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2020年4月改定版...2020年4月改定版 DPCはやわかりマニュアル 2020年 月発行 編集発行:田辺三菱製薬株式会社 エリアマーケティング推進部

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  • 2020年4月改定版

    DPCはやわかりマニュアル 2020年●月発行編集発行:田辺三菱製薬株式会社 エリアマーケティング推進部 〒103-8405 東京都中央区日本橋小網町17-10 ●●●-●●●A-

    (審)●●V●●●

  • C O N T E N T S

    ●本誌は、特に表記している項目を除き、2020年4月1日時点の情報を基に、ポイントとなる内容を重点的にまとめたものです。このため、点数を算定される場合は、必ず診断群分類点数表等でご確認ください。

    ●診断群分類に基づく1日当たり定額報酬算定制度の略称は、正式には「DPC/PDPS」ですが、本誌では原則として「DPC」と表記しています。●本誌では、新型コロナウイルス感染症対策として時限的・特例的に実施されている診療報酬上の対応については触れていません。

    ■ 2020年度DPC制度の見直しと今後の方向性 ・・・・・・・・・・・・・・・ 1

    ■ DPCへの参加基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

    ■ DPCへの参加・退出等の手続き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

    ■ DPCコードとツリー図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

    ■ DPCコードの構成と意味 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

    ■ 診断群分類区分の決定について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

    ■ 診断群分類点数表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

    ■ 診断群分類点数の設定方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

    ■ DPC包括評価の対象患者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

    ■ DPC包括評価の仕組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

    ■ DPCにおける出来高算定項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

    ■ DPC包括評価の留意事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

    ■ 医療機関別係数 係数の種類と基礎係数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

    ■ 医療機関別係数 機能評価係数Ⅰ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

    ■ 医療機関別係数 機能評価係数Ⅱ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

    ■ 参考資料① 投与患者がDPC対象外となる薬剤と該当疾患コード ・・・・・・・・・・・・ 29

    ■ 参考資料② 手術・処置等2に記載があり、かつツリー図に分岐が設定されている薬剤 ・・・ 32

    ■ 参考資料③ DPCと特定入院料の包括範囲の比較 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

  • 1

    ■改定の概要前回改定で、平均的な診療実態から外れて診療密度が低い病院や平均在院日数が長い病院等について、退出等の対応を検討することが課題として示され、分析が進められてきました。しかし、次回改定以降に結論が先送りされたことから、今改定では、目立った見直しはありませんでした。現行制度を維持した上で、医療機関群や医療機関別係数の設定が行われた他、実態等を踏まえた要件の見直し等が行われました。

    ■主な見直し内容●診断群分類点数表等直近の診療実績データや医科診療報酬点数表(以下、医科点数表)の改定を踏まえるとともに、医療資源の同等性、臨床的類似性の観点から、診断群分類及び診断群分類ごとの評価が見直されました。

    ●機能評価係数・機能評価係数Ⅰは、医科点数表の見直しが反映され、新設点数の「地域医療体制確保加算」は係数化されました(23頁参照)。

    ・機能評価係数Ⅱは、「地域医療係数」の一部の項目の評価が見直されました(26頁参照)。

    ●算定ルール・入院中に1回のみの算定とされている入院基本料等加算等の取り扱いについて、医科点数表の入院料等の通則に規定する一連の入院に該当する場合は、DPCで一連の入院に該当しなくても再入院時は算定不可であることが明確化されました(17頁参照)。

    ・自院のDPC算定病棟から地域包括ケア病棟入院料算定病棟(一般病棟)に転棟した場合は、入院日Ⅱまでは診断群分類点数表に従って算定することとされました(18頁参照)。

    ・費用対効果評価制度の対象薬剤を投与した患者については、DPC対象外とされました(10頁参照)。

    ●その他DPC調査の提出データに、Kファイルが追加されました。また、様式1については、SOFAスコア(生理学的スコア)の入力を「特定集中治療室管理料3・4」も必須にする等の見直しが行われました(次頁参照)。

    ■課題の検討内容と今後の方向性厚生労働省は、前回改定で示された課題に対応するため、急性期医療の標準化を進める観点と、粗診粗療の可能性がある病院があるという指摘等を踏まえ、医療資源投入量や在院日数等を指標として各病院の診療実態等を分析し、検討を進めてきました。

    【分析・検討内容】①医療資源投入量が平均から外れた病院について医療資源投入量の少ない病院は、必要な医療が十分に提供されていない可能性がある一方で、必要かつ効率的な医療を実施している可能性もある点に留意し、下記に該当する病院の分布等について評価分析し、検討が行われました。

    疾患の頻度が高く、医療内容の標準化が進んでいると考えられる以下4つの内科系疾患について、「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例が占める割合が高く、在院日数が平均から外れて長い病院◆急性心筋梗塞/脳梗塞/狭心症/心不全

    医療資源投入量の多い病院は、効率的な医療の提供というDPCの趣旨に照らし、該当する病院の具体的な医療内容を引き続き精査することが必要とされました。②在院日数が平均から外れた病院について在院日数が短い病院は、急性期医療が他病棟で提供されている可能性があるとして、自院の他病棟への転棟割合が30%超(全国平均は4%)の病院における医療提供状況等の分析が行われました。在院日数が長い病院は、医療資源投入量が少ないことや、上記の「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例割合が高いという視点を加え、DPCになじまない可能性のある病院の状況等について検討が行われました。

    【今後の対応】①医療資源投入量の少ない病院で、内科系4疾患のうち、「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例が占める割合が高い病院、②在院日数の短い病院で、自院の他病棟への転棟割合が高い病院――に該当する病院に対し、書面調査や個別ヒアリング等を行うことが示されました。また、各DPC対象病院には、下記4つの指標について、対象病院全体の分布における自院の位置を連絡し、その後の各指標の変化を分析するとしています。

    医療資源投入量/在院日数/転棟症例の占める割合/「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例割合

    2020年度DPC制度の見直しと今後の方向性

  • 2

    ■対象病院と準備病院DPC病院には、診断群分類を用いて包括請求を行

    う「DPC対象病院」と、請求は医科点数表で行い、退院患者データの提出のみを行う「DPC準備病院」があります。どちらも厚生労働省が定めた下表の基準を満たす必要があります。

    【対象病院・準備病院の基準】

    対象病院 準備病院

    下記を届出・�一般病棟入院基本料の��急性期一般入院基本料・�特定機能病院入院基本料(一般病棟)・�専門病院入院基本料(7対1、10対1)*�救急医療管理加算の基準を満たしていることが望ましい

    左記の基準を満たしている又は左記の基準を満たすための計画を策定

    ②診療録管理体制加算を届出*�診療録管理体制加算1が 望ましい

    左記の加算を届出又は同等の診療録管理体制を有し、左記の基準を満たすための計画を策定

    ③DPC調査に適切に参加し、入院診療及び外来診療データを提出

    DPC調査に適切に参加し、入院診療データを提出*�外来診療データの提出が望ましい

    ④「適切なコーディングに関する委員会」(コーディング委員会)を設置し、年4回以上開催※ *毎月開催が望ましい

    ③の調査で、適切なデータを提出し、かつ、調査期間1カ月当たりの「データ/病床」比が0.875以上

    ※1)コーディング委員会は、標準的な診断及び治療方法の院内周知を徹底し、適切なコーディングを行う体制を確保することが目的。診療報酬の多寡に関する議論を行う場ではないことに留意すること。開催月と同月内に2回以上開催した場合、2回目以降は基準の4回に含めない。

     2)コーディング委員会は、コーディングの責任者の他に少なくとも下記を構成員とする。実症例を扱う際は、症例に携わった医師等の参加を求めること。診療部門の医師/薬剤部門の薬剤師/診療録情報管理部門又は診療報酬請求事務統括部門の診療記録管理者

     3)他の委員会がコーディング委員会の目的及び構成員等の要件を満たす場合は、当該委員会をコーディング委員会と見なすことができる。ただし、設置規程等に適切なコーディングに関する事項を明記し、適切なコーディングに関するテーマで、年4回以上委員会を開催すること。

     4)コーディング委員会開催時には「DPC/PDPS傷病名コーディングテキスト」の活用が望ましい(18頁参照)。

     5)DPC調査等で委員会の開催を確認できなかった場合は、確認後1カ月以内に委員会を開催し、地方厚生(支)局に使用した資料を提出すること(対象病院のみ)。

    ■DPC調査の提出データ左表③のDPC調査には、「退院患者調査」と「特別調査」の2種類があります。退院患者調査は、患者の病態や実施した医療行為の内容等を把握することを目的に毎年実施され、病院は下記の様式を用いて提出します。特別調査は、退院患者調査を補完する調査で、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)等の要請に基づき随時実施されます。

