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1 エコプロダクツ2015企業向けセミナー 激変する社会環境と企業経営 ~求められる環境/CSR人財とその育成~ 20151210(13:3016:30) 場所:東京ビッグサイト会議棟6階606会議室 主催 :環境省・EcoLeaD 後藤 敏彦 サステナビリティ日本フォーラム代表理事

2015 激変する社会環境と企業経営...CSR 報告書(+環境報告書) 2010 年代 CSR(ESG) 経営 第三の波 ISO26000 、GRI G4、IIRC統合報告フレームワーク

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エコプロダクツ2015企業向けセミナー

激変する社会環境と企業経営~求められる環境/CSR人財とその育成~

2015年12月10日(13:30~16:30)

場所:東京ビッグサイト会議棟6階606会議室主催 :環境省・EcoLeaD

後藤 敏彦サステナビリティ日本フォーラム代表理事

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C S R 類義語

SustainabilityCorporate Responsibility (CR)

Triple Bottom Line

(TBL)(経済・社会・環境)

Corporate governance

ESG (Environment, Society, Governance)

環境・社会・カバナンス

Corporate citizenship 2

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Ⅰ. 今の時代

Ⅱ. CSR 国際規範等々

Ⅲ. 昨今の様々な動き(表題のみ)

Ⅳ. パートナーシップ社会

Ⅴ. ルール形成戦略

Ⅵ. 求められる環境/CSR人財と

その育成3

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Ⅰ.今の時代(ソフトロー)

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Post 公害 地球環境問題 世界の取組

1972 ストックホルム国連人間環境会議 1987 国連ブルンラント委員会報告

(Our common future) 1992 リオ 国連環境開発会議(UNCED)

気候変動枠組条約生物多様性条約リオ宣言 etc.

2002 ヨハネスブルグ WSSDヨハネスブルグ宣言

< http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/wssd/sengen.html>

2012 リオ+20 The future we want.

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1990年代 環境 第一の波環境憲章

環境マネジメント・システム

環境報告書

2000年代 CSR 第二の波CSR憲章

CSRマネジメント

CSR報告書(+環境報告書)

2010年代 CSR(ESG)経営 第三の波ISO26000、GRI G4、IIRC統合報告フレームワーク

非財務情報開示義務化

スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード2015年~(主として大企業)CSR報告書+環境報告書+統合報告書 ?

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環境・CSR 企業の取組

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IPCC 第5次レポートより

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地球の環境許容量人類の活動は地球の環境許容量

(人口扶養能力)(Carrying capacity)を超えてしまった。

このままの延長線(BAU)では破滅。

CO2排出 2℃(政治決定)以下に抑えるには

2050年までに2010年比 40~70%以上

GHGs削減が必要 ※GHG:温室効果ガス

2100年 100%削減もしくはマイナス排出

(IPCC第5次報告書)※IPCC:国連気候変動に関する政府間パネル

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生物多様性条約前文のキーワード

価値、生命保持の機構、主権的権利、

伝統的な知識、女子の完全な参加、

貧困の撲滅、人類の平和

これから理解されることは、生物多様性条約は、単に「いきもの」を大切にしようといった上から目線の問題ではなく、南北問題、平和問題など正に人類の存続にかかわる課題を扱っている。

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埋蔵量、埋蔵量ベース、2005年から2050年までの累積需要安井至『地球の破綻』資料集より

10原田幸明氏提供

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世界課題

つまるところ2つ

(人口問題を抱えた人類が引き起こした)○ 気候変動

○ 生物多様性の毀損

これをリスク要因としてのみとらえて対応するのではなく、リターン要因として如何に他者との差異化をはかりビジネスの成長につなげるかが勝負どころになってきている。

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12世界経済フォーラム Global Risks 2015より

国家間紛争

異常気象

国家統治の失敗

国家の崩壊、危機

失業、不完全雇用

自然大災害

気候変動適応の失敗

水リスク

データの詐欺行為、窃盗

サイバー攻撃

水リスク

感染症の拡大

大量殺戮兵器

エネルギー価格ショック

核心的情報インフラ破壊

財政破綻

失業、不完全雇用

生物多様性の損失と生態系の崩壊

国家間紛争

気候変動適応の失敗経済

環境

地政学

社会

技術

発生可能性 影響

カテゴリー

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Ⅱ. CSR 国際規範等々(ソフトロー)

