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1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 社団法人日本ユネスコ協会連盟 ホームページ http://www.unesco.or.jp Terakoya Report 2002 ユネスコ・世界寺子屋運動 第12 次支援プロジェクトの成果をご報告いたします。 そして、既に始まっている第13 次支援についてご紹介します。 引き続き、世界寺子屋運動への ご理解、ご協力をお願い申し上げます。

1993 Terakoya 1994 Report 1995 1996 1997 2002 1998 · 国際識字年(1990年)をきっかけとして始まりました日本ユネスコ協会連盟独自のユネスコ・世界寺

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1989 199019911992199319941995199619971998199920002001

20022003200420052006200720082009201020112012201320142015

きのうまで。そして、明日から。

社団法人日本ユネスコ協会連盟 ホームページ http://www.unesco.or.jp

Terakoya

Report2002ユネスコ・世界寺子屋運動

第12次支援プロジェクトの成果をご報告いたします。

そして、既に始まっている第13次支援についてご紹介します。

引き続き、世界寺子屋運動への

ご理解、ご協力をお願い申し上げます。

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ごあいさつ

皆さまには日頃より「ユネスコ・世界寺子屋運動」に温かいご協力をいただきありがとうございます。

国際識字年(1990年)をきっかけとして始まりました日本ユネスコ協会連盟独自のユネスコ・世界寺

子屋運動も皆様からの温かいご支援をいただきながら、13年目を迎え、ここに第12次支援の報告

書を刊行することができました。過去12年間、皆さまからの総額約12億円の支援金で、43カ国1地

域において390のプロジェクトを実施し、世界の約71万の人びとに寺子屋で学ぶ機会を提供してお

ります。

ユネスコ・世界寺子屋運動の目的は、プロジェクト実施国政府や地域の教育委員会、NGO(非政

府団体)に協力し、教育を受けられなかった成人や学校に行けない子どもたちに教育の機会を提

供し、地域の発展を支える人材の育成を目指すことです。また、資金面からプロジェクトの実施を支

援することにとどまらず、日本国内での啓発活動やスタディツアーなどの交流を通じて、支援者と寺子

屋の学習者との相互理解を促進することを目指しています。

国連のユネスコは、西暦2015年までにすべての子どもたちが学校に行けるようにする、特に成人

女性の識字率を向上させることを目標に掲げ、識字教育の普及に努めておりますが、世界にはいま

なお8億8,000万人もの成人非識字者が存在するといわれております。

めまぐるしい世界情勢の中、ユネスコ・世界寺子屋運動は地球規模的問題の解決を考える上で

も大変重要な役割を担っております。私どもは皆様とご一緒に、書きそんじハガキ回収をはじめ、募

金や各種チャリティー活動を通じて識字教育の重要性を訴え、学校に行けなかった子どもたちや

大人たちが寺子屋で学ぶ機会を今後も提供してまいります。そして世界の人びととの相互理解、寛

容、連帯による平和の文化の構築を目指してまいります。引き続き「ユネスコ・世界寺子屋運動」へ

のさらなるご支援とご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。

2001年5月

社団法人日本ユネスコ協会連盟

理事長 野 口 昇

世界で8億8,000万人もの人びとが非識字で苦しんでいます。子どもの時から働かなくてはならなかった人びとや女性、少数民族、さらには戦争や内戦の犠牲になった人びとが非識字で苦し

んでいます。また、正規の学校に通えない6~11歳の子どもも、約1億1,300万人います。

女性 64%

非識字人口の大陸別割合 非識字人口の男女比

男性 36%

アジア 74%

アフリカ 20%

アメリカ 5%

ヨーロッパ 1%

オセアニア 0.1%

非識字とは:日常生活に必要な

読み・書き・計算能力を

もたないことを

「非識字」といい、

非識字の状態の人を

「非識字者」と呼びます。

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人々が寺子屋で学ぶ

貧しい村に寺子屋を作る

貧困の中での生活苦

非識字者は社会の片隅で圧倒的弱者に

情報化社会、貨幣経済の社会が押しよせる

道路ができ、先進国文化が入り込む

学校がない 家計に余裕がない 子どもが働いている

教育を受けられない(非識字)

読み書き計算ができない

(生活の基礎的 知識が不足)

職業に就けない

収入が少ない

人びとの知識や技術が向上する

人びとの暮らしが楽になる

ユネスコ・世界寺子屋運動は、人びとの心の中に、平和のとりでを創ります。

教える人を育て、施設・教材を提供。▽学びの場の建設寺子屋や図書館、集会場などを建設しています。

▽授業の運営子どもや女性向けに、実情にあった授業を行います。

▽職業訓練の実施暮らしの基礎づくりのための教育も行います。

▽教員の育成教育を根づかせるために、現地の教員を育成します。

▽教材の提供文字だけでなく、生活習慣の教育も行います。

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第12次支援データ

支援国数 6カ国支援団体数 10団体支援プロジェクト数 12プロジェクト支援総額 65,889,000円

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皆さまの善意は、直接現地の人たちにとどけられました。皆さまから寄せられた支援金は、厳正な監査のもとに執行され、支援先からもその使途と効果について適正な報告を受けてい