    【退院患者調査の様式及びその内容】様式名 内容 入力情報

    様式1 患者属性や病態等の情報生年月日、性別、入院年月日、入院経路、診療目的等

    様式3 施設情報 開設者類型、病床数、入院基本料等の算定状況等

    様式4 医科保険診療以外の診療情報自賠責、正常分娩、労災保険等の症例

    入院EF統合ファイル

    入院患者の医科点数表に基づく出来高点数情報

    医科点数表に基づく診療報酬の算定情報

    外来EF統合ファイル準備病院は任意

    外来患者の医科点数表に基づく出来高点数情報

    医科点数表に基づく診療報酬の算定情報

    Dファイル(対象病院のみ)包括レセプト情報

    診断群分類点数表に基づく診療報酬の算定情報

    Hファイル 日ごとの患者情報 重症度、医療・看護必要度の情報

    Kファイル 3情報から生成した一次共通IDに関する情報

    ①患者の生年月日、②カナ氏名、③性別――から生成した一次共通ID

    【2020年度改定における様式1の見直し】項目名 見直し内容

    要介護度 全ての病棟で入力を必須とする

    要介護情報 ・全ての病棟で入力を必須とする・栄養の摂取方法についての項目を追加

    ADLスコア 従来の入力に加え、地域包括ケア病棟入院料算定病棟の入退棟時にも入力を必須とする

    SOFAスコア/pSOFAスコア 特定集中治療室管理料3・4も入力を必須とする

    予定・救急医療入院 救急医療管理加算の見直しに伴い項目を見直し

    入退棟時の褥瘡の有無

    基本診療料の施設基準等に係る様式「褥瘡対策に関する診療計画書」に合わせて項目を見直し

    関節リウマチ患者情報/分子標的薬

    診断群分類点数表の見直しに伴い項目を廃止

    DPCへの参加基準

  • 3

    DPCへの参加・退出等の手続き■対象病院への参加条件と手続き

    対象病院への参加は、参加の届出を行う時点で前頁の対象病院の基準を全て満たしている準備病院であることが条件です。なお、DPC調査における1カ月当たりの「データ/病床」比が0.875以上の基準(前頁左表⑤)については、厚生労働省が診療報酬改定に使用する当該病院のデータで判断します。参加時期は診療報酬改定時で、直近に予定されている診療報酬改定の6カ月前までに参加届を提出します。

    ■対象病院の合併又は分割●複数の対象病院の合併対象病院(合併日に対象病院となる準備病院含む)が他の対象病院等と合併の予定があり、合併後もDPCへの継続参加を希望する場合は、合併日の6カ月前までに申請書を提出します。

    ●複数の対象病院への分割対象病院(分割日に対象病院となる準備病院含む)が2つ以上の対象病院等への分割の予定があり、分割後もDPCへの継続参加を希望する場合は、分割日の6カ月前までに申請書を提出します。

    ■対象病院の病床数の変更上記の合併又は分割以外で、対象病院(病床数の変更時に対象病院となる準備病院含む)が、下記に該当する対象病床数の変更を行う予定があり、変更後もDPCへの継続参加を希望する場合は、変更日の6カ月前までに申請書を提出します。

    変更年度の前年度10月1日時点の対象病床数を基準として、以下のいずれかに該当する場合①合計200床以上の対象病床数の増減があった場合②対象病床数が2倍以上又は1/2以下となる場合

    ■合併・分割・病床数変更後も�継続参加する場合の基準対象病院が合併・分割・対象病床数変更後もDPCへの継続参加を希望する場合は、原則として下記の基準を満たしている必要があります。

    ①合併の場合は、合併前の主たる病院がDPC対象病院②申請の直近1年以上、継続してデータを提出③申請の直近1年の「データ/病床」比が1カ月当たり0.875以上

    ■対象病院からの退出�(特定機能病院以外)●自主退出の場合直近に予定されている診療報酬改定の6カ月前までに退出届を提出し、改定時期に合わせて退出します。この場合、診療報酬改定の前々月の初日以降に入院した患者から医科点数表により算定します。

    例)4月1日退出の場合◆1月31日以前に入院した患者は、3月31日までは診断群分類点数表で算定し、4月1日以降は医科点数表で算定

    ◆2月1日以降に入院した患者は、入院日から医科点数表で算定

    ●対象病院の基準を満たさなくなった場合対象病院の基準のうち、入院基本料又は診療録管理体制加算の届出基準(前頁左表①又は②)を満たさなくなった病院は、3カ月の猶予期間を超えても基準を満たせなかった場合に、猶予期間の期限が来た日から3カ月を経過した月の翌月の初日に退出します。対象病院の基準のうち、DPC調査への参加又はコーディング委員会の開催基準(前頁左表③又は④)を満たしていないことを厚生労働省が確認し、中医協が基準を満たしていないと決定した場合は、決定月の4カ月後の初日に退出します。対象病院の基準のうち、DPC調査における1カ月当たりの「データ/病床」比が0.875以上の基準(前頁左表⑤)については、厚生労働省が各年10月から翌年9月までのデータで判定し、基準を満たしていない病院に結果を通知します。通知された病院は判定後の直近の4月1日に退出します。なお、上記のいずれの場合においても、退出届を提出します。

    ●特別な理由で緊急退出する必要がある場合DPC調査に適切に参加できなくなったなど特別な理由がある場合は、緊急退出が認められます。原則として、厚生労働省が審査を行って退出の可否を決定し、退出が認められた場合は、認められた月の4カ月後の初日に退出します。

  • 4

    DPCコードとツリー図14桁のDPCコードは、傷病名(上6桁コード)と、さまざまな医療行為等に基づいて患者ごとに決定します。このDPCコードを決定する際に用いるのが、ツリー図です。ツリー図は下図のような仕組みになっており、手術の「あり」「なし」など、分岐の項目を選択していくことによって、最終的に右端の14桁のDPCコードを決定します。実際の算定の際には、ツリー図以外に『診断群分類点数表』(8頁参照)や『定義テーブル』も用います。2020年度のDPCコード総数は4,557ありますが、実線で囲まれた3,990のコード(診断群分類点数表に定める診断群分類番号)が包括評価に該当し、残りの点線で囲まれたコードは、医科点数表に基づいて出来高で算定します。出来高となるコード(医科点数表算定コード)は、退院患者データの症例数が少ないか、データのバラつきが大き過ぎて包括評価に適さないものです。なお、診断群分類の精緻化を図りつつ、支払い分類数の増加を防ぐ目的から、脳梗塞と肺炎には、重症度を考慮した評価手法であるCCPマトリックスが導入されています。CCPマトリックスでは複数の診断群分類で同一の点数が設定されるため、包括評価は3,990分類ですが、支払い分類数は2,260となっています。

    Q DPCコードの上2桁のMDCコードとは?A 主要診断群(MajorDiagnosticCategory)の略で、現在のDPCでは次の18群に分類されています。

    MDC01:神経系疾患MDC02:眼科系疾患MDC03:耳鼻咽喉科系疾患MDC04:呼吸器系疾患MDC05:循環器系疾患MDC06:消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患MDC07:筋骨格系疾患MDC08:皮膚・皮下組織の疾患MDC09:乳房の疾患MDC10:内分泌・栄養・代謝に関する疾患MDC11:腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患MDC12:女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠     分娩MDC13:血液・造血器・免疫臓器の疾患MDC14:新生児疾患、先天性奇形MDC15:小児疾患MDC16:外傷・熱傷・中毒MDC17:精神疾患MDC18:その他

    MDC(2桁)と傷病名の細分類(4桁)による計6桁のコード 傷 病 名

    JCS

    JCS10以上

    以下省略

    K176$等

    K145等

    その他の手術

    手術・処置等1

    手術・処置等2

    JCS10未満

    手術

    手術

    あり

    なし

    あり

    なし

    あり

    定義副傷病

    なし

    あり

    なし

    あり

    なし

    JCSはJapan Coma Scaleの略で意識障害レベルの指標

    手術、手術・処置等、定義副傷病はツリー図とは別の「定義テーブル」

    (本書では省略)にて規定

    14桁のDPCコード。「x」は該当項目がない場合

    実線による四角囲みは、DPCの包括点数が設定されていることを示す

    点線による四角囲みは、出来高算定であることを示す

    「等」は四角囲みに記載されている手術以外にも、複数の手術が規定されていることを示す

    「K」は医科点数表の第2章特掲診療料第10部手術のKコードと連動している

    「$」はワイルドカードと呼ばれ、それ以下の分類を全て含む

    010020x001xxxx

    010020x002xxxx

    010020x097xxxx

    010020x09901xx

    010020x0991x0x

    010020x0991x1x

    010020x09900xx

    *上記のツリー図は見本であり、実際のものとは異なります。

  • 手術・処置等2

    070470 関節リウマチ手術

    070470xx99x0xx

    070470xx99x1xx

    070470xx99x2xx

    070470xx99x3xx

    070470xx99x4xx

    070470xx99x5xx

    070470xx97xxxx

    070470xx02xxxx

    070470xx01xxxx

    1

    2

    3

    4

    5

    なし

    あり

    なし

    あり

    その他の手術

    K029等

    K082-3$等

    手術 ・ 処置等21:人工呼吸など2:デノスマブ3:ウパダシチニブなど4:サリルマブなど5:インフリキシマブ

    5

    【関節リウマチのツリー図】

    Q 定義テーブル等で使用されている用語の定義は?A 主な用語の定義は、下表のようになっています。用 語 定 義

    化学療法悪性腫瘍に対する抗腫瘍用薬、ホルモン療法・免疫療法等の抗腫瘍効果を有する薬剤の使用*入院中の処方に限り、手術中の使用、外来、退院時処方は含まない*抗生剤のみの使用、G-CSF製剤、鎮吐剤等の副作用に係る薬剤のみの使用等は含まない

    動注化学療法 医科点数表第2章第6部注射の「G002動脈注射」での化学療法の実施

    メトトレキサート大量療法 骨肉腫に対してメトトレキサート5g以上(バイアル換算で25本以上)投与する化学療法

    電気生理学的検査医科点数表第2章第3部検査において、保険医療材料別表Ⅱ区分114(2)の医療材料を、「050070頻脈性不整脈」では3本以上、「050210徐脈性不整脈」では2本以上使用して実施した電気生理学的検査

    手術 医科点数表第2章第10部手術(輸血管理料除く)