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OECD(経済協力開発機構)多国籍企業ガイドライン

1976 策定2000大改訂

2011.5.25大改訂人権、SCMの強化

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/csr/pdfs/takoku_ho.pdf

NCP National Contact Pointhttp://oecdwatch.org/

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人権 国連フレームワークラギー・レポートの重要性

The "Protect, Respect and Remedy" FrameworkUN Special Representative John Ruggie proposed a framework on business & human rights to the UN Human Rights Council in June 2008, resting on three pillars:

1. the state duty to protect against human rights abuses by third parties, including business;

2. the corporate responsibility to respect human rights; and

3. greater access by victims to effective remedy, both judicial and non-judicial. '

The Human Rights Council unanimously approved the Framework in 2008.2011年6月16日 国連人権理事会 ラギーレポート最終版(2011.3)

採択http://www.unic.or.jp/texts_audiovisual/resolutions_reports/hr_council/ga_regular_session/3404/ 15

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「グローバル・コンパクト」の10原則「グローバル・コンパクト」は、各企業に対して、それぞれの影響力の及ぶ範囲内で、人権、労働基準、環境に関して、国際的に認められた規範を支持し、実践するよう要請しています。その狙いは、各企業がそれぞれの事業を遂行する中で、これらの規範を遵守し、実践することを通じて、世界に

積極的な変化をもたらすことです。その原則は以下の通りです。(2004年6月に腐敗防止に関する原則が追加され、現在10原則となっています。)

人権 企業は、 原則1: 国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、 原則2: 自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。 労働基準 企業は、 原則3: 組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、 原則4: あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、 原則5: 児童労働の実効的な廃止を支持し、 原則6: 雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。 環境 企業は、 原則7: 環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、 原則8: 環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、 原則9: 環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。 腐敗防止 企業は、 原則10: 強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべ

きである。 (2008年7月、日本語訳の改訂)http://ungcjn.org/gc/principles/index.htmlhttp://ungcjn.org/gc/pdf/GC_10.pdf 16

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日本経団連 企業行動憲章

1991年以来、不変であった巻頭言2010年に差し替え

削除 企業は、公正な競争を通じて利潤を追求

するという経済的主体であると同時に、広く社会にとって有用な存在でなければならない。

差替え 企業は、公正な競争を通じて付加価値を創出し、雇用を生み出すなど経済社会の発展を担うとともに、広く社会にとって有用な存在でなければならない。

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Rio+20 Outcome

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全 283項目

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国連 責任投資原則は6つ原則からなり、35の行動が示されている。

1. 私たちは投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を

組み込みます。

2. 私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と

(株式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。

3. 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について

適切な開示を求めます。

4. 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実

行に移されるように働きかけを行います。

5. 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働

します。

6. 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関

して報告します。19

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Ⅲ. 昨今の様々な動き(ソフトロー)

1. ISO260002. GRI G43. 統合レポート IIRC4. EU会計指令改訂5. 「責任ある機関投資家」の諸原則6. コーポレートガバナンス・コード7. EMS ISO14001:20152015.9.15改訂8. SDGs9. その他

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1. ISO26000 : SR国際標準化機構(ISO)社会的責任に関する手引 ISO260002001.4 発議2005. 規格検討開始2010.11.1 規格発行

6セクター 政府・企業・労組・NGO・消費者団体・その他専門家99カ国 470人余のエキスパート

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GRI:Global Reporting Initiative 持続可能性報告書の国際的ガイドラインを策定・発行する国際NGO CERES(環境に責任を持つ経済のための連合)とUNEP(国連環境計画)が母体となり1997年に米国・ボストンで設立。2002年にオランダ・アムステルダムへ本部を移転

組織構成:理事会、技術諮問委員会(TAC)、ステークホルダー委員(SC)、組織会員(OS)+事務局

GRIガイドラインの発行および改訂のあゆみ✓1999年 公開草案 2000年 第1版(G1)発行 2002年 第2版(G2)改訂 2006年 第3版(G3)改訂 2011年 第3.1版(G3.1 )改訂 2013年 第4版(G4)改訂

G4カンファレンス 2013年 5/22-24にアムステルダムで開催 世界80カ国から1,600名以上が参加 先進国だけでなく新興国の参加者が目立つ GRIガイドラインに対する高いリスペクト 新しい資本主義作りに参加する誇り

2. GRI G4

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3. 統合レポート IIRCInternational Integrated Reporting Council

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IR Frameworkhttp://www.theiirc.org/wp-content/uploads/2013/12/13-

