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2019年 5月 28日演習問題� �I 次の ~a,~b,~cを用いて
L = L(~a,~b) = {x~a+ y~b; x, y ∈ R}
を考えます.~cの Lへの直交射影を X = (~a ~b)のグラム行列 tXX を用いて求めましょう.
(1) ~a =
1
1
1
, ~b =
2
1
−1
, ~c =
0
0
1
(2) ~a =
1
0
−1
, ~b =
2
2
1
, ~c =
0
0
1
(3) ~a =
1
1
1
−1
, ~b =
1
0
1
1
, ~c =
1
0
0
0
(4) ~a =
1
1
1
−1
, ~b =
1
0
2
1
, ~c =
0
0
0
1
� �解答 (1)
tXX =
(3 22 6
), tX~c =
(1−1
)と計算されます.~cの Lへの直交射影を ~w = x~a+~bとすると(
xy
)=
(3 22 6
)−1(1−1
)= − 1
14
(6 −2−2 3
)(1−1
)=
1
14
(8−5
)が分かり
~w =4
7
111
− 5
14
21−1
=1
14
−2313
(2)
tXX =
(2 11 9
), tX~c =
(−11
)と計算されます.~cの Lへの直交射影を ~w = x~a+~bとすると(
xy
)=
(2 11 9
)−1(−11
)=
1
17
(9 −1−1 2
)(−11
)=
1
17
(−103
)が分かり
~w = −10
17
10−1
+3
17
221
=1
17
−4613
(3)
tXX =
(4 11 3
), tX~c =
(11
)と計算されます.~cの Lへの直交射影を ~w = x~a+~bとすると(
xy
)=
(4 11 3
)−1(11
)=
1
11
(3 −1−1 4
)(11
)=
1
11
(23
)35
が分かり
~w =2
11
111−1
+3
11
1011
=1
11
5251
(4)
tXX =
(4 22 6
), tX~c =
(11
)と計算されます.~cの Lへの直交射影を ~w = x~a+~bとすると(
xy
)=
(4 22 6
)−1(11
)=
1
22
(6 −2−2 4
)(11
)=
1
11
(21
)が分かり
~w =2
11
111−1
+1
11
1021
=1
11
324−1
� �
II 以下の ~a,~b,~c ∈ Rn に対して ~a,~b,~cが張る部分空間
L3 = L(~a,~b,~c) = {x~a+ y~b+ z~c; x, y, z ∈ R}
の正規直交基底を求めましょう.
(1) ~a =
1
1
1
, ~b =
2
1
−1
, ~c =
0
0
1
(2) ~a =
1
0
−1
, ~b =
2
2
1
, ~c =
0
0
1
(3) ~a =
1
1
1
−1
, ~b =
1
0
1
1
, ~c =
1
0
0
0
(4) ~a =
1
1
1
−1
, ~b =
1
0
2
1
, ~c =
0
0
0
1
� �解答
(1) 6月 12日の確認問題 I(1)からL =: {x~a+ y~b; x, y ∈ R}
の正規直交系として
~p =1√3
111
, ~q =1√42
41−5
36
で, ~cの Lへの直交射影が
~w2 = (~c, ~p)~p+ (~c, ~q)~q
=
001
,1√3
001
· 1√3
111
+
001
,1√42
41−5
· 1√42
41−5
=
1
14
−2313
となります.Lに垂直な L3 中のベクトルとして
~c− ~w2 =
001
− 1
14
−2313
=1
14
2−31
を考えると,これを正規化して
~r =1
||~c− ~w2||(~c− ~w2) =
1√14
2−31
と定めると ~p, ~q, ~rが L3 の正規直交基底となります.
(2) 6月 12日の確認問題 I(2)からL =: {x~a+ y~b; x, y ∈ R}
の正規直交系として
~p =1√2
10−1
, ~q =1√34
343
で, ~cの Lへの直交射影が
~w2 = (~c, ~p)~p+ (~c, ~q)~q
=
001
,1√2
001
· 1√2
10−1
+
001
,1√34
343
· 1√34
343
=
1
17
−4613
となります.Lに垂直な L3 中のベクトルとして
~c− ~w2 =
001
− 1
17
−4613
=1
17
4−64
を考えると,これを正規化して
~r =1
||~c− ~w2||(~c− ~w2) =
1√17
2−33
と定めると ~p, ~q, ~rが L3 の正規直交基底となります.