    全身麻酔医科点数表第2章第11部麻酔のうち、下記のいずれか①L007開放点滴式全身麻酔②L008マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔

    神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)神経根ブロック、神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)腰部硬膜外ブロック、神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)仙骨部硬膜外ブロック

    医科点数表第2章第11部麻酔に規定される「L100神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素使用)」の「1」の「神経根ブロック」、「2」の「腰部硬膜外ブロック」、「5」の「仙骨部硬膜外ブロック」

    放射線療法 医科点数表第2章第12部放射線治療(血液照射除く)

  • 6

    DPCコードの構成と意味DPCでは、患者に割り振る14桁のDPCコードが4,557あります。このうち、3,990(支払い分類数は2,260)のコード(診断群分類番号)に包括点数が設定されており、2020年3月23日付の官報で告示されています。14桁のDPCコードには、下図のような意味があり、最初の6桁は傷病名に相当します。

    Q 複数の疾患がある患者のDPCコードは?A DPCコードの決定に当たっては、主治医が「一入院当たり医療資源を最も投入した傷病名」に

    基づき、1つだけ選択することになっています。

    従って、「主傷病名」と「入院の契機となった傷

    病名」「入院後に発症した合併症」が全て異なっ

    た場合であっても、1回の入院において1つの

    DPCコードしか選ぶことができません。

    例えば、「胃がん」全摘で入院した患者が「敗血

    症」になった場合、敗血症が医療資源を最も投

    入した傷病であれば、医療資源病名は「敗血症」

    となり、これに基づき、DPCコードを選択します。

    この選択(コーディング)によって、包括点数

    が大きく変動するため、DPCコードの決定を行

    う医師への支援も含めたコーディングのバック

    アップ体制をいかに整えるかが重要です。

    なお、適切な傷病名のコーディングを行うため

    の参考資料として「DPC/PDPS傷病名コーディ

    ングテキスト」(18頁参照)が作成されています。

    0 1 0 0 1 0  x x 9 9 0 0 0 x x:該当する項目がない場合

    ⑧重症度等 0:片眼 1:両眼 等

    ⑥手術・処置等2 0 :なし 1 :あり(2以降がある場合は定義テーブルに             定義された項目あり) 2~9:定義テーブルに定義された項目あり

    ⑦副傷病 0 :なし 1、2:あり

    ①疾患コード

    ②病態等分類(040080 肺炎等のみ) 0:下記以外 1:15歳未満 1:15歳以上かつ市中肺炎

    ③年齢・出生時体重等 【年齢】  0:n歳以上  1:n歳未満 【出生時体重】  1:2,500g以上  2:1,500g以上2,500g未満  3:1,000g以上1,500g未満  4:1,000g未満 【JCS】  0:10未満  1:10以上 【Burn index】  0:10未満  1:10以上 【GAF】  0:40以上  1:40未満 【脳卒中】  0:4日目以降、JCS10未満  1:4日目以降、JCS10以上  2:3日目以内、JCS10未満  3:3日目以内、JCS10以上

    3層目2層目1層目

    ④手術 01~06:定義テーブルに定義された項目あり 99   :手術なし 97   :その他手術あり(手術あり・なしの分岐のみの場合は                           「手術あり」)

    ⑤手術・処置等1 0 :なし 1 :あり(2以降がある場合は定義テーブルに                    定義された項目あり) 2~5:定義テーブルに定義された項目あり

    【DPC コード(14 桁)の構成】

    【1層目:傷病名の層】 上6桁コード(上2桁はMDCコード)【2層目:手術の層】 9・10桁目【3層目:その他】 残りのコード

    Q DPCコードの決定の際、「手術」の有無を判断するに当たって、輸血のみを実施した場合の取り

    扱いは?

    A 輸血の費用は、医科点数表において第2章第10部手術の第2節輸血料に定められています(12頁参照)。従って、輸血のみを実施した場合でも、「手術あり」として取り扱うことになります。ただし、輸血管理料のみを算定する場合については、「手術なし」を選択します。

  • 7

    診断群分類区分の決定について診断群分類区分の決定は、主治医が患者の退院時

    (DPC算定病棟等以外の病棟への転棟含む)に行います。その際、DPC算定病棟に入院していた期間に治療対象となった傷病のうち、医療資源を最も投入した傷病(医療資源を最も投入した傷病が確定していない場合は入院の契機となった傷病)をICD-10から選択することになっています。一入院期間中に複数の傷病に対して治療が行われた場合でも、診断群分類区分は1つだけ決定します。

    ■診断群分類区分決定時の主な留意事項①下記のICD-10は選択できません。

    ◆詳細不明の寄生虫症(B89)◆他章に分類される疾患の原因である連鎖球菌及びブドウ球菌(B95)からその他及び詳細不明の感染症(B99)

    ◆心拍の異常(R00)からその他の診断名不明確及び原因不明の死亡(R99)まで〔鼻出血(R04.0)、喀血(R04.2)、気道のその他の部位からの出血(R04.8)、気道からの出血,詳細不明(R04.9)、熱性けいれん〈痙攣〉(R56.0)、限局性発汗過多〈多汗〉(症)(R61.0)、全身性発汗過多〈多汗〉(症)(R61.1)、発汗過多〈多汗〉(症),詳細不明(R61.9)、ブドウ糖負荷試験異常(R73.0)を除く〕

    ◆独立した(原発性)多部位の悪性新生物〈腫瘍〉(C97)、部位不明の表在損傷(T14.0)から損傷, 詳細不明(T14.9)まで(主たる部位のICD-10を選択)

    ②手術等の未実施期間に診断群分類区分の適用を判断する場合は、入院診療計画等で確認できる予定手術等も勘案します。③同一傷病に対し、複数の手術等が行われた場合等も、下記に基づき1つだけ診断群分類区分を決定します。

    ◆入院中に定義テーブル上の複数の手術等の診療行為が行われ、同一疾患内の複数のDPCコードに該当する可能性がある場合は、「手術」「手術・処置等1」「手術・処置等2」「定義副傷病」の全項目において、ツリー図で下に掲げられたDPCコードを優先して選択する

    ④医科点数表で「区分番号K○○○の○○術に準じて算定する」と規定されている手術の診断群分類区分を決定する場合は、準用元の手術で判断します。⑤定義副傷病は、入院時併存症(入院当初に患者が既に持っている傷病)及び入院後発症傷病(入院後に発症した傷病)の両方を含みます(疑い病名除く)。該当項目については、定義テーブルの定義副傷病欄のフラグに基づき判断します。

    【定義副傷病欄フラグの番号の意味】「1」:手術あり・なし共通の定義副傷病「2」:手術なしの場合の定義副傷病「3」:手術ありの場合の定義副傷病

    ⑥急性膵炎(060350)における重症度等の「重症」

    は、下記に基づき判断します。

    ◆急性膵炎の重症度判定基準(2008年改訂)(厚生労働科学研究補助金難治性膵疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班)により、重症(予後因子3点以上又は造影CTgrade2以上)として判定される病態である

    ◆重症度が判定できない「不明」の場合は、「軽症」の診断群分類区分を選択する

    ⑦慢性肝炎等の分類中に規定する「インターフェロンβ」の「一定期間以上投与した場合に限る」は、連続投与に限らず、一入院期間中における7日以上の投与を意味します。⑧脳梗塞(010060)は、下記に基づき判断します。

    ◆「年齢・出生時体重等」の発症時期とJCSは診断群分類区分の適用開始時を起点として選択する(診断群分類区分の適用開始後に発症した場合は、発症後3日以内、発症時点でのJCSを選択)

    ◆重症度等の「発症前RankinScale」とは、発症前概ね1週間のADLを病歴等から推定し、以下の0から5のいずれかを選択する(全く推定できない場合は5を選択) 0 全く症候がない 1 明らかな障害はない(日常の勤めや活動は行える) 2 軽度の障害(自分の身の回りのことは介助なしで行

    える) 3 中等度の障害(何らかの介助を必要とするが、歩行

    は介助なしに行える) 4 中等度から重度の障害(歩行や身体的要求には介助

    が必要) 5 重度の障害(寝たきり、失禁状態、常に介護と見守

    りが必要)

    ⑨肺炎等(040080)は、下記に基づき判断します。

    ◆「市中肺炎」の該当の有無は、以下の例を参考にすること 例)市中肺炎に該当しないもの・入院48時間以降に病院内で発症した肺炎・重篤な免疫抑制状態・老人施設と長期療養施設で発症した肺炎・慢性下気道感染症の急性増悪

    ◆重症度等の「A-DROPスコア」とは、以下のうち入院時(入院中の発生は発症時)の状態に該当する項目の合計数をいう・男性70歳以上、女性75歳以上・BUN21mg/dL以上又は脱水あり・SpO290%以下(PaO260Torr以下)・意識障害あり・血圧(収縮期)90mmHg以下

    ⑩早産、切迫早産(120170)における「年齢、出生時体重等の妊娠週数」とは、入院時の妊娠週数をいい、「妊娠週数34週以上」には妊娠週数が不明の場合等も含みます。⑪下垂体機能低下症(100250)における「内分泌負荷試験下垂体前葉負荷試験」は、医科点数表第2章第3部検査の「D287内分泌負荷試験」に掲げる「1下垂体前葉負荷試験」を意味します。

