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8/21/2019 150620 in Stage3 2
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症候論学習会北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センター(GPMEC)
北海道勤医協札幌病院 内科
佐藤 健太
2015年6月20日
Twitter ID : Dr_kentaGmail : [email protected]
Blog : http://blog.livedoor.jp/gp_ken/
自己紹介
35歳男性 卒後11年目
総合診療医・家庭医療専門医
サブスペシャル研修なしの、純国産総合医
主なフィールドは中小病院総合病棟と一般外来・往診
他にも、医学教育・研修プログラム運営、臨床研究、病棟運営・病院経営なども頑張っています。
興味もたれた方はブログをご覧ください
今日のテーマ
診断学診断学診断学診断学情報を聞き出す情報を聞き出す情報を聞き出す情報を聞き出す情報から考える情報から考える情報から考える情報から考える
今日は身体診察にも力を入れます!!
1回目:初心者向け。型通りの医療面接と基本的な教科書の知識で診断が付けられます(医療面接編)
2回目:中級者向け。2回目:中級者向け。2回目:中級者向け。2回目:中級者向け。病歴だけでは鑑別が絞れない患者でも、OSCEレベルの身体診察でも使い方を身に付ければ
どんな診断も一刀両断!(身体診察編)3回目:上級者向け。Rare disease患者に対して、病歴・診察・検査を駆使して
診断に迫ります。推定正答率6割の難問が解けるか!?(検査編)
今日のメニュー
第1部:診断推論レクチャー 60分
基礎情報から的確に鑑別診断を挙げ、
効率よく病歴聴取を行って鑑別候補を絞っていく
方法論を伝授。
第2部:身体診察学 実践編 60分
絞られた鑑別診断に対して、
必要十分な身体診察で診断を確定する技術を伝授。
今日のルール
発言・質問大歓迎
質より量が大事
No blame
自分と違う意見から学ぼう
チーム対抗戦
同期を蹴落とすのでなく、協力して良い医療を!
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設定
医学部5年生の冬 ポリクリは一通り回った
国試勉強も少しずつ始めている
旭川の実家へ帰省後、札幌に向かう途中
スーパーカムイで砂川を越えたあたり
そこで・・・
斜め前方の席のおじさんが、トイレから戻ってきて棚の上の荷物を取ろうと背伸びをしたときに
「いてて・・・」
手でみぞおちを押さえながら崩れていく
隣の奥さんが心配して、周りを見渡す
国試対策の医学書に目が止まり、
その持ち主である自分とも目が合ってしまった・・・
さて、問題です
どんな病気が考えられますか?
やばい病気でしょうか?
電車を止めますか?
何駅で止めますか?
奥さんの証言
78歳、男性
高血圧などで近医にかかりつけ
毎日薬を飲んでいる
今日は親戚一同、札幌に集まる予定がある
久しぶりに孫たちに会うのが楽しみで、ついついビールを飲みすぎてしまっている
張りきりすぎていつもの胃もたれを起こしたのかも
本人曰く・・・
何としても孫に会いたいし、電車を止めて他人様に迷惑をかけるわけにもいきません。人の迷惑にならずに生きてきたことが私のわずかな誇りなのです。
胃が痛い。飲みすぎちゃったかもしれません。
いつものぎっくり腰かもしれないです。
痛み止めだけもらえれば、これくらいの痛み
札幌までなら我慢できますよ。
ところで、あなたはお医者様なのですか?
JR の乗員からの情報
次の美唄駅までは10分 終着の札幌駅までは46分
美唄には高次医療機関はなく、診療所のみ下り電車の接続は悪く15分以上待つ→一次医療機関まで20分コース
救急車を待機させれば20分程度で美唄駅からS川市立病院(仮)へ搬送できる→高次医療機関まで30分コース
札幌まで乗せていってよいのであれば、そこから救急車ですぐに搬送できる。大雪でダイヤも乱れており、できればこのまま向かいたい→高次医療機関まで1時間コース
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今、目の前に突きつけられた課題
医学生としての経験や知識、プライド
手元にある医学書 をもとに
この人の診断
電車をどこで止めるか
を、美唄までの10分間で決めなきゃいけない!