37
(3) ~bの ~a方向への直交射影 ~wは
~w =(~a,~b)
||~a||2=
1
4~a
と求められます.このとき ~aの垂直なベクトルとして
~b− ~w =
1011
− 1
4
111−1
=1
4
3−135
が求まります.このとき ~aと~b− ~wを正規化した
~p =1
||~a||~a =
1
2
111−1
, ~q =1
||~b− ~w||(~b− ~w) =
1√44
3−135
が
L =: {x~a+ y~b; x, y ∈ R}
の正規直交基底となります.~cの Lへの直交射影が
~w2 = (~c, ~p)~p+ (~c, ~q)~q
=
1000
,1
2
111−1
· 1
2
111−1
+
1000
,1√44
3−135
· 1√
44
3−135
=1
11
5251
となります.Lに垂直な L3 中のベクトルとして
~c− ~w2 =
1000
− 1
11
5251
=1
11
6−2−5−1
を考えると,これを正規化して
~r =1
||~c− ~w2||(~c− ~w2) =
1√66
6−2−5−1
と定めると ~p, ~q, ~rが L3 の正規直交基底となります.
(4) 6月 12日の確認問題 I(4)からL =: {x~a+ y~b; x, y ∈ R}
の正規直交系として
~p =1
2
111−1
, ~q =1√20
1−133
38
を求めました.~cの Lへの直交射影が
~w2 = (~c, ~p)~p+ (~c, ~q)~q
=
0001
,1
2
111−1
· 1
2
111−1
+
0001
,1√20
1−133
· 1√
20
1−133
=1
10
−1427
となります.Lに垂直な L3 中のベクトルとして
~c− ~w2 =
0001
− 1
10
−1427
=1
10
1−4−23
を考えると,これを正規化して
~r =1
||~c− ~w2||(~c− ~w2) =
1√30
1−4−23
と定めると ~p, ~q, ~rが L3 の正規直交基底となります.� �
III 以下のベクトルが線型独立か線型従属か行列の行基本変形を用いて判定しましょう.
(i) ~a =
1
−2
1
, ~b =
2
1
−1
, ~c =
7
−4
1
(ii) ~a =
1
2
−3
, ~b =
1
−3
2
, ~c =
2
−1
5
(iii) ~a =
1
−3
7
, ~b =
2
0
−6
, ~c =
3
−1
−1
, ~d =
2
4
−5
(iv) ~a =
2
−3
7
, ~b =
0
0
0
, ~c =
3
−1
−4
� �解答 (i) x~a+ y~b+ z~c = ~0を解くために (~a ~b ~c)を行基本変形します. 1 2 7
−2 1 −41 −1 1
(1)−−→
1 2 70 5 100 −3 −6
(2)−−→
1 2 70 1 20 −3 −6
(3)−−→
1 0 30 1 20 0 0
39
から x~a+ y~b+ z~c = ~0は {x + 3z = 0
y + 2z = 0
と必要十分であることが分かります.特に z = −1として x = 3, y = 2が解となりますから
3~a+ 2~b− ~c = ~0
が成立することが分かります.よって ~a,~b,~cは線型従属であることが分かります.
なお,上で以下の行基本変形を用いました.
(1) 2r+ = 1r × 2, 3r+ = 1r × (−1)(2) 2r× = 1
5(3) 1r+ = 2r × (−2), 3r+ = 2r × 3
(ii) x~a+ y~b+ z~c = ~0を解くために (~a ~b ~c)を行基本変形します. 1 1 22 −3 −1−3 2 5
(1)−−→
1 1 20 −5 −50 5 11
(2)−−→
1 1 20 1 10 5 11
(3)−−→
1 0 10 1 10 0 6
(4)−−→
1 0 10 1 10 0 1
(5)−−→
1 0 00 1 00 0 1
から x~a+ y~b+ z~c = ~0は x = 0
y = 0z = 0
と必要十分であることが分かります.従って x~a+ y~b+ z~c = ~0 から x = y = z = 0が従いますから,~a,~b,~cは
線型独立であることが分かります.