  • 8

    診断群分類点数表官報に告示された診断群分類点数表は、下表のよう

    になっており、「診断群分類番号」「傷病名」「手術名」「手術・処置等1」「手術・処置等2」「定義副傷病」「重症度等」が記載され、併せて「入院日」と「点数」(入院日に応じた1日当たり包括点数)が記載されています。「入院日Ⅰ」は“25パーセンタイル値の日数”、「入院日Ⅱ」は“全国の平均在院日数”、「入院日Ⅲ」は“全国の平均在院日数+2SD(標準偏差)以上の30の整数倍の日数”となっています(次頁参照)。入院期間が入院日Ⅲを超えた日からは、医科点数表に基づいた出来高の点数を算定することになります。

    Q 25パーセンタイル値とは?A「パーセンタイル」は、小さい方から数えて何パーセント目の値はどれくらいかという見方をする

    統計的表示法です。

    DPCにおいては、例えば、ある診断群分類区分

    の退院患者100人のうち、入院期間の短い患者

    から順番に数えて、25番目の患者の入院日数が

    25パーセンタイル値となります。

    【診断群分類点数表】

    番号 診断群分類番号 傷病名 手術名手術・処置等1

    手術・処置等2

    定義副傷病

    重症度等

    入院日(日) 点数(点)

    Ⅰ Ⅱ Ⅲ 入院期間Ⅰ 入院期間Ⅱ 入院期間Ⅲ

    2997 070470xx99x0xx 関節リウマチ なし なし 7 14 60 2,771 2,048 1,741

    2998 070470xx99x1xx 関節リウマチ なし 1あり 12 35 120 3,640 2,244 1,907

    2999 070470xx99x2xx 関節リウマチ なし 2あり 15 30 90 2,755 2,036 1,731

    3000 070470xx99x3xx 関節リウマチ なし 3あり 4 13 60 4,124 2,608 2,217

    3001 070470xx99x5xx 関節リウマチ なし 5あり 1 2 30 19,668 1,832 1,977

    3002 070470xx97xxxx 関節リウマチ その他の手術あり 10 22 60 2,843 2,159 1,835

    3003 070470xx02xxxx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 9 19 60 2,315 1,736 1,476

    3004 070470xx01xxxx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 11 22 60 2,386 1,763 1,499

    3005 070480xxxxx0xx 脊椎関節炎 なし 6 12 60 2,793 2,114 1,797

    3006 070480xxxxx2xx 脊椎関節炎 2あり 1 1 30 9,292 − 4,887

    3007 070480xxxxx3xx 脊椎関節炎 3あり 1 3 30 27,103 1,832 3,450

    3008 070510xx99xxxx 痛風、関節の障害(その他) なし 5 11 30 2,751 2,033 1,728

    3009 070510xx97xxxx 痛風、関節の障害(その他) あり 7 16 60 2,594 1,996 1,697

    3010 070520xx99xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 なし 4 7 30 2,612 1,930 1,641

    3011 070520xx97xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 あり 4 8 30 2,359 1,930 1,737

    25パーセンタイル値の日数 平均在院日数

    平均在院日数+2SD以上の30の整数倍の日数

    入院期間Ⅰ:入院日Ⅰ以下の期間入院期間Ⅱ:入院日Ⅰを超えて入院日Ⅱ以下の期間入院期間Ⅲ:入院日Ⅱを超えて入院日Ⅲ以下の期間

  • 9

    診断群分類点数の設定方式■1日当たり包括点数の設定

    DPCの特徴の1つとして、診断群分類番号ごとに平均在院日数が定められていることが挙げられます。この平均在院日数を軸に3段階の1日当たり包括点数が設定されており、医療資源の投入量が多い入院初期

    ●点数設定方式A【一般的な診断群分類】 多くの診断群分類に用いられている設定方式で、入院期間Ⅰは“一入院期間での1日当たり医療資源の平均投入量”に基づいて15%加算した点数、入院期間Ⅱは図のAとBの面積が「A=B」となる点数、入院期間Ⅲは“入院期間Ⅱより15%減算”と“入院期間Ⅲの1日当たり医療資源の平均投入量”のうち、低い方の点数となっています。

    A=B

    15%一入院期間での1日当たり医療資源の平均投入量 15%又は、入院期間Ⅲの1日

    当たり医療資源の平均投入量のうち、低いもの

    出来高

    A

    B

    入院期間Ⅰ 入院期間Ⅱ 入院期間Ⅲ

    第Ⅲ日平均在院日数+2SD以上の30の整数倍

    第Ⅱ日平均在院日数

    第Ⅰ日25パーセンタイル値

    ●点数設定方式C【入院初期の医療資源投入量が少ない診断群分類】 考え方は点数設定方式Aと同じですが、入院期間Ⅰの加算が10%に縮小され、入院期間Ⅲの減算も10%と小さくなっています。

    出来高

    A

    B

    入院期間Ⅰ 入院期間Ⅱ 入院期間Ⅲ

    10%10%

    A=B

    10%又は、入院期間Ⅲの1日当たり医療資源の平均投入量のうち、低いもの

    一入院期間での1日当たり医療資源の平均投入量

    第Ⅲ日平均在院日数+2SD以上の30の整数倍

    第Ⅱ日平均在院日数

    第Ⅰ日25パーセンタイル値

    ●点数設定方式B【入院初期の医療資源投入量が多い診断群分類】 入院期間Ⅰは“入院期間Ⅰでの1日当たり医療資源の平均投入量”に基づき点数設定され、一般的な診断群分類より高くなります。入院期間Ⅱ・Ⅲの点数設定は、点数設定方式Aと同様です。

    入院期間Ⅰ 入院期間Ⅱ 入院期間Ⅲ

    A=B

    15%又は、入院期間Ⅲの1日当たり医療資源の平均投入量のうち、低いもの

    出来高

    A

    B

    入院期間Ⅰでの1日当たり医療資源の平均投入量

    一入院期間での1日当たり医療資源の平均投入量

    第Ⅲ日平均在院日数+2SD以上の30の整数倍

    第Ⅱ日平均在院日数

    第Ⅰ日25パーセンタイル値

    ●点数設定方式D【高額薬剤や手術等に係る診断群分類】 高額な薬剤等を使用する診断群分類や短期滞在手術等基本料に該当する手術等に係る診断群分類等に用いられている設定方式です。入院期間Ⅰは「1日」で固定され、入院初日に入院基本料以外の報酬が全て償還される点数設定となっています。

    A

    出来高

    B入院 期間Ⅰ 入院期間Ⅱ 入院期間Ⅲ

    A:入院基本料を除く薬剤費等包括  範囲の一入院当たりの点数

    B:入院基本料の一入院当たりの点数

    従来の点数設定方式

    従来方式(15%又は10%)又は、入院期間Ⅲの1日当たり医療資源の平均投入量のうち、低いもの

    第Ⅰ日(1日で固定)

    第Ⅲ日平均在院日数+2SD以上の30の整数倍

    一入院期間での1日当たり医療資源の平均投入量

    第Ⅱ日平均在院日数

    の点数が高くなる仕組みになっています。具体的な点数設定は、診断群分類によって医療資源投入のタイミングが異なることから、以下の4種類の方法が用いられています。

  • 10

    DPC包括評価の対象患者■DPC対象患者

    DPCの包括評価の対象となるのは、対象病院の一般病棟の入院患者のうち、包括点数が設定されたDPCコードに該当する患者です。歯科や精神病棟、療養病棟等の入院患者は対象外です。また、一般病棟の入院患者でも下表の患者は対象外となっています。

    ■投与患者がDPC対象外となる�薬剤について●新規保険適用等の高額薬剤新たに保険適用される新薬、効能効果・用法用量が一部変更となる薬剤、事前評価済公知申請の薬剤のうち、基準に該当する高額な薬剤を使用した患者は、十分な使用実績データが収集され、包括評価が可能となるまでの期間はDPC対象外となり、全ての診療行為を医科点数表に基づいて出来高で算定します。ただし、

    対象外の判定は、診断群分類番号ごとに行われます。判定時期は、新薬の薬価収載に合わせて原則年4回となっています。

    【高額薬剤判定の基準】

    前年度に使用実績のない薬剤等について、当該薬剤等の標準的な使用における薬剤費(併用薬含む)の見込み額が、使用していない症例の薬剤費の84パーセンタイル値を超えている場合

    ●費用対効果評価制度の対象薬剤2019年4月に本格導入された費用対効果評価制度において、評価対象となった薬剤は分析等を経て価格調整が行われますが、分析等に1年以上を要するため、2020年度改定では、価格調整結果を包括点数に反映できませんでした。これを踏まえ、同制度の対象薬剤を使用した患者はDPC対象外とし、新規保険適用等の高額薬剤と同様に取り扱うことになりました。

    (投与患者がDPC対象外となる薬剤は29頁に掲載)

    (1)�入院後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児

    (2)�評価療養又は患者申出療養を受ける患者

    (3)�下記の臓器移植術を受ける患者� K014� 皮膚移植術(生体・培養)� K014-2� 皮膚移植術(死体)� K514-4� 同種死体肺移植術� K514-6� 生体部分肺移植術� K605-2� 同種心移植術� K605-4� 同種心肺移植術� K697-5� 生体部分肝移植術� K697-7� 同種死体肝移植術

    � K709-3� 同種死体膵移植術� K709-5� 同種死体膵腎移植術� K709-6� 同種死体膵島移植術� K716-4� 生体部分小腸移植術� K716-6� 同種死体小腸移植術� K780� 同種死体腎移植術� K780-2� 生体腎移植術� K922� 造血幹細胞移植

