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2019年の 製品事故の発生状況及び課題 20203経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 資料2-1

2019年の 製品事故の発生状況及び課題...2019 年の 製品事故の発生状況及び課題 2020 年 3 月 経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 資料

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2019年の製品事故の発生状況及び課題

2020年3月経済産業省

産業保安グループ製品安全課

資料2-1

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重大製品事故報告・公表制度(消安法の制度) 製造・輸入事業者が重大製品事故の発生を知ったときは、10日以内に消費者庁に報告することを義務付け。

(消安法第35条) 販売事業者等が知ったときは、製造・輸入事業者に通知する責務がある。(消安法第34条第2項) 消費者庁は当該事故情報を迅速に公表。経済産業省は、NITEに対して原因究明調査を指示。(消

安法第36条) 調査結果は改めて公表し、注意喚起や命令・指導を行うことによって、再発防止を図る。

製造・輸入事業者報告義務

※2009年9月より、重大製品事故情報の収集・公表を消費者庁が担当、事故原因究明等を経済産業省が主に担当。

死亡、重傷(治療期間30日以上)、火災(消防が確認したもの)、CO中毒、後遺障害を伴う製品事故

重大製品事故の発生

販売事業者通知の責務

消費者庁事故情報の公表

消費者庁が一元的に報告を受付

経済産業省原因究明

指示

報告

NITE(製品評価技術基盤機構)

原因究明調査

調査結果の公表

注意喚起・命令・指導

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2019年の重大製品事故受付件数は、合計1222件。

死亡 重傷 火災 一酸化炭素中毒

後遺障害 計(うち火災による死亡)

(うち火災による重傷)

燃焼器具 14 (14) 3 (0) 138 3 0 158(13%)

ガス機器 7 (7) 3 (0) 70 3 0 83(7%)

石油機器 7 (7) 0 (0) 68 0 0 75(6%)

電気製品 12 (10) 21 (2) 592 0 0 625(51%)

その他 12 (0) 394 (0) 32 0 1 439(36%)

合 計 38(3%)

(24) 418(34%)

(2) 762(62%)

3(0%)

1(0%)

1222(100%)

注):被害件数の合計を受付件数の合計数に一致させている。このため、・「火災」の件数からは、「火災」かつ「死亡」(24件)、「火災」かつ「重傷」(2件)の件数を差し引いている。火災事故として報告された件数は788件となる。・「一酸化炭素中毒」の件数からは、「一酸化炭素中毒」かつ「死亡」 (1件)の件数を差し引いている。・死亡者のほかに重傷者も発生した事故は、「死亡」として計上している。

2019年の重大製品事故受付件数

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200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

1142

その他

電気製品

石油機器ガス機器

12271112 1137

992907 893

816

1222

873

3

重大製品事故件数の推移 2019年の重大事故受付件数は1222件となり、前年比で409件の大幅増加となった。

自転車事故の報告が312件と多くあったため、自転車を含む「その他」の製品事故が大幅に増加となった。

(前年比+409件)

813

※重大製品事故報告の受付件数ベース

1424

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2019年に重大製品事故報告が大幅増加した要因 自転車事故の大幅増加(前年36件 → 312件)。

ブリヂストンサイクル社による、自転車による過去の重大製品事故の未報告案件が多数存在していることが確認され、過去の事故が報告された(180件程度)。その結果、事故件数が増加。

自転車の盗難防止用ハンドル錠「一発二錠」の不具合により、「一発二錠」を搭載した自転車・電動アシスト自転車が走行中に突然ハンドルが動かなくなり、転倒する事故が多発(31件)。

コードレス掃除機用として、ネット販売されていた中国製非純正品の互換バッテリーによる火災が急増(29件)。

消費者庁において、上述の自転車事故も含め、重大製品事故の報告の事業者への督促が一層強化された。

0255075

100125150175200225

2017

年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月

2018

年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月

2019

年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月

ガス機器 石油機器 電気機器 その他

重大製品事故件数の月間推移(受付件数ベース)過去の自転車事故がまとめて報告された

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2

2

3

6

7

16

17

26

62

168

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

バッテリー落下による足の負傷

チェーン切れ、外れ

電動アシストのモーターが止まらず自走

前輪パンク

ハンドルグリップ外れ

泥よけの前後輪への巻き込み

バッテリーの出火等による焼損

子供の足が後輪に巻き込まれる

フレーム破断

サドル、ハンドル、前ホーク等の破損

ハンドルロックによる転倒

その他の事故(不注意による事故等)

自転車事故の内訳 (2019年の重大製品事故受付ベース)

