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再エネ抑制についての考察Ⅳ(前編)
1. はじめに
FIT法施行規則や『電力広域推進機関(OCCTO)』業務規定などには、再エネを抑制したときには、「抑制時間・時間毎の抑制電力量
や抑制理由など」の情報を実施後にすみやかに公表する旨の規定が置かれている。九州電力の公表するデータについて、疑問点があれば所定
のフォームを使ってかなり頻繁に問い合わせをしてきた。その中の一つが、「抑制時間・時間毎の抑制電力はどこに公表しているのか」とい
うものであった。「需給実績を見て頂ければ、抑制時間・時間毎の抑制電力はわかります」という趣旨の回答であった。そこで、そのデータ
をチェックしてみた。そこには離島分についてのデータは反映されていない。それで再度問い合わせた。「離島分は反映されていないが・・・?」。
回答は「公表の最小単位がMWhなので実績には反映せれていない。今年に入ってから抑制量が増えてきたので反映されるようになった・・」
であった。一年ほど前である。
聞かれたことにだけ答える姿勢。そんな訳でやりとりが数回続く。彼らが公表したと称する「抑制時間・時間毎の抑制電力」はどのような
形で載っているのか。僕が今まで何度も取り上げてきた『需給実績』とはどのようなものか。一寸だけ紹介する。
太陽光 太陽光 風力 風力
DATE_TIMEエリア需要
〔MWh〕
原子力
〔MWh〕
火力
〔MWh〕
水力
〔MWh〕
地熱
〔MWh〕
バイオ
〔MWh〕
実績
〔MWh〕
抑制量
〔MWh〕
実績
〔MWh〕
抑制量
〔MWh〕
揚水等
〔MWh〕
連系線
〔MWh〕
2020/4/2 8:00 9140 3226 3647 417 146 391 2796 415 130 0 -259 -1354
2020/4/2 9:00 9268 3221 3154 402 146 389 4405 628 124 0 -293 -2280
2020/4/2 10:00 9449 3220 2865 405 146 348 5816 806 105 0 -878 -2578
2020/4/2 11:00 9530 3224 2741 407 146 319 6418 882 85 0 -1296 -2514
2020/4/2 12:00 9197 3218 2768 382 146 322 6683 914 80 0 -2028 -2374
2020/4/2 13:00 9166 3224 2770 390 146 317 6283 861 71 0 -1539 -2496
2
これは 2020年 4 月の一部を切り採ったもので、このような数値の羅列が 720 行続くのである。何と不親切な公表の仕方ではないか。
これをもって「抑制時間・時間毎の抑制電力」の説明を果たしたと言えるのだろうか。また公表すべき項目には「抑制理由」もある。これの
どこに「抑制理由」が記載されているのであろうか。これをいうと、彼らはこう応えるだろう。「『再生可能エネルギーの固定価格買取り制度』
に基づく再エネ出力制御指示に関する報告書」に記載している」と・・。しかし、これは発電事業者向けの指示書であって、一般需要者にと
っては、抑制理由は全く説明されていないに等しい。しかも再エネ抑制量の最も大きい 30分一コマだけである。再エネの買取り費用は一般
需要者が負担している。一般需要者向けの説明が何にもなされていないことが不思議でならない。
「地域と共に」「開かれた企業風土」が九州電力グループのモットであろう。そうであるなら、多くの電気需要者に支えられて成り立ってい
る企業の情報公開は、「企業への信頼」を勝ち取るもっとも必須のアイテムである。
2.再エネ抑制回避に向けた九電送配電の姿勢
次ページのグラフは、九電送配電(送配電)が再エネ抑制指示を出したときの揚水P等(蓄電設備の充電を含む)の活用計画(前日)と稼
働実績(当日)の推移(2019 年度)を表したものである。いずれも再エネ抑制量最大時刻 30分(概ね12:00~13:00)の平均電力
値である。送配電がOCCTOに提出した検証資料から再エネ抑制74回分を抜き取ったデータをもとに作成した。活用計画の平均が▲203
万KWに対し、稼働実績平均が▲149 万KW(同)と約 73%の活用に留まっていること。揚水P等の最大能力(▲258 万KW)の 58%
に留まっていることを示している(※1)。
(※1)抑制日当日の揚水Pの稼働実績は2種類のデータを示している。1 つがOCCTO検証データ(30分平均電力)、もう 1 つが送配電公表