    (4)�下記の点数を算定する患者�� A106� 障害者施設等入院基本料� A306� 特殊疾患入院医療管理料� A308� 回復期リハビリテーション病棟入院料� A308-3� 地域包括ケア病棟入院料� � 下記を算定する直前に診断群分類点数表で算定していた患者を除く� � ①地域包括ケア病棟入院料1〜4� � ②�地域包括ケア入院医療管理料1〜4� A309� 特殊疾患病棟入院料� A310� 緩和ケア病棟入院料� A400� 短期滞在手術等基本料(1のみ)

    (5)�厚生労働大臣が別に定める者①下記の手術を受ける患者※

    � K007-3� 放射線治療用合成吸収性材料留置術� K082-5� 人工距骨全置換術� K082-6� 人工股関節摺動面交換術� K134-3� 人工椎間板置換術(頸椎)� K134-4� 椎間板内酵素注入療法� K147-2� 頭蓋内モニタリング装置挿入術� K154-4� 集束超音波による機能的定位脳手術� K172� 脳動静脈奇形摘出術�2複雑なもの� K181-6� �頭蓋内電極植込術�2脳深部電極によるもの�ロ7本以上の電極によ

    る場合� K374-2� 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む)� K386-2� 輪状甲状靱帯切開術

    【DPC 対象外となる患者】� K394-2� 鏡視下喉頭悪性腫瘍手術� K445-2� 顎関節人工関節全置換術� K446� 顎関節授動術�1徒手的授動術�イ単独の場合� K487� 漏斗胸手術�4胸骨挙上用固定具抜去術� K496-5� 経皮的膿胸ドレナージ術� K527-2� 食道切除術(単に切除のみのもの)� K534-4� 腹腔鏡下横隔膜電極植込術� K570-4� 経皮的肺動脈穿通・拡大術� K574-3� 経皮的卵円孔開存閉鎖術� K594� 不整脈手術�4左心耳閉鎖術� K616-6� 経皮的下肢動脈形成術� K617-6� 下肢静脈瘤血管内塞栓術� K627-2� 腹腔鏡下リンパ節群郭清術(3骨盤を除く)� K654-4� 腹腔鏡下十二指腸局所切除術(内視鏡処置を併施するもの)� K687� 内視鏡的乳頭切開術�3胆道鏡下結石破砕術を伴うもの� K703-2� �腹腔鏡下膵頭部腫瘍切除術�2リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍

    切除術の場合� K705� 膵嚢胞胃(腸)バイパス術�1内視鏡によるもの� K710-2� 腹腔鏡下脾固定術� K719-6� 腹腔鏡下全結腸・直腸切除嚢肛門吻合術� K732-2� �腹腔鏡下人工肛門閉鎖術(悪性腫瘍に対する直腸切除術後のもの

    に限る)� K775-2� 経皮的腎(腎盂)瘻拡張術(一連につき)� K823-6� 尿失禁手術(ボツリヌス毒素によるもの)� K910-4� 無心体双胎焼灼術(一連につき)� K910-5� 胎児輸血術(一連につき)� K921-2� 間葉系幹細胞採取(一連につき)� K921-3� 末梢血単核球採取(一連につき)� K922-2� CAR発現生T細胞投与(一連につき)� K924-3� 同種クリオプレシピテート作製術� K930� �脊髄誘発電位測定等加算�1脳、脊椎、脊髄、大動脈瘤又は食道の

    手術に用いた場合②高額薬剤等の投与患者(29頁参照)③�その他の感染症(真菌を除く)(180030xxxxxx0x�又は180030xxxxxx1x) に該当する患者で、ICD-10コードのU07.1(COVID-19)を選択するもの

    (6)�下記のいずれかに該当する病院の入院患者� ①月平均入院患者数が、許可病床数の105%以上の病院� ②医師又は歯科医師の員数が医療法標準の70%以下の病院

    ※原則、診療報酬改定で新規保険適用の技術が定められます。従って(5)の①の項目は改定ごとに見直されます。

  • 11

    DPC包括評価の仕組み■包括と出来高の組み合わせ

    DPCの最大の特徴は、さまざまな診療行為に対する1日当たりの報酬が包括評価となっていることです。ただし、全ての診療行為が包括されているわけではなく、医科点数表で出来高算定するものも多数あります。つまり、DPCでは、包括点数と出来高点数を組み合わせて請求を行います。具体的には、医科点数表の入院基本料や検査、画像診断、投薬、注射等の病院の運営に要する“ホスピタルフィー的要素”の費用は、1日当たり包括点数に含まれ、手術等の医師の専門的な技術を要する“ドクターフィー的要素”の費用は、出来高で算定する仕組みになっています。

     括

    医科点数表の点数

    一部の特定入院料病床患者への加算(15頁参照)

    診断群分類番号ごとの1日当たり包括点数

    医療機関別係数(20頁参照)

    ×

    入院時食事療養費等

    入院日数

    ×

    出来高

    診断群分類点数に包括されている点数

    入院基本料重症児(者)受入連携加算、救急・在宅等支援病床初期加算、看護必要度加算、�一般病棟看護必要度評価加算、ADL維持向上等体制加算は出来高看護配置等の差は機能評価係数Ⅰ(23頁参照)として評価

    短期滞在手術等基本料 2・3のみ医学管理等 手術前医学管理料、手術後医学管理料のみ

    検査一部の検査は出来高(13頁参照)検体検査判断料の検体検査管理加算及び国際標準検査管理加算は機能評価係数Ⅰ(23頁参照)として評価

    画像診断 画像診断管理加算1・2・3、造影剤注入手技の動脈造影カテーテル法で主要血管の分枝血管を選択的に造影撮影した場合(加算含む)は出来高投薬・注射 一部の投薬・注射は出来高(14頁参照)リハビリテーション 薬剤料のみ精神科専門療法 薬剤料のみ処置 一部の処置は出来高(14頁参照)病理診断 病理標本作製料の術中迅速病理組織標本作製、病理診断・判断料は出来高

    医科点数表により算定する点数初診料再診料・外来診療料 時間外加算等のみ

    入院基本料 重症児(者)受入連携加算、救急・在宅等支援病床初期加算、看護必要度加算、�一般病棟看護必要度評価加算、ADL維持向上等体制加算のみ

    入院基本料等加算

    総合入院体制加算、地域医療支援病院入院診療加算、臨床研修病院入院診療加算、診療録管理体制加算、医師事務作業補助体制加算、急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算、看護補助加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染防止対策加算、後発医薬品使用体制加算、病棟薬剤業務実施加算1、データ提出加算、地域医療体制確保加算は機能評価係数Ⅰ(23頁参照)として評価

    特定入院料 15頁参照短期滞在手術等基本料 1のみ医学管理等 手術前医学管理料、手術後医学管理料は包括在宅医療検査 一部の検査のみ(13頁参照)

    画像診断 画像診断管理加算1・2・3、造影剤注入手技の動脈造影カテーテル法で主要血管の分枝血管を選択的に造影撮影した場合(加算含む)のみ投薬・注射 一部の投薬・注射のみ(14頁参照)リハビリテーション 薬剤料は包括精神科専門療法 薬剤料は包括処置 一部の処置のみ(14頁参照)手術・麻酔・放射線治療病理診断 病理標本作製料の術中迅速病理組織標本作製、病理診断・判断料のみ

    ●報酬額の算定式DPCの総報酬額の算定式は下記のようになります。

    DPCにおける総報酬額=「診断群分類による包括評価」+

    「出来高評価」+「入院時食事療養費等」

    「診断群分類による包括評価」は、“診断群分類点数表”(8頁参照)の1日当たり包括点数を基に下記の式で算定し、出来高評価については、医科点数表を基に算定します。

    診断群分類による包括評価=「診断群分類番号ごとの1日当たり包括点数」×

    「入院日数」×「医療機関別係数」×10円

    〈診療に関する病院の報酬〉【包括評価の仕組み(概要図)】

  • 12

    一部の加算を除き包括対象。ただし、看護配置等の差は

    「機能評価係数Ⅰ」(23頁参照)で係数化

    一部の加算は包括対象。ただし、「機能評価係数Ⅰ」(23頁参照)で係数化

    手術前医学管理料と手術後医学管理料のみ包括対象

    2・3は包括対象

    医科点数表とは別に点数が設定されている(15頁参照)

    一部の画像診断を除き包括対象

    (前頁参照)

    時間外加算等を除き包括対象

    * A~N は点数コードのアルファベット

    一部の投薬を除き包括対象

    (14頁参照)

    一部の注射を除き包括対象

    (14頁参照)

    薬剤料のみ包括対象

    一部の処置を除き包括対象

    (14頁参照)

    術中迅速病理組織標本作製を除き包括対象一部の検査を除き

    包括対象(次頁参照)。ただし、「機能評価係数Ⅰ」(23頁参照)で係数化されている項目あり

    第1章 基本診療料  A 第1部 初・再診料  第1節 初診料 第2節 再診料          A 第2部 入院料等 第1節 入院基本料         一般病棟入院基本料         療養病棟入院基本料         結核病棟入院基本料         精神病棟入院基本料         特定機能病院入院基本料         専門病院入院基本料         障害者施設等入院基本料         有床診療所入院基本料         有床診療所療養病床入院基本料 第2節 入院基本料等加算 第3節 特定入院料         救命救急入院料         特定集中治療室管理料         ハイケアユニット入院医療管理料        脳卒中ケアユニット入院医療管理料         小児特定集中治療室管理料        新生児特定集中治療室管理料         総合周産期特定集中治療室管理料         新生児治療回復室入院医療管理料         一類感染症患者入院医療管理料         特殊疾患入院医療管理料         小児入院医療管理料         回復期リハビリテーション病棟入院料         地域包括ケア病棟入院料         特殊疾患病棟入院料        緩和ケア病棟入院料         精神科救急入院料         精神科急性期治療病棟入院料         精神科救急・合併症入院料        児童・思春期精神科入院医療管理料         精神療養病棟入院料         認知症治療病棟入院料        特定一般病棟入院料        地域移行機能強化病棟入院料 第4節 短期滞在手術等基本料

