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18.4 リリースノート
2018年 5月 10日
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目次
目次 .............................................................................................................................................................. 2
1 シーケンシャル機能 ........................................................................................................................... 3
1.1 全視野収差解析 (Professional および Premium) ................................................................. 3
ユーザー定義面およびグリッド サグ面での GRIN 使用 (すべてのバージョン) ........................ 5
1.2 新機能の試行 (すべてのバージョン) ..................................................................................... 5
2 ノンシーケンシャル機能 ................................................................................................................... 6
2.1 ブール ネイティブ オブジェクト (Professional および Premium) ............................... 6
2.2 複合レンズ オブジェクト (Professional および Premium) ............................................... 7
2.3 NSCグループ への変換ツールの向上 (Professional および Premium) ............................ 8
2.4 光源 (DLL)オブジェクトの Cone.DLL (Professional および Premium) .......................... 9
3 利便性および操作性 ........................................................................................................................... 9
3.1 面、オブジェクト、オペランドへの移動機能の向上 (すべてのバージョン) ................ 9
3.2 ブックマークを右クリックで追加・削除 (すべてのバージョン) .................................... 10
3.3 エディタ応答速度の向上 ......................................................................................................... 11
4 製造可能性 ......................................................................................................................................... 12
4.1 コスト エスティメータの更新 (すべてのバージョン) ...................................................... 12
4.2 ノンシーケンシャル面データをエクスポート(Professional および Premium) ............. 13
5 プログラミング ................................................................................................................................. 14
5.1 Lambertian_Overfill.DLL 光源オブジェクトのソースコード(Professional および
Premium) ................................................................................................................................................ 14
5.2 Matlab の Raytrace.DLL (Professional および Premium) ................................................ 14
6 その他の機能向上 ............................................................................................................................. 15
7 バグ修正 ............................................................................................................................................. 17
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1 シーケンシャル機能
1.1 全視野収差解析 (PROFESSIONAL および PREMIUM) 像やビーム性能の劣化を全視野で収差解析し、フリーフォーム光学設計を向上
フリーフォーム光学面は、仮想・拡張現実設計1等の最新の光学系設計で重要な光学エレメントです。本
新機能では、XY 全視野で、収差や像劣化の誘因が表示されます。これにより、他の一般的なシーケンシ
ャル光学系と同様にフリーフォーム光学系を解析することが可能になり、視野による収差の変化を特定
し、その修正方法を検討することができるようになりました。
図 1.1.a. 1 次コマ収差の正負の値を示した疑似カラー表示(左)、収差の絶対値と方向を示したアイコ
ン表示(右)
[全視野収差解析] (Full-field Aberration analysis) では、ゼルニケ係数が視野点ごとに表示されま
す(図 1.1.a 参照)。各ゼルニケ項の平均を全視野点にわたり計算することも可能です。
データの表示方法として、アイコン表示、および疑似カラー等のカラー表示から選択することができま
す。アイコン表示では、収差の絶対値の大きさおよび方向の同時表示が可能です (図 1.1.b参照)。カラ
ー表示の場合は、負の値を表示することが可能ですが、収差の方向は表示されません。
1 Elliott, Norton, and Humphreys (2018). Optical design challenges in virtual and augmented reality. Laser Focus World.
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図 1.1.b. 一次非点収差を示したアイコン表示
[全視野収差解析] (Full-field Aberration analysis) は 、[解析] (Analyze) タブの [像質] (Image
Quality) セクションから開いてください。[収差] (Aberrations)メニューと [波面収差] (Wavefront)
メニューの両方から選択が可能です (図 1.1.c参照)。[解析] (Analyze) タブの [PAL/自由曲線]
(PAL/Freeform) メニューから開けることも可能です。
図 1.1.c. 全視野収差解析は、解析タブの収差メニュー(左)と波面収差メニュー(右)にあります。
[全視野収差] (Full-field Aberration) 解析 (セクション 1.1参照) は、現行ではセオドライト角度
で定義された視野を使用することができません。本解析ツールを使用したい場合は、視野データエディ
タの [次に変換] (Convert To) のドロップダウン メニュー から視野タイプを変換してからご使用くだ
さい。
全視野収差の機能について、[フィードバックを送信] (Send Feedback) ボタンを使用してご意見をお聞
かせください (図 1.1.c参照).