の『需給実績データ(60 分平均電力)』。注目して欲しいのは、前者の数値が後者より絶えず大きい(平均12万KW/最大 79 万KKW、≒の日も
数日はある))という事実である。揚水Pの実績を大きく見せるために、数値の大きい 30 分値を切り取ってOCCTOに提供しているのではない
かという疑いを抱かせる。遠慮がちに言ってデータ嵩上げ、悪く言えばデータの改竄。30 分値と 60 分値だから1万KW程度の違いはあるかもし
れないが、10 万KW以上の違いは不自然に感じる。本稿ではそのことを指摘するにとどめる。後日の投稿で改めて、「需給データや需要・再エネ出
力の想定誤差量(データの嵩上げ)の信憑性」という視点から、この問題を改めて取り上げてみたい
3
-203
-149
-258
-270
-220
-170
-120
-70
-20
九州エリアにおける揚水P&蓄電設備の活用状況(2019年度、単位:万KW)
当日実績揚水P等(30分平均値) 前日計画揚水P等 前日計画揚水P等Average
当日実績揚水P等Average 当日実績揚水P等のMax能力 当日実績揚水P等(60分平均値)
当日の揚水P稼働実績(30分平均値、OCCTO提出資料)
当日の揚水P稼働実績
(60分平均値、需給実績データ)
4
これは、九州電力(揚水設備を保有している大手電力会社)の本音が、揚水発電の活用にあまり積極的でないことの現れではないかと考え
ている。発電機の運転は『メリットオーダー(※2)』順に行われる。発電コストの安い電源から並列し、逆に、高い電源から解列していく。
揚水発電は 100 万KWhの電気を消費して 68万KWhの電気しか作れず、電源の中で最も発電コストの高くつく電源だからである。揚水
発電設備のコストは政府からは発表されていない。龍谷大学・大島教授の試算によるものが参考になる。
揚水発電と揚水(揚水P)は表裏一体の関係にある。太陽光発電の普及で、春秋には揚水Pの毎日の活用が欠かせない需給構造になってい
るため、再エネ抑制回避のために揚水Pをフル稼働させるという前提に立てば、その日の揚水分はその日に発電しなければならない。
九州電力が再エネ抑制を行った 100 回(2018~2019 年度)の中で最も抑制量の大きかったのは 2020 年 2月 23日(日)で、抑制量
は 1686 万KWhであった。その再エネ抑制を全て回避するためには、8時間に渡って合計 1686万KWhの揚水P運転が必要となる。こ
の量は上ダム容量(揚水ベースで最大 2100 万KWh―揚水P定格出力 253 万KW×約 8 時間―)の約 80%に相当する。これだけの揚
水を1日で行うと点灯時間帯から深夜にかけて 1146 万KWh(1686 万KWh×68%)ほどの揚水発電が必要となる。上ダム容量の制約
上、そうしなければ明日の揚水ができないからだ。
この日の点灯時間帯 6 時間(18:00~23:00)の火力の累計発電量は 3733 万KWh。同時間帯に揚水G出力を 1146KWh増やすた
めには、火力の同時間帯の発電量を 2587 万KWh(3733 万KWh-1146 万KWh)に低減しなければならない。火力出力を 30%落
とさなくてはならない計算になる。
「発電機運転をメリットオーダー順に行うのが最も経済的な運転方法」という考え方が電力業界では支配的であり、コストの安い石炭&LN
G火力の点灯時間帯以降の出力抑制は極力避けたい、というのが電力サイドの本音であろう。
そのため、表面的には「再エネ抑制回避のため、最大限の揚水Pの活用を図る」旨の表明はするものの、内実は、ほどほどの活用でごまかし
ているというのが実相ではないかと考えている。
5
(※1)メリットオーダー
資源エネルギー庁公表の電源別発電コスト試算では、原子力・一般水力・石炭火力・LNG火力・地熱・・・となっている。そのうち原子力と一般
水力・地熱はベースロード電源として最優先の発電順位に位置づけられている。日々の系統運用にあたって、ベースロード電源を除いて、この順番
に電源の並列・解列の操作を行うのがメリットオーダー順という考え方
出典:資源エネルギー庁「第7回発電コスト検証WG(2015/5/11)」資料より筆者作成
注1) 棒グラフの四つ目の原子力以降が同WGで報告された発電コスト(原子力の設備利用率70%で試算)。
注2) WGの資料を基に原子力の設備利用率を実態に合わせて20%・40%で試算し直したのが原子力Ⅰと原子力Ⅱ。揚水発電を加えたものが
原子力+揚水(筆者試算、試算にあたって大島教授のデータを用いた)。
注 3)原子力(政府試算)の社会的費用や政策経費が低く見積もられている。