12-08-THE-INTERNATIONAL-IR-FRAMEWORK-2-1.pdf

http://integratedreporting.org/wp-content/uploads/2015/03/International_IR_Framework_JP.pdf

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4. 欧州会計指令改訂

DIRECTIVE 2014/95/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL

欧州議会及び閣僚理事会の指令2014/95/EU of 22 October 2014 2014年10月22日

amending Directive 2013/34/EU as regards disclosure of non-financial and diversity information by certain

large undertakings and groups 一定の大規模事業体及びグループによる非財務情報及び多様性情報の開示に関する指令2013/34/EUを修正する

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5. 金融庁「責任ある機関投資家」の諸原則

~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~

1. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

2. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

3. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切

に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

4. 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

5. 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

6. 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしてい

るのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

7. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断

を適切に行うための実力を備えるべきである。25

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【株主の権利・平等性の確保】

1. 上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行う

べきである。また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、

権 利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。

【株主以外のステークホルダーとの適切な協働】

2. 上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステ

ークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきで

ある。

取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを

発揮すべきである。

【適切な情報開示と透明性の確保】

3. 上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に

基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。

その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤となることも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務

情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものとなるようにすべきである。

【取締役会等の責務】

4. 上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効

率等の改善を図るべく、 (1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと (2) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと

(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うこと

をはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。こうした役割・責務は、監査役会設置会社(その役割・責務の一部は監査役及び監査役会が

担うこととなる)、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場合にも、 等しく適切に果たされるべきであ

る。

【株主との対話】

5. 上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対

話を行うべきである。経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾、その関心・懸念に正当な関心を払うととも

に、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そうした理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。 26

6. コーポレートガバナンス・コード原案2014.12/122015.03/05 確定

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7. EMS ISO14001:2015 2015.9.15改訂

4.1、4.2 バリューチェーン取組

4.4 環境パフォーマンス評価 導入

5.1 トップマネジメントのリーダーシップとコミットメント

5.2 環境についてISO26000との整合性

6.1 リスク及び機会への取組

7.2 力量⇒従業員への環境教育

7.4.3 外部コミュニケーションを要求事項として明確化

8.1 運用の計画及び管理

⇒ ライフサイクル思考の要求事項化

9.2 内部監査 ⇒ 有効性監査の要求事項化

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8. Post- 2015 ~2030 →SDGs 2030 年までに達成すべき「持続可能な開発のためのアジエンダ2030」1. S あらゆる場所のあらゆる形態の貧困の撲滅

2. ES 飢餓の撲滅、食糧安全保障およびすべての人々の十分な栄養摂取の実現、持続可能な農業の促進

3. ES あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活の実現

4. S すべての人々への、公平かつ包括的な質の高い教育および生涯学習の機会の提供

5. S あらゆる場所におけるジェンダー平等ならびに女性および女子のエンパワーメントの実現

6. ES 持続可能な世界に向けた、すべての人々の水と衛生の確保

7. ES すべての人々の、安価かつ持続可能で信頼できる現代的なエネルギーサービスへのアクセスの確保

8. S 強力かつ包括的で持続可能な経済成長およびすべての人々のディーセント・ワーク(適切な雇用)の促進

9. S 持続可能な産業化の促進

10. S 各国内および各国間の不平等の是正

11. ES 包括的かつ安全で持続可能な都市および人間居住の構築

12. ES 持続可能な生産消費形態の促進

13. ES 気候変動に対応するためのあらゆるレベルにおける行動の促進

14. ES 海洋資源および海洋の、保全および持続可能な利用の実現

15. ES 陸域生態系の保護および回復、あらゆる生物多様性の損失の阻止

16. S 平和で包括的な社会、法の支配および有効かつ有用な制度の実現

17. ES 持続可能な開発のための実施手段およびグローバルパートナーシップの強化・向上

“G”はすべてに必要。 ここでのESGは後藤私見。

すべてビジネスの関与(=ビジネス機会・チャンス)が必須。28

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9. その他

CDSBhttp://www.cdsb.net/

CCRFClimate Change Reporting Frameworkhttp://www.cdsb.net/sites/cdsbnet/files/cdsb_climate_change_reporting_framework_edition_1.1.pdf

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SCOPE 3

経産省

サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等に関する調査・研究会グローバル対応分科会(第1回)‐配付資料

資料5-1-S GHGプロトコルScope3基準について(PDF形式:2.58MB)