Clinical pearl ①
鑑別診断は、病歴聴取前前前前に考えなければならない
限られた時間の中で効率よく診断にたどり着くためには「全部聞いてから考える」ではなく、「仮定に基づいて必要なことだけ聞く」態度が必要!
鑑別診断を考えるのに必要なのは年齢・性別・主訴と背景の4つ!
鑑別診断の挙げ方のコツ
個々の診断名を挙げていくときりがない
ABCアプローチアプローチアプローチアプローチ Anatomy + Byoutai →2つの軸でおおまかに、もれなく
個々の診断名は
Common or Critical ≫ Curable
→危険度順・頻度順に考える
鑑別診断の挙げ方のコツ
Anatomyまずは臓器系(システム)ごとに鑑別を挙げる
局所の症状(○○痛)で特に有用
Anatomy による鑑別リストアップ
消化器 肝胆膵
消化管
後腹膜・骨盤臓器 泌尿器
生殖器
胸部臓器 心血管系
呼吸器
体壁
代謝内分泌など全身性疾患
Clinical pearl②
腹痛=消化器症状ではない!
腹痛は、嘔吐・倦怠感・発熱などと並ぶ腹痛は、嘔吐・倦怠感・発熱などと並ぶ腹痛は、嘔吐・倦怠感・発熱などと並ぶ腹痛は、嘔吐・倦怠感・発熱などと並ぶ『『『『全身症状全身症状全身症状全身症状』』』』のひとつ
→消化管以外から網羅的に考える
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鑑別診断の挙げ方のコツ
Byoutai病態生理学的に鑑別を挙げる
全身性 or 多発の主訴に有用
時間経過で分けるのが実用的!
Byoutai の列挙の方法
発症様式 による整理 Sudden 瞬間 出血・穿孔(破れる)
Rapid 分~時間 捻転・結石(捻じれる・詰まる)
Acute 時間~日 炎症
Subacute 週以上 腫瘍・変性
Chronic 月単位 腫瘍・心因
Reccurent 繰り返し 機能性・心因
例:「解剖は肺」+「病態はAcute」→『肺炎』
基本情報からの鑑別診断
自分で考えてください(5分) Anatomyの候補はどこ? Byoutaiはなんだろう?
グループで力を合わせてください(15分) たまたま同期が同じ車両に3人乗り合わせていました AnatomyとByoutai候補のすり合わせ
この後追加で聞く問診項目の具体化(5分で聞ける範囲) 何駅で下ろすかも決めて下さい
※追加情報は、各グループから出た質問の範囲でしか与え られません。手元の情報だけで決断をする必要があります
発表
模造紙に書いてください(発表後は消せません)
AnatomyとByoutaiは?
追加で聞くべき病歴(5分で聞ける範囲)
何駅で下ろすか(美唄or札幌)
医療面接実習①
5分間で、想定した質問をしてみましょう
グループごとに代表者1名
言葉が詰まった場合は、チームメイトの手助け可
鑑別診断に優先順位も付けてください!(5分)
Most likely diagnosis(Common)
Must rule out (Critical)
Others (Curable)
どうですか?
診断はつきますか?
現場では、この段階でどれくらい見当がつくかが
大きな分かれ目です。
本当に必要十分な情報を聞けましたか?
「5分」という制限で本当にできますか?
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Clinical pearls③
鑑別絞りのための病歴聴取は、
暗記法暗記法暗記法暗記法で効率よく!
C: Chief complaints 主訴主訴主訴主訴は?O: Onset 何日前?突然突然突然突然?増悪増悪増悪増悪?M: Magnitude 最悪最悪最悪最悪?P: Pattern 周期性or持続性L: Location 部位、放散、移動性A: Associated symptom 随伴症状I: Improvement 寛解因子N: Negative stimuli 増悪因子T: Type of pain 性状S: Similar episode 初めて?
