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研究基礎201107 6

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福島第一原発事故の問題と今後の対応 1. はじめに  3月11日に起こった東日本大震災によって、数多くの人々が被害を受けた。さらにこの地震や津波によって福島第一原子力発電所で問題が発生した。それについて政府や東京電力が対応をしたが、結局、炉心溶融が起こり放射能を拡散させるといった事態に発展してしまった。政府の福島第一原発への対応は適切だったのか、国民への情報開示についてしっかりとした事実が公開されたか、などの政府の対応に僕は疑問を感じた。このレポートでは福島第一原発の事故での影響やそれに伴う農業への被害、福島第1原発の事故についての政府や東京電力が今後どういったかたちで対応していくのかということを中心に述べていこうと思う。 2. 原発問題について政府や東電の対応への疑問  炉心溶融とは簡単に言うと、原子炉中の核燃料が過熱し、多くの燃料集合体、もしくはさらに炉心を構成する制御棒も含めて融解することである。政府はこの炉心融解を食い止めることが出来たのではないかと僕は思っている。細野豪志首相補佐官は記者会見で、福島第一原発の2、3号機もメルトダウン(炉心溶融)が起きたとみられるとする東京電力の報告を受け、「こういうことがあり得るのでは、という評価は厳しくしておくべきだった。政府の事故に対する見込みの甘さがあったと反省している」と述べている。¹この見込みの甘さも問題だが、それについての責任問題についても政府と東京電力側で意見が食い違っている。それが海水注入の問題だ。管直人首相は海水注入をめぐる情報の混乱について「最高責任者として痛切に反省し、おわびしたい」と陳謝した。ただ同時に「水の注入を止めるよう要請したことは一度もない。注入し冷却することが何よりも重要と(関係者が)一致していた」と重ねて強調し、事故対応には問題はなかったとした。しかし東電の副社長は「具体的な施策も首相が判断する感じで、首相の判断がない中で注水は実施できない雰囲気だ」と報告を受けたと説明。「やむを得ず中断を判断した」と述べた。²このように双方とも意見が食い違い、どちらも相手方に非があるように述べている。 3. 政府や東電の情報開示についての疑問  東日本大震災による東京電力福島第一原発のトラブルに関する政府の情報開示・発信のあり方が危なっかしい。住民への避難指示の範囲を徐々に広げるなどの混乱が多々あったほか、1号機で起きた爆発についての詳しい説明が発生の約5時間後になるなど対応の遅れも目立つ。3号機トラブルに際しては早期に発表を行ったが、菅直人首相は自ら説明しようとはせず、国民の不安払拭には至っていない。  首相は3月13日夜、首相官邸の会見場で、目に涙をにじませて「国民へのメッセージ」を発表した。「果たしてこの危機を日本人が乗り越えていくことができるかどうか。それがすべての日本人に問われていると思います」  だが、肝心の原発に関しては「憂慮すべき状態が続いている」と言いながらも「後ほど枝野幸男官房長官から詳しく報告する」と述べるだけ。これに限らず首相は地震発生以来一度も記者団との質疑を行わず、テレビカメラの前で一方的な発信を繰り返すばかりだ。³情報開示の部分では放射能がどのあたりにどの程度、拡散しどのような影響を与えるのかということに関して開示が遅れた。

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      ⁴「福島第一原発から漏れた放射能の広がり」 (図1)

この図では風などを考慮して作られているのでどの地域にどれくらいの放射線が広がっているのかがわかり、とても良いと思うのだが、4月21日に初版が公開されたというのはどうなのだろうか。地震から1か月以上も経っているこの日にちはちょっと遅いのではないかと思う。この情報を早めに公開してくれないと放射能が恐くてどのあたりまでなら行っても大丈夫なのかなどということがわからない。そのことを知らずにかなりの放射能を浴びてしまって人もいるかもしれない。 4. 福島第一原発の事故によっての農業への影響  千葉県と群馬県は3月25日、採取した茶葉から暫定基準値を超える放射線セシウムが検出されたと発表した。最大が渋川市の780ベクレルで、野田市763ベクレル、山武市639ベクレル、富里市635ベクレル、成田市622ベクレル。放射性ヨウ素は野田市で微量が検出された。両県は、この5市や生産組合などに出荷自粛を要請した。茶葉のほかに前橋や高崎のホウレンソウやウメ、習志野市など6市町のニンジンなどを検査したがいずれも基準値を下回っている。⁵  実際にこの数字を見ても、どの程度食べたら人体に影響が出てしまうのかがわからない。たとえば、一年間に茶葉をどれだけ使ったら、人体にこんな影響がでるよという指標などを公開してくれるとわかりやすい。 5.原発問題に対応するうえでの今後の課題と希望  東電は5月28日に福島第一原発の作業員が着用している防護服やマスクなどの使用後の処理方法が決まっておらず今後の課題となると発表した。再利用が可能なマスク以外は低レベル廃棄物として膨大な量が倉庫に山積みになっているという。⁶ドルトムントに所属する香川真司が28日、堺市で行われた少年サッカーイベントに参加し、

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子供たちを激励した。香川は「大変な状況ですけど、日本全体で乗り越えていける。君たちには未来がある」と呼び掛けた。⁷

5. まとめ  政府は原発問題についてかなり前から危険だということは認識していたらしい。認識していながら今回の事故を防げなかったというのは、心の中で、「危険はあってもそんなこと実際に起きるわけがない」などと高をくくっていたからだろう。しかし実際に起きてしまったのだから責任を政府と東電でなすりつけあうことはしないで協力して事の解決に取り組んでほしい。(2節)  原発についての情報開示が遅れたという問題については本当に分かっていなかったのか、それとも思っていた以上に大変な状況でありのままを伝えると国民がパニックを起こしてしまうかもしれない、などの理由のせいでわざと情報開示を遅らせたのかは真実を知らない僕にはわからないが、最終的にはすべて公開されるのならば、できるだけ早く公開してくれたほうが、国民の不安も和らぐだろうと思う。知らないほうが知っているよりはるかに怖いと僕は思う。(3節)まだ原発の問題はいろいろあるけど、このようなイベントはもっと積極的に増やすべきだと思う。少しの間だけでも災害のことを忘れられれば効果はあると思う。(5節) 参考文献1)細野補佐官「見込みの甘さ反省」メルトダウン報告で 一般社団法人共同通信社  2011年5日24日URL http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/05/post-1556.html(2011年7月10日)2)首相、海水注入の情報混乱を陳謝  一般社団法人共同通信社  2011年5月31日  URL http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/05/post-1696.html (2011年7月10日閲覧)3)ふらつく政府の情報開示 涙ぐむ管首相 質疑は応じず msn産経ニュース 2011年3月

13日 URL http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110313/plc11031323370035-n1.htm(2011年7月14日閲覧)4)群馬大学  早川由紀夫教授作成  【まとめ】放射能汚染マップ  2011年3月29日URL 

http://d.hatena.ne.jp/rakkochan/20110329/p1 (2011年7月14日閲覧)5)茶葉から基準値超えるセシウム検出  群馬・渋川と千葉4市  一般社団法人共同通信社 

2011年5月25日 URLhttp://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/05/post-1579.html (2011年7月10日閲覧)

6)東電 作業員防護服やマスク公開 処理方法が課題 一般社団法人共同通信社 2011年5月28日 URLhttp://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/05/post-1655.html (2011年7月10日閲覧)7)香川が少年サッカーを激励  堺市のイベント  一般社団法人共同通信社  2011年5月28日 URLhttp://www.kyodonews.jp/feature/news05/2011/05/post-1648.html (2011年7月10日閲覧)