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2-102 2.2 ポンプ設備設計 2.2.1 設計計画 (1) 業務目的 本業務は、浅川千曲川合流点左岸側に新設される既設樋管の川裏側に自然排水とポンプ排 水の切替えを目的としたポンプ設備設計を行うものである。 (2) 業務内容 1) 基本事項 「基本事項の決定」で検討したポンプ形式等から、土木構造物の寸法決定を行う。 2) 詳細事項 次の検討を行う。 a) ポンプ全揚程、計画実揚程の決定 b) ポンプ仕様、原動機出力の決定 c) 補機の選定・配置の検討 d) 操作制御方式の検討 e) 付属設備の仕様、配置の決定 3) 設計計算 次の設計を行う。 a) 荷重・設計条件に基づき、構造計算を行い、計算書をまとめる。 b) 材質・部材の決定を行う。 c) 施工計画・工事工程計画及び仕様書()を作成する。 4) 設計図作成 一般構造図(全体配置図)、電気設備図等を作成する。 5) 材料計算 材料計算は、次の構成でとりまとめる。 a) 主要部材数量表(内訳書・集計表) b) 機器数量表(規格・容量・質量) 6) 照査 ポンプ設備設計の照査を実施する。 7) 概算工事費 概算工事費を算出する。

2.2 ポンプ設備設計...2-102 2.2 ポンプ設備設計 2.2.1 設計計画 (1) 業務目的 本業務は、浅川千曲川合流点左岸側に新設される既設樋管の川裏側に自然排水とポンプ排

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2-102

2.2 ポンプ設備設計

2.2.1 設計計画

(1) 業務目的

本業務は、浅川千曲川合流点左岸側に新設される既設樋管の川裏側に自然排水とポンプ排

水の切替えを目的としたポンプ設備設計を行うものである。

(2) 業務内容

1) 基本事項

「基本事項の決定」で検討したポンプ形式等から、土木構造物の寸法決定を行う。

2) 詳細事項

次の検討を行う。

a) ポンプ全揚程、計画実揚程の決定

b) ポンプ仕様、原動機出力の決定

c) 補機の選定・配置の検討

d) 操作制御方式の検討

e) 付属設備の仕様、配置の決定

3) 設計計算

次の設計を行う。

a) 荷重・設計条件に基づき、構造計算を行い、計算書をまとめる。

b) 材質・部材の決定を行う。

c) 施工計画・工事工程計画及び仕様書(案)を作成する。

4) 設計図作成

一般構造図(全体配置図)、電気設備図等を作成する。

5) 材料計算

材料計算は、次の構成でとりまとめる。

a) 主要部材数量表(内訳書・集計表)

b) 機器数量表(規格・容量・質量)

6) 照査

ポンプ設備設計の照査を実施する。

7) 概算工事費

概算工事費を算出する。

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2-103

2.2.2 基本事項

(1) 吸込、吐出ケーシング形式の選定

1) 概要

ポンプの計画吐出し量が多くなりポンプが大きくなると、輸送限界、経済性等から計

画吐出し量 10m3/s 以下、ポンプ口径 2000mm のポンプとは異なり、吸込ケーシング(吸

込水路)と吐出ケーシング(吐出水路)を土木構造と一体化した形状とすることを検討す

る。ケーシングには各々異なる形状、寸法があり、画一的に特定することは出来ないが、

それぞれの特徴を生かしながら大容量に適する形式の組合せについて検討し、最適なもの

を選定する。

また、ケーシング構造は、次の点に留意して鋳物構造、鋼板溶接構造、コンクリート

構造の中から最適なものを選定する。

(1)輸送限界 (2)経済性 (3)鋳造能力 (4)施工性 等

2) 吸込ケーシング(吸込水槽)

吸込ケーシング形式には標準的なオープンピット形(吸込直管形ともいう)、セミクロ

ーズピット形の他クローズピット形がある。計画吐出し量が 10m3/s を超えるポンプでは、

オープンピット形にすると、ポンプの大きさに比例して吸水槽が深くなったり、機場面積

も広くなる等掘削量が増大する。したがって、機場本体の寸法を縮小させる方法として土

木構造と一体化したクローズピット形の採用を検討する。吸水槽のクローズピット化にお

ける吸込ケーシングの形状には傘形とベンド形の2種類がある。

表 2-12 クローズピット形吸込ケーシング形状(参考)

それぞれの特徴は次のとおりである。

ベンド形は傘形よりやや深くなるが水の流れを乱すことが少ないので効率がよい。ま

た、傘形は深さが浅くなるが、流路の損失がやや大きく効率が多少下がることがある。

排水ポンプのように運転時間が短い場合は効率の良し悪しより土木掘削の深さが経済

性に大きな影響を与えることを重視し、大形化した排水ポンプ吸込水路には傘形を採用す

ることが多い。

今回は、ポンプ口径がφ2200mm と大口径ポンプでは下限にあることから、このクラ

スで一般的採用される傘形を採用する。

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2-104

3) 吐出ケーシング(吐出水路)

計画吐出し量が 10m3/s 程度までは、ベンド形(円形)吐出ケーシングとし、吐出側管

路は鋳物構造とすることが多い。この計画吐出し量を超える場合には、これに加え特殊ベ

ンド形(扁平形、サイホン形)や土木構造と一体化した形状の採用を検討する。

この場合、吐出水路は主ポンプの機種形式によって制限を受けるものがあるので選定

にあたっては注意を要する。

下表に大容量ポンプ吐出ケーシング形状の比較を示す。

表 2-13 大容量ポンプ吐出ケーシング形状比較(参考)

それぞれの特徴は次のとおりである。

ベンド形は吐出ケーシングが床上に露出しており、大容量になると機械的強度や剛性

を得るために鋳物構造では重量が重くなるので、鋼板製溶接構造も採用される。また、円

形ベンドでの高さを低く抑えるために偏形ベンドが用いられる場合もある。これらは、計

画吐出し量が大きくなるほど有利になる場合が多い。

渦巻形は斜流ポンプとの組合せで用い、ベンド形に対し高さ方向の寸法を小さくとれ

るので原動機床レベルを低くできる利点がある。

傘形は軸流ポンプとの組合せで用い、渦巻形同様、原動機床レベルを低くできる。

また、サイホン形はベンド形の一種であるが、吐出配管最高部の管低レベルを最高外

水位以上としたもので、原動機床レベルは高くなるが吐出弁やフラップ弁を省略でき、長

手方向のスペースを小さくしたい場合に適している。

今回は、ポンプがφ2200mm 立軸斜流ポンプであることから、このポンプ形式、クラ

スで一般的採用される円形を採用する。

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2-105

(2) 土木構造物の寸法

1) ポンプ吸水槽の幅

ポンプ吸水槽の幅は、次頁の表 -3 斜流ポンプ主要寸法一覧表の水路幅(有効幅)G と、

吐出し量 14 m3/s より、6500mm とする。

2) ポンプ吸水槽の床面高

基準では、運転可能最低内水位(非常停止水位)TP +328.600 から 1300+T s(2300)