業種別のものの必要性

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CDP

https://www.cdproject.net/jp/WhatWeDo/Pages/overview.aspx

https://www.cdp.net/en-US/Pages/HomePage.aspx

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SASB

SUSTAINABILITY ACCOUNTING STANDARDS BOARD

http://www.sasb.org/

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バリューチェーンで起きていることNGOの戦略 レピュテーション(世論)の活用

テーマは環境、人権・労働、腐敗防止、何でもあり。

〇 マレーシャのケース 日立 人権・労働

〇 インドネシアのケース 紙・パルプ 環境

〇 タスマニアのケース 三井住商建材 環境

○ 中国のケース アップル 環境・労働

○ ネッスル キットカットのケース 環境・人権

○ ユニクロのケース 環境・労働

○ マレーシャ・サラワク州 腐敗(贈収賄)・環境

○ バングラディッシュ縫製ビル崩壊 労働・人権・環境○ インドネシア 石炭火力発電所(2015.7.29 NCP) 人権・環境○ アラスカ 石炭採掘 Jパワー(2011.5.5 NCP) 人権・環境○ 中国 マクドナルド腐肉事件 環境・安全・衛生

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Ⅳ.パートナーシップ社会

企業、政府と社会(市民・NGO/NPO) の

関係性の変革(=CSR)

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環境と開発に関するリオ宣言 第10原則

環境問題は、それぞれのレベルで、関心のあるすべ

ての市民が参加することにより最も適切に扱われる。

国内レベルでは各個人が、有害物質や地域社会に

おける活動の情報を含め、公共機関が有している環

境関連情報を適切に入手し、そして、意思決定過程

に参加する機会を有しなくてはならない。各国は、情

報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加

を促進し、かつ奨励しなくてはならない。(以下、省

略)

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オーフス条約

○ 国連欧州経済委員会(UNECE)条約

1998年採択、2001年発効

○ 環境事項についての条約

●情報へのアクセス、

●意思決定における市民参加

●司法へのアクセス

http://www.unece.org/env/pp/welcome.html

http://www.aarhusjapan.org/ 36

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パートナシップ社会図

政府

セクター

市民セクター

産業界

セクター

政府

セクター

産業界

セクター

市民セクター

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階層的パートナーシップ社会

ローカル・レベル

(市町村・都道府県)

ナショナル・レベル

(国)

リージョナル・レベル

(広域)

グローバル・レベル

(国際)

グローバル・パラドックス 補完性原則 SUBSIDIALITY

38

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確認 改善

社会及び環境

エンゲージメント

ステークホルダー

組織社会的責任の戦略、

行動計画、統合、コミュニケーション

社会的責任の認識(中核主題、課題及び期待)

持続可能な発展に貢献

出典:ISO26000 7.1 図-4 社会的責任の組織全体への統合

39

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パートナーシップの成立要件

コミュニケーション

コミュニケーションの成立要件

情報の対称性

(レモンの原理--- ジョーウジ A アカロフ)

= 環境・CSRレポートの必要性

40

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Ⅴ. ルール形成戦略(ソフトロー)

41

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2012/06 リオ+20成果物:”The future we want.”

not legally binding(法的拘束力なし)

国際会議での合意形成の課題ハード・ロー

(=法的拘束力ある合意)形成の困難さ

(マクロからのルール化は困難度大)42

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ハード・ローとソフト・ローハード・ロー(法律・条約等) 法的拘束力

ソフト・ロー

○ デジュール・スタンダード(de jure standard)ISOの技術標準など 拘束力 強

○ デ・ファクト・スタンダード(de facto standard)ISO14000s・ISO26000・倫理・SDGsなど

拘束力 弱~強

43

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ディファクト・スタンダード

○ マクロからのルール化・制度化→ 困難度大

(特に、グローバルには)↓

○ ミクロからのルール化・制度化

△ 各国での自主ルール

△ 個社の自主方針策定→オープンなプラットホーム開

設→業界のルール化→ディファクト・スタンダード

ex. ユニリーバ、ウォルマート etc.44

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個社ルール ⇒オープン・プラットホーム

ウォールマート

○ Walmart sustainability consortiumhttp://www.sustainabilityconsortium.org/○ Walmart Sustainability Indexhttp://corporate.walmart.com/global-responsibility/environment-sustainability/sustainability-index

Unilever ユニリーバ

RSPO Round-table on Sustainable Palm Oil http://www.rspo.org/

45

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USA Conflict minerals(紛争鉱物) Financial Reform Act(金融改革法) 1502, 1504

