239
92 4.設計検証及び妥当性確認文書の概要 4.1 一般情報 4.1.1 規格への適合宣言 資料番号 ニ-1 適合宣言書 本宣言書は、販売名「Pipeline Flex フローダイバーターシステム」を承認申請するにあたり、製造販 売する品目が下記の基準に適合することを宣言するものとする。 1. 薬事法第 41 条第 3 項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準 (厚生労働省告示第 122 号 平成 17 3 29 日) 2. 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令 (厚生労働省令第 169 号 平成 16 12 17 日) 以上 平成******住所: 東京都世田谷区用賀四丁目 10 2 氏名: コヴィディエンジャパン株式会社 代表取締役社長 野田 良

20150617 STED 非臨床...93 4.2 機器の設計の妥当性確認の概要 4.2.1 機器の安全性を裏付ける試験 4.2.1.1 物理的、化学的特性 【総 括】 本品の物理的、化学的特性が、臨床使用に適した性能及び安全性を有することを確認するため、以下

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  • 92

    4.設計検証及び妥当性確認文書の概要

    4.1 一般情報 4.1.1 規格への適合宣言

    資料番号 ニ-1

    適合宣言書

    本宣言書は、販売名「Pipeline Flex フローダイバーターシステム」を承認申請するにあたり、製造販売する品目が下記の基準に適合することを宣言するものとする。

    記 1. 薬事法第 41 条第 3 項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準

    (厚生労働省告示第 122 号 平成 17 年 3 月 29 日) 2. 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令

    (厚生労働省令第 169 号 平成 16 年 12 月 17 日)

    以上

    平成**年**月**日

    住所: 東京都世田谷区用賀四丁目 10 番 2 号 氏名: コヴィディエンジャパン株式会社

    代表取締役社長 野田 良

  • 93

    4.2 機器の設計の妥当性確認の概要 4.2.1 機器の安全性を裏付ける試験 4.2.1.1 物理的、化学的特性

    【総 括】

    本品の物理的、化学的特性が、臨床使用に適した性能及び安全性を有することを確認するため、以下

    の項目について試験を実施した。 なお、開発時には外径 2.50 mm 及び 2.75 mm についても試験されているが、これらのサイズは本申請に含めないこととした。

    No. 試験項目 試験概要 結果 試験施設 添付資料

    フローダイバーターの原材料分析

    1 動電位分極 腐食抵抗

    ASTM F2129-06 に準拠し試験を実施したとき、フローダイバーターの平

    均腐食電流(Icorr)は** nA/cm2 以下であることを確認した。

    適合 ******** *** ホ-1

    2 ガルバニック 腐食抵抗

    ASTM G71-81 に準拠し試験を実施したとき、フローダイバーターの平均

    腐食電流(Icorr)は** nA/cm2 以下であることを確認した。

    適合 ******** *** ホ-1

    3 素線引張強度

    フローダイバーターを構成する白金/タングステン合金及びコバルト/ニッケル/クロム/モリブデン合金製の素線について引張強度試験を行い、物理的

    特性を評価した。

    N/A CMT* ホ-2

    4 ニッケル溶出

    ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)により、フローダイバーターから溶

    出されるニッケル量を測定し、生体へ

    の影響を評価した。

    適合 **** ****** ホ-3

    フローダイバーター

    5 フローダイバーターの ストラット面積

    フローダイバーターを各サイズの表

    示径のガラス管内に展開したときの

    素線の交差点密度及び内径から計

    算される、ストラット単位あたりの金属

    面積は**%以上であることを確認した。

    適合 CMT ホ-4

    6 短縮率

    フローダイバーターのイントロデュー

    サシース内での長さと表示径に展開

    したときの長さの差から短縮率を測

    定したとき、以下に示す規格を満た

    すことを確認した。

    表示径 短縮率(%) 許容差:±****

    2.50 mm **** 2.75 mm **** 3.00 mm **** 3.25 mm **** 3.50 mm **** 3.75 mm **** 4.00 mm **** 4.25 mm **** 4.50 mm **** 4.75 mm **** 5.00 mm ****

    適合 CMT ホ-5-1

  • 94

    No. 試験項目 試験概要 結果 試験施設 添付資料

    7 半径方向への保持性能

    フローダイバーターを、表示径

    で圧縮したときに要する圧力

    は、*** Pa(*** mmHg)以上であることを確認した。

    適合 CMT ホ-5-1 ホ-5-2

    8 疲労試験 (フレッチング腐食)

    4 億サイクルの拍動負荷後のフローダイバーターについて、破

    損の有無及びフレッチング腐食

    を評価したとき、規格を満たすこ

    とを確認した。

    適合 CMT、

    ******** ***

    ホ-6-1 ホ-6-2 ホ-6-3

    9 MRI 適合性

    ASTM F2052 、 F2182 及 びF2119 に準拠し、フローダイバーターは 3.0 T の磁束密度下で、MR システムに対する安全性及び適合性を有することを確認し

    た。

    適合 *******

    ********* *******

    ホ-7

    *CMT:Chestnuts Medical Technologies, Inc.の略であり、現 Micro Therapeutics, Inc.

    No. 試験項目 試験概要 結果 試験施設 添付資料

    デリバリーシステム

    10

    デリバリーシステム 寸法

    1) 全長

    デリバリーシステムの遠位端から

    近位端までの長さを測定したと

    き、***±** cm の範囲内であることを確認した。

    適合 MTI* ホ-8

    2) 外径

    規定のデリバリーシステムの 3 点について外径を測定したとき、各

    測定箇所は**** mm 未満であることを確認した。

    適合 MTI ホ-8

    3) セーフティマーカ 位置

    デリバリーシステムの遠位端から

    セーフティマーカの遠位端まで

    の長さを測定したとき、125 cm 以内にセーフティマーカがあること

    を確認した。

    適合 MTI ホ-8

    11 接合部強度

    引張試験機で各接合部の接合

    部強度を測定したとき、以下の強

    度を有することを確認した。 ・先端コイル部:*** N 以上 ・保護スリーブ部:*** N 以上 ・リシースマーカ部:*** N 以上 ・ハイポチューブ遠位部: *** N 以上 ・ハイポチューブ近位部: *** N 以上

    適合 MTI ホ-8

    *Micro Therapeutics, Inc.の略

  • 95

    No. 試験項目 試験概要 結果 試験施設 添付資料

    12

    先端コイル性能

    1) 先端形状

    イントロデューサシースから、先端

    コイルの出し入れを 3 回行なった後の先端コイルの角度は***°以上であることを確認した。

    適合 MTI ホ-8

    2) 先端剛性 先端コイルの剛性を測定するとき、

    **** mg 以下であることを確認した。

    適合 MTI ホ-8

    13 トルク強度

    本品をマイクロカテーテルに通し、

    本品の遠位部を試験機に固定後、

    本品の近位部を回転させたとき、

    ****°回転以下で破損しないことを確認した。

    適合 MTI ホ-8

    14 脳血管モデルを用いた使用模擬試験

    脳血管モデルを用いて、使用方法

    に従い一連の手技を行い、以下の

    項目について、フローダイバータ

    ー及びデリバリーシステムの評価を

    行った。 1) フラッシュ性能 2) フローダイバーター移行 3) デリバリー抵抗 4) フローダイバーター遠位部展

    開 5) リシース機能 6) フローダイバーター近位部展

    開 7) デリバリーシステム耐久性 8) フローダイバーター耐久性 9) デリバリーシステム回収 10)フローダイバーター開存

    適合 MTI ホ-8

    15 不溶性微粒子測定

    本品を使用方法に従い使用したと

    き(2 回リシース、3 回展開を含む)、USP<788>に準拠して不溶性微粒子測定を行ったとき、以下

    の基準値を満たすを確認した。 ≧10 μm:≦6000 個 ≧25 μm:≦600 個

    適合 MTI ホ-9

    フローダイバーターの素線は 2 種類の合金からなる。血管内に永久留置する機器であるため、フローダイバーターを構成する原材料の特性評価として、動電位腐食及びガルバニック腐食に対する抵抗

    性、フローダイバーターを構成する素線の物理的特性及びニッケル溶出性について評価した。また、

    フローダイバーターの使用目的及び製品特性に鑑みて、必要とされる性能及び安全性の評価項目と

    して、フローダイバーターのストラット面積、短縮率、半径方向への保持性能、疲労試験(フレッチング

    腐食)、MRI 適合性の試験を行った。 また、デリバリーシステムはフローダイバーターを標的部位へ適切に送達、展開することを目的としてい

    る。デリバリーシステムの評価として、デリバリーシステムの強度を確認するため、接合部強度、トルク強

    度及び先端性能について試験を実施した。

  • 96

    さらに、脳血管モデルを用いた使用模擬試験により、本品の性能及び安全性の総合的評価を行った。

    加えて、上記の一連の手技における不溶性微粒子測定も実施した。 その結果、全ての項目に適合した。よって本品の物理的、化学的特性が臨床使用に適した性能及び

    安全性を有することが確認された。 なお、フローダイバーターの試験においては、本邦の臨床試験に使用された CVJ-12-01 を検体とした。CVJ-12-01 は本品の前位機種であり、デリバリーシステムは異なるがフローダイバーターは同一であるため妥当である。なおデリバリーシステムの試験では、本品を用いた。