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図 1.1. c. 全視野収差解析のツールバーにある「フィードバックを送信」ボタン
ユーザー定義面およびグリッド サグ面での GRIN 使用 (すべてのバージョン) より幅広い屈折率分布面の設計を可能に
グリッド サグ面およびユーザー定義面では、シーケンシャル面をカスタマイズし、任意の光学系を定義
することが可能です。これらの面と屈折率分布 (GRIN) 面を組み合わせることが可能になりました。こ
れにより、任意の形状の面に屈折率分布を定義できるようになり、幅広く活用できるようになります。
図 0.a.分布 9面の後にユーザー定義面を定義
GRIN媒質中の光線追跡では、GRIN面の次の面での光線の交差点を、反復アルゴリズムで決定する必要が
あります。このため、GRIN面タイプ後に定義できる面タイプには制限があります。OpticStudio 18.4か
ら、GRIN 面の後に、ユーザー定義面やグリッド サグ面を定義することができるようになりました(図
0.a参照)。
1.2 新機能の試行 (すべてのバージョン) 新機能を先取りし、より洗練された機能に
[Zemax ラボ] (Zemax Lab) には、実験段階にある機能が含まれています。これらの機能はまだ最終実装
されておらず、ヘルプファイルにも記載がありません。
[グリッド最適化] (Grid Optimization) 機能では、シーケンシャルのグリッド サグ面にローカル制御
が加わり、特定の箇所のみ最適化ができるようになります。これにより、高次多項式を使用せずにフリ
ーフォームのサグ面を生成し、光学設計の性能を向上させることができるようになりました。
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図 1.2.a. グリッドサグ面のグリッド最適化設定
グリッド最適化の設定は、グリッド サグ面の面プロパティから行います(図 1.2.a 参照)。最適化したい
範囲を定義すると、グリッド サグ点がローカルおよびグローバル最適化の変数として追加されます。光
学系の最適化後に、グリッド最適化ダイアログから、最適化前後のサグを表形式で比較することができ
ます。
グリッド最適化を有効にするには、[ヘルプ] (Help) タブの[Zemax ラボ] (Zemax Lab) セクションにあ
る [新機能の試行] (Feature Experiments) メニューから、[グリッド最適化を有効にする] (Activate
Grid Optimization)にチェックを入れてください (図 1.2.b 参照)。
図 1.2.b. ヘルプ タブの 新機能の試行 メニューにある グリッド最適化機能を有効にするためのチェッ
ク ボックス
本機能へのご意見を [email protected] まで、もしくは [フィードバックを送信] (Send Feedback)ボタ
ンを使用し、お寄せください。本機能を使用してどのような光学系をご設計中であるのか、また追加機
能のご要望についてお聞かせください。
2 ノンシーケンシャル機能
2.1 ブール ネイティブ オブジェクト (PROFESSIONAL および PREMIUM) ノンシーケンシャル オブジェクトのブール複合体の光線追跡をより高速で正確、そして確実に
シミュレーションが最大 10 倍にまで高速化された光線追跡アルゴリズムをサポートする、ノンシーケン
シャル オブジェクトが新規導入されました。これにより、十分な情報に基づいた設計決定と試作品評価
のサイクルをより素早く行うことが可能になりました。
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[ブール ネイティブ] (Boolean Native) オブジェクトでは、既存のブール オブジェクト([ブール CAD]
(Boolean CAD) オブジェクトに改名)と比較し、より高速で正確な光線追跡アルゴリズムが使用されま
す。ブール ネイティブ オブジェクトの光線追跡アルゴリズムでは、従来の NURBS 表現ではなく、ネイ
ティブ親オブジェクトの高精度の面定義が使用されています。このため、ブール ネイティブ オブジェ
クトでの光線追跡は、通常、ブール CADオブジェクトより高速(最大 10 倍まで)、かつ正確になりま
す。
図 2.1.a. ブール ネイティブ オブジェクトの生成
ブール ネイティブ オブジェクトでは、ノンシーケンシャルのネイティブ体積オブジェクトに対し、ブ
ール演算を行うことが可能です。ブール演算では、オブジェクトの加算や、オブジェクトから他のオブ
ジェクトを差し引く減算、2 つのオブジェクトの重複部分のみのオブジェクト定義(図 2.1.a 参照)などが
可能です。切り取られたオブジェクトの各フェイスに対し、光学特性を定義することが可能です。
ノンシーケンシャルモードでの光線追跡効率を向上する方法については、ナレッジベース記事をご参照
ください。
2.2 複合レンズ オブジェクト (PROFESSIONAL および PREMIUM) ノンシーケンシャル モードの迷光解析やメカ設計で複雑なレンズ形状をシミュレーション
