23
2014.07.11 岡山大学振動リカレント教育 【そのⅡ】 振動および減衰特性の 測定実習 岡山大学 客員教授 博士(工学) 小村 英智 岡山大学 客員教授 博士(工学) 長井 直之 岡山県工業技術センター 研究開発部 善夫 岡山大学産学官融合センター

2014 0711 資料表紙(配布用) - 3DIM技研 · アクセレランス ... 5.機械インピーダンス Mechanical Impedance 6.動質量 Dynamic Mass 「加速度/力」で定義される応答関数はどれか.

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2014.07.11

岡山大学振動リカレント教育

【そのⅡ】

振動および減衰特性の

測定実習

講 師

岡山大学 客員教授

博士(工学) 小村 英智

岡山大学 客員教授

博士(工学) 長井 直之

岡山県工業技術センター

研究開発部 辻 善夫

主 催

岡山大学産学官融合センター

協賛

岡山県工業技術センター

岡山大学産学官融合センター研究協力会

1

・振動試験の基礎

機械装置の状態監視や異常診断を行うために,機械の発する振動を測定することが多い.

機械の設計検証や適切な異常対策を行うためには,機械の発する振動を測定するだけでは情報が不足である.

この場合,強制的に機械に振動を加えて,その加えた振動に対する応答特性を知る必要がある.

この様に,機械に振動を加えて試験することを振動試験という.振動試験を行わないと得られない情報は大きく次の2項である.

① 伝達関数

② 減衰特性

振動試験(加振試験)の目的

加振力発生器・シェーカー・ハンマー

加振力センサ・ロードセル・力センサ

振動応答センサ・加速度センサ・変位センサ

試験体

A_データ収集器・データレコーダ・FFT解析器

B_データ収集器・データレコーダ・FFT解析器

伝達関数

時系列データAのフーリエ変換

A

B

RA

IA

RB

IB

時系列データBのフーリエ変換

AA

BB

jIR

jIRfH

AAAA

AABB

AA

BB

jIRjIR

jIRjIR

jIR

jIR

BABABABA

AA

RIIRjIIRRIR

22

1

伝達関数

オートスペクトル 或いは,パワースペクトル という

クロススペクトル という

BABABABA

AA

RIIRjIIRRIR

fH

22

1伝達関数

22AA

BABA

IR

IIRRR

22AA

BABA

IR

RIIRI

22 IRfH

R

If 1tan

1 10 100 1000

60dB

40dB

20dB

0dB

-20dB

周波数 (Hz)

ISO2041 に次の 6 種類の応答関数が定義されている.

コンプライアンス:Compliance = 変位/力 [m/N]

モビリティ:Mobility = 速度/力 [(m/s)/N ]

アクセレランス(イナータンス):Accelerance ( Inertance )

= 加速度/力 [(m/s2) /N]

動剛性(動ばね定数):Dynamic Stiffness = 力/変位 [N/m]

機械インピーダンス:Mechanical Impedance = 力/速度 [N/(m/s)]

動質量(アパレントマス):Dynamic Mass = 力/加速度 [N/(m/s2)]

2

Compliance X/F

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

X/F

[dB

]

応答関数

コンプライアンス 動剛性

動ばね定数力

変位 1

変位

Stiffness F/X

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

F/X

[dB

]

外力が一定の強制振動による振幅特性

応答関数

モビリティ 機械インピーダンス

機械インピーダンス力

速度 1

速度

Mobility V/F

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

V/F

[dB

]

Impedance F/V

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

F/V

[dB

]

応答関数

アクセレランス (動)質量

動質量力

加速度 1

加速度

Accelerance α/F

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

α/F

[dB

]

Mass F/α

-20

-10

0

10

20

0.1 1 10ω

F/α

[dB

]

イナータンス(Inertance)

◆ 「力/速度」で定義される応答関数はどれか.

1.コンプライアンス Compliance2.モビリティ Mobility3.アクセレランス Accelerance4.動剛性 Dynamic Stiffness5.機械インピーダンス Mechanical Impedance6.動質量 Dynamic Mass

◆ 「加速度/力」で定義される応答関数はどれか.

1.コンプライアンス Compliance2.モビリティ Mobility3.アクセレランス Accelerance4.動剛性 Dynamic Stiffness5.機械インピーダンス Mechanical Impedance6.動質量 Dynamic Mass

◆ 応答関数の「機械インピーダンス」の定義として,適切なものはどれか.