ます。第12次支援では、おかげさまで世界6カ国、12プロジェクトで成果をあげることができました。

寺子屋プロジェクトの流れ「ユネスコ・世界寺子屋運動」は次のように実施されます。

支援者の皆さま 日本ユネスコ協会連盟 支援先

書きそんじはがき 申請書の審査 申請

支援団体の決定 契約

第一次送金(全体の8割) プロジェクト開始

中間報告書の審査 中間報告書の送付

第二次送金(全体の2割) プロジェクト終了

最終報告書審査

換金

支援者向けの最終報告 最終報告書送付

インターネット・クリック募金

現金募金

募金額の推移(総額121,279万円) 単位:万円

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2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

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7,100

9,6008,300

5,510

8,900 9,5008,220

9,05010,010

12,26011,088 10,79110,950

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国名 団体名 ページ

ベトナム ライチャウ省教育局、トゥアチュア郡教育事務所、フォントー郡教育事務所 5

カンボジアシアムレアップ州教育・青年・スポーツ事務所 6

バッタンバン州教育事務所ノンフォーマル教育局 7

ネパール ノンフォーマル教育リソースセンター(NRC-NFE) 8

バングラデシュソピレット(SOPIRET) 9

ダッカ・アサニア・ミッション(DAM) 10

ブラジル アメリカ大陸人類研究所(FUNDHAM) 11

ボリビア インファンテ(INFANTE) 12

[アフガニスタン難民支援]

アフガニスタン ペシャワール会 13

パキスタン ユネスコ・イスラマバード事務所 13

[一杯のスプーン]

インド カトナ・ジャグリティ・スクール 14

ネパール 国際仏教協会

[緊急支援]

カンボジア シアムレアップ州教育・青年・スポーツ事務所 14バッタンバン州教育事務所・ノンフォーマル教育局

第13次支援プロジェクト一覧表 15

[ここが知りたい!!]ユネスコ・世界寺子屋運動Q&A 16

[これからもよろしくお願いいたします。]募金をしていただくには・ご利用ください 17

[身近なこれらは、支援地ではいくらするの?] 18

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ユネスコ・世界寺子屋運動第12次支援プロジェクト報告

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VIET NAMライチャウ省教育局、トゥアチュア郡教育事務所、フォントー郡教育事務所ベトナム

ベトナム

ライチャウ省はベトナムの最北西部に位置する山岳地域。国の9割を占めるキン族

とは異なった言葉や文化をもつ、さまざまな少数民族が住んでいます。山々に囲まれ、

農業をしながら自給の暮らしをしていますが、貧しさから学校へ行けない子どもや、勉

強についていけず中途でやめてしまう子どもがたくさんいます。そのような「学校で勉

強できなかった人たち」のために、40の寺子屋コミュニティ学習センターと3つの継

続教育センターをつくりました。このうち、継続教育センターの建設が第12次支援に

よって行なわれました。村々にある寺子屋は住民の自助努力によって運営される識字

教室兼集会場です。読み書き計算をはじめ、生活改善に役立つ農作物の知識や、家

族計画などについても学んでいます。それを支える継続教育センターでは、寺子屋の

教員たちが訓練を受けたり、寺子屋での基礎的な学習を終えた人びとが、さらに中

学・高校レベルの勉強をします。

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

千年を超える中国支配を経験したインドシナ半島東側の細長いS字型の国。

ハロン湾、フエ、ミーソン聖域、古都ホイアンが

世界遺産に登録されている。

第12次の支援額

¥39,000,000

建築費 100%

ベトナムへ赴任して2年が経ちました。このプロジェクトは、JICA(国際協力事業団)と協力しながら日

本ユネスコ協会連盟の職員が直接現場へ入って実施するはじめてのケースです(注)。最初は生活習慣

や仕事の仕方の違いなど、七転八倒の日々でしたが、今ではすっかり現地の人びととも打ち解けて一

緒に働いています。この2年間、日本からたくさんの方がたが現地を訪れました。あるいはスタディーツ

アーの参加者として、あるいは技術指導の専門家として、日本とベトナムの間に温かい友情の掛け橋を

築き上げていかれました。そして、昼間のきつい農作業を終えてから寺子屋にやって来て、夜遅くまで眠

そうな顔ひとつせず真剣に学ぶ人びとの姿に、多くの日本人が心を打たれました。私も真摯に生きる

村人の生きざまに多くを教えられたひとりです。この機会を下さった多くの方がたに感謝申し上げます。

現地所長からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

奥川浩士JICA/NFUAJプロジェクト事務所所長

実施地―ライチャウ省トゥアチュア郡、フォントー郡、ディエンビエンフー市

使用言語―ベトナム語対象者―山岳少数民族の人びと・

識字教育の教員支援累計総額― ¥39,000,000

継続教育センターの全景

継続教育センターでの研修

プロジェクト名:ライチャウ省における寺子屋CLC普及プロジェクト継続教育センター建設

(注)国際協力事業団(JICA)は、NGO(非政府組

織)や大学などと共同パートナーとしてODA事業を

実施する「開発パートナー事業」を1999年度から

始めました。このプロジェクトは、開発パートナー事

業の第1号案件です。プロジェクト経費の多くが、

ODAによってまかなわれていますが、継続教育セン

ターは世界寺子屋運動の資金で建設されました。

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CAMBODIAシアムレアップ州教育・青年・スポーツ事務所カンボジア

