24
- 1 - 2.1 2.2 2.2.1 2.2.2 2.2.3 2.2.4 2.2.5 2.2.6 2.3 2.3.1 2.3.2 2.3.3 2.3.4 22 4400 4

060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~` M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 1 -

コロンビア・米国間自由貿易協定(概要) 目目目目 次次次次 序 文 1. 自由貿易協定の重要性 2. コロンビア・米国間の自由貿易協定内容

2.1 協定の制度面 2.2 市場へのアクセス

2.2.1 農業 2.2.2 工業 2.2.3 サービス業 2.2.4 投資 2.2.5 政府調達 2.2.6 市場へのアクセスに関するその他のテーマ

2.3 重要テーマ 2.3.1 知的所有権 2.3.2 競争政策 2.3.3 労働関連 2.3.4 環境問題 3. 生産性と競争力向上のための国内アジェンダ

序序序序 文文文文 我々の一人一人が、自由貿易協定に関する教育者にならなければいけない。これは、22 ヶ月に及ぶ交渉努力の結果であり、我が国に大きなチャンスと課題をもたらすものである。 4400 万人の人口を有するコロンビアは、話ばかり大きくて貧しい国民を抱えた状況で生きることはできない。話を事実に変えなければならない。 この交渉は、投資によって雇用を生み出し、貧困を撲滅するための資金を生み出すため、我が国製品に対して米国市場が恒常的に開放されることを目指したものである。 米国と本協定について合意する前に、政府は 4 年前から、コロンビア国内ではあまり注目されていなかったアンデス共同体とメルコスールの貿易協定を為した。これは、我々南米諸国の統合のための重要な一歩である。同様の合意を中米および欧州とも近々結ぶことが期待される。 世界最大の米国市場へ自由に参加することを、世界の何カ国が望んでいるだろう。我々は、今その可能性を手にしたのである。本協定は、我が国がポジティブな道(大きく物事を考え、計画し、実施する)を進むためのチャンスである。 他のセクターより多くを儲けるセクターがあるだろう。しかし、我が国の経済がうまく再方向付けされれば、最後には全てのセクターが同様に裨益を受ける。 本協定によって被害をうける、あるいはその恐れがある製品を支援するために、「農業収入保障」プログラムを設けた。消費者は、生活必需品の価格が減少し、特に、インフレ上昇傾向が治まることから裨益を受けるだろう。農業用品の価格も改善する。関税が撤廃される際には、流通業者たちが関税撤廃分を手にすることがないよう配慮し、生産者の裨益になるよう取り組んでいく。

Page 2: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 2 -

本協定によって失うところが大きいという恐れのあった小規模企業は、協定によって儲けることになる。医薬品に関する合意は非常に困難であったが、ジェネリック医薬品を救うことができたので、すなわち国民の健康を救うことができた。 本協定は、相手国が環境保護憲章を有することを米国が受け入れたおそらく初めの協定だろうし、植物検疫に関して取り組める可能性を相手国に与えているのも初めてであろう。 我が国の労働者は、憲法により、法律により、労働法、監視局や判事により守られているが、今後は本協定によっても守られていることになる。なぜなら、両国とも労働者の権利を全面的に尊重し、組合運動の指導者たちの生命を守ることを約束しているからである。 自由貿易協定は、コロンビアが夢見、しかし未だ実現していないインフラ工事に着手するための機会である。 この協定は、我々に規律、努力、透明性を要求するものであるが、コロンビアへの愛情でもって、この自由貿易協定を我々にとって「勝ちのみの協定」に変えていこう。 アルバロ・ウリベ・ベレス

Page 3: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 3 -

1.自由貿易協定の重要性 コロンビアの米国との自由貿易協定交渉の終了は、コロンビア政府が推進してきた世界との商業統合政策の成果の一つである。この自由貿易協定によって、コロンビアはメキシコや南米諸国と既に締結済みの協定に加え、米国に対する恒常的な特恵を手にした。 ATPA とととと ATPDEA アンデス特恵貿易法(ATPA)は、麻薬の違法取引に対する努力に対して米国からアンデス諸国に一方的に与えられていた特恵関税制度であった。ATPA は 2002 年からアンデス地域貿易促進・麻薬撲滅法(ATPDEA)に代わったが、これはコロンビアの 6,000 品目以上の製品を、重要な米国市場に無関税で輸出することを認める米国の法律である。ATPDEA は 2006 年 12 月に失効する。 コロンビアは、これにより米国市場への優先的アクセス(特恵待遇)を有する限られた諸国の一部となる。優先的アクセスは、我が国にとり大きなチャンスであり、この商業チャンスを我が国企業は活用し、全ての国民の福祉と豊かさに結び付けなければならない。コロンビア国民は、優れた特質を有している。我が国は、世界と競争して成功する力がある。自由貿易協定は、チャンスと課題を我々に与えるが、コロンビア国民は政府と市民の共同努力で、この歴史的な時点に変化や調整を行い、より良い将来をもたらすことができるだろう。 世界最大の市場と商業的に統合することは、コロンビアが輸出基盤となることであり、国内および海外投資にとり魅力的な中心となる。より多くの投資、より多くの資本によって、我が国の企業家精神を促進することができる。 自由貿易協定は、3つの理由からコロンビアにとり歴史的なチャンスである。まず、ATPDEAによって授与されていた特恵を我が国にとって継続するチャンスである。この ATPDEA により、いくつかの例を挙げるだけでも、切花、繊維、製靴、タバコ等の輸出品目が大きく成長した。2005 年の輸出のうち ATPDEA によるものは 49億 3500 万ドルで、対米輸出の 52.8%を占める。第 2 に、国際的に直接の競争相手となる他国と比較して、優位を確保できる。チリ、メキシコ、中米諸国等、既に自由貿易協定を締結している国々よりも、商業的にコロンビアは優位である。自由貿易協定が無い場合、我が国の輸出は顕著に減少し、新規投資先としては他国がずっと魅力的になるだろう。第 3 に、中国やインド等の国々に先立ち、競争力を身につけ、市場を征服するために重要なツールを手に入れることになる。 米国は我が国の主要な商業取引相手である。2005 年の我が国商品輸出の 40%は米国向けであり、輸入の 30%近くが米国からである。自由貿易協定によって、輸出は 17億ドル、貿易価格は 35億ドル増加することが期待される。 米国は世界経済のトップを占め(2003 年の世界 GDP の 32%)、高い購買力を有する市場である。2004 年の米国一人当たりの収入は 35,500ドルで、これに対しコロンビアは 2,000ドルであった。米国は、2004 年に 1.4兆ドルを輸入した。これは、我が国の米国向け輸出の 200倍に相当する。

Page 4: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 4 -

交渉を妥結したばかりの本協定のような貿易協定は、米国の重要性が大きいため、顕著な経済効果をもたらし、ポジティブな経済効果から雇用創出と貧困減少がもたらされる。 自由貿易協定は、より高い経済成長率を目指す政府のその他の政策を補足するものとしても必要である。様々な調査によると、自由貿易協定の影響により、経済成長率は 4.2%に達し、5年間に 38 万件の雇用が増加する。加えて、自由貿易協定は、我が国への外国投資をより魅力的にする要因である。バンコ・デ・ラ・レプブリカ(銀行)の調査によると、自由貿易協定の成果により、2007 年から 2010 年の間に、投資フローは 21億 3,500 万ドル増加すると予測している。世界の経験を見ても、世界経済への統合を強める国の経済では、これらの成果は実現可能である。 そうなると、コロンビアは近代化に向けて大きな努力をしなければならない。我が国は、もっと迅速性を身に着けなければならない。自由貿易協定によって、商業便宜を図る義務が生じるため、役所手続きを減らし、税関手続き、ロジスティック、電子商業等の重要な項目についての対応時間を減少しなければならない。 2222....コロンビアコロンビアコロンビアコロンビア・・・・米国間米国間米国間米国間のののの自由貿易協定内容自由貿易協定内容自由貿易協定内容自由貿易協定内容 協定文書は 23章といくつかの添付書にまとめられた。章分けは、その他の貿易協定と同様になっており、総合規定や、交渉で合意に達した個々の項目も含まれている。例えば、コロンビアの重要事項としては、生物多様性や衛生・植物検疫に関する事項がある。添付書には、それぞれの国の独自の事項が記載されている。これは、その他の協定とは大きな違いを示しているところである。例えば、コロンビアと米国との自由貿易協定による商品関税の撤廃スケジュールは、米国、中米、ドミニカ共和国の自由貿易協定(DR-CAFTA)の内容や、チリと米国の協定内容とは異なる。 表1.コロンビアと米国の自由貿易協定内容(案) 章 章 1. 序文 2. 総合規定 3. 国内規定と市場アクセス 4. 原産地規則 5. 税関手続き 6. 衛生・植物検疫措置 7. 商業に関する技術的障害 8. 商業保護 9. 政府契約 10.投資 11.国境を越える際のサービス 12.金融サービス