1.変位/力2.速度/力3.加速度/力4.力/変位5.力/速度6.力/加速度

◆ 伝達関数に関する記述で,適切でないものはどれか.

1.変位/力 をコンプライアンスという2.速度/力 をモビリティという3.加速度/力 をイナータンスという4.力/変位 を動質量という5.力/速度 を機械インピーダンスという

2 ch

FFT解析器

信号調整器

信号調整器

加振器

電力増幅器

力センサ

力信号

A B

振動加速度センサ

応答信号

加振信号

◆ 図は2 chの解析システムである.B / Aで測定される応答関数は何か.

3

①振動系のモデル化と解析手法の検証

【単純な模型での試験、実験が多い】

②振動トラブルの原因追求、対策の確認

【実際の機械での試験、実験が多い】

◎どのような振動情報がほしいのか?

外力に対する振動系の応答

共振曲線(振幅 vs 振動数)

ボード線図(振幅、位相 vs 振動数)

振動試験(加振試験)の目的

モニター

(シンクロスコープ)

データ収集装置

(データレコーダ)

(FFT分析器)

計算機システム

(大規模分析・解析)

振動試験(加振試験)方法

加振力発生器

(シェーカー)

(ハンマー)

加振力センサ

(ロードセル)

(力センサ)

試験体

振動(応答)センサ

(振動加速度センサ)

(渦電流変位センサ)

振動試験(加振試験)の方法【加振力を得る方法】

①正弦波加振

【単一振動数で定常的に加振】

②インパルス加振

【衝撃加振、一様振動数で過渡的加振】

③ランダム波加振

【①+②、一様振動数で定常的に加振】

振動数を変えていく

振動試験(加振試験)の方法①正弦波加振

・アナログ的、単一振動数で定常的に加振

・振動数を変えていく

振動試験(加振試験)の方法①正弦波加振

搭載テーブル加振器

制御装置

加振器(動電式加振器)

4

正弦波加振の例

伝達関数(A/B)

振動試験(加振試験)の方法②インパルス加振

利点 手軽、簡単、短時間

◆ インパルスハンマーの加振試験の特徴

欠点 線形の振動系しか適用できない

加振力の制御ができない

小さなものには向いていない

振動試験(加振試験)の方法②インパルス加振

振動センサ

試験体 A/D

変換器

A/D

変換器

FFT

FFT

Auto

Spectrum

Cross

Spectrum

ロードセル

ハンマー

衝撃加振力の振動数特性

衝撃波形(三角状)

ほぼ一様な振動数特性

時間波形

位相

振幅

ロータ(静止)を打撃加振

ロータの応答

(渦電流式変位センサ)

固有振動数のひとつ

②インパルス加振の例(1)

②インパルス加振の例(2)

5

変則的なインパルス加振ステップ加振法

低い固有振動数の大型構造物など

振動試験(加振試験)の方法③ランダム波加振

振動試験(加振試験)の方法③ランダム波加振

振動センサ試験体

A/D

変換器

A/D

変換器

FFT

FFT

Auto

Spectrum

Cross

Spectrum

電力

増幅器

白色ノイズ

発生器

ロードセル

加振器

各種ランダム波形

加振法 特徴構造物のサイズ

減衰 線形性 時間 費用

正弦波 ・高精度,高分解能・要セットアップ時間・実験時間がかかる・中低周波向き

大中小

いずれも可

大中小

いずれも可

非線形も可

長・セッティング・スイープ

時間

加振(中)分析(中)

ランダム波 ・最もFFTに適用可・加振パワーやや小

線型構造物のみ

短但し,セッティング

は長

加振(中)分析(大)

過渡波 ・手軽で簡便・加振力制御不可・各周波数に対するパワー小

中小物向き

中小向き

ウエイティングに

注意

加振(小)

ハンマのみ分析

(大,中)

各種加振法の特徴

インパルス

ステップ

加 振 器 周 波 数 加 振 力 特 色

正弦波

不平衡式 ~100 Hz 中 ・静止物・加振制御カム式 ~ 20 Hz 大

電磁式 5 ~ 5 kHz小

(数10 kg)・非接触・回転物可

動電式 0.5 ~ 5 kHz中

(数 100 kg)・静止物・ダイナミックレンジ大

電気油圧式 0 ~ 数100 Hz大

(10 t)・静止物・強パワー

音響式 10 ~ 5 kHz・非接触・面加振

圧電式 数10 ~ 数10 kHz 微少・接着・小さい

各種加振法の特徴

6

各種加振器とその振動数特性

インパルスハ ン マ

〔ハンマーチップ〕

ステップ加振装置・初期たわみ 切り離す

ゴム

プラスチック

アルミ,鋼

10 100 1k (Hz)

