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- 広島工業大学紀要研究編 38 (2004)pp. 111 -120 論文 平成 13 年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と 地盤の常時微動特性 岩井 哲*・浅野照雄* (平成15 8 8日受理) Roof-Tile DamageofWooden Houseson Improved Hills Caused by the 2001 Geiyo Earthquakeand Micro-Tremor Propertiesof theGround Satoshi IW AI and Teruo ASANO (Received Aug. 8 2003) Abstract Thispaperpresentstherelationbetweenroof-tiledamageof woodenhousesandground shakingintensitybythe 2001 Geiyoearthquake. Therooιtiledamageof woodenhouses caused by theGeiyo earthquake wassurveyed at residentialdistricts in and near the western partof HiroshimaCity Koi-ue Nishi-Ward andAjinadai HatsukaichiCity. Also questionnaire investigation for housing damage ldground shaking intensity was developed in Kure City and Ajinadai. Furthermore a micro-tremor measurement technique wasemployed toinvestigateground vibration property. Theresultsareasfo11ows: (1 )Extensivedamageof roof tilesoccurredonfi11groundthancutground. (2) Th equestionnaireseismicintensity is high on a11uvium ground near hi11sand on ridges in Kure City ,出ldon fi11 ground on improved hillsin Ajinadai. Thethresholdintensityabovewhich theroof-tiledamagestartstoappear canbebetween 5.5 and 6.0. (3)A ratioof horizontalspectrumtoverticalonebasedonthe micro-tremormeasurementisfoundtohaveclearlydifferentcharacteristicsbetweenfi11and cut ground. Thisground vibration property corresponds tolarger roof-tiledamageof wooden houses in 11ground on improved hills. Key Words: the 2001 Geiyoearthquake questionnairesurvey roof-tiledamage micro-tremor measurement ,自11ground cut ground 1. はじめに 平成13 (2001 年) 3 24 15 28 分に発生した 「平成 13 年芸予地震J (マグ ニチュード6.7)に関 して広 島県呉市 ならびに広島市西部地域の木造住宅被害に焦点を絞って被 災状況を調査した。 ここでは被害件数の多かった木造住宅 の瓦屋根被害に注目し,被害状況と地盤条件,特に丘陵の 宅地造成における盛土・切土の差異との関連性について検 討した。Il建築物の地震被害を考える上で,木造住宅の瓦 本広島工業大学工学部建設工学科 屋根被害は一部損壊等として,一般に被害が顕在化するき っかけとなる。本研究は,呉市の崖地ならびに広島市西区 己斐上 (こいうえ) と広島市の西に隣接する廿日市市阿品 台(あじなだい)にある丘陵造成地の木造住宅について被 害の現地調査とア ンケート調査を行い,町丁目単位の被害 状況と震度との対応関係を調べたものである 。さらに宅地 の盛土・切土地盤の常時微動特性との関連について検討を 行った。

平成13 年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦 …harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/it-hiroshima/file/7097/...roof二tiles occurred on fi11 ground than cut ground. (2)The

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-広島 工 業 大 学 紀 要 研究編第 38巻 (2004)pp. 111 -120

論 文

平成13年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と

地盤の常時微動特性

岩井 哲*・浅野照雄*

(平成15年 8月8日受理)

Roof-Tile Damage ofWooden Houses on Improved Hills Caused by the 2001

Geiyo Earthquake and Micro-Tremor Properties of the Ground

Satoshi IW AI and Teruo ASANO

(Received Aug. 8, 2003)

Abstract

This paper presents the relation between roof-tile damage of wooden houses and ground

shaking intensity by the 2001 Geiyo earthquake. The rooιtile damage of wooden houses

caused by the Geiyo earthquake was surveyed at residential districts in and near the western

part of Hiroshima City, Koi-ue, Nishi-Ward, and Ajinadai, Hatsukaichi City. Also

questionnaire investigation for housing damage出 ldground shaking intensity was developed in

Kure City and Ajinadai. Furthermore, a micro-tremor measurement technique was employed

to investigate ground vibration property. The results are as fo11ows: (1)Extensive damage of

roof二tilesoccurred on fi11 ground than cut ground. (2)The questionnaire seismic intensity is

high on a11uvium ground near hi11s and on ridges in Kure City,出ldon fi11 ground on improved

hills in Ajinadai. The threshold intensity above which the roof-tile damage starts to appear

can be between 5.5 and 6.0. (3)A ratio of horizontal spectrum to vertical one based on the

micro-tremor measurement is found to have clearly different characteristics between fi11 and

cut ground. This ground vibration property corresponds to larger roof-tile damage of wooden

houses in五11ground on improved hills.