[複合レンズ] (Compound Lens) オブジェクトは、レンズ前面と後面で、複雑な面やアパチャーの組み合
わせを可能にする新しいノンシーケンシャル オブジェクトです。これにより、ノンシーケンシャル モ
ードの迷光解析やメカ設計で、様々な種類のカスタマイズ レンズをシミュレーションできるようになり
ました。
複合レンズ オブジェクトは、面タイプの親オブジェクト 2つを参照します(図 2.2.a参照)。親オブジェ
クトとしては、次の面オブジェクトがサポートされています:[標準面] (Standard Surface)、 [非球
面] (Aspheric Surface)、 [トロイダル面] (Toroidal Surface)、 [トロイダル奇数次非球面]
(Toroidal Odd Asphere)、 [ゼルニケ面] (Zernike Surface)、 [バイコーニック面] (Biconic
Surface)、 [バイコーニック ゼルニケ面] (Biconic Zernike Surface)、[拡張多項式面] (Extended
Polynomial Surface)、[グリッド サグ面] (Grid Sag Surface)。この他の面の追加をご希望の場合は、
リクエストを承ります。
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図 2.2.a. 2 面のノンシーケンシャル面オブジェクトを使用した複合レンズに、矩形アパチャー を適用
し体積を生成
新しい複合レンズやブール ネイティブ オブジェクトを使用した複雑なノンシーケンシャル・パートの
作成方法については、ナレッジベース記事をご参照ください。
2.3 NSC グループ への変換ツールの向上 (PROFESSIONAL および PREMIUM) ディセンタされたアパチャーのある軸外光学系を自動的に変換
軸外レンズや基板厚みのあるミラー、ディセンタされたアパチャー定義のある面、複雑な非球面を使用
した光学系を、自動的にノンシーケンシャル光学系に変換し、すぐにメカ設計や迷光解析に進むことが
できるようになりました。これらは、[複合レンズ] (Compound Lens) や [ブール ネイティブ]
(Boolean Native) オブジェクトに変換されます (図 2.3.a参照)。NSC グループへの変換の詳細は、ヘ
ルプ ファイルを参照してください([ファイル] (File) タブ > [変換] (Convert) グループ > [NSC グ
ループに変換] (Convert to NSC Group))。
図 2.3.a. NSCグループに変換 ツールで、軸外放物面ミラーを自動的に変換できます。
[NSCグループに変換] (Convert to NSC Group) ツールは、シーケンシャル モードの [ファイル]
(File) タブにある [変換] (Convert) セクションから開いてください (図 2.3.b 参照)。
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図 2.3.b. ファイル タブにある「NSCグループに変換」ツール
2.4 光源 (DLL)オブジェクトの CONE.DLL (PROFESSIONAL および PREMIUM) 遠方または小領域へのノンシーケンシャル光線追跡を効率よく正確に
ディテクタの面積が小さい、もしくはディテクタまで距離がある光学系では、統計的に十分な光線本数
を検出するため非常に多くの光線の追跡が必要となり、モデル化には時間を要します。光源 (DLL) オブ
ジェクトの Cone.DLL は、均一、もしくはランバーシアン分布の光線を、光源面の垂直方向から離れた小
さい領域への追跡を可能にする DLL です。
本 DLLは、光源 (DLL) オブジェクトの Lambertian_Overfill.DLL に類似した DLL で、均一およびランバ
ーシアンの光線角度分布がサポートされています。これに加え、光線が発射する領域は、内側と外側の
円錐の角度、および時計の針の動く方向での開始と停止角度で定義されます (図 2.4.a 参照)。
図 2.4.a. 特定の領域へのランバーシアン分布
特定の領域を指定した場合、光線の分布自体は、2π半球全体で空間と角度分布を持つように保持され、
光線の強度はスケーリングされます。
本 DLLのソースコードは、<data>\DLL\Sources にあります (セクション 5.1を参照)。
3 利便性および操作性
3.1 面、オブジェクト、オペランドへの移動機能の向上 (すべてのバージョ
ン) 向上した移動機能で、効率よく面、オブジェクト、オペランドへ移動
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多数行にわたる面やオブジェクト、オペランド間をより速く効率的に移動するため、全エディタの [行
へ移動] (Go To) ツールの機能が向上し、特定の行を発見しやすくなりました。 本ツールでは、事前に
入力したコメントがドロップダウンのメニューでリストされます。文字列を入力し [前へ]
(Previous)、[次へ] (Next)、[最初へ] (First)、 [最後へ] (Last) ボタンを使用することで、コメン