カンボジア

シアムレアップ州には、村が僻地にあること、学校が遠いことなどが理由で読み書き

を学ぶ機会を逃した人がたくさんいます。しかし寺子屋ができたことで、人びとは読み

書き計算だけでなく、社会のしくみや農業、保健・衛生について学べるようになりまし

た。毎月地域別に開かれる委員会で問題の解決策を話し合ったり、欠席が目立つ

学習者の家を教員がこまめに訪問することで中退を防ぐなど、さまざまな努力をして

います。移動図書室は村人たちの朗読と憩いの場、教員たちのミーティングの場とし

て今までに9,425名もの人が利用しました。また職業訓練として養鶏やバスケット作

りなどの技術トレーニングが行われ、女性の収入源や生活レベルの向上につながっ

ています。

プロジェクト名:識字教育

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

バスケット作りに取り組む学習者たち

1993年の総選挙を経て、新生「カンボジア王国」が誕生してから10年。シアムレアップにある

世界遺産「アンコール」にも世界中から多くの観光客が訪れるようになりました。

私は農家で働いています。貧しいため小学校2年生までの教育しか受けられませ

んでした。今、寺子屋の識字教室に通っています。読み書き、計算を身につけ、

今学期の修了試験にも合格しました。私と私の村の人びとを助けてくださっている

みなさんにお礼を申し上げます。みなさんの助けがなければ、私も村の人びとも字

の読み書きをまた忘れてしまうかも知れません。これからも支援が続けられるよう

に願っています。

学習者からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

トエン・サバット(28歳・女性)

実施地―シアムレアップ州の5地域

使用言語―クメール語対象者―成人・子ども学習者の総数― 13,563名支援累計総額― ¥30,808,000

第12次の支援額

¥1,452,000

その他 4%

団体運営費 20%

寺子屋運営費 18%

教材費 8%

建築費 50%

寺子屋の様子

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CAMBODIAバッタンバン州教育事務所・ノンフォーマル教育局カンボジア

カンボジア

第12次支援で寺子屋に通った全ての学習者が終了試験に合格しました。コミュニ

ティが一体となって寺子屋を支えています。寺子屋ではハンディクラフトの技術をは

じめ、クメール語の読み書きや算数、健康管理、保健衛生、家族ケア、農業、公民

の基礎知識も学べます。ハンディクラフトクラスでは、ミシン、刺繍、マット織り、ス

カーフ織り、養蚕、電気修理など様々な技術を教えています。これらの知識と技術を

学習者は実生活に活かし、収入の向上を図ることができます。

プロジェクト名:識字・ハンディクラフト教育

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

実施地―バッタンバン州の3地域使用言語―クメール語対象者―成人学習者の総数― 3,575名支援累計総額― ¥24,707,000

首都プノンペンに次ぐ第二の都市。

カンボジア有数の穀倉地帯。

1994年から始まった識字教育プログラムはユネスコ・世界寺子屋運動に支えられ、

地域や地方行政局との協力により順調に進められています。今までに700以上の識

字クラスが開講され、15,000名以上もの学習者が寺子屋で勉強しました。新人教員

へのトレーニングをはじめ全ての教員に対して、指導方法を向上させるための研修を

実施しています。6つの図書館と14の

移動図書館は、卒業生の継続教育の

場として活用されています。識字教育を

普及させることで、ひとりひとりの能力の

向上、そして収入向上を目指しています。

実施地―バッタンバン州の8地域使用言語―クメール語対象者―成人・子ども学習者の総数― 16,457名支援累計総額― ¥26,825,000

プロジェクト名:識字・生活教育

トゥオルプロム村での識字教室の様子

私はバッタンバン州のコク・ドン村にあるエク・プノン・センターでミシンクラスの教

員をしています。バッタンバン州を代表してみなさまの支援に心からお礼を申し上

げます。ミシンクラスをはじめ、養蚕、スカーフ織り、マット織り、保育園など多岐

にわたって支援してくださることは、人的資源の開発にも大きな助けとなっていま

す。これからも私の国の貧困層の人びとへの支援が続けられますよう、日本の友

人のみなさまにお願い申し上げます。

教員からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

サン・キム・ソール(教員・女性)

第12次の支援額

¥1,307,000

その他 20%

団体運営費 22%

寺子屋運営費 36%

教材費 22%

第12次の支援額

¥1,056,000

団体運営費 18%

寺子屋運営費 61%

教材費 21%

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NEPALノンフォーマル教育リソースセンター(NRC-NFE)ネパール

