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1 10W+10W D級ステレオ・オーディオアンプキット AUDIO MAXIM(マキシム)の MAX9704 10W ステレオアンプ(10W×2ch)を使った中型アンプモジュールです。 ・増幅回路はクラスD(D級)アンプ構造となっており、ほとんど発熱がなく、放熱する必 要がありません。 ・効率が高く、機器の省エネにつながります。 ・D級アンプの特性を生かした超小型サイズ 約38x42mm ・部品は実装済みですので、少しの部品・端子をつけるだけで動作します。 ・単電源:DC10V~24V動作 ■このようなお客様に ・機器の容積が小さくアンプを内蔵するスペースがない ・FPGAやDSPボードのライン出力をスピーカで聞きたい。 ・MP3やマイコンから音声・警告音をスピーカから鳴らしたい。 ■仕様 5W×2 RL=4Ω 10W×2 RL=8Ω 出力 16W×2 RL=16Ω,電源=24V時 電源電圧 DC 10V25V 実測約 9V から動作可能 消費電流 最大 1.6A MAX9704 の最大定格 効率 78% RL=8Ω,OUT=15W,f=1kHz 無音時消費電流 24mA SP 出力開放時 シャットダウン消費電流 0.7mA ※1 ひずみ率 0.07% POUT=4W RL=8Ω f=1kHz ゲイン切り替え 13dB30dB 4段階で変更可能(ジャンパ設定) ミュート機能 あり MUTE ピン付 シャットダウン機能 あり SHDN ピン付 電源ON/OFF時ポップノイズ抑圧機能 あり 基板サイズ 約38x42mm ※1:MAX9704 単独の消費電力は約 0.0002mA 以下, ボードの消費電力が約 0.7mA ■内容品リスト MAX9704 アンプ基板 x1枚 電解コンデ ンサ x1個 (470μF 50V) コンデンサ x4個 (0.47μF) 端子 x3個 (電源・スピーカ用) ツェナーダイオード x1 (4.7V~5.6V) ※改良のため、予告なく写真のものとは異なる部品に変更する場合があります。ご了承ください。 ※電源,入出力の端子,ケーブル,ボリュームなどは付属しておりません。接続する相手に応じて各自ご用意ください。

10W+10W D級ステレオ・オーディオアンプキット AUDIO1 10W+10W D級ステレオ・オーディオアンプキット AUDIO ・MAXIM (マキシム)のMAX9704 10W ステレオアンプ(10W

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10W+10W D級ステレオ・オーディオアンプキット AUDIO

・MAXIM(マキシム)の MAX9704 10W ステレオアンプ(10W×2ch)を使った中型アンプモジュールです。

・増幅回路はクラスD(D級)アンプ構造となっており、ほとんど発熱がなく、放熱する必

要がありません。 ・効率が高く、機器の省エネにつながります。 ・D級アンプの特性を生かした超小型サイズ 約38x42mm ・部品は実装済みですので、少しの部品・端子をつけるだけで動作します。 ・単電源:DC10V~24V動作

■このようなお客様に ・機器の容積が小さくアンプを内蔵するスペースがない ・FPGAやDSPボードのライン出力をスピーカで聞きたい。 ・MP3やマイコンから音声・警告音をスピーカから鳴らしたい。

■仕様 5W×2 RL=4Ω 10W×2 RL=8Ω

出力

16W×2 RL=16Ω,電源=24V時 電源電圧 DC 10V~25V 実測約 9V から動作可能 消費電流 最大 1.6A MAX9704 の最大定格 効率 約 78% RL=8Ω,OUT=15W,f=1kHz 無音時消費電流 約 24mA SP出力開放時 シャットダウン消費電流 約 0.7mA ※1 ひずみ率 0.07% POUT=4W RL=8Ω f=1kHz ゲイン切り替え 13dB~30dB 4段階で変更可能(ジャンパ設定) ミュート機能 あり MUTE ピン付 シャットダウン機能 あり SHDN ピン付 電源ON/OFF時ポップノイズ抑圧機能 あり 基板サイズ 約38x42mm

※1:MAX9704単独の消費電力は約 0.0002mA以下, ボードの消費電力が約 0.7mA ■内容品リスト

MAX9704 アンプ基板

x1枚

電解コンデ

ンサ x1個 (470μF

50V) コンデンサ x4個

(0.47μF) 端子 x3個

(電源・スピーカ用) ツェナーダイオード x1 本

(4.7V~5.6V)

