1

CCT ワークショップ２０１３CFBの国際展開と今後の方向性

住友重機械工業株式会社

2013年 8月 7日

2

1. 循環流動層ボイラの原理と燃料多様性

3

ｻｲｸﾛﾝ

ガス流速：1m 以下

燃焼：固定層燃焼炉底

ガス流速：1.0m/s程度

燃焼：流動燃焼炉底で燃焼

ガス流速：2.0m/s～*1

燃焼：流動・浮遊燃焼炉外に飛散

ガス流速：5.0m/s

燃焼：流動・浮遊・循環炉内全体で燃焼

循環流動層ボイラの原理

ストーカボイラなどに近い

流動床ボイラ 循環流動層CFBサイズアップ

*1 注記：飛散を開始する流速は流動粒子径等にも依存し、一般的な流速として2.0m/s程度して記載しています。

ベット材砂・灰等

大きな熱容量：高水分等に優位流動燃焼（破砕燃焼）：不定形燃料に優位

4

燃料多様性

循環材の大きな熱容量により、幅広いレンジの

燃料対応が可能

燃料多様性

循環材の大きな熱容量により、幅広いレンジの

燃料対応が可能

炉内脱硫

炉内への石灰石投入により

経済的な脱硫操作が可能

炉内脱硫

炉内への石灰石投入により

経済的な脱硫操作が可能

長時間燃焼

循環燃焼により高い燃焼効率の実現

長時間燃焼

循環燃焼により高い燃焼効率の実現

メンテナンス低減

低温燃焼のため、炉内へのスラッギングなし。

メンテナンス低減

低温燃焼のため、炉内へのスラッギングなし。

低NOｘ

低温燃焼によるNOｘ発生低減に加え、サイクロンでのアンモニアによる

無触媒脱硝が可能（触媒脱硝の最小化）

低NOｘ

低温燃焼によるNOｘ発生低減に加え、サイクロンでのアンモニアによる

無触媒脱硝が可能（触媒脱硝の最小化） 低温燃焼

サーマルNOｘ発生抑制炉内石灰石脱硫効率

低温燃焼

サーマルNOｘ発生抑制炉内石灰石脱硫効率

流動燃焼

循環材の大きな熱容量流動により燃料は破砕燃焼

微粉砕不要高水分燃料等燃焼可能

流動燃焼

循環材の大きな熱容量流動により燃料は破砕燃焼

微粉砕不要高水分燃料等燃焼可能

循環流動層ボイラの原理と特徴

5

循環流動層ボイラの原理と特徴

• 低温燃焼 ～900℃

均一温度• 灰溶融無し

• 熱NOｘ低い

• 環境値対応炉内脱硝 + 外部炉内脱硫 + 外部

• 設計燃料石炭・バイオマスなど広範囲対応

• 燃料品質微粉砕不要乾燥不要

• 燃料品質比較的寛容

• 高温燃焼 1300℃

局部高温• 灰溶融による

スラッキング• 熱NOｘの発生

• 環境値対応外部脱硝外部脱硫

• 設計燃料高品位石炭等に限定

• 燃料品質非常にセンシティブ

Flue gas800-900°C (1472-1652oF)

Coal<10mm(0.4 in)

Biomass<50mm(2.0 in)

Limestone<1mm(0.04 in)

800-900°C(1472-1652°F)

4.5-5.0 m/s(15-16 ft/s)

Air

燃料多様性、低温燃焼を特長とし、低品位燃料を低エミッションで利用可能

Fuel& Air

°C192715731216860504149

CFB Animation

PCボイラとCFBボイラの違い

6

石炭褐炭～瀝青炭～無煙炭

オイルコークス 石炭クズ高灰分含有石炭等

オイルシェール 木質チップ（木質バイオマス）

乾燥スラッジペレット化燃料

石炭類

循環流動層ボイラの燃料多様性

7

新エネルギー燃料

建設廃材 TDF (廃タイヤ燃料） 廃プラスティック燃料

南洋系バイオマス

循環流動層ボイラの燃料多様性

森林未利用材（生木チップ） 林地残材（バーク含）

8

CFBでの燃料使用実績

弊社納入のCFBでの使用実績燃料（混焼を含む)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00 9.00 10.00 11.00 12.00 13.00 14.00 15.00

燃料比(-)

低位発

熱量

（kcal/kg)

バイオマス燃料s 廃タイヤ・プラスティック類 石炭

標準設計

Indonesia

PC Boilers

廃タイヤ等

木質バイオマス

無煙炭用設計

スラッジ類

豪州炭

中国炭・ロシア炭ベトナム無煙炭

中国低品位無煙炭

中国低品位無煙炭（BCG）

ベトナム低品位褐炭（VND）

幅広い燃料の専焼利用・混焼利用が可能

9

Global CFB Market Share over 2007-2011

Source: FW sales database and FW-McCoy database for FW served markets

Samcheok USC4 X 550 MWe UNITS

FW CFB大型化開発

事業用への参入

PCボイラの更新に対応

事業用超臨界CFB

事業用 超々臨界CFB（建設中)