ネパール

4地域で実施され、86人の識字教育関係者が参加。内容は、コミュニティ・ラーニン

グ・センターの概念に始まり、コミュニティ開発における識字教育の重要性、地域の

人びとへの参加呼びかけの方法、地域のニーズに基づいたカリキュラムの作成方法

と非常に豊富なものでした。指導者用教本・学習者用教材の作成や、プログラムの

モニターや評価方法についても指導が行われました。カトマンズで開かれたワーク

ショップは、ビデオやプロジェクターなど

の機材を使い特に効果的でした。ワー

クショップで得た知識や技術は、参加

者教員や指導者によって識字教育やコ

ミュニティ開発の場に生かされています。

プロジェクト名:コミュニティ・ラーニング・センター(CLC)の普及と識字教員研修

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

実施地―ネパール国内使用言語―ネパール語対象者―識字教育関係者、

NGO、識字教員参加者の総数― 585名支援累計総額― ¥17,576,000

世界の屋根ヒマラヤ山脈から南のタライ平野にはさまれた小さな国。

パルパで行われた識字教育研修ワークショップの参加者

私はコミュニティ・ラーニング・センターの委員長をしています。コミュニティの指導

者として、また識字の教員として3年間務めてきましたが、今回の研修ワークショッ

プに参加したことで、センターの強化や識字教育の現場に役立つ新しい知識や

技術を身につけることができました。地域のニーズに合わせた教材選びをはじめ、

新しい識字教授法、小口融資プログラムの準備方法など内容がたいへん豊富で

す。こういったトレーニングをネパール全域で続けることが重要だと考えています。

参加者からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

バサンタ・マリ(29歳・男性)

第12次の支援額

¥1,584,000

雑費 5%最終報告書作成費 10%

通信費 8%

参加者旅費補助 9%

参加者宿泊費補助 10%

講師旅費 6% 講師宿泊費 5%

講師謝礼 18%

会場借賃 13%

教材・文具購入費 16%

識字専門誌「リテラシーウォッチ」は、ネパールの非識字問題や基礎教育・ノンフォー

マル教育を取り巻く問題点や現状を伝え、政策やNGOの活動に反映させることを目

的に隔月で2,000部を発行。最新号『教育におけるジェンダー差別』ではネパールの

女性が直面する教育や社会的問題を取り上げ、教育の機会の平等を訴えています。

プロジェクト名:「リテラシー・ウォッチ誌」発行

第12次の支援額

¥1,056,000

その他 13%

配布費 13%

印刷費 53%

謝礼 13%

調査費 8%実施地―ネパール国内使用言語―ネパール語、英語対象者―識字教育関係者、

NGO、識字教員

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BANGLADESHソピレット(SOPIRET)バングラデシュ

バングラデシュ

2000年11月にバングラデシュ東部のラクシュミプール県の3村(ジャミルトリ、バンチャ

ナゴール、サムサラバッド)に3軒の寺子屋を建設し、活動が順調に行われています。

学習者は、政府承認の学校外教育教材を使って地域の実状に沿った教育を受けて

います。保健・衛生、清潔な水、栄養、伝染性病気に関して意識が向上しました。ま

た、プロジェクト責任者、運営監督者、教員たちは、プロジェクトが成功するよう毎月

集まり、活動内容の見直し、学習者の出席状況を確認、月例テストの結果や学習成

果について話し合っています。地域の有力者は寺子屋活動に理解を示しています。

ほかにも150人が衣服の仕立てトレーニング、家禽、農業研修プログラムを受講し、

生活向上のためにがんばっています。

プロジェクト名:寺子屋建設と識字教育

1 2 3 4 6 7 8 10支援年次 9 12115

実施地―ラクシュミプール県使用言語―ベンガル語対象者―子ども・成人学習者の総数― 4,900名支援累計総額― ¥18,274,000

寺子屋の全景

教室の様子

雨季には国土の大部分が水没するが、洪水が運んでくる肥沃な土壌が

豊かな収穫を約束する。

日本の皆様へ

家の近くの寺子屋で読み書きを学ぶことができ、とても

うれしいです。ぜひ、皆さまもバングラデシュにいらしてく

ださい。皆さまに大変感謝しています。

学習者からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

ムクタ・アクター(12歳・女性)

第12次の支援額

¥4,654,000団体運営費 30%

その他 15%

寺子屋運営費 9%

教材費 25%

建築費 21%

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国の全域が縦横に流れる川に覆われている国。

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BANGLADESHダッカ・アサニア・ミッション(DAM)バングラデシュ

バングラデシュ

学習者のレベルに合わせて教科書、表、ゲーム、ポスターなどの教材を用意し、健

康・衛生管理、環境保全、人権・婚姻に関する法律と幅広く教えています。また女性

のエンパワメントに関するハンドブックを作成し、指導者向けの研修で利用していま

す。5回に分けて行われたワークショップでは、上級識字クラスのための研修をはじ

め、女性による企業研修、職業訓練など収入向上につながるようなトレーニングを実

施しました。継続教育センターは、食品加工、裁縫、キャンドル作りを習得するだけで

なく、実際に作ったものを売る場としても利用されています。センターを「生涯学習セ

ンター」として強化し、高レベルな職業訓練を行ったり、ジェンダーや平和教育に力

を入れていきたいという声も上がっています。

プロジェクト名:収入向上のための継続教育

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実施地―ナルシンディ県使用言語―ベンガル語対象者―成人女性学習者の総数― 400名支援累計総額― ¥3,834,000

継続教育センターの外観

収入向上プログラムの一環として刺繍に取り組む女性たち

女性グループの一員として継続教育センターに通い、読み書き計算、家計の管

理、清潔なトイレと水の大切さを学びました。読み書きができると日常生活にも大

きな変化をもたらします。例えば実用書を読んで生活に役立つ知識を得たり、家

族に本を読んであげたりすることができます。収入向上に関する本を読み、ダッ

カ・アサニア・ミッションから融資を受けたことで私はバナナ栽培から収入を得られ

るようになりました。センターに通ったことでたくさんの知識を身に付けられたこと

に、本当に感謝しています。

学習者からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

アスマ・べガン(女性)