Key Words: the 2001 Geiyo earthquake, questionnaire survey, roof-tile damage, micro-tremor

measurement,自11ground, cut ground

1. はじめに

平成13年 (2001年) 3月24日15時28分に発生した 「平成

13年芸予地震J(マグニチュード6.7)に関して広島県呉市

ならびに広島市西部地域の木造住宅被害に焦点を絞って被

災状況を調査した。ここでは被害件数の多かった木造住宅

の瓦屋根被害に注目し,被害状況と地盤条件,特に丘陵の

宅地造成における盛土・切土の差異との関連性について検

討した。Il建築物の地震被害を考える上で,木造住宅の瓦

本広島工業大学工学部建設工学科

屋根被害は一部損壊等として,一般に被害が顕在化するき

っかけとなる。本研究は,呉市の崖地ならびに広島市西区

己斐上 (こいうえ)と広島市の西に隣接する廿日市市阿品

台(あじなだい)にある丘陵造成地の木造住宅について被

害の現地調査とア ンケート調査を行い,町丁目単位の被害

状況と震度との対応関係を調べたものである。さらに宅地

の盛土・切土地盤の常時微動特性との関連について検討を

行った。

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圃圃

岩井哲・浅野照雄

2.被害の概要

平成13年芸予地震により,広島県呉市で 1名,愛媛県北

条市で l名が亡くなったほか,中国・四国で負傷者計288

名の人的被害が出た。建物被害は広島県内で全壊60棟,半

壊497棟, 一部損壊34,735棟 (平成13年 5月31日現在) と

なっている。全壊・半壊した建物の多くは呉市市街地周辺

の急傾斜地の民家で,多くは石垣やブロック塀の崩落を伴

写真 1 擁壁の被害 (呉市宮原 8丁目)

写真 2 急傾斜地盤の崩壊による建物被害

(呉市両城2丁目)

写真 3 住宅の擁壁の倒壊.道路左側は急な傾斜地で路面

が下がっている (西区己斐上 3丁目)

っていた (写真 1, 2) 02)ー3)一部損壊建物における被害は

屋根瓦やモルタル壁などの破損落下であることが多い。一

部損壊建物の数は被害届けのあるものに基づいており,実

際は集計以上の被害があったものと考えられる。

広島市内の建物の被害には全壊はなかった。建物の半壊

は広島市全体で108件であり,西区が75件と最も多く,次

いで佐伯区の21件,安佐南区の 9件の順となっている (広

島市消防局平成13年 6月25日現在)。 一部損壊件数は広島

写真 4 住宅の瓦屋根被害 (西区己斐上 3丁目)

写真 5 地盤液状化によって亀裂の入った平屋住宅の布基

礎と壁.屋根は無被害 (-Ij-日市市阿品)

写真6 雛壇式の丘陵造成地における木造屋根被害

(廿日市市阿品台)

