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2013 8 回マニフェスト大賞 「優秀成果賞」及び「審査委員会特別賞」受賞 平成 26 年度 Vol.10 (通算 137 号) スポーツの振興による地域活性化について 平成 26 12 横浜市会 議会局政策調査課 編集・発行

2013 8回マニフェスト大賞 「優秀成果賞」及び「 …...2018/08/09  · 2013第8回マニフェスト大賞 「優秀成果賞」及び「審査委員会特別賞」受賞

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2013第8回マニフェスト大賞

「優秀成果賞」及び「審査委員会特別賞」受賞

平成 26年度 Vol.10

(通算 137号)

スポーツの振興による地域活性化について

平成26 年12 月

横浜市会 議会局政策調査課 編集・発行

1 国の法律及び計画の沿革と取組

(1)法律及び計画の沿革と概要

ア スポーツ振興法

イ スポーツ振興基本計画

ウ スポーツ立国戦略

エ スポーツ基本法

オ スポーツ基本計画

コラム 日本のスポーツ基本計画と海外のスポーツ行政計画の一覧比較

参 考 地域におけるスポーツ振興の効果に関する世論調査

(2)スポーツの振興による地域活性化に関連する国の方針・事業

ア スポーツツーリズム推進基本方針

イ スポーツを通じた地域コミュニティ活性化促進事業

コラム 2020年東京オリンピック・パラリンピック活用地域活性化戦略プラン検討会

2 神奈川県の取組

(1)神奈川県スポーツ振興指針「アクティブかながわ・スポーツビジョン」

(2)事業・取組

ア 3033運動

イ 県民スポーツ週間

コラム オリンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020

3 横浜市の取組

(1)横浜市の地域スポーツを取り巻く現状と課題

参 考 横浜市スポーツ栄誉賞受賞者について

(2)横浜市スポーツ推進計画

(3)横浜市中期4か年計画 2014~2017 原案(抜粋)

参 考 横浜熱闘倶楽部の事業について

参 考 よこはまウォーキングポイント事業について

参 考 横浜マラソンの開催と地域活性化について

コラム 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた横浜市の取組

4 他都市・企業の取組

(1)新潟県聖籠町「株式会社アルビレックス新潟との連携による地域活性化」

参 考 健康づくり・スポーツ推進特別委員会行政視察について

(2)埼玉県さいたま市 「さいたまスポーツコミッション」

(3)吉本興業株式会社 「ふるさとアスリート制度」

参考図書一覧

目 次

……P1

……P1

……P1

……P2

……P3

……P5

……P6

……P8

……P9

……P9

……P13

……P15

……P19

……P23

……P23

……P23

……P24

……P27

……P38

……P39

……P46

……P48

……P58

……P59

……P61

……P64

……P68

……P69

……P71

……P73

地域社会の空洞化や人間関係の希薄化が問題となっている中、「スポーツの振興」の果たす役

割は、健康の増進や体力の向上にとどまらず、地域社会の再生や地域経済の活力創造にも寄与す

るものとして期待が高まっています。

国や地方自治体においても、スポーツを核とした様々な地域活性化策が展開されています。

本稿では、スポーツに関連する法律や計画の沿革と概要並びに最近の国、県、横浜市及び他都

市等の動向を御紹介していきます。

1 国の法律及び計画の沿革と取組 (1) 法律及び計画の沿革と概要

ここでは、日本におけるスポーツに関連する法律と計画の沿革及び概要を御紹介します。

ア スポーツ振興法(昭和 36 年6月公布)

昭和 36 年、オリンピック東京大会を 3 年後に控え、盛り上がる国民の世論を背景に、我が

国におけるスポーツの振興に関する施策の基本を明らかにする「スポーツ振興法」が制定され

ました。同法は、スポーツの定義、国や地方公共団体における計画の策定、指導者の充実や施

設の整備などのスポーツの振興のための措置、国の補助などを網羅的に定めており、我が国に

おけるスポーツ振興の基本となってきました。 (平成 22 年度文部科学白書より抜粋)

イ スポーツ振興基本計画(平成 12 年9月策定)

「スポーツ振興法」の制定後、文部省(当時)では、スポーツ振興施策について、数次にわ

たり保健体育審議会に諮問を行い、その答申を受けて施策を展開してきました。

平成 12 年には、スポーツ振興投票制度(「スポーツ振興くじ」)の開始などといった新たな

状況の下、青少年の体力・運動能力の低下傾向、身近なスポーツ環境の整備充実の必要性の高

まり、国際競技力の長期的・相対的低下傾向などのスポーツをとりまく諸課題に、中長期的な

ス ポ ー ツ の 振 興 に よ る 地 域 活 性 化 に つ い て

ア スポーツ振興法

昭和36 年6月公布

イ スポーツ振興基本計画(平成13 年度~23 年度)

平成12 年9月策定

スポーツ振興法の定めに基づき策定

エ スポーツ基本法

平成23 年6月公布

オ スポーツ基本計画

平成24 年3月策定

スポーツ基本法の定めに基づき策定

ウ スポーツ立国戦略

平成22 年8月策定

☆新たなスポーツ文化の確立

50年ぶりの全部改正

<法律、計画の沿革>

- 1 -

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グループ
1 国の法律及び計画の沿革と取組
T21
テキストボックス
(1) 法律及び計画の概要と沿革

視点に立って対応するため、「スポーツ振興法」に基づく「スポーツ振興基本計画」が策定さ

れ(18 年改定)、施策の推進の上で大きな役割を果たしました。

「スポーツ振興基本計画」では、実現すべき政策目標として

1. スポーツの振興を通じ、子どもの体力の低下傾向に歯止めをかけ、上昇傾向に転ずること。

2. 生涯スポーツ社会実現のため、できるかぎり早期に、成人の週1 回以上のスポーツ実施率

が 50%となること。

3. オリンピックにおけるメダルの獲得率が、夏季・冬季合わせて3.5%となること。

を掲げており、その達成に向けて多様な施策が推進されてきました。

(平成 22 年度文部科学白書より抜粋)

ウ スポーツ立国戦略(平成 22 年8月策定)

文部科学省をはじめ関係者による多面的な取組を通して、子どもの体力の低下傾向に歯止め

がかかり、成人のスポーツ実施率やオリンピックにおけるメダル獲得率が上昇するなど、一定

の成果を得てきましたが、いずれも現時点では「スポーツ振興基本計画」の掲げる目標値には

達していません。また、一方で、少子高齢化や情報化の進展に伴う様々な社会問題が顕在化し、

スポーツ振興の重要性が増す中、制定から半世紀を経過した「スポーツ振興法」は、スポーツ

の現状や新しい課題に十分に対応し切れなくなっているのではないか、との指摘も近年なされ

ており、スポーツ振興のための新たな法律を制定する必要性がクローズアップされるようにな

ってきました。

このため、文部科学省では、「スポーツ振興法」の見直しと新たな「スポーツ基本法」の制

定を視野に入れながら、今後のスポーツ政策の基本的な方向性を示すスポーツ立国戦略を平成

22 年 8 月 26 日に策定しました。 (平成 22 年度文部科学白書より抜粋)

≪概要図≫

- 2 -

このスポーツ立国戦略には、次のような記載があります。

●スポーツは、人格の形成、体力の向上、健康長寿の礎であるとともに、地域の活性化や、ス

ポーツ産業の広がりにより経済的効果など、明るく豊かで活力に満ちた社会を形成する上で欠

かすことのできない存在である。 (スポーツ立国戦略「はじめに」より抜粋)

●スポーツを通じた交流は、地域の一体感や活力を醸成し、人間関係の希薄化等の問題を抱え

る地域社会の再生につながる。

●スポーツ振興によるスポーツ産業の広がりは、新たな需要と雇用を生み、我が国の経済成長

に資するとともに、スポーツによる国民の心身の健康の保持増進は、医療・介護費抑制等の経

済的効果を生む。

●国際競技大会などにおける日本人選手の活躍は、我々に日本人としての誇りと喜び、夢と感

動を与え、国民の意識を高揚させ、社会全体の活力となるとともに、国際社会における我が国

の存在感を高める。

(スポーツ立国戦略 Ⅰ.スポーツ立国戦略の目指す姿「新たなスポーツ文化の確立」より抜粋)

エ スポーツ基本法(平成 23 年6月公布)

平成 23 年 6 月 17 日、「スポーツ基本法」が参議院で可決、成立し、同年 8 月 24 日施行

されました。昭和 36 年 6 月 16 日に「スポーツ振興法」が公布されて以来、50 年ぶりの全

面改正となりました。

我が国のスポーツの振興は、「スポーツ振興法」に基づき施策を推進してきました。しかし、

少子高齢化や情報化の進展に伴う様々な社会問題が顕在化し、スポーツ振興の重要性が増す中

にあって、「スポーツ振興法」は、

•現在の主要施策である地域のスポーツクラブの育成、ドーピング防止活動支援、競技者育成

などに関する規定がない

•スポーツ権の概念やスポーツ仲裁についての言及がない

•プロスポーツを対象としていない

など、スポーツの現状や新しい課題に十分に対応しきれなくなっているのではないか、との指

摘が近年なされており、スポーツの振興のための新たな法律を制定する必要性がクローズアッ

プされるようになってきました。

「スポーツ基本法」は、スポーツに関し、基本理念を定め、国・地方公共団体の責務やスポ

ーツ団体などの努力などを明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を

定め、施策を総合的・計画的に推進し、国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形

成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的としています。

また、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利である」ことや、「スポ

ーツ立国戦略」で盛り込まれた考え方である地域スポーツとトップスポーツの「好循環」につ

いて盛り込まれています。

さらに、プロスポーツを正面から対象とすること、ドーピングやスポーツに関する紛争処理

の規定を盛り込むことなど、「スポーツ振興法」には規定されていなかった内容が新たに盛り

込まれています。 (平成 23 年度文部科学白書より抜粋)

- 3 -

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テキストボックス
(1) 法律及び計画の概要と沿革
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グループ
1 国の法律及び計画の沿革と取組

また、このスポーツ基本法には、スポーツ振興法には無かった次のような記載があります。

●スポーツは、人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸

成するものであり、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の再生に寄与するものであ

る。 (スポーツ基本法 前文より抜粋)

●スポーツは、人々がその居住する地域において、主体的に協働することにより身近に親しむ

ことができるようにするとともに、これを通じて、当該地域における全ての世代の人々の交流

が促進され、かつ、地域間の交流の基盤が形成されるものとなるよう推進されなければならな

い。 (スポーツ基本法 基本理念より抜粋)

≪「スポーツ基本法」概要≫

(文部科学省スポーツ基本計画リーフレットより抜粋)

- 4 -

オ スポーツ基本計画(平成 24 年3月策定)

平成 23 年 6 月に制定された「スポーツ基本法」に基づき、24 年3 月、文部科学省は「ス

ポーツ基本計画」を策定しました。同計画は、「スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊か

な生活を営むことができる社会」の創出を目指し、今後 10 年間の基本方針と 5 年間に実施す

る施策を示しています。

同計画では、政策課題として、①子どものスポーツ機会の充実、②ライフステージに応じた

スポーツ活動の推進、③住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備、④国際競技力の

向上、⑤オリンピック等の国際競技大会等の招致・開催等を通じた国際交流・貢献の推進、⑥

ドーピング防止やスポーツ仲裁の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上、⑦ス

ポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと地域におけるスポーツとの連携・協

働の推進、の七つを掲げています(図表 2-7-1)。そして、これらの政策課題ごとに政策目

標を設定し、スポーツの推進に取り組み、スポーツ立国の実現を目指すこととしています。

(平成 24 年度文部科学白書より抜粋)

【出典】(1-(1)-ア、イ、ウ、エ、オ) 文部科学省 文部科学白書 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/monbu.htm

【出典】(1-(1)-エ) 文部科学省 スポーツ基本法 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/index.htm

【出典】(1-(1)-オ) 文部科学省 スポーツ基本計画 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/plan/index.htm

【出典】(1-(1)-ウの概要図) 文部科学省 スポーツ立国戦略

http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/rikkoku/1297182.htm

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テキストボックス
(1) 法律及び計画の概要と沿革
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1 国の法律及び計画の沿革と取組

コラム 日本のスポーツ基本計画と海外のスポーツ行政計画の一覧比較

ここでは、日本のスポーツ基本計画と比較する形で、海外のスポーツ行政計画を御紹介します。

- 6 -

【出典】文部科学省 海外のスポーツ基本計画に関する調査研究(平成 25年度)

http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/chousa/detail/1342182.htm

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1 国の法律及び計画の沿革と取組

参考 地域におけるスポーツ振興の効果に関する世論調査

ここでは、平成 25 年1月に文部科学省が実施した「体力・スポーツに関する世論調査」の結

果を元に、地域におけるスポーツの振興に関する世論の動きを御紹介します。

地域におけるスポーツ振興に期待する効果については、「地域のコミュニティの形成・活性化」

を挙げた者の割合が 40.6%と最も高く、以下、「高齢者の生きがいづくり」(38.0%)、「親子や

家族の交流」(35.6%)、「子どもの体力つくり」(34.5%)などの順となっています。(複数回

答、上位4項目)※各項目上段が今回(平成25 年)調査、下段が平成 21 年調査

スポーツ振興に期待する効果に「地域のコミュニティの形成・活性化」を挙げた人の割合は平

成 16 年以降、26.0%→36.3%→37.1%→40.6%と増加しています。(下図は、文部科学省「体

力・スポーツに関する世論調査(平成 25 年1月調査)」掲載データを元に作成)

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

平成16年 平成18年 平成21年 平成25年

地域のコミュニティの形成・活性化を挙げた人の割合

【出典】文部科学省 体力・スポーツに関する世論調査(平成 25年 1月調査) http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa04/sports/1338692.htm

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(2) スポーツの振興による地域活性化に関連する国の方針・事業

ア スポーツツーリズム推進基本方針(平成23 年6月策定)

日本の魅力あるスポーツ資源を最大限に活用し、異なる地域や国の人々の交流を呼び起

こし、国内観光振興及びインバウンド拡大の促進が求められています。ここでは、スポー

ツ団体、観光団体、スポーツ関連企業、旅行関係企業、メディア及び文部科学省など関係

省庁が一同に会する「スポーツ・ツーリズム推進連絡会議」により、平成 23 年6月に取

りまとめられた「スポーツツーリズム推進基本方針」の内容を御紹介します。

スポーツツーリズム推進基本方針(概要)

Ⅰ.スポーツツーリズムとは

1.スポーツとツーリズムの融合で目指すべき姿

①「より豊かなニッポン観光の創造」(スポーツを通じて新しい旅行の魅力を創り出し、

我が国の多種多様な地域観光資源を顕在化させ、訪日旅行・国内観光の活性化を図る)

②「スポーツとツーリズムの更なる融合」(更に意図的に融合させることで、目的地へ旅

する明確な理由を作り出し、新しい価値・感動と共に、新たなビジネス・環境を創出)

2.スポーツツーリズムに期待する効果

インバウンド拡大等の観光振興のみならず、「スポーツ立国戦略」と協調したスポーツ

振興はもちろん、健康増進、産業振興など幅広く効果。

3.スポーツを活用した観光まちづくり

スポーツと観光の垣根を越えて地方公共団体内や各種団体間で連携・協働し、大会・

合宿招致、プロスポーツ誘致などを観光まちづくりの一環として政策に位置づける必要。

Ⅱ.スポーツツーリズムの可能性の検証

1.スポーツツアーの商品化に向けた検証

プロ野球などの「観る」スポーツやゴルフ、スキーなどの「する」スポーツと周辺観光と

のツアーをファムトリップで検証し、商品化の可能性の高さを確認。

2.スポーツツアーを売り込む国別戦略

韓・中・台・豪のターゲット国ニーズ調査の結果を踏まえ、国別の「観る」「する」スポーツ

のジャンル、周辺観光との組合せ方、情報提供方法等を考慮した戦略的ツアー造成が必要。

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(2) 地域活性化に関連する国の方針・事業
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1 国の法律及び計画の沿革と取組

