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第7章 エリア別詳細方針 63
2.西部都市エリア (1)土地利用の方針
①住宅地
【まちなか住宅地】
石巻駅を中心とした地区は、人口及び世帯数の減少や高齢化が進み、地域活力の低下や空洞化が見
られることから、若者から高齢者まで幅広い世代の多様なニーズに対応した都市機能の集積とともに、
居住環境の向上や安全な歩行空間の確保を推進します。
【周辺住宅地】
日和が丘一帯については、木造老朽建物が多く、また、清水町の一部は、木造建物密集地区である
ことから、引き続き建物等の不燃化を促進します。
門脇西部地区では住工混在が見られることから、建物用途の純化などによる、居住環境の改善を図
ります。
また、開発許可件数は多いものの比較的大規模な未利用地が多く残存していることから、計画的な
市街地の誘導を図ります。
大橋及び開北地区については、都市基盤整備は済んでおり宅地化も進んできているものの、未利用
地や空宅地が残存していることから、計画的な市街化の誘導を図ります。
広渕地区については、人口減少及び高齢化進行地区であり、また、未利用地が多く残存し、既にス
プロール*的な宅地化が進行していることから、道路・公園・下水道等の都市基盤施設の整備を推進
するとともに、民間開発に対する指導を強化し、無秩序な市街化を抑制し計画的な市街地形成を図り
ます。
須江地区については、計画的な市街化が進展しているものの、空宅地等が残存していることから、
引き続き市街化の誘導を図ります。
市街化区域に接する地区に関しては、無秩序な宅地化等が進められる恐れがあることから、監視誘
導の強化を図ります。
【郊外型新興住宅地】
蛇田地区の三陸縦貫自動車道石巻河南IC周辺3箇所で土地区画整理事業*が進められており、地
区計画制度*の活用により、統一性のある低層戸建住宅地を中心とした居住環境による良好な住宅地
形成の誘導を図ります。
64 第7章 エリア別詳細方針
②商業・業務地
【まちなか商業・業務地】
石巻駅を中心とした市街地は、商業機能や集客力が低下し、空き店舗や空地が増えてきてい
ることから、まちの顔として活性化を図るため、昔ながらの商店街の復活など、まちなか居住
と連携した、容積率を活かした商業・業務機能の集積を促進します。
また、多くの人が集まることから、公共交通の充実や駐車場を確保するとともに、歩道など
のバリアフリー化の推進や休憩所の設置により、誰もがゆっくりと買い物のできる商業空間の
形成を図ります。
旧北上川の中瀬周辺については、親水空間を活用した公園や観光施設があるとともに、さま
ざまなイベントが開催されていることから、観光客をターゲットとした商業空間の形成を図り
ます。
市役所本庁舎については、地方分権や市民参加型行政の実現など、新たな行政サービスへの
対応が求められていることから、市民協働の拠点として、また、まちなか商業・業務地の顔と
して整備を推進します。
【広域型商業・業務地】
石巻河南IC周辺の新市街地は、三陸縦貫自動車道などの広域ネットワークを活用し、市内
だけでなく周辺都市からの自動車利用を前提とした多様な娯楽性のあるショッピングゾーン
の形成や自動車関連店舗の集積を図ります。
【沿道立地型商業・業務地】
(都)河南川尻線沿線の中里地区や(都)大街道石巻港線沿線の大街道地区などの沿道につ
いては、主に本エリアに居住する人たちの自動車利用を前提とした商業・業務機能の集積を促
進します。
③工業・業務地
【臨海型工業・業務地】
石巻港については、物流拠点港としての機能充実を促進するとともに、観光・交流・レクリ
エーション機能を整備し、賑わいの港まちづくりを促進します。
また、石巻港臨港地区は、本市の第二次産業の拠点としての役割を担っていることから、工
業活動の中心として、パルプ・紙製造や木材・木製品製造、鉄鋼業など既存製造業の拡充を図
るとともに、高度化及び高付加価値化された工業・流通業務機能の集積を図ります。
第7章 エリア別詳細方針 65
【内陸型工業・業務地】
須江地区については、石巻港や三陸縦貫自動車道石巻港ICからのアクセス性を活かした工
業系新市街地として、企業の立地や住宅建設を促進し、職住のバランスのとれた工業・業務地
の形成を図ります。
④農地・森林
【農地】
広渕地区及び須江地区周辺の一部の優良農地については、都市機能とのバランスを保ちつつ、
食料供給機能のほか、緑地機能、保水機能、交流機能など農地が持つ多面的機能が発揮できる
よう、計画的に整備保全を図ります。
(2)道路・交通の方針
①道路
【主要幹線道路】
三陸縦貫自動車道については、高速交通のさらなる整備や利便性の向上を促進し、都市間の広
域的なネットワークを形成するとともに、市内のネットワークの柱としての活用を図ります。
また、石巻新庄間の道路については、早期整備を促進し、国道 108 号の渋滞解消とともに広
域的な地域連携の強化を図ります。
【幹線道路】
国道 45 号及び国道 108 号、国道 398 号石巻バイパスなどについては、主要幹線道路への
円滑な接続のため必要な道路であることから、エリア間のネットワーク強化を目指した整備促進
を図ります。
また、その他の幹線道路については、一部改良を含めた道路整備を推進し、交通渋滞の緩和と
安全確保を図ります。
・国道 45 号
・国道 108 号