より、TP+328.600 - (1.3+2.3) = TP+325.000 となる。

しかし、今回運転可能最低内水位でポンプキャビテーションが発生することから、底

板高を 2m下げて、ポンプキャビテーションの発生を抑える必要があった。

そのため、ポンプ吸水槽の床面高は TP+323.000 とする。

3) スクリーン部の床面高

スクリーン部の床面高は除塵機の通過平均流速から決定する。

基準では、除塵機の平均流速は、運転可能最低吸水位と計画吐出し量をもとに

V=0.65m/s 以下を目標とすることになっている。

平均流速=14 m3/s÷6.5m÷(TP+328.600 - TP+325.400)s=0.67m/s ≒0.65m/s

目標流速を若干上回っているが、通常時の川床からの砂流入を防止するため、河床から

1m程度確保することを考慮考量して、スクリーン部の床面高は TP+325.400 とする。

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2-106

図 2-11 斜流ポンプ 主要寸法図

注 1) 図の斜線部は主ポンプ性能に影響するため、ポンプメーカーにて施工する範囲を示す。

2) 主ポンプの性能は、上図の ~ 間の模型(主ポンプ並びに水路)を製作し、模型試

験にて確認する。なお、主ポンプ範囲の吸込側起点は吸込水路との関係があるので取付け

土木構造物を考慮して決めるものとする。

3) インペラ基準面は、JIS B 8301 による。

4) LWL は最低吸込水位、LLWL は非常停止吸込水位を示す。

Y X

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2-107

表 2-14 斜流ポンプ 主要寸法一覧表

【斜流ポンプ Ns=1,300 高 Ns・高流速】 (単位 mm)

吐出し量 背壁距離 (一次コン)

軸中心~整流水路部上流端距離(参考)

軸中心~センターピア下流端距離

(参考)

吸込水路の最小長さ (参考)

水路幅 (有効幅)

水路 センターピア厚み (参考)

Q ( m3 / s ) D b D s D p L s G W s

10.0 超~ 12.5 以下 2 ,400 2 ,800 - 7,200 5 ,500 - 12.5 超~ 15.0 以下 2 ,600 3 ,300 - 7,800 6 ,500 - 15.0 超~ 18.0 以下 2 ,800 3 ,800 - 8,400 7 ,000 - 18.0 超~ 20.0 以下 3 ,000 4 ,000 - 9,000 7 ,500 - 20.0 超~ 25.0 以下 3 ,200 4 ,500 3 ,700 9 ,600 9 ,000 1 ,000 25 .0 超~ 28.0 以下 3 ,400 4 ,700 3 ,900 10 ,200 9 ,600 1 ,000 28 .0 超~ 30.0 以下 3 ,600 5 ,000 4 ,100 10 ,800 10 ,000 1 ,000

吐出し量 呑口高さ

(LLWL~ 呑口部底)

吸込水路 高 さ

主ポンプ床 ~底盤

=Hc+Ts

主ポンプ床 ~ポンプ基準面

ポンプ基準面 ~底盤

Q ( m3 / s ) F I s H Hc Ts

10.0 超~ 12.5 以下 2 ,800 1 ,500 4 ,100 2 ,100 2 ,000 12 .5 超~ 15.0 以下 2 ,900 1 ,600 4 ,800 2 ,500 2 ,300 15 .0 超~ 18.0 以下 3 ,200 1 ,700 5 ,200 2 ,700 2 ,500 18 .0 超~ 20.0 以下 3 ,300 1 ,800 5 ,600 3 ,000 2 ,600 20 .0 超~ 25.0 以下 3 ,900 2 ,100 6 ,100 3 ,300 2 ,800 25 .0 超~ 28.0 以下 4 ,100 2 ,200 6 ,400 3 ,500 2 ,900 28 .0 超~ 30.0 以下 4 ,200 2 ,300 6 ,800 3 ,700 3 ,100

吐出し量

主ポンプ

減速機 円 形 ベ ン ド 吐出しフランシ ゙接続相当

口径 据付床穴径 架台穴径 ポンプ室 有効高さ

吐出し中心 ~主ポンプ床

軸中心 ~吐出しフランジ

Q ( m3 / s ) φC □K J d D d I d φD 10.0 超~ 12.5 以下 3 ,100 4 ,000 4 ,200 2 ,200 1 ,800 2 ,000 12 .5 超~ 15.0 以下 3 ,300 4 ,300 4 ,500 2 ,400 1 ,900 2 ,200 15 .0 超~ 18.0 以下 3 ,700 4 ,600 4 ,700 2 ,600 2 ,100 2 ,400 18 .0 超~ 20.0 以下 4 ,000 4 ,900 (5 ,000) (2 ,800) (2 ,200) (2 ,600) 20 .0 超~ 25.0 以下 4 ,400 5 ,400 (5 ,400) (3 ,000) (2 ,500) (2 ,800) 25 .0 超~ 28.0 以下 4 ,700 5 ,900 (5 ,800) (3 ,100) (2 ,600) (3 ,000) 28 .0 超~ 30.0 以下 4 ,900 6 ,100 (6 ,000) (3 ,200) (2 ,700) (3 ,200)

吐出し量

扁 平 形 ベ ン ド

ポンプ室 有効高さ

ベンド出口 全 幅

ベンド出口 全 幅

ベンド出口 ピ ア

吐出し中心 ~主ポンプ

軸中心 ~吐出しフラン

ジ Q ( m3 / s ) J h A h B h S h D h I h

10.0 超~ 12.5 以下 (3 ,200) (3 ,800) (1 ,000) - (1 ,800) (2 ,200) 12 .5 超~ 15.0 以下 (3 ,400) (3 ,800) (1 ,100) - (1 ,900) (2 ,400) 15 .0 超~ 18.0 以下 (3 ,600) (3 ,900) (1 ,200) - (2 ,000) (2 ,600) 18 .0 超~ 20.0 以下 3 ,800 4 ,000 1 ,300 800 2 ,100 2 ,700 20 .0 超~ 25.0 以下 4 ,100 5 ,200 1 ,500 800 2 ,400 2 ,900 25 .0 超~ 28.0 以下 4 ,300 5 ,600 1 ,600 800 2 ,600 3 ,100 28 .0 超~ 30.0 以下 4 ,500 5 ,800 1 ,700 800 2 ,700 3 ,200

注 1) 本表はポンプスラストを減速機で支持する場合の寸法を示す。

2) 水路幅(G)は水路センターピアの厚みを含んだ寸法を示し、ピアの厚みが増える場合は水路幅も増える。

3) 軸中心~整流水路部上流端距離(Ds)およびセンターピア下流端距離(Dp)は参考値を示す。

4) 吸込水路の最小長さ(Ls)は地下ポンプ室内に設置する機器、管理通路及び原動機床に設置する主原動機の形式、

歯車減速機形式他の補機設備等の設置条件等から決められる。

5) 吐出し管に管内クーラを設置する場合のポンプ室有効高さ(Jd、Jh)は上表の寸法に 500mm を加算する。

6) 主ポンプ吐出し量が 10.0 超~18.0 m3/s 以下 は円形ベンドを、18.0 超~30.0 m3/s 以下は扁平形吐出しベンドを

目安とするが、最終決定は経済比較のうえ決定する。

7) 吸込、吐出し水路数は土木構造の強度上から求められる寸法により決定される。

8) 主要寸法は最大流量に対応するもので、中間的な設計流量の場合には本表の主要寸法を参考にして修正する等の

検討が必要である。

9) 呑口高さ(F)がポンプ基準面~底盤(Ts )+1,000 より大きくなる場合は、インペラ基準面~底盤の寸法を呑口高さ

(F)に合わせて決定する。

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2-108

(3) ポンプ室の寸法

1) 主ポンプの配列

今回は主ポンプ1台のため、水路幅と同等とする。

2) ポンプ室の梁間(水流方向の床面長さ)