5

自転車事故は312件(前年比247件増※) 自転車事故の約半数は使用者の不注意による事故等の案件

2019年に多数の報告があった重大製品事故(自転車事故)

※ブリヂストンサイクル社によって報告された過去の事故も含む。

2010年9月からブリヂストンサイクル社がリコールが実施中の幼児用座席の不具合による子供の足の巻き込み事故 等

使用者の申告によりハンドルが動かなくなったとの報告があった事故。一発二錠の不具合による事故31件が含まれる。今後の事故原因調査により、一発二錠の事故件数は増加する可能性がある。

電動アシスト自転車のバッテリーからの出火 等

溶接による接合部からの破断 等

坂道を走行中に急ブレーキをかけて転倒 等

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2019年に多数の報告があった重大製品事故(一発二錠のハンドルロック転倒事故)

ブリヂストンサイクル社が生産した自転車の盗難防止用ハンドル錠「一発二錠」(後輪鍵を掛けると、同時にハンドルが固定される設計の鍵)の不具合により、「一発二錠」を搭載した自転車・電動アシスト自転車が走行中に突然ハンドルが動かなくなり、転倒する事故が多発。

6月24日に対象となる「一発二錠」搭載車の使用中止の注意喚起を経済産業省・消費者庁から実施するとともに、無償交換のリコールが開始。

破損した状態正常な状態

「一発二錠」のハンドルを固定する機構が組み込まれたケースが破損した状況で使用すると、走行中に突然ハンドルが動かなくなり、使用者が転倒する可能性がある。

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(参考)一発二錠のリコール状況 ブリヂストンサイクルが生産した「一発二錠」は、同社の自転車/電動アシスト自転車に搭載されているほか、ヤマ

ハ発動機の電動アシスト自転車にも供給されていたことから、両社において2019年6月24日から改良品の「一発二錠」と無償交換するリコールが実施されている。

リコール対象は、2003年9月から2015年5月までに生産された「一発二錠」が搭載された自転車/電動アシスト自転車であり、両社で343万台。

WEBサイト等で無償交換のためのリコールの受付登録を実施中。2019年12月時点で、22万台が登録。

12月時点で交換作業が終了した台数は、8.6万台(改修率2.5%)。一発二錠のハンドルを固定する機構が組み込まれたケースが破損したまま使用を続けると、走行中に突然ハンドルが動かなくなり転倒する事故が発生するため、登録案件から、危険性の高いケース破損の自転車/電動アシスト自転車について優先して交換作業を進めている。

リコール対象製品は、生産時期から年数が経過しているため、自転車の使用年数から考慮すると、既に相当数が廃棄されていると考えられる。残存率から推計される、現在の残存台数は78万台程度※とみられており、推定残存台数を考慮して補正した改修率は、79.7%となっている。

リコール促進の取り組み状況

●自転車盗難保険の契約者情報を基に、リコール対象製品の所有者に郵送ダイレクトメールを約111万件発送●自転車販売店でのリコール告知の周知●駐輪場がある商業施設でのリコール告知ポスターの貼り出し(日本スーパーマーケット協会、日本DIY協会に会員企業のスーパーマーケット、ホームセンターに協力依頼)

●横浜市等の市営駐輪場でのリコール告知ポスターの貼り出し7

※ 自転車産業振興協会と電動アシスト自転車安全普及協会が自転車/電動アシスト自転車の耐用年数を策定しており、ブリヂストンサイクル、ヤマハ発動機がこの耐用年数を基に残存率を試算し、現在の残存台数を推計した。

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10

20

30

40

201420152016201720182019リチウムイオン電池の異常以外の事故リチウムイオン電池の異常による事故(調査中を含む)

モバイルバッテリーノートパソコン

0

10

20

30

40

201420152016201720182019

0

50

100

150

200

2014 2015 2016 2017 2018 2019

リチウムイオン蓄電池の異常による事故件数

0

10

20

30

40

201420152016201720182019

リチウムイオン蓄電池の異常による製品事故は近年増加傾向にある。 ノートパソコン、モバイルバッテリー、携帯電話機等でも、大半がリチウムイオン蓄電池の異常による事故。 2019年非純正の互換バッテリーによる事故が急激に増加。

リチウムイオン蓄電池関連製品の事故動向

携帯電話機(スマートフォン含む)

9

非純正バッテリー

0

10

20

30

40

201420152016201720182019

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令和元年に増加した重大製品事故(非純正品の互換バッテリー火災) コードレス掃除機用として、ネット販売されていた中国製非純正品の互換バッテリーによる火災が2019年7月頃