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-圃・・

平成13年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と地盤の常時微動特性

市全体で6.478件であり,その中では安佐南区が2.010件で

最も多く,次いで西区の1.379件,佐伯区の1.108件の順と

なっている。広島市消防局における建物被害状況の, I半

壊」は家屋の傾き, I一部損壊」は壁のひび割れ,屋根瓦

の落下等とされる。建物被害は広島市の西方に集中してお

り,正陵地に開発された戸建て住宅団地で,屋根瓦の落

下・ずれ等の被害の集中した地域がある(写真 3, 4)。

それに比して広島市中心部の三角州軟弱地盤地帯において

は,住宅・建物に大きな被害がほとんど見られなかった。

これが今回の地震による建物被害の特徴であるo 兵庫県南

部地震の後をうけて1997年 4月に出された広島市大規模地

震被害想定では,芸予地震の想定マグニチュードを7.25と

して被害予測がなされている。被害想定では広島市中心部

の三角州軟弱地盤地帯において,丘陵地等の周辺地盤より

大きな震度が生じる結果となっており,それに伴う建物被

害が予測されているが,この点が実際の被害と大きく食い

違っている。

広島市ならびに西方の廿日市市にかけて海岸線に面して

埋立て造成された地域の一部では 液状化による大小の地

盤変状を受けた。しかし広島市内では液状化による建物被

害はほとんど報告されていない。海岸線沿いの廿日市市阿

品は, 30年ほど前に埋立て宅地造成されたが,道路や宅地

地盤が護岸堤防に平行に大きな亀裂が生じ,地盤が海側に

押し出された形跡が見られる o 液状化被害では,地割れ,

噴砂,陥没等が,道路と敷地の地盤で生じ,水道管の破

損 ・漏水もあり,泥水が溢れた。これらの地盤変状を受け

た宅地上に存在する住宅の多くが,傾斜,基礎部の破損,

壁面の亀裂を生じ,コンリートブロ ック塀がずれたり,亀

裂・破壊を生じていた(写真 5)。一方,阿品の正陵地で

段正状に広がっているニュータウンの阿品台で 2階建てを

主とする木造瓦葺き戸建て住宅群は,広島市内の正陵団地

で見られたような瓦屋根の被害が相当多く集中して見られ

た(写真 6)0

図 1 広島市西区己斐上地区の木造瓦屋根被害箇所と切土 ・盛土,常時微動観測点

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-岩井哲・浅野照雄

3.正陵地の木造住宅被害と造成地盤の関係

3.1 広島市西区己斐上

広島市西区己斐上 3丁目ならびに己斐上 5丁目の住宅団

地における木造住宅瓦屋根の被災状況を,地震発生から約

10日後の 4月4日に外観目視で全数調査した。被災状況を

図1に示す。赤丸点は瓦屋根に青い防水シートが覆われて,

被害のあった住宅を表す。住宅団地は丘陵地を造成してつ

くられ, 30年ほど経過している。広島市内中心部の三角州

軟弱地盤地域では住宅被害がほとんど見られなかったこと

と比較すると,己斐上地区での被害は集中しており件数も

かなり多い。住宅敷地は擁壁によって雛壇状に盛られてお

り,被害は擁壁のひび割れ・崩壊を伴って生じている。

図1には切土と盛土の地盤区分を重ねて示した。図1の

己斐地区における切土・盛土の判別は藤原4)による。これ

より己斐団地では盛土部分で瓦屋根被害が多く,切土部分

で被害が少なくなる傾向が認められる。

3.2 廿日市市阿品台

廿日市市阿品ならびに阿品台にある住宅地の建物被災状

況を,地震発生から 1ヶ月を経過した 4月28日と 5月8日

に現地調査した。図2にその被災状況を示す。赤丸点は瓦

屋根被害のあった住宅,青丸点は地盤液状化の被害箇所,

茶丸点は後述するアンケート調査で屋根被害があったと報

告された住宅を表す。ここでは擁壁の被害はあまり目立た

なかった。

図2の盛土表示は,著者が現在と造成前の地形の 10m

毎の標高値から切土・盛土を判別したものである。現地形

の造成は元の地形を利用して行われており,己斐上地区と

同様に,平坦地ではなく宅地は雛壇状に造成され,周辺道

路は傾斜が多い。盛土厚は平均 5~lOm 程度と見られる o

阿品台 4丁目と 5丁目の境界付近では一部に最大で 20m

近いところもある。図2には切土・盛土が確実に判った部

図2 廿日市市阿品台・阿品地区の木造瓦屋根被害箇所と切土・盛土

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-平成13年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と地盤の常時微動特性

分だけを示している。アンケートと現地調査による瓦屋根

被害件数は一致していないが,かなり重複していることを

確認した。阿品台団地の被害状況からも,盛土部分におけ

る瓦屋根被害が多いことが明らかに認められる。

4.航空写真ならびにアンケー卜調査による住宅被

災状況と震度

4.1 調査方法

屋根被害の状況を芸予地震被災直後の航空写真 (平成13

年 3月27日,ア ジア航測株式会社撮影,縮尺約1/2,500)