ポンプ室の梁間は、下図に示されるように、主原動機後方の壁面より吐出し側壁面まで

の寸法をいい、原則として、主ポンプ弁、歯車減速機、主原動機等を天井クレーンにより

垂直に吊るものとして、次の事項に留意し算出するが、今回は天井クレーンは設置しない

ため、メンテンス及び据付作業スペースのみ確保するものとする。

① ポンプ室の梁間寸法(L)は、ポンプ室の壁内面間(又は柱)を基準とする。

② ディーゼル機関、管内クーラ、吐出弁を天井クレーンで吊り上げる必要がない。

以下に基準によるポンプ室の決定手法を示す。

図 2-12 立軸ポンプ(二床式、管内クーラ付)

a) ポンプ室の梁間寸法(L)は、式(16.1)により算出するが、補機の配置、建屋の寸法等

を考慮し作図の上、最終寸法を決定する。

L=A+B+C ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16.1)

ここに、L:ポンプ室の梁間

A:主ポンプ中心より吐出し側壁 (又は柱)注)面までの寸法(表 4-4参照)

B:主ポンプ中心より主原動機後方までの寸法

C:主原動機後方より壁面までの寸法

注) 天井クレーンで吐出し弁を垂直吊りする場合に、建屋の柱が障害となるときは柱面とする。

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2-109

表 2-15 主ポンプ中心より吐出し側壁(または柱)面までの寸法(参考値)

吐出し量 A 寸法(mm)

(m3/s) 軸流ポンプ 斜流ポンプ

10.0 超~12.5 以下 5,300 5,800

12.5 超~15.0 以下 5,500 6,100

15.0 超~18.0 以下 6,100 6,400

18.0 超~20.0 以下 6,300 6,600

20.0 超~25.0 以下 7,100 7,300

25.0 超~28.0 以下 7,500 7,800

28.0 超~30.0 以下 7,600 8,000

注 1) 本表は吐出し弁を天井クレーンにより垂直吊りすることを前提とした寸法であり、建屋の柱が障害と

なる場合は、A 寸法を柱面までとする。

2) 管内クーラ付の場合の寸法は別途寸法加算するか、又は、個々の寸法の積上げを行う。

3)全揚程が斜流ポンプで 3.2m 以下、軸流ポンプで 2.5m 以下の場合は、5.4.4〔参考〕主ポンプ選定

上の注意を参照の上使用する。

主ポンプ中心より吐出し側壁(又は柱)面までの A 寸法は、式(16.2)により求める。

A=□K

2+i+100+

V

2 +g ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16.2)

□K :表-3に定める□K寸法。

i :床支持梁の最大幅。i は表 2-16 に掲げる値を基準とする。

表 2-16 床支持梁の最大寸法

吐出し量 (m3/s) i 寸 法 (mm)

10.0 超~20.0 以下 1,800

20.0 超~30.0 以下 2,100

注)全揚程が斜流ポンプで 3.2m 以下、軸流ポンプで 2.5m 以下の場合は、5.4.4〔参考〕

主ポンプ選定上の注意を参照の上使用する。

V:弁のフランジ面間寸法。表に定めるL寸法参照。

g:弁中心から壁(又は柱)面までの寸法、表からクレーン容量を求め、定める(D

寸法または E 寸法の小さい方の値)+B 寸法。

管内クーラを設ける場合、A 寸法は、式(16.3)により求める。

A=e+f+g ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16.3)

e:主ポンプ寸法、表 2-15 に定める I 寸法参照。

f:管内クーラ設置必要寸法

g:弁中心から壁(又は柱)面までの寸法、表からクレーン容量を求め、

クレーン寸法に定める(D 寸法または E 寸法の小さい方の値)+B 寸法。

主ポンプ中心より主原動機の後面までの B 寸法は、式(16.4)により求める。

B=a+c ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16.4)

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a =

□K

2 +500(mm)

a:主ポンプ軸中心から主原動機の軸端までの寸法

c:主原動機寸法

a=4300

2+500= 2650 mm、c= 4832 mm

B= 2650 + 4832 = 7482 mm

主原動機後方より壁面までの C 寸法は、下表に掲げる値を標準とする。

表 2-17 主原動機後方より壁面までの寸法

吐出し量 (m3/s) C 寸 法 (mm)

10.0 超~20.0 以下 3,500

20.0 超~30.0 以下 4,000

注 1)C 寸法は通路及び維持管理用スペースの確保として 1.5~2m、補機の設置スペースとして 1.5~2m を

考慮して定めた値である。主ポンプ搬出用等として C 寸法部を利用する場合は、表 5.10~表 5.11 に定

めるφC 寸法等を参考に、必要寸法の加算が必要である。

2)全揚程が斜流ポンプで 3.2m 以下、軸流ポンプで 2.5m 以下の場合は、5.4.4〔参考〕主ポンプ選定上

の注意を参照の上使用する。

今回は、天井クレーンを設置しないことや原動機後方に階段があり、基準通りにはポン

プ室寸法は決定できない。

したがって、ポンプ、原動機、管内クーラ等の寸法からポンプ室寸法を決定する。

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2-111

L=A+B

=8200+11800=20000 mm

A:主ポンプ中心より吐出し側壁面までの寸法

A=1900+2800+850+500+1150+1000=8200 mm

B:主ポンプ中心より主原動機後方壁面までの寸法

B =2603+4835+2068+2125+=11800 mm

図 2-13 ポンプ室断面図

管内クーラー

吐出弁

主ポンプ

減速機

主原動機

階段

補機設置スペース 維持管理スペース

弁取外しスペース

ポンプ室

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2-112

3) ポンプ室の桁行(水流に直角方向の長さ)

主ポンプ室の桁行寸法(M)は、下図に示すように主ポンプ 1 台当りに必要な寸法を式

(16.5)より求め、台数分を考慮すると同時に次の事項にも留意し算出する。

M = A+B ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(16.5)

M :主ポンプ1台当たりに必要な寸法

A :吸込水槽有効幅(G 寸法)

