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3 3 11 11 被被被被被被被被被被被被 被被被被被被被被被被被被 被1被 NPO NPO 被被被被被被 被被被被 被被被被被被 被被被被 被被被被 被被被被 3 11 被被被被被被被被被被被被被被被被被被

20120111 シンポジウム

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Page 1: 20120111 シンポジウム

33 ・・ 1111 被災地子ども白書のご報告被災地子ども白書のご報告

第 1 部

NPONPO 法人アスイク 代表理事 法人アスイク 代表理事 大橋雄介大橋雄介

3 ・ 11 被災地子ども白書出版記念シンポジウム

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1. NPO 法人アスイクのご紹介

2. 5 つのキーメッセージ(被災した子どもを取り巻く現状)

Today’s Contents

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学校再開の遅れに対応するために団体立ち上げ

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活動の概要

NPO 法人アスイク

避難所

仮設住宅

直営施設

協力者

学習サポーター

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2011 年 4 月 3 日、立ち上げから 1 週間後に第 1 回目の活動

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河北新報夕刊 ( 2011.04.09 ) 日本経済新聞 ( 2011.05.03 ) 週刊東洋経済 ( 2011.05.23 )

多数のメディアで紹介

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実施場所: 4 市町 9 避難所(仙台・多賀城・亘理・石

巻)※うち 3 ヵ所は ALL 東北教育フェスタのバックサ

ポート

活動回数: 59 回

参加サポーター数: 308 人(のべ)

参加した子ども: 444 人(のべ)

立ち上げ 3 ヶ月で、一定の成果をあげた

< 4 月~ 6 月の活動実績>

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仙台市内 4 ヶ所、多賀城市 1 ヶ所の仮設住宅へ展開

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荒井小学校仮設住宅での活動風景

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会員制学習支援センター『 19 Tsutsujigaoka 』の立ち上げ

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連携体制

学習サポーター

の確保

活動基盤強化

活動拠点の運営

NPO 法人アスイク

ALL 東北教育フェスタ Tohoku Law Net (東北大学法科大学院)

山形大学

学校法人河合塾

NPO 法人 PARIF

有限会社アライブワン

学習サポーター

の育成教材

仙台市若林区町づくり推進課

株式会社日本コスモトピア

NPO 法人 ETIC.

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活動の全体像( 2011 年度)

避 難所 で の

学 習 サ ポ ー ト4 月~ 6月

震災後、いち早く団体を立ち上げ、避難所での学習サポートを開始

学校再開が遅れるリスク、学校再開後に懸念される子どもの学習遅れ、長引く避難所生活による子どものストレスなどに対処

4 月~ 6 月の実績:実施場所 /4 市町 9 ヶ所の避難所、活動回数 /59 回、参加したサポーター /308 人(のべ)、参加した子ども /444 人(のべ)

仮 設 住 宅 で の

学 習 サ ポ ー ト

仙台市内、多賀城市の仮設住宅団地の集会所で、主に仮設住宅に入居する小学生~高校生を対象として、学習サポートを継続

避難所と異なり、保護者からの申込み制とし、子どもとサポーターの人間関係づくりや履歴管理を重視した活動を展開

奨 学 金 ・ 個 別 指 導 つ き

学 習 ス ペ ー ス の 開 設 仙台市内に 8,000戸近くある借り上げ住宅(民間の賃貸住宅)に居住する家庭の受け皿として、

みやぎ NPOプラザ(宮城野区)内に学習スペースを設置

一般の家庭も受け入れ可能としているが、被災した家庭や経済的に困窮する家庭に対しては、奨 学金 として利用料金 を大幅に下げている

被災した子どもや保護者に対するインタビュー調査に基づき、白書を出版

出版後は東京でシンポジウムを開催し、より多くの人へ調査結果を PR する

これにより、必要な支援の構築、被災地への関心の継続などを実現する

被災地子ども白書出版シンポジウム開催

上記学習スペースを発展させる形で、被災した子どもと震災に関係なく存在していた相対的貧困の子どもたちを支援するセンターを立ち上げる

市民が自分たちの住む地域の問題に当事者意識をもつ継続的なコミュニティ型の学習支援センターを立ち上げ、被災地から相対的貧困の子どもをサポートするモデル発信を目指 す

主な活動スケジュール 概要

11 月~ コ ミ ュ ニ テ ィ 型

学 習 支 援 セ ン タ ー の 開 設

7月~ 1月

9 月~

7月~

参考資料

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調査概要

調査対象- 仙台市内の仮設住宅、借り上げ住宅に居住し、当団体の活動に参加している家庭

調査手法- インタビュー調査(主)

- 一次情報の収集(従)

調査期間- 2011 年 7月 15 日~ 9 月 15 日( 2ヶ月)