3.情報提供による行動喚起

国際大会目当ての訪日客への観光情報提供による観光行動喚起、フリーペーパーによるス

ポーツイベントへの誘客、海外の国際大会における日本観光プロモーションの有効性を確認。

4.訪日外国人旅行者の受入環境の整備

多言語対応等の進んだ大相撲・JRA競馬、講道館を模範として、今後、武道やプロスポ

ーツなどでチケット販売体制の整備、観光要素付加による複合集客モデルの創出が必要。

5.国際競技大会・合宿の招致・開催

東京都、大阪市、高松市、各務原市などでのスポーツイベントの招致・開催に係る取

組を踏まえ、国の支援や地域の理解の必要性と外国人参加者拡大に向けた課題を提起。

- 10 -

6.地方及び海外でのスポーツツーリズム推進の取組

海外からのゴルフ観光誘客を積極的に図る福島県や民間主体のアイデアを活かしながら

総合的にスポーツツーリズムを推進する沖縄県の取組、文化・スポーツと観光が一体化した

カナダ・韓国の推進組織・行政体制は好参考例。

Ⅲ.経済効果を活用したスポーツツーリズムの推進

スポーツイベント開催がもたらす経済効果を事後を含め正確に把握し幅広く情報公開する

ことで官民の投資的支出の妥当性を明らかにし、地域ぐるみでの大会・合宿の招致・開催を実

現。

Ⅳ.重視すべきマーケティングの観点

海外と国内を分け、サービス産業で用いられるマーケティング手法「7つの P」

(Product,Price,Place,Promotion,Process,Physical Evidence,Personnel)の視点からマー

ケティング活動を最適化。

1.海外向けマーケティング

リピーターや留学生など長期滞在者、富裕層をターゲットとした戦略構築や、適切な価

格設定による商品化と予約・購入しやすい海外販売ルートの開拓、多言語対応と日本らしい

施設・サービスの魅力化、さらにはライバル国との差別化が必要。より詳細な調査分析も。

2.国内向けマーケティング

美しい景観や高低差などの環境資源の活用や既存スポーツイベントの内容の工夫改善、宿

泊・移動との連動により、新たなニーズを生み出すことが可能。スポーツ団体やスポーツシ

ョップにおけるツアー商品の情報発信や旅行業登録による委託販売も有効。

Ⅴ.スポーツツーリズムの推進に向けた基本的方向 ~5つの方策~

1.魅せるスポーツコンテンツづくりとスポーツ観光まちづくり

地域ごとに差別化されたコンテンツをより魅力化するとともに、国の事例収集・発信による

ツアー商品市場の環境形成と新規参入地域へのコンサルテーションが必要。

また、まちづくり施策と連動し、各種イベントの招致をはじめ、プロチームや公営競技の活

用、スポーツ・観光との連携組織づくり、受入インフラとしての ICT やコールセンターの活用、

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1 国の法律及び計画の沿革と取組
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(2) 地域活性化に関連する国の方針・事業

留学生などの協力も得たアクセス表記等の多言語化が必要。

さらに、スポーツ施設の魅力化のためにエンターテイメントの要素を付加することや、小規

模イベント、スポーツ合宿受入のための廃校等の既存施設の有効活用も必要。

2.国際競技大会の積極的な招致・開催

短期的な経済効果だけでなく、中長期的な国のプロモーションにもなるため、地方公共団

体・スポーツ団体のみならず、国を挙げて招致に取り組むことが必要。

メガイベント招致は政治・経済・文化を含めた国の総合力の勝負となるため、有力ライバル

国に対抗できるだけの総合戦略的思考が必要であり、中小のスポーツイベントもマーケティン

グデータに基づいたターゲット設定や招致の是非の判断が必要。

また、招致活動の経験が後世に活かされるよう、経験した人材やノウハウに関する情報の管

理や観光誘客のための施設のモニュメント化など招致・開催後の活動が必要。

3.旅行商品化と情報発信の推進

本格的な商品化は、ファムトリップなどでの成果と課題を踏まえた促進と共に、将来性のあ

るASEAN諸国を対象としたニーズ調査などが必要。スポーツ観戦チケットの海外販売に向

けてはリスクヘッジを行う仕組みづくりや国際間の大会エントリーシステムなどの検討が必

要。クールジャパン戦略とも協調し、デザイン、アニメ、ファッション、映画など日本の魅力

と組み合わせた情報発信や日本ブランドの構築、「スポーツ観光マイスター」の活用、ターゲ

ット国に特化・集中した観光プロモーション展開が必要。

4.スポーツツーリズム人材の育成・活用

スポーツツーリズム人材の認定制度の創設やセカンドキャリアとしての元アスリートの活

用、高度専門人材としての外国人の活用、大学等でのスポーツツーリズムの教育機会の充実が

必要。幼少期からの多様なスポーツや旅行の経験も極めて有意義。

5.オールジャパンのスポーツツーリズム推進連携組織(JSTA)の創設

本会議の検討を引継ぎ、国際競技大会招致等のためのスポーツと観光の団体・企業などと国

の連携組織となる民主導のJSTA創設の動きを観光庁ほか関係省庁で支援。

【参考・出典】国土交通省観光庁 スポーツツーリズム推進基本方針 http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sports/

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イ スポーツを通じた地域コミュニティ活性化促進事業

ここでは、国が都道府県・市町村・体育協会に委託する形で実施している、「スポーツを

通じた地域コミュニティ活性化促進事業」の内容を御紹介します。

1 目的・要旨

スポーツは、人と人との交流及び地域と地域の交流を促進し、地域の一体感や活力を醸

成するものであり、人間関係の希薄化等の問題を抱える地域社会の活性化に大きく寄与す

るものである。

スポーツが果たすそうした役割や意義を踏まえ、本事業では、大学等が保有するスポー

ツ資源(人材、施設)を効果的に活用した取組を実施することにより、地域住民の運動・

スポーツへの参加意欲を高め、スポーツを通じた地域コミュニティの活性化を促進する。

2 事業内容

大学や企業が保有している人材や体育館、グラウンドなどのスポーツ資源を地域住民の

スポーツ活動に活用することは、地域スポーツ環境の整備に効果的であり、大学や企業を

核とした地域コミュニティの活性化にも繋がる。

そのため、本事業では、地方公共団体が大学や企業、スポーツ団体と連携を図り、大学

や企業のスポーツ施設等において、教員や学生等による地域住民を対象とした定期的なス

ポーツ教室、スポーツセミナーなどの指導やスポーツ交流大会、筋力トレーニング等を実

施する。

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(2) 地域活性化に関連する国の方針・事業

※ 平成25 年度選定団体のうち、聖籠町と株式会社アルビレックス新潟の取組内容については、64 ペ

ージにて詳しく御紹介しています。

【出典】 文部科学省 平成 25年度「スポーツを通じた地域コミュニティ活性化促進事業」選定結果について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/05/1335040.htm

- 14 -

コラム 2020 年東京オリンピック・パラリンピック活用地域活性化戦略プラン検討会につ

いて

ここでは、経済産業省関東経済産業局が 2020 年東京オリンピック・パラリンピックによ

る地域経済活性化を東京地域だけではなく日本全体に広げていくために立ち上げた「2020 年

東京オリンピック・パラリンピック活用地域活性化戦略プラン検討会」の中間とりまとめ報告

書(概要版:平成 26 年7月)の内容を御紹介します。

1.地域活性化戦略プラン検討会の立ち上げ

・ 昨年 9 月 8 日に 2020 年のオリンピック・パラリンピック開催地が東京に決定した

ことを受けて、東京を中心として地域経済活性化についての期待が高まっている。この

期待を現実のものとし、さらにはその波及を東京地域にとどまらず、関東広域、さらに

は日本全体に広げていくことが重要

・ 地域経済の活性化を実現するためには、これから開催までの期間に、世界へ向けて「日

本」及び「地域」の魅力を発信し、地域経済への関心を呼び起こすための事前準備が各

方面で多数行われることが必要

・ このため、関東経済産業局では、「地域活性化地域戦略プラン検討会」を設置。これま

で 2 回の検討会及び 3 回のコラボレーションシンポジウムを開催

「2020 年東京オリンピック・パラリンピック活用地域活性化戦略プラン検討会」

メンバーリスト

岡田 基幸 (一財)浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)専務理事

小野打 恵 株式会社ヒューマンメディア 代表取締役社長/プロデューサー

河野 雄一郎 森ビル株式会社 取締役常務執行役員

鈴木 淳 台東デザイナーズビレッジ村長

浜野 慶一 株式会社浜野製作所 代表取締役

藤本 壮介 藤本壮介建築設計事務所 主宰/建築家

北條 規 株式会社ものづくり研究所 代表取締役

武藤 真祐 祐ホームクリニック 理事長/医療法人社団 鉄祐会

行正 り香 株式会社 REKIDS 代表取締役/料理研究家

安藤 久佳 関東経済産業局長(座長)

野口 聡 関東経済産業局 地域経済部長(副座長)

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1 国の法律及び計画の沿革と取組
T21
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コラム 2020年東京オリンピック・パラリンピック活用 地域活性化戦略プラン検討会
政策調査課
グループ

2.2020 年に発信する日本の魅力

・2020 年に世界に向けて発信することが望ましい「日本の魅力」として

① 日本の代名詞になっているアニメ・漫画等ポップカルチャー

② 強靭さと魅力を兼ね備えた新たなまちづくり

③ 匠の国日本が誇るものづくり技術と最新テクノロジー

④ 和食、伝統工芸品等の日本の伝統文化と現代の日本食

⑤ 超高齢社会に向けての「解決策」の提示

の 5 つを設定

・これらの魅力の発信を通じて、地域活性化を実現するためのモデルプランを今回策定。

3.地域活性化のためのおもてなし戦略プランの呼称について

東京招致の際にキーワードとなった「おもてなし」を念頭に、5 つのテーマのキャッチフ

レーズの頭文字をとって「地域活性化のためのおもてなし戦略プラン」を統一呼称とする

4.日本の魅力の発信を通じて地域活性化を実現するための視点(省略)

- 16 -

5.戦略プランを実行するための視点

個々の具体的なテーマの枠にとどまらない地域活性化に取り組む際に考慮すべき重要な

事項

1 既に地域にあるモノを再発見すること

・「個性」を打ち出す

地域の人にこれまで見過ごされていた「価値」を「個性」として再評価して発信する

ことが重要。

・「ストーリー」を作り、発信する

リピータもしくはファンを増やす観点から、「ストーリー」を用意することが重要

・若い世代の積極的な登用と子供世代への働きかけ

1964 年東京オリンピック時に倣い大胆に若い世代を登用することや、6年後に青

年となる 「子供世代」への働きかけが重要

2 今、地域にはないヒト・モノ・コトを加える

・特徴的な空間の創出

観光客に感動を与える建物や風景は、地域活性化の大きな原動力となる可能性

・「日本食」のサービスの創出

地域に魅力的な食サービスを創出することは重要

・新たなPR手法の導入

「アニメ」「ゆるキャラ」の活用などを検討することが有効

・外国人を地域に招くという視点を持つ

「外国人」の目線で、スムースに道案内が出来るか、会話が出来るかなど「提供す

るサービス」を検討し、しっかり準備することが重要

・クリエータ等のクリエイティブ人材の招聘

地域の付加価値を高めるクリエイティブ人材を積極的に招聘することが重要

・新たなプロジェクトへの積極的な挑戦

中長期的な目標の設定をしつつも、遅れることなく、大胆に新しいプロジェクトに

取り組んでいく勇気を持つことが重要

3 地域を超えて「骨太」にする

・広域連携の重要性

海外からの訪問客への発信は、個々の地域の違いを追求してバラバラに取り組むよ

りも、広域で連携して、地域全体の魅力を発信する方が有効

・情報発信拠点の構築の重要性

もの作りや工業製品に関心を持つ外国人に対して一元的な情報提供を行うことが有

4 地域活性化の方向性の明確化

地域活性化には中長期の取組が必要。その取り組みの方向性が途中でぶれないように、

「何がしたいのか」というコンセプトを最初に明確にすることが地域活性化のリーダ

ーにとって非常に重要

5 取組の時間軸と「日本」の発信の重要性について

2020 年を飛躍のための発射台としつつも、その先の着地や着地後の歩みを視野に入

れて、今後の取り組みを計画し、進めていくことが重要

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1 国の法律及び計画の沿革と取組
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コラム 2020年東京オリンピック・パラリンピック活用 地域活性化戦略プラン検討会
政策調査課
グループ

6.地域活性化のためのおもてなし戦略プランについて

・この「地域活性化のためのおもてなし戦略プラン」は、地域の企業や自治体などの皆様

が 2020 年東京オリンピック・パラリンピック開催というビックチャンスを活用し、新規

ビジネス創出や地域活性化に取り組む際の参考やきっかけにしていただくためのプラン。

・2020 年に世界に向けて発信することが望ましい「日本の魅力」として、①アニメ・ポ

ップカルチャー分野、②まちづくり・国土強靱化分野、③ものづくり・テクノロジー分野、

④伝統文化・日本食分野、⑤超高齢先進国分野の5つをテーマに設定。

具体的なおもてなし戦略プラン

① アニメ・ポップカルチャー分野

・ プラン1 地域を代表するアニメキャラクター・スポーツの祭典

・ プラン2 アニメキャラクターが案内するテーマパーク列島「地元体験ツアー」

・ プラン3 「Kawaii」ファッションの祭典

・ プラン4 街中における臨場感体験型イベントの開催

② まちづくり・国土強靱化分野

・ プラン5 「災害に強い都市」シンポジウム

・ プラン6 「印象的な街」コンテストの開催

・ プラン7 全国商店街特産品リレープロジェクト

③ ものづくり・テクノロジー分野

・ プラン8 ものづくり現場ツアー

・ プラン9 スポーツ産業貢献中小企業 100 選

・ プラン 10 「ロボットスポーツコンテスト」の開催

・ プラン 11 Made in Japan コーナーの設置

④ 伝統文化・日本食分野

・ プラン 12 「ザ・日本の祭り!」見本市

・ プラン 13 英雄たちへの伝統工芸品の贈呈イベント

・ プラン 14 ニッポンの埋蔵品コレクション展

・ プラン 15 「英雄たちの日本食」コンテストの開催

・ プラン 16 「パティシエコンテスト」の開催

・ プラン 17 「英雄たちの被災地訪問」記録映画の上映

⑤ 超高齢先進国分野

・ プラン 18 障害を持つスポーツ選手向けサポート器具コンテスト

・ プラン 19 元気な超高齢先進地域シンポジウム

・ プラン 20 スポーツビジネスアワード表彰式典

※具体的なプランの企画、実施に際しては、オリンピック・パラリンピックの知的財産

権等の侵害とならぬよう、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、

日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会等に事前に確認していただきま

すようお願いいたします。

【出典】 経済産業省 関東経済産業局 「2020年東京オリンピック・パラリンピック活用地域活性化戦略プラン検討会」中間とりまとめ報告書http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/olympic/

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2 神奈川県の取組 (1) 神奈川県スポーツ振興指針「アクティブかながわ・スポーツビジョン」