    第2章 特掲診療料  B 第1部 医学管理等   C 第2部 在宅医療 第1節 在宅患者診療・指導料 第2節 在宅療養指導管理料 第3節 薬剤料 第4節 特定保険医療材料料

      D 第3部 検査 第1節 検体検査料 第2節 削除 第3節 生体検査料 第4節 診断穿刺・検体採取料 第5節 薬剤料 第6節 特定保険医療材料料

    E 第4部 画像診断 第1節 エックス線診断料 第2節 核医学診断料 第3節 コンピューター断層撮影診断料 第4節 薬剤料 第5節 特定保険医療材料料 F 第5部 投薬 第1節 調剤料 第2節 処方料 第3節 薬剤料 第4節 特定保険医療材料料 第5節 処方箋料 第6節 調剤技術基本料 G 第6部 注射 第1節 注射料 第2節 薬剤料 第3節 特定保険医療材料料 H 第7部 リハビリテーション 第1節 リハビリテーション料 第2節 薬剤料     I 第8部 精神科専門療法 第1節 精神科専門療法料 第2節 薬剤料     J 第9部 処置 第1節 処置料 第2節 処置医療機器等加算 第3節 薬剤料 第4節 特定保険医療材料料      K 第10部 手術 第1節 手術料 第2節 輸血料 第3節 手術医療機器等加算 第4節 薬剤料 第5節 特定保険医療材料料     L 第11部 麻酔 第1節 麻酔料 第2節 神経ブロック料 第3節 薬剤料 第4節 特定保険医療材料料      M 第12部 放射線治療 第1節 放射線治療管理・実施料 第2節 特定保険医療材料料     N 第13部 病理診断 第1節 病理標本作製料 第2節 病理診断・判断料

    ■医科点数表で見る包括項目DPCの評価で包括されている項目を医科点数表の構成に沿って図示すると下図のようになります。

    なお、第2章第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療の項目は、全て出来高算定となっています。

    【医科点数表の構成】

  • 13

    DPCにおける出来高算定項目■出来高算定の診療行為

    11頁にあるように、DPCでは全ての診療行為が

    包括評価されているわけではなく、ドクターフィー

    的要素の費用は出来高算定となっています。また、

    ホスピタルフィー的要素である検査、病理診断、投薬、

    注射、処置の費用についても、次の項目は出来高算定

    となっています。

    ●出来高算定可能な検査・病理診断項目 点数

    診断穿刺・検体採取料

    脳室穿刺 500点後頭下穿刺 300点腰椎穿刺、胸椎穿刺、頸椎穿刺(脳脊髄圧測定含む) 220点骨髄穿刺1.胸骨2.その他

    260点280点

    骨髄生検 730点関節穿刺(片側) 100点上顎洞穿刺(片側) 60点扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍における試験穿刺(片側) 180点腎嚢胞又は水腎症穿刺 240点ダグラス窩穿刺 240点リンパ節等穿刺又は針生検 200点センチネルリンパ節生検(片側)1.併用法2.単独法

    5,000点3,000点

    乳腺穿刺又は針生検(片側)�1.生検針2.その他

    690点200点

    甲状腺穿刺又は針生検 150点経皮的針生検法(透視、心電図検査及び超音波検査含む) 1,600点経皮的腎生検法 2,000点前立腺針生検法 1,400点内視鏡下生検法(1臓器につき) 310点超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNA) 4,800点経気管肺生検法 4,800点超音波気管支鏡下穿刺吸引生検法(EBUS-TBNA) 5,500点経気管肺生検法(ナビゲーションによるもの) 5,500点経気管肺生検法(仮想気管支鏡を用いた場合) 5,000点経気管支凍結生検法 5,500点臓器穿刺、組織採取1.開胸2.開腹(腎含む)

    9,070点5,550点

    組織試験採取、切採法 350〜6,000点子宮腟部等からの検体採取1.子宮頸管粘液採取2.子宮腟部組織採取3.子宮内膜組織採取

    40点200点370点

    その他の検体採取1.胃液・十二指腸液採取(一連につき)2.胸水・腹水採取(簡単な液検査含む)3.動脈血採取(1日につき)4.前房水採取5.副腎静脈サンプリング(一連につき)6.鼻腔・咽頭拭い液採取

    210点180点50点420点

    4,800点5点

    眼内液(前房水・硝子体液)検査 1,000点

    病理診断

    術中迅速病理組織標本作製(1手術につき) 1,990点病理診断料(月1回)1.組織診断料2.細胞診断料

    450点200点

    病理判断料(月1回) 150点

    項目 点数

    生体検査料

    心臓カテーテル法による諸検査(一連の検査について)1.右心カテーテル2.左心カテーテル

    3,600点4,000点

    関節鏡検査(片側) 760点喉頭直達鏡検査 190点鼻咽腔直達鏡検査 220点嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー(部位を問わず一連につき) 600点

    内視鏡下嚥下機能検査 720点喉頭ファイバースコピー 600点中耳ファイバースコピー 240点顎関節鏡検査(片側) 1,000点気管支ファイバースコピー 2,500点気管支カテーテル気管支肺胞洗浄法検査 320点胸腔鏡検査 7,200点縦隔鏡検査 7,000点食道ファイバースコピー 800点胃・十二指腸ファイバースコピー 1,140点胆道ファイバースコピー 4,000点小腸内視鏡検査1.バルーン内視鏡2.カプセル型内視鏡3.その他

    6,800点1,700点1,700点

    消化管通過性検査 600点直腸鏡検査 300点肛門鏡検査 200点直腸ファイバースコピー 550点回腸嚢ファイバースコピー 550点大腸内視鏡検査1.ファイバースコピー イ.S状結腸 ロ.下行結腸及び横行結腸 ハ.上行結腸及び盲腸2.カプセル型内視鏡

    900点1,350点1,550点1,550点

    腹腔鏡検査 2,270点腹腔ファイバースコピー 2,160点クルドスコピー 400点膀胱尿道ファイバースコピー 950点膀胱尿道鏡検査 890点尿管カテーテル法(ファイバースコープ)(両側) 1,200点腎盂尿管ファイバースコピー(片側) 1,800点ヒステロスコピー 620点コルポスコピー 210点子宮ファイバースコピー 800点乳管鏡検査 960点血管内視鏡検査(月1回) 2,040点肺臓カテーテル法、肝臓カテーテル法、膵臓カテーテル法 3,600点

    基本点数のみ掲載

  • 14

    ●出来高算定可能な投薬・注射

    ●出来高算定可能な処置

    項目

    投薬・注射

    HIV感染症患者に使用する抗HIV薬血友病等の患者に使用する下記の血液凝固因子製剤 遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤 遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤 血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤 遺伝子組換え型血液凝固第Ⅸ因子製剤 乾燥人血液凝固第Ⅷ因子製剤 乾燥人血液凝固第Ⅸ因子製剤※ 乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子製剤

    ※活性化プロトロンビン複合体及び乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体含む

    項目 点数

    注射のみ

    無菌製剤処理料(1日につき)1.無菌製剤処理料1 (悪性腫瘍に対して用いる薬剤が注射される一部の患者) イ.閉鎖式接続器具を使用 ロ.イ以外2.無菌製剤処理料2(1以外)

    180点45点40点

    項目 点数

    一般

    熱傷処置(6,000cm2以上)(初回処置から2月限度)1,500点局所陰圧閉鎖処置(入院)(1日につき) 1.100cm2未満 2.100cm2以上200cm2未満 3.200cm2以上

    1,040点1,060点1,100点

    局所陰圧閉鎖処置(腹部開放創)(1日につき) 1,100点多血小板血漿処置 4,190点経皮的肝膿瘍等穿刺術 1,450点エタノールの局所注入 1,200点リンパ管腫局所注入 1,020点高気圧酸素治療(1日につき) 1.減圧症又は空気塞栓 2.その他

    5,000点3,000点

    内視鏡的結腸軸捻転解除術(一連につき) 5,360点人工腎臓(1日につき)1.慢性維持透析1 イ.�4時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ロ.�4時間以上5時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ハ.�5時間以上  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ニ.�4時間未満(イを除く) ホ.�4時間以上5時間未満(ロを除く) ヘ.�5時間以上(ハを除く)2.慢性維持透析2 イ.�4時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ロ.�4時間以上5時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ハ.�5時間以上  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ニ.�4時間未満(イを除く) ホ.�4時間以上5時間未満(ロを除く) ヘ.�5時間以上(ハを除く)3.慢性維持透析3 イ.�4時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者)� ロ.�4時間以上5時間未満  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ハ.�5時間以上  �(HIF-PH阻害剤を院外処方していない患者) ニ.�4時間未満(イを除く)� ホ.�4時間以上5時間未満(ロを除く) ヘ.�5時間以上(ハを除く)4.その他

