4
i 監修のことば A 栄養教育の目的・目標 1 a 栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション 1 b 栄養教育と生活習慣 3 B 栄養教育の対象と機会 3 a ライフステージ・ライフスタイルからみた対象と機会 3 b 健康状態からみた対象と機会 5 c 個人・組織・地域社会のレベル別にみた対象と機会 5 15 A 栄養教育と行動科学 (池田小夜子)17 a 行動科学の定義 17 B 行動科学の理論とモデル (池田小夜子)18 a 刺激 - 反応理論 20 b ヘルスビリーフモデル 20 c トランスセオレティカルモデル 20 d 計画的行動理論 24 e 社会的認知理論 25 f ソーシャルサポート 25 g コミュニティオーガニゼイション 26 h イノベーション普及理論 27 i コミュニケーション理論 27 C 栄養カウンセリング (斎藤トシ子)28 a 行動カウンセリング 28 b ラポールの形成 28 c カウンセリングの基礎的技法 29 d 行動分析 32 D 行動変容技法と概念 (池田小夜子)32 a 刺激統制 34 b 反応妨害・拮抗 34 c 行動置換 34 d オペラント強化 35 e 認知再構成 35 f 意思決定バランス 35 g 目標宣言,行動契約 35 h セルフモニタリング 36 i 自己効力感(セルフ・エフィカシー) 36 j ストレスマネジメント 36 k ソーシャルスキルトレーニング 36 E 組織づくり・地域づくりへの展開 (斎藤トシ子)37 a セルフヘルプグループ 37 b 組織・ネットワークづくり 37 c グループダイナミクス 38 d エンパワメント 38 e ソーシャルキャピタル 38 1 栄養教育の概念 (池田小夜子) 1 2 栄養教育のための理論的基礎 17

1 ë Fw æ ¢ > ÷ £ 1daiichi-shuppan.co.jp/filedir/book/pdf/... · 2016. 5. 11. · i.w\qy A çë Fw è $~ è ª 1 a ë FqHÁ~ÔçµÓéÞ ³ãïy 1 yy b ë Fq \Æ 6óy 3 yy B çë

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i

監修のことば

A  栄養教育の目的・目標 1a 栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション 1   b 栄養教育と生活習慣 3  

B  栄養教育の対象と機会 3a ライフステージ・ライフスタイルからみた対象と機会 3  

b 健康状態からみた対象と機会 5

c 個人・組織・地域社会のレベル別にみた対象と機会 5 

 15

A  栄養教育と行動科学 (池田小夜子)17a 行動科学の定義 17  

B  行動科学の理論とモデル (池田小夜子)18a 刺激 - 反応理論 20   b ヘルスビリーフモデル 20  

c トランスセオレティカルモデル 20

d 計画的行動理論 24   e 社会的認知理論 25

f ソーシャルサポート 25   g コミュニティオーガニゼイション 26  

h イノベーション普及理論 27   i コミュニケーション理論 27

C  栄養カウンセリング (斎藤トシ子)28a 行動カウンセリング 28   b ラポールの形成 28  

c カウンセリングの基礎的技法 29   d 行動分析 32

D  行動変容技法と概念 (池田小夜子)32a 刺激統制 34   b 反応妨害・拮抗 34   c 行動置換 34   d オペラント強化 35

e 認知再構成 35   f 意思決定バランス 35   g 目標宣言,行動契約 35  

h セルフモニタリング 36   i 自己効力感(セルフ・エフィカシー) 36  

j ストレスマネジメント 36   k ソーシャルスキルトレーニング 36

E  組織づくり・地域づくりへの展開 (斎藤トシ子)37a セルフヘルプグループ 37   b 組織・ネットワークづくり 37  

c グループダイナミクス 38   d エンパワメント 38   e ソーシャルキャピタル 38

1 栄養教育の概念 (池田小夜子) 1

2 栄養教育のための理論的基礎 17

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ii

F  食環境づくりとの関連 (川野 因)38a 食物へのアクセスと栄養教育 40   b 情報へのアクセスと栄養教育 41

c 食環境にかかわる組織・集団への栄養教育 43 

 45

A  健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント 47a アセスメントの種類と方法 47   b 個人要因のアセスメント 49  