に基づいて調べた。航空写真は撮影区域が限られているた

め,沖積地盤の呉市と丘陵地の廿日市市宮内・阿品を対象

とした。航空写真から青い防水シートで覆われた家屋を特

定した。アンケート調査を実施した阿品台については航空

写真が存在しない。

それらの被害の多い地域の住宅を中心にアンケート調査

を実施し,木造住宅被害と震度との関係を調べた。各戸に

調査用紙を配布して,記入後,返送してもらう回収方式で

行った。質問項目は太田らの方法5),6)を参考にして抽出し,

屋根形式,瓦屋根破損個所など瓦屋根被害に関係した項目

を追加した。配布地域は,呉市では三条 3,4丁目,中央

5, 6, 7丁目,束中央 1,2, 3丁目,本通 5,6丁目,

朝日町,長ノ木町,下山田町で,廿日市市では阿品台 1,

2, 3, 4, 5丁目,宮内の六本松団地,東亜ニュータウ

ン宮園の各地区である。調査紙の回収状況は,呉市は配布

542件に対し回収260件で回収率は48%,阿品台は配布400

件に対し回収239件で56%,宮内は配布200件に対し回収93

件で47%であった。

4.2 呉市

呉市における防水シートの分布を図 3に示す。屋根を青

い防水シートで、覆った家屋の分布は,呉市市街地 (図4参

照)西部の三条E陵地,市街地中心部の中央 5丁目,朝日

町からさらに市街地北部丘陵地,市街地東部の和庄登町,

和庄本町などであり ,市街地周辺の正陵地に瓦屋根被害が

多かったことがわかる。

アンケートによる瓦屋根被害の有無を町丁目毎に集計し

たのが図 5である。防水シートの分布と併せてみると,中

央 5丁目から 7丁目,東中央 1丁目から 3丁目および長ノ

木町の被害が多い。この内,三条 3,4丁目,中央 5丁目

から 7丁目と束中央の一部は沖積地盤平坦地であり,束中

央の残り半分は傾斜地,長ノ木町は山地の尾根となってい

る。また,三条 4丁目は沖積地盤であるが丘陵地との境界

にある。図6のアンケート震度の集計から,平坦地では瓦

屋根被害のない本通り 5 丁目 6 丁目で震度5.0~6.0 , 瓦

屋根被害のあった中央 5丁目 6丁目,束中央で震度5.5

~6.5 とやや高く , 東中央の傾斜地では震度4.5~6.0,長ノ

木などの尾根で震度5.0~6.5であり,尾根状の凸状地と山

地に隣接する斜面で震度が大きかったことがわかる。アン

ケート震度の平均値を瓦屋根被害の有無と関連づけて示し

たのが図 7である。個々の建物についてアンケート震度と,

被害あり・なしを対応させてデータを集計した。アンケー

ト震度には個々の建物の構造条件も,建物の立地している

地盤条件も含まれる。町丁目毎の少ない母集団について集

計した点には議論もあろうが,震度と被害の評価自体には

問題はないと考える。瓦屋根被害のあった住宅でアンケー

ト震度がわずかながら高くなる傾向が見られ,アンケート

震度が5.5から6.0程度で,瓦屋根被害が現れている。

4.3 廿日市市阿品台

呉市と同様にまとめた,廿日市市阿品台の町丁目毎の瓦

屋根被害件数を図 8に,アンケート震度を図 9に,アンケ

ート震度の平均値と瓦屋根被害の有無との関連を図10にそ

れぞれ示す。アンケート調査では阿品台 3丁目から 5丁目

で瓦屋根被害が多く回答されているo 呉市と地盤の条件は

異なるものの,アンケート震度が同じく 5.5から6.0(震度

6弱)程度で,瓦屋根被害を生じていることが認められる。

5.丘陵造成地盤の常時微動特性

5.1 調査方法

正陵造成地盤と被害分布から,盛土部において切土部よ

り木造瓦屋根被害が多く現れる傾向が示された。今回の被

害の特徴は,平成13年芸予地震が短周期成分において卓越

していること,全般的に強振動の破壊力が小さかった等の

地震の特性に加えて,各地での地震動の強さと地盤の周期

特性等に関わっている可能性がある。今後の木造被害軽減

に向けての対策を探る上でも,地盤の振動特性と被害との

関係を知ることは意義があると考える。そこで被害のあっ

た正陵造成地において地盤の常時微動計測を実施した。こ

のような調査方法は, 1978年宮城県沖地震における宅地造

成地上の家屋被害危険度を,宅地地盤の常時微動特性から

推定する手法として用いた浅田の研究7)にも見られる。

常時微動計測に用いた機器は,動コイル型電磁変換方式

小型長周期振動計[東京測振社製,SM -121 (水平動),

SM-122 (上下動)固有周期:2.0秒, 計測周波数 0.5Hz~

50Hz]である。微動計測記録は速度成分と変位成分の 2