    1,924点�

    2,084点�

    2,219点�

    1,798点�1,958点�2,093点�

    1,884点

    2,044点�

    2,174点�

    1,758点1,918点�2,048点�

    1,844点�

    1,999点�

    2,129点�

    1,718点�1,873点�2,003点�1,580点�

    *「1」「2」「3」で使用した医療材料の費用も出来高算定可能

    項目 点数

    一般

    持続緩徐式血液濾過(1日につき) 1,990点血漿交換療法(1日につき) 4,200点局所灌流(1日につき)1.悪性腫瘍2.骨膜・骨髄炎

    4,300点1,700点

    吸着式血液浄化法(1日につき) 2,000点血球成分除去療法(1日につき)� 2,000点腹膜灌流(1日につき)1.連続携行式腹膜灌流2.その他の腹膜灌流

    330点1,100点

    *「1」で使用した腹膜灌流液、医療材料の費用も出来高算定可能人工膵臓療法(1日につき、3日限度)� 3,500点経会陰的放射線治療用材料局所注入 1,400点

    救急

    一酸化窒素吸入療法(1日につき) 1.新生児の低酸素性呼吸不全 2.その他

    1,680点1,680点

    カウンターショック(1日につき) 1.非医療従事者向け自動除細動器 2.その他

    2,500点3,500点

    心腔内除細動 3,500点食道圧迫止血チューブ挿入法 3,240点熱傷温浴療法(1日につき、受傷後60日限度) 1,740点

    皮膚科

    皮膚レーザー照射療法(一連につき) 1.色素レーザー照射療法 2.Qスイッチ付レーザー照射療法  イ.�4cm2未満  ロ.�4cm2以上16cm2未満  ハ.�16cm2以上64cm2未満  ニ.�64cm2以上

    2,170点

    2,000点2,370点2,900点3,950点

    泌尿器科 腎盂内注入(尿管カテーテル法含む) 1,290点整形外科的 酵素注射療法 2,490点

    ギプス

    四肢ギプス包帯※ ・内反足矯正ギプス包帯(片側) ・上肢、下肢(片側) ・体幹から四肢にわたるギプス包帯(片側)

    1,140点1,200点1,840点

    体幹ギプス包帯※ 1,500点鎖骨ギプス包帯(片側)※ 1,250点ギプスベッド※ 1,400点斜頸矯正ギプス包帯※ 1,670点先天性股関節脱臼ギプス包帯※ 2,400点脊椎側弯矯正ギプス包帯※ 3,440点義肢採型法※ 股関節、肩関節離断(1肢につき) 1,050点練習用仮義足又は仮義手採型法※ 股関節、肩関節離断(1肢につき) 1,050点※既装着のギプス包帯をギプスシャーレとして切割使用した場合除く

    基本点数のみ掲載

  • 15

    ■特定入院料の取り扱いDPC対象病院において、患者が特定入院料の届出病床に入院し、算定要件を満たす場合は、医科点数表の点数とは別に設定された下表の点数を包括点数に加算する仕組みになっています。ただし、全ての特定入院料ではなく、救命救急入院料や特定集中治療室管理料等の急性期の点数に限られます。なお、これらの点数は、特定機能病院、専門病院(専門病院入院基本料算定病院)、それ以外の病院で点数が異なる場合があります。

    Q 特定入院料において、医科点数表とDPCの包括範囲が異なる場合の取り扱いは?

    A DPCの包括範囲が適用されます。従って例えば、特定集中治療室管理料について、注射の薬剤料は医科点数表では出来高算定可能ですが、DPC

    では原則包括されます。反対に医科点数表では

    包括されている心臓カテーテル法による諸検査

    や内視鏡検査、診断穿刺・検体採取(血液採取

    除く)に係る実施料は、DPCでは出来高算定可

    能です。

    【特定入院料の点数一覧】

    項目 区分・算定期間等 特定機能病院 専門病院入院基本料算定病院左記以外の一般病院

    【参考】医科点数表の点数

    救命救急入院料��1、3のイ:非特定集中治療室管理の場合��2、4のイ:特定集中治療室管理の場合��3・4のロ:�広範囲熱傷特定集中治療管理�

    の場合

    13日以内 8,129点 8,329点 8,391点 10,223点4日以上7日以内 7,156点 7,356点 7,418点 9,250点8日以上14日以内 5,803点 6,003点 6,065点 7,897点

    23日以内 9,708点 9,908点 9,970点 11,802点4日以上7日以内 8,592点 8,792点 8,854点 10,686点8日以上14日以内 7,277点 7,477点 7,539点 9,371点

    3

    イ3日以内 8,129点 8,329点 8,391点 10,223点4日以上7日以内 7,156点 7,356点 7,418点 9,250点8日以上14日以内 5,803点 6,003点 6,065点 7,897点

    3日以内 8,129点 8,329点 8,391点 10,223点4日以上7日以内 7,156点 7,356点 7,418点 9,250点8日以上14日以内 6,224点 6,424点 6,486点

    8,318点15日以上30日以内 6,729点 6,744点31日以上60日以内 6,936点

    4

    イ3日以内 9,708点 9,908点 9,970点 11,802点4日以上7日以内 8,592点 8,792点 8,854点 10,686点8日以上14日以内 7,277点 7,477点 7,539点 9,371点

    3日以内 9,708点 9,908点 9,970点 11,802点4日以上7日以内 8,592点 8,792点 8,854点 10,686点8日以上14日以内 7,277点 7,477点 7,539点 9,371点15日以上30日以内 6,729点 6,744点

    8,318点31日以上60日以内 6,936点

    精神疾患診断治療初回加算(初診時) 3,000点加算救急体制充実加算(1日につき) 1:1,500点加算、2:1,000点加算、3:500点加算高度医療体制加算(1日につき) 100点加算急性薬毒物中毒加算(入院初日) 1(機器分析):5,000点加算、2(その他):350点加算小児加算(15歳未満)(入院初日) 5,000点加算

    ハイケアユニット入院医療管理料1、2の区分は看護配置や「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者割合による

    114日以内 4,761点 4,961点 5,023点

    6,855点15日以上21日以内 5,266点 5,281点

    214日以内 2,130点 2,330点 2,392点

    4,224点15日以上21日以内 2,635点 2,650点

    脳卒中ケアユニット入院医療管理料 14日以内 3,919点 4,119点 4,181点 6,013点

    一類感染症患者入院医療管理料14日以内 7,277点 7,477点 7,539点 9,371点15日以上30日以内 6,519点 6,534点

    8,108点31日以上 6,726点

  • 16

    項目 区分・算定期間等 特定機能病院 専門病院入院基本料算定病院左記以外の一般病院

    【参考】医科点数表の点数

    特定集中治療室管理料1、2のイ、3、4のイ:特定集中治療室管理の場合2・4のロ:広範囲熱傷特定集中治療管理の場合

    17日以内 12,117点 12,317点 12,379点 14,211点8日以上14日以内 10,539点 10,739点 10,801点 12,633点

    2

    イ7日以内 12,117点 12,317点 12,379点 14,211点8日以上14日以内 10,539点 10,739点 10,801点 12,633点

    7日以内 12,117点 12,317点 12,379点 14,211点8日以上14日以内 10,739点 10,939点 11,001点

    12,833点15日以上30日以内 11,244点 11,259点31日以上60日以内 11,451点

    37日以内 7,603点 7,803点 7,865点 9,697点8日以上14日以内 6,024点 6,224点 6,286点 8,118点

    4

    イ7日以内 7,603点 7,803点 7,865点 9,697点8日以上14日以内 6,024点 6,224点 6,286点 8,118点

    7日以内 7,603点 7,803点 7,865点 9,697点8日以上14日以内 6,224点 6,424点 6,486点

    8,318点15日以上30日以内 6,729点 6,744点31日以上60日以内 6,936点

    小児加算(15歳未満)(1日につき) 7日以内:2,000点加算、8日以上14日以内:1,500点加算早期離床・リハビリテーション加算(入室日から14日限度) 500点加算早期栄養介入管理加算(入室日から7日限度) 400点加算

    小児特定集中治療室管理料

    7日以内 14,223点 14,423点 14,485点 16,317点8日以上14日以内 12,117点 12,317点 12,379点

    14,211点15日以上30日以内 12,622点 12,637点31日以上35日以内 12,829点

    新生児特定集中治療室管理料(1、2の区分は医師配置や実績要件による)

    114日以内 8,445点 8,645点 8,707点

    10,539点15日以上30日以内 8,950点 8,965点31日以上90日以内 9,157点

    214日以内 6,340点 6,540点 6,602点

    8,434点15日以上30日以内 6,845点 6,860点31日以上90日以内 7,052点

    総合周産期特定集中治療室管理料1:母体・胎児集中治療室管理料2:新生児集中治療室管理料

    1 14日以内 5,287点 5,487点 5,549点 7,381点

    214日以内 8,445点 8,645点 8,707点

    10,539点15日以上30日以内 8,950点 8,965点31日以上90日以内 9,157点

    新生児治療回復室入院医療管理料14日以内 3,603点 3,803点 3,865点

    5,697点15日以上30日以内 4,108点 4,123点31日以上120日以内 4,315点

    小児入院医療管理料1〜5の区分は小児科常勤医師数や看護配置、平均在院日数等による

    114日以内 2,656点 2,856点 2,918点

    4,750点15日以上30日以内 3,161点 3,176点31日以上 3,368点

    214日以内 2,130点 2,330点 2,392点

    4,224点15日以上30日以内 2,635点 2,650点31日以上 2,842点

    314日以内 1,709点 1,909点 1,971点

    3,803点15日以上30日以内 2,214点 2,229点31日以上 2,421点

    414日以内 1,077点 1,277点 1,339点

    3,171点15日以上30日以内 1,582点 1,597点31日以上 1,789点

    514日以内 112点 312点 374点

    2,206点15日以上30日以内 617点 632点31日以上 824点

    プレイルーム、保育士等加算(1日につき) 100点加算人工呼吸器使用加算(1日につき) 600点加算重症児受入体制加算(1日につき) 200点加算[小児入院医療管理料3・4・5のみ]