F

(kg)

・動くものでも加振可

・大は振り子式もあり

各種加振法の特徴

加振器の使用上の注意(1)

ドライブロッドで

加振器と振動対象物体を結合

加振器の使用上の注意(1)

加振器の支持法

インパルスハンマーの使用上の注意(1)

打撃について・2度撃ちしないように注意

・加振波形をモニターすること

(フィルタを使わず、直に見ること)

インパルスハンマーの使用上の注意(2)

ハンマーの先端について対象の振動数領域に合わせて、先端チップを選ぶ

(ゴム、テフロン、プラスチック、アルミ、鉄)

7

Time (s)

Time (s)

Frequency (Hz)

Frequency (Hz)

1. ハンマによる加振力の時間波形

2. ハンマによる加振力のスペクトル

3. 加速度センサの時間波形

4. 加速度センサのスペクトル

◆ ロードセルが内蔵されている

インパルスハンマと加速度セ

ンサを用いてインパクト加振

試験を行った.それぞれの

データは何を表すか下記の中

から最適なものを選べ.

◆ 構造物の加振試験において、最も高い振動数を正しく検出する加速度セン

サの取付方法にレ点を記せ.

□ センサを手で押し付ける.

□ センサを両面テープで貼り付ける.

□ センサをボルトで直に固定する.

□ センサを瞬間接着剤でつける.

□ 冶具をボルトで固定し、センサを瞬間接着剤でつける .

◆ 400ラインのFFT分析器を用いて、100Hzまでの加振試験のデータを収集する

場合、試験の状態を保持しておかねばならない時間はいくらか.

◆ インパルスハンマーによる加振試験の特徴は下記のごとし.

●手軽に加振力を入力することが( ).

●比較的小さなパワーで各次数の固有振動を発生させることが( ).

●加振力の大きさはきちっと制御( ).

●センサとしては( )がよく用いられる.

括弧に当てはまる語句は何か.

◆ 衝撃加振試験で、インパルスハンマーを使う場合、比較的低振動数のデータを対象とする場合、最適なハンマーチップにレ点を記せ.□ ゴム□ プラスティック□ アルミ□ 鋼□ 軟鉄

◆ インパルスハンマーの加振試験の特徴として、適切なものにレ点を記せ.

□ 加振力の入れ方が難しい。

□ それぞれの振動数で、大きなパワーが得られる。

□ 加振力がきちんと制御できる。

□ 線形の振動系しか適用できない。

□ 小さなものには向いていない。

◆ インパルスハンマーによる加振試験の特徴は下記のごとし.

●手軽に(□重量, □共振点, □加振力)を入力することができる.

●比較的小さな( □電力, □電流, □パワー, □共振点)で各次数の固有振

動を発生させることができる.

● ( □振動, □電流, □加振力, □共振点)の大きさはきちっと制御できない.

適切なものにレ点を記せ.

◆ 加振試験を行なうに当たって,各種加振法について述べた事柄として適正でな

いものにレ点を記せ.

□ スイープ加振では,特定周波数に加振エネルギを投入できるため大きな加振

力が得られる.

□ ランダム加振では,広帯域にエネルギが分散されるため,S/N比が悪くなるの

で注意が必要である.

□ スイープ加振でFFTのトラッキング機能によるデータ採取時に振幅を正確に計

測する場合には,ハニング窓は適切な窓関数ではないので注意する.

□ インパルスハンマを用いて高周波領域の加振をするには,短い時間内に何回

も早く叩くことが大切である.

□ ワイヤカットによるステップ加振は大きな加振変位を容易に得やすいために低

周波領域の計測に特に優れている.

掃引信号のFFT解析

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

0 2 4 6 8

回転

速度

(rpm

)

時間 (s)

-2

-1

0

1

2

0 1 2 3 4 5 6 7 8

時間 (s)

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0 20 40 60 80

周波数 (Hz)

矩形窓

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0 20 40 60 80

周波数 (Hz)

ハニング窓

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0 20 40 60 80

周波数 (Hz)

フラットトップ窓

fmax = 100Hz

8

◆ 加振試験を行なうに当たって,各種加振法について述べた事柄として適正なも

のにレ点を記せ.