13.通信 14.電子商業 15.知的所有権 16.競争政策 17.労働関連 18.環境 19.透明性 20.管理 21.論争の解決 22.例外事項 23.最終規定 24.添付書 2222....1111 協定協定協定協定のののの制度面制度面制度面制度面

Page 5: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 5 -

協定の制度面は、政治的な宣言や協定の管理メカニズムを含み、序文、総合規定、管理、論争の解決、最終規定の章に記載されている。 制度面の事項の中には、自由貿易協定とアンデス共同体合意(CAN)との両立性に関する規定も含まれている。コロンビアやアンデス諸国にとって、これは重要なテーマである。CAN決議 598号により、加盟国が第 3 国と交渉をすることが認められたが、交渉に参加しないCAN 加盟国に配慮することとされている。アンデス諸国内での最恵国待遇の原則が適応され、コロンビアが米国に与える特恵は、CAN 加盟国にも適用される。 もう 1 つの重要な事項は、協定の管理作業を推進するため、コロンビア商業工業観光大臣と、米国通商代表により構成される自由貿易委員会を設置したことである。本自由貿易協定の同委員会の機能には、自由貿易協定の適用が中小企業に及ぼす効果のモニタリングも含まれている。 本協定は、コロンビアの商業力を強化する必要性があることを認識させるものであり、それゆえ商業力を高め、より良い商業条件を作り、様々な分野に価値を作り出すことが求められる。これは、協定管理委員会の機能のひとつと認識され、商業力強化を図るために、商業力強化委員会が創設される。この委員会は、コロンビアによって決められる協力戦略に従い、国際協力を管理する。本協定交渉が開始されて以来、公共および民間の様々な協力機関に対して呼びかけがなされてきた。その中には、米国政府の様々な官庁、アンデス開発公社(CAF)、IDB、米州機構(OEA)国連ラテンアメリカ経済委員会(CEPAL)等がある。本協定では、国際技術協力資金が利用されることを特筆しておく。 商業力強化会議では、自由貿易協定を実施するための公的および民間部門の能力強化と、生産セクターの競争力強化を主に目的とする。72 のプロジェクトが提案され、資金協力を得た。プロジェクトの目的とするテーマには、衛生制度強化、中小企業のクレジット取得を容易にするためのリスク分析システムの創設、技術的規則や規定制度の改善などがある。関係諸国は、交渉妥結後も、プロジェクトづくりに取り組んでいる。 その他、いずれかの章に関連した、より具体的な活動を実施するための委員会や、ワークグループがある。それらの機能は、合意事項の達成に便宜を図り、本条約に定められた論争解決メカニズムに頼ることなく、不都合を解決することである。表2には、全ての委員会とワークグループがまとめられている。 表2.自由貿易協定で創設された委員会、ワークグループ、審議会 自由貿易委員会 商業力強化委員会 商品取引委員会 農業取引委員会 繊維・衣料問題委員会 衛生・植物検疫措置恒常委員会 商業に関する技術的障害委員会

Page 6: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 6 -

金融サービス委員会 公的契約委員会 専門サービスに関するワークグループ 競争政策に関するワークグループ 労働関連審議会 環境問題審議会 制度面には、協定に含まれる様々な事項に関する行政決定、規則、規定、手続きのタイムリーな普及、規則案の適時の公告、観察事項をすくい挙げるためのメカニズムの整備、プロジェクトや規則に関する疑問や意見に関する迅速な説明や釈明メカニズムにより透明性を促進するための措置も含まれる。透明性とは、差別のない扱いを強化し、突然の規則変更を避けるために役立つものである。 諸国は、協定により要求される義務を履行し、恩恵を享受するという明快な意思を持って貿易協定に調印するのであるが、導入と実施のプロセスでは、協定の解釈や適用の違いが生じうる。それゆえ、論争の解決の章では、生じる問題を解決するために従うべき手続き(紛争解決メカニズム)が定められている。このメカニズムは、両者間で話し合いを行い、相違について解決がない場合、自由貿易委員会にかけられる。委員会は(解決のための)具体的な期間を有しているが、そのアドバイスが有効に働かない場合、判断を下すためのパネルが召集される。このパネルのコンセプトが出された後に、まだ相違がある場合には、被害を受けた側に対する補償および不履行した側に科される罰金も定められている。これらのメカニズムは、合意事項が履行されるための法的保障となる重要なものであり、それゆえ、自由貿易協定は、ATPDEA等の枠組みよりもずっと優れている。一方的な特恵関税制度には、自由貿易協定が有しているような合意事項を強制するメカニズムがない。 2222....2222 市場市場市場市場へのへのへのへのアクセスアクセスアクセスアクセス 市場へのアクセスに関する章の目的は、商品とサービスの取引のための関税障壁および非関税障壁を排除することである。これらの障壁が排除されることは、特恵的なアクセスが得られることを意味する。なぜなら、他国製品に対しては、これらの障壁が依然として存在するからである。特恵的なアクセスの結果、特恵条件を有さない競争相手に対して、市場で優位な立場を確保できることである。 関税関税関税関税 輸出活動を行う他国製品に対して諸国が徴収する税金である。その目的は、輸入製品の価格を上げ、自国産業を保護することである。 非関税障壁非関税障壁非関税障壁非関税障壁 関税とは異なる障害で、他国製品の自由な流入を避けるためにいくつかの国々で利用されている。非関税障壁の中には、事前のライセンス、割当量、一時的な関税、技術的障壁、衛生・植物検疫の障壁、セーフガード等がある。

