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290 291 解答・解説 AV情報家電 17年3月/日曜日試験 A V 17 3 問題 1 問題 2 テレビ受信機や関連する事柄  解答 (ウ)と(イ) (ア) [〇]HDRは映像の持つ輝度の幅を、光応用技術で100倍まで拡張する技術である。HDR では、記録・再生技術方式としてHDR10およびドルビービジョン等の2方式が主に 採用されている。よって設問は正しい。 (イ) ×]ディスプレイ製品において、再現可能な色の範囲を色域という。色域の規格はCIE(国際 照明委員会)が定めたところにより、テレビではBT.709規格が採用されている。 これは肉眼で認識することができる、自然界に存在する74.4%の色を再現できる。 Ultra HD Blu-rayや4K、8KテレビではBT.2020が採用されており、BT.709 よりも広くより鮮やかに色を再現できる。設問の「BT.709の色域はBT.2020に比べて 広く、より鮮やかな」が誤りである。 (ウ) ×]有機ELディスプレイは、バックライトなどの光源が不要な自発光方式のディスプレ イで、高画質、広視野角、低消費電力、薄型・軽量化が可能などの優れた性質があ る。発光原理は、有機EL素子の2枚の電極に電圧を加えた時に機能性有機薄膜層に 生じる正孔と電子が、発光層で再結合する時に生じるエネルギーが光子として放出 されることによるものである。また瞬時に発光し高速な応答性が得られるため、動 画の再生に適している。設問は「有機層での放電により紫外線が発生し、その紫外 線が蛍光体に当たることにより発光する」が誤りである。 (エ) [〇]色深度(いろしんど)は、色再現の階調数のことをいう。赤色、緑色、青色(RGB)の 各色の輝度をデジタル処理する場合に、8ビット、10ビット、12ビットなどの数値 を用いて段階的に階調を表現する。この数値が大きいほど深度が大きい。単色での色 深度が8ビットの場合は、1原色あたり256階調の表現が可能であり、3原色(RGB) では約1,678万通りの色再現ができる。よって設問は正しい。 (オ) [〇]液晶ディスプレイのバックライト方式には、直下配置型とエッジ配置型がある。下配置型のLEDバックライト方式は光源となるLEDを液晶の背面に並べて配置た方式であり、エッジ配置型はLEDを液晶パネルの端(エッジ)に配置し、導光板な どを用いて画面全体に光を行き渡らせる方式である。直下配置型には、LEDの輝度 を画面の明るい映像部分では高く、暗い映像部分では低く変化させ、コントラスト 比をより大きくする機能を持ったものがある。よって設問は正しい。 テレビ放送  解答  (ア)② (イ)① (ウ)① (エ)② (オ)① (ア) ×124/128度CSデジタル放送の4K放送の映像符号化方式はMPEG-H HEVC/H.265 (HEVC)である。地上デジタル放送のMPEG-2比で約4倍の圧縮率を有し、ブロッ クノイズ適正化など圧縮効率が優れている。また、2016年8月から開始された BSデジタルの8K試験放送も映像符号化方式として同様の方式が採用されている。 設問の「124/128度CSデジタル放送の4K放送では映像符号化方式としてMPEG4 AVC/H.264が採用されている」が誤りである。 (イ) [〇]衛星放送で使用されている電波の種類には、直線偏波と(左右)円偏波の2種類があ る。現在、BSデジタル放送と110度CSデジタル放送は右旋円偏波で、124/128度 CSデジタル放送は直線偏波で放送されている。よって設問は正しい。 (ウ) [〇]地上デジタル放送(ワンセグ放送を除く)では映像符号化方式としてMPEG2 Video が、音声符号化方式としてMPEG2 AACが採用されている。よって設問は正しい。 (エ) ×]ハイブリッドキャスト(Hybridcast)は2013年9月から始まった放送と通信を連携さ せた新しい放送サ―ビスである。関連する情報をインターネットなどの通信ネット ワークを使って配信するので、視聴者それぞれのニーズに合ったきめ細かいサービ スが可能になり、スマートフォンやタブレットで視聴が可能となる。このサービス 無料で提供されるが、利用するには、インターネット利用環境およびハイブリッ ドキャストに対応したテレビが必要である。設問は「有料サービスとして提供され る」と「どのテレビでもこのサービスを利用することができる」が誤りである。 (オ) [〇]ケーブルテレビにおける地上デジタル放送の伝送方式には、ケーブルテレビ会社が 受信した放送を、変調方式を変えずに送信するパススルー方式と、変調方式をケー ブルテレビ放送用に変換して送信するトランスモジュレーション方式がある。パス スルー方式にはさらに伝送周波数を変えずに送信する同一周波数パススルー方式 と、伝送周波数を変えて送信する周波数変換パススルー方式がある。パススルー方 式で地上デジタル放送を受信する場合には、専用のセットトップボックスは必要な 。一方、トランスモジュレーション方式で受信する場合には64QAMに変調して 伝送するので、ケーブルテレビ事業者が提供する専用のセットトップボックスが必 要となる。よって設問は正しい。

1 21 2 テレビ受信機や関連する事柄 解答 ③ (ウ)と(イ) (ア)[ 〇] HDRは映像の持つ輝度の幅を、光応用技術で100倍まで拡張する技術である。HDR