B :吸込水槽隔壁の厚さ

注) 搬入に必要な寸法は、原則として主ポンプ1台の据付けに必要な寸法を確保する。

図 2-14 軸流ポンプ及び斜流ポンプの桁行

:M= 6500 + 1000 = 7500 mm

4) ポンプ室の高さ

ポンプ室の天井の高さは、主ポンプ等の据付け及び保守に必要な天井クレーンの吊り上

げ高さによって決まる。

以下に基準によるポンプ室の決定手法を示す。

【設計基準による天井高さ】

図 2-15 ポンプ室の高さ

天井クレーンの吊り上げ高さとは、ポンプ場の使用機器の据付け及び保守に必要なもの

で、主ポンプ据付床面よりクレーンフックの最高位置までとする。以下に示す吊り上げ高

さは最小値であるので、他の理由により必要な場合は高くしても差し支えない。

なお、立軸ガスタービンを採用する場合、天井クレーン吊り上げ高さの決定に当たって

は、搬入、搬出時の立軸ガスタービン本体及びダクト等を考慮した寸法で、天井クレーン

吊り上げ高さを決定する必要がある。

天井高に必要な寸法は、式(16.6)により求める。

H=j+F+A+K ・・・・・・・・・(16.6)

ここに、

H :天井の高さ

j :天井クレーンの吊り上げ高さ

A、F :表に示す A、F 寸法参照。

K :梁せい

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2-113

注 1) 天井クレーン本体レール等を吊り上げるため、梁、柱、側面にフックを埋込むと便利である。

2) 二床式のポンプ場においては、補機関係(ポンプ床に設置される場合)の据付、点検整備の際に吊

り上げが容易になるよう梁、天井にフックを埋込むと便利である。

天井クレーン吊り上げ高さは、下表による。

表 2-18 天井クレーン吊り上げ高さ

吐出し量 吊り上げ高さ(mm)

(m3/s) 軸流ポンプ 斜流ポンプ

10.0 超~12.5 以下 5,500 7,000

12.5 超~15.0 以下 6,000 7,500

15.0 超~18.0 以下 6,500 8,000

18.0 超~20.0 以下 5,500 7,000

20.0 超~25.0 以下 6,000 7,500

25.0 超~28.0 以下 6,500 8,000

28.0 超~30.0 以下 6,500 8,000

注 1) 主ポンプ吊り上げ高さは、二床式の上床(原動機設置床)から、クレーンフックの最高位置までの

寸法をいう。

2) 上表に示す主ポンプ吊り上げ高さは最小値であるので、他に理由がある場合はクレーンの吊り上げ

高さを大きくしてもよい。

例えば、搬入レベルが原動機床レベルより高い場合、その高さの差を上表に加算する。

3) 吊り上げ高さは、他の主ポンプ用減速機の上は通さないで、その横を通すことで設定した。上を通

す必要がある場合はその高さを上表に加算する。

4)全揚程が斜流ポンプで 3.2m 以下、軸流ポンプで 2.5m 以下の場合は、5.4.4〔参考〕主ポンプ選定

上の注意を参照の上使用する。

5) ワイヤー玉掛開き角度は 90º とした。

6) 吊り上げ物と床面(または障害物)との高さ方向クリアランス及びクレーンのブレーキ遅れ等を考

慮したものである。

7) 吊り上げ高さは表 5.10の Hc 寸法等より決定した。

8) 主ポンプ吐出し量 10 m3/s 超~18.0m3/s 以下までの吊り上げ高さは、吐出しベンドの形状を円形と

して設定した。

今回は、天井クレーンを設置しないことから、基準通りにはポンプ室高さは決定できな

い。

したがって、主原動機(排気管含む)からポンプ室高さを決定する。

H= 4610 + 1840 + 895 = 7200 mm

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2-114

図 2-16 ポンプ室断面図

主原動機

排気管

サービスクレーン据付高

梁高

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2-115

2.2.3 詳細事項

(1) 設計条件

・計画排水量 14.0 m3/s

・ポンプ口径 φ2200 mm

・ポンプ吐水位(千曲川計画高水位、H.W.L) TP +335.930

・ポンプ無稼働時最高内水位(H.H.W.L1) TP +332.500

・既往最高内水位(H.H.W.L2) TP +332.000

・支川計画高水位(浅川 H.W.L) TP +330.000

・計画許容水位(無湛水) TP +329.600

・運転開始水位(堤内最低地盤高、L.W.L) TP +329.600

・運転停止内水位 TP +328.900

・運転可能最低内水位(L.L.W.L) TP +328.600

(非常停止内水位)

・計画実楊程 Ha 5.1m

Ha=(T.P.+335.930-T.P.+329.600)×0.8=5.064m=5.1m

・計画最高実揚程 Hamax 7.03m

Hamax=335.930-328.900=7.03m

・最低実揚程 Hamin 0 m(+329.600 以上での 0~0 運転)

・機場地盤高 TP +334.900

・水位条件

吸込側(支川:浅川) 吐出側(本川:千曲川)

▽千曲川計画高水位 TP+335.930

▽ポンプ無稼働時最高湛水位 TP+332.500

▽ポンプ運転時最高湛水位 TP+332.200

(既設 30m3/s+新設 14m3/s)

▽浅川計画高水位 TP+330.000

▽運転開始内水位(LWL) TP+329.600 ▽運転開始外水位 TP+329.600

(計画許容水位)

▽運転開始内水位(LWL)(スクリーン後) TP+329.500

▽運転停止内水位 TP+328.900

▽運転可能最低内水位(L.L.W.L.) TP+328.600

(非常停止内水位)

▽運転可能最低内水位(LLWL)(スクリーン後)TP+328.500

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2-116

(2) ポンプ全楊程

計画実楊程に主ポンプ吐出管損失水頭等を加算したものがポンプ全楊程である。

1) 各損失水頭

a) スクリーン損失

自動除塵機における損失水頭は 0.1mとする。

b) 吸込水槽部損失水頭

セミクローズ形の高流速水槽は、水の近寄流速が速く、吸水槽部において摩擦損失や形

状損失等の損失が生じる。高流速水槽を採用する場合には、これらの損失に加えて、水槽

の高流速化によるポンプの性能低下を含め、0.1mの損失水頭を見込むものとする。

c) 主ポンプ吐出管損失水頭

ア 直管損失水頭(φ2200×15.5m)

ダーシー公式による

ここに、λ :係数 0.030

=1.5×(0.020+0.0005/D)

L :管長(m) 15.5m

D :直径(m) 2.2

v :管内平均流速(m/s) 3.68m/s

=14.0÷(2.2×2.2×π÷4)

イ 吐出弁損失水頭(φ2200 バタフライ弁)

ここに、f :係数 0.2

v :弁入口部平均流速(m/s) 3.68m/s

ウ 管内クーラ損失水頭(φ2200)

ここに、f :係数 0.35

v :弁入口部平均流速(m/s) 3.68m/s

エ 曲管損失水頭(φ2200 60°×2ヶ所)

ghl

v・

L=λ・

m==2

0.1469.82

3.68

2.2

15.50.030hl

ghl

v=f・

m=2

=2

0.1389.8

3.682.0hl

ghl

v=f・

ghl

v=f・

m=2

=2

0.2429.8

3.6835.0hl

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2-117

ここに、f :係数 0.19(60°R/D=1.14)

v :管内平均流速(m/s) 3.68m/s

hl=0.19×3.682

2×9.8 =0.131 m (1 ヶ所あたり)