    ※各試験結果にて試験検体モデルを「フローダイバーター表示径(mm)×表示長(mm)」のように省略記載した。

  • 97

    1.動電位分極腐食抵抗

    資料番号 ホ-1

    1) 目的 フローダイバーターの動電位分極腐食に対する抵抗性を ASTM F2129-06 に準拠し試験を実施した。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    4.00 x 20 (3) 動電位分極腐食の傾向は、サイズに関係なく、原材料に依存するため、どのサイズを用いても試験結果に差はない。

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    平均腐食電流(Icorr)≦** nA/cm2

    フローダイバーターの素線は白金/タングステン合金ワイヤ及び*******からなる。先行する試験に基づき求められた腐食速度(****/年)において、より腐食抵抗性の低い最小サイズの*****(径****** mm)が***年間で半分の径まで腐食すると仮定した場合の腐食電流の理論値を求め、規格として設定

    した。

    3) 試験方法 37℃で pH***のリン酸緩衝生理食塩液に、フローダイバーターを浸漬させた。 ASTM F2129-06 の cyclic potentiodynamic polarization methods に従い、飽和カロメル電極により腐食電位を測定した。フローダイバーターを浸漬した後**時間、残留電位を動電位スキャン(**** nV/s)で測定した。 試験後、周期分極曲線を作成・分析し、平均腐食電流(Icorr)を算出した。また検体を 40 倍の光学実体顕微鏡にて観察した。

    4) 結果

    平均腐食電流(Icorr):* nA/cm2 であり規格に適合した。また、全ての検体で孔食又は腐食を認めなかった。

    5) 考察 フローダイバーターは白金/タングステン及びコバルト/ニッケル/クロム/モリブデンの合金からなり、血管内に永久留置されるものであることから、本試験を実施した。試験の結果、腐食電流は規格を満た

    した。孔食又は腐食も認めなかったことから、フローダイバーターの腐食抵抗性は臨床使用におい

    て許容できるものであると判断する。

  • 98

    2.ガルバニック腐食抵抗

    資料番号 ホ-1

    1) 目的 フローダイバーターのガルバニック腐食に対する抵抗性を ASTM G71-81 に準拠し試験を実施した。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    フローダイバーター:5.00 x 20 (5) ガルバニック腐食の傾向は、サイズに関係なく、原材料に依存するため、どのサイズを用いても評価結果に差はない。

    塞栓コイル:2.00 x 80 (5)

    塞栓コイルが近傍の動脈瘤に留置されている場合を想定

    し、原材料として広く使用されている白金製の塞栓コイル

    (販売名:GDC コイル 承認番号:21300BZY00488000)を選定した。

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    平均腐食電流(Icorr)≦** nA/cm2

    フローダイバーターの素線は白金/タングステン合金ワイヤ及び****からなる。先行する試験に基づき求められた腐食速度(***/年)において、より腐食抵抗性の低い最小サイズの*****(径***** mm)が**年間で半分の径まで腐食すると仮定した場合の腐食電流の理論値を求め、規格として設

    定した。

    3) 試験方法 37℃で pH**のリン酸緩衝生理食塩液を準備した。 ASTM G71-81 に従い、一方の電極にはフローダイバーター、もう一方には GDC を接続し、試験を実施した。試験中、ガルバニック腐食及び電位を観察し、飽和カロメル電極により腐食電位を測定し

    た 試験は***時間続けられ、ガルバニック腐食電流が安定することを確認した。 試験後、ガルバニック腐食と電位曲線を作成・分析した。

    4) 結果

    平均腐食電流(Icorr):*** nA/cm2 であり規格に適合した。

    5) 考察 現在、動脈瘤に対する血管内治療法では、コイル塞栓術が主流である。本品の臨床使用において、

    塞栓コイルが近傍の動脈瘤に留置される可能性もあることから、一般的な白金製の塞栓コイルを選

    定し、フローダイバーターのガルバニック腐食に対する抵抗性を評価した。 試験の結果、フローダイバーターと塞栓コイル間に発生する腐食電流は規格を満たしたことから、フ

    ローダイバーターの腐食抵抗性は臨床使用において許容できるものであると判断する。

  • 99

    3.素線引張強度

    資料番号 ホ-2

    1) 目的 フローダイバーターの原材料である白金/タングステン合金及びコバルト/ニッケル/クロム/モリブデン合金(*****)製の素線についてそれぞれに引張強度試験を行い、物理的特性を評価した。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠 2.75 mm 径のフローダイバーターを

    構成する素線

    (10)

    ****** mm(白金/タングステン合金素線) フローダイバーターを構成する素線は、白金/タングステン合金製の素線が**種類、******製の素線が**種類であり、それぞれの素線の最大径及び最小径

    から構成されるフローダイバー

    ターを選択した。

    ****** mm(******素線)

    ****** mm(******素線)

    5.25 mm 径のフローダイバーターを

    構成する素線

    (10)

    ****** mm(白金/タングステン合金素線) ****** mm(******素線)

    ****** mm(******素線)

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    なし 素線の引張強度を測定し、フローダイバーターの物理的特性を評価するのみである

    3) 試験方法 1. 各素線を 1 切片**** mm(** inch)の長さに切断し、切片**本ずつを、処理を施さない「工程

    前」、熱処理及び表面処理を施した「工程後」として試験検体とする。 2. 引張試験機に試験検体を固定する。 3. 素線が破断するまで引張り、以下の項目を測定する。

    ****** ***** ******* ****** ******

  • 100

    4) 結果

    検体 工程 前・後

    ***** 平均値

    (N)

    **** 平均値 (%)

    ******* 平均値 (kpsi)

    ***** 平均値 (kpsi)

    ***** 平均値 (Mpsi)

    ***** ****** mm

    工程前 工程後

    ***** ****** mm

    工程前 工程後

    ***** ****** mm

    工程前 工程後

    ***** ****** mm

    工程前 工程後

    白金 ****** mm

    工程前 工程後

    白金 ****** mm

    工程前 工程後

    5) 考察

    フローダイバーターの原材料である白金/タングステン合金及び******の素線の物理的特性をそれぞれ確認した。 本試験は、フローダイバーターを構成する素線の特性を評価しているものであるため、包括的な評

    価として、設計検証(ストラット面積、短縮率、半径方向への保持性能)ならびに動物試験における性

    能評価を行っている。その結果、本素線を原材料とするフローダイバーターは、意図した使用目的

    に適した性能を示すことが確認されている。

  • 101

    4.ニッケル溶出

    資料番号 ホ-3

    1) 目的 ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)により、フローダイバーターから溶出されるニッケル量を測定し、生体への影響を評価した。

    2) 試験検体 陰性対照:リン酸緩衝生理食塩液(PBS) 陽性対照:1 µg/L となるように PBS にニッケルを添加したもの

    3) 適合基準 ISO 10993-17:Establishment of allowable limits for leachable substances に準拠して、限度値 TI を、既知の基準値(最小毒性量、無毒性量、LC50)÷不確定性因子により求めた。 ラット腹腔内投与試験の結果、塩化ニッケルの最小毒性量が 0.45 mg/kg/day、無毒性量が 0.045 mg/kg/day であった。ISO 10993-17 より、種内不確定性因子の最大値を 10、種外不確定因子の最大値を 10 とし、非経口のニッケル溶出限度値 TI を 0.5 µg/kg/day とした。 ニッケル溶出量(HDE)が TI 未満の場合、適合とした。

    4) 試験方法 すべての検体について、被験物質をイントロデューサシースから外し、化学的に不活な容器に入れ、

    被験物質が浸かるように、3.0 mL の PBS を加え、37±2℃で 60 日間インキュベートした。陰性対照と陽性対照も同条件でインキュベートした。抽出物は 1、2、3、5、6、7、14 日目に収集し、14 日目からは週に一度収集した。被験物質について、すべての評価時点で、PBS 抽出物をすべて取り除き、新しい PBS で置き換えた。陰性対照と陽性対照は、試験初日にまとめて調製した。被験物質、陰性対照、陽性対照の抽出物の溶出ニッケル濃度を ICP-MS で測定した。

    5) 結果及び考察

    1 人の患者に留置する塞栓デバイスの最大数は 7 であるため、最大ニッケル溶出量/7 機器/1 日の結

    果を算出した。すべての試験検体の PBS 抽出物中のニッケル溶出量(HDE)(μg/kg/1 日)は、限度

    値 TI:0.5 μg/kg/1 日未満であり、安全性マージンは 3~500 であったため、仕様に適合した。試験の

    結果、ニッケル溶出量(HDE)は TI 未満であったため、試験の適合基準に合致することが確認され

    た。

    検体

    ロット******* ロット******* ロット*******

    陽性対照 (µg/機器)

    1 日あたりの最大ニッケル溶出量 (µg/機器/1 日)

    平均累積 ニッケル溶出量

    (µg/機器)

    1 日あたりの 最大ニッケル溶出量

    (µg/7 機器/1 日)

    ニッケル溶出量 (HDE)

    (µg/kg/1 日)

    安全性 マージン

    (TI÷HDE)

    1 日目 0.00319 1.504 - 10.528 0.150 3

    2 日目 0.00296 0.627 2.130 4.386 0.063 8

    3 日目 0.00312 0.408 2.538 2.857 0.041 12

    5 日目 0.00310 0.126 3.018 0.884 0.013 38

  • 102

    検体 ロット******* ロット******* ロット*******

    陽性対照 (µg/機器)

    1 日あたりの最大ニッケル溶出量 (µg/機器/1 日)

    平均累積 ニッケル溶出量

    (µg/機器)