Page 7: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 7 -

2.2.1 農業農業農業農業 コロンビアの主要目的は、自国農業の利益になるよう保証することで、農牧業製品の輸出ニーズと、米国との競争により被害を受けうる自国製品の常識的な保護 の間でバランスのとれた結果を生むことであった。 交渉の最終結果は、この目的を明確に意識したもので、我が国にとって大きな輸出チャンスをもたらすだけでなく、わが国の輸出製品が実質的に米国市場に参入するための効果的なメカニズムと、我が国農業のセンシティブな製品に対する保護ツールが定められた。 市場アクセスに関しては、コロンビアは全ての ATPDEA の特恵条件を確保し、コロンビアが積極的な戦略をとっている製品の即時参入を確保した。これらの製品に対しては、自由貿易協定は、今日よりもより安定した条件を我が国に提供することになる。ATPDEA と違い、自由貿易協定は定期的に更新する必要がないからである。 最終結果によると、コロンビアが競争力を有する以下のような農牧業製品の米国市場への輸出が促進されることになるだろう。例えば、肉製品、乳製品、切花、果実、野菜、マーガリンやその他油脂製品、砂糖、チューインガムや砂糖菓子およびチョコレート等の砂糖製品、タバコ、葉巻、綿等である。 砂糖に関しては、コロンビアは割当量を 3倍にすることに成功した。これには工業用の砂糖菓子やチョコレート製品などの品目が含まれる。これにより、我が国は合計 75,000トンを輸入できるようになる。50,000トンは自由貿易協定により、25,000トンは世界貿易機構(WTO)での交渉によるものである。新しい割当量は資格証明(ETC)が管理する。また、エタノールやバイオディーゼルの即時参入を確保した。これにより自由貿易協定が発効次第、コロンビアは世界の主要市場米国において、バイオ燃料に関して、他国より優位に立てる。 タバコは 4,000トンの割当量を獲得し、これに世界貿易機構(WTO)の 3,000トンの追加がある。この製品は、1ヘクタール当り 250件以上の雇用を創出することから、農村での雇用のために非常に重要である。加えて、乳製品には新たに 9,000トンの割当量を獲得した。その内訳は以下の通り:牛乳(液体)100トン、バター2,000トン、アイスクリーム 300トン、チーズ4,600トン、その他乳製品 2,000トン、ヨーグルトは割当量なく無制限。これらの割当量およびヨーグルトに制限がないことは、付加価値の高い農業製品を輸出し、雇用を創出するための大きなチャンスである。 本自由貿易協定によって、競争力を向上するため、生産工程を近代化する条件が揃う。本協定によって、我が国の農業が新しい競争条件に立ち向かえるよう、基本関税または当初は高い関税率が定められたり、自動特別セーフガード、長期間の無関税、輸入割当量、センシティブな製品用の関税削減猶予期間等のメカニズムが定められる。また、コロンビアの農牧業製品が米国市場に真に参入できるよう、衛生条件や植物検疫措置が非関税障壁になるようなことは避けることができた。

Page 8: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 8 -

真のアクセスとは、動物、植物、人体の衛生に関する承認プロセスを実施するための迅速な手続きがあることを意味する。コロンビアは、このテーマについて約束を取り付けることを重要視してきた。このテーマを扱うために向上委員会が設置されることとなった。これは、チリや中米と米国との間の協定にある機関と同様のものである。 更にコロンビアは、その他の貿易協定では前例のない以下のような約束を取り付けた:米国の衛生・植物検疫関係当局が、我が国の申請に適宜対応するという約束、我が国の農牧業製品の認可を迅速に行うために、米国当局が我が国の技術評価(データ、科学的証拠)を利用するという約束。加えて、真のアクセスを可能にするための共同の技術協力プロセスを実施する約束もなされた。 しかしながら、我が国の製品が国際的な衛生・植物検疫基準を満たすことが必要であり、これは我が国にとって大きな課題である。取り組みは既に開始されていることが見て取れる。例えば、最近承認された国家経済社会計画審議会(CONPES)文書は、コロンビアの肉製品の質を向上するための様々な技術協力プロジェクトに関するもので、養禽・養鶏等のその他製品に対するものも含まれる。 コメに関しては、関税率 80%で 19 年間かけて無関税とすることとなった。猶予期間は 6 年間で、この間、関税は削減されない。特別農牧業セーフガード付の追加保護措置も、同期間適用可能ということで合意された。コロンビアは、米国に対して、白米には 1 年目に 79,000トンの割当量を与えた。国内生産者は、この割当量管理から生じる利益を享受できる。これは、米国が欧州や DR-CAFTA との間で利用している形態をコロンビアとの間でも利用することが合意されたためである。この公開競売の形態は、大きな資金を生むことが可能であり、コロンビアのコメ生産者も参加できる。政府は、競争にさらされるコメセクターを支援することが重要であることを認識しており、それゆえ、「農業収入保障」プログラムでは、コメの栽培ヘクタール数による国内支援を提供することにした。 国内の養鶏・養禽市場を保護するために、鶏の部分肉(後部四半分)および味付部分肉(後部四半分)には特別措置を獲得した。鶏の部分精肉(後部四半分)に関しては、最初の関税率は164.4%で、18 年かけて無関税とされ、関税削減の猶予期間は 5 年間である。また、味付部分精肉(後部四半分)については、最初の関税率は 70%(世界貿易機構(WTO)が定めた率と同率で、コロンビアが適用できる最大関税率)、18 年かけて無関税となり、関税削減猶予期間は 10 年間である。コロンビアは、鶏の部分肉(後部四半分)および味付部分肉(後部四半分)について、26,000トンの割当量を与えた。これは年率 4%づつ増加する。この輸入割当量の管理は、公開競売システムで行われ、無関税輸入割当量による利益をコロンビア生産者も得ることができる。 コロンビアコロンビアコロンビアコロンビアがががが攻撃的戦略攻撃的戦略攻撃的戦略攻撃的戦略をとるをとるをとるをとる製品製品製品製品 ATPDEA で授与されていた全ての条件を確保する。 精肉:・世界貿易機構(WTO)が与える割当量 30,000トンに特恵待遇を受ける。

Page 9: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 9 -

・世界貿易機構(WTO)の割当量が終了した際、コロンビア向けのみ 5,000トンは無関税。 乳製品:制限つきの割当量: ・ 牛乳(液体)100トン ・ バター2,000トン ・ アイスクリーム 300トン ・ チーズ 4,600トン ・ その他乳製品 2,000トン ・ ヨーグルトは割当量なく無制限。

割当量以外の輸出に関しては、以下のように関税撤廃が進められる ・ バター、牛乳(液体)、アイスクリーム:11 年間 ・ チーズ、乳製品、粉ミルク:15 年間 切花:無関税かつ迅速な輸入手続 果実:無関税かつ迅速な衛生・植物検疫メカニズム 野菜:無関税かつ無制限 植物油脂およびマーガリン:無関税かつ無制限 砂糖:年間 25,000トンから 75,000トンに割当量増加、工業用チョコレート、砂糖菓子も含まれる。 エタノール:無関税かつ無制限 タバコ:無関税 4,000トン。これに加えて、世界貿易機構(WTO)がコロンビアに対し特恵関税を認める 3,000トン。 葉巻:無関税かつ無制限 綿:無関税かつ無制限 これらに加えて、農牧業特別セーフガードが合意され、9 年目に両国で取引スキームを見直すという条項が合意された。最良の防護策は、養鶏セクターが競争力を高め強力になることである。養鶏に関わる原料(飼料など)が無関税となるため、生産コストが自動的に減少し、養鶏セクターに裨益をもたらすだろうことに加え、「農業収入保障」プログラムでは、民間セクターとの協調による衛生条件改善支援が含まれており、また、衛生条件に関する国家経済社会計画審議会文書(CONPES)文書の実施も近いうちに行われる。 トウモロコシに関しては、コロンビアが消費するトウモロコシの大部分は輸入されていることを思い出さなければならない。本協定の結果、トウモロコシに関しては、輸入は米国に有利となろう。コロンビアは、黄色トウモロコシに関しては年間 200 万トンの輸入割当量を与えた。年増加率は 5%。現在の輸入量はこの量を超えるものであり、国内需要は年間 7%以上増加している。割当量以外は、基本関税率は 25%(2001 年から 2004 年の価格帯の適用による平均値)で、12 年間かけて無関税となる。白色トウモロコシの輸入割当量は 13 万トンで、年間増加率は 5%である。「農業収入保障」プログラムでは、トウモロコシ大量生産への国内支援を特別重要視しており、黄色トウモロコシに関しては生産トン数当りの資金援助による支援スキ