2ヶ所では、0.131×2=0.262m

オ 拡がり管損失水頭(φ2200→□3400W×2200H)

ここに、f :係数 0.3(拡がり角 41°)

v1 :小口径側平均流速(m/s) 3.68m/s

v2 :大口径側平均流速(m/s) 1.87m/s

=14.0÷(3.4×2.2)

カ フラップ弁損失水頭(□3400W×2200H)

ここに、f :係数 0.5(□3400W×2200H)

v :フラップ弁部平均流速(m/s) 1.87m/s

キ 残留速度損失水頭

ここに、f :係数 1.0

v :フラップ弁吐出端流速(m/s) 1.87m/s

ク 吐出管損失小計

hf=0.146+0.138+0.242+0.262+0.050+0.089+0.178=1.105 m

g

hl2

-vv=f・

21

m=

-=

0.0509.8

1.873.683.0hl

ghl

v=f・

m=2

=2

0.0899.8

1.875.0hl

ghl

v=f・

m==2

0.1789.82

1.870.1hl

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2-118

d) 連絡函渠損失水頭

3800

L=9.9m

2800

A:断 面 積 3.8×2.8-0.3×0.3×1/2×2=10.55m2

ℓ :濡れ縁長 2.2+0.3×√2×2+2.8+3.5×2 =12.85m

A 10.55 R:水力半径 = = 0.821m 12.85

Q:流 量 14.0 m3/s

Q 14.0 V:流 速 = = = 1.33 m/s A 10.55

ア 流入損失水頭(連絡函渠入口部)

ここに、f :係数 0.5

v :樋管入口部平均流速(m/s)1.33m/s

hl=0.5×1.332

2×9.8 =0.045m

イ 連絡函渠摩擦損失水頭

マニング公式による

ここに、v :平均流速(m/s)1.33 m/s

L :水路長さ(m) 9.9m

n :粗度係数 0.018

R :水力半径 0.821m

hl=0.0182×1.332

0.8214/3 ×9.9 =0.007m

・L

・vn=

22

hl

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2-119

ウ 放流損失水頭(連絡函渠出口部)

ここに、f :係数 1.0

v :樋管出口部平均流速(m/s) 1.33 m/s

hl=1.0×1.332

2×9.8 =0.090m

エ 連絡函渠損失水頭小計

0.045+0.007+0.090=0.142 m

e) 排水樋管損失

6100

L=53.1m

5800

A:断 面 積 5.8×6.1-0.3×0.3×1/2×2=35.29m2

ℓ :濡れ縁長 5.2+0.3×√2×2+5.8+5.8×2 =23.45m

A 35.29 R:水力半径 = = 1.505m 23.45

Q:流 量 14.0 m3/s

Q 14.0 V:流 速 = = = 0.40 m/s A 35.29

ア 流入損失水頭(樋管入口部)

ここに、f :係数 0.5

v :樋管入口部平均流速(m/s)0.40m/s

m==2

0.0049.82

0.40.5hl

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2-120

イ 排水樋管摩擦損失水頭

マニング公式による

ここに、v :平均流速(m/s)0.40 m/s

L :水路長さ(m) 53.1m

n :粗度係数 0.018

R :水力半径 1.505m

hl=0.0182×0.402

1.5054/3 ×53.1 =0.002m

ウ 放流損失水頭(樋管出口部)

ここに、f :係数 1.0

v :樋管出口部平均流速(m/s) 0.40 m/s

エ 排水樋管損失水頭小計

0.004+0.002+0.008=0.014 m

2) 機場計画実揚程

機場計画実揚程=機場実楊程+吸込水槽損失水頭+スクリーン損失水頭+連絡函渠損

失水頭+樋管損失水頭

= 5.1m+0.1m+0.1m+0.142m+0.014m

= 5.456m

3) ポンプ全楊程

主ポンプ全揚程は、機場計画実揚程と配管管損失水頭の合計である。

ポンプ全揚程=機場計画実揚程+ポンプ吐出管損失

=5.456m+1.105m=6.561m

若干の余裕を考慮して 6.6mとする。

・L

・vn=

22

hl

m 0.0088.9

4.00.1hl =

2=

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2-121

(3) 主ポンプ仕様の決定

1) 主ポンプ口径

ポンプ口径部の流速が速く、ポンプの比速度も高速化したⅡ型とする。Ⅱ型の場合、ポ

ンプ口径は、第8条解説2、図 8-7 から計画吐出し量 14.0 m3/s では 2200mm×1台とな

る。(「揚排水ポンプ設備技術基準(案)同解説」第8条解説2より)

2) ポンプ形式

全揚程が 6.6mなので、ポンプ形式は下表により、立軸ポンプの場合、斜流ポンプが適

用される。

低揚程用形式概略選定表(第7条解説、表 7-5)

軸形式

機種形式 立軸ポンプ 横軸ポンプ

斜 流 9.0m以下 7.0m以下

軸 流 5.0m以下 3.0m以下

(表内の数値はポンプ全揚程)

3) 吸込性能の検討(第8条解説2.2)

① ポンプ比速度の決定

Ⅱ型をなので斜流 nS=1300 とする。

② 利用 NPSH(hSV)の計算

計画点における利用 NPSH は次式により求める。

hSV0= 106

ρg(Pa-Pv)+hS0-hℓS0-β

ここに hSV0 :計画点における利用 NPSH(m)

ρ :揚水の密度(kg/m3) =1000 kg/m3

g :自由落下の加速度(m/s2) =9.8 m/s2

Pa :大気圧(MPa) =0.101 MPa

Pv :水の飽和蒸気圧(MPa) =0.0032 MPa(25℃)

hS0 :吸込実揚程(m)

立軸ポンプの場合、吸水位からポンプ羽根車入口までの深さ

(符号+)

hℓS0 :計画点における吸込側配管損失水頭(m)=1.0m

立軸ポンプでセミクローズ形吸水槽の場合 hℓS0=0.1m

β :余裕水頭 0.5 m

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2-122

吸込実揚程 hS0は運転開始水位(+329.500)時の水位での値とする。

運転可能最低内水位(L.L.W.L)+328.500 での吸込実揚程の値は、下図より 3.1 とする。

hSV0= 106(0.101-0.0032)

1000・9.8 +3.1-0.1-0.5

≒ 12.48 m

③ 必要 NPSH(HSV0)

計画点において主ポンプが要求する必要 NPSH は次式により求める。

HSV0 =

n・ Q0

S

4/3

ここに HSV0 :計画点において主ポンプが要求する必要 NPSH(m)

Q0 :計画点における吐出し量(m3/min) =840 m3/min

S :吸込比速度

第8条解説1.2図 8-18 により S=1300 とする。

n :主ポンプの回転速度(min-1)

主ポンプの回転速度は

n =nS H3/4

Q1/2

ここに nS :比速度

斜流ポンプⅡ型の場合 nS =1300 とする

H :計画全揚程(m)

Q :計画吐出し量(m3/min)