□ スイープ加振では,周波数が一定ではないので特定周波数に加振エネルギを

投入できないため大きな加振力が得られない.

□ ランダム加振では,広帯域にエネルギが分散されるため,S/N比が良くなるの

で便利な手法である.

□ スイープ加振でFFTのトラッキング機能によるデータ採取時に振幅を正確に計

測する場合には,ハニング窓は適切な窓関数ではないので注意する.

□ インパルスハンマを用いて高周波領域の加振をするには,短い時間内に何回

も早く叩くことが大切である.

□ ワイヤカットによるステップ加振は大きな加振変位を容易に得やすいが低周波

領域の計測には不利である.

◆ 高圧タービンの翼の固有振動数と減衰特性を振動振幅の非線形性も考慮して,

精度よく求めたい.図を参考にして,加振方式として的なものにレ点を記せ.

□機械式

□油圧式

□動電式

□圧電式

□インパルスハンマー

各種加振器の振動特性

機械式 油圧式

動電式

圧電式

減衰特性

1自由度系の固有振動数

m

k

x

kxF

tdx ncos

tdx nn cos2

02 km n

m

kn (rad/s)

m

kfn

2

1 (Hz)

F : 復元力

0 kxxm 運動方程式

k : ばね定数

1自由度系の減衰振動波形例

減衰比 小

減衰比 大

9

m

k

x

c

減衰がある1自由度系の自由振動

kxFk Fk : 復元力

0 kxxcxm 運動方程式

xcFc Fc : 減衰力

tedx

tedx 2

02 tedkcm

tedx

02 kcm

c : 粘性減衰係数

オイルダンパー

m

k

x

c

減衰がある1自由度系の自由振動

運動方程式02 kcm

m

mkcc

2

42

042 mkcc

cc : 臨界粘性減衰係数

Critical viscous damping

mkcc 2

c : 粘性減衰係数

mk

c

c

c

c 2

ζ : 減衰比 Damping ratio

程度2.00

m

k

x

c

減衰がある1自由度系の自由振動

m

mkcc

2

42

m

cmkj

m

c

2

4

2

2

c : 粘性減衰係数

m

cmkd

2

4 2

22

11

ndm

k

mk

c

2

m

kn

ωd : 減衰固有振動数

x1

x2

Td

texx 0

dnTex

x 2

1

減衰波形

21

22

nd

dT

t

x1

x2

Td

対数減衰率δ

減衰のある1自由度系の振動

dnT Te

x

xdn lnln

2

1

21

22

nd

dT

21

2

dnT 2

0

2

4

6

8

10

12

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

対数減衰率δ

21

2

2

2

2.0

2.0

対数

減衰

率δ

減衰比cc

c

10

変位

時間

x1=4mm

x2=1.115mm

21 lnln xx

115.1ln4ln

277.1

対数減衰率δの求め方

減衰比 ζ

2

203.02

277.1

x1 x2 x3 x4 x5

xn

対数減衰率δ

ex

x

x

x

x

x

x

x

n

n 1

4

3

3

2

2

1

111

4

3

3

2

2

11

nn

n

n

n

eex

x

x

x

x

x

x

x

x

x

1ln 1 nx

x

n

2

1

1

2ln

1

1

nx

x

n

変位

時間

x1=4mm

x3=0.311mm

31 lnln1

xxWN

311.0ln4ln2

1

277.1

対数減衰率δの求め方

-2

-1

0

1

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1時間 (s)

振動

速度

(mm

/s)

高い振動数の減衰波形

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0 100 200 300 400周波数 (Hz)

振動

速度

(mm

/s)

振動数を確認

90 Hz

-2

-1

0

1

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1時間 (s)

振動

速度

(mm

/s)

fn = 90 Hz0.1, 1.23

0.6, 0.20

455.090 TfW N

04.02.0ln23.1ln45

1lnln

11 n

N

xxW

対数減衰率δの求め方

11

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0 100 200 300 400Frequency (Hz)191 mm

43 mm

Hzf 90400191

43

印刷物から対数減衰率δの求め方

-2

-1

0

1

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1Time (s)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0 100 200 300 400Frequency (Hz)