    1 日あたりの 最大ニッケル溶出量

    (µg/7 機器/1 日)

    ニッケル溶出量 (HDE)

    (µg/kg/1 日)

    安全性 マージン

    (TI÷HDE)

    6 日目 0.00278 0.246 3.262 1.722 0.025 20

    7 日目 0.00305 0.199 3.462 1.394 0.020 25

    14 日目 0.00295 0.019 4.171 0.134 0.002 250

    21 日目 0.00287 0.014 4.716 0.101 0.001 500

    28 日目 0.00298 0.012 5.154 0.081 0.001 500

    35 日目 0.00312 0.010 5.520 0.069 0.001 500

    42 日目 0.00309 0.009 5.853 0.064 0.001 500

    49 日目 0.00313 0.008 6.145 0.056 0.001 500

    56 日目 0.00285 0.008 6.416 0.053 0.001 500

    60 日目 0.00309 0.012 6.573 0.083 0.001 500

  • 103

    5.フローダイバーターのストラット面積

    資料番号 ホ-4

    1) 目的 フローダイバーターを各サイズの表示径の管内に展開したときの交差点密度*及び内径から、ストラット単位あたりの金属面積を計算した。 *****************************************************************

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    2.50 x 10、2.50 x 20、2.75 x 15、3.00 x 15、3.25 x 15、3.50 x 15、3.75 x 15、4.00 x 15、4.25 x 15、4.50 x 15、4.75 x 15、5.00 x 10、5.00 x 20 (全てのサイズで 3 検体)

    フローダイバーターのストラット単位あたり

    の金属面積は径に依存し、長さの影響を

    うけない。よって、本品を構成するサイズ

    バリエーションの全ての径サイズを選定し

    た。 【規格設定】

    規格 設定根拠

    面積比率≧**%

    フローダイバーターを構成するワイヤ間の孔は、動脈流内への血流

    を遮断し、動脈瘤の閉塞を促すために適切に配置されていなくては

    ならない。血流遮断に適した孔サイズである観点から、フローダイバ

    ーターの面積比率を設定した。 なお、本品は新医療機器であるため前例はなく、当該規格の妥当

    性は 4.2.2 機器の性能を裏付ける試験において確認している。

    3) 試験方法 1. フローダイバーターの各サイズの表示径のガラス管にフローダイバーターを留置した。 2. 顕微鏡により交差点密度(***)を検体ごとに 3 回測定し、最小値と平均値を集計した。 3. 使用したガラス管の内径及び***の実測値から、A、B の値を計算し、ストラット長やワイヤ幅の定

    数を用いて、ストラット単位あたりの金属面積を計算した。 フローダイバーターに使用されるワイヤの径は**種類あり、径の平均値ならびに***平均値を使

    用した場合と、ワーストケースとして最も細いワイヤ径(******mm)と***最小値を用いた場合でそれぞれに金属面積を計算した。

  • 104

    4) 結果

    モデル 平均値による評価 ワーストケース評価

    ***平均値 ストラット面積率 ***最小値 ストラット面積率 2.50 x 10 2.50 x 20 2.75 x 15 3.00 x 15 3.25 x 15 3.50 x 15 3.75 x 15 4.00 x 15 4.25 x 15 4.50 x 15 4.75 x 15 5.00 x 10 5.00 x 20

    5) 考察

    フローダイバーターのストラット面積比率は、すべての検体で規格(≧**%)に適合した。 本試験では、フローダイバーターの合わせたガラス管内におけるストラット面積を求め、規格への適

    合を確認したが、実際の使用では様々な血管に留置することに鑑み、標的血管にフローダイバータ

    ーを留置したときの血管組織に与える影響について、「4.2.2 機器の性能を裏付ける試験」において言及している。

  • 105

    6.短縮率

    資料番号 ホ-5-1

    1) 目的 フローダイバーターは展開後に短縮する特性を有するため、短縮率を測定した。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体及び規格設定】 全ての径サイズにおいて短縮率を測定した。

    モデル(検体数) 規格:短縮率(%) 許容差:±**** 設定根拠

    2.50 x 20 (5) ストラットの孔サイズの変化(格納時とモデル内展開時)より算出した。 なお、本品は新医療機器であるため前例

    はなく、当該規格の妥当性は 4.2.2 機器の性能を裏付ける試験において確認して

    いる。

    2.75 x 20 (5) 3.00 x 20 (5) 3.25 x 20 (5) 3.50 x 20 (5) 3.75 x 20 (5) 4.00 x 20 (5) 4.25 x 20 (5) 4.50 x 20 (5) 4.75 x 20 (5) 5.00 x 20 (5)

    3) 試験方法 1. イントロデューサシースに格納されているフローダイバーターの長さを測定した。 2. 本品をマイクロカテーテル内に移行させ、フローダイバーターをガラス管内に留置した。ガラス

    管は各サイズにおける推奨最大径のものを用いた。 3. 留置したフローダイバーターの長さを測定した。 4. 以下の計算式により、短縮率を算出した。

    短縮率(%)= (イントロデューサシース内での長さ-留置後の長さ)

    x 100 イントロデューサシース内での長さ

  • 106

    4) 結果 モデル 規格(%) 平均短縮率(%) 結果

    2.50 x 20 適合 2.75 x 20 適合 3.00 x 20 適合 3.25 x 20 適合 3.50 x 20 適合 3.75 x 20 適合 4.00 x 20 適合 4.25 x 20 適合 4.50 x 20 適合 4.75 x 20 適合 5.00 x 20 適合

    5) 考察 フローダイバーターは展開により、**%を超えて短縮する。この短縮は、表示長からの短縮ではないことに注意する必要があることから、添付文書(案)の使用方法に関連する使用上の注意の項目に、

    「フローダイバーターの展開後の長さはイントロデューサシースに格納されている状態から大幅に短

    縮する(50~70%)。フローダイバーターを展開するときは、表示長、ランディングゾーン及びデバイスの短縮を考慮に入れること。」として、注意喚起することとした。

  • 107

    7.半径方向への保持性能

    資料番号 ホ-5-1 資料番号 ホ-5-2

    1) 目的 フローダイバーターは自己拡張性を有し、血管内に留置することを目的としているため、半径方向へ

    の保持性能試験を実施した。

    2) 検体及び規格の設定 半径方向への保持性能は径に依存するため、全ての径において試験を実施した。

    モデル(検体数) 規格 規格の設定根拠 2.50 x 20 (5)

    ≧**** Pa(*** mmHg)

    本品は血管狭窄部を拡張するため

    の機器ではないため、脳血管内に

    留置した後の移動がなく、また血管

    損傷を最低限に抑えるのに適切な

    値を設定した。 なお、本品は新医療機器であるため

    前例はなく、当該規格の妥当性は

    4.2.2 機器の性能を裏付ける試験において確認している。

    2.75 x 20 (5) 3.00 x 20 (5) 3.25 x 20 (5) 3.50 x 20 (5) 3.75 x 20 (5) 4.00 x 20 (5) 4.25 x 20 (5) 4.50 x 20 (5) 4.75 x 20 (5) 5.00 x 20 (5)

    3) 試験方法 1. 円柱の内径が、各サイズの表示径の円柱型固定具、な

    らびに過酷条件として表示径より*** mm 小さい円柱型固定具内に非拘束の状態でフローダイバーターを

    設置した(図参照)。 2. 圧縮試験機を用いて上下の固定具を両側から押した。 3. 測定した圧縮強度から、以下の計算式により、半径方

    向への保持性能を算出した。 **********************************************

  • 108

    4) 結果

    モデル 固定具 内径 (mm)

    過酷条件での 半径方向への 耐久性平均 Pa (mmHg)

    固定具 内径 (mm)

    表示径での 半径方向への 耐久性平均 Pa (mmHg)

    2.50 x 20 2.75 x 20 3.00 x 20 3.25 x 20 3.50 x 20 3.75 x 20 4.00 x 20 4.25 x 20 4.50 x 20 4.75 x 20 5.00 x 20

    5) 考察 フローダイバーターは、血管内の狭窄部を拡張することを目的としたステントとは異なり、動脈瘤ネッ

    ク部を覆うように留置し、瘤内への血流を遮断することを目的としているため、ラディアル強度は低く

    設計されている。それにより、留置後のフローダイバーターの移動を防ぎ、血管壁への影響も最小限

    に抑えられる構造となっている。 当該仕様において、標的血管にフローダイバーターを留置したときの、フローダイバーターの移動及

    び血管組織へ与える影響については、4.2.2 機器の性能を裏付ける試験において言及している。

  • 109

    8.疲労試験(フレッチング腐食) 8-1.5.00 mm 径の疲労試験

    資料番号 ホ-6-1

    1) 目的 拍動負荷後の 5.00 mm 径のフローダイバーターについて、疲労試験後の破損の有無及びフレッチング腐食を評価した。

    2) 検体及び規格の設定

    【試験検体】 モデル(検体数) 検体選定根拠

    5.00 x 15(18) 5.00 x 20(18)

    フローダイバーターは、ストラットが均一に並んだ構造で、このストラットが軸

    方向に並んでいるため、フローダイバーター長の違いが、試験結果に影響

    することはない。 また、本試験の拍動負荷は血管径の変化率が***%になるように設定されている。血管径が大きくなるほど血管径の変化が大きくなり、留置するフローダ

    イバーターへの負荷も大きくなる。よって最大径である 5 mm 径を用いた場合が拍動負荷の影響を最も受けることから、5.00 mm x 15mm 及び 20 mm を選定した。 ************************************************************** ********

