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医療機器イノベーションの加速に向けて
一般社団法人 日本医療機器産業連合会 会長(株)日立製作所 執行役常務ヘルスケアビジネスユニット CEO内閣官房 健康・医療戦略参与
渡部 眞也
2018年9月30日15:35-15:50第1回 医師主導による医療機器開発のためのニーズ創出・事業化支援セミナー
はじめに
2
日本医療機器産業連合会の紹介創設 :1984年加盟団体 :21(企業約4,280社)就業者 :約12万人
約30万品目の医療機器を取扱っている
・商工組合日本医療機器協会・(一社)電子情報技術産業協会/医用電子システム事業委員会
・日本医用光学機器工業会・(一社)日本医療機器工業会・(一社)日本医療機器テクノロジー協会・日本医療機器販売業協会・日本医療用縫合糸協会・(社)日本衛生材料工業連合会・(一社)日本画像医療システム工業会・(一社)日本眼科医療機器協会・(一社)日本コンタクトレンズ協会
・日本コンドーム工業会・日本在宅医療福祉協会・(一社)日本歯科商工協会・(社)日本分析機器工業会/医療機器委員会
・(一社)日本補聴器工業会・(一社)日本補聴器販売店協会・(一社)日本ホームヘルス機器協会・日本理学療法機器工業会・(一社)日本臨床検査薬協会・(一社)日本医療機器ネットワーク協会
(一社)米国医療機器・IVD工業会 駐日欧州商工会議所
3
日本の医療機器産業の特長
市場規模:2.8兆円vs. WW40兆円
CAGR 3%輸出:0.6 兆円輸入:1.4 兆円
出典:厚生労働省「平成27年度医療機器産業実態調査報告書」(2016年3月)等を元に作成
中小企業 72%
大企業28%
中小企業:資本金3億円以下
約4,280社
1. グローバルに展開する企業群 グローバルTOP50に7社 R&D、製造のグローバル化
2. 日本の医療を支える企業群 中小企業: 72% 医療インフラを支えるディストリビュータ:1,100社
3. 新たな担い手 大手企業の新規参入 ベンチャーの活性化過去5年間で企業数5倍増
4
日本の医療機器トレンド
新規承認/認証件数が減少傾向、今後の再活性化を期待
2243 2427
1834 1706 1500 1504 1434 14551106 1051 919
1049
1567
725557
113 51 50 47
51 5750
1 18 30
211
199
313
320
414 390 399 443
347 385373
74
129
124
146
138 141 183 160
120 149114
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
4500
5000
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
新規承認/認証件数推移
認証(クラスⅡ)承認(クラスⅡ)認証(クラスⅢ)承認(クラスⅢ)承認(クラスⅣ)
米国
中国
インド
25都市
デリー ムンバイ
10
62
2017年2000年
サンフランシスコニューヨーク
ボストンパロアルト11都市
北京 杭州 広州上海 天津 深圳
78% 47%
31%
5%
ー
ー
投資額 投資先TOP30 投資額 投資先TOP30
5
グローバル・イノベーションの新潮流 -中国・インドの台頭-
Thomson Reutersのデータ・ベースより日立総研作成
イノベーション・ホットスポットが米国から中国・インドを中心に世界へ分散 巨大な消費市場に向けて「ユニコーン企業」が台頭
ベンチャー・キャピタル・ファンド投資
0
50
100
150
1990 1995 2000 2005 2010 2015
10億ドル137.7 138.2
医療機器開発-医師主導による医療機器開発にむけて-
7
社会・技術の変化を踏まえた医療のあり方の変化
出典:第6回医機連メディアセミナー「AMED講演資料」より