  • 17

    DPC包括評価の留意事項■同一傷病等での再入院の取り扱い

    DPC算定病棟等(地域包括ケア病棟入院料1~4算定病棟・地域包括ケア入院医療管理料1~4算定病床で、診断群分類点数を算定する患者含む)からの退院日の翌日(転棟の場合は転棟日)から7日以内に、DPC算定病棟等〔地域包括ケア病棟入院料1~4算定病棟・地域包括ケア入院医療管理料1~4算定病床(一般病棟のみ)含む〕に再入院(特別な関係にある病院への再入院含む)・再転棟(以下、再入院)した場合、下記に該当するものは、前回入院と一連の入院と見なされ、再入院の入院期間の起算日は初回入院日となります。この場合、DPC算定病棟以外への転棟期間は入院期間に算入しますが、退院期間は入院期間には算入しません。

    ①前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「入院の契機となった傷病名」の診断群分類の上2桁が同一②前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」の診断群分類の上6桁が同一③再入院時の「入院の契機となった傷病名」に、定義テーブルの診断群分類ごとに定める「医療資源を最も投入した傷病名」欄に掲げるICDコード以外のICDコードを選択④再入院時の「入院の契機となった傷病名」に、「180040手術・処置等の合併症」に定義されるICDコードを選択※前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「入院の契機となった傷病名」の診断群分類の上2桁が異なり一連の入院に該当しないが、前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」の診断群分類の上2桁が同一の場合は、再入院時の「入院の契機となった傷病名」に係る治療内容と経過について、レセプトの摘要欄に記載すること

    ただし、予定再入院で、再入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」が悪性腫瘍で、かつ、化学療法の診断群分類区分に該当する患者は、この規定の適用除外となり、一連の入院とは見なされません(再転棟の場合は適用)。この場合、化学療法の実施日(予定日)とレジメンを含む化学療法の概要をレセプトの摘要欄に記載します。なお、同一傷病等で7日以内に再入院した場合の特定入院料については、前回入院と一連の入院と見なした日数が算定限度となります。

    ■再入院時の入院基本料等加算等の�取り扱い左記(同一傷病等での再入院の取り扱い)の規定に基づくとDPCでは一連の入院に該当しなくても、医科点数表の入院料等の通則によると一連の入院に該当する場合があります。この場合、入院中に1回のみの算定とされている入院基本料等加算及び医学管理等は、医科点数表の通則に従って算定します。つまり、入院中に1回のみの算定とされている入院基本料等加算等は、左記の規定で一連の入院に該当しなくても、下記の①②の場合を除き、再入院時は算定不可となります。

    ①退院後、いったん治癒もしくは治癒に近い状態までになり、その後再発して自院又は自院と特別な関係にある医療機関に入院した場合

    ②退院日から3カ月超の期間、診断群分類区分の上6桁が同一の場合について、いずれの医療機関に入院することなく経過した後に、自院又は自院と特別な関係にある医療機関に入院した場合

    再入院時に算定不可となる入院基本料等加算等(上記①②の場合除く)

    ◆入院基本料等加算 救急医療管理加算/超急性期脳卒中加算/妊産婦緊急搬送入院加算/在宅患者緊急入院診療加算/超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算/重度アルコール依存症入院医療管理加算/がん拠点病院加算/患者サポート体制充実加算/ハイリスク妊娠管理加算/ハイリスク分娩管理加算/入退院支援加算/せん妄ハイリスク患者ケア加算

    ◆医学管理等 退院時共同指導料1/退院時共同指導料2/退院時リハビリテーション指導料/退院時薬剤情報管理指導料/精神科退院時共同指導料

    ■退院時処方の取り扱いDPC包括評価の対象患者に対し、退院後に“在宅で使用する”ための薬剤を退院時処方した場合は、薬剤料のみ出来高で算定することができます。ただし、当該薬剤の処方は、診断群分類区分を決定する際、投入した医療資源に含めることはできません。

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    ■地域包括ケア病棟入院料算定病棟への転棟の場合の取り扱いDPC算定病棟から地域包括ケア病棟入院料1~ 4算定病棟(一般病棟のみ)に転棟した場合、入院日Ⅱまでは引き続き診断群分類点数表で算定します。ただし、転棟日が入院日Ⅱを超えている場合は、転棟日から医科点数表で算定します。また、DPC算定病棟の入院患者が退院翌日から起算して7日以内に地域包括ケア病棟入院料1~4算定病棟に再入院(転棟)し、前回入院と一連の入院に該当する場合も、入院日Ⅱまでは前回入院時と同じ診断群分類区分により算定し、「入院の契機となった傷病名」の診断群分類をレセプトの摘要欄に記載します。前回入院と一連の入院に該当しない場合は、再入院(転棟)時の「入院の契機となった傷病名」に係る治療内容と経過をレセプトの摘要欄に記載します。

    ■地域包括ケア入院医療管理料算定病室への転室の場合の取り扱いDPC算定病棟から地域包括ケア入院医療管理料1~4算定病室(一般病棟のみ)に転室した場合、入院日Ⅲまでは引き続き診断群分類点数表で算定します。また、DPC算定病棟の入院患者が退院翌日から起算して7日以内に地域包括ケア入院医療管理料1~4算定病室に再入院(転室)し、前回入院と一連の入院に該当する場合も、前回入院時と同じ診断群分類区分により引き続き算定し、「入院の契機となった傷病名」の診断群分類をレセプトの摘要欄に記載します。前回入院と一連の入院に該当しない場合は、再入院(転室)時の「入院の契機となった傷病名」に係る治療内容と経過をレセプトの摘要欄に記載します。

    ■外泊期間中の取り扱い●入院料等の算定外泊期間中は、患者の入院病棟が届け出ている入院

    基本料の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定します。ただし、精神及び行動の障害のある患者が治療目的

    で外泊する場合は、連続3日以内、かつ、月(同一暦月)6日以内に限り、入院基本料等の30%を算定できます。加えて、在宅医療に備えて外泊する際に、在宅医療

    に関する指導管理が行われた場合は、退院前在宅療養指導管理料の算定が可能です(外泊初日に1回のみ)。

    ●入院期間の計算診断群分類点数表等の算定の際には、外泊期間も入

    院期間に算入します。

    ■持参薬の取り扱い入院中に使用する薬剤は、入院中の処方が原則とされています。従って予定入院において、入院の契機となる傷病の治療に使用する薬剤を患者に持参させることは、特別な理由がない限り認められません。特別な理由については、単に病院や医師等の方針ではなく、患者の状態等に応じた個別具体的な理由であることが必要とされています。やむを得ず持参薬を使用する場合は、その理由を診療録に記載します。

    ■コーディングに関する注意点●コーディングテキストの活用厚生労働省作成の「DPC/PDPS傷病名コーディン

    グテキスト」は、コーディングの基本的な考え方やコーディングを適切に行うための望ましい病院の体制等を周知することを目的としており、コーディングの際の注意点等がまとめられています。DPC病院に義務付けられているコーディング委員会(2頁参照)の開催時には、このテキストの活用が望ましいとされています。なお、2020年4月に改定版が公表されています。

    ●DICによる請求時の対応「120290産科播種性血管内凝固症候群」及び「130100播種性血管内凝固症候群」(以下、DIC)で請求する際は、下記の内容をレセプトの摘要欄に記載します。

    ◆DICの原因と考えられる基礎疾患◆厚生労働省DIC基準によるDICスコア又は急性期DIC診断基準(日本救急医学会DIC特別委員会)によるDICスコア

    ◆入院期間中に実施された治療内容(DIC及びDICの原因と考えられる基礎疾患に対する治療含む)及び検査値等の推移

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    ■入院日Ⅲを超えた場合の取り扱い●化学療法等の実施入院日Ⅲを超えた日以降は医科点数表で算定します

    が、下記に該当する診断群分類区分で入院日Ⅲを超えて初めて化学療法等を実施した場合は、入院日Ⅲを超えても抗悪性腫瘍剤等の薬剤料及び当該薬剤に係る医科点数表の第2章第5部投薬、第6部注射(無菌製剤処理料の費用除く)の費用は出来高算定できません。

    ①悪性腫瘍患者に対する化学療法に係る診断群分類区分(「化学療法あり」の診断群分類区分含む)②①以外で、特定の薬剤名(成分名)を含む診断群分類区分(悪性腫瘍以外の患者含む)

    上記の場合に算定できない薬剤料とは、①については悪性腫瘍に対する抗腫瘍用薬、ホルモン療法・免疫療法等の抗腫瘍効果を有する薬剤、②については明示された薬剤(明示薬剤以外の薬剤と併用療法とすることが医学的に明らかなものは併用薬剤も含む)――の薬剤料になります。これらに該当しない薬剤料(糖尿病に係る薬剤料等)は出来高算定できます。なお、入院日Ⅲまでに化学療法等を実施している場合は、入院日Ⅲを超えて投与した抗悪性腫瘍剤等の薬剤料は出来高算定できます。

    ●手術の実施入院日Ⅲを超えて手術を実施した場合でも、ツリー

    図の分岐は「手術あり」を選択します。

    ■入院患者の対診・�他医療機関受診の取り扱いDPC対象病院に入院中の患者に対して対診が行われた場合、又は入院中の患者が他医療機関を受診した場合の費用については、対象病院の医師が