通りで採録した。採取データはサ ンプリ ング間隔0.01秒で,

計測開始直後に10~15秒間,較正電圧値 (キャリブレーシ

ョン)を記録した後,各々約 5分間を連続して波形を収録

した。データ分析では, 5分間の記録の中で大きなノイズ

がな く波形の最も安定している約20秒間 (2048データ)を

選定し,パワースペクトルを求めた。さらに速度と変位の

それぞれの記録について,微動の上下動成分と水平動成分

のスペクトル比 (以下, H/V スペクトルと表示する)を

115-

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-哲・浅野照雄

算出した。なお平滑化をバンド幅 1Hzで、行っている。

5.2 阿品台での被害と地盤との関連

阿品台での常時微動計測は図11( a )~(c )に示すように28地

点を選択して,切土・盛土の地盤の振動特性を調べた。常

時微動計測は外部ノイズの少ない夜間に実施した。

(1) スペク卜ル特性

計測点は(a)切土地盤 7箇所, (b)切土・盛土境界付近の切

土地盤 2箇所, (c)切土・盛土境界付近の盛土地盤 9箇所,

(d)盛土地盤11箇所である。これらの水平・東西方向成分の

速度記録のパワースベクトルをそれぞれ地盤の種別に対応

させて図12に示す 4つに分けた。凡例における “1v-EW"

などの初めの数字は図11の微動計測地点名称を,“v"は

速度記録であることを, “EW"は東西成分であることを

示している (以下,図13,14も同様である)。

(a)の切土では 10Hz付近に若干卓越する成分があるがほ

岩井

図3

その他

下山田町

朝日町

長ノ木町

三久木

3、4丁目

本通

5

6丁目

東中央

1、2

、3丁目

5

5

0

件数

6

7丁目

三条3T13・・三条4Teζコ中央5丁呂田・中央6T13-・ 中~7了gEコ烹中央lTEヨ葉中央2T・・烹中央3TaEコ士通5丁呂仁ココ~:;昼 6丁邑亡コ長ノ木町ζコ草耳目町・・下山田町

で弓 三条3 ・~'

亥ザ7-:子 叩

日射さ、 ~

A手l~ft~3引時CGp. r;三刷@l剛山町Rl' CO_1.1 0.

アンケート調査した呉市の町丁目区分

( (株)ゼンリン電子地図帳 zmにデータを記載)

図4

呉市町丁毎の瓦被害の有無図 5

ロ4(3.5-4.5)

ロ5弱(“4.5-5.β0ω)

ロ5強(ω5.0-5.5

ロ6弱(伍5.5-6.β0ω)

.6強(ω6.0-6.5ω)

.7穴(6.5-)

その他

←品一品長

E

,d三条

4丁目

日占

日』川山本通

6丁目

日出団

本通

5丁目

東中央

3丁目

2丁目

EEE晶東中央

1丁目

6丁目

16

14

12

{牛 n

数 U

4

2 。

呉市町丁毎のアンケート震度

-116

図6

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-平成13年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と地盤の常時微動特性

ア 6.0L・一一面一一 一一圃旦 ----/ 門 圃園 口門 嵐ー [門門

ケ 5.5 I-~ ~ 量 一日 一 ]口ロー口H 画一三 l

I ~ 一口ト5.0I -----一口 一一一

震 一度 寸》

一一一回 被害有り 一

一一一一一 - -一 口被害無し F

圏 一一一一

東東東本 本 三三長朝下そ中中中通通条 条 ノ白山 の

失央失 5 6 3 4 木町田他1 2 3 T T T T 町町丁丁丁目白目白目白目

呉市のアンケー ト震度瓦被害の有無

中央

7丁目

中央

6丁目

中失

5丁目

図7

50 40

議 30主主 20

10 0

阿口問台

5丁目

阿品台

47目

廿日市市阿品台の瓦屋根被害

H

ッlu一

室ロ室ロ一

E

E一

・ロ一

阿品台

3丁目

ロ4 ロ5弱ロ5強

固 6 ~~ ・ 6~貧国 7

阿品台

2T目

阿ロ聞台

1丁目

図 8

nuranuzJnUEJnu

i

2

2

1

1

制樹立

阿品台

5丁目

圃被害有り

口被害無し

阿巴四台4丁目

阿品台のア ンケー ト震度

阿品台

1丁目

阿ロ四台

3丁目

一口

阿品台2丁目

図 9

6.5

360 755

卜 5.0宅雪宣言

辰 4.5度

4.0

阿品台における常時微動計測点

((株)ゼンリン電子地図帳 zmにデータを記載)