緊急度 +
Byoutai
Anatomy
SystemReviewで絞る
疼痛診断のための暗記法
COMPLAINTs
Clinical pearls④
『『『『経時的変化経時的変化経時的変化経時的変化』』』』は、診断的価値が高い!は、診断的価値が高い!は、診断的価値が高い!は、診断的価値が高い! (時間 > 部位 >強さ・性状)(時間 > 部位 >強さ・性状)(時間 > 部位 >強さ・性状)(時間 > 部位 >強さ・性状)
1.分単位での変化.分単位での変化.分単位での変化.分単位での変化 ⇒⇒⇒⇒『『『『間欠的腹痛間欠的腹痛間欠的腹痛間欠的腹痛』』』』
消化管・泌尿器・生殖器の3択
2.時間単位での変化.時間単位での変化.時間単位での変化.時間単位での変化⇒⇒⇒⇒『『『『間欠間欠間欠間欠→→→→持続、正中持続、正中持続、正中持続、正中→→→→片側片側片側片側』』』』
内臓痛から腹膜「炎」への進展を強く示唆
忘れがちな周辺情報の暗記法
AMPLE
Allergy 特に薬や食事
Medication 内服薬
Past history 心血管リスクや手術歴は重要
Pregnancy 男性では省略
Last meal 食事との関係、食事の内容
Event 思い当たるきっかけ
発症直前のできごと
医療面接実習②
暗記法通りに棒読み問診してみよう
全体で代表者1名
COMPLAINTs+AMPLEに沿って淡々と
病歴の整理
ヒミツです(学習会で実際に模擬面接した人だけに
伝えています)
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鑑別リストの整理
最初のリストを、病歴情報で削っていく 基本情報
肝胆膵
消化管
泌尿器
生殖器
心血管系
呼吸器
体壁
Byoutai
Sudden:瞬間出血・穿孔(破れる)
Rapid :分~時間捻転・結石(捻じれる・詰まる)
+ COMPLAINTs
病歴からの最終診断(病歴で疑わなかった病気は診断できません!)
さて、情報の整理・重み付けはできましたか?
今度は疾患名のレベルで鑑別リストを作ろう Most likely 1つだけ Must rule out 3つまで Others 必要なだけ
今度は事前確率事前確率事前確率事前確率も推定してください(10%キザミ)
診断仮説の検証作業へ
病歴から立てた鑑別診断リスト 各診断の確率まで求めました
次にやるのは確定診断 Most likelyの確率を上げる ⇒確定診断(SpPIn)
Must rule outの確率を下げる ⇒除外診断(SnNOut)
だとしたら、この後確認したい身体所見は?
どんな検査をオーダーすべきか? 今回のケースでは、どの規模の病院に送るべきか?
どんな身体診察を取りますか?
OSCEの知識を総動員しましょう
できれば鑑別診断に合わせて、必要充分な診察
を鮮やかに実施し、スパッと診断つけたいところ
全身診察メニュー
いわゆる「Head to Toe」で流れるように
全身状態
バイタルサイン:血圧・脈拍・呼吸・体温・意識
頭頸部
胸部
腹部
腰背部
四肢
神経・筋骨格系
皮膚・代謝内分泌系
腹部診察メニュー
いわゆる「視聴打触」の順番で漏れなく
視診
聴診
打診
触診
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Anatomyに沿った、主訴別診察セット
OSCE全部取るのは現実的ではない
その場でリアルタイムに取捨選択できるようになるまでの道のりは遠い・・・
あらかじめ、代表的な主訴ごとにまとめておくしかない
とはいえ、腹痛の診察は難しい・・・
臓器がみっちり詰まっている
三次元的に幾重にも重なっている
外からは見えない
三次元的に、痛みの場所を同定する
まずは水平面(X-Y 軸)の分布を同定する→9分割スクリーニング
次に垂直面(Z軸)の深さを同定する→射程距離を意識した疼痛誘発刺激
※1つずつ解説するので、男女別れて2人1組に
打診による「9分割スクリーニング」
季肋部や側腹部を忘れずに!季肋部や側腹部を忘れずに!季肋部や側腹部を忘れずに!季肋部や側腹部を忘れずに!