平成 16 年度策定の神奈川県スポーツ振興指針「アクティブかながわ・スポーツビジョ

ン」は、平成 23 年 12 月に全面的に改定されました。ここでは、本指針の改定後の内容

について御紹介します。

ア 策定及び改定の経緯について

神奈川県及び神奈川県教育委員会では、「スポーツのあるまち・くらしづくり」を基

本理念として、県民の皆さんが、いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも、スポー

ツに親しむことのできる生涯スポーツ社会を実現するために、神奈川県スポーツ振興指

針「アクティブかながわ・スポーツビジョン」を 2004(平成 16)年度に策定しまし

た。

指針における具体的な施策については、第3章の「当面の取組み」として、2006(平

成 18)年度までに実施または実施予定の取組みを示しましたが、2006(平成 18)年

9月に改定された国のスポーツ振興基本計画や、 2007(平成 19)年7月に策定した

県の総合計画「神奈川力構想」などと整合を図るために見直し、2008(平成 20)年

3月に改訂いたしました。

改訂版の当面の取組みの年次期限を 2010(平成 22)年度としたことから、関係団

体等の御意見や県民の皆様に御協力いただいた県民意見募集の結果等を踏まえ、平成23

年 12 月に「神奈川県スポーツ振興指針『アクティブかながわ・スポーツビジョン』」を

改定しました。

(神奈川県ホームページ/神奈川県スポーツ振興指針「アクティブかながわ・スポーツビジョン」

について より抜粋)

イ スポーツ振興における県の役割について

本指針内には、スポーツ振興における県の役割が記載されています。

地方分権改革の進展に伴い、住民に身近な基礎自治体である市町村の役割が一層重要

になってくると考えられます。また、自らの地域のことは自らの意志と責任でという「地

域主権型社会」をめざす中で、スポーツ振興における県の機能や役割についても、国や

市町村との関係などについて見直す必要があります。

スポーツを振興する上で、様々なニーズや課題がある中、行政の基本的な役割として

は、住民に身近なスポーツ環境の整備については市町村が、広域的・横断的、あるいは

専門的で高度なニーズや課題に関するスポーツ環境の整備については県が担う必要があ

ると考えられます。

また、地域の特性や状況を踏まえ、県が市町村の役割を補完したり、県と市町村の協

働や連携による施策を推進することも必要と考えられます。

さらに、多様で複雑化するニーズや課題に対応し、効率的かつ効果的な施策を推進す

るためには、今後は行政だけでなく、県民一人ひとりやNPO、スポーツ関係団体等の

主体的な取組みが必要なことから、県民の主体的な参加意識を啓発することや、産業、

大学、行政、民間相互の協働や連携による取組み、また県域を越えた行政相互の協働や

連携等を一層進めることが求められます。

(アクティブかながわ・スポーツビジョン改定版より抜粋)

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(1) アクティブかながわ・スポーツビジョン
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2 神奈川県の取組

ウ アクティブかながわ・スポーツビジョン全体構成図

(アクティブかながわ・スポーツビジョン改定版より抜粋)

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エ 施策・事業体系等

「生涯を通じたスポーツ活動の推進」と「スポーツ活動を拡げる環境づくりの推進」

の2つの大きな柱と下図①~⑦の7つの施策で構成されています。

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(1) アクティブかながわ・スポーツビジョン
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グループ
2 神奈川県の取組

(アクティブかながわ・スポーツビジョン改定版より抜粋)

【出典】 神奈川県 神奈川県スポーツ振興指針「アクティブかながわ・スポーツビジョン」について http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f5245/

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(2) 事業・取組

ここでは、神奈川県の取組の中から、スポーツのあるまち・くらしを実現していくため

に実施されている「3033(サンマルサンサン)運動」と「県民スポーツ週間」を御紹介します。

ア 3033(サンマルサンサン)運動

「3033(サンマルサンサン)運動」は、県民が一人でも多くスポーツに親しみ、健康

で明るく豊かな生活を営んでもらうために、1日 30 分、週3回、3ヶ月間継続して運動

やスポーツを行い、運動やスポーツをくらしの一部として習慣化してもらう活動です。

■運動する時間■

運動効果を高めるための目安として、1 日 30 分(10 分程度の運

動を合計して 30 分でもよい)気軽に身体を動かしましょう。

■運動の頻度■

週3回、できれば2日に1回ずつ行なうことが、生活習慣病の予防

や改善などの運動効果を期待できる目安です。

■運動の継続期間■

3ヶ月間継続することで、「体力が向上した」「体調が良くなった」

などの運動の効果が現れてきます。また、運動習慣も身に付きます。

イ 県民スポーツ週間

県民スポーツ週間とは、県民一人ひとりが、体力や年齢にあわせて運動やスポーツに

親しむことで、健康で明るい生活を営んでもらえるように、そのきっかけづくりとなる

運動・スポーツの実施を奨励する期間を定めたもので、平成 20 年から設置されました。

体育の日(10 月の第2月曜日)を中心とした概ね前後各1週間を期間としています。

県民スポーツ週間の期間中には、神奈川県内各地で、様々なスポーツイベントが開催

されます。

開催されるイベントの一例

・スポーツ体験教室(神奈川県が開催)

神奈川県ゆかりのトップアスリートで構成する「かながわアスリートネットワーク」

のメンバーが先生となる体験教室。元プロスポーツ選手や元オリンピック選手から

教わることができる。

・横浜元気!!スポーツ・レクリエーションフェスティバル 2014(横浜市が開催)

横浜市域全域で、幅広い市民を対象にした誰でも気軽に参加できるスポーツ・レク

リエーション事業。新横浜公園、横浜市内各区スポーツセンター等で開催される。

この他にも、神奈川県、県内市町村、各種スポーツ団体等が開催する様々なイベント、

各種スポーツ施設の一部無料開放などが行われています。

【出典】神奈川県 県民スポーツ週間 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6135/

【出典】神奈川県 3033運動 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4424/

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2 神奈川県の取組
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(2) 事業・取組

コラムオリンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン 2020

神奈川県では、オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定したことに伴い、平

成 25 年 10 月4日に「五輪のための神奈川ビジョン 2020 推進本部」を設置しました。

ここでは、2020 年に向けて神奈川県が取り組もうとする様々な施策の設計図である「オ

リンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン 2020」から「神奈川からオリンピッ

ク・パラリンピックを盛り上げていく取組み」の内容について御紹介します。

平成 25 年9月7日、2020 年(平成 32 年)オリンピック・パラリンピック競技大会

の開催地が東京に決定しました。

2020 年には、世界中から多くの人が日本を訪れ、それとともに世界中からメディアが

やってきて、日本の「いま」をレポートします。

その際に、神奈川の魅力を見て、感じて、さらに体験していただければ、国際的観光地と

しての、あるいは、先進産業の集積地としての神奈川のプレゼンスが高まり、2020 年以降

も、持続的に経済のエンジンを回すことができます。

そこで、本県では、平成 25 年 10 月4日に「五輪のための神奈川ビジョン2020推

進本部」を設置し、2020 年に向けて世界に発信していく神奈川の姿やオリンピック・パ

ラリンピック東京大会に対する支援のあり方を検討してきました。

このビジョンは、2020 年に向けて神奈川県が取り組もうとする様々な施策の設計図で

す。今後、このビジョンが示す設計図をもとに、2020 年を目標にそれぞれの魅力づくり

のための取組みを加速化していくとともに、「世界に誇れる神奈川の姿」をつくりあげて世界

に向けて発信していきます。

また、神奈川県は、大会会場となる東京都心からのアクセスが良好で、空の玄関口となる

東京国際空港(羽田空港)とも至近距離にあることから、隣接県として果たしていくべき役

割があります。

そこで、このビジョンでは、大会をサポートしていくためのメニューを示し、今後、市町

村や地域の方々と一体となって支援体制を構築するとともに、大会組織委員会や東京都など

から支援の要請があった場合には、迅速に対応できるよう、準備します。

このビジョンは2部構成としており、第Ⅰ章では、2020 年に向けて世界に見せる神奈川

モデルを、第Ⅱ章では、神奈川からオリンピック・パラリンピックを盛り上げていく取組み

を、それぞれ示します。

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~東京大会開催サポート~

~観光戦略・魅力発信~

取組みの柱

① オリンピック等の事前キャンプ誘致

② ナショナルトレーニングセンターの誘致

③ パラリンピックの振興

④ 大会ボランティアの育成

⑤ 安全・安心の確保に向けた治安対策の基盤整備

取組みの柱

① 神奈川ならではの観光魅力の創出

② ニーズや好みに応じたプロモーション

③ 手に入れやすい観光情報の提供

④ 快適な旅の提供

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2 神奈川県の取組
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コラム オリンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020
政策調査課
長方形

~スポーツ振興~

~神奈川の人づくり~

【出典】神奈川県 「オリンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020」の策定

http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p831553.html

取組みの柱

① スポーツ選手の育成

② 「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画社会の実現

③ 障害者・高齢者スポーツの推進

取組みの柱

① 市町村・地域と一体となった地域社会づくり

② グローバルな視野を持つ人づくり

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3 横浜市の取組 (1) 横浜市の地域スポーツを取り巻く現状と課題

ここでは、横浜市民のスポーツ活動の状況や横浜市のスポーツ施設、大規模スポーツイ

ベント、プロスポーツなど、横浜市の地域スポーツを取り巻く現状と課題について、横浜

市スポーツ推進計画(平成 25 年3月策定)から抜粋する形で御紹介します。(P36 の「横

浜市内の主な大規模スポーツイベント(国際大会を含む)」の表のみ市民局提供資料。)

市民(地域)のスポーツ活動

公益財団法人横浜市体育協会が実施している「平成 23 年度横浜市民スポーツ意識調

査」(以下「スポーツ意識調査」)では、週1回以上定期的にスポーツ・運動を実施してい

る市民(成人)の割合は、54.5%となっており、平成 19 年度調査時より、7.5 ポイン

ト上昇するとともに、全国平均(平成 21 年度)の 45.3%を上回っています。

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3 横浜市の取組
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グループ
(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題

(2)スポーツの実施状況

1年間にスポーツ・運動を行っていない市民は 18.6%、月1回未満は 8.1%となって

おり、3割近くの市民が日ごろからスポーツ・運動を実施していない状況が分かります。

また、1年間にスポーツ・運動を行っていない市民が、どのような点が変われば行うよ

うになるかでは、「近所など通いやすい場所でできれば(30.6%)」となっており、身近

な場所でスポーツ・運動ができる環境を作ることが必要です。

(1)省略

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(3)地域のスポーツ活動

スポーツ・運動を行っている市民がどのような点が変われば現在以上にスポーツ・運動

を行うようになるかでは、「今で十分・適度である(29.1%)」が1位となっており、ス

ポーツ実施者は、これ以上の頻度を求めていないことが分かります。

また、一方、「近所など通いやすい場所でできれば(28.0%)」が2位であり、スポー

ツ・運動を普段からしている人もしていない人も身近な場所でスポーツを行える場所を求

めています。

(4)公益財団法人横浜市体育協会

公益財団法人横浜市体育協会は、昭和4年に前身の「横浜体育協会」が設立され、ス

ポーツを通じた明るく豊かな市民生活の実現に向け、横浜市と連携・協力し、競技スポ

ーツの推進、地域スポーツ支援、健康体力づくり、スポーツ情報の提供、スポーツ施設

の管理運営、スポーツイベントの誘致・開催を行うなど、横浜市におけるスポーツ施策

の中核的な担い手となっています。

また、平成 23 年7月に公益法人制度改革に基づき、公益財団法人化され、平成 24 年

4月には、社団法人横浜市レクリエーション協会と事業統合し、スポーツとレクリエー

ションの一体的な推進を行っています。

なお、現在、横浜市体育協会は、競技団体 51 団体、各区体育協会18 団体、学校関

係団体3団体、レクリエーション連合1団体の合計 73 団体で構成されています。

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3 横浜市の取組
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グループ
(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題

□横浜市体育協会加盟団体(73 団体)

◆競技団体(51 団体)

1 横浜野球協会 18 横浜市ソフトボール協会 35 横浜市カヌー協会

2 横浜野球連盟 19 横浜市体操協会 36 横浜市ゲートボール連合

3 横浜市テニス協会 20 横浜市ホッケー協会 37 NPO 法人横浜市ボート協会

4 NPO 法人横浜ソフトテニス協会 21 横浜市バドミントン協会 38 横浜市太極拳協会

5 横浜水泳協会 22 横浜バスケットボール協会 39 横浜市少林寺拳法連盟

6 横浜市卓球協会 23 NPO 法人横浜市馬術協会 40 横浜市ゴルフ協会

7 横浜市弓道協会 24 横浜市剣道連盟 41 横浜アイスホッケー連盟

8 社団法人横浜サッカー協会 25 横浜市アマチュアボクシング協会 42 横浜市インディアカ協会

9 横浜市ラグビーフットボール協会 26 横浜市レスリング協会 43 横浜市綱引連盟

10 横浜市陸上競技協会 27 横浜市クレー射撃協会 44 横浜市ダンススポーツ連盟

11 横浜市相撲連盟 28 横浜市ライフル射撃協会 45 横浜市合気道連盟

12 横浜ハンドボール協会 29 横浜市ウエイトリフティング協会 46 横浜市スポーツチャンバラ協会

13 横浜山岳協会 30 横浜市なぎなた連盟 47 横浜市日本拳法連盟

14 横浜スキー協会 31 横浜市アーチェリー協会 48 横浜市スポーツバトン協会

15 横浜バレーボール協会 32 横浜市ボウリング協会 49 横浜市トライアスロン協会

16 横浜市柔道協会 33 横浜市空手道連盟 50 横浜市パワーリフティング協会

17 横浜市ヨット連盟 34 横浜アメリカンフットボール協会 51 横浜市グラウンド・ゴルフ協会

◆地域団体(18 団体)

1 鶴見区体育協会 7 保土ケ谷区体育協会 13 青葉区体育協会

2 神奈川区体育協会 8 旭区体育協会 14 都筑区体育協会

3 西区体育協会 9 磯子区体育協会 15 戸塚区体育協会

4 中区体育協会 10 金沢区体育協会 16 栄区体育協会

5 南区体育協会 11 港北区体育協会 17 泉区体育協会

6 港南区体育協会 12 緑区体育協会 18 瀬谷区体育協会

◆学校団体(3団体)

1 横浜市立小学校体育研究会 2 横浜市立中学校体育連盟

3 横浜地区高等学校体育連盟

◆横浜市レクリエーション連合(1団体)

(5)主な地域のスポーツ団体

ア 横浜市スポーツ推進委員連絡協議会

スポーツ推進委員は、スポーツ基本法並びに横浜市スポーツ推進委員規則に基づい

て、市長から委嘱される非常勤の特別職公務員です。(委員数:2,707 人 平成 24

年4月1日現在)

横浜市のスポーツ事業への協力だけでなく、特に活動の拠点を地域におき、地域住

民と連携し地域に根ざしたスポーツ・レクリエーション振興事業を展開しており、横

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浜市のスポーツ行政の推進者として重要な役割を担っています。