c 環境要因のアセスメント 51

B  栄養教育の目標設定 52a 目標設定の意義と方法 52   b 実施目標 53   c 学習目標 53  

d 行動目標 53   e 環境目標 53   f 結果目標 53

C  栄養教育計画立案 53a 学習者の決定 53   b 期間・時期・頻度・時間の設定 55   c 場所の選択と設定 57  

d 実施者の決定とトレーニング 58   e 教材の選択と作成 59   f 学習形態の選択 60

D  栄養教育プログラムの実施 67a モニタリング 67   b 実施記録・報告 67

E  栄養教育の評価 67a 企画評価 70   b 経過評価 70   c 影響評価 70   d 結果評価 70

e 形成的評価 70   f 総括的評価 70   g 経済評価 70   h 総合的評価 71 

F  栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル 71a プリシード・プロシードモデル 71   b ソーシャルマーケティング 73  

c 生態学的モデル 73  

 79

A  妊娠・授乳期の栄養教育 81a 妊娠・授乳期の栄養教育の特徴と留意事項 81  

B  乳幼児期の栄養教育 84a 乳幼児期の栄養教育の特徴と留意事項 84  

C  学童期・思春期の栄養教育 96a 学童期・思春期の栄養教育の特徴と留意事項 96  

D  成人期の栄養教育 100a 成人期の栄養教育の特徴と留意事項 100  

E  高齢期の栄養教育 106a 高齢期の栄養教育の特徴と留意事項 106  

3 栄養教育マネジメント (斎藤トシ子)47

4 ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育の展開 (川野 因)81

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iii

F  傷病者及び障がい者の栄養教育 108a 傷病者の栄養教育の特徴と留意事項 108   b 障がい者の栄養教育の特徴と留意事項 110

 112

1  栄養士法(抜粋)  116  

2  健康増進法(抜粋)  117

3  健康増進法施行規則(抜粋)  119

4  特別用途食品の表示許可等について(抜粋)  120

5  地域保健法(抜粋)  121  

6  地域保健対策の推進に関する基本的な指針(抜粋)  122

7  食育基本法(抜粋)  122  

8  第2次食育推進基本計画(抜粋)  126

9  学校給食法(抜粋)  130  

10  学校給食実施基準  131

11  学校給食実施基準の一部改正について(抜粋)  131  

12  児童福祉法(抜粋)  133

13  母子保健法(抜粋)  133  

14  保育所保育指針(抜粋)  134

15  診療報酬の算定方法(抜粋)  135  

16  介護保険法(抜粋)  136

17  老人福祉法(抜粋)  136

参考資料 115

索引 138

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F  食環境づくりとの関連 (川野 因)38a 食物へのアクセスと栄養教育 40   b 情報へのアクセスと栄養教育 41

c 食環境にかかわる組織・集団への栄養教育 43 

 45

A  健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント 47a アセスメントの種類と方法 47   b 個人要因のアセスメント 49  

c 環境要因のアセスメント 51

B  栄養教育の目標設定 52a 目標設定の意義と方法 52   b 実施目標 53   c 学習目標 53  

d 行動目標 53   e 環境目標 53   f 結果目標 53

C  栄養教育計画立案 53a 学習者の決定 53   b 期間・時期・頻度・時間の設定 55   c 場所の選択と設定 57  

d 実施者の決定とトレーニング 58   e 教材の選択と作成 59   f 学習形態の選択 60

D  栄養教育プログラムの実施 67a モニタリング 67   b 実施記録・報告 67

E  栄養教育の評価 67a 企画評価 70   b 経過評価 70   c 影響評価 70   d 結果評価 70

e 形成的評価 70   f 総括的評価 70   g 経済評価 70   h 総合的評価 71 

F  栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル 71a プリシード・プロシードモデル 71   b ソーシャルマーケティング 73  