Page 10: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 10 -

ームが、白色トウモロコシに関しては栽培面積数当りの資金援助による支援スキームが企画中である。 センシティブな品目について与えられた割当量は、国内消費に対する供給ニーズと国内生産の安定性を鑑みて定められたものである。 コロンビア農業の競争力を高め、国内のいくつかの地域の変化や調整プロセスを容易にするために、「農業収入保障」プログラムが企画された。同プログラムは、4 タイプの支援を有する:①品目ごと、生産トン数当たり、あるいは栽培面積当りの現金による直接支援、②衛生条件強化プログラムへの融資、③技術改善のための農村資本化に対するインセンティブライン、および④変革推進のための低利のソフトクレジットライン。同プログラム予算は、年間 5,000億ペソに上る。 2.2.2 工業工業工業工業 工業製品に関する交渉におけるコロンビアの目的は、最近数年間、顕著に活性化し、経済に付加価値をもたらす工業部門の輸出品目全てに対し、特恵関税を獲得すること、両国間に工業製品取引に関する明快なルールを決めること、米国製品のコロンビア流入に対し、適切な移行条件を設けることであった。新しい工業製品の輸出を促進するための条件作りが目指された。 コロンビアの工業輸出製品については、ほぼ全て(99.9%)が協定発効と同時に米国市場に輸出できることが確保された。これには、繊維や衣料製品も含まれる。特恵待遇は、家庭用縫製製品等の新しいセクターにもおよび、新しい輸出ラインが開かれるため、ATPDEA を超えるものである。 輸入に関して、コロンビアは米国から、81.8%について即時輸入を認めた。その内 92.5%は国内で生産されていない資本財や原材料に当たり、残りの 7.5%は、米国との競争できる力のあるセクターのものである。セクター別に見ると、農業関係の資本財の 80.5%と原材料の 100%は、発効と同時に無関税となる。工業関係では、資本財の 86.8%と原材料 86.8%が無関税となる。これらの輸入増加の結果、生産コストが減少し、国内の競争力が向上し、消費者に対してより良い価格が生まれるだろう。 紙、インク、鉄・鉄鋼製品、ガラス、自動車部品等は、5 年間で無関税になるが、石油化学製品・プラスティック製品については 7 年となった。 またプラン・バジェッホ(Plan Vallejo:輸出向け生産に使用される原材料や機械設備の輸入に対して関税および付加価値税を減免するもの)のような原材料に関する輸出インセンティブは維持されることになった。つまり、コロンビアの企業家は、米国やその他市場への輸出製品製造のために利用される原材料は、どこからでも無関税で輸入できる。 同協定によって、工業製品には大きなチャンスが与えられる。例えば、繊維・衣料セクターは、女性下着、家庭用縫製製品、水着、衣料全般に関し、長期間の特恵関税を獲得した。トイレ・

Page 11: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 11 -

台所用セラミックは、米国市場で伸びてきているが、本協定により、その市場を確保し、拡大することができよう。製靴および皮革製品は、中小企業の比率が高いセクターであるが、ATPDEA の特恵条件を拡大することができた。ヤシを主原料とする油脂は、無関税となることだけでなく、健康に有害な脂肪酸の含有量が少ないことから、将来性が高い。 中古製品に関しては、古着を含む品目のコントロールのために 1995 年から適用されてきた、従来のスキームである事前ライセンス制度が維持される。再製造品に関しては、中古品と区別するための定義が定められ、自動車部品、家電製品、金属機械製品については、民間セクターと特定されたセンシビリティに従い、長期に関税撤廃が行われ、保護されるということで合意された。 中小企業は、工業製品の輸出に関する合意事項によって、特に裨益を受けることになる。生産コストが減少するのみならず、技術革新と生産性改善をもたらすからである。 2.2.3 サービスサービスサービスサービス 世界のサービス取引は、商品取引を上回る動きを記録している。これは、一部はインターネットの普及、コミュニケーション・テクノロジーの進歩、国際的な輸送コストの減少に促進されたものである。コロンビアは様々なサービスの取引の可能性を有しており、そのためには、米国市場への特恵的かつ障壁のない輸出を確保することが重要である。 サービスに関する交渉での目的は、サービス供給者に差別的な扱いを科し、取引をゆがめるような輸出障壁を排除すること、競争力を高めるファクターとしての競争の促進と消費者利益の促進、社会保障制度づくりについての政府の自治の確保、デジタル製品の関税撤廃(コンピューター・プログラム、ビデオ、映像、録音等)であった。 コロンビアにとって以下の事項が達成された:競争力を向上するために良好な条件が生まれる、地域開発が深く進む、外国投資を呼び込む、雇用が創出される、世界最大の市場へ輸出が増加する。 タイトルの統一(同一に扱う)については、それぞれの国は満たすべき条件を規定する自治権を有するが、他国との間で相互認識のための具体的協定を定めることができる。しかしながら、サービス業に関しては、国境を越えて専門的サービスを提供することが必要であり、これには認証やライセンスが要求されるものであるため、コロンビアのイニシアティブにより、ワークグループが作られ、この種のサービス提供のライセンスや証明、および専門家の相互認識のための基準制定のための作業日程も既に定められた。このワークグループは協定の制度の一部として機能することになるからである。 サービスに関して、コロンビアは留保条件を定められる。つまり、いくつかのセクターについては自由裁量による措置が取れるのである。この留保権は、重要な達成事項の一つであり、これにより、我が国はマクロ経済の安定化のためにキャピタル・フローをコントロールし、保険

Page 12: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 12 -

セクターの国境を越えたサービス開放を定め、携帯電話への税金や負担金の課税、農村電話への税金や負担金の免除を定めることができる。 様々な自由貿易協定で獲得された文化的留保条件のうち、最良の条件を獲得することができた。コロンビア政府は、重要な文化的事項や民族グループの権利を守るための留保条件を定めた。文化については、政府は文化表現に関しては、これを抑止する、あるいは促進することができる。 テレビに関しては現行の法制度が維持され、2009 年以降、週末と祭日のみ画面割当量が若干変化していく。民族グループの法制度を定める自由裁量を政府は維持することができたし、彼らの土地に対する権利も保護される。 2.2.4 投投投投 資資資資 同協定により、コロンビアは、北米市場向けの商品やサービス生産目的のプロジェクトに、地場資本に加え、米国および世界の国々の資本が投入される投資基盤の条件を備えることになる。同協定により、コロンビアの米国への投資、および米国のコロンビアへの投資に対して相互保証が定められ、投資しやすい条件が生まれる。 このテーマに関するコロンビアの主目的は、投資家、投資、資金の流れを守り、不必要な障害を生まない安定した予測可能な環境を作ることで、投資を促進するような公正かつ透明な法枠組みを定めることであった。また、米国におけるコロンビア投資家の保護、差別のない扱いも交渉の議題となった。 コロンビアでは、90 年代に投資は GDP比で見て大きく減少した。様々な関係者によると、コロンビア経済が年率 5%で成長するためには、投資が GDP比 25%まで増加することが必要である。本協定の投資に関する章で定められるルールによって、外国投資が増加し、国内投資額も増え、このレベルに近づけることだろう。 本章には、以下の内容が記載されている:①投資家への差別のない扱い、②投資家の物理的・法的保護のための最低待遇、③投資に関連する資本の自由な移転、④投資実績に関する必要条件の撤廃、投資運営者に対する国籍要件の撤廃、⑤投資家の投資に対する権利の尊重。 合意された事項は、我が国憲法がこのテーマに関して定める制限事項を尊重するものであり、相互規律により法制度を安定化させることも含まれている。治安理由による例外事項や、国家の財政独占権の維持、資本のコントロールは認められている。我が国憲法で定められている収容事由は、コロンビアにおいて投資家にそのような状況が発生した場合、同様に適用されることとなった。また、公債に関しては国内待遇および最恵国待遇とし、不履行によってのみでは、協定に基づくクレームにはつながらないことが認められた。 2.2.5 政府調達政府調達政府調達政府調達

