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2030年頃のモビリティの姿ジ ロントロジ の立場からジェロントロジーの立場から
東京大学
総長室 高齢社会総合研究機構総長室 高齢社会総合研究機構
機構長 鎌田 実機構長 実
JARI TMSシンポジウム2009
2030年の姿2030年の姿
日本の高齢化はますます進展し、高齢化率30%以上の超高齢社会を迎える
それは世界で一番の高齢化率で、特に後期高齢者の割合が大きい
後期高齢者がこれほどまでに多い社会は世界のどこでも経験したことが無い
過疎地域の高齢化・限界集落の問題もあるが、それらは既に今日現実のものになっており、今後の高齢化の急速な進展は 主として都市部の高齢化の急速な進展は、主として都市部の高齢化
都市部の高齢化は人口が多いため、特に深刻
JARI TMSシンポジウム2009
日本における人口構成の推移(1950-2050)
140,000
千人
75歳以上120,000
75歳以上
80,000
100,000
65~74歳
60,000 15~64歳人口65 74歳
20,000
40,000
0~14歳
0
950
960
970
980
990
000
010
020
030
040
050
資料: 総務省統計局「国勢調査」,国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)
19
19
19
19
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20
20
20
20
20
20
JARI TMSシンポジウム2009
急速に高齢化するアジア(1950-2050)
35
40
日本
30
35
人
韓国
シンガポール
20
25口高齢化
ドイツ
スウェーデン
15
20化率
(
%
)
スウェ デン
中国
オ ストラリア
5
10
)
オーストラリア
アメリカ合衆国
0
950
960
970
980
990
000
010
020
030
040
050
インド
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19
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20
20
20
20
20
20
JARI TMSシンポジウム2009
人口ピラミッドの変化人口ピラミッドの変化平成平成119年中位推計9年中位推計――平成平成119年中位推計9年中位推計――
100 100 100
2005年(実績) 2030年 2055年歳歳 歳
80
90
80
90
100
80
90
100
75歳~1 160( 9%)
総人口1億2,777万人
総人口1億1,522万人
総人口8,993万人
75歳~2 266(20%)
75歳~2 387(27%)
60
70
60
70
80
60
70
801,160( 9%)
65~74歳1,407(11%)
2,266(20%) 2,387(27%)
65~74歳1,401(12%)
65~74歳1,260(14%)
40
50
40
50
60
40
50
60
15~64歳8 409(66%)
15~64歳6 740(59%)
15~64歳4,595(51%)
20
30
20
30
20
30
8,409(66%) 6,740(59%)
0
10
0
10
0
10~14歳1,752(14%)
~14歳1,115(10%)
~14歳752(8%)
0 100 200 300 0 100 200 300-50 50 150 250万人 万人 万人
注:2005年は国勢調査結果。総人口には年齢不詳人口を含むため、年齢階級別人口の合計と一致しない。JARI TMSシンポジウム2009
高齢者人口は、今後20年間、首都圏を始めとする都市部を中心に増加し、高齢者への
都道府県別高齢者数の増加状況
3,000,000
単位:人
介護サービス量の増加が見込まれるとともに、高齢者の「住まい」の問題等への対応が不可欠になる。
2,500,000
, ,
2025年度高齢者数
2005年度高齢者数
2,000,000
1,500,000
全国平均546,213人(2005年度)738,872人(2025年度)
1,000,000
0
500,000
0
東
京
大
阪
神
奈
川
愛
知
北
海
道
埼
玉
兵
庫
千
葉
福
岡
静
岡
広
島
新
潟
茨
城
全
国
京
都
長
野
福
島
宮
城
岐
阜
岡
山
熊
本
鹿
児
島
群
馬
三
重
栃
木
山
口
愛
媛
長
崎
岩
手
青
森
山
形
秋
田
大
分
奈
良
宮
崎
富
山
和
歌
山
滋
賀
石
川
香
川
沖
縄
高
知
島
根
徳
島
佐
賀
山
梨
福
井
鳥
取
【資料】2005年の高齢者人口については、総務省統計局「平成17年国勢調査第1次基本集計(確定値)」2025年の高齢者人口については、国立社会保障・人口問題研究所「都道府県の将来推計人口(平成14年3月推計)」 2JARI TMSシンポジウム2009
ジェロントロジーとはジェロントロジ とは
日本語としては、老年学、加齢学
元々は老年医学、老年社会学から元々は老年医学、老年社会学から
最近では、高齢者(個人の長寿化)・高齢社会(社会全体での高齢化)を扱う学際科学として注目されている体での高齢化)を扱う学際科学として注目されている