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0円/kwh
電源別発電原価(送電端、円/KWh)
資本費 運転費 燃料費 社会的費用 政策経費 揚水水力分
原子力Ⅰ:設備利用率20%で試算
原子力Ⅱ:同40%で試算
6
3.避けられたはずの再エネ抑制
太陽光や風力などの自然変動型電源の再エネ抑制の理由として、九電送配電(九州電力)経営陣は、「供給力が需要を上回ると北海道のよ
うなブラックアウトの事態に至る可能性がある」というニュアンスのことを度々口にしている。串差し状のエリア構造の両端に位置している
北海道と九州は、連系線が一カ所しかなく、確かに他エリアよりブラックアウトリスクは高いといえるかも知れない。
一方、原子力発電の稼働はブラックアウトリスクを高めるし、ブラックアウト発生後の復旧も困難を極める、というのが僕の分析である。全
国に先駆けて原子力 4 機体制を確立した九州エリアは、その意味で、原子力の過酷事故リスクとブラックアウトリスクの両方のリスクを背
負い込んだエリアと言えるかも知れない。このことについては、投稿の機会があれば詳しく紹介したいと思う。
数日前に本年 4月の再エネ抑制実績の報道があり、原子力 4 機体制の昨年 4 月に比べて抑制回数が増えた理由として「太陽光発電の設置
量が 1 年間に 90 万KW程度着実に増えたため」という九電送配電社長の発言を紹介していた。太陽光発電の伸びは、今の『優先給電ルー
ル』のもとで再エネ抑制リスクを高めたことは確かだが、実際に抑制が増えた理由を説明したことにはならない。
極論すれば、抑制回数が増えたのは九電送配電が抑制回避義務を怠ってきたからにほかならない。
このことを裏付けるデータを今回と次回の投稿で紹介したい。
4.再エネ抑制のマクロ分析
2018年度は半年間で太陽光 26 回/風力 4 回、累積抑制量はそれぞれ 9465 万KWh/169 万KWhであったが、2019年度は 1 年間
で太陽光 74 回/風力 23 回、累積抑制量はそれぞれ 4 億 4287 万KWh/1537 万KWhと、回数も抑制量も大幅に伸びた。太陽光接続量
は、年度当初の 860 万KWから年度末 944 万KWに伸びた(増分 94万KW)。
一方、風力はここ 5 年ほど接続量が停滞しており、年度当初の 51 万KWから年度末の 58 万KWに伸びたに過ぎない。接続申し込み量(承
諾済を含む)の多さ(年度末 460 万KW)に比べて接続量の低さは異常である。これについては調査を進めてみたい。
7
4-1 2019 年度太陽光&風力抑制と九電送配電の系統運用の杜撰さ
次ページ『Fig-1』グラフは、2019 年度に行われた太陽光&風力抑制の日毎の需給実績を時刻別に合算した値を 74日で割った需給バラ
ンス図である。いわば、再エネ抑制日の平均的な 1 日の需給バランスモデルを表したものと言える。再エネ抑制量に着目すれば、1 回あた
りの平均抑制量は 619万KWhになる(グラフ中の数字の合算値、ただし4捨5入の影響でピタリと一致しない)。
マーク付き黒・折実線はエリア需要、供給力は全て棒グラフで表している。黄・棒グラフ内赤数字は太陽光と風力合計の抑制量、青・棒グラ
フ引出線で示した青数字は揚水発電量を表している。需要曲線に重なるように引かれた赤・折実線は揚水で造成された需要、緑・折点線は連
系線を通じてエリア外に供給(連系潮流)された需要をそれぞれ積み上げ方式で表している。赤・折実線と緑・折点線は、▲表示の供給力(揚
水Pと連系潮流)をプラスに反転させエリア需要に積み上げて表現したものである。従って緑折点線はトータル需要を表していることにな
る。供給力がトータル需要を上回るので再エネ抑制が必要だと、12:00の時点のみを捉えて九電送配電は言っている訳である。
① 再エネ抑制時刻に揚水発電する異様な系統運用
一見して、抑制時間帯の揚水発電(揚水G)の多さが分かる。74 回の太陽光抑制日のうち 26回分に揚水発電が行われていた。グラフ中に
表示されている数値は揚水発電が行われなかった日も引っくるめた合計値を 74日で割った値なので低く表示されているが、累計値は 1768
万KWhで、太陽光抑制累計量の約 4%、風力より大きい数値である。これを止めるだけで風力抑制は回避される。
因みに 2018 年度は同様の事例が 11回あった。本文に添付した参考資料に 2018 年度分 11 回の時間毎の再エネ抑制量と揚水発電量、揚
水Pの数値を示すグラフを添付した。2019年度 26 回分は紙面数の都合上次回に添付する。
② 抑制時刻時の不十分な揚水