なお、その活動と委員相互の連絡及び協議を行うため、各区連絡協議会の会長によ

り構成される横浜市スポーツ推進委員連絡協議会が設けられています。

また、スポーツ基本法の施行に伴い、平成 23 年8月 24 日より、新たな役割とし

て「スポーツ推進のための事業の実施に係る連絡調整」が追加されており、これから

は、地域のスポーツコーディネーターとしての役割が求められます。

イ 区体育協会

区体育協会は、主に区内のスポーツ活動の推進や区民の健康増進、区民相互の親睦

を図ることを目的として、様々な競技団体等により組織された、地域の重要なスポー

ツ団体です。

横浜市内の 18 区すべての区において、体育協会があり、各区の体育協会のもと、

様々な競技種目で、区民大会等が実施され、多くの区民が参加しています。

また、そのほかにもスポーツ教室や指導者講習会など、数多くの事業を実施し、区

民にスポーツを楽しむ機会を提供しています。

ウ 総合型地域スポーツクラブ

地域住民が主体的に活動し、多種目、多世代、自主運営を特徴とした総合型地域ス

ポーツクラブがあります。総合型地域スポーツクラブでは、子どもから高齢者まで誰

もが、様々な種目に体力や技術力に応じて気軽に参加でき、スポーツの他にも文化・

社会的な活動を組み入れたり、地域を盛り上げるイベント等を実施しています。

総合型地域スポーツクラブの認知度については、総合型地域スポーツクラブのこと

を知らない市民が8割以上(83.9%)にのぼり、ほとんどの市民に総合型地域スポ

ーツクラブが知られていないのが現状です。

しかし、平成 20 年度に実施した市民意識調査では、スポーツを実施する「機会が

ない」と回答した人が運動をするようになる理由は、「近所など通いやすい場所でで

きれば」(48.3%)が1位となっており、そのうち「総合型地域スポーツクラブに加

入したい」(36.5%)という回答が上位を占めています。

このことからも身近な地域で、誰もが参加できる総合型地域スポーツクラブの潜在

的な需要は高いと考えられます。

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グループ
(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題
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3 横浜市の取組

(6)スポーツボランティア

スポーツを「支える人」の重要な要素であるスポーツボランティアは、地域スポーツ

団体において日常的にスポーツ指導や団体の運営に携わったり、国際競技大会や地域ス

ポーツ大会等の運営を支えています。

過去1年間に、どのようなスポーツ関係のボランティアを行ったかでは、「行っていな

い」が 92.2%となっており、ほとんどの市民がスポーツ関係のボランティアを行ってい

ないのが、現状です。

一方、スポーツボランティアに参加していない人で、スポーツ関係のボランティアに

参加してみたいと思うかでは、「参加したい」が 16.2%、「わからない」が 44.4%とな

っており、スポーツボランティアに参加していない市民もスポーツ関係のボランティア

に関心をもっていることが伺えます。スポーツ推進のためには、その数がさらに増加す

ることが望まれるため、今後は、多くの市民にスポーツボランティアを行ってもらえる

ような取組を行っていく必要があります。

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スポーツ施設

(1)大規模屋内スポーツ施設

横浜市内には、大規模屋内スポーツ施設として、横浜アリーナ、横浜文化体育館及

び横浜国際プールがあります。

横浜アリーナは、高額な利用料金がネックとなり、スポーツ大会としては、平成

21 年(2009 年)に開催された世界卓球大会など、入場料やスポンサーの料金負担

などの高収益が見込まれなければ、施設利用が困難になっています。そのため、大規

模イベントとしては、スポーツではなくコンサートや展示会などの興行が主に開催さ

れています。

一方で、横浜文化体育館は現在の 100 パーセント近い稼働率となっており、横浜

国際プールは体育館としての使用が冬季限定となっています。両施設とも、毎年定例

的にご利用いただいている団体の大会やイベントを開催しているため、新たに別の大

会を開催することや、新規団体の参入が大変難しく、中学・高校生の各種大会や市民

大会、関東大会、全国大会等の開催も日程等の理由から非常に困難な状況となってい

ます。

(2)地域の屋内スポーツ施設等

屋内スポーツ施設としては、各区1館のスポーツセンターを整備しているほか、小

規模な体育室がある地区センターやスポーツ会館を設置しています。地区センター及

びスポーツ会館は、大会等を開催する規模の体育室がなく、地域の方々が気軽にスポ

ーツする場所として、活用されています。

スポーツセンターは、バスケットボールのコートが2面の第1体育室、1面の第2

体育室、ダンス等で使用する第3体育室、個人で利用できるトレーニングルームを基

本とした施設となっており、個人・市民サークルの利用や各種目の区民大会の開催に

適した規模となっています。スポーツセンターの施設としての役割は、各区の区民大

会の開催や、初心者や高齢者、育児中の専業主婦などを対象とした教室事業の開催な

ど、地域の方々が気軽にスポーツに取り組める環境を提供する施設です。

(3)大会を開催できる体育館の不足

スポーツに取り組んでいる方々にとって、日頃から活動できる施設が重要であるの

と同様に、区民大会や市民大会は大変重要なイベントです。日頃の練習の成果を発揮

することができ、今後の活動の励みとすることができます。

しかしながら、369 万人以上の人口を有する大都市横浜には、市民大会や全国規

模の大会を開催する体育館としては、横浜文化体育館や冬季のみ体育館として利用で

きる横浜国際プールがありますが、各種大会を開催する体育館が不足している状態で

す。

特に、スポーツセンターでは、横浜文化体育館等の限られたコマ数の中では開催で

きない市民大会規模の大会を、日数や人数を縮小や分散して開催しているため、区民

大会や一般利用などを阻害することにつながっています。

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(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題
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3 横浜市の取組

(4)大規模屋内スポーツ施設への期待

市民のスポーツ振興のため、また個人や団体の一般利用を圧迫しないよう、市民大

会や区民大会などを円滑に開催していくために、他都市にある総合体育館のような施

設が必要となります。特に、大都市横浜にふさわしい我が国を代表するような大規模

屋内スポーツ施設の整備が期待されています。

(5)横浜文化体育館の課題

横浜文化体育館は、築50 年が経過し、施設・設備の老朽化が進んでいます。特に

年間を通じて雨漏りが多く、大会の運営に支障をきたしています。

また、ウォーミングアップ会場などに利用するサブアリーナがないこと、駐車場が

少なく特に大型車の駐車スペースが少ない等の課題があり、大規模なスポーツイベン

トの誘致が困難になっています。

(6)武道の場の確保

横浜市内には、神奈川県立武道館がありますが、観客席が少ないなど、小規模の施

設となっており、全国大会級の大規模な大会が開催できません。

このような状況もあり、武道団体から武道館の整備に向け、長年にわたる要望が寄

せられています。

さらに、平成 24 年度から中学校において、武道が必修化されていることから、武

道の場の確保が求められています。

(7)スケート場の再整備

神奈川スケートリンクは、築 60 年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいます。

また、現在のリンクはフィギュアスケートとアイスホッケーの国際統一規格を満た

す広さ(60m×30m)が確保できていません。

横浜市内では、平成 19 年にハマボウルのリンクが閉鎖となり、市民利用を中心と

した営業を行っているのは、神奈川スケートリンクのみとなっています。

こういった状況から、横浜市のスケート環境を維持し、市民の皆様が安全かつ快適

に利用できるよう、スケート場の再整備を行うことは重要な課題となっています。

大規模スポーツイベント

スポーツ意識調査では、今後、観戦したいスポーツイベントで「ワールドカップ、世

界選手権等の国際大会」が2位(52.8%)となっていることや、横浜市のスポーツ活動

が盛んになるために必要なことでは「国際的な大会・イベントの開催」が1位(47.8%)

となっており、これからも横浜で国際大会を開かれることが期待されています。

しかし、その一方で、今日の財政状況の下では、大規模なイベントの開催に対する多

額な財政負担は困難であり、選手の参加料や放映権料はもとより、企業協賛金の確保に

最大限努力することにより、極力公的負担を減らすスキームづくりを検討する必要があ

ります。

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グループ
(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題
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3 横浜市の取組

● 横浜市内の主な大規模スポーツイベント(国際大会を含む) <市民局提供資料>

大会名 会場 観客数

26

第 29 回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 横浜文化体育館 1,131 人

2014 世界トライアスロンシリーズ横浜大会 山下公園ほか 405,000 人

ジャパンオープン・荻村杯2014 国際卓球選手権横浜大会 横浜文化体育館 5,632 人

第 31回全日本少年軟式野球大会 横浜スタジアム 12,400 人

2014 全日本ジュニア体操競技選手権大会 横浜文化体育館 7,200 人

第 90 回日本学生選手権水泳競技大会 競泳競技 横浜国際プール 15,442 人

キリンチャレンジカップ 2014(サッカー)

(日本代表対ベネズエラ代表) 日産スタジアム 64,007 人

第6回横浜国際女子マラソン大会 山下公園ほか 非公表

第 94 回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝戦 日産スタジアム 47,829 人

V・チャレンジマッチ(バレーボール) 横浜文化体育館 発行時未実施

25

第 28 回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 横浜文化体育館 1,650 人

2013 世界トライアスロンシリーズ横浜大会 山下公園ほか 248,000 人

IRB パシフィック・ネーションズカップ 2013(ラグ

ビー)(日本代表対トンガ代表)

ニッパツ三ツ沢

球技場 5,598 人

ジャパンオープン・荻村杯2013 国際卓球選手権横浜大会 横浜文化体育館 15,600 人

横浜F・マリノス対マンチェスター・ユナイテッド

国際親善試合 日産スタジアム 65,372 人

第 30 回記念全日本少年軟式野球大会 横浜スタジアム 15,500 人

2013 全日本ジュニア体操競技選手権大会 横浜文化体育館 6,300 人

キリンチャレンジカップ 2013(サッカー)

(日本代表対ガーナ代表) 日産スタジアム 64,525 人

2013 国際ジュニア体操競技大会 横浜文化体育館 2,500 人

第5回横浜国際女子マラソン大会 山下公園ほか 非公表

※記載内容は、本ジャーナル発行(平成 26 年 12 月)時点のものです。

プロスポーツチーム

平成 23 年に制定されたスポーツ基本法の特色の一つに、スポーツを巡る法体系の中

に初めてプロスポーツを位置づけたことがあげられます。

横浜市は、野球の「横浜DeNAベイスターズ」、サッカーの「横浜F・マリノス」、

「横浜FC」のプロ団体の本拠地であり、平成 23 年には、横浜を中心に活動するプロ

バスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」が新たに発足しました。

このように4つの多彩なプロスポーツチームが活躍している、国内屈指の都市となっ

ております。

しかし、スポーツ意識調査で過去1年間にスタジアムや体育館等でスポーツ観戦をし

た回数の項目では、「0回」が 58.4%で1位となっており、多くの市民がスポーツを観

戦していないことが分かりました。

- 36 -

また、どのような点が変われば、スタジアムや体育館等でスポーツ観戦をするかでは、

「観戦料が安くなれば」が 40.2%で1位、「試合会場が近くにあれば」が 31.3%で2位

となっています。

今後は、プロスポーツチームと連携・協力し、地域や学校等において、プロスポーツ

チームと触れ合う機会を提供することにより、プロスポーツチームを身近に感じてもらい、

多くの市民がプロスポーツを観戦することで、市民のスポーツへの関心をさらに高めてい

きます。

【出典】横浜市市民局 横浜市スポーツ推進計画 ~スポーツで育む地域とくらし~

http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/sports/sports-plan/

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グループ
(1) 地域スポーツを取り巻く現状と課題
T21
テキストボックス
3 横浜市の取組

参考 横浜市スポーツ栄誉賞受賞者について

ここでは、参考に、横浜市スポーツ栄誉賞受賞者を御紹介します。この賞は、「住所、

勤務先、出身校又は所属するチームの所在地が横浜市である者、若しくはこれに準じる

と認められる者でオリンピック及びパラリンピックで3位までに入賞、若しくは、これ

らに準ずる大会で顕著な功績を残した場合は、横浜市スポーツ栄誉賞を授与することが

できる。(横浜スポーツ表彰規程より抜粋)」と定められています。

<受賞者一覧> 平成26 年12 月1日現在

(市民局提供資料)

年度 氏名 種目 理由

1 平成20年 山田 恵里 ソフトボール 北京オリンピック金メダル

2 平成20年 馬渕 智子 ソフトボール 北京オリンピック金メダル

3 平成20年 西山 麗 ソフトボール 北京オリンピック金メダル

4 平成20年 中村 礼子 女子競泳背泳ぎ200m 北京オリンピック銅メダル

5 平成20年 内村 航平 体操団体及び個人総合 北京オリンピック銀メダル

6 平成20年 湯元 健一 レスリングフリースタイル男子60kg 北京オリンピック銅メダル

7 平成22年 中澤 佑二 サッカー FIFAワールドカップ ベスト16

8 平成22年 中村 俊輔 サッカー FIFAワールドカップ ベスト16

9 平成23年 近賀 ゆかり サッカー FIFA女子ワールドカップ 優勝

10 平成23年 矢野 喬子 サッカー FIFA女子ワールドカップ 優勝

11 平成23年 上尾野辺 めぐみ サッカー FIFA女子ワールドカップ 優勝

12 平成23年 川澄 奈穂美 サッカー FIFA女子ワールドカップ 優勝

13 平成23年 丸山 桂里奈 サッカー FIFA女子ワールドカップ 優勝

14 平成24年 立石 諒 競泳男子 200m 平泳ぎ ロンドンオリンピック銅メダル

15 平成24年 近賀 ゆかり 女子サッカー ロンドンオリンピック銀メダル

16 平成24年 川澄 奈穂美 女子サッカー ロンドンオリンピック銀メダル

17 平成24年 丸山 桂里奈 女子サッカー ロンドンオリンピック銀メダル

18 平成24年 矢野 喬子 女子サッカー ロンドンオリンピック銀メダル

体操男子 個人 総合 ロンドンオリンピック金メダル

体操男子 団体 総合 ロンドンオリンピック銀メダル

体操男子 種目別 ゆか ロンドンオリンピック銀メダル

20 平成24年 山室 光史 体操男子 団体 総合 ロンドンオリンピック銀メダル

21 平成24年 松本 隆太郎 男子レスリング グレコローマンスタイル 60kg級 ロンドンオリンピック銅メダル

22 平成24年 三宅 諒 フェンシング男子 フルーレ 団体 ロンドンオリンピック銀メダル

23 平成24年 早川 漣 アーチェリー女子 団体 ロンドンオリンピック銅メダル

24 平成24年 欠端 瑛子 ゴールボール ロンドンパラリンピック金メダル

25 平成25年 白井 健三 体操男子 種目別 ゆか 第44回世界体操競技選手権大会

内村 航平平成24年19

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(2)横浜市スポーツ推進計画

ここでは、横浜市が平成 25 年3月に策定した「横浜市スポーツ推進計画~スポーツで

育む地域とくらし~」の内容を御紹介します。

計画策定の目的、位置づけ等

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グループ
(2) 横浜市スポーツ推進計画
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3 横浜市の取組

(1)横浜市スポーツ推進計画は、横浜市の将来の都市像を示す「横浜市基本構想」(長期ビ

ジョン)及び「横浜市中期4か年計画(施策13 スポーツや学びで育む豊かなくらし)」

(計画期間:平成22 年度~平成25 年度)に掲げている目指すべき都市像の実現に向け、

スポーツに関する施策について、具体的な取組を示した計画です。

(2)横浜市スポーツ推進計画は、平成 18 年7月に策定した横浜市スポーツ振興基本計画「い

きいきスポーツプラン2010」を改正し、平成23 年8月に施行された「スポーツ基本法」

に基づき、国の「スポーツ基本計画」を参考に策定します。

(3)横浜市スポーツ推進計画は、第22期横浜市スポーツ推進審議会の意見をもとに作成し、

市民の皆様やスポーツ団体等からも意見をいただき、策定しました。

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(1)目標1:子どもの体力向上方策の推進

目標値:子どもの体力を横浜市の昭和 60 年頃の体力水準に回復します。

スポーツは、子どもの体力の向上に加え、心身の健全な発達を促すものであり、特に自

己責任、克己心やフェアプレイの精神を培います。また、子どもたちの精神的なストレス

の解消になることや仲間、指導者との交流を通じて、子ども同士のコミュニケーション能

力を育成し、豊かな心と他人に対する思いやりを育み、多様な価値観があることを認めあ

う機会となるなど、子ども達のその後の人間形成につながっていきます。

(2)目標2:地域スポーツの振興

目標値:成人の週1回以上のスポーツ実施率が 65 パーセント程度(3人に2人)、

週3回以上のスポーツ実施率が 30 パーセント程度(3人に1人)となること

を目標とします。(現在:週1回以上 54.5%、週3回以上 27.1%)