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    解答・解説AV情報家電 17年3月/日曜日試験

    AV情報家電17年3月(日)

    問題

    1問題

    2           テレビ受信機や関連する事柄 

     解答 ③ (ウ)と(イ)

    (ア) [〇] HDRは映像の持つ輝度の幅を、光応用技術で100倍まで拡張する技術である。HDR では、記録・再生技術方式としてHDR10およびドルビービジョン等の2方式が主に 採用されている。よって設問は正しい。

    (イ) [×] ディスプレイ製品において、再現可能な色の範囲を色域という。色域の規格はCIE(国際 照明委員会)が定めたところにより、テレビではBT.709規格が採用されている。 これは肉眼で認識することができる、自然界に存在する74.4%の色を再現できる。 Ultra HD Blu-rayや4K、8KテレビではBT.2020が採用されており、BT.709 よりも広くより鮮やかに色を再現できる。設問の「BT.709の色域はBT.2020に比べて 広く、より鮮やかな」が誤りである。

    (ウ) [×] 有機ELディスプレイは、バックライトなどの光源が不要な自発光方式のディスプレ イで、高画質、広視野角、低消費電力、薄型・軽量化が可能などの優れた性質があ る。発光原理は、有機EL素子の2枚の電極に電圧を加えた時に機能性有機薄膜層に 生じる正孔と電子が、発光層で再結合する時に生じるエネルギーが光子として放出 されることによるものである。また瞬時に発光し高速な応答性が得られるため、動 画の再生に適している。設問は「有機層での放電により紫外線が発生し、その紫外 線が蛍光体に当たることにより発光する」が誤りである。

    (エ) [〇] 色深度(いろしんど)は、色再現の階調数のことをいう。赤色、緑色、青色(RGB)の 各色の輝度をデジタル処理する場合に、8ビット、10ビット、12ビットなどの数値 を用いて段階的に階調を表現する。この数値が大きいほど深度が大きい。単色での色 深度が8ビットの場合は、1原色あたり256階調の表現が可能であり、3原色(RGB) では約1,678万通りの色再現ができる。よって設問は正しい。

    (オ) [〇] 液晶ディスプレイのバックライト方式には、直下配置型とエッジ配置型がある。直 下配置型のLEDバックライト方式は光源となるLEDを液晶の背面に並べて配置し た方式であり、エッジ配置型はLEDを液晶パネルの端(エッジ)に配置し、導光板な どを用いて画面全体に光を行き渡らせる方式である。直下配置型には、LEDの輝度 を画面の明るい映像部分では高く、暗い映像部分では低く変化させ、コントラスト 比をより大きくする機能を持ったものがある。よって設問は正しい。

               テレビ放送 

     解答 (ア)② (イ)① (ウ)① (エ)② (オ)①

    (ア) [×] 124/128度CSデジタル放送の4K放送の映像符号化方式はMPEG-H HEVC/H.265 (HEVC)である。地上デジタル放送のMPEG-2比で約4倍の圧縮率を有し、ブロッ クノイズ適正化など圧縮効率が優れている。また、2016年8月から開始された BSデジタルの8K試験放送も映像符号化方式として同様の方式が採用されている。 設問の「124/128度CSデジタル放送の4K放送では映像符号化方式としてMPEG4  AVC/H.264が採用されている」が誤りである。

    (イ) [〇] 衛星放送で使用されている電波の種類には、直線偏波と(左右)円偏波の2種類があ る。現在、BSデジタル放送と110度CSデジタル放送は右旋円偏波で、124/128度 CSデジタル放送は直線偏波で放送されている。よって設問は正しい。

    (ウ) [〇] 地上デジタル放送(ワンセグ放送を除く)では映像符号化方式としてMPEG2 Video が、音声符号化方式としてMPEG2 AACが採用されている。よって設問は正しい。

    (エ) [×] ハイブリッドキャスト(Hybridcast)は2013年9月から始まった放送と通信を連携さ せた新しい放送サ―ビスである。関連する情報をインターネットなどの通信ネット ワークを使って配信するので、視聴者それぞれのニーズに合ったきめ細かいサービ スが可能になり、スマートフォンやタブレットで視聴が可能となる。このサービス は無料で提供されるが、利用するには、インターネット利用環境およびハイブリッ ドキャストに対応したテレビが必要である。設問は「有料サービスとして提供され る」と「どのテレビでもこのサービスを利用することができる」が誤りである。

    (オ) [〇] ケーブルテレビにおける地上デジタル放送の伝送方式には、ケーブルテレビ会社が 受信した放送を、変調方式を変えずに送信するパススルー方式と、変調方式をケー ブルテレビ放送用に変換して送信するトランスモジュレーション方式がある。パス スルー方式にはさらに伝送周波数を変えずに送信する同一周波数パススルー方式 と、伝送周波数を変えて送信する周波数変換パススルー方式がある。パススルー方 式で地上デジタル放送を受信する場合には、専用のセットトップボックスは必要な い。一方、トランスモジュレーション方式で受信する場合には64QAMに変調して 伝送するので、ケーブルテレビ事業者が提供する専用のセットトップボックスが必 要となる。よって設問は正しい。