・国道 398 号及び国道 398 号石巻バイパス
・主要地方道石巻鹿島台大衡線
・主要地方道石巻河北線
・主要地方道石巻港線
・(都)石巻工業港曽波神線
・(都)河南川尻線
・(都)矢本流留線
・(都)河南石巻工業港線
・(都)大街道石巻港線
・(都)南光門脇線
・(都)濡仏線
66 第7章 エリア別詳細方針
【補助幹線道路】
幹線道路で囲まれた区域内の(都)石巻駅本草園線などの都市計画道路*や基幹的な市道につ
いては、エリア内のネットワーク強化のため整備推進するとともに、歩行者や自転車の安全を確
保するため、歩車道の分離やバリアフリー化などにより、誰もが安全に歩行できる空間の確保を
図ります。
【生活道路】
周辺住宅地のほぼ全域で、道路不足や同一路線でも幅員が異なる路線が多いことから、今後と
も生活道路の整備を推進するほか、私道の整備費補助や狭あい道路の解消に向けた支援制度の充
実を図ります。
また、まちなか住宅地については、歩道等のバリアフリー化や休憩所の設置など、人にやさし
い道路整備を推進します。
②公共交通
【鉄道】
鉄道については、仙石線と石巻線が乗り入れ、市民の足として通勤、通学などに利用されて
いることから、利便性の向上と交通結節機能の強化を図るとともに、駅周辺環境の整備を推進
します。
【バス】
本エリアには、行政施設、医療施設、交通施設、商業施設などの集客施設が集中している一
方、交通不便地区も存在していることから、まちなか商業地への利用客の誘導も含め、エリア
全体を網羅する交通網の整備のほか、他エリアとの連携を強化するための幹線交通の維持確保
を図ります。
(3)公園・緑地の方針
周辺住宅地のうち、山下地区及び釜地区、大街道地区、広渕地区では、小さな開発公園はあ
るものの、身近な都市公園*が不足していることから、人口や誘致距離等を勘案しつつ公園の
整備を図ります。
また、まちなか住宅地では、市民意向から身近な自然を感じられる場所としての公園が望ま
れていることから、緑化や親水化が充実した公園整備を推進します。
特に、中瀬公園や日和山公園は、市民の身近な憩いの場となっており、引き続き公園機能を
充実するとともに、適正な維持管理を図ります。
周辺住宅地にある泉町緑地などの都市緑地については、市街地内の身近な自然的環境として、
また、憩いの場や散策路として、引き続き適正な維持管理を図ります。
第7章 エリア別詳細方針 67
(4)供給処理施設の方針
上水道については、安定供給に必要な施設の整備や適正な維持管理を推進します。
生活排水処理施設のうち、石巻市流域関連公共下水道区域については、全体計画面積に対す
る整備率は平成 19 年度末で約 43%であり、特に周辺住宅地における整備が遅れていること
から、今後も年次計画により、効率的かつ効果的な整備を推進し、快適で清潔な生活環境づく
りを図ります。
(5)都市防災の方針
【水害】
旧北上川河口部の無堤地区では、大雨時の洪水や高潮により浸水被害が発生していることから、
堤防整備等の河川改修を中心とした対策を促進します。
【雨水】
石巻市流域関連公共下水道基本計画に基づき、浸水対策を行っており、特に、釜、蛇田地区な
ど、依然大雨による浸水被害が著しいため、年次計画によりポンプ施設及び幹線管渠の整備を推
進します。
【地震】
石巻駅周辺地区及び日和山の南側地区、清水町の一部、広渕地区は木造老朽建物が多く、また、
区画道路の整備が不十分かつ狭あいであることから、都市基盤整備とともに不燃化を促進します。
また、避難場所となる公共施設等の耐震化を図るとともに、避難道路の整備や橋梁の耐震化等
により、防災ネットワークの強化を図ります。
さらに、重点密集市街地*に指定されている旭町の一部や緊急密集市街地に指定されている門
脇町四丁目の一部については、公共空地や避難通路を確保するなど、地区住民とともに災害に強
いまちづくりを促進します。
石巻港については、地震の際の海上物資輸送等を確保する必要があることから、震災時にも船
を接岸できる岸壁の耐震化を促進します。
【土砂災害】
羽黒町や山下町などの急傾斜地崩壊危険箇所*については、計画的に対策工事を促進します。
68 第7章 エリア別詳細方針
(6)環境保全の方針
【自然】
海・山・川と身近な自然環境があることから、引き続き維持保全するとともに、自然とふれ
あえる場の創出を図ります。
【水質汚濁】
公共下水道の整備の遅れから、北北上運河、釜用水路、中ノ堀排水路などの水質が悪化して
おり、周辺の自然環境への負荷も大きいことから、公共下水道等による汚水処理施設の整備を
推進するなど、公共用水域の水質保全を図ります。
【騒音・大気汚染】
騒音や大気汚染については、監視体制や測定体制の充実を図ります。
(7)都市景観の方針
まちなか商業・業務地については、都市景観形成の側面からの取り組みも重要であることか
ら、街路樹の整備やプランターの設置などにより、魅力あるまちなみ景観の形成を図ります。
また、住宅地については、地区計画制度*等を活用し、一定の敷地規模を確保するとともに
生垣化などの緑化を推進し、ゆとりとうるおいを備えた住宅地景観の形成を図ります。
羽黒山や日和山などの丘陵地については、まちなかの貴重な自然的景観でもあり、また、北
北上運河や旧北上川河口の水のある風景は、松林や建造物との印象的な景観が形成されている
ことから、引き続き維持保全を図ります。
第7章 エリア別詳細方針 69
西部都市エリア詳細方針図(住宅系)