図11

阿品台北

阿品台

5丁目

阿品台

4丁目

阿品台

3丁目

阿品台

2丁目 ぼフラ ットな傾向が認められる。(b)の切土 ・盛土境界付近

の切土上では 3Hzと 10Hzの両者でやや卓越するが同様

-117一

阿品台のアンケー ト震度と瓦被害の有無図10

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-岩井哲・浅野照雄

にほぼフラットな傾向が認められる。(c)の切土 ・盛土境界

付近の盛土上では, (d)の盛土と同じように, 3~4Hz あた

りでスペクトルがかなり大きく卓越する。これらの振動数

領域における特性は切土・盛土の地盤の種別によって異な

る傾向が見られ,比較的良い対応を示す結果となっている。

(2) スペクトル比特性

水平動のスペクトルを上下動のスペクトルで除した

H/V スベクトルによる振動特性を図13に示す。これらも

地盤の種別に対応して(a)から(d)の4つに分けた。

H/V スペクトルは振動数領域について, (a)の切土では

10Hzから 12Hz付近で少し盛り上がる傾向にあり, (b)の

切土・盛土境界付近の切土上では 3Hzと 10Hzで少し盛

り上がるが,いずれもほぼフラットな傾向が認められる。

(c)の切土 ・盛土境界付近の盛土上では地点 3だけが他と違

ったパターンとなったが,その理由は不明である。多くは

3Hz付近で卓越する傾向にあり, (d)の盛土では他地点に

比して, 3Hz付近で H/Vスベクトル振幅が大きく卓越す

る傾向が明確に見られる。ただし H/Vスペクトルは通常,

ピークの周波数のみ議論されており,振幅の値には物理的

な意味はないとされている。

以上のように,スペクトルおよびスペクトル比は切土・

盛土で分けた場合に,それぞれの特徴を表したパターンを

もつことがわかった。また水平方向の南北成分は東西成分

と概ねよく似た傾向を示した。しかし,水平 2方向で必ず

しも同じ領域の振動数で卓越していないところがある。こ

れは宅地造成前の旧地形も関係するのではないかと考えら

れる。

すなわち,山の尾根の方向や谷筋の方向などが切土地盤

や盛土地盤の微動特性と関連することが考えられる。例え

ば計測点 7では,南北方向は谷筋に沿った盛土地盤であり,

スペクトルの値も東西方向に比べ大きい。谷筋方向はその

方向の盛土地盤全体の特性が現れ,東西方向は谷を横切る

だけの狭い範囲の地盤の特性が出て,切土の影響も出てい

ると考えられるo

5.3 己斐での被害と地盤との関連

広島市西区己斐上 5丁目で昼間に,図 1に示す 7地点で

計測した常時微動 H/V スベクトルを図14に表している。

凡例中で a,b, cとあるのは,同じ地点における複数回

の計測結果で,記録のばらつき具合を示している。己斐上

の場合は尾根筋・谷筋が細かく入って,切土 ・盛土がやや

入り組んでおり境界の判定に精度を欠く嫌いもあるが,阿

品台と調和的な結果を示している。

地盤の常時微動の速度記録の H/V スペクトルは,瓦屋

根被害が比較的多く生じている盛土部で,卓越振動数が 3

~4Hz となっている 。 一方,瓦屋根被害があまり生じて

いない切土部では, H/V スベクトルは, 0.5Hz~20Hz の

- 118

振動数領域で比較的フラットであり,卓越振動数があまり

明確で、ないこと, H/V スペクトル振幅の値が 1~ 3とや

や低く,傾向として盛土部に比べて異なっていることと合

わせて,地盤の振動特性が阿品台とよく似ている。

併せて計測した変位記録による H/V スペクトルでも,

速度記録とほぼ同じ傾向が得られた。速度と変位で併せて

計測を行ったのは,ノイズの影響の有無,データの信頼性

を確認する意味もある。いずれも南北と東西とでは特性が

似ており,方向による明確な差異は見られなかった。

以上のように,切土では地点によって 10Hzから 12Hz

付近でやや車越する場合もあるが,全体にほぼフラットな

傾向にある。一方,盛土では 3Hz付近で明確に卓越して

おり,切土 ・盛土境界付近では両者の卓越振動数が複合し

ていることがわかった。このように,切土 ・盛土の差異が

H/Vスベクトルの特性に現れている。

著者等による木造建物のデータベース調査8)では 2階

建て木造在来軸組工法建物の固有周期の多くは0.1秒から

0.2秒の間に存在するが,その平均値は0.34秒であった。標

準偏差は0.20秒となっており,在来軸組工法建物のばらつ

きはかなり大きいが,これらから木造住宅の瓦屋根被害と

の関連を検討すると,盛土上の卓越振動数が木造住宅の建

物固有振動数に近く,共振による振動増幅も考えられる。

地震被災現象はそれほど単純ではないが,今後,住宅の振

動特性との関連を調べる必要があると思われる。今回,切

土 ・盛土の判定は造成前と後の地形図の比較から行った

が,特に平坦で、ない雛壇型の土地造成では詳細な切土・盛