また、スポーツボランティアを行ったことがある市民の割合を 10 パーセ

ント以上(現在:7.8%)となることを目標とします。

地域住民が主体的に取り組むスポーツ活動を推進することは、地域におけるコミュニテ

ィを形成する上で大切な「仲間意識」を育成します。

さらに、地域のスポーツ団体が、スポーツを通じて地域の活動を担うことにより、地域

住民の交流の希薄化や青少年の健全育成等の今日的な課題を解決し、地域社会のきずなづ

くりに寄与します。

(3)目標3:高齢者・障害者スポーツの推進

目標値:65 歳以上の週1回以上のスポーツ実施率が 70 パーセント程度(現在:

55.2%)となることを目標とします。

また、地域において自主的に障害者のスポーツ活動を行っている団体等を

18 区に立ち上げます。

これからの本格的な高齢社会の到来に伴い、医療費や介護経費の増大が見込まれる中で、

スポーツは、心身両面にわたる健康の保持に大きく貢献し、生活習慣病や介護予防として

も効果が期待され、健康増進のみならず財政負担の軽減にも寄与します。

また、障害者が住み慣れた地域で気軽にスポーツ活動を楽しめる環境を整えるとともに、

ノーマライゼーションの視点から、障害のある人もない人も、ともに同じスポーツ活動を

楽しむ基盤を確立します。

スポーツ推進の基本目標

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3 横浜市の取組
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グループ
(2) 横浜市スポーツ推進計画

(4)目標4:トップスポーツとの連携・協働の推進

目標値:トップアスリートが参加するスポーツ大会やプロスポーツを間近で観戦した

市民の割合を 50 パーセント以上(※現在:41.6%)となることを目標とし、

市民がトップアスリートに触れる機会を増やし、スポーツを行う意欲の向上に

つなげます。

※現在は、スタジアムや体育館でスポーツ観戦(プロ・アマ問わず)をした数

値になっています。

トップスポーツを推進することは、市民とりわけ子どもたちに夢や感動を与え、スポー

ツへの関心を高めるとともに、スポーツ活動の活発化や国際競技力の向上につながります。

さらに、国際大会など大規模スポーツイベントの開催は、地元産業の活性化などの経済

波及効果が期待でき、各種メディアを通じ、「横浜」の名を国内外に発信することにより、

シティセールスにも寄与します。

ここでは、基本目標1~4のうち、本ジャーナルのテーマである「スポーツの振興による

地域活性化」により関連の深い「目標2:地域スポーツの振興」及び「目標4:トップスポ

ーツとの連携・協働の推進」の具体的な取組を御紹介します。

2 地域スポーツの振興

取組5:学校体育施設(校庭、体育館等)を利用した学校開放事業へのプログラム協力

【再掲】

学校開放事業は、学校体育施設を利用し、子どもや地域住民が身近にスポー

ツを親しめる場となっています。そこで、学校開放事業の運営主体である文化・

スポーツクラブに対し、放課後や土・日、長期休み等に地域のスポーツ指導者

の派遣やプログラムを提供することにより、子どもや初心者でも気軽に参加で

きる仕組みをつくります。

また、地域と連携することにより、学校体育施設の利用を促進し、スポーツ

を通じて地域に開かれた学校づくりを目指していきます。

取組6:地域スポーツ指導者の養成と活用【再掲】

地域のスポーツ振興のために活動できる人材を養成する「横浜市スポーツ・

レクリエーション人材養成講座」を実施します。

また、「横浜市スポーツ・レクリエーション人材養成講座」の終了者や現場

で活躍している地域のスポーツ指導者に対しても、それぞれのニーズに応じた

指導内容や方法などの研修を充実し、ニーズに応じた指導者を紹介するシステ

ムの活用を促進します。

スポーツを推進するための具体的な取組

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取組8:トップアスリート等との連携・協力の推進【再掲】

JOCパートナー都市協定を通じてのオリンピアンやプロスポーツチームあ

るいはトップアスリートが立ち上げたNPO法人等と連携・協力することによ

り、トップアスリートを学校や地域に派遣し、子ども達や多くの市民が一流の

アスリートと触れ合う機会を提供し、スポーツへの関心を高めます。

取組9:総合型地域スポーツクラブの啓発及び育成・活動支援

子どもから高齢者まで地域住民の誰もが、それぞれの体力や興味・技術に応

じて、集い、活動することができるクラブが総合型地域スポーツクラブの基本

理念です。その理念を既存の地域スポーツ団体や地域スポーツ・レクリエーシ

ョン団体に理解してもらうことにより、総合型地域スポーツクラブへの協力や

移行を促します。

また、総合型地域スポーツクラブの活動や趣旨について、横浜市の広報紙や

ホームページに掲載するほか、啓発イベント等を行い、市民への周知を充実さ

せていきます。

なお、総合型地域スポーツクラブの設立希望者(団体)や総合型地域スポー

ツクラブへの移行を目指している既存のスポーツ団体(プロスポーツチームを

含む)に対しては、クラブの設立や運営に有用な情報の提供、活動内容につい

てのアドバイス等を行い、設立に向けた育成支援を行います。

さらに、すでに設立されているクラブに対しては、運営の助言や情報提供等

を行い、安定的な活動が行えるよう支援します。

取組 10:総合型地域スポーツクラブ間の連携・協力の促進

設立されたクラブ及び設立準備中のクラブに対し、会員の拡大や運営費の確

保等の共通の課題の解決を目的とした、「横浜市総合型地域スポーツクラブ連絡

協議会」への加入を促し、クラブ間の連携・協力を促進します。

取組 11:地域スポーツ団体や地域スポーツ・レクリエーション団体との連携

地域でそれぞれが活動している地域スポーツ団体や地域スポーツ・レクリエ

ーション団体と連携・協力し、年齢や性別、技術等に関係なく、誰でも気軽に

参加できるスポーツイベントが開催できる環境を整えます。

取組 12:市民参加型スポーツイベントの充実

横浜マラソン大会やスポーツ・レクリエーションフェスティバル、市民体育

大会など、市民が気軽に参加でき、日頃の練習の成果を発揮する機会となる市

民参加型スポーツイベントの充実を図ります。

取組 13:スポーツ・レクリエーション活動の充実

地域スポーツ・レクリエーション団体と連携し、子どもから高齢者まで、楽

しく、気軽に参加できるウォーキングイベントや親子ふれあい体操、野外活動

等のスポーツ・レクリエーション活動の充実を図ります。

また、おすすめのウォーキングコースをホームページや情報誌で紹介してい

きます。

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3 横浜市の取組
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グループ
(2) 横浜市スポーツ推進計画

取組 14:市民大会・区民大会の定期的な開催(初心者が参加できる工夫)

市民大会や区民大会を実施している競技団体と連携しながら、初心者が安心

して参加できる環境を整えます。

取組 15:スポーツ推進委員の育成・活用

スポーツ推進委員が、地域スポーツ団体と連携・協力し、地域スポーツの企

画・立案等のコーディネートなど、総合的な地域スポーツの推進役を担えるよ

う、研修等の充実を図っていきます。

取組 16:スポーツボランティアの支援

スポーツイベント等の運営を支えてくれるスポーツボランティアを育成・支

援します。

また、スポーツボランティアが継続的な活動をできる仕組みや、ボランティ

アとしての功績を称える環境を整えます。

取組 17:スポーツ情報等の提供

市民が「する」「観る」「支える」といった様々なスポーツ活動に参加しやす

くなるよう、スポーツイベントの開催情報やスポーツボランティアに関する情

報、スポーツ指導者、スポーツ施設の利用に関する情報等を横浜市のホームペ

ージや広報紙、または、横浜市体育協会のスポーツ情報サイト「ハマスポどっ

とコム」やホームページ等を通じて提供します。

また、携帯端末等の身近な媒体でも情報が提供できるようにしていきます。

取組 18:スポーツ実施率の低い年齢層に向けたスポーツプログラムの充実

スポーツ団体と連携し、比較的スポーツ実施率の低い年齢層(20 歳代、30

歳代)向けに、シェイプアップやリズムダンス、ジョギング講習会などのスポ

ーツプログラムや教室を開催していきます。

また、スポーツに親しむことができ、低い年齢層同士の交流や心の癒しを取

り入れたプログラムを研究・提供していきます。

取組 19:身近なスポーツを行う場の確保

身近なスポーツの場の確保に向けて、廃校となった学校施設の跡地や既存の

公共スポーツ施設または、本来の目的に支障のない範囲で、市有地の未利用地、

遊水地等の有効活用を図ります。

取組 20:大規模屋内スポーツ施設(スケート場、武道館等)の再整備

横浜文化体育館の再整備は、関内・関外地区の街づくりを進める中で、検討

します。その際、武道を行うことのできる環境整備の検討を進めます。

また、老朽化した神奈川スケートリンクの再整備に向け、横浜市としてどの

ような支援ができるのか、検討を進めます。

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取組 21:スポーツ遺産の保存・活用

横浜はテニス、ラグビー、競馬等、多くのスポーツ文化の発祥の地であり、

その歴史や伝統を継承していきます。

また、ワールドカップサッカー決勝戦の会場となった日産スタジアム等のス

ポーツ施設やボランティア等の人的資源、大規模スポーツイベントの運営知識

やノウハウなどのスポーツ遺産を未来の横浜の子どもたちへの財産として残し

ます。

取組 22:横浜市スポーツ医科学センターとの連携・活用

横浜市スポーツ医科学センターを活用し、スポーツ事故の防止及びスポーツ

障害の予防・早期発見に関する知識の普及・啓発を指導者向けに行います。

また、横浜市スポーツ医科学センターと各区スポーツセンターが連携・協力

することにより、スポーツによる市民の健康づくりの推進や、競技選手の競技

力の向上を図ります。

取組 23:国際交流事業の実施

横浜市のパートナー都市や姉妹都市等でスポーツを通して、相互理解を深め、

友好親善を図ることを目的とした国際交流事業を実施します。

4 トップスポーツとの連携・協働の推進

取組8:トップアスリート等との連携・協力の推進【再掲】

取組 16:スポーツボランティアの支援【再掲】

取組 20:大規模屋内スポーツ施設(スケート場、武道館等)の再整備【再掲】

取組 21:スポーツ遺産の保存・活用【再掲】

取組 22:横浜市スポーツ医科学センターとの連携・活用【再掲】

取組 31:プロスポーツチームとの連携・協働

地元プロスポーツチームが地域に密着した活動を行えるよう、各チームの状

況に合わせた支援を行います。

また、横浜熱闘倶楽部を通じて、学校や地域にプロのトップアスリートやコ

ーチを招き、技術指導や講演会を行い、市民が直接プロのチームに触れる機会

を提供し、夢や感動を共有します。さらに、横浜市内において、プロスポーツ

チームと連携し、チームの活動や試合日程等の広報活動を充実させ、市民のス

ポーツへの関心を高めます。

取組 32:地域スポーツコミッション設立の検討

スポーツを横浜の観光資源とした横浜らしい地域づくりを図るため、トップ

スポーツチームや地域スポーツ団体及び地元企業等と連携・協働し、地域スポ

ーツコミッションの設立を検討します。

また、地域や経済の活性化を目的としたスポーツツーリズムの推進や、スポ

ーツイベントの誘致・開催を行い、横浜の魅力を発信していきます。

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(2) 横浜市スポーツ推進計画
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3 横浜市の取組

取組 33:大規模スポーツイベントの誘致・開催

国際大会や全国大会などの大規模イベントの誘致に取り組み、市民のスポー

ツ観戦やボランティア活動に参加する機会を増やします。

また、魅力的な大規模イベントを誘致・開催することにより、世界や全国に

向けた横浜の知名度のアップや、経済及び地域の活性化などにも貢献していき

ます。

【出典】横浜市市民局 横浜市スポーツ推進計画 ~スポーツで育む地域と暮らし~

http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/sports/sports-plan/

(3)横浜市中期4か年計画 2014~2017 原案(抜粋)

平成 26 年 11 月に公表された「横浜市中期4か年計画 2014~2017」(原案)で

は、「施策 17」として「スポーツで育む地域とくらし」という項目があります。ここでは、

その項目の内容を抜粋して御紹介します。

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【出典】横浜市政策局 横浜市中期4か年計画 2014~2017(原案)

http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/chuki2014-/

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3 横浜市の取組
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(3) 横浜市中期4か年計画2014~2017原案

参考 横浜熱闘倶楽部の事業について

横浜熱闘倶楽部は、次代を担う青少年に夢や目標を与え、市民の連帯感の醸成と、地域の活

性化、市民スポーツの振興を図り、市民が誇れるプロスポーツチームが育つ街の実現を目的と

して活動しています。事業の実施にあたっては、横浜DeNAベイスターズ、横浜F・マリノ

ス、横浜FC、横浜ビー・コルセアーズと一体となって事業を展開しています。

ここでは、各チームの活動や各チームが横浜市と連携して取り組む事業等の内容について、

横浜熱闘倶楽部総会議案書(平成 25 年度事業報告)から抜粋する形で御紹介します。(※写

真及び画像の掲載数、配置については変更しております。)

