20 　上尾市における景観形成プロジェクトResearch for landscape planning in Ageo

参加登録学生氏名　　　　　　納富　康子　（ Noutomi Yasuko)指導担当教員名 深堀 清隆　（ Fukahori Kiyotaka)関連学外組織名称　　　　　　上尾市都市整備部まちづくり計画課

概要 Abstract

対象地の概要 /Site of investigation

課題と今後の予定 /Future work

上尾平方線の景観整備案の検討 /Examination of maintenance idea of Ageo hirakata line

活動の流れ /Flow of research

■設計案の提案 ■景観シミュレーションによる検討

Fig. ４ 　 Plan of road design idea/ デザイン案例　「サイクルタウン上尾」で知られているように、地域特性を活かし、自転車利用の促進と景観整備を兼ね備えた設計案として自転車専用道を導入した案を提案した。

　対象地である上尾市は埼玉県の中心より少し東に位置している。市内にはJR 高崎線が通り、首都圏からのアクセス性に富むことから、上尾駅を中心に大規模な市街地が広がっている。交通機能の充実や市街地形成により人々の生活は便利になったが、その一方では上尾の街の個性が失われつつあることが問題となっている。　そこで本プロジェクトでは、上尾駅西口地区の景観形成のあり方の検討および提案を行っている。今回は上尾市役所との計４回のワークショップを通し、対象地区の景観資源や課題を抽出して景観形成マップをとりまとめた。そして、その成果を活かして地域景観の軸といえる上尾平方線の道路景観整備案を提案した。今後は過去の風景に対する人の記憶を分析することで上尾市の景観変遷の特徴を理解し、上尾市の独自性を踏まえた景観まちづくりのあり方を考えていきたい。

　 The investigated area, Ageo City, is located at the east side from the center of Saitama Prefecture, which could be traversed by JR Takasaki Line. The city is well known for its excellent accessibility to Tokyo and its well formed extension of a large-scale urban area from Ageo Station. On one hand, local people’s daily life became convenient by the enhancement of traffic network and urban development, however, streets with local characteristics are threatended to disappear. Then, in this project, the on-site investigation and proposal of the landscape planning in the west side of Ageo Station are conducted. We have summarized the landscape resources and the problems of the site in the form of landscape resource map through the workshop discussion with the Ageo city office.And, besides, we proposed the side walk design of Ageo hirakat line, which is the axis of regional landscape based on our investigation result. In the future, we will analyze residents’ cognition about past streetscape and understand the feature of the landscape transition of Ageo City, thus make an original planning design of Ageo City.

〈上尾の景観に影響を及ぼした主な歴史的事象〉江戸時代　　 中山道「上尾宿」の発展明治時代　　 上尾駅の開設と高崎線の開通昭和初期　　 大型工場の進出昭和 30 年代　交通網の発展昭和 40 年代　市街化に伴う人口増加と駅前の発展昭和 50 年代　駅周辺に高層マンションの林立

■坂道の観点からの検討上尾西口地区の軸を形成している「上尾平方線」は景観計画上重要な要素と考えられる。今回は平方線における具体的な道路景観整備案を提案した。

Fig. ５ 　 Visual simulation of the sidewalk/ フォトモンタージュによる景観シュミレーション　提案したデザイン案について景観シミュレーションを作成し、またワークショップでは参加者の意見を繁栄させ、実際にその場でシミュレーションを作成した。

Before

After

Fig. １　 Ageo City/ 上尾市

Fig.2 　 The view of newtown constructed in1900./ 西上尾第 1 団地建設の様子（昭和 40 年代）

Fig. ３ landscape resource map/景観資源マップ

景観資源、課題の抽出第 1 回ワークショップ：景観マップの作成

景観整備案の検討第２～４回ワークショップ：上尾平方線の道路景観整備の提案

上尾西口地区の景観計画の検討

市役所職員と共に街歩きを実施し、以下の要素を地点ごとに抽出した。① 景観の主役になりうる要素② 主役を引き立てる脇役になりうる要素③ 利用・歩行に関する提案④ 問題点→ 上尾平方線における機能的、景観的問題点の改善の必要性や古くから残る路地や神社、地形等歴史的景観資源の活用が今後の景観形成における主な課題として抽出された。

　平方線は、大宮台地の台地面と芝川・鴨川の沖積低地との緩やかな傾斜をまたぐように通り、その地形的な特徴が強い。今回は平方線らしさを表現するために坂道の強調を生かした景観形成として坂上にアイストップとなる樹木の検討を行った。また、このように時を経ても普遍である景観的特徴は市民の景観変遷の歴史に対する認識にも影響すると考えられる。

⇒上尾駅周辺の景観変遷について住民へのヒアリング調査およびアンケート調査を実施していくことを考えている。■目的 ・文献調査からでは知りえなかった景観変遷、また市民が考える上尾らしさを理解する。 ・「人の記憶の連続性」が現在の景観に対する理解やイメージにどう影響しているかを分析する。■調査内容ヒアリング調査：上尾の景観がどう構築していったか、記憶に残る場所とはどういった場所であるのか等、地域住民を集め、ワークショップ形式でヒアリングを行う。アンケート調査：「子供」、「子供以外の大人」、「現在」における時代区分をし、家から駅までの認知地図を時代別に描いてもらい記憶と景観構成要素の関係性を分析する。また、記憶の連続性がある場所をヒアリングし、現在の景観に対する理解やイメージにどう影響しているかを分析する。■実践への貢献「時間軸を導入した景観形成」の重要性を提案していくことによって、街の歴史的景観資源や人の記憶に残る景観を大切にし、街の個性を持ちえた景観形成の実現に貢献していきたいと考えています。

過去

現在 現在

過去

連続性のある記憶断片的な記憶

～年の記憶

～年の記憶

～年から～年の記憶

景観変遷の理解、地域らしさの発見人の記憶と景観の関係性の解明１月以降実施：住民対象ヒアリング、アンケート調査

Fig. ７　 Continuousness of place memory/ 記憶の連続性

ストーリー

Fig.６ 　 Study of symbol tree in top on slope/坂上のシンボルツリーの検討

平方線検討対象地の坂区間