第12次の支援額

¥1,584,000

その他 35%

団体運営費 46%

寺子屋運営費 8%

教材費 9%建築費 2%

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世界遺産セラ・ダ・カピバラ国立公園の周辺は

ブラジルでも貧困状況が厳しい地域です。首都サンパウロから

飛行機と車を乗り継いで1日かかります。

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BRAZILアメリカ大陸人類研究所(FUNDHAM)ブラジル

ブラジル

大西洋

2001年度より、アメリカ人類研究所が運営していた学校はすべて各市町村の管理と

なり、必須科目を教える体制に代わりました。そのため寺子屋センターでは必須科目

外の授業を毎日2部制にして教えています。その内容は伝統的な格闘技(カポエイラ)

や音楽、ダンス、図工のほか、学力を向上させるためのゲームなど多様です。バレイ

ンニョ技術学校では世界遺産セラ・ダ・カピバラ国立公園の周辺に住む90人の青

少年が公園保護員育成コースを勉強し、そのうち30名はすでに観光ガイドとして働

き始めています。生活圏の周辺に存在する岩壁画に描かれている絵、木々や自然界、

動物たちの動きを表現する劇を制作したり、文化再生を試みるダンスを考案して、児

童や青少年が芸術と触れ合うことで環境や文化の大切さを学べるように工夫してい

ます。

プロジェクト名:環境教育

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

実施地―セラ・ダ・カピバラ国立公園周辺の町2ヵ所

使用言語―ポルトガル語対象者―成人・子ども学習者の総数― 370名支援累計総額― ¥6,084,000

図工に取り組む学習者たち

オーガニック・ダンスを練習する子どもたち

私は寺子屋で指導教員をしています。路上にたむろしている子どもを無くしたいと思ったからで

す。この活動を始めてから、私の人生はいっそう幸せになりました。子どもたちが描く絵の一枚

一枚を見ていると充実した気持ちになります。これからも子どもたちと一緒に、自分自身も学ん

でいきたいと思っています。

教員からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

エリゼウ・ロペス(35歳・男性)

第12次の支援額

¥1,584,000

その他 14%

寺子屋運営費 32%

教材費 2%

建築費 52%

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国土の約1/3をアンデス山脈が占め、6,000m級の高峰が14座もある“高原の国”。南米のなかでもとくにインディヘナが多い。

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BOLIVIAインファンテ(INFANTE)ボリビア

ボリビア

ペルー

太平洋

プロジェクト名:コミュニティの強化と識字教育

オルロ村に新しい寺子屋が開校しました。女性を中心に子ども、若者、成人が識字

教室に通って来ます。授業にゲームや劇を取り入れたり、教材に工夫を加えたりして

生活に役立つ知識を楽しく学べるようにしています。寺子屋では読み書きのほかにも

さまざまなことを教えています。例えばグループワークや討論方式で、家庭内暴力な

どの問題について話し合うなど、女性の権利を守り自尊心を高めていけるよう努力

をしています。また、生活に役立つ技術トレーニング(編み物、裁縫、パン作り、布の

絵付けなど)も行っています。これにより女性たちにも家庭を支える収入源ができ、自

信をつけた女性たちは社会やコミュニティの中でも色々な活動に参加するようになり

ました。

1 2 3 4 5 6 7 8 10支援年次 9 1211

実施地―コチャバンバ使用言語―スペイン語、

ケチュア語対象者―成人女性学習者の総数― 1,345名支援累計総額― ¥12,807,000 朗読の練習をしている様子

教室で楽しく絵付けの練習に取り組む学習者たち

支援者のみなさん、そしてそのご家族のみなさまお元気ですか。私たち女性の能

力を引き出すお手伝いをしてくださり、本当にありがとうございます。クラスメイトを

代表してお礼を申し上げます。識字を習得するといろいろなことに役立ちます。私

たちが実用的な知識や能力を身につけ経済力を高めていけるように、これからも

支援を続けてほしいと願っています。村のみんなからの感謝の気持ちをここに記し

ます。さようなら。

学習者からのメッセージ現地からの「ありがとう」!

モーラ・フローレス・メンドナ

(33歳・女性)

第12次の支援額

¥1,872,000

団体運営費 6%

寺子屋運営費 20%

教材費 7%建築費 67%

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AFGHANISTANペシャワール会アフガニスタン

ペシャワール会は中村哲医師のアフガニスタン及びパキスタン北西辺境州での医

療活動を支援するNGO。1984年以来、ハンセン氏病への医療活動を中心に、主

に貧民層の診療活動を続けています。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロへ

の報復としてはじまったアフガニスタンへの空爆以降、ペシャワール会は地元で活動

するNGOの利点を生かし、カブール近郊およびジャララバード近郊で緊急食料配布

を行いました。日本ユネスコ協会連盟はこの食料配布計画の実現に協力。募金を

ペシャワール会に託し、ペシャワール会の職員が極めて危険な状況の中で、2002年

2月までに食料配給の任務を果たしました。

プロジェクト名:アフガニスタン難民緊急支援実施地―カブールと

ジャララバード対象者―アフガニスタン難民と

避難民参加者の総数―不明

首都イスラマバードⅠ-Ⅱ地区にあるアフガニスタン難民スラム。電気も水道もトイレ

もなく、働き口もありません。人びとはその日暮らしの貧しさに耐え、いつの日か故郷

へ帰ることを夢見ています。10万人を超える密集したスラムには、6万人を超える子

どもがいますが、学校は一つもありませんでした。2002年1月11日、私たちはユネス

コ・イスラマバード事務所と協力し、アフガニスタン難民の子

どもたちにとって初めての寺子屋教室をⅠ-Ⅱ地区のマスキ

ナバードとキラナスロに開きました。まだまだ小さな10教室

ですが、不思議なほどに明るくスラムの子どもたち(5~10歳)