1 各チームと連携した事業

(1)各チームが各種機関と連携した事業

ア 横浜市との連携

(ア)鶴見区

a 横浜F・マリノスとの連携

(a)鶴見区区政推進課主催の区民向け(主たる対象は区内小学生)環境啓発イベン

ト「プラネタリウム上映会inつるみ」に、「ヨコハマ3R夢!」広報大使であ

る横浜 F・マリノスが参加した。

(イ)神奈川区

a 横浜FCとの連携

(a)小学生が横浜FCの主催試合を無料で観戦できる

「フリかめキッズパス」を作成した。昨シーズンま

では希望者に配布していたが、今シーズンからは区

内の全小学生に配布する。

(ウ)港北区

a 横浜F・マリノスとの連携

(a)横浜F・マリノス主催試合の会場で、ピンクリボンキャンペーンとともに「ミ

ズキーぬりえコンテスト」を開催し、選手が選出した優秀作品を表彰した。

(b)横浜F・マリノスのJリーグでの健闘や天皇杯の優勝を讃えて横断幕や記念パ

ネル展を開催した。

(c)Jリーグの開幕に合わせて広報よこはま港北区版で横浜F・マリノスの記事を

掲載するとともに、区庁舎に懸垂幕を掲げた。

(d)区内の小学校において、マリノスケが交通安全の呼びかけを行った。

b 横浜ビー・コルセアーズとの連携

(a)小学校スポーツフェスティバルにおいて横浜ビー・コルセアーズがバスケット

ボールクリニックを行った。

(エ)緑区

a 横浜F・マリノスとの連携

(a)中山まつりにおいて横浜F・マリノスと協力して

AEDによる救命救急講座を開催した。

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(オ)都筑区

a 横浜ビー・コルセアーズとの連携

(a)横浜ビー・コルセアーズによるバスケットボールクリニックを開催するととも

に、応援旗を作成し、区内に配布した。

(b)横浜ビー・コルセアーズの主催試合において、都筑区応援dayを実施すると

ともに、独自の応援旗を作成、試合会場に掲出した。

(カ)戸塚区

a 横浜F・マリノスとの連携

(a)「ヨコハマ3R夢!」広報大使である横浜F・マリノスが、戸塚区庁舎で「ヨ

コハマ3R夢!」「エコ活。」を啓発した。

b 横浜FCとの連携

(a)横浜FCの主催試合において、戸塚区民デーを実施し、スタジアムガイドツア

ーや選手とのハイタッチなど、区民限定の体験イベントを開催した。

(キ)市民局

a 横浜市職員観戦会

有志職員が団体で試合を観戦する市職員観戦企画を実施した。

全 13 回 1,175 人

b 試合会場周辺の盛り上げ

(a)ハマスタBAYガーデン実行委員会

横浜スタジアムのある横浜公園において、

「ハマスタBAYビアガーデン」の実施に

協力した。

(b)YOKOHAMA STAR☆NIGHT

横浜DeNAベイスターズのホームゲームに

合わせた、横浜港での花火打ち上げに協力した。

c 優勝に関連した事業の実施

(a)横浜ビー・コルセアーズのbjリーグ優勝

5月 19 日(日)に中華街で優勝パレードを

実施した。

市庁舎への横断幕を掲出した。

(b)横浜F・マリノスの天皇杯優勝

翌シーズンの開幕に合わせてプロモーション

映像を作成。開幕直前にJR横浜駅やみなとみ

らい線みなとみらい駅のデジタルサイネージで

放映したほか、インターネットでも配信した。

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3 横浜市の取組
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参考 横浜熱闘倶楽部の事業
政策調査課
グループ

d 市職員向け「プロスポーツチーム地域貢献活動研修」の実施

3月 13 日(木)に市職員向けの研修会を実施し、

各チームが日頃行っている地域貢献活動の紹介や、

チームとの連携手法の紹介を行った。

(参加者は 71 名)。

(ク)健康福祉局

横浜市介護支援ボランティア・ポイント制度に特典(チケット・グッズ等)を提供

した。

※横浜市介護支援ボランティア・ポイント制度とは、高齢者が介護保険施設等でボラ

ンティア活動を行った場合に、活動の実績を「ポイント」として評価し、たまった

ポイントに応じて還元できる仕組み。

(ケ)道路局

道路局が行う「自転車交通安全キャンペーン」など、交通安全啓発事業へ選手の写

真やメッセージを提供するとともに、イベント開催時にマスコットキャラクターの出

演などを行った。

(コ)交通局

市内のプロスポーツチームを多くの方に応援していただくため、横浜熱闘倶楽部と

交通局が協力して、車内を4チームのポスターで埋め尽した市営地下鉄「はまりん号

~横浜プロスポーツチーム応援号~」を運行。選手の直筆サイン入りポスターも掲出

した。はまりん号での掲出後は市営地下鉄各駅でも掲出し、その後市民に抽選でプレ

ゼントした。

運行期間:3月4日(火)~3月 17 日(月)

駅掲出期間:3月 19 日(水)~3月 24 日(月)

リーフレット ポスター

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イ 横浜市体育協会との連携事業

(ア)ヨコハマ・ワールド・ウォーク 2013(ウォーキングイベント)

主 催:横浜市体育協会

開 催 日:5月5日(祝・日)

会 場:みなとみらいスポーツパーク

参加者数:約 500 人

(イ)横浜元気!!スポーツ・レクリエーションフェスティバル 2013

幅広い市民を対象とした、誰でも気軽に参加

できるスポーツ・レクリエーションイベント

「横浜元気!!スポーツ・レクリエーション

フェスティバル 2013」で4チームによる当

日参加型の体験イベントを行った。

主 催:横浜市体育協会

開 催 日:10 月 14 日(祝・月)

会 場:日産スタジアム東ゲート前

参加者数:約 1,000 人

(ウ)横浜こどもスポーツ基金活用事業

「横浜こどもスポーツ基金」は、障害のあ

るこども達等が、スポーツを通じて、夢と希

望を持って育ち、身近な地域でスポーツ活動

に参加できる環境づくりを行うことを目的と

し、ジョンソン株式会社からの寄付により平

成 25 年の6月に創設されている。

a 横浜DeNAベイスターズ

(a)観戦事業

横浜ラポールからの送迎による観戦招待事業を実施した。

開 催 日:9月 21 日(土)、22 日(日)

参加人数:64 人

b 横浜F・マリノス

(a)観戦交流事業

観戦とともに選手とのハイタッチなどの交流機会を提供した。

開 催 日:11 月 10 日(日)、30 日(土)、3月 29 日(土)

参加人数:250 人(予定)

(b)スポーツ交流事業

波戸アンバサダーによるサッカー教室を実施した。

開 催 日:11 月 10 日(日)

参加人数:90 人

(c)イベント交流事業

障害者サッカーチーム「フトゥーロ」による交流会を実施した。

開 催 日:3月 23 日(日) 参加人数:100 人

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3 横浜市の取組
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参考 横浜熱闘倶楽部の事業
政策調査課
グループ

c 横浜FC

(a)観戦交流事業

横浜移動サービス協議会の協力もと、自宅からの送迎による観戦招待及び選手

とふれあう機会を提供した。

開 催 日:3月 2 日(日)

参加者数:6人

d 横浜ビー・コルセアーズ

(a)観戦交流事業

観戦招待とともに、試合終了後に選手とのふれあい事業を実施した。

開 催 日:3月8日(土)・9日(日)・15 日(土)・16 日(日)・29 日(土)

・30 日(日)

参加人数:126 人(予定)

ウ その他の団体との連携事業

(ア)横浜市薬剤師会

「薬物乱用防止キャンペーン」in横濱のPRに協力した。

a ラジオCM(8月1日(木)~9月8日(日) 計 150 回放映)

横浜DeNAベイスターズ 高城 俊人 選手

横浜F・マリノス 齋藤 学 選手

横浜FC 武岡 優斗 選手

横浜ビー・コルセアーズ 蒲谷 正之 選手

b 啓発イベントへの参加(9月8日(日))

横浜ビー・コルセアーズ 蒲谷選手がプレゼンターを務めた。また、トリコロー

ル マーメイズ(横浜F・マリノスチアリーダー)、B-ROSE(横浜ビー・コル

セアーズチアリーダー)が出演した。

(イ)横浜青年会議所

横浜開港祭2013における臨港パークのステージイベントにトリコロール マーメ

イズ及びB-ROSEが出演し会場を盛り上げた。

2 各チームの活動

(1)横浜DeNAベイスターズ

ア 横浜熱闘倶楽部助成事業

(ア)キッズベースボールフェスティバルの開催

「野球をする楽しさ」や「スポーツマンシップの大切さ」を伝えることを目的に、

横浜DeNAベイスターズの現役監督・コーチ・選手が、野球少年に野球の指導を実

施した。25 年度はメイン会場である横浜スタジアムとサテライト会場である各区会

場に分けて開催した。

開 催 日:11 月 24 日(日)、11 月 30 日(土)

会 場:横浜スタジアム他 計 12 会場

参加者数:2,541 人

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イ 市民招待等

(ア)こどもデー招待

横浜DeNAベイスターズ公式戦に小・中学生を招待し、プロ野球の迫力あるプレ

ーとプロ野球ライブエンタテイメントを「目と心で感じられる」機会を提供した。

回数・参加者数:21 試合 39,994 人

ウ 市民との交流事業

(ア)小学校体育の野球事業

横浜DeNAベイスターズ選手OBを講師として、

市内小学校の体育授業で、野球(準備運動、キャッ

チボール、バッティング練習など)を指導する活動

を実施した。

回数・参加者数:32 会場 37 回開催 3,137 人

(イ)放課後訪問 はまっ子ふれあいスクール・放課後キッズ

野球の楽しさを伝えるため、市内小学校の放課後

に、横浜DeNAベイスターズ選手OBを講師とし

て派遣し、野球教室(準備運動、バッティング練習、

ストラックアウト)を実施した。

回数・参加者数:35 会場 2,159 人

(ウ)幼稚園・保育園訪問

横浜DeNAベイスターズの選手OBを講師とし

て、柔らかいボールやバットを使った「ボール遊び」

を通じて、野球の楽しさに触れてもらい、同時に挨拶

や友達を思いやる気持ち等「スポーツマンシップの原

点」を伝えることを目的する。

球団マスコットのDB.スターマンやオフィシャル

チアチームdianaも一緒に訪問した。

回数・参加者数:73 会場 7,600 人

(エ)小学校訪問授業「星に願いを」プロジェクト

選手と児童が「夢」について語り合い、夢を体現し

た選手との対話を通じて、子ども達に夢を持つことの

大切さを実感してもらうため、横浜DeNAベイスタ

ーズの現役選手が市内の小学校を訪問した。

回数・参加者数:11 会場 1,810 人

- 53 -

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3 横浜市の取組
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参考 横浜熱闘倶楽部の事業
政策調査課
グループ

(2)横浜F・マリノス

ア 横浜熱闘倶楽部助成事業

(ア)小学校教員向けサッカー講習会

横浜F・マリノスが横浜市立小学校の教員を対象として、サッカー指導の基礎を教

える講習会を開催した。

開催日・会場:第1回目 9月 26 日(木)磯子スポーツセンター

第2回目 10 月 22 日(火)神奈川スポーツセンター

第3回目 11 月 12 日(火)みなとみらいスポーツパーク

参 加 者 数:39 人

(イ)横浜F・マリノス「サッカー食育キャラバン指導」

横浜市内小学校を対象に、体育の授業や特別クラブ

でサッカーの面白さ、スポーツで身体を動かす楽しさ

を伝える目的に開催した。

開 催 日:5月 16 日(木)~2月 20 日(木)

会 場:横浜市内小学校

回 数:135 回

参加者数:9,575 人

(ウ)電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカー競技の普及を目的に関係者及

び他地域との交流、選手育成を図ることを目的に開

催した。

開 催 日:1月 18 日(土)

会 場:障害者スポーツ文化センター

横浜ラポール

参加チーム数:6チーム 66 人

イ 市民招待等

(ア)区民招待デー

a 横浜市市民局スポーツ振興課を通じて招待

回数・参加者数:7試合 280 人

b 横浜市商店街総連合会を通じて招待

回数・参加者数:12 試合 9,520 人

c 横浜市体育協会(スポーツセンター)を通じて招待

回数・参加者数:12 試合 2,140 人

(イ)選手会シート観戦招待

選手会で観戦チケットを購入し、横浜市こども青少年局放課後児童育成課を通じ、

児童をホームゲームに招待し、当日は、キックオフ前に選手とのハイタッチを実施し

た。

- 54 -

招待:ホームゲーム 15 試合

人数:各試合 26 人 合計 390 人

(ウ)横浜市福祉招待

横浜市こども青少年局、健康福祉局、教育委員会事務局を通じ、福祉招待を実施

した。

招待:日産スタジアムで開催する全主催試合(14 試合)

人数:各 100 人 計 1,400 人

ウ 市民との交流事業

(ア)ふれあいプロジェクト

小学校の体育の授業時間を活用したサッカーキャラバンをはじめ、横浜F・マリノ

スが主体となって事業を実施した。

a サッカースペシャルキャラバンを実施

トップチームの選手が日産スタジアムのある港北区の小学校を訪問し、子どもた

ちとふれあうことで、サッカーの楽しさを体験していただき、実際にプロサッカー

選手の高い技術にふれることで、スポーツへの興味、関心度を向上してもらうこと

を目的に、2010 年より実施した。

回数・参加者数:16 校 1,766 人

b 食育講習会

横浜市内の小学校、中学校、高校生に配布される

食育小冊子「教えて食育」の制作に協力するととも

に、中学・高校で食育指導を実施した。

回数・参加者数:44 校 10,148 人

c ふれあいサッカープロジェクト

1999年のスタートから15年目を迎えた「ふれあいサッカープロジェクト」は、

ホームタウンである横浜・横須賀を中心に実施し、1 歳半から 60 歳過ぎのシニア

までの幅広い年齢層の方々を対象に、サッカーの楽しさを伝えた。

回数・参加者数:478 回 10,579 人

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3 横浜市の取組
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参考 横浜熱闘倶楽部の事業
政策調査課
グループ

(3)横浜FC

ア 横浜熱闘倶楽部助成事業

(ア)横浜FCヨコハマぽるとカップ

障害者(精神障害、精神疾患、発達障害、知的障害を

持つ方)を対象に、障害者スポーツの普及とチームと

交流する大会を横浜FCが主体となって実施した。

開 催 日:12 月 14 日(土)

会 場:横浜FC・LEOCトレーニングセンター

参加チーム数: 18 チーム 188 人

(イ)「子どもフェスタ大人フェスタ」で「横浜FCと遊ぼう!」

地域の方にプロチームを身近に感じてもらうと

ともに、地域の活性化を目的として、横浜FCの

地元である天王町商店街主催のフェスティバルに

参加した。 参加者数:約 200 人

イ 市民招待等

(ア)足長ドリームシート観戦会の実施

企業・個人から協賛者を募った「足長ドリームシート(シーズンシート)」を使い、

市内の特別支援学校児童・生徒、障害者施設利用者、精神障害者フットサル大会「横

浜FCヨコハマぽるとカップ」参加選手を主な対象としたホームゲームに招待した。

回数・参加者数:19 試合 1,657 人

(イ)神奈川区協働事業「フリかめキッズパス」招待

神奈川区区政推進課との協働で、神奈川区内在住・在学の小学生以下を招待した。

回数・参加者数:19 試合 283 人

(ウ)区民招待

横浜FCホームゲームでの地域限定招待企画を実施した。

回数・参加者数:12 試合 12,308 人

ウ 市民との交流事業

(ア)横浜FCホームタウンプロジェクト

a 横浜FCと遊ぼう!