トを検索することができます(図 3.1.a 参照)。数字を入力した場合は、その行へ移動することができま
す。
図 3.1.a. メリット ファンクション エディタで事前に入力したコメントを使用した「行へ移動」ツール
(左)と新しいボタン(右)
本ツールは、次のエディタのツールバーに実装されています:[レンズ データ エディタ] (Lens Data
Editor)、[メリット ファンクション エディタ] (Merit Function Editor)、[公差解析エディタ]
(Tolerance Data Editor)、[ノンシーケンシャル コンポーネント エディタ] (Non-Sequential
Component Editor)、[マルチコンフィグレーション エディタ] (Multi-Configuration Editor)、[視野
データ エディタ] (Field Data Editor) (図 3.1.b参照)。
図 3.1.b. レンズデータ エディタのツールバーにある「行へ移動」ツール
3.2 ブックマークを右クリックで追加・削除 (すべてのバージョン) 記憶したいエディタ セクションの参照を簡単に作成
ブックマークを使用することで、多数行あるエディタを整理し簡単に移動することができるようになり
ました。
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図 3.2.a. エディタの行の右クリック メニューから追加されたブックマークは、「行に移動」ツールか
ら参照することができます。
エディタの行を選択し、右クリックして [ブックマークを編集] (Edit bookmark) を選択することで、
ブックマークの作成、編集、および削除が可能です(図 3.2.a 参照)。[行に移動] (Go To) ツールで登録
されたブックマークがリストされ、その行への移動が可能です。
3.3 エディタ応答速度の向上 行の削除やコピーに要する時間を短縮
エディタ行の削除・コピーのパフォーマンスが向上されました。特に多数行にわたるエディタでの操作
において、時間遅延が大幅に減少しました。多数の面やオブジェクト、オペランドを含む光学系ファイ
ルにおいて特に重要な機能向上になります。
行をコピー・削除するには、エディタの左側をマウスのカーサーで選択し、右クリックメニューから
面、オペンランド、およびオブジェクトのコピー・削除を選択してください(図 3.3.a 参照)。
図 3.3.a. メリットファンクション エディタの右クリックメニューにある「オペランドを削除」オプシ
ョン
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4 製造可能性
4.1 コスト エスティメータの更新 (すべてのバージョン) 非球面レンズの価格見積もりを瞬時に取得
[コスト エスティメータ] (Cost Estimator) では、最適なコスト対性能比のバランスを決める公差の調
整に役立ちます。Optimax社により、コスト エスティメータの境界条件が更新され、偶数次非球面がサ
ポートされるようになりました(図 4.1.a参照)。球面と平面の許容口径の範囲が 5-100 mm に、非球面の
場合は 10-100 mmに広がりました。
図 4.1.a.平凸非球面レンズの見積もりを示した ISO エレメント図面
[コスト エスティメータ] (Cost Estimator)の単独でのツールは、OpticStudio の 2か所から開くことが
できます。[公差] (Tolerance)タブの [製造ツール] (Production Tools) セクション、もしくは 同タ
ブの[製造図面と製造データ] (Manufacturing Drawings and Data) セクションにある、[ISO エレメン
ト図面] (ISO Element Drawing) から開けてください (図 4.1.b参照)。
図 4.1.b. 公差タブにあるコスト エスティメータと ISO エレメント図面
本ツールでコスト見積もりをリアルタイムで取得する方法の詳細については、ナレッジベース記事をご
参照ください。
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4.2 ノンシーケンシャル面データをエクスポート(PROFESSIONAL および PREMIUM) ノンシーケンシャル オブジェクトの詳細な形状を計算・可視化し、光学製造プロセスを促進
光学設計の製造において、面形状がグリッド状にサンプリングされたサグデータは、光学素子の仕様と
してよく求められる、重要なデータになります。シーケンシャル解析の [面サグ] (Surface Sag) で
は、ローカル座標の面頂点から X位置、Y位置における Z方向の変化であるサグの情報を取得することが
できます。ノンシーケンシャルの光学系の定義は、シーケンシャルモードのレンズやミラーの定義と比
較し、より一般的であるため、このようなデータはノンシーケンシャル モードの組み込み機能としては
提供されていませんでした。
OpticStudio 18.4 には、ノンシーケンシャルコンポーネント(NSC) オブジェクトの面サグを計算する
ZOS-APIユーザー解析のサンプルが含まれています(図 4.2.a 参照)。本解析は、ノンシーケンシャル オ