痛くないところから始めること痛くないところから始めること痛くないところから始めること痛くないところから始めること
打診のコツ
左手中指をきちんと圧着させる
右手中指PIPから手首までを一本の棒にする
PIPで曲げて、その先の関節も固定する
前腕を打診面と水平にする
指ではなく手首のスナップで、手全体を振り落とす
浅い触診・打診・叩打の「射程距離」
背側背側背側背側 腹側 腹側 腹側 腹側
叩叩叩叩
打打打打
触触触触 触触触触
打打打打
叩叩叩叩
脊椎・脊椎・脊椎・脊椎・CVAは特に重要!は特に重要!は特に重要!は特に重要!
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浅い触診のコツ
リラックスさせる(触診でなく聴診中にこっそり可能)
指先ではなく第2~5指の指腹全体、もしくは膜型聴診器をそっと乗せる(圧力の分散)
自分の力では押し込まず、患者の呼吸性腹壁運動に合わせて一緒に動かす
馴染んできたら、相手の吸気時に手を固定する(固定された手に対して、患者の腹壁のほうが迫ってくる感じ)
痛みで呼吸性腹壁運動が止まれば筋強直陽性
叩打診のコツ
左手掌をきちんと圧着させる
拳を軽く握り、小指球~第5指で平面を作る
平面から肘までを一本の棒にする(手首を固定)
前腕と叩打面を水平にする
腕の力ではなく、重力で前腕を振り下ろす
腹痛の身体診察セット
バイタル 器具がなくてもABCを見る
全身 結膜蒼白・黄染、脈診・心音、肺底部ラ音
視診 手術創、呼吸様式、姿勢
聴診 蠕動音、ラ音、血管雑音+浅い触診
打診 9ヶ所:痛みの分布
触診 浅い :痛みの深さ、Carnett sign
深い :大動脈瘤、肝脾腫、膿瘍Murphy、McBurney、Rovsing、Rosenstein
叩打痛 Traube、CVA(胸郭内は触診できないので重要)
骨盤痛 腸腰筋・内閉鎖筋テスト、直腸診
すごく簡単に言うと
ルーチンは低侵襲から順番に 視診
聴診しつつ、浅い触診
打診
叩打診
必要に応じて深い触診 的を絞った特殊試験
咳・踵 カーネット、マーフィー、マックバーニー
骨盤診察
本症例の身体所見
BP 120/90mmHg、HR 116bpm・不整、・不整、・不整、・不整、RR 24、、、、BT 36.8℃ 末梢冷感・発汗末梢冷感・発汗末梢冷感・発汗末梢冷感・発汗あり、浅い頻呼吸浅い頻呼吸浅い頻呼吸浅い頻呼吸傾向、受け答えは明確でJCS 0 やせ型。けっこうつらそうな印象つらそうな印象つらそうな印象つらそうな印象ありありありあり、、、、座席でじっとうずくまっている座席でじっとうずくまっている座席でじっとうずくまっている座席でじっとうずくまっている
結膜貧血・黄疸なし、頚静脈虚脱なし。 心音不整、収縮器心雑音を4LSBでⅠ /Ⅵ聴取。肺音正常。蠕動音低下蠕動音低下蠕動音低下蠕動音低下
心窩部に軽い不快感心窩部に軽い不快感心窩部に軽い不快感心窩部に軽い不快感あり、筋強直なし、打診痛なし。 右季肋部に打診痛・圧痛右季肋部に打診痛・圧痛右季肋部に打診痛・圧痛右季肋部に打診痛・圧痛あり、筋強直なし 右右右右Traube叩打痛叩打痛叩打痛叩打痛あり、Murphy徴候陰性 右右右右CVA叩打痛叩打痛叩打痛叩打痛あり、打診痛も陽性打診痛も陽性打診痛も陽性打診痛も陽性、脊柱の圧痛・叩打痛なし脊柱の圧痛・叩打痛なし脊柱の圧痛・叩打痛なし脊柱の圧痛・叩打痛なし。
鑑別診断の変更は?
どうする? 診断と転帰
診断
この場での暫定的な鑑別診断名
転帰
何駅で下ろすか(美唄or札幌)
救急車の待機は必要か
どこに運ぶか(診療所、二次・三次医療機関)
駅に着くまでにできる処置は?