横浜FCの選手が小学校に出向き、子供たちとの交流を目的に、はまっ子ふれあ

いスクールと放課後キッズクラブにて実施した。

回数・参加者数:80 会場 5,064 人

b 食育

回数・参加者数:1か所 30 人

c 夢で逢えたら

「夢で逢えたら」授業を福島県で実施した。

回数・参加者数:2か所 1.000 人

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(4)横浜ビー・コルセアーズ

ア 横浜熱闘倶楽部助成事業

(ア)バスケットボールクリニック

横浜ビー・コルセアーズが横浜市内の小・中学生等に、スポーツの楽しさを実感し

てもらい、スポーツに対する関心度を高めることを目的として、バスケットボール及

びチアダンスのクリニックを実施した。

開 催 日:5月 13 日(月)~1月28 日(火)

会 場:横浜市内小中学校・スポーツセンター等

回 数:17 回

参加者数:1,289 人

(イ)学校訪問

選手が小学校を訪問しバスケットボールの授業を

実施した。

開 催 日:10 月 29 日(火)~2月 18 日(火)

会 場:東山田、中川、下泉、荏田南小学校

回 数:4回

参加者数:379 人

(ウ)地域連携事業

RUN FOR AFRICAや職業体験講話、

各区のイベント等へ選手やチアリーダー、マス

コットキャラクター等を派遣した。

開 催 日:4月 27 日(土)~1月 30 日(木)

会 場:日産スタジアム、小学校、公会堂等

回 数:22 回

イ 市民との交流事業

(ア)スクールキャラバン

小・中学校で生徒を対象に、選手が直接指導する

バスケットボールクリニックを実施した。

開 催 日:8月 17 日(土)~11 月6日(水)

会 場:鴨居中学校、相沢、都田、小山台小学校

回 数:4回

参加者数:372 人

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3 横浜市の取組
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参考 横浜熱闘倶楽部の事業
政策調査課
グループ

参考 よこはまウォーキングポイント事業について

ここでは、横浜市と凸版印刷、オムロンヘルスケアの共同事業である、よこはまウォーキン

グポイントについて御紹介します。ウォーキングポイントについては、「市会ジャーナル(平

成 26 年度 Vol2):健康寿命をのばす~健康づくりへの取組~」でも掲載した通り、市民の

方に健康づくりを進めていただく事業です。一方で、ウォーキングは今や国民に最も親しまれ

ている運動・スポーツであり(下表参照)、また、本事業は横浜市民の健康づくりと同時に、

商店街と連携した取組により、商店街の活性化にも資する事業であることから、「スポーツの

振興による地域活性化」をテーマとした本ジャーナルでも御紹介させていただきます。

※ウォーキングには歩け歩け運動、散歩などを含む

(出所:文部科学省「体力・スポーツに関する世論調査(平成 25 年1月調査)」より作成)

①横浜市在住の40歳以上の市民を対象にしたウォーキングによる健康増進を目指す事業です。

②今後 4 年間で 30 万人の市民参加を目指しています。

③お店に設置されたリーダーを目指して、多くの参加者が商店街にやってきます。

※ リーダー設置については、現在凸版印刷・オムロンヘルスケアが横浜市商店街総連合会と

連携して取り組んでいます。

1位 2位 3位 4位 5位ウォーキング 体操 ボウリング ランニング 水泳

50.8% 30.8% 12.7% 12.7% 9.4%

この1年間に行った運動・スポーツの種目(上位5種目)

平成25年1月調査

【出典】健康福祉局 よこはまウォーキングポイント http://enjoy-walking.city.yokohama.lg.jp/walkingpoint/

公式ホームページの

「リーダー設置店募集」から転載

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参考 横浜マラソンの開催と地域活性化について

横浜市では、2015 年3月 15 日に開催される「横浜マラソン 2015」において、初の市

民参加型フルマラソンが行われます。

申込期間中、全国 47 都道府県から申込があり、全種目合計の申込者数は 10 万人を超えま

した。また、大会ボランティアについても、約 6000 人の募集に対し、約 2 週間で受付を終

了しています。

このフルマラソン大会の実施は、スポーツの振興だけではなく、経済波及効果や横浜の魅力

を国内外に発信するシティーセールスの効果も期待されています。

ここでは、「横浜マラソン 2015」の概要等について御紹介します。

■大会概要

項目 内容

開催趣旨 スポーツ振興や健康増進に寄与し、経済波及効果やシティセールス効果が

期待できる、「する、観る、支える」すべての人が楽しめる大会

大会名称 横浜マラソン2015

開催日 2015 年(平成27 年)3 月15 日(日)

メイン会場 パシフィコ横浜

主催 横浜マラソン組織委員会

(主な構成団体:横浜市、神奈川県、(公財)横浜市体育協会ほか)

大会プロデューサー 坂本雄次

主管 横浜市陸上競技協会

協賛(11/20 現在) JX 日鉱日石エネルギー株式会社(ENEOS)/株式会社ローソン/株式会社

アマダ/日産自動車株式会社/ミズノ株式会社/株式会社横浜銀行/株式会社

フォトクリエイト/株式会社杉孝/株式会社京三製作所/リスト株式会社/カ

シオ計算機株式会社/株式会社ファンケル化粧品/東急グループ/コカ・コー

ラ/株式会社エクシオジャパン/キリンビール株式会社/スカイゲイト株式

会社/株式会社横浜岡田屋(モアーズ)/NTT 東日本/古河電池株式会社/

富士ゼロックス株式会社/富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式

会社/富士通株式会社 神奈川支社/スポーツショップ GALLERY・2/株式

会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン/フクダ電子株式会社

運営協力 横浜市スポーツ推進委員連絡協議会

協力 首都高速道路株式会社/日産グローバル本社/相鉄グループ/京浜急行電鉄

株式会社/横浜高速鉄道株式会社/横浜市交通局

後援 文部科学省/観光庁/朝日新聞社/(公財)日本体育協会

種目、募集人数 ・フルマラソン<日本陸上競技連盟公認コース申請予定>:23,950 人

・10km<日本陸上競技連盟公認コース申請予定>:1,000 人

・10km(車いす)<日本陸上競技連盟公認コース申請予定>:30 人

・2km(車いす):20 人

全種目計:25,000 人

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3 横浜市の取組

■コース図

【出典】横浜マラソン 2015公式ホームページ(http://www.yokohamamarathon.jp/2015/)

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コラム 2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた横浜市の取組

2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催が決定し、横浜市でも、日産スタ

ジアムでサッカーを開催する予定となっています。

ここでは、2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた横浜市の取組の中か

ら、平成 26 年4月に発足した横浜市推進本部の概要とオリンピック・パラリンピックを契

機としたスポーツ振興事業の実績について御紹介します。

・ 2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会横浜市推進本部について

2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会の成功、大会開催を契機とするスポーツ

振興、観光・MICE、アクセスの強化、世界に向けた横浜のシティプロモーションの強化、

市民の盛り上がりの醸成などを着実に実施するため、市長をトップ(本部長)に全区局長統

括本部長等による全庁横断的な推進組織「2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会

横浜市推進本部」を設置しました。

1 設置趣旨

(1)世界最大の平和及びスポーツの祭典

2020 年(平成 32 年)、「2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会」の

開催が決定しました。オリンピック・パラリンピックは、世界が注目する、世界最大

規模の平和の祭典であり、スポーツイベントである。横浜市でも、同大会において、

市内施設を活用した競技が実施されます。

(2)オリンピックレガシー

オリンピック憲章には、「オリンピック競技大会のよい遺産を、開催国と開催都市

に残すことを推進すること。」とあり、大会の実施のみならず、大会を契機に、大会

後も横浜にレガシー(遺産)を残すことが重要だと考えています。

(3)大会に向けた本市の姿勢

横浜市としては、同大会の成功に最大限協力するとともに、スポーツ振興を進め、

文化芸術・観光・MICEほかの取組を強め、国内外に横浜の魅力を発信し、横浜の

さらなる成長の契機とします。

(4)推進体制の強化

庁内横断的な組織「2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会横浜市推進

本部」を設置し、4つの部会を置きます。今後は、推進本部が中心となり検討を進め、

取組を実行します。

2 2020 年までの主なスケジュール

平成 26 年(2014 年) 大会組織委員会設置(1 月)

平成 27 年(2015 年) 大会基本計画をIOCに提出(大会組織委員会:2 月)

平成 28 年(2016 年) リオデジャネイロ大会(8 月・9 月)

平成 31 年(2019 年) テストイベントほか

平成 32 年(2020 年) 東京大会(7 月~9 月)

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コラム 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた取組
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3 横浜市の取組
政策調査課
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3 推進本部の当面のスケジュール

2020 年(平成 32 年)を見据え、次期中期計画と連動を考慮しながら、平成 26 年

中をめどに平成 32 年度までのロードマップを策定する。なお、早期に取り組むべき事

項については、27 年度からの実施を図る。

・オリンピックを契機としたスポーツ振興事業の実績について

2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会開催決定を契機として、さらなる市民

スポーツ振興のために、オリンピック・パラリンピック出場経験者を講師としたスポーツ

教室等を行っています。ここでは平成 26 年度の実績を御紹介します。

日付 場所 オリンピアン 競技 備考5月7日 生麦小学校 宇佐美 彰朗 陸上 鶴見区5月8日 金沢小学校 苅部 俊二 陸上 金沢区

5月20日 宮谷小学校 池田 敬子 体操 西区5月23日 本郷小学校 苅部 俊二 陸上 栄区5月30日 中山小学校 宇佐美 彰朗 陸上 緑区6月4日 岡津小学校 宇佐美 彰朗 陸上 泉区

6月16日 権太坂小学校 宇佐美 彰朗 陸上 保土ケ谷区6月20日 瀬谷小学校 池谷 幸雄 体操 瀬谷区7月2日 新石川小学校 具志堅 幸司 体操 青葉区7月2日 俣野小学校 宇佐美 彰朗 陸上 戸塚区

7月16日 中川小学校 畠田 好章 体操 都筑区8月28日 南太田小学校 遠藤 彰弘 サッカー 南区9月3日 浦島小学校 宇佐美 彰朗 陸上 神奈川区

9月25日 山王台小学校 宇佐美 彰朗 陸上 磯子区10月1日 大綱小学校 田中 理恵 体操 港北区10月3日 日下小学校 宇佐美 彰朗 陸上 港南区

10月30日 北方小学校 加藤 宏子 体操 中区12月10日 万騎が原小学校 成田 真由美 水泳(パラ) 旭区

1 オリンピアンによる学校訪問

平成 26 年度オリンピック開催を契機としたスポーツ振興事業の実績(平成 26 年 12 月1日現在)

<市民局提供資料>

2 スポレクへのオリンピアンの派遣日付 場所 オリンピアン 競技 備考

9月27日 南スポーツセンター 松原 良香 サッカー 南区10月5日 青葉スポーツセンター 川上 直子 サッカー 青葉区

10月12日 横浜国際プール 佐々木 みき バレーボール 都筑区

10月13日 新横浜公園青木 沙弥佳千葉 麻美

陸上 中央イベント

10月19日 港南スポーツセンター 信田 美帆  体操 港南区10月19日 都筑スポーツセンター 森 久子 バドミントン 都筑区10月26日 中スポーツセンター 佐藤 正喜 卓球 中区11月1日 港北スポーツセンター 池谷 幸雄 体操 港北区11月3日 鶴見川漕艇場 芳野 法一 ボート 鶴見区

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日付 場所 オリンピアン 競技 備考

7月20日 太尾小学校上田 藍

庭田 清美トライアスロン 小学生トライアスロン教室

8月30日 市立大学 関根 明子 トライアスロン キッズトライアスロン教室

9月28日 海の公園関根 明子柴田 亜衣

トライアスロン横浜シーサイド

トライアスロン大会

未定 未定 未定 トライアスロン パラトライアスロン体験

4 トライアスロンと関連した事業

日付 場所 オリンピアン 競技 備考

4月19日 南スポーツセンター 泉 浩 柔道競技教室

第29回皇后盃全日本女子柔道選手権大会

6月15日 旧横浜総合高校近藤 欽司内山 京子中橋 雪乃

卓球競技教室

ジャパンオープン・荻村杯2014国際卓球選手権横浜大会

7月22日~31日

市庁舎市民広間 - 体操記念展示

2014全日本ジュニア体操競技選手権大会

8月29日 勝田小学校 中村 礼子 水泳学校訪問

第90回日本学生選手権水泳競技大会競泳競技

11月13日 屏風ヶ浦小学校ティキ・ゲラナマリサ・バロス

陸上学校訪問

第6回横浜国際女子マラソン大会

3 大規模スポーツイベントと関連した事業

日付 場所 オリンピアン 競技7月17日 一本松小学校 苅部 俊二 陸上

10月19日 県立四季の森公園 尾崎 好美 陸上10月30日 坂本小学校 苅部 俊二 陸上

5 JOCパートナー都市協定事業

日付 場所 オリンピアン 競技 備考

5月14日 横浜文化体育館 池谷 幸雄 体操中学校総合体育大会

開会式

8月22日 横浜国際プール 中村 礼子 水泳 小学校水泳大会

10月15日10月16日

日産スタジアム 伊藤 友弘 陸上 小学校体育大会

11月5日 横浜文化体育館 江上 由美 バレーボール中学校総合体育大会

閉会式

11月8日ニッパツ三ツ沢

球技場遠藤 彰弘 サッカー

11月29日 横浜文化体育館 根木 慎志 バスケットボール(パラ)

12月13日 横浜文化体育館 村田 由香里 新体操 小学校体育実技発表会

小学校球技大会

6 教育委員会による事業

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3 横浜市の取組
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コラム 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた取組
政策調査課
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4 他都市・企業の取組 (1)新潟県聖

せい

籠ろう

町まち

「株式会社アルビレックス新潟との連携による地域活性化」

ここでは、新潟県聖籠町の取組を、議員研修誌「地方議会人(2014 年1月号)特集:

スポーツの振興と地域活性化」に掲載された記事の内容を転載する形で御紹介します。

1 はじめに

本町がアルビレックス新潟のホームタウンとなったのが平成 15 年 10 月。アルビレ

ックス新潟が J1 に昇格したのが同年 11 月。いずれもそれから 10 年。当初は本町、

そして町民とアルビレックス新潟との関係が目に見える形で深化することはありません

でした。特に当時は野球が盛んで、読売ジャイアンツに町出身の加藤健選手が入団した

り、その他にも町出身の子どもたちが甲子園、大学等で活躍するなど、やはり本町にお

いては野球がメジャーなスポーツでした。

このような状況の中、平成 14 年に本町に

開校した、日本で唯一のサッカー専門学校で

ある JAPAN サッカーカレッジ(JSC)が

町内清掃やサッカー教室の開催などの地域貢

献と地域住民との交流を重ねてきたこともあ

り、その波及効果がアルビレックス新潟が取

り組んできた地域との連携とサッカーの普及

を加速させました。

また、このようなスポーツを核とした地域

振興の兆しを更に本格的な動きとするため、

平成 19 年 3 月に「芸術・スポーツ文化のまち」を宣言。これに呼応して、さまざまな

スポーツ活動への取り組みが行われる中、本町の少年サッカーチームやサッカーカレッ

ジ開校とともに設置された聖籠中学校サッカー部も盛り上がりを見せてきました。更に

現在は、町とアルビレックス新潟、JSC、県サッカー協会などが連携して、県内初の

中学校女子サッカー部の創部を目標に動き出しています。

2 文科省委託事業を起爆剤に

平成 25 年 3 月 5 日、文部科学省から1通の文書が届きました。内容は平成 25 年

度「スポーツを通じた地域コミュニティー活性化促進事業」の公募でした。大学や企業

のスポーツ資源(人材・施設)を地域のスポーツ振興に効果的に活用した取り組みを行

うものです。国と委託契約を締結することで対象経費については全額国から交付される

ことや、本町がアルビレックス新潟のホームタウンであること、JSCが開校している

地域の皆さんと一緒にゴミ拾いを行う

JAPAN サッカーカレッジの皆さん

新潟県聖籠町教育委員会

社会教育課スポーツ振興係長

髙橋 誠司

現地報告

株式会社アルビレックス新潟との連携による地域活性化―新潟県聖籠町の取組みー

議員研修誌「地方議会人(2014 年1月号)共同編集:全国市議会議長会・全国町村

議会議長会 発行:株式会社 中央文化社」 P38~P41 より転載

- 64 -

ことなど、1 万 4500 人程度の小さな町ですがスポーツ資源は豊富です。この応募で「何

かが変わる、スポーツ振興の起爆剤になるのでは」、その思いに迷いはありませんでした。

行政とアルビレックス新潟、JSC、そして町民が一体となり、スポーツを核とした

地域活性化が実現できるのではとの期待が大きく膨らみました。しかも急速に、そして

将来的にも。

早速、内部で検討し、アルビレックス新潟、JSCに打診、事業の提案とその実現性

を探り、県への提出期限となる 3 月 11 日に参加を表明しました。その後、町、アルビ

レックス新潟、JSCの3者で計画の具体化に向けた話し合いを行いながら作成した企

画書・事業計画書を文部科学省に提出し、6月3日付けで全国 16 団体の一つとして採

択されました。

本町は、25 年度において6種目、10 回の事業を計画。本町とアルビレックス新潟が

連携し、JSCが協力する形で「親子レクリエーション」、「親子サッカー教室」、「長距

離を速く走るコツ講座」、「サッカーDE縁むすび」を開催。1月からも「国際雪上サッ

カー&お正月公民館まつり」、「シニア世代の健康教室」を計画しています。

実施済の事業については、反省点もありますが、参加者の声やアンケートから概ね好

評を得た結果となりました。

事業の中から、特に3者が連携して取り組んだ2事業について内容を紹介します。

3 参考になった!84% 「長距離を速く走るコツ講座」

9月、町内の3小学校児童を対象に、目指せ自

己新記録と題して「長距離を速く走るコツ講座」

を開催しました。

開催前の計画段階では、この事業が放課後の下

校前に限定されたことから児童の安全確保の問題

やら、事故が起きた場合の責任、保護者への理解

など多くの課題も浮き彫りになりました。3者が

この課題解決に向けて話し合いを重ねたことは勿

論、学校側も児童の安全を確保したり、保護者の

理解に努めるなど、この開催に向けて協力を惜し

みませんでした。

開催当日は、アルビレックス新潟とJSCの専

門トレーナーから速く走るために必要となる「走

行姿勢」や「股関節の動き」、「無駄な動作省略」

などの基本動作の指導が行われ、参加児童は楽し

そうに、そして真剣に学んでいました。参加児童

からは「マラソン記録会が楽しみ」、「速く走れる

気がしてきた」などの声が聞かれたほか、アンケ

ート調査(図1)でも84%の子どもたちが「参考になった」、65%が「自信がついた」

と回答しています。また、児童が解散した後もトレーナーから直に指導方法を聴きとり、

メモを取る先生方の姿も見ることができました。

最近、保護者の皆さんから声をかけられる言葉は、「来年もマラソンの講座をやって

くれるんでしょ」。嬉しさと同時にこの期待に添えるようにしたいと身が引き締まる思

股関節の動かし方の指導を受ける児童

(長距離を速く走るコツ講座)