ブジェクトのフェイスへ向けて、アレイ状に光源光線を追跡し、交差点の座標を計算します。計算結果
は、グラフとテキストで出力され、簡単にエクスポートすることが可能です。
図 4.2.a.ノンシーケンシャル面オブジェクトのサグ
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[NSC サグ ユーザー解析] (NSC Sag User Analysis) は、[プログラミング] (Programming ) タブの
ZOS-API.NET アプリケーション[ZOS-API.NET Applications] セクションにある[ユーザー解析] (User
Analyses) メニューから開けてください (図 4.2.b参照)。
図 4.2.b. プログラミング タブにある NSC サグ ユーザー解析
本解析の使用方法の詳細については、ナレッジベース記事をご参照ください。
5 プログラミング
5.1 LAMBERTIAN_OVERFILL.DLL 光源オブジェクトのソースコード(PROFESSIONAL お
よび PREMIUM) ユーザー定義の光源分布の実装を手軽に
Lambertian_Overfill.DLL 光源オブジェクトは、仮想的な円形アパチャーに向けて、その領域が十分に
カバーされるように、ランバーシアン分布の光線を発射します。本 DLLのソースコードが、インストー
ラに組み込みで提供されるようになりました (図 5.1.a 参照)。ユーザー定義の光源分布を作成する際
に、サンプルとしてご活用いただけます。
図 5.1.a. Lambertian_Overfill.DLL のソースコード
ソースコードは次のフォルダ内に保存されています:<data>\DLL\Sources.
5.2 MATLAB の RAYTRACE.DLL (PROFESSIONAL および PREMIUM) ZOS-API を使用して光線追跡の解析を高速化
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ZOS-API MATLAB での光線追跡の解析は、通常 for- や while-ループで行う必要があります。
OpticStudio ネイティブのコンパイル済み C#プログラムを使用することにより、このような時間のかか
るループを高速化することが可能になりました。Matlab のループは比較的非効率ですが、本 C# DLL で
は、光線データをブロックで Matlabに一度に読み込むことができます。C#プログラムでループされ返さ
れた生データを、Matlabで最終処理をかけることができます。
本 DLL には、次の ZOSAPI.Tools.RayTrace のネームスペースのインターフェースおよび継承メソッドが
含まれます (図 5.2.a 参照):
- IRayTraceDirectPolData (シーケンシャル)
- IRayTraceDirectUnpolData (シーケンシャル)
- IRayTraceNormPolData (シーケンシャル)
- IRayTraceNormUnpolData (シーケンシャル)
- IZRDReader (ノンシーケンシャル)
図 5.2.a Tools.RayTrace に含まれているインターフェースがハイライトされた ZOS-API シンタックス
ヘルプ ダイアログ ボックス
Raytrace.DLL および使用方法のスクリプト例は、以下のナレッジベース記事を参照してください。シー
ケンシャルの直接光線追跡、正規化光線追跡、およびノンシーケンシャルの ZRD光線追跡の、基本例 3
例と応用例 3例があります。
6 その他の機能向上
OpticStudio 18.4 には以下の機能向上が含まれています:
シーケンシャル ツールおよび解析
• [画像シミュレーション解析] (Image Simulation analysis) - 画像シミュレーションで RGBオ
プションが選択された場合に、マルチ コンフィグレーションの WAVEオペランドが無視されるよ
うになりました。
• [楕円グレーティング1面] (Elliptical Grating 1 surface) - シーケンシャルモードでの楕円
グレーティング面で、面すれすれの入射角で計算が可能になるように、光線追跡アルゴリズムが
向上しました。
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• [ビネット設定ツール] (Set Vignetting tool) – 視野データ エディタのビネット設定計算、お
よび精度入力値が 0と 1の SVIGメリット ファンクション オペランド計算で使用されている光
線サンプリング数が、4倍に増えました。
• [座標リターン ソルブ] (Coordinate Return solve) - グローバル座標の回転行列の反転が数値
ノイズに影響を受ける系でも、座標リターン ソルブが正常動作するようにアルゴリズムが向上
しました。
• [ブラック ボックス レンズ] (Black Box Lens) – [レンズをスケーリング] (Scale Lens) ツー
ルを使用し、ブラックボックスレンズが正しくスケーリングされるようになりました。