※改良のため、予告なく写真のものとは異なる部品に変更する場合があります。ご了承ください。 ※電源,入出力の端子,ケーブル,ボリュームなどは付属しておりません。接続する相手に応じて各自ご用意ください。

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■組み立て MAX9704 を始め、ほとんどの部品は実装済みですので少しの部品のハンダ付けで完成します。

1.ダイオードのハンダ付け ディジタル回路用のダイオード(ツェナーダイオード)をハンダ付けします。向きがありますので帯を基板のシ

ルク印刷に合わせてください。 2.入力コンデンサのハンダ付け 入力側のコンデンサを4個ハンダ付けします。このコンデンサには極

性はありません。形状が大きいので少し隣とぶつかってしまいます。 3.電解コンデンサのハンダ付け 電源用のコンデンサをハンダ付けします。極性がありますので間違

えないようにしてください。足の長いほうが+極で、-極には側面に

印があります。マイナス極が基板の端になるように取り付けます。写真参照 ※組み込むケースやネジ止めに問題が生じる場合はハンダ面からの実装、容量の小さいものを複数置くなど

で工夫してください。 ※コンデンサを交換すると音が変わります。電源のコンデンサを別のものにする場合は耐圧にご注意ください。 3.端子のハンダ付け 電源と出力側(スピーカ側)の端子台をハン

ダ付けします。写真のようにお互いの溝を合わ

せて連結してからハンダ付けしてください。

※入力側にはターミナルを取り付けません。もし市販のスピーカ端子を設ける場合は出力側の端子台を

入力側として活用してください。 4.基板裏のランドのショート MAX9704は差動入力(バランス入力)になっているため、一般的なオーディオプレーヤの場合-側をグラ

ンドに落とす必要があります。基板裏のランドを右の写真のようにハンダ付けしてショートしてください。 5.全体の配線

次のページの配線図を参考に配線してください。 スピーカ出力の-端子はグランドではなく+にも振幅します。必ず配線図通りに接続してください。

■回路図

●資料 ピンプラグのピン配置

左(LEFT)

グランド(GND) 右(RIGHT)

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■全体の配線例 ※基板上の部品以外は別売りです

◎ライン出力ではなくヘッドフォン端子から取る場合は、本体側で音量調整が出来ますからボリュームを省略しても構いません。

■使い方 入力端子にCDプレーヤ,MP3プレーヤのライン出力(ヘッドフォン端子)などに配線します。 出力端子(スピーカ出力)にお好きなスピーカを配線します。左右の+と-を別々に配線します。このとき出力端子の+や-が電源のグランド

に接しないようにしてください。グランドが共通になっているもの(ステレオヘッドフォンなど)にはこのキットは使用できません。 突然大きい音が出ることがありますので、必ず音楽ソースの音量が最小になっているか確認してください。 電源端子にDC10V~25Vの電源を接続します。ボコッという電源が入る音がしません(またはほとんど聞こえない)ので、アンプの電源が入っ

たことに気づかないかもしれません。音楽ソースの音量を上げてみてください。左右のスピーカから音がすれば完成です。左右の音が変な場合はス

ピーカの+と-が反対になっていると思いますので、繋ぎ直してください。 10V~24Vと動作電圧範囲が広いので、屋外でのバッテリー動作も十分可能です。12Vの鉛蓄電池を電源とすれば十分鳴らすことができ

ます(放電中電圧は安定していますので、定電圧回路は必要ありません) ※5Vや3.3Vでは動作できません、3端子レギュレータを使った回路であれば、DC12~15VのACアダプタを用意し、アダプタの出力をダイレク

トのアンプ電源とし、3端子レギュレータを経由した電圧(5Vや3.3V)をマイコン側のロジック電源とすればいいでしょう。 ※電源電圧が低く、スピーカのインピーダンスが大きい(8Ωよりも大きい)場合は最大出力が出ない場合があります。この場合は電源電圧を上

げてください。4~8ΩのスピーカならDC15~16V程度で最大音量まで十分ドライブ可能です。 ※入力端子がオープン(何も接続していない)時に、入力端子に手を触れるとブーンという音がしますが異常ではありません。入力は必ず接続し