Hzfn 90

印刷物から対数減衰率δの求め方

-2

-1

0

1

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1Time (s)0.6 s

WN = 90×0.6 = 54

83 mm10 mm

039.010ln83ln54

1 0062.0

14.32

039.0

2

ヒルベルト変換

Hilbert transform

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14

ヒルベルト変換

振幅の対数表示

減衰波形の

ヒルベルト変換

正弦波のヒルベルト変換

ft2cos

ft2sin

ft2cos

12

正弦波のヒルベルト変換

ft2cos

ft2sin

ft2cos

ft2sin

XiX sgnˆ

X

XiFXFtx sgnˆˆ 11

連続時間信号x(t)のフーリエ変換をX(ω)とすると,

1, ω>ナイキスト周波数

0, ω=ナイキスト周波数

-1, ω<ナイキスト周波数(FFTの表示範囲)

sgn(ω) =

周波数領域のヒルベルト変換 X

時間領域での x(t) のヒルベルト変換 tx

を逆フーリエ変換すると得られる

周波数領域と時間領域

このデータのサンプリング周期Δtは .5625×10-4,データ数Dnは 4096データ.

① Excel内にデータx(t)を取り込む.

②データx(t)をフーリエ変換する.

フーリエ変換 aR,aI txFX

1307.8 Hz

④ヒルベルト変換をする.

フーリエ変換

ヒルベルト変換

aR,aI

cosωt→sinωt

sinωt →-cosωt

XHX ˆ

txFX

13

⑥逆フーリエ変換をする.

フーリエ変換

ヒルベルト変換

フーリエ逆変換

aR,aI

cosωt→sinωt

sinωt →-cosωt

XHX ˆ

XFx ˆˆ 1

txFX

ttEtxtEtE

22221ˆ1

⑧平均化をする.

⑨対数化をする.

0

0.5

1

1.5

2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

タイムエンベロープTime Envelope

90 Hz

時間 (s)

1.23

0.20

455.090 TfW N

04.02.0ln23.1ln45

1lnln

131 xx

WN

-40

-30

-20

-10

0

10

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

ヒルベルト変換Hilbert Transform

90 Hz

時間 (s)

728.090 TfW N

dB

0.1, 1.78

0.9, -23.3

常用対数と自然対数

xx 10loglog

718281828.2e

21 lnln xx

4342944818.0log e

21 loglog4343.0

1xx

常用対数

xx elogln 自然対数

e

x

log

log

14

対数減衰率δの求め方

72NW 波数

測定した2点間の減衰はトータルで,

08.25log20log20 21 xx dB となり

254.120

08.25loglog 21 xx となる.

08.253.2378.1 dB であるから

21 loglog4343.0

11xx

WN

となる。04.0254.14343.0

1

72

1

f = 23.5 Hz, fs = 64 Hz

対数減衰率δの求め方

δ = 0.217

f = 23.5 Hz, fs = 64 Hz

対数減衰率δの求め方

f = 23.5 Hz, fs = 64 Hz

対数減衰率δの求め方

30 point

1.049

0.113064

5.23 n

s

N pf

fW

220.04343.0

049.1

11

1

4343.0

1

dB

WN

x xmax

0.707xmax

0 n

t

x1

x2

Td

減衰比の求め方① 減衰波形から,対数減衰率を求める方法.

② 共振曲線から,Q値を求める方法.

2

Q2

1

x

xmax

0.707xmax

0 n

Half-Power法によるQ値の決定

nQ

2

2max2 x

x x : Half-Power-Point x 点の幅⊿ωを求める.

Q値は,振動系のピークの程度を示す量

Q2

1

Q値が大きい

減衰が小さい

ピークの程度が大きい

15

0

1

2

3

4

5

6

7

1 2 0 0 1 8 0 0 2 4 0 0 3 0 0 0 3 6 0 0 4 2 0 0 4 8 0 0 5 4 0 0 6 0 0 0

減衰比ζを推定せよ

14.628723384

3142

Q

3142rpm

3384rpm2872rpm

08.014.62

1

2

1

Q

ボード線図とナイキスト線図

0

2

4

6

8

10

12

0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6

-6

-4

-2

0

2

4

6

0 2 4 6 8 10 12

ボード線図

ナイキスト線図

位相

振幅

0.8 0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.2

振幅特性

振動数応答曲線(ボード線図)