H=6.6m、Q=14.0m3/s から、主ポンプの回転速度は、

1

1/2

3/4

min18460)(14

6.61300n

==

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2-123

計画点において主ポンプが要求する必要 NPSH は、

計画点における利用 NPSH は hSV0=12.48 より、

hSV0 > HSV0

となるので計画点におけるキャビテーション発生はない。

④ 計画点以外における主ポンプ吸込性能

最低実揚程時での吸込性能を検討する。

a) 実揚程比

実揚程比= ha

H

ここに H :ポンプ計画全揚程(m)

ha :計画点以外における実揚程(m)

最低実揚程時は 0m

実揚程比=0/6.6= 0

b) 損失水頭比

損失水頭比= hℓ0

H

ここに H :ポンプ計画全揚程(m)

hℓ0 :計画点以外における配管損失水頭(m)

hℓ0 は次式により求める。

hℓ0=hℓS0+hℓd 0+ Vd0

2

2g

ここに hℓS0 :計画点における主ポンプ吸込側損失水頭(m)

hℓd 0 :計画点における主ポンプ吐出し側配管損失水頭(m)

Vd0

2

2g:計画点における残留速度水頭(m)

hℓS0=0.1(セミクローズ水路)

hℓd0+ Vd0

2

2g =1.037(Ⅱ型)

mHsv 57.61300

8401840

3/4

==

0.176.6

1.0370.1=)(

損失水頭比=

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2-124

c) 最低実揚程時の吐出し量と吸込比速度

斜流の場合、第8条解説2.2図 8-16、図 8-18 よりq=125%、S=760(nS =1300)

d) 最低実揚程時での利用 NPSH(hSV)

hSV = 106

ρg(Pa-Pv)+hS-hℓS-β

ここに hSV :計画点以外における利用 NPSH(m)

hS :計画点以外における吸込実揚程(m)

hℓS :計画点以外における吸込側配管損失水頭(m)

最低実揚程時の吸込実揚程 hℓSは運転条件から+329.500 の水位での値とする。

hS = 4.1 m

計画点以外における吸込側配管損失水頭

hℓS = hℓS0・q2

斜流ポンプ(セミクローズ水槽)の場合

hℓS = 0.1×1.252 =0.156

hSV = 106(0.101-0.0032)

1000・9.8 +4.1-0.156-0.5

≒ 13.42m

e) 最低実揚程時の必要 NPSH(HSV)

HSV =

n・ Q0

S

4/3

≒ 13.42 m

最低実揚程時における利用 NPSH は hSV=13.52 より

hSV ≧ HSV

となるので最低実揚程時においてキャビテーションが発生しない安全である。

したがって立軸斜流ポンプⅡ型を採用できる。

注)hSV ≧ HSV で今回 13.42m≒13.42m となりますが、余裕値βが 0.5m あり、また0-

0運転があっても短時間運転のため、安全と判断する。

尚、水位関係では Ha=吐出側 328.600-吸込側 328.500=0.1m のため、0-0はない

と判断する。

3/4

760

840184

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2-125

(4) 原動機出力bの決定

1) 原動機形式

維持管理費を含めたコスト高、出水時の故障対応に優れるディーゼル機関を採用する。

2) 原動機出力

原動機出力は下記の式により求める。

P= ρ×g×Q×H

1000×ηP×ηG×ηR ×(1+α)

P :原動機出力(kW)

ρ :密度(kg/m3) =1000 kg/m3

g :自由落下の加速度(m/s2) =9.8 m/s2

Q :ポンプの計画吐出し量 = 14m3/sn)

H :ポンプの計画全揚程 = 6.6m

ηP :ポンプの効率

ηG :減速機の効率

ηR :流体継手及び油圧クラッチの効率

α :余裕率

P= 98.0965.0825.01000

6.6148.91000

×(1.15~1.2)

= 1243~14921 ≒ 1400 kW

(5) 主ポンプ仕様

以上の検討より主ポンプの仕様は次のとおりに決定する。

台 数 1 台

口 径 2200mm

型 式 立軸斜流ポンプ二床式

吐 出 量 14m3/s

全 揚 程 6.6m

回 転 速 度 100min

原動機出力 1400KW(ディーゼル機関)