なお,上で以下の行基本変形を用いました.
(1) 2r+ = 1r × (−2), 3r+ = 1r × 3(2) 2r× =
(− 1
5
)(3) 1r+ = 2r × (−1), 3r+ = 2r × (−5)(4) 3r× = 1
6(5) 1r+ = 3r × (−1), 2r+ = 3r × (−1)
(iii) x~a+ y~b+ z~c+ w~d = ~0を解くために (~a ~b ~c ~d)を行基本変形します. 1 2 3 2−3 0 −1 47 6 −1 −5
(1)−−→
1 2 3 20 6 8 100 −8 −22 −19
(2)−−→
1 2 3 20 1 4
353
0 −8 −22 −19
(3)−−→
1 0 13 − 4
30 1 4
353
0 0 − 343 − 17
3
(4)−−→
1 0 13 − 4
30 1 4
353
0 0 1 12
(5)−−→
1 0 0 − 32
0 1 0 56
0 0 1 12
40
から x~a+ y~b+ z~c+ w~d = ~0は x − 32w = 0
y + 56w = 0
z + 12w = 0
と必要十分であることが分かります.従って w = 1として得られる解
x =3
2, y = −5
6, z = −1
2, w = 1
を用いると非自明な線型関係3
2~a− 5
6~b− 1
2~c+ ~d = ~0
が成立することが分かります.よって ~a, ~b, ~c, ~dは線型従属であることが分かりました.
なお,上で以下の行基本変形を用いました.
(1) 2r+ = 1r × 3, 3r+ = 1r × (−7)(2) 2r× =
(16
)(3) 1r+ = 2r × (−2), 3r+ = 2r × 8(4) 3r× =
(− 3
34
)(5) 1r+ = 3r ×
(− 1
3
), 2r+ = 3r ×
(− 5
6
)(iv) x~a+ y~b+ z~c = ~0を解くために (~a ~b ~c)を行基本変形します. 2 0 3
−3 0 −17 0 −4
(1)−−→
1 0 32
−3 0 −17 0 −4
(2)−−→
1 0 32
0 0 72
0 0 − 292
(3)−−→
1 0 32
0 0 10 0 − 29
2
(4)−−→
1 0 00 0 10 0 0
から x~a+ y~b+ z~c = ~0は {
x = 0z = 0
と必要十分であることが分かります.従って
x = 0, y = 1, z = 0
が解となりますから,非自明な線型関係
1 ·~b = ~0
が成立することが分かります.よって ~a,~b,~c は線型従属であることが示されました.
なお,上で以下の行基本変形を用いました.
(1) 1r× = 12
(3) 2r+ = 1r × 3, 3r+ = 1r × (−7)(4) 2r× = 2
7(5) 1r+ = 2r ×
(− 3
2
), 3r+ = 2r × 29
2� �問題 IV(1) B =
(−1 3
3 7
)を回転行列で対角化して、B が定める 2次形式
(B
(x
y
),
(x
y
))を簡単に
しましょう。� �41
解答 まず B の固有値を求めます。
ΦB(λ) = |λI2 −B| =∣∣∣∣λ+ 1 −3−3 λ− 7
∣∣∣∣= (λ+ 1)(λ− 7)− (−3)2 = (λ+ 2)(λ− 8)
から B の固有値は λ = −2, 8であることが分かります。次に λ = −2, 8に対して、それぞれの固有ベクトル
を求めます。
(i) λ = −2のとき、
B
(xy
)= −2
(xy
)⇔(−1 −3−3 −9
)(xy
)= ~0 ⇔ x+ 3y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(−3yy
)= y
(−31
)(y 6= 0)
となります。
(ii) λ = 8のとき、
B
(xy
)= −
(xy
)⇔(
9 −3−3 1
)(xy
)= ~0 ⇔ 3x− y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(x3x
)= x
(13
)(x 6= 0)
となります。
ここで ~p1 = 1√10
·
(3
−1
), ~p2 = 1√
10·
(1
3
)により P = (~p1 ~p2) =
1√10
(3 1
−1 3
)と定めると、P は回転
行列となります。さらに