調査内容- 家庭の経済状態、子どもと親の関係性の変化、人間関係の変化、

生活環境(居住環境・移動手段・課外活動等)の状況、子どもの状態

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実施体制

体制図 役割 担当

調査設計、実施、執筆

資金提供

大橋雄介NPO 法人アスイク 代表理事

本間優子宮城教育大学 4 年

公益財団法人石橋財団

アドバイザー

調査設計、分析などに対するアドバイス提供

阿部彩氏国立社会保障・人口問題研究所 研究部長

有本昌弘氏東北大学大学院教育学研究科 教授

阿久津徹氏株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 主任研究員

岩下広武氏株式会社リクルートマネジメントソリューションズ コンサルタント

実施者

協力組織調査実施協力 NPO 法人 ETIC.  ソーシャルアジェンダラボ

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5 つのKey Message

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あぶりだされた貧困A poverty became obviousA poverty became obvious

Key Message ①

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元から裕福ではなかった世帯が取り残されている例

減給、失業などに直面していた人の多くは、零細企業の従業員や自営業者

「貯金 なんてないよ」と語る仮設住宅入居者

数ヶ月の立替えができず に借り上げ住宅を断念した仮設住宅入居者

ある避難所では、子育て世帯の 2/3 は年収200万円~ 400万円

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日本における子どもの相対的貧困率

10.9%

20091985 1997

15.7%

6.4 人に 1 人13.4%

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不利の連鎖A chain of disadvantagesA chain of disadvantages

Key Message ②

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学校に通えなくなったので、石巻から仙台に転校してきま した。

でも、授業の進度が全然違うので、最初のテストでひどい点数をとってしまって。

家で挽回しようにも、 5 人家族で 2間の部屋で、勉強にも集中できる環境ではありません。

かといって、塾に行かせる余裕はないし。

それからは、やる気を失ってしまっています。

(中学生の母親、借り上げ住宅入居)

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不利の連鎖の一例

※ 生活環境には、「居住環境」、「移動手段」、「学校外活動・余暇活動」などが含まれる。

(出所)『子どもの最貧国・日本』山野良一を元に作成

家庭の経済状態

経済的逼迫感

親のストレス状態

子どもへの関わり方

子どもの状態(学力・精神状態 etc. )

生活環境(※)人間関係

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問題のタイムラグTime lag of problemsTime lag of problems

Key Message ③

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阪神淡路大震災後に教育的配慮が必要となった子どもの推移(要因別 )

家族友人関係の変化

経済環境の変化震災の恐怖

学校環境の変化

通学状況の変化

その他

平成 8年 10 年 12 年 14 年 16 年

400 人

800 人

1,200 人

1,600 人

2,000 人

住宅環境の変化

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いくつかの予兆

借り上げのアパートで暮らすようになると、避難所と違って同じような境遇にあった人と話すことができなくなりました。

一人でいると、誰かに話を聞いて欲しくなります。

(中学生の母親、借り上げ住宅入居)

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いくつかの予兆

娘は家でも学校のこととか話さなくなりました。ずっとヘッドホンをしていたり、ネットをしていたりで。

私がどうしてもお金 のこととか、自分のつらい気持ちを子どもに話してしまって、子どもは居場所がないのかもしれません。

(中学生の母親、民間賃貸住宅)

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いくつかの予兆

ローン返済の督促がはじまっている被災者に対する妬みの発生(詳細後述)

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被災地の地域特性Characteristics of the stricken areaCharacteristics of the stricken area

Key Message ④

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地域特性の例

定番のキャリアパスが崩れた地域

学校が通常通り機能していない地域

都市に被災者が混在した地域

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都市型の被災地「仙台」

仮設住宅 1,500戸⇔借り上げ住宅 8,000戸

借り上げ住宅入居者の 1/4 は仙台市外からの転入者

学校外の教育や生活そのものにお金 がかかる

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支援による弊害Prejudice and lost of self-respectPrejudice and lost of self-respect

Key Message ⑤

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妬み・偏見の発生

他のお母さんたちからは、「いいじゃん、物を自分で買わなくて済んで」、「家賃タダでいいね」、「義捐金 たくさんもらったんでしょ」、「電化製品も新品のやつをタダでもらったんでしょ」とか言われることもあります。

でも、私たちはお金 で買えないものをたくさん失ってるんです。

※同様のコメント多数

(中学生の母親、仮設住宅入居)

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妬み・偏見の発生

(被災してない)周りの子どもからキツイことを言われてる子どももいます。

「お前だけが被災者じゃないんだ」とか、先生の見てないところで言われたそうです。

同じ学校にいても支援物資をもらえるのは被災した子どもだけなので、僻みみたいなのが出てるんじゃないでしょうか。

(中学生の父親、借り上げ住宅入居)

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自尊感情の低下

何かこうして欲しいと思うことがあっても、恐縮しちゃうんです。求めちゃいけない、という気持ちになってます。

学習サポートにもお金 を払いたい。無料だと逆に負担になるんです。

(小学生の母親、仮設住宅入居)

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キーメッセージ

① あぶりだされた貧困

② 不利の連鎖

③ 問題のタイムラグ

④ 被災地の地域特性

⑤ 支援による弊害

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今後必要な視点

① 相対的貧困として問題を捉える

② 包括的な支援と支援者のネットワーキング

③ 単発ではなく長期的な取り組み

④ 地域特性を踏まえた支援

⑤ 偏見や自尊感情の低下に留意した支援

⑥ 子ども自身の自走を見据えた支援

⑦ 個 々への支援よりも土台の変革