た状態で動作させるようにしてください。 ■原理

原理的にはPWMによりスピーカを駆動しています。デバイスの品種によっては出力にL/Cフィルタが必要になるものもありますが、この

MAX9704はマキシム独自の特許回路によりスピーカ自身のインダクタンスによりフィルターを省略することができるため、実装面積が小さくできます。

マキシムによるとスピーカには33μH(@4Ω時)以上、あるいは68μH(@8Ω時)以上のインダクタンスを持つスピーカが推奨されています。一

般的なスピーカはこの程度のインダクタンスがあるため、フィルターなしに直接スピーカと配線できます。 原理的にICはONとOFFの2つの状態しかないため、IC内での大きな損失はありません。そのため7mm角の小さいICだけで10Wと大出力を

出せるようになりました。スピーカ出力をオシロスコープで観察してください、ディジタル信号が印加されているのがよく解かります。 ■応用例 シャットダウンした場合デバイスの消費電力が 0.2μA以下になりますが、ボード上のツェナーダイオードなどの消費電流約 0.7mAが加わるため実

際は多くなります。5.1V のツェナーダイオードはディジタル入力端子の電源のためのものです。 ツェナーを外すと消費電力が減りますが、MAX9704 のディジタル入力端子(G1,G2,FS1,GS2,SHUTDOWN,SS)の最大定格 12V を超えな

いようにしなければなりません。(ディジタル入力端子の耐電圧は他より低く 8V以下が推奨されています。) シャットダウンは MAX9704 が停止し、消費電力が低く抑えられるモードです。ミュートは動作していますが、一時的にスピーカ出力をカットする機

能です。

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■設定について このキットは内部発振周波数調整,ゲイン調整,ミュート,シャットダウンの機能が使えます。 何も設定しなくてもアンプとして動作しますが、変更が必要な方のみ修正してください。

●シャットダウン・ミュートの設定

・SHDNとGND(グランド)を接続するとシャットダウンモード(低消費電

力モード)に入ります。 ・MUTE と GND(グランド)を接続するとミュート(消音)になります。 ●ゲイン・発振周波数の設定

基板上に4箇所ハンダジャンパー箇所を設けています。ここで動作周

波数、ゲインの設定を行います。それぞれの設定は下記表を参照

ゲイン設定 G2 G1 ゲイン(増幅率)(下記4種類から選びます)

OPEN OPEN 16dB (デフォルト設定) OPEN SHORT 19.1dB SHORT OPEN 13dB (もっとも増幅率が小さい) SHORT SHORT 29.6dB (最も増幅率が大きい)

※OPEN…なにもしない, SHORT…ハンダで端子を短絡させる ※ゲインはスピーカのインピーダンスや音圧,入力ソースのレベルなどによって最適なものを選択します。

内部発振周波数設定 FS2 FS1 動作周波数(下記4種類から選びます) OPEN OPEN 670kHz±7%(*) (デフォルト設定) OPEN SHORT 940kHz SHORT OPEN 470kHz SHORT SHORT 670kHz

※OPEN…なにもしない, SHORT…ハンダで端子を短絡させる (*)…このモードでは 670kHzを中心にランダムに約 7%周波数が可変します。これによりある一定周波数の EMI輻射を分散させ、各種規

格の制限値を超えないようにすることができます。電化製品や自動車などでは有効な EMI 対策です。

■使用上の注意・免責事項 ・電源を逆に接続しますと、破損しますので配線には十分ご注意ください。 ・本キットを使用したことによる、損害・損失については一切補償できません。高価なスピーカに繋ぐ前に小さいスピーカなどで実験をしてください。 ・モジュールはステレオアンプですが、片方しか使用しない場合、空いているチャンネルの入力は必ずグランドに短絡し、スピーカ出力はオープンにし

てください。不要なノイズを増幅し、消費電力が増大します。 ・スピーカ出力は+側も-側も信号が出ています。そのためグランドとは別に配線してください。ステレオヘッドフォンはグランドが共通ですのでそのよ

うなものを繋ぐことはできません。 ・キットは10Wx2chのアンプですが、20Wx1chのような使い方はできません。(スピーカ出力の左右を並列に繋いで加算したりすることはできま

せん) ・本キットはエンジニアの方を対象にした製品です。本製品をお使いになるにはある程度の電気的知識を必要とします。(組み立てによってはスピ

ーカや音楽ソース側の機器にダメージを与える可能性があります) ・製造上・輸送上の不良・破損がございましたら、良品とお取替えいたします。それ以外の責についてはご容赦ください。

Copyright © 2008,2013 Strawberry Linux Co.,Ltd. 2008年2月 第1版

2013年11月11日 第2版 2014 年8月19日 第3版