Page 13: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 13 -

両国において、政府は商品・サービスの大規模消費者であるため、政府調達に関しては、特別に経済的関心が高い。交渉目的は、協定に含まれる政府機関のリストにより、政府調達を二国間で開放することであった。 本協定により障壁が撤廃され、コロンビア企業は、米国の州および郡レベルの政府調達市場に参入できることとなった。その調達額は、年間 3,000億ドルに上る。本協定なしには、このレベルの参入はできないだろう。米国では連邦法「Buy American Act」により、連邦政府の公的機関は限られた場合にのみ、外国の調達業者から商品やサービスを購入できることとなっている。その限られた場合の中に、政府調達に関する協定を交わした国のものという事項がある。 国内産業発展のために政府調達市場が重要であることから、コロンビアはコロンビアに有利な不均衡な留保条件を定めることに成功した。中小企業向けの米国の割当は 10 万ドルであるのに対し、12 万 5,000ドルまで中小企業が契約できることになった。 2.2.6 市場市場市場市場アクセスアクセスアクセスアクセスにににに関関関関するそのするそのするそのするその他他他他ののののテーマテーマテーマテーマ 工業製品、農牧業製品、サービス等に具体的に該当する上記テーマに加え、本協定には、商品取引に適用される市場アクセスに直接関係するその他の規定も含まれている。取引に関する技術的障害、原産地規則、税関手続き、セーフガード等である。 取引に関する技術的障害の章の目的は、技術的規則や規定がコロンビアと米国間の工業製品や農牧業製品取引に対する非関税障壁として利用されないようにすることである。この章は、真の市場アクセスを可能にし、特恵を有効に利用するためにカギとなるものである。 あらゆる国は、人々、植物、動物の生命を守るために、技術的規則や規定を定める。環境保護または消費者保護を目的としたものもある(例えば、品質に関する不正を避ける)。また、衛生措置や植物検疫措置は、農牧業市場を保護するためのものである。技術的規則や規定は、その国に入る商品が満たさなければならない技術的、科学的、あるいはテクノロジーに関する条件である。例えば、包装の特徴、自動車の安全ベルトのスペック等。 本協定により、透明な協力メカニズムが定められた。取引に関する技術的障害委員会が創設されたが、その機能としては、本章に合意された事項を徹底させる、規則や規定が取引の障害となることを避ける、規則の一致や調和に取り組み、規則や規定の履行を検証するシステムを改善すること等がある。 本協定により、技術的規則や規定がいたずらに制定されることが減少し、履行評価メカニズムについて合意することにより取引が迅速化し、規則や規定が国際水準に合わせられることから、国際市場に出るコロンビア製品の品質と競争力が向上することが期待される。特にこの最後の事項が重要である。もし、ある製品についての規則や規定がコロンビア国内と、輸出先の国々とでは異なる場合、製品はそれぞれの市場で要求されるスペックにより製造されなければならない。しかし、規則や規定を統一できれば、水準化が図られ、コストが減少し、規模経済を活用できるようになる。

Page 14: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 14 -

原産地規則は、特恵待遇を受ける対象であると考慮されるために、製品が有するべき特徴を定めるものである。言い換えれば、原産と考慮されるために有するべき原料産地の割合や付加価値を定めたものである。 本協定では、原産と考慮される大きな 3 つのタイプの商品が定められた。一つ目は、すべてが協定締結国で得られる、または生産される製品である。農牧業製品の大半、または原材料の100%が国産である製品がこのタイプである。二つ目は、調印国の原材料から製造された製品である。例えば、アンデス諸国の原材料で生産された米国向けのコロンビア製品である。3 つめは、第 3 国の原材料も使用して生産される製品である。例えば、アジア産のタバコと国内産タバコを混ぜて作られる巻きタバコである。第 3 国の原材料を使って製造される製品に対しては、製品に含まれる対象地域外の原料の割合を定める原産地評価基準が使用される。 原産地ルールのいくつかは柔軟で、コロンビア企業は、国内またはアンデス地域内に原材料がない場合、他国に求めることができる。例えば、女性用下着輸出に関しては、ナイロンについてこの柔軟性を獲得することができた。 このように、どれが特恵待遇を受ける商品であるかを定めることは、調印諸国にとり重要である。なぜなら、企業家に対し明快な規則が適用され、協定に調印していない第 3 国の商品が特恵待遇で流入することから両国を守るからである。 本協定の目的のひとつは、迅速に低コストで、輸出入手続きを実施するために、単純、明快、明確な税関手続きを定めることである。これにより、港で商品に何が起きるかという企業家の不安を減少し、顧客にその製品をタイムリーに手渡すことが可能となる。 協定文書では、国際貿易オペレーションにおける国際水準に到達するために、コロンビアにおける税関手続きを近代化することに言及している。 両国は、商品の受け取りから発送まで最大で 48時間以内に必要な活動を実施することを約束した。同様に、両国で互換性があり、税関利用者もアクセスできる自動化システムを使って情報処理を近代化すること、リスクの高い商品(違法)の特定をしやすくするよう、リスクシステムを改善し、リスクの低い商品の手続きを迅速化すること、規則の近代化計画に関する情報を含め、税関当局間の協力メカニズムや情報交換を強化すること、および利用者のコスト超過や手続き過多をなくすことも必要とされる。 商業保護の章では、合意された関税撤廃により、ある商品の輸出量が顕著に増大し、国内生産のある部門が深刻な被害を受ける、または被害を受ける恐れがある場合について適用されるセーフガード措置について規定している。同様に、特定の品目について、二国間の取引で不公正が行われ、国内生産のある部門に深刻な被害を与える、または与える恐れがある場合適用されるアンチダンピング措置の適用も規定している。セーフガードは関税削減を一時的に中断する、または合意レベルを超えない範囲で関税率を上げることを認める措置である。本協定では、セーフガードの期間は、該当する深刻な被害が緩和され、必要な調整をとるのに必要な期間と定

Page 15: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 15 -

めているが、最大で 2 年を超えてはならない。しかしながら、特定の条件がそろった場合には、さらに 2 年間延長できることも定めている。セーフガードは移行期間にのみ適用することができる、つまり、交渉で合意された関税削減期間にのみ適用できる。 この措置を利用する際に配慮すべきことは、この措置によって、ある生産セクターの深刻な被害を避けるまたはなくすことが可能だが、これを利用する国のコストは跳ね上がる。なぜなら、相手国に(関税削減スケジュールの延長によって徴収される追加の税金に相当する)補償を支払わなければならないからである。 2222....3333 重要重要重要重要テーマテーマテーマテーマ 制度面や恒常的な特恵条件により市場に真に参入するための条件を作り出すための事項に加えて、本協定には、様々な分野の企業家にとって明快なルールの規定をし、それを安定化させるための章も含まれている。知的所有権、競争政策、労働関係、環境問題などの章である。 2.3.1 知的所有権知的所有権知的所有権知的所有権 本章は、知的所有権を適切かつ効果的に保護するためのルールを定めようとしたものである。課題は、知識の創造や研究の促進と保護の間に適切なバランスを見出すこと、芸術や文字文化を発展させ、科学や文化全般を発達させ、テクノロジーや知識へ適切にアクセスできるようにすることである。 研究の促進の方は、発明者にその製品の単独利用権を一定期間許す権利であり、保護とは、この単独利用権が侵害されないようにするものである。しかしながら、コロンビアでは、あらゆる商業利益の上に、国民の利益があり、それゆえ、商業利益よりも健康が重んじられる。いかなる場合でも、知的所有権に関する不都合な譲許により、コロンビア国民の基本権利を守る尊厳を制限することはない。 このテーマは、投資を決定する際にも、イノベーションを進めるためにも非常に重要である。著作権が尊重されない国では文化のみならず、科学分野の進歩もおきにくい。しかし、世界的に要求される知識経済に国が参加しようとする場合でも、国民の福祉を犠牲にすることはできない。 これらの目的の間でバランスをとるために、コロンビアは、交渉において制限事項や重要なポイントに妥協しなかった。結果として、目的が達成され、コロンビア国民が、医薬品、テクノロジー、および知識にアクセスできることが保証された。 最大の目的は、国内法規で現在定められている知的所有権保護のレベルを維持しつつ、医療にアクセスできるようにすることであった。また、知的所有権による保護から除外するメカニズムやコロンビア市場に新しい医薬品を輸入するためにインセンティブ対象に加えるメカニズムなどを使う自由裁量権も維持された。結果として目的を達することができた。医薬品に関する知的所有権に関連する特許や試験データについては、コロンビアは現行の基準を維持し、医薬