CFBボイラの開発動向

2009年 ポーランド（Lagisza）で超臨界ユニット（460MW）稼動開始韓国にて超々臨界ニユット(550MW)建設中

10

2. CFBの海外展開

11

低品位炭利用の追求

PCボイラでの高効率利用

低品位炭利用の提案

水分・灰分の増加(低品位燃料））

課題：有効利用

①改質利用

②CFBによる直接燃焼

12

低品位炭利用の課題と提案

非流通炭のような低品炭の利用は、改質、ガス化、液化等による石炭品質の改善や付加価値の改善があり、開発が進んでいる。

これらの技術革新は、より高い価値を生み出すために非常に重要な技術であるが、燃料操作と輸送のため、燃料価格が高騰するケースが存在している。

特に、インドネシアの例では、極めて低品位の石炭は交通インフラの整備されていない地域に多く存在し、上記の改善をしても、国内利用には価格的に不利な可能性も高い。

そのため、交通インフラの整備されていない地域ではCFBによる直接燃焼による山元発電推進を提案する。

13

低品位炭利用の課題と提案

非流通炭 品質改善輸送インフラ有 日本への輸出

国内PC利用(工業地域圏）

CFBでの燃焼 山元発電利用

輸送インフラ 無

交通インフラ未整備地区では、機器整備工場、分析機関等の充実も期待できず、大型高効率のSC,USCの導入の基盤技術も未整備。

写真は2013年度NEDO事業水分50% LHV 2300kcal/kg

燃焼実証済み石炭の採掘場

14

低品位炭利用から新エネルギー燃料利用へ

CFBでは、多種燃料の混焼が可能であり、低品位炭利用に加え、バイオマス燃料、廃タイヤ、廃プラなどの新エネルギー燃料の利用が可能であり、バイオマス燃料利用によるCO2二国間クレジットの対応等が可能。今後アジア諸国の近代化に伴う新エネルギー燃料利用ニーズが予想され、CFBによる混焼技術利用を展開。

建設開始年建設開始年20112011年年 66月月 （立柱）（立柱）運転開始年運転開始年20201313年年 33月月事業主事業主 TuasTuas Power UtilitiesPower Utilities Pte.LtdPte.Ltd..

ジュロン島テンブス地区ジュロン島テンブス地区シンガポールシンガポール

発電出力発電出力 100100MWeMWeボイラ蒸発量ボイラ蒸発量 445050t/ht/h蒸気圧力蒸気圧力 110.50.5MPaMPa蒸気温度蒸気温度 551010℃℃使用燃料使用燃料 インドネシア亜瀝青炭インドネシア亜瀝青炭 80%80%

PKSPKS（ﾊﾟｰﾑｶｰﾈﾙｼｪﾙ）（ﾊﾟｰﾑｶｰﾈﾙｼｪﾙ）20%20%

15

低品位炭利用の課題と提案

非流通炭 CFBでの燃焼山元発電利用2国間クレジット

環境改善

低品位炭産地近くには、森林系他バイオマス燃料の腑存量も多くバイオマス燃料利用の展開が望まれる。

南洋系バイオマス

バイオマス有効利用

16

海外における石炭利用の価値モデル

高品位炭（外貨取得）

高品位炭の安定供給

(ｴﾈﾙｷﾞｾｷｭﾘﾃｨ）

石炭会社の価値 国際貢献 日本の価値

PCによる

高効率利用（SC,USC）

該当国内

安定電源低価格

環境改善/安定

近代化促進

低品位炭有効利用

燃料価値改善改質

燃料価値改善液化・ガス化

ディーゼル油燃料転換

CFBによる

山元発電

CO2削減

日本製品のマーケット拡大

CO2クレジット

バイオマス等

改質炭へ

高効率

効率改善・バイオマス

新燃料価値

CCT

低コスト利用

低品位炭利用において石炭利用価値モデルに貢献できる

輸送インフラ 弱

輸送インフラ 有

輸出へ

17

ビジネスモデル

燃料・発電規模に合わせて様々な設備対応可能燃料・発電規模に合わせて様々な設備対応可能

山元自家発 自家発・PPS IPP・低品位炭事業用

短納期モジュール設計

多燃料対応 低品炭高効率利用バイオマス混焼

小型CFB

新エネ対応

高効率再熱式設備

25～75MW 100～200MW5MW

18

ご清聴ありがとうございました。

19

参考資料：SHI CFB納入実績表

SHI 供給範囲 容量 燃料運用 CO2削減量

運開 会社名 立地 B TG MWe 蒸発量 温 度 圧 力 石油 木質 RPF

(Reference) ton/h ℃ ㎏/c㎡ 石炭 ｺｰｸｽ ﾊﾞｲｵ 廃ﾀｲﾔ 廃ﾌﾟﾗ ｽﾗｯｼﾞ ｔ-CO2/Y

88.08 オーミケンシ 加古川 X X 4 35 485 62 100% max20% 12,200

88.09 神戸製鋼所 長 府 X X 12 54 500 110 100%89.04 新日本製鐵 広 畑 X (65) 250 571 127 100%89.06 神戸製鋼所 神 戸 X (40) 150 541 125 100%

