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749 東北学院時報 1 2019 (平成31) 1 15 日 発行 使使使姿使022‐264‐6468 振替口座 02240‐9‐883 〒980-8511 仙台市青葉 区土樋一丁目3番1号 電話022-264-6423 FAX 022-264-6478 編集兼発行人 松本 宣郎 法人事務局広報部 お電話相談窓口はこちら 大学・大学院 022‐264‐ ご購読のお申し込み・同窓生の住 所変更、同窓会開催のご連絡は校 友課へ 中学・高校 022‐786‐1231 榴ケ岡高校 022‐372‐6611 幼 稚 園 022‐368‐8600 12月 1月合併号 学長室事務課 (調査依頼・各種補助金) 6424 アドミッションズ・オフィス(入試課) (受験相談・資料請求) 6455 学生課(学生生活相談・奨学金) 6471 教務課 (成績・各種証明書発行・大学院相談) 6451 就職キャリア支援課 (求人依頼・就職相談) 6482 財務課(学納金・寄付申込) 6441 研究機関事務課 (公開講座・講演会) 6430 年頭所

12019(平成31)年1月 日発行 第 号 年頭所 感jihou.tohoku-gakuin.jp/archive/749/時報749号 P1.pdf · ()12019(平成31)年1月15日発行 東北学院時報

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Page 1: 12019(平成31)年1月 日発行 第 号 年頭所 感jihou.tohoku-gakuin.jp/archive/749/時報749号 P1.pdf · ()12019(平成31)年1月15日発行 東北学院時報

第 749 号東 北 学 院 時 報( )1 2019(平成31)年1月15日 発行

 

東北学院につながるすべての皆様に、心より新年のお

祝いを申し上げます。皆様の新しい年の歩みの上に、神

さまのお恵みが豊かにありますよう、お祈りいたします。

 

二〇一九という数字はあまりすわりのよくない数

字のようにも思えます。二〇二〇年オリンピックのイ

メージが強烈で、その前の年として、地味な感じを与

えます。日本では年号もこの年に変わるはずなので、

余計そうなのかもしれません。

 

しかし東北学院にとっては、新しい年は常に希望

を与え、意義ある年としてスタートしています。創立

百三十三年目になります。「継続は力なり」とよく言わ

れます。しかし、何もしないでいては続くはずはあり

ません。「継続」を志し、願い、働いた、私たちの先達の

努力がありました。そしてまた、その先達たちのみな

らず、それを受け継ぐ私たちに努力させた神の導きが

あったから「継続」できたのです。

 

創立百三十年目の二〇一六年に東北学院はTGグラ

ンドビジョンを打ち出しました。創立百五十年まで、本

学院がこの地域で存続し、さらにブランド力を持つ学院

となっていくための道筋と決意を示したのです。最初の

キリスト教伝道者のひとり使徒パウロは、小アジアのト

ロアスで、マケドニアに伝道するという「幻」を見てヨー

ロッパに渡りました。十九世紀末、仙台に来た宣教師と

日本人キリスト者は、東北を日本のスコットランドに、と

いう「幻」を見て、仙台神学校をつくりました。TGグラ

ンドビジョンもやはり私たちに与えられた「幻」にほか

なりません。「幻」なくして「継続」はありえないのです。

 

さて、今年の「幻に導かれた継続」を示すものを挙

げましょう。大学は「アーバンキャンパス」を一歩具体

化させます。五橋キャンパスの旧仙台市立病院の撤去

に着手し、新しく礼拝堂を兼ねるホール棟、シンボル

的存在となる高層棟、泉・多賀城両キャンパスを移転

させる研究棟、講義棟、地域産業界や市民の皆さんと

の交流の場を建設する大事業を開始します。その完成

は四年後の二〇二三年四月です。ペースを早めなけれ

ばなりません。

 

もちろんその間も教育・研究は継続させます。昨年

度大学は、大学基準協会による審査に合格しました。

新年度は、評価された教育の質保証をさらに高め、学

生の主体性を育てる「仕掛け」、たとえばルーブリック

づくりやTGベーシックの再構築などを実行します。

五橋キャンパスの完成に合わせて、新しい学部・学科

の構想にも着手します。

 

中学校・高校は新コース制がスタートして三年目、

それぞれのコース生が明確な目的を持って学びを進め

ています。榴ケ岡高校は四月から独自の新コース制を

開始します。これもメリハリの効いた複数進路制度に

よって生徒たちの目的意識を育てようとしています。

 

ふたつの設置学校が、それぞれの特色を生かしつつも

同じ建学の精神に立って教育する学校であるとの意識

を共有するため、昨年六月に設置学校将来構想検討会

議を設置しました。法人が両校の授業参観を行ったり、

英語教師の合同研修会を開くなど、様々な試みを行って

います。中等学校の前に迫っている厳しい状況に対処す

るために、この会議は新しい年も活性化して参ります。

 

幼稚園は伝統となっているキリスト教保育をたゆ

まず実践しています。園児の減少、施設の問題性を考

慮して、昨年は院長をトップとするワーキンググルー

プに改革提案をしてもらい、若干の成果を上げまし

た。将来対策は何より急がれます。今年はさらにそれ

を進めたいと思います。

 

TGグランドビジョンとそのキャッチフレーズ、「ゆた

かに学び、地域へ世界へ」をガイドラインに、東北学院は

着実に歩んでいます。今年は、三年を経てビジョンのリ

ニューアルが必要だと考えます。社会状況の変化にも対

応した、ビジョン実現の具体的なスキームづくりと言う

べきかもしれません。グローバル化の進む中、地域に根

ざす大学・学校として、世界にも地元地域にも結びつこ

うとする意味で「グローカル」という言葉も使います。

仙台市との関係がますます密接になっていますからな

おさらです。受験生もどんどん多様化してきます。「ダイ

バーシティ」対応という概念も大事になってきます。

 