土の判定はより困難と言える。地盤の常時微動特性と地震

被害の対応がつくことになれば,住宅の被害対策に役立つ

可能性がある。

6.結論

広島県西部地域の木造を主とする住宅地について,平成

13年芸予地震 (マグニチュード6.7) における住宅の瓦屋

根被害と地震動の強さ,地盤との関係を,現地調査とアン

ケート調査に基づいて検討した。さらに,地盤の常時微動

計測を実施し,地盤の微動特性と木造瓦屋根被害との関係

に注目した。

1 )平成13年芸予地震に よる丘陵造成地盤の木造建物被

害状況から,瓦屋根被害が盛土部で切土部より多く現れる

傾向が明らかとなった。

2 )瓦屋根被害の多い地域を航空写真から抽出し,呉市

と廿日市市阿品台の木造家屋に太田方式のアンケート調査

紙を配布した。調査結果から,沖積地盤上では丘陵地との

境界付近で,正陵造成地では盛土部でアンケート震度が大

きく,瓦屋根被害も多く生じたことがわかった。また,呉

市では丘陵地でも麓より尾根の震度が大きく,被害も多く

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-平成13年芸予地震による丘陵造成地の木造住宅瓦屋根被害と地盤の常時微動特性

認められた。アンケート震度は, 瓦屋根被害のあったと こ

ろでわずかながら高くなる傾向が見られ,震度 6弱 (震度

5.5から6.0)程度で, 瓦屋根被害が現れ始めている。

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一一一 1v-EW --2v-EW

-一一 13v-EW 19v-EW

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2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数(Hz)

(a) 切土

4 一一一3v-EW 一一5v-EW

=ミ ー| 一一一6v-EW 7v-EW 本o 0.8 I 一一一一 一 llv-EW 15v-印

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o 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数(Hz)

(c) 切 -盛境界の盛土

3 )丘陵造成地盤の盛土部と切土部で,地盤の常時微動

特性に違いが見 られることがわかった。阿品台の切土 ・盛

土の振動性状を常時微動によ り調べた ところ,スペク トル

nHvnnU

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(02¥"ε

U)

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一一一4v-EW

-一一一一一一一一一一一一一一一一 12v-EW

0

o 2 4 6 8 10 12 14 1 6 18 20

振動数(Hz)

(b) 切・盛境界の切士

2 4 6 8 10 12 14 1 6 18 20

娠動数(Hz)

(d) 盛土

図12 切土 ・盛土地盤上でのパワースペクトル (阿品台)

一一一 lv-EW/UD12.5 -一一一一一一一一一

封 一一一 13v-EW/UDム 10一一一一一一一← 25v-EW/UD ..L

マ7.5一一一一一三 三 竺竺 山

T 5~ 一 一一一 一一

E、。''-

一一一2v-EW/UD

19v-EW/UD

26v-EW/UD

0

o 2 4 6 8 10 12 1 4 16 18 20

振動数(Hz)

(a) 切土

一 12.5 --~ --一一一一一一一一一一 一一一一一4v-EW/UD

え 10 !-一一一一一一一一一一一一土土 12v-EW/UDaι

令 7.5 .-一一一一一一一一

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E25一一一一一一一一一一一一 一一、、

0 一一一一一一一一一一一一ーー 一一一一一一一一一一一一一ー

o 2 4 6 8 10 12 14 1 6 18 20

振動数(Hz)

(b) 切・盛境界の切土

一一一一一一一一一一一←一一一ー一一一 3v-EW/UD 一一一5v-EW/UD 12.5 一一一一

12.5 ー一一-6v-EW/UD 7v-EW/UD 主i主4 一一一 l1v-EW/UD 15v-EW/UD ...:> 10 ...:> 10 「

「 一一一 16v-EW/UD --20v-EW/UD dι ..L 。7.5一一一、々 7.5 。ど。ど

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。 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 。 2 4