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    4 億サイクルの疲労試験後、摩耗による破損はないこと。

    FDA ガイダンス「Non-Clinical Engineering Tests and Recommended Labeling for Intravascular Stents and Associated」及び「薬食審査発第 0904001 号 冠動脈ステントの承認申請に係る取扱いについて」で推奨されているヒトの 10 年間の拍動回数を引用している。また、本品は脳動脈で使用するものであり、冠動脈のように拍動がある部

    位での使用ではないため、苛酷条件といえる。よって、当該規格は

    製品の耐久性を評価する上で十分な値であると判断する。

    3) 試験方法 1. 試験検体は、1 本留置として 24 検体、2 本重複留置として 12 検体(6 対)に振り分けた。 2. 試験機に内径**** mm のシリコーンチューブを取り付けた。 3. ***%生理食塩液(pH***)を試験機のリザーバーに入れた。 4. フローダイバーターの 1 本留置はシリコーンチューブ内に 1 本、2 本の重複留置はシリコーンチ

    ューブに 2 本を留置した。 5. 拍動条件を正弦波** Hz の波長にセットし、生理食塩液の温度を**℃に設定し、試験を開始し

    た。 6. 2,000 万サイクルが完了した時点で、試験を一時中断し、フローダイバーターの状態をボアスコ

    ープを用いて確認した。 7. 4 億サイクルが完了した時点で試験を終了し、顕微鏡(40 倍)及び SEM により、製品表面を観察

    した。

  • 110

    4) 結果 本試験では、規定のサイクル数に 1,000 万サイクルを加えた 4.1 億サイクルで試験を実施した。 2000 万サイクル完了後の検査においては、全ての検体で疲労による破損、クラック又はフレッチングによる腐食の兆候は認められず、4.1 億サイクル完了後、全ての検体で規格に適合した。顕微鏡及び SEM による観察の結果を以下に示す。 なお、SEM による観察は、21/36 検体(1 本留置:13 検体、2 本重複留置:8 検体、4 対)のみ行った。 残りの検体については、40 倍の顕微鏡による観察の結果が、SEM による観察を行った 21/36 検体の顕微鏡による観察結果と同様の状態を示していたことから省略した。

    留置条件 検体数 観察結果

    1 本留置

    22/24 フローダイバーターの端部で軽度のフレッチング腐食を確認。なおクラックや素線片は確認されなかった。

    1/24*1 フローダイバーターを構成する素線の 1 本が破損。 フローダイバーターの端部で軽度のフレッチング腐食(摩

    耗)を確認。

    1/24*2 フローダイバーターの片側端に切り傷あり。 フローダイバーターの端部で軽度のフレッチング腐食(摩

    耗)を確認。

    2 本重複留置 12/12(6 対) フローダイバーターの端部で軽度のフレッチング腐食を確認。なおクラックや素線片は確認されなかった。

    *1 SEM において、変則的な損傷を確認した。これは疲労試験が原因ではなく、チューブからフローダイバーターを抜き取る際に損傷したものと考えられた。

    *2 製造工程内で発生したものと判断された。

    5) 考察 ヒトの 10 年間の拍動回数(4 億サイクル)に 1,000 万サイクルを加えた 4.1 億サイクルで試験を実施した。結果、軽度のフレッチング腐食が認められたものの、この腐食による素線の破損はなく、全て

    の検体において規格に適合した。 よって、本品の耐久性は、臨床使用においても問題がない強度であると判断する。

  • 111

    8-2.2.50 mm 径の疲労試験

    資料番号 ホ-6-2

    1) 目的 拍動負荷後の 2.50 mm 径のフローダイバーターについて、疲労試験後の破損の有無及びフレッチング腐食を評価した。

    2) 検体及び規格の設定

    【試験検体】 モデル(検体数) 検体選定根拠

    2.50 x 10(13) 2.50 x 20(33)

    *************************************************************** *****

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    4 億サイクルの疲労試験後、摩耗による破損はないこと。

    FDA ガイダンス「Non-Clinical Engineering Tests and Recommended Labeling for Intravascular Stents and Associated」及び「薬食審査発第 0904001 号 冠動脈ステントの承認申請に係る取扱いについて」で推奨されているヒトの 10 年間の拍動回数を引用している。また、本品は脳動脈で使用するものであり、冠動脈のように拍動がある部

    位での使用ではないため、苛酷条件といえる。よって、当該規格は

    製品の耐久性を評価する上で十分な値であると判断する。

    3) 試験方法 1. 試験検体は、1 本留置として 22 検体、2 本重複留置として 24 検体(12 対)に振り分けた。 2. 試験機に内径**** mm のシリコーンチューブを取り付けた。 3. 生理食塩液(pH******)を試験機のリザーバーに入れた。 4. フローダイバーターの 1 本留置はシリコーンチューブ内に 1 本、2 本の重複留置はシリコーンチ

    ューブに 2 本を留置した。 5. 拍動条件を正弦波** Hz の波長にセットし、生理食塩液の温度を**℃に設定し、試験を開始し

    た。 6. 4,000 万サイクルが完了した時点で、試験を一時中断し、フローダイバーターの状態をボアスコ

    ープを用いて確認した。1 本留置 2 検体、2 本留置 8 検体(4 対)については、シリコーンチューブより取り出して、SEM により、製品表面を観察した。

    7. 残りの検体については、4 億サイクルが完了した時点で試験を終了し、顕微鏡(40 倍)及びSEM により、製品表面を観察した。

    4) 結果

    4,000 万サイクル完了後の検査においては、全ての検体で破損は認めなかった。SEM による観察において、全ての検体に極わずかなフレッチングによる腐食を認めたが、試験を通して素線及

    びフローダイバーターの破損は認められなかった。4 億サイクル完了後の検査においても、全ての検体で破損は認めなかった。SEM による観察において、全ての検体に軽度~重度のフレッチングによる腐食を認めたが、試験を通して素線及びフローダイバーターの破損は認められなかっ

    た。 本試験では、ストレート及びカーブ形状のチューブにフローダイバーターを留置したが、留置部

    の違いによる結果への影響は認められなかった。

  • 112

    以上より、4,000 万及び 4 億サイクルにおいて、全ての検体が規格に適合した。40 倍の顕微鏡による観察の結果を以下に示す。

    サイクル 留置条件 留置部形状 検体数 観察結果

    4,000 万

    1 本留置 カーブ 2/2 クラックや素線の破損及びフレッチング腐食は確認されなかった。

    2 本重複 留置

    ストレート 4/4(2 対) クラックや素線の破損及びフレッチング腐食は確認されなかった。

    カーブ 4/4(2 対) クラックや素線の破損及びフレッチング腐食は確認されなかった。

    4 億

    1 本留置

    ストレート 9/9 フローダイバーターの端部の数箇所で

    フレッチング腐食を確認。なおクラック

    や素線の破損は確認されなかった。

    カーブ 11/11 フローダイバーターの端部の数箇所で

    フレッチング腐食を確認。なおクラック

    や素線の破損は確認されなかった。

    2 本重複 留置

    ストレート 6/6(3 対) フローダイバーターの端部の数箇所で

    フレッチング腐食を確認。なおクラック

    や素線の破損は確認されなかった。

    カーブ 10/10(5 対) フローダイバーターの端部の数箇所で

    フレッチング腐食を確認。なおクラック

    や素線の破損は確認されなかった。

    5) 考察 2.50 mm 径のフローダイバーターの試験においても同様に 4 億サイクル及び 1 年間の拍動回数(4,000 万サイクル)で試験を実施した。結果、4,000 万サイクル完了後には極わずかなフレッチング腐食、4 億サイクル完了後には、軽度~重度のフレッチング腐食が認められたものの、これら腐食による素線の破損はなく、全ての検体において規格に適合した。 よって、本品の耐久性は、臨床使用においても問題がない強度であると判断する。

    [総合考察]

    ******************************************************************************************************************************************************************************************************************** よって、素線径を考慮したとき、最大径の組合せ(上限)及び最小径の組合せ(下限)の表示径のフロ

    ーダイバーターによる試験を行った。 また、拍動負荷による変化量を考慮したときのワーストケースは、表示径 5.00 mm のフローダイバーターであることから、2.50 mm 径及び 5.00 mm 径のフローダイバーターによる試験により、全サイズの評価を担保できると判断する。

  • 113

    8-3.3 本重複留置の疲労試験

    資料番号 ホ-6-3

    3 本重複留置の疲労試験は 1 本及び 2 本重複留置の試験結果及び素線間の接触圧の検証により外挿できると判断されたことから、試験を実施していない。 添付資料ホ-6-1 及びホ-6-2 において、2.50mm 径及び 5.00mm 径(本品の最小及び最大径)を使用して、1 本及び 2 本重複留置の疲労試験を実施した。試験の結果、4 億サイクル(10 年相当)においても、フローダイバーターの破損を認めなかった。1 本及び 2 本重複留置において発生した摩耗は、素線と素線の交差点で確認され、この摩耗の特性は同等であり、2 本重複留置に特有な摩耗は観察されていない(下図参照)。

    1 本留置 2 本重複留置

    この試験結果を基に、3 本重複留置における試験実施の必要性を検討した。

    [拍動条件下での検証]

    *********************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************************** *************************************************************************************************************************************************************************************

    [重複条件下での検証]