c 生態学的モデル 73  

 79

A  妊娠・授乳期の栄養教育 81a 妊娠・授乳期の栄養教育の特徴と留意事項 81  

B  乳幼児期の栄養教育 84a 乳幼児期の栄養教育の特徴と留意事項 84  

C  学童期・思春期の栄養教育 96a 学童期・思春期の栄養教育の特徴と留意事項 96  

D  成人期の栄養教育 100a 成人期の栄養教育の特徴と留意事項 100  

E  高齢期の栄養教育 106a 高齢期の栄養教育の特徴と留意事項 106  

3 栄養教育マネジメント (斎藤トシ子)47

4 ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育の展開 (川野 因)81

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iii

F  傷病者及び障がい者の栄養教育 108a 傷病者の栄養教育の特徴と留意事項 108   b 障がい者の栄養教育の特徴と留意事項 110

 112

1  栄養士法(抜粋)  116  

2  健康増進法(抜粋)  117

3  健康増進法施行規則(抜粋)  119

4  特別用途食品の表示許可等について(抜粋)  120

5  地域保健法(抜粋)  121  

6  地域保健対策の推進に関する基本的な指針(抜粋)  122

7  食育基本法(抜粋)  122  

8  第2次食育推進基本計画(抜粋)  126

9  学校給食法(抜粋)  130  

10  学校給食実施基準  131

11  学校給食実施基準の一部改正について(抜粋)  131  

12  児童福祉法(抜粋)  133

13  母子保健法(抜粋)  133  

14  保育所保育指針(抜粋)  134

15  診療報酬の算定方法(抜粋)  135  

16  介護保険法(抜粋)  136

17  老人福祉法(抜粋)  136

参考資料 115

索引 138

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iv

Column 目次  介護支援専門員資格の取得 12

ユニットケア・グループホーム 13

栄養教育・栄養指導の歴史 14

その他の行動変容技法 34

日本人の長寿を支える「健康な食事」のとらえ方 44

学習指導案の作成フォーマット例 57

栄養教育の記録(報告書) 68

評価の指標 71

評価デザイン 75

「標準的な健診・保健指導プログラム」における保健指導の評価 77

妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項 84

乳児用調製粉乳の安全な調乳,保存および取り扱いに関するガイドライン 87

「授乳・離乳の支援ガイド」の策定のねらい 89

食物アレルギー 95

肥満度の算出方法 100

摂食障害と栄養教育 101

「食事バランスガイド」の単位 102

内食・中食・外食と栄養教育 103

フレイルティ 106

食事サービスと栄養教育 107 

色文字①:重要語色文字②:両側の欄に解説のある語◀: 本文中にこのマークがある場合は,下記①~③は平成 23 ~ 27 年の管理栄養士国家試

験に出題されたことを示しています。   ①項目についている場合はその項目全体。   ②文章の終わりについている場合はその文章。   ③文章の途中についている場合はその直前の語句など。  例)◀平 27-74:平成 27 年問題 74  ◀平 23追 -70:平成 23 年追試問題 70

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1

11 栄養教育の概念

 栄養教育とは,教育的な手段を用いて,人々の健康の保持・増進,疾病の予防・

治療,適正な食行動への是正,食を介した人々の QOL(quality of life;生活の質)

の向上を目指し,食料生産から食品の安全の確保,食品の適正な選択を通じて,食

を営む力を培うための支援を行うことである。

A 栄養教育の目的・目標

a  栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション  

1  栄養教育と社会の変化 栄養教育は,社会の変化に伴う食の供給状態と密接に関係している。

 ● 戦前・戦中・戦後  食料供給不足。 食品の質的・量的な摂取方法の工夫

などについて,地域社会や学校給食などを通じた栄養教育・指導。

 ● 経済成長期以降  経済の復興,外国からの食料輸入により,食品の供給や流

通が改善したほか,食品加工技術の進歩による食料供給過剰のため,栄養素等

摂取の過剰が増加。 過剰摂取の抑制,偏った食物・栄養素等摂取の是正や

生活習慣病の予防についての栄養教育・指導。

 ● 現在  これまでの栄養教育・指導に加え,外食産業(食の外部化)の進展や

食の多様化・画一化,家族の生活時間の個別化,高齢化等に対応した,個別の

栄養教育が必要。

2  健康の定義 1946 年,WHO(世界保健機関)は保健憲章の中で,健康とは,「精神的,肉体

的ならびに社会的に良好な状態(well⊖being)をいい,単に疾病がないとか,虚弱

でないというだけではない。さらに,到達しうる最高基準の健康を享受することは,

人種,宗教,政治的信念または経済的もしくは社会的条件の差別なしに,万人の有

する基本的権利の一つである」と定義している。

 その後,1986 年のヘルスプロモーションに関する「オタワ憲章」(WHOオタワ

会議)において,ヘルスプロモーションは「人々が自らの健康をコントロールし,

改善することができるようにするプロセス」と定義されている。そこでは,健康を

従来の「病気でない状態」ではなく,「日常生活においてQOLが良好な状態」と

している。「ヘルスプロモーション」(図 1 ─ 1)では,個人の行動変容だけではなく,

社会環境もかんがみ,問題意識と結びつけることが必要であるとしている。つまり,

ヘルスプロモーションは,QOLの向上を目的として,健康教育や環境の整備など

によって,よりよいライフスタイルを確立し,住民・国民自らの参加により,健康

をコントロールする能力を高めていく活動といえる。

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