0

π/2

ω/ωn

位相特性

π

0

2

4

6

8

10

12

0.8 0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.2

0

2

4

6

8

10

12

0.8 0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.2

Δω

Δω

1Q

ナイキスト線図

-6

-4

-2

0

2

4

6

0 2 4 6 8 10 12

共振点 :ωn

直径を1とする

L=0.5

L=0.5

7071.05.05.05.0 22

45°

45°

Ω45

Ω135

ナイキスト線図からQ値の決定

-6

-4

-2

0

2

4

6

0 2 4 6 8 10 12

共振点 :ωn

45°

45°

Ω45

Ω135

45135 nQ

Q2

1

13545 :: nn

45

2

135

n

45

45

2

n

nQ

245

245

n

nQ

減衰比ζを推定せよ

45°

45°

527003300

3000

Q

1.010

1

2

1

Q

16

減衰比ζを推定せよ

26°

1.03000

31501

3150

3000)2690tan(

2

12

2

1

1

2

tan

n

n

19P

0.8 0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.20.8 0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15 1.2

0

π/2

ω/ωn

π

位相からQ値の決定

96.7Hz

78°

7.8Hz

512

7890

Hz8.922

8.77.96

2

1

2

arctan

n

n

2

1

2

arctan

n

n

nn

21tan

2

2

1tan2

1

n

n

ωn = 96.7 Hz

ω = 92.8 Hz

θ = 51°

05.07.96

8.921

8.92

7.9651tan

2

12

1005.02

1

2

1

Q

位相からQ値の決定

◆ ある回転機械の振動を測定した.低回転数(300rpm)におけるランナウトベクト

ルは24.5μm∠220°であった.測定回転数が2700rpm時の振動ベクトルが

49.2μm∠92°,2940rpm時の振動ベクトルが73.1μm∠40°であった.この

データから減衰比ζを推定せよ.

300rpm:24μm∠220°

2700rpm:49.2μm∠92°

2940rpm:73.1μm∠40°

422700 11 rpm

782940 12 rpm

θ2 = 78°

θ1 = 42°

H

A:ω1 = 2700rpm

B:ω2 = 2940rpm

R:ωn rpm

S

O0°

422700 11 rpm 782940 12 rpm

2

1

1

2

n

ntan

nn

tan

21

2

2

22

n

ntan

2

2700

270042

22

1

n

ntanf

2

2940

294078

22

2

n

ntanf

n

n

n

n tantan

2940

294078

2700

270042

2222

rpmn 3000

30002700

2700300042

2

1 22

tan 0950.

◆ 図(a)に描かれている回転系の偏心量εは10μmである.この系をインパルス加振したとき図(b)のような波形が得られた.Q値はいくらか.

図(a) ローターモデルと等価1自由度モデル

図(b) インパルス応答波形

m 100.82

a1 a2

0.44

1.044.0

82.0ln

2

1ln

2

1

2

1

a

a

52.0

1

2

1

Q

17

◆ 図(c)におけるロータを回転したときの振動ピーク値Apeakはいくらか.

図(c) 共振曲線

mmQApeak 50105

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.5 1 1.5 2 2.5

減衰比ζと振幅特性

ζ=0.01

ζ=0.03

ζ=0.05

ζ=0.1

ζ=0.2ζ=0.4

2

1Q

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

振動の制御方法(剛性を増す)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

振動の制御方法(重量を増す)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

振動の制御方法(制振効果を増す)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

- 1 -

機械設備の状態監視や異常診断を行うために,

機械の発する振動を測定することが多い.機械の

設計検証や適切な異常対策を行うためには,機械

の発する振動を測定するだけでは情報が不足であ

る.この場合,強制的に機械に振動を加えて,そ

の加えた振動に対する応答特性を知る必要がある.

この様に,機械に振動を加えて試験することを振

動試験という.振動試験を行わないと得られない

情報は大きく次の 2 項である.

① 伝達関数

② 減衰特性

本項ではその中の減衰特性について述べる.

図 1.1 に,ばねとマスから成る 1 自由度の振動

系を示す.マスが x だけ変位すると,ばねによる

復元力は F=-kx である.外部から加わる力が無

く,減衰が無いとするとこの系の運動方程式は,

0 kxxm ・・・・・(1.1)

である.マスが,

tdx ncos ・・・・・(1.2)

で振動しているとする.ωn は角振動数である.こ

のとき振動加速度 x は,

tdx nn cos2 ・・・・・(1.3)

となる.式(1.2),(1.3)を用いると式(1.1)は,

02 km n ・・・・・(1.4)

であり.変形すると,

m

kn (rad/s) ・・・・・(1.5)

m

kfn

2

1 (Hz) ・・・・・(1.6)

となる.fn はこの系の共振振動数である.