    *************************************************************************************************************************************************************************** *******************************************************************************************************************************************************************************************************************************

  • 114

    ************************************************************************************************************************************************************************************************ ********************************************************************************** *********************************************************************************** ********************************************************************************* ********************************************************************************************************************************************************************* *************************************************************************** 以上より、1 本及び 2 本重複留置による疲労試験をもって、3 本重複留置の結果を外挿できると判断する。

  • 115

    9.MRI 適合性

    資料番号 ホ-7

    1) 目的 ASTM F2052、F2213、F2182 及び F2119 に準拠し、フローダイバーターを 3.0T の MR 環境下で、MR システムに対する安全性及び適合性を評価した。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    5.00 x 80(5) 5.00 x 20(**)

    MR 環境下において、フローダイバーターとの相互作用に影響を左右する要因は、表面積及び質量である。 表面積の要因の評価として、製品モデルの最長の 35mm より2 倍以上長い 5.00 x 80 をワーストケースモデルとして作製し試験に用いた。 質量の要因の評価として 5.00 x 20 を**検体重ね合わせたものを試験検体として用いた。

    【規格設定】

    評価項目 規格 設定根拠

    磁気誘導性偏位力 (ASTM F2052-06) 重大な偏位を認めないこと

    留置後、MR 環境下でフローダイバーターの移動が発生することにより、動脈瘤内

    への血流が再開してしまう可能性がある

    ため設定した。

    磁気誘導性トルク (ASTM F2213-06) 重大なトルクを認めないこと

    留置後、MR 環境下でフローダイバーターのトルクが発生することにより、動脈瘤

    内への血流が再開してしまう可能性があ

    るため設定した。

    ラジオ波誘導性発熱 (ASTM F2182-02a) 重大な発熱を認めないこと

    留置後、MR 環境下でフローダイバーターが発熱することにより、フローダイバー

    ター周辺血管組織及び血液に影響を及

    ぼす可能性があるため設定した。

    MR 画像アーチファクト (ASTM F2119-01)

    著しく血管内腔の画像が不

    明瞭になる程度のアーチフ

    ァクトが発生しないこと

    留置後、MR 検査時の MR 画像の精度が著しく低下する可能性があるため設定し

    た。

    3) 試験方法 評価項目 試験方法

    磁気誘導性偏位力 (ASTM F2052-06)

    MRI 適合性の試験台に、フローダイバーターの片側端を紐で吊るし、MR 装置内に設置して磁気をかけた。磁気によるフローダイバーターの振れ角度を測定するとともに、振力を算出した。

    磁気誘導性トルク (ASTM F2213-06)

    MRI 適合性の試験台に、フローダイバーターの中間部を紐で吊るし、MR 装置内に設置して磁気をかけた。磁気によるフローダイバーターの回転角度を確認した。

  • 116

    評価項目 試験方法

    ラジオ波誘導性発熱 (ASTM F2182-02a)

    1. フローダイバーターを硫酸銅を溶かした生理食塩液にポリアクリル酸を混ぜ合わせた溶液中に配置した。

    2. フローダイバーターに 2 本の熱電対を取り付け、1 本はフローダイバーターから**mm 離れた位置に設置した。

    3. 3 T で MR 撮影を行った。 4. それぞれの条件下の温度上昇を測定した。

    MR 画像アーチファクト (ASTM F2119-01)

    1. *%硫酸銅溶液で満たした*** mL ボトル内に、フローダイバーターを配置した。

    2. 3 T で MR 撮影を行った。 3. プラスチックブロックを溶液内に配置した。 4. 矢状面及び軸平面でスピンエコー法及びグラディエントエコー法によ

    りスキャンした。 5. 最大のアーチファクト幅を測定した。

    4) 結果

    試験検体 検体 偏位 (°)

    偏位力

    (N) トルク (°)

    発熱 (℃)

    最大アーチファクト幅

    (mm)

    5.00 x 80

    1 0 0 0 < 0.2 < 4 2 0 0 0 < 0.2 < 4 3 0 0 0 < 0.2 < 4 4 0 0 0 < 0.2 < 4 5 0 0 0 < 0.2 < 4

    5.00 x 20 (**検体重複)

    1 0 0 0 < 0.2 < 4 2 0 0 0 < 0.2 < 4 3 0 0 0 < 0.2 < 4 4 0 0 0 < 0.2 < 4 5 0 0 0 < 0.2 < 4

    5) 考察 フローダイバーターは 3.0 T の MR 環境下において、偏位、トルクはなく、発熱及び最大アーチファクト幅も、臨床使用において問題となる値ではなかった。

  • 117

    10.デリバリーシステム 寸法

    資料番号 ホ-8

    1) 目的 デリバリーシステムの全長、外径、セーフティマーカの位置を測定する。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    測定部 モデル(検体数) 検体選定根拠

    (1)全長

    2.50 x 10(72) 3.00 x 35(104) 4.00 x 35(105) 5.00 x 35(70)

    本品のデリバリーシステムは 1 サイズであり、全長、外径及びセーフティマーカ位置は、フロー

    ダイバーターのサイズに限らず同一サイズであ

    るため、どのモデルを選定しても、結果に影響

    しない。 (2)外径 3.00 x 35(28) 4.00 x 35(1)

    (3)セーフティマーカ位置

    2.50 x 10(72) 3.00 x 35(105) 4.00 x 35(105) 5.00 x 35(70)

    【規格設定】

    測定部 規格 設定根拠

    (1)全長 ***±** cm

    CVJ-12-01 の全長は*** cm であったが、マイクロカテーテルとの併用において十分な長さ

    であった。本品は最短でも*** cm であり十分な長さを有する。よって当該規格値を設定し

    た。

    (2)外径 <**** mm

    併用マイクロカテーテルの内径が 0.69 mm であるため、適合性の観点から、0.69 mm より小さい**** mm をデリバリーシステムの外径として設定した。

    (3)セーフティマーカ位置 デリバリーシステム

    先端から 125 cm 以内

    マーカはデリバリーシステムが併用マイクロカ

    テーテル(135 cm)先端から意図せず展開することを防止するためのものであり、デリバリー

    システム先端から 125 cm 以内の位置にマーカがあれば、このマーカを参考にした場合、フロ

    ーダイバーターの展開は起きないため、当該

    規格を設定した。

    3) 試験方法 全 長 :スケールを用いて、デリバリーシステムの遠位端から近位端までの長さを測定した。 外 径 :以下に示すデリバリーシステムの 3 点を、スナップゲージを用いて測定した。

    ・近位バンパーから近位に*cm の位置 ・近位バンパーから近位に** cm の位置 ・近位部溶接部

    セーフティマーカ位置:スケールを用いて、デリバリーシステムの遠位端からセーフティマーカの遠

    位端までの長さを測定した。

  • 118

    4) 結果 (1)全長

    [単位:cm] 検体サイズ 2.50 x 10 3.00 x 35 4.00 x 35 5.00 x 35

    平均 最大 最小

    標準偏差 検体数 72 104 105 70 規格 ***±** 結果 適合 適合 適合 適合

    (2)外径

    [単位:mm]

    測定箇所 近位バンパーから近位に* cm の位置

    近位バンパーから近位

    に** cm の位置 近位部溶接部

    平均 最大 最小

    標準偏差 検体数 29 規格 <**** 結果 適合 適合 適合

    (3)セーフティマーカ位置

    [単位:cm] 検体サイズ 2.50 x 10 3.00 x 35 4.00 x 35 5.00 x 35

    平均 最大 最小

    標準偏差 検体数 72 105 105 70 規格 デリバリーシステム先端から 125 以内 結果 適合 適合 適合 適合

    5) 考察 検体は全て規格を満たした。またフローダイバーターの意図しない展開を防止するために、適切な

    位置にセーフティマーカがマーキングされていることを確認した。よって問題なくマイクロカテーテ

    ルと併用できると判断した。

  • 119

    11.接合部強度

    資料番号 ホ-8

    1) 目的 デリバリーシステムの各接合部における引張強度試験を行った。

    2) 評価項目、試験検体及び規格の設定 【評価項目及び試験検体】

    評価項目(検体数) 検体選定根拠 (1)先端コイル部 3.00 x 35(27) 4.00 x 35(37) 5.00 x 35(60)

    先端コイルのソルダー部の原材料及び製造方法は、全てのサイズ

    で同一であるため、どのモデルを用いても結果に差はない。

    (2)保護スリーブ部 3.00 x 35(27) 4.00 x 35(25) 5.00 x 35(7)

    保護スリーブのソルダー部の原材料及び製造方法は、全てのサイ

    ズで同一であるため、どのモデルを用いても結果に差はない。

    (3)リシースマーカ部 2.50 x 10(61)

    2.50 x 10 のリシースマーカのソルダー部は、その他のサイズと比較して、サイズは小さく、強度は最も低いと考えられるため選定した。

    (4)ハイポチューブ遠位部 2.50 x 10(59)

    2.50 x 10 の近位バンパーのソルダー部は、その他のサイズと比較して短く、強度は最も低いと考えられるため選定した。

    (5)ハイポチューブ近位部 3.00 x 35(18) 4.00 x 35(11)