BP = (B~p1 B~p2) = (−2~p1 8~p2) = (~p1 ~p2)
(−2 00 8
)
から B = P
(−2 0
0 8
)P−1 と B は対角化できます。さらに P が回転行列ですから P−1 も回転行列で
(B
(xy
),
(xy
))=
(P−1B
(xy
), P−1
(xy
))=
(P−1BP · P−1
(xy
), P−1
(xy
))=
((−2 00 8
)(ξη
),
(ξη
))= −2ξ2 + 8η2
となります。ここで回転座標変換 (ξη
)= P−1
(xy
)を用いました。� �問題 IV(2) B =
(1 2
2 1
)を回転行列で対角化して、B が定める 2次形式
(B
(x
y
),
(x
y
))を簡単にし
ましょう。� �42
解答 まず B の固有値を求めます。
ΦB(λ) = |λI2 −B| =∣∣∣∣λ− 1 −2−2 λ− 1
∣∣∣∣= (λ− 1)2 − (−2)2 = (λ+ 1)(λ− 3)
から B の固有値は λ = −1, 3であることが分かります。次に λ = −1, 3に対して、それぞれの固有ベクトル
を求めます。
(i) λ = 3のとき、
B~v = 3~v ⇔(
2 −2−2 2
)(xy
)= ~0 ⇔ x− y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(xx
)= x
(11
)(x 6= 0)
となります。
(ii) λ = −1のとき、
B~v = −~v ⇔(−2 −2−2 −2
)(xy
)= ~0 ⇔ x+ y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(x−x
)= x
(1−1
)(x 6= 0)
となります。
ここで ~p1 = 1√2·
(1
1
), ~p2 = 1√
2·
(−1
1
)により P = (~p1 ~p2)と定めると、P は回転行列となります。さ
らに
BP = (B~p1 B~p2) = (3~p1 − ~p2) = (~p1 ~p2)
(3 00 −1
)
から B = P
(3 0
0 −1
)P−1 と B は対角化できます。さらに P が回転行列ですから P−1 も回転行列で
(B
(xy
),
(xy
))=
(P−1B
(xy
), P−1
(xy
))=
(P−1BP · P−1
(xy
), P−1
(xy
))=
((3 00 −1
)(ξη
),
(ξη
))= 3ξ2 − η2
となります。ここで回転座標変換 (ξη
)= P−1
(xy
)を用いました。� �問題 IV(3) A =
(1 4
4 7
)を回転行列で対角化しましょう。
� �43
解答 まず Aの固有値を求めます。
ΦA(λ) = |λI2 −A| =∣∣∣∣λ− 1 −4−4 λ− 7
∣∣∣∣= (λ− 1)(λ− 7)− (−4)2 = (λ− 9)(λ+ 1)
から Aの固有値は λ = −1, 9であることが分かります。次に λ = −1, 9に対して、それぞれの固有ベクトル
を求めます。
(i) λ = 9のとき、
B~v = 9~v ⇔(
8 −4−4 2
)(xy
)= ~0 ⇔ 2x− y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(x2x
)= x
(12
)(x 6= 0)
となります。
(ii) λ = −1のとき、
A~v = −~v ⇔(−2 −4−4 −8
)(xy
)= ~0 ⇔ x+ 2y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(−2yy
)= y
(−21
)(x 6= 0)
となります。
ここで ~p1 = 1√5·
(1
2
), ~p2 = 1√
5·
(−2
1
)により P = (~p1 ~p2)と定めると、P は回転行列となります。さ
らに
AP = (A~p1 A~p2) = (9~p1 − ~p2) = (~p1 ~p2)
(9 00 −1
)
から A = P
(9 0
0 −1
)P−1 と B は回転行列 P を用いて対角化できます。ここで Aが定める 2次形式
(A
(xy
),
(xy
))を考えましょう。P−1 も回転行列ですから、内積を保ちます。このことを用いると
(A~v,~v) = (P−1A~v, P−1~v)