石炭 90.10 神戸製鋼所 加古川 X (60) 225 543 105 100% max20% 70,000

自家発 95.02 王子板紙 祖父江 X (20) 120 540 123 100%

96.04 太平洋セメント 佐 伯 X X 29 96 541 105 100%

99.08 住友大阪セメント 高 知 X X 61 230 541 131 100% max10% 35,800

05.08 DSR中国 ｱﾓｲ X (1 x 100) 220x3 540 100 100%

07.12 Kumho韓国 ﾖｰｽ X (2 x 66) 250ｘ2 540 130 70% 30% 222,200

10.05 江蘇王子製紙/中国 南通 X (2 x 37) 200x2 538 124 99% 1% 5,200

12.08 Cheng Loong Paper Holi 台湾 X （34） 130 541 127 100% （将来10%） （将来2%)

15.5/8 Antam Pomalaa X 2 x 30 125x2 541 100 100%

01.06 電発/太平洋ｾﾒﾝﾄ 糸魚川 X X 149 475 569/541 173/37 100% max20%

03.04 Vinacoalﾍﾞﾄﾅﾑ ﾅｽﾞｵﾝ X (2 x 56) 205x2 540 130 100%

石炭IPP 05.04 電発/太平洋ｾﾒﾝﾄ 土 佐 X 165 525 569/541 173/36 100%

05.10 住友大阪セメント 高 知 X X 62 237 541 131 100% max10% 34,300

04.10 ｻﾐｯﾄ明星ﾊﾟﾜｰ 糸魚川 X X 50 196 513 103 30% 建廃70% 221,300

06.05 王子製紙 日南 X (18) 130 541 117 建廃17% ﾁｯﾌﾟ80% max20% 3% 223,700

05.09 北越製紙 勝田 X X 50 195 513 102 40% 建廃60% 3% 192,600

石炭 06.10 中越ﾊﾟﾙﾌﾟ 二塚 X (35) 130 530 124 10% 建廃15% ﾁｯﾌﾟ60% 15% 183,400

+バイオ 07.12 ﾀﾞｲｾﾙ化学 大竹 X X (80) 300 541 128 70% ﾁｯﾌﾟ30% 158,300

+ﾘｻｲｸﾙ 08.03 高砂製紙 茨城 X X 15 65 450 63 建廃70% ﾁｯﾌﾟ30% 107,100

燃料 07.10 日本製紙 富士 X (59) 230 505 104 20% 建廃60% 20% 297,600

07.11 日本製紙 岩沼 X (59) 230 505 104 40% チップ40% 20% 252,000

07.12 日本大昭和板紙 東北 X (45) 180 480 80 90% 建廃10% （10%） 33,300

08.12 日本製紙 旭川 X (43) 170 510 104 22% ﾊﾞｰｸ54% ﾁｯﾌﾟ20% 3% 1% 215,500

08.09 日本製紙 白老 X (74) 280 536 130 85% 抜根9% 5% 1% 68,600

09.01 王子製紙 富岡 X X 32 300 485 70 49% 30% 21% 246,900

09.06 日本大昭和板紙 芸防 X X 30 280 535 105 99% 1% 5,000

10.11 東レ 愛媛 X X 25 150 541 103 90% 10% 25,700

11.2 川崎ﾊﾞｲｵﾏｽ発電 川崎 X X 33 137 513 102 100% 203,900

12.7 旭化成ｹﾐｶﾙｽﾞ 延岡 X X 14 80 493 62 30% 60% 10% 95,300

12.7 ｸﾞﾘｰﾝ発電会津 会津 X X 5 25 453 55 100% 37,200

12.11 TuasPower ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ X 70 450 510 107 80% 20% 146,700

12.11 日本合成化学 熊本 X (5.5) 28 453 55 40% 60% 28,800

13.11 TuasPowerⅡA ｼﾝｶﾞﾎﾟｰﾙ X (70) 450 510 107 80% 20% 146,700

14.09 KumhoⅡ ﾖｰｽ X (62)x2 400x2 541 129 70% 30% 355,520

15.01 日本海水 赤穂 X X (18.5) 77 513 102 100% 114,600

15.02 王子マテリア 富士 × (57） 230 485 89 40% 20% 40%14.11 ｸﾞﾘｰﾝ発電大分 日田 X X 5 25 453 55 100% 37,200

15.4 王子ｸﾞﾘｰﾝｴﾅｼﾞｰ 日南 X X 25 100 541 105 20% 80%

住友-FosterWheeler 循環流動層ボイラ実績

ボ イ ラ ー