にとって初めての学びが始まりました。

PAKISTANユネスコ・イスラマバード事務所パキスタン

プロジェクト名:寺子屋教室実施地―イスラマバード市内

Ⅰ-Ⅱ地区使用言語―パシュトゥーン語対象者―アフガニスタン難民の

子ども参加者の総数―約460名

支援額

¥3,443,000

支援額

¥3,600,000

寺子屋教室で授業を受ける少年たち

勉強中の少女

20年以上にわたる戦争と自然災害に苦しむアフガニスタンの難民・避難民に対する緊急支援アフガニスタン難民支援アフガニスタン難民支援

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プロジェクト名:洪水救済緊急支援

CAMBODIAシアムレアップ州教育・青年・スポーツ事務所バッタンバン州教育事務所・ノンフォーマル教育局カンボジア

実施地―シアムレアップ州の3地域とバッタンバンの2地域

対象者― 528家族

2001年8月末にバッタンバン州、シアムレアップ州

地域で洪水が発生しました。寺子屋に通う学習

者の家屋や農地が浸水し、刈入れ間近の農作物

が失われました。この災害に対し、緊急援助とし

て米20kg、毛布1枚、蚊よけネット、衣服のセット

が、シアムレアップとバッタンバンの計528家族に

配布されました。被災者たちの貧困がいま以上深

刻にならないように緊急支援は役立てられました。

NEPAL国際仏教協会ネパール

世界遺産「ルンビニ―釈迦の生誕地」の近郊で無料クリニックを開いている「国際仏教

協会」に食糧と医療品を支援しました。ルンビニ近郊の村で、伝染病や疾病を患ってい

る3歳以下の子ども1,171名に栄養価の高い粉末ミルクと食糧を与えました。クリニック

でも、子どもを持つ家庭に食糧1,000食分を配布しました。9ヶ月間の食糧支援と毎月の

健康チェックで、990名の子どもの健康状態が改善されました。また、のべ27,098人が

薬を受け取ることができました。

プロジェクト名:食糧と医薬品の支援実施地―ルパンディヒ地区

ルンビニ対象者―子どもと成人対象者の総数― 240名

支援物資をうけとる人びと

INDIA カトナ・ジャグリティ・スクールインド

カトナ・ジャグリティ・スクールは西ベンガルで学校

に通えなかった子どもたちが勉強するための学校で

す。学校ではベンガル語で国語や算数、社会を教

えています。貧しい家庭の子どもたちにとって学校

での給食が1日で一番栄養が摂ることのできる食事

です。270日間にわたって300名の子どもたちが栄

養たっぷりの給食を食べることができました。

プロジェクト名:給食の支援実施地―西ベンガル対象者―子ども対象者の総数― 300名

支援額

¥1,008,000

支援額

¥1,327,000

支援額

¥891,000給食を受ける寺子屋の子どもたち

診察を受ける村人健康チェックを受ける子どもたち

一杯のスプーン一杯のスプーン 「一杯のスプーン」は寺子屋で学ぶ子どもたちへの、給食プログラムや食糧、恵まれない人たちへの医療品の支援活動です。

緊急支援緊急支援 世界寺子屋運動の支援先が自然災害にあった場合に、緊急支援活動をおこないます。

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13th PROJECTS

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インド

団体名: ベルガウム農村開発協会(BIRDS)募金目標額: ¥20,000,000(2002年分)プロジェクト名:インド・ゴカック・プロジェクト(2002-2006年計画)実施地: カルナータカ州ベルガウム県ゴカック郡の45村対象者: 子ども、成人女性、青年 使用言語: カンナダ語目的: 学校に行けない、また中途退学した青年と非識字

の女性に識字教育と職業訓練の機会を与え、地域全体の生活改善を目指す。女性の小口融資グループを結成し、経済的基盤を整え、収入の向上を図る。第14次支援以降で45村に寺子屋を建設する予定。

カンボジア

団体名: シアムレアップ州教育・青年・スポーツ事務所募金目標額: ¥1,527,000プロジェクト名:識字教育と職業訓練実施地: シアムレアップ州の5地域 対象者: 成人と子ども使用言語: クメール語 目的: 識字教育と職業技術訓練(バスケット作り、養鶏)

を行い、学習者の収入向上を図る。

団体名: バッタンバン州教育事務所ノンフォーマル教育局募金目標額: ¥780,000プロジェクト名:識字・ハンディクラフト教育実施地: バッタンバン州の2地域  対象者: 成人と子ども使用言語: クメール語目的: 識字教育と職業訓練(裁縫、スカーフ・マット織り)