ノンシーケンシャル ツールと機能
• [ノンシーケンシャル光線追跡] (Non-sequential ray trace) - ノンシーケンシャルモードで
オブジェクトのエッジ部分に厳密に光線が入射した場合、光線は中断され、それ以降は追跡する
ことができません。これらの光線は、ノンシーケンシャル光線追跡中の損失エネルギーとして換
算されるようになりました。
• [ディテクタ(色)オブジェクト] (Detector Color object) – ディテクタ(色)オブジェクト
のテキストデータの小数点以下の有効桁数が、他の全ディテクタタイプと同じになるように増え
ました。
• [NSC グループに変換ツール] (Convert To NSC tool) - 「NSC グループに変換」ツールに使用さ
れているアルゴリズムが、変換中にノンシーケンシャル ファイルのマルチ コンフィグレーショ
ン エディタで必要のないオペランドが生成されないように更新されました。
• [NSC グループに変換ツール] (Convert To NSC tool) – NSCグループに変換ツールを使用してト
ロイダル面をシーケンシャルからノンシーケンシャルモードに変換する際に、回転半径が考慮さ
れていない問題が修正されました。
• [NSC シェーデッドモデル] (NSC Shaded Model) – 更新設定が [更新: 全てのウィンドウ]
(Update: All Windows) もしくは [更新: レイアウトウィンドウ] (Update: Layout Windows)
に設定されている NSC エディタ上でのオブジェクト挿入・削除時に、NSC シェーデッドモデルで
起こっていたオブジェクトのハイライトの問題について修正されました。
• [球体オブジェクト] (Sphere object) - 球体オブジェクトでのグリッド GRINデータ使用時に起
こる問題が修正されました。グリッド GRINの屈折率領域が球体の外側に広がらないようになり
ました。
• DLL 定義散乱 - K-相関面散乱 DLL が、垂直以外での入射角でのエネルギー損失が考慮されるよ
うに更新されました。
プログラミング
• [ZOS-API シンタックス ヘルプ] (ZOS-API Syntax Help) - プロジェクト環境設定を API で変更
する方法、および ZRD ファイルからデータを読み込むための ReadNextSegmentFull メソッドの使
用方法を示したサンプルが ZOS-APIシンタックス ヘルプに追加されました。
• [ユーザー解析] (User Analysis) – ZOS-APIで作成されたユーザー解析で、TheAnalysisData
が MakeText() から Make2DLinePlot() に変換できない問題について修正されました。
• [ユーザー解析] (User Analysis) – ZOS-APIで作成されたユーザー解析で、複製されたウィン
ドウの設定にアクセスできない問題について修正されました。
• [MultiConfigOperandType 列挙値] (MultiConfigOperandType enum) - マルチ コンフィグレー
ション オペランドである CHZN および MCSD が ZOS-API MultiConfigOperandType 列挙値に追加
されました。
• [ZOS-API シンタックスヘルプ] (ZOS-API Syntax Help) – ZOS-APIシンタックス ヘルプの
Example #21 が、最新のノンシーケンシャルのフォトルミネセンス モデルに 対応するように更
新されました。また、ZOS-API サンプル ファイル Example #4 と Example #6の情報が追加され
ました。
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• [CylinderFresnel 列挙値] (CylinderFresnel enum) – シーケンシャルの [シリンダ状フレネル
面] (Cylinder Fresnel surface) の ZOS-API 列挙値(および該当のインターフェース)
"CylinderFrensel" (”Fresnel”の"n"と"s"が前後)の誤字が修正されました。
ライセンス
• [ネットワーク ソフトキー ライセンス] (Network softkey license) –Sentinel LDK ランタイ
ム バージョンが 7.63 に更新されました。前バージョンでは、チェック アウト(オフライン)
ライセンスが再起動時にクライアント コンピューターより削除される問題がありました。この
問題は OpticStudio 17 から 18.1 がインストールされたクライアント コンピューター、もしく
は Sentinel LDK ランタイム バージョン 7.60をインストールしたユーザーに影響があります。
詳細は次のナレッジベース記事をご参照ください:License Check Out section of the
knowledgebase article How to Troubleshoot Softkey License Issues.