Page 16: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 16 -

品輸入に対し新しい障害を設けることはしなかった。また、公衆衛生保護に関して既存の柔軟性のあるツールをすべて維持した。引き換えに、我が国は、特許事務所や衛生記録事務等の効率性と透明性を向上することを約束した。 もうひとつコロンビアが成し遂げたことは、我が国独自の知識のために知的所有権保護を利用することである。生物多様性の重要性、それに関連した伝統的知識の重要性、それらの資源に対する国家の尊厳、生物多様性と関連した遺伝物資を得るためには国家の事前の承認を必要とすること、天然資源や伝統知識利用により得られる利益はコミュニティと平等に配分することが必要であることなどを米国が初めて認識した自由貿易協定である。 コロンビアのイニシアティブにより、自由貿易協定の中に初めて、技術移転メカニズムとしてイノベーション促進と技術開発のテーマが取り入れられた。それゆえ、科学技術協力枠組みが作られ、これは、それぞれの技術力を強化するために、加盟国の科学技術機関(コロンビアの場合 COLCIENCIAS)が管理することになる。 更に、我が国にとり新しい関心事項も本協定に含まれた。著作権については、中心となるところは現行法規のまま維持し、インターネット等の新しいテクノロジーに関する適用については、この法律を改善した。これにより、デジタル世界の著作権と文化、教育、情報へのアクセスの間でのバランスがとられた。本協定は、我が国の歌手、作家、その他芸術家の経済的権利が尊重されるよう、著作権の集団管理協会等の機関が重要であることを認識している。 本協定本協定本協定本協定ははははジェネリックジェネリックジェネリックジェネリック医薬品医薬品医薬品医薬品のののの供給供給供給供給をををを妨妨妨妨げるものではなくげるものではなくげるものではなくげるものではなく、、、、医薬品価格医薬品価格医薬品価格医薬品価格もももも上昇上昇上昇上昇しないしないしないしない。。。。 本協定により、コロンビアは、今までと同様、医薬品に関する知的所有権を保護していく。我が国は、1994 年から医薬品に対する特許を与えており、2002 年から試験データを保護している。この期間、コロンビア市場におけるジェネリック医薬品の割合は増加してきている。 民間の経済研究財団(Fedesarrollo)の調査によると、医薬品特許ができてから 11 年間に、現在商品化されている医薬品で特許による保護を受けているものは 17 のみで、これは市場にある製品の 1.3%である。 本協定の合意事項によって価格が影響されることはなく、医薬品が不足することもない。逆に、米国から輸入されるジェネリック医薬品は無関税のため、消費者価格は減少するだろう。また、コロンビアは価格コントロールや、義務的ライセンス、知的所有権保持者による知的所有権悪用を避け、修正するための並行輸入などの措置を使うことができる。 2.3.2 競争政策競争政策競争政策競争政策 本協定は、市場における競争に関して企業家に安全地帯を作り出すものである。ある企業家が、その活動分野において市場での存在を危うくさせられるような、独占の形成に直面することはないだろう。

Page 17: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 17 -

コロンビアの競争政策交渉における目的は、自由貿易地帯に競争条件を作り出すためのメカニズム、および経済関係者の競争が公平に行われないせいで貿易自由化の利益が損なわれないようにするメカニズムを協定に整備することであった。 本章では、競争に関する規制を自由に定める権利が認められているが、独占、寡占など競争原理の働かない取引を追放し、効率性を促進し、消費者の利益を推進するために、競争に関する規則を両国が有することが義務付けられている。 アンデス共同体(CAN)の規則が認識され、そこにはアンデスの競争に関する当局が存在するため、コロンビアは本章の義務履行をこれに従い行うことになる。また、規則の適用や政策に関するテーマを扱う両国当局間での協力メカニズムが定められた。 2.3.3 労働問題労働問題労働問題労働問題 本協定の労働問題に関する章では、米国とコロンビアは自国の労働法規を遵守すること、国際労働機関(ILO)の協定を通じ国際的に認識されている労働者の基本権利を尊重することを約束している。 取り上げられた基本的権利は、組合権利、組織をつくり集団で交渉する権利、強制労働や義務労働の利用禁止、就労最低年齢、劣悪な幼児労働形態の禁止と排除、最低賃金、労働時間、安全性、職業衛生に関して許容できる労働条件。 本協定では、労働法規に関する各国の尊厳を認めているが、国際貿易または投資において有利な条件を生み出すために、法律を悪化(退化)させることはしないことが約束された。 本章により、労働問題審議会が創設されたが、これは協定の実施を監督し、実施や適用において生じる不都合や意見の相違を解決するためのものである。また、労働法規履行のより良い監視を行い、労働法規に関する政策、規則、手続きに関する情報交換を行うための協力メカニズムも定められた。 本協定によって、我が国は労働法規の遵守をより厳格に行い、輸出業者がより多くを売るために義務事項を守らないことを避けるためのインセンティブを生むため、本性の内容はコロンビア労働者に裨益するものである。 2.3.4 環境問題環境問題環境問題環境問題 本章は、商業と環境との関係のバランスをとろうとするもので、協定調印国が環境に関する法律を尊重し遵守する必要性があることを述べている。この意味で、貿易量の増加から生まれる利益が、環境に有害な影響をもたらすことがないようにするために、本章は重要である。

Page 18: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 18 -

交渉では、各国が適切と考慮する環境保護レベル(政策、原則、法律を含め)を定める権利があることが認識された。本協定では、天然資源、その利用と活用に関して各国が尊厳を有することが明快に認識されている。 交渉時のもう 1 つの重要テーマは、生物多様性についてであった。本章では、生物多様性の保全と持続的利用に必要な措置および先住民族、黒人共同体、地域共同体の伝統知識や実践を尊重し保護するために必要な措置を各国が定める権利が認識されている。 特筆しておきたいのは、自由貿易協定に、持続的発展のためには生物多様性の保全と持続的利用が重要であること、先住民共同体の伝統的な知識や実践が生物多様性の保全に寄与すること、その保全と持続的利用には更なる共同努力が必要であることを含めることを米国が初めて承認した、ということである。 環境問題の交渉に平行して、本章を適切に実施するためのツールとして環境協力合意が交渉された。協力分野には、本協定から派生する約束事項の履行能力強化から、生物多様性保護の国内プログラムの推進を進めるための支援や資金獲得、環境商品やサービスの促進、企業による環境管理のボランティアプログラムの実施まである。 3333....生産性生産性生産性生産性とととと競争力向上競争力向上競争力向上競争力向上のためののためののためののための国内国内国内国内アジェンダアジェンダアジェンダアジェンダ 生産性と競争力向上のための国内アジェンダは、自由貿易協定や経済の国際化に伴うリスクを緩和し、利益を最大限引き出すための計画、プロジェクト、措置の総体である。 国内アジェンダは参加型の形で作られたため、本アジェンダは、本協定の課題に対応するために必要な戦略的活動に関する国家政府、地方自治体、政府関係者、民間セクター、学術会、そして市民社会の自発的な合意となった。国内アジェンダは、国家企画庁の調整のもと、国内で討議されている「コロンビア 200 年目のビジョン」の一部を成すものである。 国内国内国内国内アジェンダアジェンダアジェンダアジェンダによるによるによるによる提案事項提案事項提案事項提案事項 セクター別あるいは地方別の議論が行われ、同意に達する努力がなされ、また、「コロンビア200 年目のビジョン」に関して実施されてきた議論のおかげで、以下の戦略が定められた。 インフラストラクチャーインフラストラクチャーインフラストラクチャーインフラストラクチャー:::: 生産セクターの効率性や生産性に及ぼす効果が大きいことから、コロンビアは新しいグローバルな環境で競争するためにはインフラの遅れを取り戻さなければならない。それゆえ、以下の国家レベルの優先事項が特定された。 ・ 幹線道路網の整備 ・ 航空インフラの近代化と統合 ・ 港湾システムの既存能力の拡大 ・ 国内の主要河川での水上交通の整備 ・ 既存の鉄道網の結合