を実施し、その技術を生かして小規模の商売が始められるように小口融資も提供する。

団体名: バッタンバン州教育事務所ノンフォーマル教育局募金目標額: ¥936,000プロジェクト名:識字・生活教育実施地: バッタンバン州2地域 対象者: 成人と子ども使用言語: クメール語目的: 識字教育を実施し、日常生活の問題を解決できる

知識を与える。

ネパール

団体名: ノンフォーマル教育リソースセンター(NRC-NFE)募金目標額: ¥1,872,000プロジェクト名:識字教育関係者の研修実施地: ネパール国内4地域  対象者: 識字教員など使用言語: ネパール語目的: コミュニティ学習センター(CLC)の普及と識字教

員の能力向上のために10日間の研修を4ヶ所で開催する。

ネパール

団体名: ネパール寺子屋委員会募金目標額: ¥39,000,000(2002年分)プロジェクト名:ネパール・ルンビニ・プロジェクト(2002-2004年計画)実施地: ルパンデヒ地区ルンビニ(世界遺産「釈迦の生誕地」)

とカピルバステゥ地区対象者: 成人女性と子ども使用言語: ネパール語目的: 識字率が10%の村で、学校に行けない子どもた

ちや非識字の女性たちを対象に識字教育を行う。3年間で6ヶ村に寺子屋を建設し、識字教育、教員研修、村の集会場として利用していく。

バングラデシュ

団体名: ソピレット(SOPIRET)募金目標額: ¥2,872,000プロジェクト名:識字教育実施地: バングラデシュの東部のラクシュミプール県の3村対象者: 成人と子ども使用言語: ベンガル語目的: 識字教育、職業研修(農業、酪農、漁業)、小口

融資プログラムを実施し、社会問題をテーマにした研修を行い、学習者の意識を高める。

団体名: ダッカ・アサニア・ミッション(DAM)募金目標額: ¥1,872,000プロジェクト名:収入向上のための継続教育実施地: ナルシングディ県ウパジラ郡対象者: 成人女性 使用言語: ベンガル語目的: 識字教育(初級・中級)や職業研修を通じて、学習

者の生活の質の向上を目指す。また、教員研修や小口融資プログラムも併せて実施する。

ベトナム  (第12次支援から繰越)

団体名: スアン・タン・コミューン青年連盟募金目標額: ¥1,872,000プロジェクト名:寺子屋建設と識字教育実施地: タィン・ホァ省トゥオー・スアン郡スアン・タン・コミューン対象者: 成人女性使用言語: ベトナム語目的: 川に隣接し、毎年洪水の被害を受けている貧困

村に寺子屋を建設し、識字教育と技術研修を通じて、学習者の生活向上を図る。

第13次支援プロジェクト一覧表

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「ユネスコ・世界寺子屋運動」はどういう経緯で生まれたのですか?

世界には、働かなければならなかったり学校が近く

になかったりして、学校に行けない子どもが、1億

1,300万人もいます。そして学校に行けずに大人になり、文

字の読み書きができない人が8億8,000万人もいます。

国際識字年(1990年)をきっかけとして日本ユネスコ協会連盟

は、このような子どもたちや大人に学びの場=「寺子屋」を

つくり、教育を受ける機会を提供しようと始まりました。

どうして「寺子屋」というのですか。海外では「Terakoya」と呼んでいるのですか?

「寺子屋」は、14世紀から19世紀にかけて、学識ある

武士、僧侶が、一般庶民の子ども向けの読み書き

そろばんを学ぶ場としてひらいたのが始まりです。当時、全国

各地に何万もの寺子屋が存在しました。これは徳川時代に

おける庶民の教育レベルの高さをもたらし、近代日本の教育

システムの基盤となりました。「寺子屋」には、庶民自身による

草の根レベルでの活動という概念と共に、発展のためにお

互いにできることで協力しあうという意味がふくまれています。

日本ユネスコ協会連盟は1990年のキャンペーン開始以来、

近代化する過程での日本自身の経験を回顧し、「寺子屋」と

いう名称を用いています。

「寺子屋」を英語では「コミュニティ・ラーニング・センター」と

呼んでいます。支援現場ではそれぞれの言語に訳されて親し

まれています。

世界寺子屋運動で何カ国を支援していますか。

1989年から2001年にわたり、43ヶ国1地域で390

の識字教育プロジェクトを支援してきました。2015

年を目標に、アジア5カ国(ベトナム・ネパール・インド・カン

ボジア・バングラデシュ)を中心に、寺子屋生涯学習セン

ターをつくっていきます。

なぜ運動といっているのですか。

支援する側もされる側もお互いにできることをして協

力しあい、互いに学びあい、相互理解を促進する運

動だからです。

世界寺子屋運動のような識字教育運動は、他国のNGOも行っているのでしょうか?

はい。本来教育はその国のもっとも大切な責任で

すが、実際には力の及ばないことも多くあります。

NGOは地元のニーズを把握して木目細かい教育支援をして

います。日本ユネスコ協会連盟もそれらの国の政府や地域

の教育委員会、NGO(非政府団体)に協力し、世界寺子屋

運動を展開しています。

寺子屋では、何を教えているのですか。

寺子屋では、その国や地域の言葉で読み書きや算

数を勉強します。授業は科目別に分かれていません。

国語、算数、社会、保健、衛生、人権、農業などを総合的に

まとめた教科書を使って授業を進めています。また生活に役

立つ技術や知識も教えています。

寺子屋では、いつ授業をしているのですか。

学習者が通いやすい時間帯に授業をします。一般

的に週5~6日、夜の2時間に授業があります。

寺子屋では、誰が勉強しているのですか。

寺子屋では子どもだけでなく、成人女性や男性、お

父さんやお母さん、ストリートチルドレンなどさまざま

な人びとが学んでいます。

支援している寺子屋の現場を見学することは出来ますか?