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(1) 聖籠町「株式会社アルビレックス新潟との連携」
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4 他都市・企業の取組

いです。

4 10 組のカップル成立「サッカーDE縁むすび」

11 月には県内在住の独身男女を対象に、

サッカーと婚活を結びつけた「サッカー

DE縁むすび」を開催しました。

計画段階から3者で会議を重ねましたが、

「人が集まらないのでは」、「女性は汗を嫌

う」、「どうやってPRする」など、最も大

事な人集めから試行錯誤の連続でした。

しかし、行政が持つネットワークと信用、

アルビレックス新潟とJSCが持つイベン

ト開催のノウハウと行動力、そして豊富な

施設環境をフル活用しながら、開催に漕ぎ

つけました。

募集段階では、新潟県からの協力を求めたり、新聞や人気雑誌への無料広告を依頼し

たり、カップルが成立した場合の特典の無償提供をホテルにお願いしたり、大型商業施

設やコンビニエンスストア、飲食店、各種企業など約 250 店舗を直に足を運びポスタ

ー(図2)掲示やPRを依頼して回るなど、30 年の職員経験の中で初めての経験もし

ました。関係する職員も同様だと思います。とにかく、3者ともに猫の手も借りたいほ

どでした。

募集の結果は、当初、男女各 16 名の計 32 名の定員としていましたが、予想をはる

かに超える男性 62 名、女性 42 名の 104 名が応募。抽選の結果、定員を増して男女

各 24 名の計 48 名で当日を迎えました。

朝のスタッフミーティングでは、念入りに3者の役割分担の確認や個人情報保護の徹

ハッスルプレー続出の男女混合ミニサッカー

ゲーム(サッカーDE縁むすび)

図1「長距離を速く走るコツ講座」参加者アンケート結果

- 66 -

底、スタッフ間のコミュニケーションなどを重点

においた話し合いが行われました。

午後 1 時 30 分、1人のキャンセルも無く、

48 名の参加者が集まりました。

緊張ぎみの自己紹介から始まり、ハッスルプレ

ーが続出し大盛況だった男女混合ミニサッカーゲ

ーム、そしてパーティー、カップル発表。その結

果、10 組ものカップルが成立しました。もちろ

んその中には町民も。参加者からは、「スタッフ

の気遣いが嬉しかった」、「ありがとうございまし

た」の声もかけていただきました。

サッカーの町「聖籠町」をPRしながら、人と

人の交流促進、未婚率の低下、少子化対策など、

スポーツが持つ可能性に驚かされた事業でした。

5 課題はいかに共に汗をかけるか

アルビレックス新潟のスタッフと会議を重ね、イベントを開催していく中で感じたこ

とは、彼らが持つスポーツを核とした事業運営のノウハウ、行動力、徹底した成果主義

を追求する企業感覚などで、これからの行政運営の糧となる思考や行動を実践すること

ができました。このことは、この事業に関わった行政職員にとって、大きな財産となる

はずです。

これらの体験を踏まえたとき、今後、本町がスポーツを核とした地域の活性化を図る

には、アルビレックス新潟との連携は欠かすことはできないでしょう。

では、どのように連携すればいいのか。今回の受託事業のように、一つの目標のため

に一緒に考え、悩み、行動し、一緒に汗をかくことが、最も早くて効果の出せる方法だ

と思います。お互いの信頼関係が構築され、行政と企業という立場を超えて、一つの目

標に向かうときにその力が発揮されると実感しました。勿論、そこにはJSCの存在も

欠かせません。

6 終わりに

本町には魅力がいっぱいです。県都新潟市に隣接し、サクランボ、桃、葡萄、梨など

果樹の栽培が盛んで、その時季には観光農園が賑わいを見せています。また、海岸線を

擁していることから、海水浴場や堤防開放による魚釣場、24 年度には聖籠町の海を訪

れるみなさんの交流の場「海のにぎわい館」をオープン、そして温泉施設、桜と白鳥飛

来で有名な弁天潟風致公園など、果樹、水稲などの農業と観光が盛んな町です。

一方、新潟東港臨海工業地帯には、日本有数の大企業も多く立地していて、ここでの

雇用により昼間人口流入率は県内1位となっています。また、幼児の通常保育の無料化

やさまざまな福祉施策の充実にも取り組んでいて、25 年版の新潟県 100 の指標では、

人口自然増1位、出生率 2 位、平均年齢が最も低いなど、住みやすく若者が多い活気あ

る町です。

これからも、アルビレックス新潟をはじめとした豊富なスポーツ資源と連携を深める

ことで、また、新たな町の魅力づくりに努めていきたいと考えています。

図2 「サッカーDE縁むすび」参加者募集

ポスター

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4 他都市・企業の取組
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グループ
(1) 聖籠町「株式会社アルビレックス新潟との連携」

健康づくり・スポーツ推進特別委員会行政視察(株式会社アルビレックス新潟)について

株式会社アルビレックス新潟については、横浜市会の「健康づくり・スポーツ推進特別委員

会」にて、平成 26 年11 月 12 日(水)に行政視察を行いました。

現地では、今やJ1屈指の観客動員を誇るアルビレックス新潟が地域と共に歩んできた経緯

や、新潟聖籠スポーツセンター(通称:アルビレッジ)の概要説明を受けた後、実際にアルビ

レッジの各施設の見学を行いました。

※アルビレッジは、主に新潟の人々に対して、サッカーを中心としたスポーツの普及および育成に関す

る事業を行うことで、スポーツ文化の振興および子供の健全育成に寄与することを目的として設立され

た施設です。

平成 26 年度

健康づくり・スポーツ推進特別委員会 行政視察

1 日程

平成 26 年 11 月 12 日(水)~11 月 13 日(木)

2 視察先及び視察事項

(1)株式会社アルビレックス新潟

アルビレックス新潟におけるスポーツ振興の取組について

(2)新潟県長岡市

アオーレ長岡におけるスポーツ振興の取組について

【視察の様子(アルビレックス新潟)】

【委員会所属議員】

委員長 関 勝則

副委員長 上野 盛郎

副委員長 坂本 勝司

委員 黒川 勝

同 斉藤 達也

同 瀬之間 康浩

同 古川 直季

同 源波 正保

同 中島 光徳

同 市野 太郎

同 谷田部 孝一

同 伊藤 大貴

同 荒木 由美子

同 足立 ひでき

同 丸岡 いつこ

参考

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(2)埼玉県さいたま市「さいたまスポーツコミッション」

さいたま市は、平成 23 年 10 月に本格的スポーツコミッションとしては国内初となる

「さいたまスポーツコミッション」を創設し、さいたま市及びその周辺地域にあるスポー

ツ資源や特徴ある観光資源を最大限活用し、各種競技大会等スポーツ関連イベントの誘致

を通じて、地域スポーツの振興と地域経済の活性化を図っています。

ここでは、「スポーツによって地域経済を活性化させるエンジン(推進組織)」と位置付

けられた「さいたまスポーツコミッション」について、「さいたま市スポーツコミッション

基本計画書(概要版)」から抜粋する形で御紹介します。

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4 他都市・企業の取組
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グループ
(2) さいたま市「さいたまスポーツコミッション」

【出典】さいたま市 さいたま市スポーツコミッション基本計画書 http://www.city.saitama.jp/004/001/001/p014024.html

【参考】さいたまスポーツコミッション事務局 http://saitamasc.jp/

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(3)吉本興業株式会社「ふるさとアスリート制度」

ここでは、吉本興業が平成 26 年8月からスタートさせた「ふるさとアスリート制度(F

A制度)」について御紹介します。

心技体を鍛え、スポーツと真摯に向き合ってきた方々の熱意や行動力には、人を魅了する力

があります。

その優れた資質と可能性を活かせる新たな「仕組み」をつくれたら・・・。

そんな思いを、私たちはカタチにしました。それが「FA」。ふるさとアスリート制度です。

私たちは、2011 年から「あなたの街に住みますプロジェクト」を展開。

全国 47 都道府県で、住みます芸人たちが地域のみなさんと協力しながら、さまざまな課題

にお答えしています。

ここで得た経験やネットワークを活かし、スポーツ選手の方々と、地域からの要望をお伺い

し、活躍できる場をご提供します。

スポーツ選手のみなさん、あなたの力を、地元や思い入れのある地域で、活かしてみません

か。

街を、日本を、ぐいぐい元気にしていきませんか。

プロ・アマ・現役・引退、問いません。

社会に参画し、スポーツの楽しさを伝え、健康づくりや子どもたちの育成等に貢献したい、

という強い思いがある方ならどなたでも「ふるさとアスリート制度」にご応募できます。

あなたの新しい一歩への“FA 宣言”お待ちしています。

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4 他都市・企業の取組
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グループ
(3) 吉本興業株式会社「ふるさとアスリート制度」

スポーツ教室などで、指導を通じて子どもたち夢を育てたり、地域のスポーツイベントへの参加、

元アスリートの人間力やスキルを活かしてFA と地域が強く結びつき、地域を元気にしていきます!

FA が各地方メディアと連携し、様々な活動を紹介していきます。

地元に愛されるFA として多方面での活躍を通じて、地元参加型のイベントや地域と共生するス

ポーツ振興を盛り上げていきます。

FA が地域とともに作り上げた地盤で子どもたちの夢を育てるとともに活躍の場を提供します。

またスポーツの盛上とともに地域づくり・地域活性化を育みます。

【出典】吉本興業株式会社 FA ふるさとアスリート

http://fa.yoshimoto.co.jp/ - 72 -

参考図書一覧

市会図書室では、スポーツに関連する次のような資料を配架(配架予定も含みます)し、閲

覧・貸出を行っております。ぜひ御活用ください。

文部科学白書

議員研修誌 地方議会人

市政

本ジャーナルでは、地方議会人2014 年1月号の特集「スポーツ

の振興と地域活性化」の中から「株式会社アルビレックス新潟との

連携による地域活性化―新潟県聖籠町の取組み―(P38~P41)」

の内容を転載して御紹介しています。

◇共同編集:全国市議会議長会・全国町村議会議長会

◇発 行 所:中央文化社

「市政」では、シリーズ特集のテーマとして「スポーツ振興で地

域活性化」を取り上げ、 2014 年10 月号では、第1回として「ス

ポーツ合宿や大会の誘致で活性化」と題して、合宿や大会誘致がも

たらす地域活性化の効果やスポーツを生かしたまちづくりを進め

る都市の事例を紹介しています。

◇発行者:荒木慶司

◇発行所:公益財団法人 全国市長会館

文部科学白書は、文部科学省の施策全体についてまとめて記述

しています。本稿では、この白書のうち、スポーツに関連する以

下の部分を参照しています。

平成22 年度文部科学白書 特集1 スポーツ立国の実現

平成23 年度文部科学白書 第6章 スポーツ立国の実現

平成24 年度文部科学白書 第7章 スポーツ立国の実現

◇編 集:文部科学省

◇発行所:日経印刷株式会社

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参考図書一覧

詳解 スポーツ基本法

スポーツ政策論

【主な内容】

第1編 スポーツ政策の理論と制度

第2編 国によるスポーツ政策

第3編 地域のスポーツ政策

第4編 特定スポーツ政策と他の政策サブシステム

◇編 者:菊幸一、齋藤健司、真山達志、横山勝彦

◇出版社:成文堂

◇発 行:平成23 年11 月

スポーツで地域を拓く

「観るスポーツ」から、「参加するスポーツ」へ。「体育」とは異

なるスポーツ像を提示し、それがもつ多様な効果と視点を活用した、

行政やNPO・ボランティア組織と協働して進める地域活性化のた

めのデザインを、海外の事例も含めながら新たに提示する。

◇編 者:木田悟、髙橋義雄、藤口光紀

◇出版社:一般財団法人 東京大学出版会

◇発 行:平成25 年7月

【主な内容】

序 歴史的経緯・基本理念

第Ⅰ編 主たるスポーツ領域と基本法

第Ⅱ編 スポーツに関わる組織と基本法

第Ⅲ編 スポーツに関わる人と基本法

第Ⅳ編 スポーツ医・科学と安全

第Ⅴ編 紛争解決

第Ⅵ編 東日本大震災とスポーツ基本法

まとめに代えて -スポーツ法の過去未来-

◇編 者:日本スポーツ法学会

◇出版社:成文堂

◇発 行:平成23 年12 月

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あとがき 2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催地が東京に決定しました。こ

の大会を成功させるためには、東京地域だけではなく、日本全体が一丸となって盛り上

げていくことが必要であり、国民の関心も高まっています。

また、最近では、スポーツを「観る」「する」だけではなく、周辺の観光要素やスポ

ーツを「支える」人々との交流も付加したスポーツツーリズムへの取組が活発化してお

り、スポーツを核とした地域活性化に力を入れる自治体も増えています。

横浜市には、横浜DeNAベイスターズ、横浜F・マリノス、横浜FC、横浜ビー・

コルセアーズなど、多くのプロスポーツチームが活動の拠点を置いていることから、市

民がトップレベルの競技に触れる機会が多く、スポーツに関する関心が高まる条件を備

えています。

さらに、市内では国際大会を含む大規模スポーツイベントが多数開催されており、

2015年3月に開催される「横浜マラソン2015」では、横浜市で初めての市民参加型

フルマラソンが行われます。市中心部の観光名所を巡ることができる本大会には多くの

申込があり、経済波及効果も期待されています。

これからも、横浜の持つ優位性を活かしたスポーツの振興が、横浜のさらなる魅力の

発信や地域活性化につながっていくことを期待しています。

今回の執筆編集にあたっては、スポーツの振興が、いかにして地域の活性化につなが

っていくのかということを主眼に置き、国、神奈川県及び横浜市の取組とともに、他都

市や企業の取組事例の御紹介に努めました。少しでも参考になれば幸いです。

(Y.H.)