医療費適正化ニーズの高まり
1
老化に伴う疾患への治療ニーズの高まり
2
社会の変化
新興国における医療ニーズの高まり
3
患者の医療参画・健康意識の高まり
4
限られた医療資源下での医療提供ニーズの高まり
5
医療のあり方の変化
遺伝子解析/編集技術
1
Digital技術(IoT, AI, Big data)
2
要素技術の変化
医師の眼・手の支援技術(AR / VR、ロボット)
3
生体適合性の高い素材・材料
4
3Dプリンター技術5
小型部品の製造技術
6
将来の新技術7
疾患の早期発見・早期介入
診断治療の標準化・高度化
個別化医療の進展
患者負担の軽減(低侵襲化など)
遠隔・在宅医療への移行
ライフステージに応じた課題解決
少子高齢化に対する対応ニーズの高まり
6
1
2
3
4
5
6
医療の効率化 医薬品等の技術変化87
8
臨床現場にとっての医工連携の意義
臨床現場から大きな研究業績が出せる(多くの臨床医療者に機会、筆頭著書の論文執筆の機会)
産業振興系の公的資金やライセンス収入を獲得できる(新たな研究費獲得のルート)
自分の欲しい医療デバイスを実現できる
臨床現場の改善意識が高まり、医療の質・安全が向上する
臨床と研究の両方のマインドを併せ持つ医療者を育成できる
臨床立脚型の医学の実現につながる /など
出典:国立国際医療研究センター病院長大西真先生と日本医工ものづくりコモンズ柏野氏のディスカッションより抜粋
9
事例①:難治性メニエール病のめまいを軽減する医療機器
既存の鼓膜按摩器をメニエール病のめまい治療器に改造、認証取得 製販企業がモノづくり企業をリードし製品・事業化:製販ドリブンモデル
第一医科株式会社・製品化・事業化・知財のとりまとめ・薬事・市場化を見据えた他機関への助言
富山大学・ニーズ提供・臨床エビデンス構築・開発機器の導入・普及
株式会社ハイメック・医療施設からの情報収集・販売ノウハウサポート
株式会社川西医療電機製作所・計装と外装設計・製品試作・生産プロセスの確立
医療機関
製販企業
モノづくり企業
10
事例②:オンライン診療システムYaDoc
出典:未来投資会議構造改革推進会合「健康・医療・介護」会合(第2回)
医師自身が会社設立、医+工合わせ事業創生:医師主導モデル
11
事例③:内視鏡8K化
出典:国立がん研究センターHP
複数社のコア技術を束ね世界No.1を達成:先端エコシステムモデル
12
イノベーションの加速に向けて
イノベーションへの多様なアプローチ
臨床現場のど真ん中のドクターの参画「医工連携は臨床の現場からはじまる」
医療機器ビジネスを熟知した医療機器メーカーや製販企業等のノウハウ活用(市場と法規制)
医師-企業の 「優れた人材間の良い対話」
Common Key Success Factor
イノベーション人材
14
医工連携の人材育成に求められる特長
日本医師会「医師主導の医療機器開発支援」臨床ニーズ発掘、事業化を支援
メンバ選定 能力開拓 エンゲージ
文部科学省「ジャパン・バイオデザインプログラム」 大阪大学、東北大学、東京大学 医機連も支援
能力開拓と共に、医工の出会いの場としても機能
15
ジャパン・バイオデザイン
フェローシッププログラム 30名(医師11名、企業15名、大学4名)
15-16年 1期生 10名- 起業:リモハブ(心不全遠隔医療)
Alivas (便秘治療機器)
16-17年 2期生 8名- 起業:ライフトゥディ(コンサルティング)
17-18年 3期生 12名
医療機器イノベーションをけん引する人材育成プログラム(スタンフォード大学発)
出典:ジャパンバイオデザイン協会資料
人材面成果
16
今後への期待
「医師主導による医療機器開発」
起業家マインドのある医師
工学に理解を示す医師
薬機申請、保険収載など先々の事を考えている医師
グローバル展開も考える医師
産業界
市場と法規制の実践的なナレッジで、医工連携を加速
臨床現場に根ざした医師のアイディア具現化を産業界が支え、日本発のイノベーション創生を活性化