世界寺子屋運動の支援先を直接訪れ、「募金の使

われ方」「支援のあり方」「現地のニーズ」などをじか

に体験するスタディツアーを随時企画しています。詳しくは

ホームページ(http://www.unesco.jp)をご覧ください。

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現金募金*募金は郵便局でお振込ください。

*当連盟では振込用紙(振込料金は当連盟で負担)を用意し

ておりますのでご注文ください。

*お急ぎの場合は、郵便局に備え付けの振込用紙をご利用

ください。

*郵便振替用紙の通信欄に「寺子屋」とお書きください。

*お手数でも、ご住所、お名前にはふりがなをつけてください。

送金先 郵便振替 00190-4 -84705

口座名 (社)日本ユネスコ協会連盟

パネル・ビデオ貸出リスト 貸出料金=無料(宅配便の送料はご負担願います)

パネル 各国の寺子屋の生活を紹介

大型パネルアジアの子供たちが描いた絵日記

現地の様子や授業風景などを紹介

新世界寺子屋運動ビデオ全7巻 (2002年初秋完成予定)

ビデオ

42cm×60cm20枚

42cm×60cm20枚

42cm×60cm20枚

52.2cm×147cm25枚

文字を識って広がる世界-世界の寺子屋から- インド編

文字を識って広がる世界-世界の寺子屋から- バングラデシュ編

文字を識って広がる世界-世界の寺子屋から- ベトナム編

国際識字年記念 三菱 IMPRESSION-GALLERYアジア子供アート・フェスティバル

アジアの子供達の絵日記展

学ぶことの喜びをわかちあうために-世界寺子屋運動-

いっしょに学ぼうシリーズ「私たちの生活・私たちの学校」インド編 (ガイドブック付)

いっしょに学ぼうシリーズ「共に生きる」バングラディシュ編 (ガイドブック付)

①ユネスコとは ②ユネスコ・世界寺子屋運動とは ③インド編 ④カンボジア編 ⑤ネパール編 ⑥バングラデシュ編 ⑦ベトナム編

VHS20分

VHS29分

VHS各10分(ガイドブック付)

VHS29分

■募金は税金控除の対象になります募金については「特定公益増進法人」の認定により寄付金控除の

対象になります。詳細は税務署あるいは税理士にご相談ください。

■募金先を指定できます一定額以上の募金については、特定のプロジェクトや国をご指定

いただけます。指定の方法は次の2通りです。

①国を指定する

*アフガニスタン、インド、カンボジア、ネパール、バングラデ

シュ、ベトナムの中から1カ国を指定してください。

*国を指定した募金にご協力いただいた場合は、該当国で

の事業資金に使われます。

*募金の金額に制限はありません。

②プロジェクトを指定する

*「ユネスコ・世界寺子屋運動」第13次支援プロジェクト

(15ページ参照)の中から一つを指定してください。

*募金は、ご指定のプロジェクトに役立たせていただきます。

*募金の最低金額は、ユネスコ協会  :10 万円

その他団体、個人:50 万円

③指定しない

*指定のない募金は、世界寺子屋運動で支援する事業資金

全体に使われます。

*募金の金額に制限はありません。

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書きそんじはがき住所を書き間違えてしまったり、古くて使えないなどの理由でポストに投函されていない未使用の官製はがきを

書きそんじはがきといいます。50円の書きそんじはがきは、45円の募金になります。

●同じ金額のはがきをまとめ、枚数を書いてお送りください。

送り先 (社)日本ユネスコ協会連盟

〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3 -1 朝日生命恵比寿ビル12F

バングラデシュではれんしゅう帳1冊

ノート1冊インド 60円ネパール 100円ベトナム 20円カンボジア 140円

あなたのお送りいただいた書きそんじはがき1枚が……

カンボジアではノート1冊とえんぴつ1本

インドでは給食4回分

ネパールではえんぴつ7本

鶏肉1羽分インド 360円ネパール 240円ベトナム 270円カンボジア 270円

ボールペン1本インド 55円ネパール 25円ベトナム 10円カンボジア 70円

玉子10コインド 55円ネパール 80円ベトナム 140円カンボジア 140円

米1キロインド 75円ネパール 70円ベトナム 35円カンボジア 35円

コーラインド 40円ネパール 25円ベトナム 70円カンボジア 70円

問い合わせ先=日本ユネスコ協会連盟TEL.03-5424-1121 FAX.03-5424-1126 E-mail:[email protected]

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社団法人日本ユネスコ協会連盟 ホームページ http://www.unesco.or.jp

〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル12階 TEL.03-5424-1121 FAX.03-5424-1126

Terakoya Report 2002 2002年5月編集:(社)日本ユネスコ協会連盟事務局 ユネスコ・世界寺子屋運動グループ

E-mail:[email protected]