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2-126

(6) 補機の選定・配置の検討

1) 冷却水系統

本機場は冷却水系の簡素化と信頼性向上として、主ポンプはセラミック軸受と無注水シ

ールを採用し、潤滑水、封水の不要なポンプ構造とする。尚、減速機はファンラジエータ

ー方式とする。ディーゼル機関は管内クーラを採用し、外部冷却水を不要とするシステム

とする。発電機用ディーゼル機関は機関付ラジエータ冷却方式とし、外部冷却水を不要と

するシステムとする。但し、膨張タンクの補給、管内クーラの給水源として取水ポンプ(井

戸)を設ける。

2) 燃料系統

主ポンプ及び自家用発電機ディーゼル機関の燃料はA重油とする。燃料系統は屋内燃料

小出糟、燃料移送ポンプ及び屋外貯油槽で構成する。

a) フローシート

燃料系統のフローシートを右に示す。

b) 燃料小出槽

燃料小出槽はディーゼル機関全台を3時間

運転可能な容量とする。

膨張タンク

膨張タンク揚水ポンプ

地下水槽 吸水槽

管内クーラ

取水(井戸)ポンプ

減速機

ディーゼル機関

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2-127

3) 始動空気系統

主ポンプ用ディーゼル機関は空気始動方式とする。

空気圧縮機は常用1台、予備1台を設け、空気槽は機関1台につき常用1本、予備1本

を設ける。

なお、発電機用ディーゼル機関は電気始動方式とする。

a) フローシート

空気系統のフローシートを右に示す。

b) 始動空気槽

空気槽1本の容量は連動操作で3回以上

始動可能なものとし、300 ℓ を選定する。

4) 給油系統

給油系統は歯車減速機及び各ディーゼル機関単独に潤滑油を供給するユニット方式と

する。

a) 歯車減速機の給油装置

歯車減速機の潤滑油系統のフローシートを右に

示す。なお、初期潤滑油ポンプは表-2 から 3.7kW

とする。

b) ディーゼル機関の給油装置

ア 主ポンプ用ディーゼル機関

主ポンプ用ディーゼル機関の潤滑油系統の

フローシートを右に示す。

なお、初期潤滑油ポンプは、3.7kW とする。

イ 自家用発電機ディーゼル機関

初期潤滑は、始動時クランキングにより行う

ものとするので、専用の初期潤滑油ポンプは

設けないものとする。

始動空気系統のフローシート

潤滑油系統のフローシート

主ポンプ用ディーゼル機関

潤滑油系統のフローシート

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2-128

(7) 操作制御方式の検討

1) 概要

本機場の操作は電気棟 2 階電気室の機場集中監視操作卓より行う。

機器点検時や監視操作卓故障時は、各機器の機側操作盤より操作を行う。

機側操作盤使用時は、機側操作盤盤面の遠方-機側切替スイッチやドアスイッチ(ゲー

ト機側盤)により、機側操作を優先し機場集中監視操作卓からは操作できない仕様とする。

2) 機場集中監視操作卓の機能

液晶ディスプレイ 2 台、キーボード 2 台、マウス 2 個及び非常停止操作用ボタンスイッ

チ 1 式を操作卓上に、中央演算処理装置 2 台を操作卓内に設置する。

操作は工業用パソコン 2 台で処理する。

形 式 鋼板製デスク形

構 造 前後面扉式

概略寸法 幅 2000mm×高さ 750m×奥行き 1100mm 程度

a) 中央監視制御システム機能

本設備の主な監視制御対象は次表の通りとし、各監視制御項目は別添管理項目表を参照。

対象設備名 数 量 備 考

主ポンプ設備 1台

系統機器設備

燃料移送ボンブ

空気圧縮機

膨張タンク揚水ポンプ

膨張タンク取水ポンプ

屋内排水ポンプ

換気扇

2台

1台

2台

1台

2台

2台

除塵機設備

除塵機

水平傾斜一体コンベヤ

1台

1台

受電設備

制御用直流電源

自家発電機始動用直流電源

自家発電装置

1式

1式

1式

制水ゲート設備 1 門

本システムは、上記設備の監視操作及び運転記録、帳票等情報管理支援等を行うもので

ある。本システムの操作は、マウス操作及び非常停止操作ボタンスイッチなどで行うが、

ポンプの操作は、「連動運転」とする。除塵設備については、除塵機「運転」操作で水平

コンベヤと除塵機が連動で運転を行うものとする。浅川水門(自然流下ゲート)(1門)

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2-129

及び吐出樋管ゲート(1門)については個別に「閉-停止-開」操作を行うものとする。

全ての表示画面のハードコピーと日報・月報等を印刷出来るものとする。

本システムは、専用端末2台、データ処理サーバー1台のコンピュータシステムを導入

し、専用端末にて一方で監視及び操作、他方で故障対応支援等を行うことが出来るものと

する。但し、各々に全ての機能を装備し専用端末1台が使用不可能な状態になっても、も

う1台で引き続き監視・制御が行えるシステムとする。

また、将来、利根川下流河川事務所及び出張所の広域サーバで Web 配信される広域監

視画面を表示出来る機能を将来増設できるものとする。

【機能概要】

a.中央操作機能

マウス操作により、自家発、主ポンプ、除塵機、ゲート等の運転/停止(開/閉/停止)

操作が行える機能とする。操作は二挙動操作とする。

非常停止操作用ボタンスイッチでは、自家発、主ポンプ、除塵機、ゲートの非常停止操

作がコンピュータシステムのバックアップとして行える機能とする。操作は一挙動操作と

する。

b.運転操作支援機能

施設の起動・停止操作、運転中の状態監視、運転前、運転後の確認作業を確実に出来る

様に判り易くガイダンスする機能とする。

大別すると次の2項目に分類できるものとする。

イ 運転操作ガイダンス

ロ 運転監視(状態表示)

c.記録・情報管理支援機能

本機能は、上記の運転操作支援機能、故障対応支援機能によりオンライン収集された情

報を記録・保存する機能と必要に応じて印刷する機能とする。大別すると次の2項目に分

類できる。

イ 日報・月報等の作成

ロ 運転・故障履歴記録

【機能詳細】

a.基本画面(監視画面)

基本画面は電源投入後自動的に表示され、自家発、主ポンプ、除塵機、ゲート等の運転

/停止(開/閉/停止)状態等各機器の状態を表示するほか、内外水位等をモニタリング

しグラフィック画面上に状態表示を行うものとする。

また、画面上のアイコンボタンを押すことにより各機能の表示を行うことが出来るもの

とする。

b.運転/停止(開/閉/停止)操作

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マウス操作により自家発、主ポンプ、除塵機、ゲート等に対する運転/停止指令、開/

閉/停止指令及び操作モード選択を行うものとする。操作は二挙動操作とする。

非常停止操作用ボタンスイッチでは、自家発、主ポンプ、除塵機、ゲートの非常停止操

作がコンピュータシステムのバックアップとして行なえるものとする。

操作は一挙動操作とする。

c.始動条件

始動条件は排水機場の状態信号により、各条件の成立/不成立の状態を一覧表にて画面

表示する。また、ポンプの切換開閉器と全条件成立の状態を表示することにより、現在運

転出来るモードを迅速に確認することが出来るものとする。

d.操作ガイダンス

操作ガイダンスは自家発、主ポンプの始動/停止及びゲートの開/閉/停止操作のガイ

ダンスを行う。ガイダンスは各運転モード毎に状態信号をモニタリングし、現状を画面表

示しながら次に行う操作を促すことができるものとする。

操作シミュレーションはオフラインで、自家発、主ポンプ、除塵設備やゲート設備の運

転モード毎の運転/停止や開/閉/停止操作を仮想的に行うことにより実際の操作に備え

ることが出来る操作の練習モードとする。

e.操作(始動/停止)タイミング

操作タイミングは主ポンプの運転準備、始動/停止、及び各ゲート操作のタイミングを

各水位等の条件によって表示・音声告知によりガイダンスを行うものとする。

f.系統図表示

系統図表示は画面上に系統図(燃料系統)を表示し各機器をモニタリングし状態表示を

行うものとする。

g.バーグラフ

バーグラフは、機場からのプロセスデータの瞬時値を棒グラフ等で表現するとともに上

限下限の領域表示と警報表示が行えるものとする。

h.トレンドグラフ

トレンドグラフは機場からのプロセスデータの時間変化を折れ線とパターングラフ(運

転・停止)等で表示する。

グラフの時間軸のスケールは1ヶ月、1週間、24 時間とする。また、現在トレンド、過

去のトレンドの切換表示が行えるものとする。

表示項目は下記とし、データ保存量は1年分以上とする。

イ 主原動機(潤滑油温度、潤滑油圧力、排気温度)

ロ 水位(内水位、外水位、吐出水槽水位)

i.ポンプ排水量表示

ポンプ排水量表示は主ポンプ毎の排水量を性能曲線上にグラフィック表示する。

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j.故障発生表示

故障はその内容に応じて「重故障」「軽故障」の警報・表示されると共にディスプレイ画

面上の故障速報欄に「故障発生」のメッセージ表示するほか、系続図上の故障機器をフリ

ッカさせて運転操作員に通報する。

k.故障項目表示

故障発生時には故障項目ウインドウを表示し、音声(ブザー音等)にて告知するものと

する。

l.帳票印刷

帳票印刷は排水運転の日報・月報・水位記録・運転履歴・故障履歴を画面上で確認の上、

プリンタに印刷することが出来るものとする。

日報、月報は1年分、運転・故障履歴は各々1万件以上保存できるものとする。

イ 水位(内水位、外水位)

m.システム管理

システム管理は本システムの停止、操作タイミングの水位等の設定値の変更を行えるも

のとする。

n.傾向管理(将来機能追加)

傾向管理は過去の計測データの最大、最小、平均値を折れ線グラフで一括表示し、その

傾向により人為的に異常予知が行えるものとする。また、主機・補機の運転時間を積算し、

点検周期の把握が行えるものとする。

管理項目は以下に示すほか、必要なものとする。

イ 主原動機(潤滑油温度、潤滑油圧力)