2010.7 SEC 規則 2012.08.22

EICC http://www.eicc.info/index.shtml

EU 2015年末に同等以上の規制導入予定

46

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違法伐採木材製品規制○ US Lacey 法(レーシー法) 2010施行

“due care”の義務化

○ EU Timber Regulation(木材規則) 2013施行

“due diligence”の義務化

○ オーストラリア(違法伐採禁止法)An Illegal Logging Prohibition Bill 2012 2014施行

“due diligence”の義務化

〇 2015.7.3 自民党林政小委員会

デュー・デリ法案策定方針決定47

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食品安全

GFSI (Global Food Safety Initiative)

http://www.mygfsi.com/http://www.tcgfjp.org/foodsafety/

The Consumer Goods Forumhttp://www.theconsumergoodsforum.com/

48

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経産省 ルール形成戦略室 2014.3当省は、我が国企業の高い技術力を活かせる基準、規制等の国際ルール作りを目的として、通商政策局に新たに「ルール形成戦略室」を設置しました。

ルール形成戦略室では、関係省庁や産業界との連携、各国政府や国際機関との協力などにより、市場開拓に資する国際ルール作りを進めていきます。

海外事業戦略の一環として、ルール形成に向けた働きかけに御関心を有する企業の方は、是非ご相談ください。

http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade/rules.html

ルール形成に向けて(パンフレット)(PDF形式:1,103KB)

http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/tsusho_boueki/pdf/001_03_00.pdf

新思考の通商政策『ルール形成戦略』(PDF形式:3,769KB)

http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade/downloadfiles/rules/rulespresentation.pdf

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トヨタ自動車 2015.10.14 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、持続可能な社会の実現に貢献するた

めの新たなチャレンジとして、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。

「トヨタ環境チャレンジ2050」は、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多

様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げた。

併せて、「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けて、当面の実行計画である第6次「トヨタ環境取組プラン」を策定し、2016年度から2020年度までの5ヶ年計画として展開を図る。

http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/9886860

50

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「トヨタ環境チャレンジ2050」の6つのチャレンジ(抜粋)

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1. もっといいクルマ

チャレンジ1 新車CO2ゼロチャレンジ

2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を90%削減(2010年比)

チャレンジ2 ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ

ライフサイクル視点で、材料・部品・モノづくりを含めたトータルでのCO2排出ゼロ

2. もっといいモノづくり

チャレンジ3 工場CO2ゼロチャレンジ

2050年グローバル工場CO2排出ゼロ

チャレンジ4 水環境インパクト最小化チャレンジ

各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理

3. いい町・いい社会チャレンジ5 循環型社会・システム構築チャレンジ

日本で培った「適正処理」やリサイクルの技術・システムのグローバル展開に向けて、

2016年から2つのプロジェクトを開始

チャレンジ6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ

自然保全活動を、グループ・関係会社から地域・世界へつなぎ、

そして未来へつなぐために、2016年から3つのプロジェクトを展開

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要注意! 目標 と Goalの違い

日本 : 達成すべきもの。

達成できない目標は 掲げない。

欧米 : 多くの場合、目指すもの。

「アスピレーショナル・ゴール」

もしくは「チャレンジ」

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ディファクト・スタンダード化

つまるところ2つ

○ 気候変動 ⇒ CO2・水・森林破壊

○ 生物多様性 ⇒ 水・土壌汚染・森林破壊

これをリスク要因としてのみとらえて対応するのではなく、リターン要因として、スタンダード化する動きが出だしており、最も注視すべき動向と考える。

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原則主義vs

細則主義

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Ⅵ. 求められる環境/CSR人財とその育成

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環境省平成23年度環境情報の利用促進に関する検討委員会(委員長後藤敏彦)参考資料5 環境人材のキャリアアップイメージ

Lv 人材の特徴ステップアップのた

めの条件求められる知識・スキル・意欲 階層

5

経営者層の視点でリーダーシップを発揮し、戦略的に環境配慮の取組を遂行できる。

国内外問わず、バリューチェーン全体を見て戦略を策定できる。

• バリューチェーン全体を視野に入れて、重要な課題を的確に特定できる。• 中長期の戦略を策定できる。• 環境に係る付加価値創出のための組織体制を、構築することができる。• 国内外の取引先との協働をしながら、環境負荷低減と付加価値増大を実現できる。• ステークホルダーの要請や期待を的確に捉え、事業活動に反映することができる。