Page 19: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 19 -

・ ロジスティック活動地域の開発と国境通過地域の開発 ・ 効率的な輸送サービス提供システムの促進 概算によると、コロンビアが必要とするインフラを整備するためには、2006 年から 2019 年の間に 206兆ペソをインフラに投資しなければならない。その内 45%は公共部門の負担、55%は民間部門の負担による。その上、地方の経済活動や生産チェーンを結び付けるための商業の流通経路を開発しなければならない。(「コロンビア 200 年目のビジョン」“発展のための適切なインフラ作り”(2006 年)より) 企業開発企業開発企業開発企業開発、、、、テクノロジーテクノロジーテクノロジーテクノロジー開発開発開発開発、、、、人材形成人材形成人材形成人材形成:::: 我が国の生産性が低いのは、学歴レベルが十分でなく、仕事のための能力開発が不足しているせいだとも言える。また、企業が融資を得るための障害の多さや、テクノロジーの開発や革新がなされないこと、技術革新によって職を失う労働者への補償がないことなどが加わる。このような状況に対応するために、以下が提案される。 ・ 競争の国際化戦略に、中小零細企業を組み込む。 ・ 組合作りの推奨:縦のつながり、クラスターや戦略的連携づくり。 ・ 資本市場の開発、民間のリスク資本ファンドの促進、クレジットを取得しやすくする。 ・ 品質管理と環境配慮を促進する為の制度や規則の枠組み企画。 ・ 生産変革のための、技術開発や技術移転を促進するため、研究と革新の間のつながりを強化する。 ・ 生物多様性、遺伝資源、バイオテクノロジー、農業食糧イノベーション、アグロインダストリー・イノベーション等の重要な知識を振興する。 ・ 研究、科学、テクノロジーに焦点を置いた、労働能力開発プログラムの普及率と質を向上する。 これらの目的達成のためには、コロンビアは科学・技術・イノベーションに少なくとも GDPの 1.5%を投資しなければならず、高等教育普及率を 50%にしなければならない(現在 28%)。 情報情報情報情報とととと IT:::: 情報化社会になるためには、IT 開発のための国家計画を定め実施し、コミュニケーションサービスの普及率を高め、適切なアクセスレベルを保証することが必要である。更に、テクノロジーの共通性や競争を促進するための規則や制度枠組みを定めなければならない。 市場市場市場市場へのへのへのへのアクセスアクセスアクセスアクセス:::: 市場へのアクセスを確保するためには、外国市場の衛生や植物検疫の障害に対応するための明快な戦略がなければならない。この意味で、以下の活動が優先活動と考えられる: ・ 衛生条件や植物検疫条件を遵守するための制度、科学、実施面の改善。 ・ 技術的規則を開発し遵守するための能力向上。

Page 20: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 20 -

なおコロンビアは既に 2005 年 9 月 5日に、衛生・植物検疫措置制度に関する国家経済社会計画審議会文書(CONPES)文書第 3375 により政策を決定している。 制度調整制度調整制度調整制度調整:::: コロンビア政府は、金融手段や非金融手段を使い、また規制やコントロールのための政策を調整して、企業開発促進に努力してきたが、更に必要とされることとして、以下の事項がある: ・ 国および地域レベルの競争政策を作成する機関と実施する機関との協力を強化する。 ・ 投資促進のため法律と税制が安定した環境を作る。 ・ 経済取引コストを削減する。 ・ 知的所有権に関する国家政策をつくる。 再編成再編成再編成再編成とととと補償補償補償補償:::: 一時的な支援を必要とする生産者や本協定により影響を受けるセクターのための政策である。一時的な支援で、その範囲、目標達成や再編成条件など、明快なルールに基づき提供される支援である。生産者に対する支援としては、イノベーションに対するインセンティブ、再編成のための資金支援、補償支援などがある。 添付添付添付添付 国内国内国内国内アジェンダアジェンダアジェンダアジェンダのののの同意同意同意同意プロセスプロセスプロセスプロセス 国家経済社会計画審議会文書(CONPES)文書 3297号により、国内アジェンダは地方や様々なセクターの同意を得て、地方レベル、部門レベル、横の関係レベルで討議され、下から上に作り上げなければならないと定められた。 地方レベルでは、「市民社会と自由貿易協定」プログラムの中で 30県と話し合いが行われ、県庁、商工会議所、市役所などがリーダーとなって 27 の県委員会が組織された。それぞれの委員会には調整者が一人いる。また、30 市で 18,800 人の参加を得て、87回のフォーラムと1,023 の会議が開催された。 部門レベルでは、28 の商品・サービスグループと話し合いが行われた。それぞれグループには調整者が一人いる。151 のワークショップが実施され、3,427 人が参加した。 国内アジェンダ案づくりの過程で、地方レベルでは生産性向上、部門レベルでは競争力向上のための戦略が優先とされた。それぞれのレベルで、最も急を要する問題(ボトルネック)が特定され、それらの問題解決のための活動が提案された。政府の国内日程案は、提案内容に対応する地方パンフレットおよび部門パンフレット、生産性と競争力に関して国家が取り組む優先事項を定めた文書から構成される。 これらフィードバックの結果として、国内アジェンダは国家経済社会計画審議会文書(CONPES)書類により正式化されるが、内容には制度調整のための提案と、決定事項履行のフォローアップとコントロールのためのスキームが含まれることになる。 自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定についてよくについてよくについてよくについてよく聞聞聞聞かれるかれるかれるかれる質問質問質問質問 国際貿易国際貿易国際貿易国際貿易によってなぜによってなぜによってなぜによってなぜ国民国民国民国民のののの生活生活生活生活がががが向上向上向上向上するのかするのかするのかするのか????

Page 21: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 21 -

コロンビアでは、国内消費用のコーヒーが年間 200 万袋生産されていると想定しよう。そのためには 6 万から 7 万世帯の労働力を必要とする。 実際には、コロンビアでは年間 1,200 万袋のコーヒーが生産されており、その内 1,000 万袋は輸出されている。輸出用生産のために、更に 38 万世帯の雇用がある。これらの雇用は、貿易によって生まれているのか?全てではないかもしれない。というのは、もし輸出用に生産されない場合、土地をその他の作物栽培に使用し、これら世帯の一部または全ては、そのために雇用されるかもしれない。 国際貿易は、港で行われる活動に雇用を生み出す。コーヒーを輸出するには、倉庫、事務所、船積み機械、品質管理のためのラボラトリー等のインフラが必要であり、これらの活動を行う多数のオペレーターが必要となる。 また、輸出によって我が国が受け取る外貨は、国内で生産されていないものを購入するのに役立つ。例えば、コンピューター、機械、原料などである。これら輸入に必要な活動も雇用を生み出す。国際貿易専門会社、貨物輸送会社、新しい向上施設を建設する会社、国内輸送に関わる労働者、ロジスティックに関わる労働者、保険会社、治安関係者、流通業者の労働者、新製品の広告会社等。 まとめてみると、輸出しなければ、国が成長するのに必要な多くのものを輸入することができず、多くの雇用を生むことができず、その他の諸国と比べてテクノロジーで遅れをとり、収入が生まれないため、需要も伸びないだろう。 本協定本協定本協定本協定ははははジェネリックジェネリックジェネリックジェネリック医薬品医薬品医薬品医薬品のののの供給供給供給供給をををを妨妨妨妨げるものではなくげるものではなくげるものではなくげるものではなく、、、、医薬品価格医薬品価格医薬品価格医薬品価格もももも上昇上昇上昇上昇しないしないしないしない。。。。 本協定により、コロンビアは、今までと同様、医薬品に関する知的所有権を保護していく。我が国は、1994 年から医薬品に対する特許を与えており、2002 年から試験データを保護している。この期間、コロンビア市場におけるジェネリック医薬品の割合は増加してきている。 民間の経済研究財団(Fedesarrollo)の調査によると、医薬品特許ができてから 11 年間に、現在商品化されている医薬品で特許による保護を受けているものは 17 のみであり、市場にある製品の 1.3%にあたる。 本協定の合意事項によって価格が影響されることはなく、医薬品が不足することもない。逆に、米国から輸入されるジェネリック医薬品は無関税のため、消費者価格は減少するだろう。また、コロンビアは価格コントロールや、義務的ライセンス、知的所有権保持者による知的所有権悪用を避け、修正するための並行輸入などの措置を使うことができる。 我我我我がががが国国国国にににに中古商品中古商品中古商品中古商品があふれることにならないかがあふれることにならないかがあふれることにならないかがあふれることにならないか???? 全くない。政府は、このテーマに関して現行の法律を維持することができた。1995 年の決議001号は、中古商品輸入には事前にライセンスを取得することが必要であると定めている。