次に目につくのが、揚水(揚水P)の不十分さである。
抑制時間帯毎(8:00~15:00)の揚水P出力を再エネ抑制量分だけ増大すれば抑制は不要になる。一見してそれが可能だと分かる。
揚水Pを大幅に増大した場合には、翌日の揚水量を確保するために4ページで述べたように、点灯時間帯以降に揚水発電が必要となる。
この事例の場合、揚水Pの累計増分は約 600 万KWhほど。従って揚水発電の累計は約 400 万KWhとなる。その分だけ火力出力を減少
8
させ、更に火力出力をフラット化にするように揚水発電量を時刻別に調整すればよい。これについては、4-2で説明する。
13 4 1 1 1 2 261
578
36 59
78 95 109 105
82
54
-36 -59 -89 -106 -137 -117 -98 -62
-258
-400
-200
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00
九州エリア需給バランス〔2019年度再エネ抑制分Average(太陽光74回/風力23回)1時間平均電力(送電端):万KW〕
原子力 水力 揚水G 地熱火力 バイオ 太陽光/風力 太陽光風力抑制揚水P 連系潮流 電力需要 揚水ライントータル需要ライン 揚水P等Max 連系線運用容量(平日5月)
Fig-1
9
③ 連系線によるエリア外供給
グラフ下部の緑・折実線の連系線運用容量は 1 年間で最も運用容量の小さくなる 5 月・平日で線を引いたため、抑制時間帯には運用容量
を超えてエリア外に供給しているような印象をうけるが、月/平日/祝日/特定日別で運用容量が異なるので平均値で評価するマクロ分析では
判断できない。抑制日毎に評価するミクロ分析で改めて取り上げる。
4-2 再エネ抑制回避のための揚水Pの運用改善案
3 月・4月・5月次いで 10 月・11月は太陽光出力が高くなる時節である(※3)。この時節に前もって原子力の稼働停止もしくは出力抑
制の措置をとれば、現状の太陽光設置量程度なら、再エネ抑制は全く必要ないと僕は考えている。それがベストの選択と思うが、百歩譲って
今の『優先給電ルール』のもとでも、抑制回避の最大限の努力をすれば殆どの再エネ抑制は必要ないと確信を持って言える。そのデータを示
すのが本稿の目的である。ポイントは揚水発電設備の最大限の活用である。
次ページ『Fig-2』は、『Fig-1』から再エネ抑制時間帯(8:00~15:00)の再エネ抑制と揚水P/揚水Gの部分を切り取ったものである。
① 再エネ抑制時間帯の揚水発電(23万KWh)取りやめ、揚水Pの更なる活用(▲597万KWh増)で再エネ抑制電力(619万K
Wh)は『0』になる。
∵ 揚水P増分の計算 ▲〔36万KW(再エネ抑制量)-13 万KW(揚水G取りやめ分)〕=▲22万KW〔8:00〕
▲〔59万KW(再エネ抑制量)- 4万KW(揚水G取りやめ分)〕=▲55万KW〔9:00〕
(省略)
▲〔54万KW(再エネ抑制量)- 2 万KW(揚水G取りやめ分)〕=▲52万KW〔15:00〕
( 合計 ▲597 万KWh )
② 揚水 P の増分は点灯時間帯の発電(597万KWh×68%≒405万KWh)に使い、火力出力の抑制と出力フラット化に当てる。
この揚水運用改善を盛り込んだ需給バランスを示したものが、11ページの『Fig-3』である。
10
『Fig-1』と異なる数値は斜体とした。
このような運用にすれば、再エネ抑制は必要ない。火力最大出力も 90 万KW(19:00)ほど低下、それに伴い最低出力も 40~50 万
KWほど低下して、もっとより多くの太陽光&風力を受け入れることができるだろう。
2018年度分(1回あたり平均抑制量 371 万KWh)についても同様に再エネ抑制は必要なくなる。『Fig-1』/『Fig-2』/『Fig-3』
と同類のグラフを12~14 ページに添付して説明に替える(Fig-4、Fig-5、Fig-6)。
13 4 1 1 1 2
36
59
78 95
109 105 82
54
-36 -59 -89 -106
-137 -117 -98 -62
-22
-55
-77 -94
-109 -105
-81
-52
-258 -300
-250
-200
-150
-100
-50
0
50
100
150
8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00
万KW
再エネ抑制回避のための揚水運用改善案
揚水G 太陽光風力抑制 揚水P 揚水P増分 揚水P等Max