    ハイポチューブ近位部のソルダー部の原材料及び製造方法は、全

    てのサイズで同一であるため、どのモデルを用いても結果に差はな

    い。 【規格設定】

    評価項目 規格 設定根拠 (1)先端コイル部 *** N 以上 臨床実績がある CVJ-12-01 の規格を参考に設定し

    た。 (2)保護スリーブ部

    *** N 以上

    開発初期の強度分析*の結果とデリバリーシステムをマイクロカテーテル内に回収するときの最大負荷

    *** N より、最大負荷の***倍を規格として設定した。

    (3)リシースマーカ部 *** N 以上

    開発初期の強度分析の結果とリシース操作時の最

    大負荷*** N より、最大負荷の***倍を規格値として設定した。

    (4)ハイポチューブ遠位部 *** N 以上

    開発初期の強度分析の結果とリシース操作時の最

    大負荷*** N より、最大負荷の***倍を規格値として設定した。

    (5)ハイポチューブ近位部 *** N 以上 リシース操作時の最大負荷*** N を設定した。 * 強度分析を行った結果、本品使用時、デリバリーシステム近位に掛かる負荷は遠位の負荷と比較したとき******倍

    高いことが示された。

  • 120

    3) 試験方法 試験部位の概略を以下に示す。

    評価項目 試験方法 (1)先端コイル部 専用機器で、先端コイルを固定し、引張試験にて**** mm/min の速

    度で引張ったときの破断強度を測定した。 (2)保護スリーブ部 専用機器で、保護スリーブのソルダー部を固定し、引張試験にて***

    mm/min の速度で引張ったときの破断強度を測定した。 (3)リシースマーカ部 専用機器で、リシースパッドに隣接するリシースマーカ部を固定し、引

    張試験にて**** mm/min の速度で引張ったときの破断強度を測定した。

    (4)ハイポチューブ遠位部 専用機器で、ハイポチューブ遠位部が中心となるように、その遠位及び近位部を固定し、引張試験にて**** mm/min の速度で引張ったときの破断強度を測定した。

    (5)ハイポチューブ近位部 専用機器で、ハイポチューブ近位部が中心となるように、その遠位及び近位部を固定し、引張試験にて**** mm/min の速度で引張ったときの破断強度を測定した。

    4) 結果 評価項目 検体数 破断強度(N)

    (1)先端コイル部

    124

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 *** N 以上 結果 適合

    (2)保護スリーブ部

    59

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 *** N 以上 結果 適合

    (3)リシースマーカ部

    61

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 *** N 以上 結果 適合

  • 121

    評価項目 検体数 破断強度(N) (4)ハイポチューブ遠位部

    59

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 *** N 以上 結果 適合

    (5)ハイポチューブ近位部

    29

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 *** N 以上 結果 適合

    5) 考察 試験の結果、開発初期に実施された強度分析により推定された、デリバリーシステムの各接合部に

    掛かる負荷を上回る強度を有していた。 しかしながら、使用時は患者により血管走行は様々であり、過度の抵抗が発生する可能性が考え

    られる。このような場合の措置については添付文書(案)においても注意喚起している。 以上より、本品は臨床使用において安全に使用できると判断する。

  • 122

    12.先端コイル性能

    資料番号 ホ-8

    1) 目的 デリバリーシステムの先端コイルについて、先端形状及び剛性を評価した。

    2) 評価項目、試験検体及び規格の設定 【評価項目及び試験検体】 正確に評価するため、デリバリーシステムの遠位部(先端コイル~リシースマーカ)のみを、通常の製

    造方法で作成したものを検体として用いた。

    評価項目 (検体数) 目的 検体選定根拠

    (1)先端形状(30) 先端コイルは、血管損傷のリスクを軽減するため、角度が必要である。よって使用前

    の先端コイルの角度を評価する。

    本試験では最終製品を用いてい

    ない。先端コイルは、全てのサイ

    ズに共通であるため、試験用検

    体として、デリバリーシステム遠位

    部の半製品を製造して試験を実

    施した。

    (2)先端剛性(30) 先端コイルの剛性が、CVJ-12-01 のデリバリーシステムの先端コイルと同等もしく

    はより柔らかいことを評価する。 【規格設定】

    評価項目 規格 設定根拠 (1)先端形状 **°以上 デリバリーシステムの操作による血管損傷のリスクの低減を意

    図し、先端にカーブを付けたため設定した。 (2)先端剛性

    **** mg 以下 海外にて臨床使用のある CVJ-12-01 のデリバリーシステムの先端コイルと同等もしくは柔軟であるべきであり、CVJ-12-01 のデリバリーシステムで設定した規格値を準用した。

    3) 試験方法 評価項目 試験方法

    (1)先端形状 測定前、デリバリーシステムの先端コイル部をイントロデューサシースから 3 回出し入れしたものを検体とした。 先端コイル部を試験台に置き、先端コイ

    ルの軸方向の直線部及び先端部の直線

    部から、先端コイルの角度を測定した。

    (2)先端剛性 右図のように、デリバリーシステムを試験機に固定し、測定板を先端コイルに押し

    当て、先端コイルが屈曲するのに要する

    力を測定した。

  • 123

    4) 結果 評価項目 検体数 結果

    (1)先端形状

    30

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 **°以上 結果 適合

    (2)先端剛性

    30

    平均 最大 最小

    標準偏差 規格 **** mg 以下 結果 適合

    5) 考察 測定の結果、先端形状及び剛性は規格に適合した。 先端形状の測定では、「フローダイバーター遠位部展開 3 回及びリシース操作 2 回」を再現したのち試験を実施していることから、3 回目の展開においても先端形状は***°以上を保っており、先端形状が原因となる血管損傷のリスクは低減が期待できるものと考える。 先端剛性の測定では、海外において臨床実績がある本品のCVJ-12-01のデリバリーシステムで設定されている規格を採用している。試験の結果、最大でも**** mgf と規格を大幅に下回った。 以上より、本品のデリバリーシステムに採用している先端コイルは、使用時の先端形状は血管損傷の

    リスクは低減が期待でき、CVJ-12-01 のデリバリーシステムよりも柔軟であることが示され、臨床使用においても、CVJ-12-01 のデリバリーシステムと同等以上の安全性を有すると判断する。

  • 124

    13.トルク強度

    資料番号 ホ-8

    1) 目的 デリバリーシステムのトルク強度を確認するために試験を実施した。

    2) 試験検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    3.00 x 35(18) 4.00 x 35(2)

    デリバリーシステム近位部は全てのサイズにおいて同じ構成部

    品を使用しているため、モデル間での差はないため、どのモデ

    ルを用いても結果に差はない。 【規格設定】

    規格 設定根拠

    ****°回転以下で破損がないこと

    本品はトルクをかけることを意図した製品ではないが、手技中

    に、トルクがかかる可能性があることから、臨床使用では想定して

    いない*****°までの回転を規格として設定した。

    3) 試験方法 1. 検体には、フローダイバーターを展開後のデリバリーシステムを用いた。 2. 脳血管モデル内にマイクロカテーテルを挿入し、マイクロカテーテル内にデリバリーシステムを

    挿入した。 3. トルク試験用機械に、デリバリーシステム先端を固定した。 4. 10 検体は時計回り、残りの 10 検体は反時計回りにデリバリーシステム手元部を****°回転させ、

    破損の有無を確認した。

    4) 結果 回転方向 検体数 結果 時計回り 10 破損なし(10/10)

    反時計回り 10 破損なし(10/10)

    5) 考察 試験の結果、デリバリーシステムは規格の****°の**倍にあたる****°回転させた場合でも、破損は確認されなかった。 デリバリーシステムは手技中に回転させることを意図していない。しかしながら臨床使用において使

    用方法に従った操作を行った場合、意図しないトルクがかかったとしても規格の上限である****°の回転の範囲内に収まる程度であると考えられる。 以上より、デリバリーシステムは臨床使用におけるトルクに対して、十分な強度を有していると判断す

    る。

  • 125

    14.脳血管モデルを用いた検証試験

    資料番号 ホ-8

    1) 目的 脳血管モデルを用いて、使用方法に従い一連の手技を行い、フローダイバーター及びデリバリーシ

    ステムの評価を行った。

    2) 評価項目、試験検体及び規格の設定 【評価項目、目的及び試験検体】 以下の評価項目に用いたモデル(検体数)は、2.50 x 10(61)、3.00 x 35(65)、4.00 x 35(61)、5.00 x 35(61)の 4 モデルであった。