から急増。

2019年8月9日に経済産業省から対象となる互換バッテリーの使用中止の注意喚起をするとともに、ネットモール各社に販売自粛等を要請。

同様の非純正品の互換バッテリーによる火災事故は、電動工具、電動釣り具(電動リール)においても確認されている。

充電中に発火したとみられる、コードレス掃除機に装着されていた非純正互換バッテリー。

コードレス掃除機用の互換バッテリーの火災発生状況(累積件数)

29

0

5

10

15

20

25

30

358/9 経産省からの注意喚起実施

事故発生日ベース

件数

火災発生の急増

火災発生の鈍化

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(参考)重大製品事故報告件数に占める前年以前に発生した事故の割合 本来報告対象だった過去の事故について、当年に報告がなされたことにより、前年以前に発生した事故の報告

件数が2018年に比べ275件増。

前年以前の事故の増加分は重大製品事故受付件数の増加(409件)の約3分の2に相当。

13191118 1024 1028 1011 919 835 814 764 809 743 877

105

109118 84 126

7372 79 52 64 70

345

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

報告年に発生した事故 報告年の前年以前に発生した事故

11421227

1112 1137

992907 893

816

1222

873 813

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重大製品事故の原因分析と経年変化

(件)

重大製品事故の原因究明 製品起因となった事故には、必要に応じて事業者に改善やリコール等の対応を促している。

リコール未対応、経年劣化、誤使用・不注意など、回避可能な事故が原因が特定できた事故の3割を占める。

受付年 製品起因 経年劣化 設置・修理不良

誤使用・不注意

偶発的事故等 原因不明 調査不能 非重大製

品事故等 調査中 合計

2017年267 48 20 87 200 242 3 4 2 87331% 6% 2% 10% 22% 28% 0% 1% 0% 100%

2018年234 53 24 75 159 232 10 6 20 81329% 7% 3% 9% 20% 29% 1% 1% 2% 100%

2019年114 24 15 46 95 131 25 5 767 12229% 2% 1% 4% 8% 11% 2% 0% 63% 100%

※数字は12月末時点

0

100

200

300

400

2015 2016 2017 2018 2019

製品起因

経年劣化

設置・修理不良

誤使用・不注意

偶発的事故等

原因不明

調査不能

非重大事故等

調査中

年度ごとの事故原因

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(件)

195172 176

189

145 149 156

114 112 10686

134

14% 14% 15% 17% 13% 15% 17% 13% 14% 12% 11% 11%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%

0

50

100

150

200

250

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

リコール対象製品による重大製品事故報告件数

重大製品事故全体に占める割合

12

リコール件数の動向と取組の必要性

2019年に開始された自主リコールは70件。そのうち、重大事故契機が10件、非重大事故契機は60件であった。

リコール対象製品による重大製品事故は重大製品事故全体の約1割を占める傾向にあり、事故件数全体を減らしていくためには、リコール対象製品の回収率を向上させていくことが必要。

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年重大事故契機 19 19 26 14 20 13 19 10

重大事故契機以外 81 96 86 84 76 50 56 60計 100 115 112 98 96 63 75 70

リコール開始件数

リコール対象製品による重大製品事故報告件数及び重大製品事故全体に占める割合の推移

うち一発二錠が30件

(注)重大製品事故報告件数はリコール原因とは別事象の事故、調査中の事故を含む

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品目名 件数

1 電動アシスト自転車 22件

2 ノートパソコン 16件

3 自転車 10件

3 電気こんろ 10件

2019年のリコール対象製品の品目別事故報告件数(計134件)

2019年、リコール対象製品による重大製品事故134件発生しており、 「一発二錠」リコール対象の製品が影響し、品目別では「電動アシスト自転車」「自転車」が上位に。