東大では、2006年から3年間ジェロントロジー寄付研究部門の活動を経て、2009年度から総長室に高齢社会部門の活動を経て、 年度から総長室に高齢社会総合研究機構が設立され、ほぼ全学部から25名の運営委員、約80名のメンバーで構成される。学部横断の教育、社会実験を中心とした課題解決型研究、産学連携、国際連携などの事業を実施
JARI TMSシンポジウム2009
生活のあらゆる側面に関わるジェロントロジー
心理記憶力性格達成感
生活行動
経済所得格差
政治政治への関心投票行動投票の動機
生理面遺伝子細胞
臓器 ・骨格栄養
高齢者医療慢性疾患臨床薬
退院支援価値観時間観念ほか
生活行動時間の使い方余暇活動同世代相談生涯学習ほか
所得格差税制
社会保障生活保護シニア市場近代化理論
投票の動機高齢者団体の行動理論ほか
栄養運動ほか
退院支援コス トほか
加齢や高齢化に関する知識ほか
人間関係 社会 ・文化
近代化理論ほか
加齢や高齢化に関する知識の集積
ジェロントロジージェロントロジージェロントロジー夫婦関係親子関係兄弟姉妹友人関係ほか
若者の高齢者観高齢者の高齢者観メディアの高齢者観公益法人制度改革構造機能主義
修正・評価 新機軸
協働した新しい知見を
労働 ・退職働くことの意味 家計 死 ・倫理
介護予防
ほか社会に還元
退職と健康定年制の是非定年起業
ワーク・シェアほか
家計収入支出
貯蓄動向資産運用相続
住居どこに誰と住むか買い替え・住み替えバリアフリー
死 倫死の定義死への準備お くる側の姿勢亡き後の諸事尊厳死
予防アセスメントケアプラン
サービス ・モデル公的保険 ・民間保険成年後見制度相続
ほかリバースモーゲージ
ほかホスピスほか
成年後見制度ほか
JARI TMSシンポジウム2009
機構の理念:Aging in Place住み慣れた地域で自分らしく生きる元気高齢者を
ニーズに即した多様な住居
個々の状況に応じた移動手段
元気高齢者を地域の支え手に情報ネットワーク
評評価価
高齢者のQOL
病院から在宅へ
病院 地域家族のQOL病院
24時間対応の訪問看護・介護遠隔医療健康情報
薬局
プライマリケア体制
かかりつけ医
薬局
コスト
患者学
JARI TMSシンポジウム2009
東大の機構の取組みの紹介例
JARI TMSシンポジウム2009
交通事故ゼロを目指して交通事故ゼロを目指して
昨年の交通事故死5155人
衝突安全対策から予防安全対策へ
自動車技術会では、ドライ自動車技術会では、ドライブレコーダを用いたヒヤリハットのデータベース35000件日本学術会議では、事故ゼロを目指した検討を行い、提言にまとめた JARI TMSシンポジウム2009
日本学術会議
・総合工学委員会・機械工学委員会合同・「工学システムに関する安全・安心・リスク検討分科会」・「事故死傷者ゼロを目指すための科学的アプローチ」検討小委員会平成20年6月26日工学システムに関する安全・安心・リスク検討分科会提言「交通事故ゼロの社会を目指して」を公表
提言のポイント:• ドライブレコーダの活用強化ドライブレ ダの活用強化• ヒューマンファクタ基礎研究の推進• 予防安全技術の研究開発と普及促進
12
予防安全技術の研究開発と普及促進• 意識向上・交通安全教育の徹底化
JARI TMSシンポジウム2009
高齢ドライバの問題高齢ドライバの問題
高齢ドライバの急増
高齢者が事故の被害者高齢者が事故の被害者から加害者になるケースの増大
認知症の問題も
免許更新時の
高齢者講習高齢者講習
認知機能検査
の導入の導入
JARI TMSシンポジウム2009
20年で解決すること20年で解決すること
高齢化は決してネガティブな話ばかりでない
高齢者でも活き活きと暮らせるような社会を目高齢者でも活き活きと暮らせるような社会を目指す
そのためには、生活の基盤であるモビリティの充実が重要充実が重要
公共交通、マイカーとも、安全安心な利用ができるように 新たな時代に向け 技術開発きるように、新たな時代に向けての技術開発・社会の制度・教育などを形にしていきたい
JARI TMSシンポジウム2009
知事連合の高齢者にやさしい自動車開発委員会高齢者にやさしい自動車開発委員会
麻生福岡県知事の呼びかけで、全国30を超える知事が賛同して活動がはじまった超える知事が賛同して活動がはじまった
公共交通の貧弱な地域において、高齢者の生活の足を安心安全な自動車により確の生活の足を安心安全な自動車により確保
高齢者のニーズ、特性などから、車両への要件をまとめ、プロトタイプを作成予定
次のフェーズでは、ITS等の活用で、より安全な自動車へ全な自動車
JARI TMSシンポジウム2009
新技術 新しいモビリティ新技術、新しいモビリティ
現行の運転支援装置等では、高齢者の受容性が懸念が懸念
認知症や身体的な事故により、正常な運転操作が期待できない場面もあるが期待できない場面もある
そこで、自動運転技術を適用した、ロボット知能が運転を見守り いざとなれば介入して自動回が運転を見守り、いざとなれば介入して自動回避ができるような車をつくりたい
一方で、パーソナルモビリティ等の新しいモビリティの出現も
JARI TMSシンポジウム2009
まとめまとめ
世界一の高齢化を世界一の技術で解決したいたい
新たな人とクルマの関係を構築
住宅地や中心市街地等での、ゾーン30、ISA等と、ドライブの楽しさを維持しつつ危等 、 ライ 楽 さを維持 危険の自動回避ができる未来の車
局所的なエコや健康の議論ではなく ト局所的なエコや健康の議論ではなく、トータルで活力のある社会が構築できるようなビ 姿をめざ たモビリティの姿をめざしたい
JARI TMSシンポジウム2009