    評価項目 目的 検体選定根拠 (1)フラッシュ性能

    フローダイバーター挿入前

    のフラッシュ性能を評価す

    る。

    イントロデューサシースに格納された状態

    でフローダイバーター長が最長となる

    5.00 x 35 を含むように検体のサイズを選定した。

    (2)フローダイバーター移行

    イントロデューサシースか

    らマイクロカテーテルへの

    移行を評価する。

    フローダイバーターの移行は、イントロデ

    ューサシースの外径とマイクカテーテル

    ハブの接続部が影響する。イントロデュー

    サシースはいずれのサイズも同一の外径

    であることから、どのモデルを用いても結

    果に差はない。 (3)デリバリー抵抗

    本品挿入時のデリバリー

    抵抗を測定する。 マイクロカテーテルに格納された状態の

    フローダイバーターが最長となる 5.00 x 35 を含むように検体のサイズを選定した。

    (4)フローダイバーター 遠位部展開

    標的部位でのフローダイ

    バーターの遠位部の展開

    (部分展開 2 回、最終展開1 回)を 3 回行なえることを確認する。

    フローダイバーターのラディアル強度試

    験の結果、5.00 mm サイズのフローダイバーターが最も強度が低いことが確認され

    ている。フローダイバーターの遠位部展

    開の成功は、フローダイバーターの展開

    力に影響を受けるため、5.00 mm サイズがワーストケースとなる。よって 5.00 x 35含むように検体のサイズを選定した。

    (5)リシース機能

    標的部位でフローダイバ

    ーターの遠位部を展開し

    た後のリシース機能を評価

    する。

    リシース機能は、フローダイバーター長と

    リシースパッドの相互関係に影響を受け

    るため、フローダイバーターが最長となる

    5.00 x 35 含むように検体のサイズを選定した。

    (6)フローダイバーター 近位部展開

    リシースを限度回数行った

    後、完全展開のために、近

    位部の展開ができることを

    確認する。

    フローダイバーターの近位部展開は、フ

    ローダイバーター長とリシースパッドの相

    互関係に影響を受けるため、フローダイ

    バーターが最長となる 5.00 x 35 含むように検体のサイズを選定した。

    (7)デリバリーシステム 耐久性

    リシースを上限回数行った

    後、デリバリーシステムの

    破損の有無を確認する。

    デリバリーシステムは、全てのサイズで原

    材料及び製造方法は同じであり、どのモ

    デルを用いても結果に差はない。

  • 126

    評価項目 目的 検体選定根拠 (8)フローダイバーター

    耐久性

    リシースを上限回数行った

    後、フローダイバーターの

    破損の有無を確認する。

    フローダイバーター耐久性は、フローダイ

    バーター径とリシースパッド、マイクロカテ

    ーテルの干渉で影響を受けるため、全て

    の径で試験を実施した。 (9)デリバリーシステム

    回収

    フローダイバーター展開

    後、デリバリーシステムは

    マイクロカテーテルを通し

    て回収できることを確認す

    る。

    デリバリーシステムは、全てのサイズで原

    材料及び製造方法は同じであり、どのモ

    デルを用いても結果に差はない。

    (10)フローダイバーター開存

    展開したフローダイバータ

    ーの内径が****mm 以上開存していることを確認す

    る。

    5.00 mm サイズは、最大・最長サイズが最も展開、留置が難しいため、5.00 x 35 含むように検体のサイズを選定した。

    【規格設定】

    評価項目 規格 設定根拠 (1)フラッシュ性能

    *** kPa(***mmHg)の圧力でイントロデューサシース内

    に生理食塩液が満たされる

    こと。

    臨床使用において、手技前に必要とさ

    れる準備であるため。

    (2)フローダイバーター移行

    イントロデューサシースから

    マイクロカテーテル内へ本

    品が移行できること。

    臨床使用において、本品を破損なし

    に、イントロデューサシースからマイクロ

    カテーテルへ移行させる必要があるた

    め。 (3)デリバリー抵抗

    脳血管モデル内に配置した

    マイクロカテーテル内でのデ

    リバリー抵抗値は*** N 以下であること。

    CVJ-12-01 のデリバリーシステムで設定した規格を基に、開発初期に実施した

    検証試験によりワーストケースと判定さ

    れた******の結果から設定した。 (4)フローダイバーター

    遠位部展開

    フローダイバーターの遠位

    部は、2 回の遠位部展開の後においても展開できるこ

    と。

    使用方法に従って遠位部の展開とリシ

    ースを 2 回ずつ行なった後、フローダイバーターが適切に留置できるように、フ

    ローダイバーター遠位部の再展開がで

    きることを確認するため設定した。 (5)リシース機能

    遠位部を展開したフローダ

    イバーターは、リシースでき

    ること。

    使用方法に従ったとき、エックス線透視

    下でリシースマーカが確認でき、リシー

    スマーカとマイクロカテーテルの遠位エ

    ックス線マーカが揃ったとき、リシース可

    能であることを確認するために設定し

    た。 (6)フローダイバーター

    近位部展開

    フローダイバーター近位部

    は、完全に展開できること。 使用方法に従ったとき、リシースパッド

    からフローダイバーター近位部が適切

    に離脱できることを確認するため設定し

    た。 (7)デリバリーシステム

    耐久性

    使用上問題となる破損が無

    いこと。 デリバリーシステムが問題となるような破

    損が発生しない耐久性を有していること

    を確認するため設定した。 (8)フローダイバーター

    耐久性

    使用上問題となる破損が無

    いこと。 本品の機能に影響を及ぼすような破損

    が発生しないための耐久性を有してい

    ることを確認するため設定した。

  • 127

    評価項目 規格 設定根拠 (9)デリバリーシステム

    回収

    フローダイバーター留置後、

    デリバリーシステムは、マイク

    ロカテーテルを通して回収

    できること。

    フローダイバーター留置後、デリバリー

    システムはマイクロカテーテルを通して

    回収できることを確認するため設定し

    た。 (10)フローダイバーター

    開存

    留置後、フローダイバーター

    の内腔は*** mm 以上開存していること。

    フローダイバーター留置後、マイクロカ

    テーテル(遠位部外径:*** mm)をフローダイバーターの内腔に通すために必

    要な径を規定した。

    3) 試験方法 1.以下の脳血管モデルを準備する。

    2.マイクロカテーテルを脳血管モデル内に挿入する。 3.使用方法に従い、マイクロカテーテルのハブに接続された回転止血バルブ(以下、RHV)内にイン

    トロデューサシースを挿入する。 4.RHV に生理食塩液のバッグを接続し、**** kPa(*** mmHg)の圧力を加え、イントロデューサシー

    スの近位端から生理食塩液が流出を確認する【評価項目(1)】 5.マイクロカテーテル内に本品の挿入を開始し、フローダイバーターがマイクロカテーテル内に完全

    に挿入するまでデリバリーシステムを押し進める。【評価項目(2)】 6.さらにマイクロカテーテル内にデリバリーシステムを押し進め、デリバリー抵抗値を測定する。【評価

    項目(3)】 7.デリバリーシステムの遠位端がマイクロカテーテルの遠位端に到達したら、1 回目の展開を行う。な

    お展開は、使用方法に従い、部分展開となるように操作する。 8.1 回目のリシース操作を行う。 9.7.と同様に、2 回目の部分展開を行う。【評価項目(4)】 10.2 回目のリシース操作を行う。【評価項目(5)】 11.最終展開を行い、フローダイバーターの近位部が完全に展開できたことを確認する。【評価項目

    (6)】 12.留置したフローダイバーター内腔を通して、マイクロカテーテル内にデリバリーシステムを引き戻し

    回収する。【評価項目(9)】 13.デリバリーシステムをマイクロカテーテル内から回収した後、マイクロカテーテルを脳血管モデルか

    ら抜去する。 14.留置したフローダイバーター及び回収したデリバリーシステムの状態を確認する。【評価項目(7)、

    (8)、(10)】

  • 128

    4) 結果 本試験の結果を以下の表に示す。

    モデル 検体数 (1)フラッシュ性能 (2)フローダイバーター 移行

    (4)フローダイバーター 遠位部展開

    (5)リシース機能

    2.50 x 10 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61)

    3.00 x 35 65 適合(65/65) 適合(64/65) 不適合(1/65)*1 適合(61/61)*

    3 適合(61/63) 不適合(2/63)*2

    4.00 x 35 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 5.00 x 35 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61)

    モデル 検体数 (6)フローダイバーター

    近位部展開 (7)デリバリーシステム

    耐久性 (8)フローダイバーター

    耐久性 (9)デリバリーシステム

    回収

    2.50 x 10 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(60/61) 不適合(1/61)*4

    3.00 x 35 65 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 4.00 x 35 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61)

    5.00 x 35 61 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(61/61) 適合(60/61) 不適合(1/61)*5

    モデル (3)デリバリー抵抗 (10)フローダイバーター開存

    結果(N) 結果(検体数) 結果(mm) 結果(検体数)

    2.50 x 10

    平均

    適合(61/61)

    適合(61/61) 最大 最小

    標準偏差

    3.00 x 35

    平均 適合(63/64)

    不適合(1/64*6)

    適合(61/61) 最大 最小

    標準偏差

    4.00 x 35

    平均

    適合(61/61)

    適合(61/61) 最大 最小

    標準偏差

    5.00 x 35

    平均

    適合(61/61)

    適合(61/61) 最大 最小

    標準偏差 規 格 結 果 適合 適合

    *1:イントロデューサシースからマイクロカテーテルハブへ移行する際、著しい抵抗を感じ、マイクロカテーテル内に進めることが出来なかった。検証の結果、フローダイバーターの近位部がねじれていた。以降の試験は実施できな

    かった。(N=1) *2:①フラッシュ工程で、その他の機器と比較して長時間を要していた。その後試験を行った結果、2 回目の展開は

    抵抗を感じたものの成功したが、リシースは出来なかった。フローダイバーター近位部の径は 70%程に狭くなっていた。

    ②デリバリー時、抵抗があったがフローダイバーター遠位部の展開は成功した。しかし、リシース時に抵抗があり、

    試験は実施できなかった。検証の結果、フローダイバーターの近位部は標準径の80%程に狭くなり、リシースパッドは遠位部から近位部に向け、テーパー状になっていた。

    *3:*2 のリシース機能不適合により、最終的なフローダイバーター遠位部展開ができた検体は 61 検体であった。 *4:保護スリーブが試験中に絡まり、塊となっていたことにより、マイクロカテーテル内にデリバリーシステムを回収でき