2019に事故が多かったリコール対象製品

(注)2007年以降、2019年末までに発生した重大製品事故件数リコール原因とは別事象の事故、調査中の事故を含む

重大製品事故の発生が多いリコール対象製品

製品名(リコール事業者名) 事故件数 回収率 対象台数

自転車・電動アシスト自転車(ブリヂストンサイクル) 25件 2.5%

(※) 3,164,913

電気こんろ(パナソニック) 6件 96.7%

(※) 283,416

ノートパソコン(東芝) 6件 14.7% 517,032

エアコン(三菱重工業) 6件 7.8% 930,000

自転車・電動アシスト自転車(ヤマハ発動機) 5件 2.5%

(※) 266,225

石油ストーブ・ファンヒーター(コロナ) 5件 2.2% 6,360,000

事業者名 製品名 重大製品事故件数

2019年事故件数

ノーリツ 石油ふろがま 107 2長府製作所 石油ふろがま 94 4

コロナ 石油ストーブ 84 5松下電器産業 電気こんろ 73 6

千石 電子レンジ 53 3TOTO 石油ふろがま 42 0パナソニック ノートパソコン 38 2

不二電機工業 電気こんろ 38 1日立製作所 電気こんろ 36 2東芝キヤリア エアコン 34 2小泉成器 電子レンジ 33 0

スズキ 電動車いす 32 0シャープ 電気冷蔵庫 31 0

世田谷製作所 ガスふろがま 30 0Apple Japan 携帯型音楽プレーヤー 30 0

リコール対象製品による重大製品事故の発生状況

(※)複数事業者が協力して実施するリコール、進捗率は全事業者の合計

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高齢者関連事故の概況

年代別の人的被害状況(2007年度~2019年の重大製品事故)

7% 1%8% 11%

23%

76%

38% 31% 26%

23%

6%

7% 7% 7%

9%

11%

53% 55% 55%45%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

10歳未満 10-50歳代 60歳代 70歳代 80歳以上

人的被害なし軽傷重傷死亡

重大製品事故に占める不注意・誤使用の割合(年代別)※重大製品事故報告件数ベース※設置不良、偶発的事故、原因不明を除いたグラフ

製品別事故における高齢者(65歳以上)事故の割合の変化※重大製品事故報告件数ベース

2007年 2019年

重大製品事故全体 28.4% 31.8%

製品事故の人的被害は高齢になるほど重篤になる傾向にあり、超高齢社会において高齢者の事故対策は喫緊の課題。2019年では高齢者による重大製品事故の比率は全体の3割以上を占めるに至っている。

身体・認知機能の低下も起因すると考えられる不注意・誤使用事故が他の成年世代より多いことも踏まえると、高齢者の行動特性を踏まえた製品開発設計が求められている。

0.00% 20.00% 40.00% 60.00% 80.00% 100.00%

10歳未満

10-40歳代

50歳代

60歳以上

不注意・誤使用 製品起因 経年劣化

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重大製品事故が起きた製品の入手先 10年間でインターネット通販で購入した製品による事故の比率が増加傾向。

重大製品事故の製品入手経路※2019年は1月から12月20日受付分まで。※重大製品事故報告を分類しているため、消費者が製品を入手してから事故が発生するまでの期間分のタイムラグがある。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

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90%

100%

その他中古品等小売店通信販売・訪問販売インターネット通販

事故発生年に報告された事故のみ集計

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10%

20%

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40%

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60%

70%

80%

90%

100%

日本製 外国製製品起因 経年劣化 設置・修理不良誤使用・不注意 偶発的事故等

16

輸入製品の重大事故報告件数 国産製品の重大製品事故が減少傾向にある一方、輸入製品の事故件数は増加傾向。

日本製に比べ外国製の製品は、調査の結果製品起因と判断された割合が高い。

重大製品事故報告があった輸入製品の7割程度が中国製(国内大手企業による現地製造を含む)。

日本製と外国製の製品事故原因生産国・地域別重大製品事故報告件数※平成19年以降に報告された重大製品事故の累計

1041851 780 700 698

580 518 517 431 443 440642

405 435

267

267243 309 310

299317 287

310 350 300

439

274322

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

日本 中国 マレーシア 韓国 その他外国産 不明

事故発生年に報告された事故のみ集計

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都道府県別の重大製品事故(2015年~2019年の5年間の集計)

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●東京都での重大製品事故件数は、国内の重大製品事故の16.5%を占めており、圧倒的な件数。一方、事故件数が非常に少ない県もあり、事故件数の地域分布は偏りがある。

●人口10万人あたりの重大製品事故件数(事故遭遇リスク)でも、東京都は国内で一番高い。

※人口10万人あたりの重大製品事故件数からみた、事故遭遇リスクは、人口が少ない県では1件事故が発生すると、大きく数値が変わってしまうことに留意。

755

380335

242 241 239189 189 168 138 117 92 76 73 73 71 70 67 64 64 63 54 54 51 47 46 43 41 40 40 39 39 36 34 31 29 28 28 28 27 26 23 23 21 18 17 15

0

200

400

600

800

東京都

大阪府

神奈川県

埼玉県

愛知県

兵庫県

北海道

千葉県

福岡県

静岡県

京都府

群馬県

広島県

岡山県

新潟県

岐阜県

宮城県

長野県

三重県

熊本県

茨城県

長崎県

滋賀県

奈良県

山口県

石川県

沖縄県

香川県

栃木県

青森県

鹿児島県

富山県

岩手県

大分県

秋田県

福井県

福島県

和歌山県

徳島県

愛媛県

山形県

宮崎県

山梨県

鳥取県

島根県

高知県

佐賀県

重大製品事故件数 2015年~2019年(5年間)