①再エネ抑制時間帯の揚水発電(23万KWh)を取りやめ、揚水Pの更なる活用(▲597万KWh
増)で抑制電力(619万KWh)は『0』になる。
②揚水P増分は点灯時間帯の発電(597万KWh×68%=405万KWh)に使い、火力出力の
抑制と出力フラット化に当てる。
揚水Pの増分累計 ▲597万KWh
太陽光&風力抑制累計 619万KWh
揚水G累計(8:00~15:00) 23万KWh
揚水P累計(8:00~15:00)▲704万KWh
Fig-2
11
147 152 130 103 74 36
261
486 486 486
486 486
486
-59 -114 -166 -201 -246 -221 -180
-113
-258
-500
-300
-100
100
300
500
700
900
1100
1300
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00
再エネ抑制回避のための需給バランス案〔2019年度再エネ抑制分Average(太陽光74回/風力23回)、1時間平均電力(送電端):万KW〕
原子力 水力 揚水G 地熱 火力
バイオ 太陽光/風力 太陽光風力抑制 揚水P 連系潮流
電力需要 揚水ライン トータル需要ライン 揚水P等
Fig-3
92万KW
12
11 8 6
3 3 1 6 18 41
65 59 47 30 12 2
247
528
37 49
66 71 63 50
34
-46 -137
-65
-258
-400
-200
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00
九州エリア需給バランス〔2018年度再エネ抑制分Average(太陽光26回/風力4回)、1時間平均電力(送電端):万KW)〕
原子力 水力 揚水G 地熱 火力バイオ 太陽光/風力 太陽光&風力抑制 揚水P 連系潮流電力需要 揚水ライン トータル需要ライン 揚水P等Max
Fig-4
13
11 8 6 3 3 1 6
37 49 66 71 63 50 34
-46
-90 -111
-137 -132 -108
-65
-26
-41
-60
-68 -61
-49
-28
-258
-300
-250
-200
-150
-100
-50
0
50
100
9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00
再エネ抑制を回避する揚水Pの運用改善案
揚水G 太陽光&風力抑制 揚水P 揚水P増分 揚水P等Max
再エネ抑制累計371万KWh
揚水G累計(9:00~15:00)312万KWh
揚水P累計(9:00~15:00)▲735万KWh
揚水P増分累計 226万K
Fig-5
14
114 114 97 73 41 3
247
474 474 474 474
474 474
-72 -131 -171 -205 -192 -157
-93
-500
-300
-100
100
300
500
700
900
1100
1300
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00
再エネ抑制回避のための需給バランス案〔2018年度再エネ抑制分Average(太陽光26回/風力4回、1時間平均電力(送電端):万KW〕
原子力 水力 揚水G 地熱 火力
バイオ 太陽光/風力 太陽光&風力抑制 揚水P 連系潮流
電力需要 揚水ライン トータル需要ライン 揚水P等Max
54万K
Fig-6
15
(※3)太陽光は概ね 3 月・4 月にMax値になる。次いで 10 月・11 月。7・8 月は日照時間が長いので平均値は高いが、Max 値は低くなる。
5.さいごに
今回は、再エネ抑制日の平均モデルの事例を取り上げて、抑制を回避するための揚水P運用の改善案を紹介した。再エネ抑制量の平均値を
上回る日は、2018年度と 2019 年度でそれぞれ 11 回/27 回ある。平均モデルで全て回避可能だとしても、個別の日の抑制を回避でき
るとは断定できない。次回は個別抑制日に焦点をあてて紹介したい。
2020 年 6 月 9 日
脱原発・電力労働者九州連絡会議副代表 山﨑 明
265
385 469
499 489
111
608
715
791 860
944
0
200
400
600
800
1000
万KW 九州エリア太陽光発電導入量と発生出力の推移【AT12:00】〔2016~2019、Average/Max/Min、1時間平均電力〕
太陽光Average 太陽光Max 太陽光Min 太陽光接続量
出力変動幅