= (P−1AP · P−1~v, P−1~v)
=
((9 00 −1
)P−1~v, P−1~v
)が従います。さらに (
ξη
)= P−1~v すなわち ~v = P
(ξη
)= ξ~p1 + η~p2
とすると
(A~v,~v) = 9ξ2 − η2
となります。
44
� �問題 IV(4) A =
(2 −2
−2 −1
)を回転行列で対角化しましょう。
� �解答 まず Aの固有値を求めます。
ΦA(λ) = |λI2 −A| =∣∣∣∣λ− 2 2
2 λ+ 1
∣∣∣∣= (λ− 2)(λ+ 1)− 4 = (λ− 3)(λ+ 2)
から Aの固有値は λ = −2, 3であることが分かります。次に λ = −2, 3に対して、それぞれの固有ベクトル
を求めます。
(i) λ = −2のとき、
B~v = −2~v ⇔(−4 22 −1
)(xy
)= ~0 ⇔ 2x− y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(x2x
)= x
(12
)(x 6= 0)
となります。
(ii) λ = 3のとき、
A~v = 3~v ⇔(1 22 4
)(xy
)= ~0 ⇔ x+ 2y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(−2yy
)= y
(−21
)(x 6= 0)
となります。
ここで ~p1 = 1√5·
(1
2
), ~p2 = 1√
5·
(−2
1
)により P = (~p1 ~p2)と定めると、P は回転行列となります。さ
らに
AP = (A~p1 A~p2) = (−2~p1 3~p2) = (~p1 ~p2)
(−2 00 3
)
から A = P
(−2 0
0 3
)P−1 と B は回転行列 P を用いて対角化できます。ここで Aが定める 2次形式
(A
(xy
),
(xy
))を考えましょう。P−1 も回転行列ですから、内積を保ちます。このことを用いると
(A~v,~v) = (P−1A~v, P−1~v)
= (P−1AP · P−1~v, P−1~v)
=
((−2 00 3
)P−1~v, P−1~v
)が従います。さらに (
ξη
)= P−1~v すなわち ~v = P
(ξη
)= ξ~p1 + η~p2
45
とすると
(A~v,~v) = −2ξ2 + 3η2
となります。� �問題 IV(5) A =
(3 −3
−3 11
)を回転行列で対角化しましょう。
� �解答 まず Aの固有値を求めます。
ΦA(λ) = |λI2 −A| =∣∣∣∣λ− 3 3
3 λ− 11
∣∣∣∣= (λ− 3)(λ− 11)− 4 = (λ− 2)(λ− 12)
から Aの固有値は λ = 2, 12であることが分かります。次に λ = 2, 12に対して、それぞれの固有ベクトルを
求めます。
(i) λ = 2のとき、
B~v = 2~v ⇔(−1 33 −9
)(xy
)= ~0 ⇔ x− 3y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(3yy
)= y
(31
)(x 6= 0)
となります。
(ii) λ = 12のとき、
A~v = 12~v ⇔(9 33 1
)(xy
)= ~0 ⇔ 3x+ y = 0
から、固有ベクトルは (xy
)=
(x
−3x
)= x
(1−3
)(x 6= 0)
となります。
ここで ~p1 = 1√10
·
(3
1
), ~p2 = 1√
5·
(−1
3
)により P = (~p1 ~p2)と定めると、P は回転行列となります。さ
らに
AP = (A~p1 A~p2) = (2~p1 12~p2) = (~p1 ~p2)
(2 00 12
)
から A = P
(2 0
0 12
)P−1 と B は回転行列 P を用いて対角化できます。ここで Aが定める 2次形式
(A
(xy
),
(xy
))を考えましょう。P−1 も回転行列ですから、内積を保ちます。このことを用いると
(A~v,~v) = (P−1A~v, P−1~v)
= (P−1AP · P−1~v, P−1~v)
=
((2 00 12
)P−1~v, P−1~v
)46
が従います。さらに (ξη
)= P−1~v すなわち ~v = P
(ξη
)= ξ~p1 + η~p2
とすると
(A~v,~v) = 2ξ2 + 12η2
となります。
47