娠動数(Hz)

6 8 10 12 14 1 6 1 8 20

振動数(Hz)

(c)切・盛境界の盛土 (d) 盛土

図13 切土 ・盛土地盤上でのHlVスペクトル(阿品台)

Qd

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-圃・・

岩井哲 ・浅野照雄

ま-ま~ 12.5 一一-KOI19v-EW/UD ムコ

ム-1

10 ム

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主、 KOI20v-EW /UDb 」ー

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一一-KOI15v-EW/UD

o 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数 (Hz)

(a) 切士 EW/UD

封 12.5~

..L

マ7.5

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一一一KOI15v-NS/UD

--KOI19v-NS/UD

--K0I20v-NS/UDa

KOI20v-NS/UDb

- -KOI21v-NS/UD

10

r「u

3モ三~~ムム宅一どo 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数(Hz)

(c) 切士 NS八JD

12.5

10

7.5

一一-KOl1 6v-EW /UD

-一一 KOI17v-EW/UDa

- KOI17v-EW/UDb

2.5

O

o 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数 (Hz)

(b) 盛土 EW/UD

まま 12.5 A

..L f、てr<

c、。,;

一一-KOl1 6v-NS/UD

KOI17v-NS/UDa

-一一一一一 一一-KOl1 7v-NS/UDb 10

KOI17v-NS/UDc 7.5 一

5 - (j'¥もk 一 一一KOα118恥V一N、サJS/八UD

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0 三一 -一 一一唱戸 --~- 一ヨ宝亘-

o 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

振動数(Hz)

(d) 盛土 NS/UD

図14 切土-盛土地盤上での H/Vスペクトル (己斐上)

(なお.fL例中で a. b. cとあるのは,同じ地点における複数回の計測結果である)

特性,水平動の上下動に対する H/V スペクトル特性にお

いて大きく 4つに分けられる傾向が認められた。

また盛土地盤では 3Hz付近が卓越しており,地盤の卓

越振動数が木造住宅の建物固有振動数にかなり近く,住宅

の共振による振動の増幅も窺わせる結果となった。

謝 辞

本研究は平成13年度科学研究費補助金(特別研究促進費

(1 )) I平成13年芸予地震による都市地震災害に関する総

合的調査研究J(研究課題番号:13800001,研究代表者・

中山隆弘・広島工業大学)による補助を一部受けました。

使用した住宅地図 Zmap-TOWNIIは(株)ゼンリンから

ご提供頂きました。また本研究の調査 ・実測 ・分析は平成

13年度・ 14年度の広島工業大学工学部建設工学科 4年学生

であった尾崎英和 ・石田恒二 ・大森伸一 ・貝原洋右・新谷

正志 ・阿部光貴 ・宮部哲夫・平石尚久・ 山城法子・原田豊

光・八木周太 ・岡本一行君等の協力に よるものです。

に記し深甚の謝意を表します。

文 献

1)浅野照雄,岩井 哲:平成13年芸予地震による正陵造

成地の木造住宅被害と地盤の常時微動特性,第21回自

然災害学会学術講演会講演集, pp.49-50. (2002).

2 ) 日本建築学会:2001年芸予地震災害調査報告書,

pp.249-384. (2001).

3 )岩井 哲,浅野照雄:平成13年芸予地震による建築物

の被害調査,第39回自然災害科学総合シンポジウム要

旨集, pp.25-28. (2002).

4)藤原健蔵・資料:広島市消防局 広島市地震情報ネッ

トワ ークシステム検討委員会 平成13年度資料 4,

(2001) .

5 )太田 裕,後藤典俊,大橋ひとみ・アンケート による

地震時の震度の推定, 北海道大学工学部研究報告,第

92号, pp.l17-128. (1979).

6 )小山真紀 ・太田 裕:アンケート震度の気象庁震度へ

の略算変換式,自然災害科学,短報, Vo1.l7. No.3,

pp.245-247, (1998).

7)浅田秋江 :宅地造成地盤の地震時危険度の予測法と防

止工法に関する研究,土質工学会論文報告集, Vo1.22,

No.4, pp.l91-202, (1982).

8)一反田康啓,岩井 哲:木造建物の動的特性に関する

データベース構築と応答解析用復元力履歴モデル,日

本建築学会大会学術講演梗概集, pp.l99-200, (2000).

本論文は 日本自然災害学会「自然災害科学」第22巻 4号

に掲載されるものと 同内容である。

- 120一