7 バグ修正
OpticStudio 18.4 には、次のバグ修正が含まれています。
シーケンシャル ツールおよび解析
• [ハンマー最適化] (Hammer Optimization) – 最適化が中断された時に、最良の結果が系に適用
されるよう、ハンマー最適アルゴリズムが修正されました。
• [グローバル最適化] (Global Optimization) - メリット ファンクション エディタに DISC オペ
ランドが含まれている場合に、グローバル最適化で視野タイプが更新される問題について修正さ
れました。
• [メリット ファンクション エディタ] (Merit Function Editor) – メリット ファンクション
エディタで、IMSFオペランドを複数の DMFSオペランドと同時使用した際に、計算結果正しくな
い問題について修正されました。
• [レイ エイミング] (Ray Aiming) – 非常に小さい視野領域で定義された近軸像高の視野を持つ
系で、レイ エイミングが機能しない問題について修正されました。
• [瞳のシフト] (Pupil Shifts) の自動計算 – 非常に大きい入射瞳径(>1000レンズ単位)を持
つ系で、レイエイミングで使用される瞳のシフトの自動計算における問題が修正されました。
• [座標ブレーク] (Coordinate Break) – 座標ブレークおよびダミー面を含む系で、厚みにソルブ
が設定された場合の面厚み計算に関する問題が修正されました。
• [ファイバ結合] (Fiber Coupling) - 光源ファイバがティルトもしくはディセンタされた系
で、ホイヘンス PSFを使用したファイバ結合計算に関しての問題が修正されました。
• [ファイバ結合] (Fiber Coupling) - ホイヘンス PSFが球面位相を参照して計算される系での、
ホイヘンス積分を使用したファイバ結合計算に関しての問題が修正されました。
• [ピックアップ ソルブ] (Pickup solves) – モデルガラスが使用されている系で、[ゴースト解
析] (Ghost Focus Generator) ツールにより、ピックアップ ソルブが正しく生成されていない
問題について修正されました。
• [ゼルニケ環状標準サグ面] (Zernike Annular Sag surface) - ゼルニケ環状標準サグ面の係数
が、面サグを生成する際に正しく同定されていない問題が修正されました。
• [幾何学的 MTF 解析] (Geometric MTF analysis) - 実効 Fナンバーが計算可能な系(他の解析
やツールでは F ナンバーが計算可能)で、幾何学的 MTF 解析により計算可能でないと表示される
問題について修正されました。
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• [熱ピックアップ ソルブ] (Thermal Pickup solve ) – モデル材質が設定されている面で、熱
ピックアップ ソルブによりレンズの熱膨張が正しく計算されていない問題について修正されま
した。
• [画像シミュレーション解析] (Image Simulation analysis) - システム波長が昇順で定義され
ていない系で、画像シミュレーションの波長オプションを“1+2+3”にした際に、結果が正しく
ない場合がある問題について修正されました。
• [矩形配列] (Rectangular Array) - 瞳サンプリングが矩形配列の時に、角度、コントラスト、
およびスポットオプションの評価関数の重みが正しく計算されていない問題について修正されま
した。
ノンシーケンシャル ツールと機能
• [フォトルミネセンス] (Photoluminescence) - エネルギー単位がルーメンである系のフォトル
ミネセンスモデルにおいて、下方変換されたエネルギーに関する問題について修正されました。
• [複屈折オブジェクト] (Birefringent objects) - ノンシーケンシャルモードでモデル化された
複屈折素子における反射光線の強度計算に関する問題が修正されました。
• [ホログラムレンズオブジェクト] (Hologram Lens object) –ホログラム レンズ オブジェクト
が反射で使用され、反射フェイスの左右で異なる材質を持つ時の結果が正しくない問題について
修正されました。
プログラミング
• GetAvailableMacros メソッド - OpticStudio 16.5 でバグが起こっていた ZOS-API
ISolveZPLMacro のメソッド GetAvailableMacros が修正され、使用可能になりました。
• [NSRA キーワード] (NSRA keyword) - ZPL キーワード NSRA がオブジェクト プロパティ ダイ
アログ ボックスの光源タブで設定されるサンプリング方法(ランダム/ソボル)を使用するよう
に更新されました。以前は設定値に関わらずランダム サンプリングが使用されていました。