Page 22: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 22 -

最近申請されるライセンスの大半は、税関規定(HS)84、85、90章に該当するもので、主にコロンビアの生産施設に必要な機械や機材である。この需要動向は変化しないと予測される。 自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定でででで査証査証査証査証もももも交渉交渉交渉交渉されたのかされたのかされたのかされたのか???? コロンビア政府は、ビジネス査証を持たない企業家は、特恵待遇を享受できないケースがあるかもしれないという可能性を理解している。しかしこのテーマは、自由貿易協定では交渉されない。それゆえ、自由貿易協定交渉に平行して、このテーマに共同で取り組むため、在コロンビア米国大使館職員、外務省職員、商業・工業・観光省職員によりワーキングチームが構成された。 同ワーキンググループによれば、米国のビジネスマン向け査証の発行が少ないわけではなく、手続き上の誤りから拒否されることが多いことがわかった。そのため米国政府が提供する様々な査証について、ビジネスマンに知ってもらい、正しく申請するためにはどうすればよいかを伝えるための教育キャンペーンを実施することが合意された。また、このキャンペーンの成果を見るための定期的評価を実施することも合意された。また米国大使館は、ビジネス査証のみならず、全ての査証について、アポイントまでの期間と査証手続き期間を減少するために必要な調整を行うことを約束した。この成果はすでに現れてきており、ビジネス査証申請のためのアポイントは迅速に与えられてきている。 自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定自由貿易協定::::中小企業中小企業中小企業中小企業のためののためののためののためのトランポリントランポリントランポリントランポリン 自由貿易協定交渉で、中小企業は特別な位置を占めた。コロンビアの中小企業代表者たちは、各ラウンドで対話スペースを設けることに成功した。 協定の中で初めて、企業のセグメントが重要な位置を占めることとなった。一例として、協定管理機関である自由貿易委員会は、自由貿易協定実施により、どのように中小企業が影響を受けるかについて継続的な追跡調査を行うことになった。政府調達に関する章では、コロンビア政府の契約について 125,000 ドルまでは中小企業に留保されるという有利な成果を生み出した。協力に関する話し合いでは、72 のプロジェクトが承認されたが、その内 23件は、中小企業が直接の対象であり、その他のプロジェクトも間接的に裨益される。原材料や資本財に関しても有利なアクセスが得られるし、その製品が米国市場へ参入できることは保証されている。専門家により構成された専門サービスワークグループは、特に中小企業に裨益をもたらすだろう。 特恵待遇特恵待遇特恵待遇特恵待遇とはとはとはとは何何何何かかかか、、、、何何何何のののの役役役役にににに立立立立つのかつのかつのかつのか???? 本協定のような貿易協定によって、他国の市場に特恵待遇で参入することができる。特恵待遇とは、自由貿易協定を調印する諸国間で、関税やその他の取引に対する障害を削減または撤廃することである。調印国以外には、関税が維持される。それゆえ、我が国の輸出を増加し、経済を成長させるためには、非常に重要である。 特恵待遇がどういうポジティブな効果を生むか、一例をみてみよう。米国のシャツ輸入を分析してみる。

Page 23: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 23 -

1990 年にメキシコは米国にシャツ 600 万ドルを輸出したが、これは米国のシャツ輸入総額の1.0%に相当する。コロンビアは 400 万ドルを輸出したが、これはその 0.7%に当たる。両国は約 20%の関税を支払っていた。 メキシコは NAFTA により特恵待遇を得て、関税はほぼゼロになった。一方、1990 年から2002 年の間に、シャツ輸出に際してコロンビアが払った関税の平均は 16%であった。特恵待遇によりメキシコは、米国市場に対して主要なシャツ供給国となり、2001 年には米国のシャツ輸入総額にメキシコの占める割合は 31%に達し、米国への輸出額は 10億ドル以上となった。この同年コロンビアは、0.4%に相当する 1,200 万ドルしか輸出できていない。 ATPDEA により、2003 年に米国はコロンビアに対する関税をほぼゼロにした。その結果、2004 年には、コロンビアのシャツの販売額は 3,000 万ドルに増加し、市場に占める割合も0.8%となった。 特恵待遇の効果がはっきり見て取れる。コロンビアは 1990 年から 2004 年の間に米国に対するシャツ輸出を 7倍にしただけだが、その間、メキシコは 133倍にした。両国で、雇用は何倍になったのだろうか? 文化文化文化文化ややややテレビテレビテレビテレビについてはどうなったのかについてはどうなったのかについてはどうなったのかについてはどうなったのか???? コロンビア政府は、自由貿易協定の中で文化が保護されるようにした。文化セクターへの支援政策を国家が自由に実施する権利が保持された。つまり、現在の文化振興政策(財政インセンティブや税制インセンティブ、政府支援による給付金、保証、自治文化財)を維持し、将来企画される政策を適用していくことが可能である。これにより、政府は手工芸への支援を継続し、映画館でのコロンビア製作映画の割合を維持し、広告の割合を定めまたは維持し、無形文化財(伝統的なイベントや祭りなど)の保護を継続することができる。また、テレビモデルの基本事項も意地されたため、公開テレビのオペレーター数を決める自由、海外投資家への制限や主要な時間帯の国内テレビの割合(画面割当量)を決める自由が維持される。唯一、週末と祭日の画面割合が変化し、国内テレビの割合が 50%から 30%に減少する。 民族民族民族民族グループグループグループグループのののの権利権利権利権利はははは弱弱弱弱まるのかまるのかまるのかまるのか? 憲法は、先住民族、ジプシー、黒人共同体、現住民族(サン・アンドレス諸島)などの少数民族に対する特別保護を定めている。同様に、これらの少数民族グループが居住する土地に対しては特別な扱いが定められている。 自由貿易協定交渉では、いかなる場合においても、これらの権利が脅かされたことはなく、逆に、コロンビアは、社会的、経済的に不利な条件にある少数グループや少数民族グループに権利や特恵を与える措置を定める、あるいは維持する権利を保持する、と定められた。 同様に、憲法 63条に基づき、民族グループの共同土地と関連する措置を決定、または維持するための権利もコロンビアに保持された。この条項は、「民族グループの共同所有地、居住地、その他法律が定める資産は、譲渡付加、不可侵、押収不能なものである」と定めている。

Page 24: 060530 TLC colombia-EEUU - JETRO · - 4 - lm y ¬ o Qc~s Æ_ g[ ZtudQR [ _ÙÚ c p yzQ` [ËS9ÌÍ _ÙÚ c p ~`  M úû ZzQ` b6 e g[ s ¦ dÙÚ R ® y 5/0 7 8 /B y ¯° 56z M z ö

- 24 -

自由貿易協定交渉自由貿易協定交渉自由貿易協定交渉自由貿易協定交渉のののの終了終了終了終了 米国ワシントンにて、2006 年 2 月 27日。