この系の振動は永遠に続くことになるが,自然

界には色々な抵抗成分があり,外部からの力が無

いと振動は図 1.2 のように減衰するものである.

この減衰の程度は機械の特性として重要である.

減衰のある振動系を図 1.3 に示す.振動を減衰

させるのはダッシュポットである.意図的に減衰

させるパーツとしてオイルダンパーがある.オイ

ルダンパーは図のように筒の中を円盤が上下に動

く構造であるが,筒の中は油で満たされており,

油は円盤の小さな孔を通して上下の室間を移動す

るので円盤の上下運動に大きな抵抗となる.この

抵抗が振動を熱に変換して減衰させる.筒と円盤

の間の力は円盤の移動する速度として現れる.

ばねによる復元力を Fk=-kx,減衰力を xcFc

とすると,この系の運動方程式は,

0 kxxcxm ・・・・・(1.7)

と書ける.マスの振動をtedx ・・・・・(1.8)

とすると,振動速度と振動加速度は,tedx ・・・・・(1.9)

tedx 2 ・・・・・(1.10)

となる.式(1.8),(1.9),(1.10)から式(1.7)は,

減衰特性の測定岡山大学産学官融合センター 小村 英智

m

k

x

k : ばね定数図 1.1

図 1.2

m

k

x

c

m

k

x

c

c : 粘性減衰係数オイルダンパー

オイルダンパー

図 1.3

- 2 -

02 kcm ・・・・・(1.11)

となり,この式のλの解は,

m

mkcc

2

42 ・・・・・(1.12)

となるが,ここで重要なことは平方根の中を 0 に

する特別な粘性係数 C の値である.すなわち,

042 mkcc

mkcc 2 ・・・・・(1.13)

となり,求まる Cc を臨界減衰係数という.

減衰係数 C と臨界減衰係数 Cc の比 ζ

mk

c

c

c

c 2 ・・・・・(1.14)

を減衰比(Damping ratio)と呼び,概ね 0~0.2 程度

の値となる.

式(1.12)を少し変形すると,

m

cmkj

m

c

2

4

2

2

・・・・・(1.15)

と書ける.式(1.15)の後ろの部分

m

cmkd

2

4 2 ・・・・・(1.16)

は,減衰固有振動数を表す.式(1.16)を式(1.5)の減

衰が無い場合の共振振動数 ωn と,式(1.14)が示す

減衰比 ζ を用いて表すと,

22

11

ndm

k・・・・・(1.17)

となる.

図 1.4 に示す波形のように自然界の振動は e-kt

に従って指数的に減衰する.

隣り合う波の山の高さを x1,x2 とする.x1 から

x2 までの時間は減衰固有振動数 ωd の周期 Td であ

り式(1.17)から,

21

22

nd

dT ・・・・・(1.18)

となる.x1 と x2 の比は,

dnTex

x 2

1 ・・・・・(1.19)

となり,両辺を対数にすると,

dnT Te

x

xdn lnln

2

1 ・・・・・(1.20)

となる.ここで δ は対数減衰率である.式(1.20)

に式(1.18)を代入すると,

21

2

dnT ・・・・・(1.21)

となる.

式(1.21)において ζ が小さい値の場合,分母は 1

とみなせる.式(1.17)は,減衰時の固有振動数 ωd

は減衰が無い時の固有振動数 ωn より若干低いこ

とを示すが,ζ が小さい値の場合はこの二つの固

有振動数が同じ値とする.関係を図 1.5 に示す.

ζ が 0.2 以下の場合,対数減衰率 δ は,

2 ・・・・・(1.22)

となる.隣り合う波の山の高さの x1,x2 から,

2

1lnx

x ・・・・・(1.23)

の式で対数減衰率 δが求まることは既に述べた.

ここで得られた対数減衰率 δ から,

2 ・・・・・(1.24)

によって減衰比 ζを求める.

0

2

4

6

8

10

12

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

対数

減衰

率δ

減衰比cc

c

0

2

4

6

8

10

12

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

対数

減衰

率δ

減衰比cc

c減衰比

cc

c

x1x1

x2x2

TdTd

texx 0texx 0

図 1.4

図 1.5

- 3 -

【例題 1】

図 1.6 のような減衰波形がある.図から対数減

衰率 δ と減衰比 ζを求めよ.