5.6 4.7 4.5 4.3 4.3 4.2 4.0 3.9 3.8 3.8 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7 3.6 3.5 3.5 3.5 3.3 3.3 3.3 3.2 3.2 3.2 3.1 3.0 3.0 3.0 3.0 2.9 2.9 2.8 2.8 2.7 2.6 2.4 2.3 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 1.8 1.5

0.0

2.0

4.0

6.0

東京都

群馬県

京都府

兵庫県

大阪府

香川県

石川県

長崎県

滋賀県

岡山県

奈良県

静岡県

徳島県

福井県

神奈川県

鳥取県

富山県

熊本県

三重県

北海道

岐阜県

山口県

埼玉県

福岡県

愛知県

長野県

新潟県

青森県

千葉県

秋田県

沖縄県

宮城県

大分県

和歌山県

岩手県

山梨県

広島県

島根県

鹿児島県

高知県

山形県

茨城県

宮崎県

栃木県

愛媛県

佐賀県

福島県

人口10万人あたりの重大製品事故件数 2015年~2019年(5年間)

Page 19: 2019年の 製品事故の発生状況及び課題...2019 年の 製品事故の発生状況及び課題 2020 年 3 月 経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 資料

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

0 100 200 300 400 500 600 700 800

重大製品事故件数と事故遭遇リスクの分布(2015年~2019年)

愛知県

18

東京都

大阪府

群馬県

神奈川県

兵庫県

北海道埼玉県

千葉県

静岡県

福島県

福岡県

重大製品事故件数

重大

製品

事故

遭遇

リスク(

10万

人当

たりの

重大

製品

事故

件数

京都府

Page 20: 2019年の 製品事故の発生状況及び課題...2019 年の 製品事故の発生状況及び課題 2020 年 3 月 経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 資料

●人口の多い都道府県で死亡事故が多いが、人口10万人あたりの死亡事故件数をみると、死亡事故遭遇リスクが高い県は大都市圏ではない。死亡事故が多い製品は、石油ストーブ、介護ベット、電動車いす、ガスこんろ、電気ストーブ、除雪機であり、この様な製品を多く使用している地域で死亡事故遭遇リスクが高い。

19

都道府県別の重大製品事故による死亡事故(2015年~2019年の集計)

※人口10万人あたりの重大製品事故による死亡事故件数からみた、死亡事故遭遇リスクは、人口が少ない県では1件死亡事故が発生すると、大きく数値が変わってしまうことに留意。※香川県では2019年に4件の死亡事故が様々な製品で発生しており、死亡事故遭遇リスクが突出して高くなっている。

00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

香川県

奈良県

長崎県

群馬県

新潟県

山口県

高知県

岡山県

愛媛県

和歌山県

兵庫県

秋田県

広島県

鳥取県

静岡県

福島県

神奈川県

北海道

大阪府

長野県

滋賀県

埼玉県

徳島県

福井県

愛知県

佐賀県

山梨県

宮崎県

山形県

千葉県

岩手県

京都府

茨城県

鹿児島県

福岡県

熊本県

三重県

栃木県

東京都

青森県

宮城県

富山県

石川県

岐阜県

島根県

大分県

沖縄県

10万人当たりの死亡事故報告件数 2015年~2019年(5年間)

0

5

10

15

神奈川

大阪府

兵庫県

埼玉県

愛知県

北海道

香川県

群馬県

新潟県

静岡県

千葉県

奈良県

岡山県

広島県

長崎県

東京都

山口県

福島県

長野県

愛媛県

福岡県

秋田県

茨城県

滋賀県

京都府

和歌山

高知県

岩手県

山形県

栃木県

山梨県

三重県

福井県

鳥取県

徳島県

佐賀県

熊本県

宮崎県

鹿児島

青森県

宮城県

石川県

岐阜県

富山県

島根県

大分県

沖縄県

死亡事故件数 2015年~2019年(5年間)

Page 21: 2019年の 製品事故の発生状況及び課題...2019 年の 製品事故の発生状況及び課題 2020 年 3 月 経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 資料

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

0 2 4 6 8 10 12 14 16

死亡事故件数と死亡事故遭遇リスクの分布(2015年~2019年)

20

山口県

愛知県北海道 大阪府

埼玉県神奈川県

兵庫県

新潟県

群馬県

静岡県

香川県

奈良県

死亡

事故

遭遇

リスク(

10万

人当

たりの

重大

製品

事故

によ

る死

亡件

数)

重大製品事故による死亡事故件数

千葉県

岡山県

広島県

東京都