キリスト教学校はいつの時代も試練をうけて存続

してきました。現在が特別というわけではありませ

ん。神の言葉に堅く立ち、しなやかに働いていきたい、

と願うものであります。

二〇一九年を迎えて

理事長・学 長  

松 本 宣 郎

計画の中で「ミッション」が土台として、また「ビ

ジョン」が目指すものとして図示されています。

理念が組織の土台であると同時に目標にもなっ

ており、東北学院のあり方を導くものです。すな

わち、キリスト教学校である東北学院は、子弟の

育成のために必要な学科を教授するとともに、キ

リスト教の価値観に基づく徳育を施し、よって子

弟の全人的成長を期する教育機関であることが

示されています。そこでは構成員による目標の了

解と主体的参与が必要とされています。

全員の協同

 「キリスト教学校である指標は何か」との問い

は、繰り返し議論されてきた提題です。たとえば、

「寄附行為のキリスト者条項」「建学の精神」「学校

礼拝」「キリスト教学や聖書科の必修授業」「創立

以来の歴史」「キリスト者教職員の存在」などが挙

げられます。最後の項目は殊に重要です。

 

シュネーダー第二代院長は、一九三三(昭和八)

年の東山荘でのキリスト教学校教育同盟夏期学

校で講演を行い「多くの教師はキリスト者ではあ

りません。あるいは、たとえキリスト者であって

も、往々にして、その学校の精神的目的に深い興味

を持ちません」と語り、教育目標を達成するため

には「キリスト者の教育者が非常に苦心して努力

しなければならない」ことを指摘しています。他

方、東北学院臨時教員会(昭和六年)においてシュ

ネーダー院長は「基督教主義学校の危機に際して

東北学院の使命を惟ふ」の演題で講演を行い、「真

の基督教学校は其の教員が衷心から互いに協力

し、殊に中心的責任者と協力し、又凡ての事に協

力し、殊に宗教的活動に相協力する学校である」

と語っています。協同は、時代を超越する「組織の

要件」です。協同は、東北学院の職員公募要件に

「キリスト者もしくはキリスト教に理解ある者」

の条項があることや、寄附行為前文に「東北学院

は創立以来、本法人に所属する各教育機関におい

て一般の教育・研究活動と共に福音主義キリスト

教に基づく宗教教育を一貫して行ってきた。今後

ともそれぞれの教育機関は、正規の学校行事とし

ての礼拝と正課必修としてのキリスト教教育を

不変のこととして実施していくものとする」との

理事会宣言が付されている理由でもあります。

内観による発展

 

戦略の本質として挙げられる項目、換言するな

らば、失敗しないための要件に「目標の明確化」が

あります。目標の二重性や不統一や不明瞭などの

ために目標が十分に把握されないならば、実力あ

る人の集合体であっても組織の成功は不明です。

 

ところで、成功談を聴衆全員に適用することは

難しいですが、他方、失敗談は誰にでも起きる可能

性があるものです。ですから失敗談は傾聴に値し

ます。旧約聖書に記載されているイスラエル王国の

初代王サウルは失敗者でした。彼は、謙遜な性格で

統治能力もあり立派な容姿を備えていた人物で申

し分のない王様に映りました。確かに、彼の王朝の

滑り出しは順風満帆でした。しかし、サウルは、神の

支配を体現するという王の本質的使命をしばしば

見失います。たとえば、物欲を優先させたり、民衆の

評判に流されたり、嫉妬心のゆえに平静さを失う

などの振る舞いが記載されています。サウルは、や

がて人生の下り坂を転げ落ち自死の最期を迎えま

す。サウルだけでなく、土台と目標を忘失したイス

ラエル王国は、その後、北王国と南王国に分裂し、時

代こそ異なりますが、それぞれ破滅への道を歩みま

す。理念の明確化と主体的参加は、組織を活性化す

るだけでなく、その発展をも左右するのです。

 

東北学院の二〇一九年の歩みが主の祝福に

よって豊かに導かれますようにと祈ります。

 

新年あけましておめでとうございます。

二〇一九年が皆様にとって祝福豊かな年となり

ますようお祈り申し上げます。

学校は人

 

組織を構成する最小単位は人です。しかし、奉

職する組織の目標と働き人の自己達成目標とが

一致するかは微妙です。ですから、組織は、さまざ

まな面において存立の理念や職務目標を再帰的

に提示し、組織全体の主体的参加を求めます。

 

東北学院がキリスト教学校として開院した年

(一八九一年)に、押川方義初代院長は新講堂に全

生徒を集め、①東北学院は、「商業学なり、法学な

り、文学なり、理学なり、今日の日本子弟に必要な

学科」を、②「基督教徒が基督教主義をもって教

育する」との講演を行いました。今日、その方針は

「東北学院中長期計画」にも継承されています。

この建物全体は

 組み合わされて成長し…

院 長  

佐々木 哲 夫

☎022‐264‐6468振替口座 02240‐9‐883

  発   行  

〒980-8511 仙台市青葉区 土 樋 一 丁 目 3 番 1 号電 話 0 2 2 - 2 6 4 - 6 4 2 3F A X 0 2 2 - 2 6 4 - 6 4 7 8

編集兼発行人 松本 宣郎  編   集  法 人 事 務 局 広 報 部

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年 頭 所 感

(エフェソの信徒への手紙 二章二十一節)