレベルが低く,クラスの中でのレベルの差はあまりない

感じでした。2クラスは雰囲気がまったく違うクラスでした。会話は活動を多くしたかったので,そ

の中でのクラスコントロールというのはとても大切だと感じました。

〈教案を作るとき気をつけたこと〉

 会話の授業は話すことを目的としている授業なので,目標を決め,その目標の会話をできるように

なるための活動を考えることが大変でした。教科書の内容は「料理」ということで,私は目標を「料

理の作り方(手順)を言えるようになる」という目標をたてましたが,中国文化の影響で台湾の料理

ができない学生もいるということと,日本料理の作り方を練習として紹介しても日本独自の料理の単

語を理解するのは難しいという問題がありました。例えば「だし」や野菜の切り方の名前などです。

このような単語をひとつずつわかりやすく教えるために教案を考えることに苦労しました。

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 1コマという長い授業をどのように進めるか計画をしっかり立てて行うことも大切だと感じまし

た。最初の活動に何分かけるか,最後の発表は1グループどのくらいの時間が必要か考えながら教案

を作っていきました。

〈評価できた点・反省した点〉

 評価できた点は,2回目に実習したとき,1回目の実習でほとんどの活動が失敗という形になって

しまったので,教案のほとんどを改善して新しいものに作りかえ,活動内容を変えたことです。しっ

かり内容を頭に入れて,2回目の実習を行ったので,2回目は止まることなく授業を行うことができ

ました。

 悪かったのは1回目の授業でした。途中で何回も止まってしまったり,質問しても返ってこなかっ

たりする状況が続いてしまいました。そこで,2回目は1回目の失敗をしないように教案を必死で頭

にいれることができました。質問もすぐに答えを求めるのではなく学生に考える時間を与える余裕が

必要ということと,自分自身でも答えを決めておき,正解を学生全体に共有することが必要というア

ドバイスを先生からいただいて,それを実行することができました。また,2回目の最後に,発表す

る時間を設けることができなかったのが残念でした。

3.4 見学・実習を通して

 この見学実習を通し,最初は大学で学び,研修も何度か出ていたので,すぐ実習のほうに取り掛か

れると思っていましたが,勉強不足でなかなか実習に入れず少し焦ってしまいました。そんな私に,

向こうの先生方は丁寧に授業のやり方から学生のこと,クラスの雰囲気などひとつひとつ教えてくだ

さいました。学生との会話や,授業を通して,日本語・日本文化・社会のことを伝えることができた

と思っています。

4.学生との交流について

 専門学校の方の授業の中で,日本の伝統芸能について勉強しました。その中に茶道の話があり,ちょ

うど大学に茶道の先生がいて,施設もあるので体験してみようという話になりました。

 体験する前に,茶道とはどんなことをするのか。どのようにして生まれたのか。茶道の道具の名前

などを授業の中で勉強しました。私も茶道は初めてだったので,学生たちと同じ気持ちで先生の話を

聞いていました。

 茶道教室は,日本から和室を一式持ってきたような感じの部屋でした。日本に行ったことがある学

生もいましたが,行ったことのない学生にはとても新鮮なもののようでした。触ってみたり,写真を

撮ったりみんな楽しそうでした。

 お茶は,先生からお茶を習った学生がたててくれました。その様子をみると,学生はとても緊張し

ているようでした。事前に習ったことを復習しつつ体験することができたので,茶道の心得などを実

感することができたような気がしました。そして,茶道教室を通じて,会話や文化のことをディスカッ

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ションして,学生たちの日本語能力向上に努めました。

 茶道を体験したあと,茶道の先生にお礼の手紙を書くということで,実際に体験してみて感じたこ

とやわかったことなどを書いていました。間違いがないかをチェックすると,やはり「楽しかった」

とか,「お茶は苦かったけど,とても貴重な体験ができた」など日本の伝統文化に興味があり,その

経験ができてよかったということがわかりました。

 その他,現地の学生に大連市内を案内してもらったり,お昼御飯や晩御飯を一緒に食べながら日本

語や日本の文化のことを教えたりしました。また,学生に中国語と中国文化について教えてもらいま

した。

 また,市内にある日本語の専門学校のような学校に見学に行きました。そこは,同じ年ぐらいの学

生ももちろんいましたが,一度社会人を経験したことがある学生,日本で仕事をした経験がある学生

などもいて,年齢もばらばらで少人数のクラスということもあって大学の学生とは違った感じの授業

を見ることができました。

 約2カ月の滞在中,学生との交流を通して,自分自身まったく知らなかった中国語や中国文化を教

えてもらい,生活を有意義に過ごせたと思います。異文化というものを肌で感じることができました。

5.感想

 この研修を通じて,日本語教授法のこともたくさん学べました。

 私は実習できなかったのですが,作文の授業はとても勉強になりました。学生の書いた作文は一見

できているように見えたのですが,読んでいくごとに文章に違和感がありました。先生に教えていた

だいたのですが,中国人の学生は中国語が母語なので漢語で作文を書いてしまうことがあるようです。

それで,漢字で書いて意味をわからせることができると思いましたが,その漢字は日本語の意味と,

中国語の意味と違う場合があるということがわかりました。作文を書くときは,和語を使うようにし

なければ,日本人に受け入れづらい文章になってしまうことがわかりました。

 実習では,授業の流れを組み立てたり,たくさんいる学生の全員がわかるようにしたりするにはど

う教えなければならないかを考えるのが大変でした。また,文化的な違いを考えながら,身近にどう

いう場面で必要か考えながら導入するべきか決めることも大変でした。いろいろな状況を考えながら

教案を立てることが必要だと感じました。

 先方にとって初めての受け入れとあっていろいろと戸惑うことが多かった2ヶ月間でしたが,先生

方と学生たちとの交流で有意義に過ごすことができたと思います。