    なかった。 *5:先端コイルと保護スリーブの間に混入物があり、これが原因によりマイクロカテーテル内にデリバリーシステムを回

    収できなかった。 *6:マイクロカテーテル内にデリバリーシステムを進める程、抵抗が増加したため試験を中断した。検証の結果、フロ

    ーダイバーターの近位部がねじれていた。以降の試験は実施できなかった。(N=1)

  • 129

    5) 考察 本品の一連の手技を通して、手技の各段階において評価を行った結果、以下の不適合が確認さ

    れた。

    評価項目 不適合検体 モデル(数) 原因と措置

    (2)フローダイバーター移行 3.00 x 35 (1)

    原因 試験前からフローダイバーター近位部がねじれていた

    措置 製造工程内最終検査において、特にフロー

    ダイバーターのねじれを確認するように変更

    した

    (3)デリバリー抵抗 3.00 x 35 (1)

    原因 試験前からフローダイバーター近位部がねじれていた

    措置 製造工程内最終検査において、特にフロー

    ダイバーターのねじれを確認するように変更

    した

    (5)リシース機能

    3.00 x 35 (1)

    原因 原因は特定できなかった

    措置 現段階では、術者に対して抵抗を感じた場

    合は本品を使用しないよう注意喚起すること

    とした

    3.00 x 35 (1)

    原因 リシースパッドにテーパーがかかっていた

    措置 リシースパッドについて検査を追加するととも

    に、リシースパッドのテーパーについて特に

    検査を強化した

    (9)デリバリーシステム 回収

    2.50 x 10 (1)

    原因 保護スリーブの幅及び厚みが規格外であり、保護スリーブが一塊になっていた

    措置

    製造上の保護スリーブ部の切断工程に用い

    る保護スリーブの幅を調整する器具の許容

    をなくした。また保護スリーブの厚みの測定

    に用いる検体数を増やした

    5.00 x 35 (1)

    原因 保護スリーブに混入異物あり、試験時に混入した可能性があった

    措置

    製造上の保護スリーブ部の切断工程に用い

    る保護スリーブの幅を調整する器具の許容

    をなくした。また保護スリーブの厚みの測定

    に用いる検体数を増やした 以上のとおり、発生した不適合に対しては製造時の検査工程を改善した。これらの不適合の原因

    は設計又は手技に起因するものではなかった。その他の試験検体については、全て適合であっ

    たことから、本品の操作性能及び使用上の安全性は担保できると判断する。

  • 130

    15.不溶性微粒子測定

    資料番号 ホ-9

    1) 目的 本品由来の不溶性微粒子の数を測定する。

    2) 検体及び規格の設定 【試験検体】

    モデル(検体数) 検体選定根拠

    2.50 x 10(8)、3.00 x 35(5) 4.00 x 35(7)、5.00 x 35(9)

    検体の表面積が最大となる 5.00 x 35 がワーストケースとなる。 なお、本試験では最小の 2.50 x 10 及び間の 3.00 x 35、4.00 x 35 についても試験を実施した。

    【規格設定】

    規格 設定根拠

    粒子径≧25μm: 600 個以下 粒子径≧10μm: 6000 個以下

    本品の規格値は USP<788>大容量注射剤(下表参照)に基づいて設定された。

    粒子径≧ 10μm 粒子径≧25μm 大容量 ≦ 6000 個/容器 ≦600 個/容器

    3) 試験方法 1. 脳血管モデル(M1 領域を再現)を用意し、マイクロカテーテルを挿入した。 2. 使用方法に従い、本品をマイクロカテーテルに挿入し、マイクロカテーテル先端まで本品を

    送達させた。その後、部分展開及びリシースを 2 回ずつ行ない、フローダイバーターを完全に展開した。展開後、マイクロカテーテル内を LPW(試薬グレード用水)でフラッシュして容器に入れた。

    3. デリバリーシステムをマイクロカテーテルより抜去して、マイクロカテーテル内に LPW を流して、2.で使用した容器に入れ、試験液とした。

    4. 2 及び 3 で溜めた試験液を検体とし、微粒子測定装置にて不溶性微粒子数を測定した。 4) 結果

    結果 粒子径≧ 10μm 粒子径≧ 25μm

    平均 最大

    標準偏差 検体数 29 29 規格 ≦6000 個/容器 ≦600 個/容器 結果 適合 適合

  • 131

    検体サイズに関わらず、不溶性微粒子≧10μm の最大数は***、≧25μm の最大数は***であり、共に規格に適合した。

    5) 考察

    準拠した USP<788>は、注射剤のための不溶性微粒子試験法であり、血管内治療用機器広く用いられている規格値である。本品は当該規格に適合したため、臨床使用において、不溶性微

    粒子による安全性は既存の血管内治療用機器と同等であると判断する。

  • 132

    4.2.1.2 電気的安全性及び電磁両立性 本品は、電気を使用する機器ではないため、本項は該当しない。

  • 133

    4.2.1.3 生物学的安全性 【総括】

    本品が生物学的安全性を有することを確認するため、以下の項目について試験した。

    表 4.2.3-1 フローダイバーターの生物学的安全性試験結果一覧

    No. 試験項目 試験方法 結果 試験施設 添付資料

    1 細胞毒性試験 抽出法 (ISO 10993-5:1999) 陰性 ***** ホ-10

    2

    感作性試験

    1) 感作性試験 (DMSO 抽出)

    マウス局所リンパ節試験(LLNA)-DMSO 抽出 (ISO 10993-10:2002)

    陰性 ***** ホ-11

    2) 感作性試験 (生理食塩液抽出)

    マウス局所リンパ節試験(LLNA)-生理食塩液抽出 (ISO 10993-10:2002)

    陰性 ***** ホ-12

    3 皮内反応試験 皮内投与 (ISO 10993-10:2002) 適合 ***** ホ-13

    4 急性全身毒性試験 静脈内投与及び腹腔内投与 (ISO 10993-11:2006) 陰性 ***** ホ-14

    5 亜慢性全身毒性試験 埋植試験 (ISO 10993-6:2007、 ISO 10993-11:2006)

    陰性 ***** ホ-15

    6

    遺伝子毒性試験 1) 復帰突然変異試験

    (生理食塩液抽出) Ames 試験-生理食塩液抽出 (ISO 10993-3:2003) 陰性 ***** ホ-16

    2) 復帰突然変異試験 (DMSO 抽出)

    Ames 試験-DMSO 抽出 (ISO 10993-3:2003) 陰性 ***** ホ-17

    3) 染色体異常試験 染色体異常誘発試験法 (ISO 10993-3:2003) 陰性 ***** ホ-18

    7 発熱性物質試験 発熱性物質試験法 (ISO 10993-11:2006) 陰性 ***** ホ-19

    8

    血液適合性試験

    1) 溶血性試験 抽出法 (ASTM F-756、 ISO 10993-4:2002)

    適合 ***** ホ-20

    2) 血液凝固試験 部分トロンボプラスチン時間 (ASTM F 2382、 ISO 10993-4:2002)

    適合 ***** ホ-21

    3) 補体活性試験 C3a 補体 C3a の活性の測定 (ISO 10993-4:2002) 適合 ***** ホ-22

    4) 補体活性試験 SC5b-9

    補体 SC5b-9 の活性の測定 (ISO 10993-4:2002) 適合 ***** ホ-23

  • 134

    表 4.2.3-2 デリバリーシステムの生物学的安全性試験結果一覧

    No. 試験項目 試験方法 結果 試験施設 添付資料

    1 細胞毒性試験 抽出法 (ISO 10993-5:2009) 陰性 ********* ホ-24

    2 感作性試験 Maximization 法 (ISO 10993-10:2010) 陰性 ********* ホ-25

    3 皮内反応試験 抽出法 (ISO 10993-10:2010) 適合 ********* ホ-26

    4 急性全身毒性試験 静脈内投与及び腹腔内投与 (ISO 10993-11:2006) 陰性 ********* ホ-27

    5 発熱性試験 発熱性物質試験法 (ISO 10993-11:2006) 陰性 ********* ホ-28

    6

    血液適合性試験

    1) 溶血性試験 接触法及び抽出法 (ASTM F-756-08、 ISO 10993-4:2002)

    適合 ********* ホ-29

    2) 補体活性試験 補体 C3a、SC5b-9 の活性の測定 (ISO 10993-4:2002) 適合 ********* ホ-30

    3) 血液凝固試験 部分トロンボプラスチン時間 (ISO 10993-4:2002) 適合 ********* ホ-31

    4) 血液学的項目 血小板及び白血球数等測定 (ISO 10993-4:2002) 適合 ********* ホ-32

    5) 血栓形成 凝血抵抗性評価 (ISO 10993-4:2002) 適合 ********* ホ-33

    ISO 10993-1-Biological evaluation of medical devices: Evaluation and testing、ISO 10993-4 Amendment

    1 及び薬食機発 0301 第 20 号(平成 24 年 3 月 1 日)に準拠し、フローダイバーターに関しては血液に長

    期的接触(30 日間を越える)する体内植込み機器、デリバリーシステムに関しては循環血液に一時接触

    (24 時間以内)する医療機器において確認すべき試験項目を選択して、生物学的評価を行った。

    なお、試験の実施施設である*******社、********社及び***********社は ISO 17025 適合認定機関

    であり、当該施設で行われた試験は本邦の GLP 省令と同等以上の基準とみなされる米国食品医薬品局

    の GLP 規則(FDA 21 CFR、パート 58)に則った標準操作手順書及び試験計画書に従って実施された。

    生物学的安全性に