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この時の診断と転帰
診断 Most likely:尿管結石・腎盂腎炎 Must rule out:急性胆嚢炎や胆管炎、急性膵炎
大動脈瘤切迫破裂
転帰 二次以上の医療機関への搬送がのぞましい できれば美唄で下ろし、S川市立病院の救急へ 医学生の意見としてはこれが限界で、実際のどこで下ろすかは、乗員の責任に任せる
最終診断
腎結石による疼痛 S川市立病院(仮)へ搬送 鎮痛剤投与、採血実施しつつ腹部エコー
右腎にhigh echoあり。水腎症なし 胆嚢に結石・壁肥厚なくSonographic Murphy(-) 膵臓もよく見えたが主膵管拡張や周囲echo free spaceや圧痛なし 大動脈も全体見えたが瘤形成や周囲echo free spaceなし
採血はたいしたことない LDH上昇とCRP・WBC上昇のみ 中等度の腎不全(eGFR50) 尿潜血陽性、尿蛋白陽性
CT は造影剤ナシで終了 エコーと同じく腎結石があったため、造影は省略 少なくともイレウスや膿瘍はなし
転帰
救急ベッドで経過観察し、
鎮痛剤の効果がでて軽快し、帰宅許可が出た。
その後、電車で札幌に到着し、
孫にも無事に会えた
しかし・・・
翌日早朝に
「今度は右下肢の激痛」「今度は右下肢の激痛」「今度は右下肢の激痛」「今度は右下肢の激痛」
で目が覚め、当院へ救急搬送で目が覚め、当院へ救急搬送で目が覚め、当院へ救急搬送で目が覚め、当院へ救急搬送
なんだろう!?
右下肢全体が痛くて目が覚めた 右腹部・背部の痛みも、もとに戻ってきている
苦痛に顔をゆがめ、ストレッチャーでうずくまっている 右季肋部圧痛と右CVA叩打痛強陽性
右下肢動脈触知不能、膝上から足先まで真っ黒。
緊急造影CTにて・・・
最終診断
ヒミツです(答えは学習会参加者限定)
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症例の振り返り症例の振り返り症例の振り返り症例の振り返り
◯◯病の特徴
病歴・身体所見・検査所見の振り返り 自分の中での 思考の流れ
病院に行くわけにいかない事情のある人が、痛みで身動き取れなくなっている。しかも突発・増悪!→やばい可能性は高く、オーバートリアージぎみにギアチェンジ。
持続痛のため3択楽勝コースにはならない が、最初から片側性、背部痛合併、背を伸ばせない!→片側性の後腹膜臓器らしさが高く、身体所見で絞れそう
膵臓・大動脈や十二指腸潰瘍疝痛も頭の片隅にあるが、突発とAFからは腎梗塞の疑いが頭から消えない→→→→腹痛の腹痛の腹痛の腹痛のFirst choiceはエコーはエコーはエコーはエコーだが、それで経過を説明しき れる根拠が「見つからなければ」、造影CTは必須だろう
まとめ
「基本情報」が最も大事!
これでもれなく拡げ、病歴聴取でそぎ落としながら優先順位を決め、
身体所見で診断に近づく
最初に見当をつけておいてから診察・検査に入らないと惑わされる
型どおりにやるのが大事!
経験・センスの差を埋められる
守・破・離(成長が早く応用力も付く)
情報の重みは、時間>場所>強さ・性状の順!
鑑別の順番は、危険度・頻度>治せるか>どうでもいいか…
参考文献 「誰も教えてくれなかった診断学」 医学書院 野口善令 福原俊一 3150円
日本語の診断推論の本の中では最も詳しくかつ分かりやすい! 名著です。学生のうちに理解できていればスタートダッシュが違うと思う。
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「マクギーの身体診断学」 エルゼビアジャパン 5900円 身体所見の感度・特異度・尤度比が載っている 腹痛患者で反跳痛は無駄ということが書いてある
「総合プロブレム方式」 プリメド社 栗本秀彦 鑑別の立て方やカルテ記載について別次元に到達できること請け合い!
「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」 医学書院 上田剛士 8000円 現時点で最強の、エビデンスベースドな診断ガイド
「急性腹症診療ガイドライン2015」 医学書院 3800円 プライマリ・ケア連合学会も関与して作成された、エビデンスベースドのガイドライン