管理者4

リーダーシップを発揮し、組織全体における適切な環境配慮の取組を遂行(指示・指導及び提案)できる。

組織全体を見てマネジメントができる。戦略を策定できる。

• 短期的であれば、戦略を策定できる。• 環境配慮を事業活動で、適切に実施するための組織体制に関する提案ができる。• 取引先に対し、経営者の視点で、環境負荷削減とコスト削減の同時実現に関する提

案ができる。• ステークホルダーの要請や期待を的確に捉え、事業活動に係る提案をすることがで

きる。

3

リーダーシップを発揮し、事業活動の中に環境配慮の視点を取り込み、具体的に現場で指示、指導できる。

チームのマネジメントができる。指示・指導ができる。

• ライフサイクルによる付加価値のある製品、製造プロセス等に係る提案、指示・指導ができる。

• チームのマネジメントができる。• 事業活動に環境配慮の視点を取り込んでいくための全般的な知識を有している。• 事業活動に環境配慮の視点を取り込んでいくために有効なツールを発掘し使いこな

す知識を有している。

2

与えられた環境配慮行動を適切に遂行し、かつ現場目線から改善提案ができる。

現場目線から改善提案できる能力。

• 自らの業務の全体像を理解し、個別の指示がなくても業務を遂行できる。• 環境配慮の視点を持って製品、製造プロセス等に対し、課題を抽出し、積極的に改

善提案ができる。• 自らの業務に関連した環境の知識を持ち、取引先に対して説明することができる。 現場

担当者

1一定の指示の下で、業務における環境配慮行動を適切に遂行できる。

―• 一定の指示の下で、自らの業務と環境との関連性を理解し、業務に落とし込み、遂行

できる。• 自らの業務に関連する環境の知識を有している。

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環境経営人材・ノウハウ 交流会、研修、セミナー

環境経営に関する発表や情報交換ができる場の提供を促進し、経営者や管理者等が交流できたり、環境に関する最新知識を得られるようにすることが望まれる。

また、VCM、環境報告、重要な環境課題等の研修やセミナーを行政機関と業界団体等が協力して、継続して実施していく必要がある。

これにより、経営者や管理者が、他企業の環境経営の取組みや、組織作り、規制動向や社会ニーズの流れを把握することができるようになる。

また、金融機関及び行政機関等が交流会等に参画することにより、環境経営への支援にも寄与する。

なお、企業の外部関与者としては、金融機関以外にも、中小企業診断士、会計士、税理士等も潜在的な対象となり得る。

より多くの外部関与者向けのセミナー等により、環境経営のメリットを理解してもらい、環境経営の推進者をさらに広げて行くことが肝要である。

同委員会報告書より

https://www.env.go.jp/policy/env-disc/com/com_pr-rep/rep-main.pdf57

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環境経営人材キャリアアップ、グリーン・イノベーション人材育成

環境経営推進のためには、経営者目線で社内において環境経営の推進役を担うことのできる人材が不可欠である。

また、人材育成には、企業内部において、意欲ある人材の活用するチャレンジポスト制度や、環境取組を人事評価に組み入れることなどが、管理者や担当者の動機付けとして有効である。

そして、これらの環境経営を主導的に実施していける管理者・現場担当者の育成のため、環境経営人材キャリアアップに資する社会的な仕組みが必要である。

例えば、環境経営人材のキャリアアップイメージ(参考資料5参照)を参考に、既存

の民間の検定・資格制度と連携して、新たなキャリアアップ制度を創設することが有効である。

また、既存の人材制度との連携を図っていくことが望まれる。

(具体的には、環境人材コンソーシアムや、化学物質アドバイザー、EA21審査人

等)加えて、エコビジネスの起業やグリーン・イノベーションを担える人材の育成やグリーン・イノベーション・アドバイザーなどの創設を、産学官連携において検討していく必要がある。

同報告書より58

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結論社会的な制度、会社の理解・育成策等は必要だ

が、それだけでは十分ではない。

好奇心を持ち、自ら学び、自ら考える姿勢・実践が必須要件である。

外部との多様な交流はレベルアップと方向性を誤らないためにも必須である。

文系は理系の知識、理系は文系の知識,の涵養が必要。

「歴史と哲学」(リベラル・アーツ)はグローバルで戦うには必須素養。

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僭越ながら、私の体験執筆する講演する講義する

NPO会員になる機会あれば海外へ行く

etc.

ご清聴ありがとうございました。60