(解答)

277.1115.1ln0.4lnlnln 21 xx

203.01415.32

277.1

2

図 1.7 のように隣の振幅値ではなく x1 と,n 番

目の振幅値 xn から減衰比 ζを求める場合を考える.

x1 と x2 の関係は,x2 と x3 の関係,x3 と x4 の関

係,そして xn-1 と xn の関係とまったく同じであり,

ex

x

x

x

x

x

x

x

n

n 1

4

3

3

2

2

1

となる.したがって x1 と xn の関係は,

111

4

3

3

2

2

11

nn

n

n

n

eex

x

x

x

x

x

x

x

x

x

である.n-1 は x1 から xn までの波の数でもある.

両辺を対数にすると,

1ln 1 nx

x

n

2ln1

1 1

nx

x

n・・・・・(1.25)

となる.

【例題 2】

図 1.8 のような 179Hz の減衰波形がある.任意

の 2 箇所の時間と振幅値は図のような値である.

これらから対数減衰率 δ を求めよ.

最初に 32.8ms の箇所から 278.6ms の所までの間

にある波の数(n-1)を求める,

440328.02786.01791 Tfn n

0482.08.20ln2.173ln44

1ln

1

1 1

nx

x

n

減衰比 ζは,共振特性から求めることもできる.

図 1.9 に共振曲線の例を示す.ωn は固有振動数で

あり,固有振動数時のピークの振幅値を xmax とす

る.xmax から-3dB(maxmax 707.02 xxx )の振幅にな

る振動数を ωl および ωh とすると,その振動数の

差分⊿ω=ωh-ωl と固有振動数 ωn の比,

nQ ・・・・・(1.26)

を Q 値呼ぶ.Q 値は振動系の共振のピークの程度

を示す量であり共振倍率と呼ばれる.Q 値が大き

ければピークの程度は大きく,ピークの程度が大

きいことは減衰が小さいことを意味しており,Q

値と減衰比ζには,

Q2

1 ・・・・・(1.27)

の関係がある.

変位

時間

fn : 179Hz32.8ms 173.2μm32.8ms 173.2μm

278.6ms 20.8μm278.6ms 20.8μm

x

xmax

0.707xmax

0 n

変位

時間

変位

時間

x1=4mmx1=4mm

x2=1.115mmx2=1.115mm

図 1.6

x1 x2 x3 x4 x5

xn

x1 x2 x3 x4 x5

xn

図 1.7

図 1.8

図 1.9

- 4 -

ヒルベルト変換(Hilbert transform)

ヒルベルト変換は,連続時間信号x(t)のフーリエ変換をX(ω)とすると,

1, ω>ナイキスト周波数

XiX sgnˆ sgn(ω) = 0, ω=ナイキスト周波数

-1, ω<ナイキスト周波数(FFTの表示範囲)

は,周波数領域におけるX(ω)のヒルベルト変換という.

一方,時間領域での x(t) のヒルベルト変換 tx は, X を逆フーリエ変換すると得られる.

XiFXFtx sgnˆˆ 11

MicrosoftのExcelを使ってヒルベルト変換をしてみよう.手順を以下に示す.

① Excel内にデータx(t)を取り込む.

このデータのサンプリング周期Δt,データ数Dnとする.

② Excelのツール/分析ツール/フーリエ解析を選び,データx(t)をフーリエ変換する.

③ フーリエ変換するとデータは複素様式になっているので,IMREAL(ω),IMAGINARY(ω)関数を使

って実部R(ω)と虚部I(ω)に分ける.

④ ③で得られた実部R(ω)に-1を乗じて虚部 I とし,虚部I(ω)はそのまま実部 R とする.

さらに1~Dn/2の範囲は虚部 I ,実部 R に-1を乗じる.Dn/2では共に0とする.

⑤ ④で得られた実部,虚部をCOMPLEX( R , I )関数を使って複素様式にする.

⑥ ⑤の複素データを逆フーリエ変換する.逆フーリエ変換は②で使ったフーリエ変換の左下箇所の

逆変換をクリックすることで変換できる.

⑦ 逆フーリエ変換すると結果はやはり複素様式になっているので③の関数を使って実部 tr と虚部

ti に分けて, 222 ˆˆˆ titrtx を算出する.

通常は⑦で平方根を求めて時間領域のヒルベルト変換 tx とする.

これでヒルベルト変換が完了する.