3) ポンプ動力制御盤の機能

この盤は、ポンプ機器の単独回路については補助継電器や限時継電器で回路構成し、液

面による自動運転については、プログラマブルコントローラにて回路を構成するものとす

る。

4) 共通補機制御盤の機能

この盤は、下記に示す共通系統機器の単独回路については補助継電器や限時継電器で回

路構成し、液面による自動運転、予備機の交互運転については、プログラマブルコントロ

ーラにて回路を構成するものとする。

5) 主ポンプ機側操作盤の機能

この盤は原動機床に設置し、機側にて主ポンプ及び専用系統機器の操作を行うものとす

る。

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6) 燃料移送ポンプ機側操作盤の機能

この盤は原動機床に設置し、機側にて燃料移送ポンプの操作を行うものとする。

7) 空気圧縮機機側操作盤の機能

この盤は原動機床に設置し、機側にて燃料移送ポンプの操作を行うものとする。

8) 換気ファン機側操作盤の機能

この盤はポンプ床に設置し、機側にて室内排水ポンプの操作を行うものとする。

9) 膨張タンク排水ポンプ機側操作盤の機能

この盤はポンプ床に設置し、機側にて室内排水ポンプの操作を行うものとする。

10) 屋内排水ポンプ機側操作盤の機能

この盤はポンプ床に設置し、機側にて室内排水ポンプの操作を行うものとする。

11) 水位測定装置の機能

水位計は、浅川の水位(流入水路、自然流下ゲート外水位)の各1台ずつと吐出水槽水

位に1台設け、内・外水位を監視する。

尚、外部へ出力する内水位と吐出水槽水位の出力信号はデジタル信号(BCD)とする。

また、電極式水位計は、低水位時のポンプ保護用に使用するものとする。

12) 制御用直流電源設備の機能

この盤は商用停電時にも制御回路と計装設備へ電源を供給するための設備である。

13) CCTV装置の機能

CCTVは、除塵機前面に設置し、除塵機スクリーン部の塵芥滞留具合を電気棟 2 階電

気室より監視する。

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(8) 付帯設備の仕様、配置の決定

1) 換気設備

a) 換気方式

本ポンプ場では次の理由から天井形換気扇による強制排気方式(第3種機械換気)とす

る。

① 建築物の構造が簡単であり、各室の換気が十分行える

② 騒音公害面からの規制が少ない

③ 設備費、動力費ともに経済的である

b) 機器配置

換気扇は主原動機の設置されているポンプ室屋上に設置する。

図 2-17 換気扇配置図

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2) クレーン設備

ポンプ場は、恒久的な施設であるので、機器の据付及び将来の保守管理時に機器の搬出

等を考慮してクレーン設備を計画しておく必要がある。クレーン設備としては、常設の天

井クレーンによる他、移動式クレーンによる方法がある。移動式クレーンによる場合は、

移動式クレーンのポンプ場への進入路やポンプ場周囲の作業スペースの確保、移動式クレ

ーンのタイムリーな調達性、安全面等の確保及び経済性等を検討する必要がある。これら

の条件が全て整わない場合は、天井クレーンの設置が必要となる。

a) 天井クレーンの形式

高Ns・高流速ポンプ設備における天井クレーンの形式は、特殊な場合を除き、次の三

種類である。

手動式トロリ形

電動式ダブルレールホイスト形

電動式トロリ形

今回の 2200mm 立軸斜流ポンプの場合、天井クレーンは 32TON 容量となり、電動式

トロリ形となる。

b) 天井クレーンの定格荷重(クレーンフックにかけることのできる最大荷重)

大容量軸斜流ポンプ用天井クレーン容量は、下表による。

表 2-19 大容量軸斜流ポンプ用天井クレーン容量選定表

吐出し量

Q (m3/s)

軸流ポンプ

(t)

斜流ポンプ

(t)

10.0 超

12.5 超

15.0 超

18.0 超

20.0 超

25.0 超

28.0 超

12.5 以下

15.0 以下

18.0 以下

20.0 以下

25.0 以下

28.0 以下

30.0 以下

15

20

32

32

35

50

50

25

32

40

40

50

60

60

注) クレーン容量は吐出エルボ、ベース、吸込ベル部を除いたインペラ、

主軸、インペラケーシング、吐出しボウルを一体で吊上げることができ

るものとして求めたものである。

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c) 天井クレーンの省略化

ア 天井クレーン省略時の必要設備

排水機場の天井クレーンの主用途は、主ポンプの据付けである。主ポンプの据付けは

建設時、オーバーホール時、更新時と回数は少ない。また、その間隔も 15~20 年である。

そのため、今回天井クレーンは、エンジンメンテナンスを用途とし、シリンダーヘッ

ドやピストンの抜出し等のサービスクレーンのみ設置するものとする。

サービスクレーンは 2.8t吊ホイスト式とする。

参考図を下図に示す。

図 2-18 2.8t吊ホイスト式クレーン参考図

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2-136

2.2.4 設計計算

(1) 井戸ポンプ

1) 容量計算

膨張タンクへの補給用として、地下水槽へ給水する設備として井戸ポンプ設備を設ける。

地下冷却水容量 V=6.5 巾×3.8 横×4.0 高=98.8 ≒100 m3

井戸ポンプ取水量 Q=0.15 m3/min

地下水槽への給水は時間をかけて行っても問題ない。

h= V

Q=

100

0.15=666.7 min =11.1 Hr

2) 井戸ポンプ諸元

井 戸 径 150 mm

ポンプ口径 50 mm

吐 出 量 0.15 m3/min

揚 程 25 m

原動機容量 2.2 kW

回 転 数 3600 min-1

台 数 1台

(2) 膨張タンク揚水ポンプ

1) ディーゼル機関の冷却水量

QWE=QC

60×ΔT・C・γ

ここに、QWE:必要水量 L/min

ΔT :冷却水の出入口温度差 15 ℃

C :冷却水の比熱 4.19 kJ/(kg・℃)

γ :冷却水の単位体積あたりの質量 約 1 kg/L

QC :ディーゼル機関の発生熱量 (kJ/h)

QC=PE・BE・HU・τ

PE:ディーゼル機関の出力 1400 kW

BE:燃料消費率 0.23

HU:燃料の発熱量(A 重油) 42,700 kJ/kg

τ :冷却水放熱率 0.3

QWE=1400×0.23×42700×0.3

60×15・4.19・1.0 =1093.8 L/min

2) 膨張タンク有効容量

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Qb=qc・Pe・Tn/α =QWE・Tn/α

ここに、Qb:機関1台当り必要膨張タンク容量 L

qc:機関定格時必要冷却水量 L/(kW・min)

Pe:機関1台の所要出力 1400 kW

Tn:無負荷運転時間 (=10min)

α :6 ~ 10

Qb=1093.8×10/(6 ~ 10) = 1823 ~ 1093.8 L → 1.8 m3 とする。

③ 膨張タンクの有効容量 1.8m3を、10分で揚水可能なものを計画する。

1.8

10 = 0.18m3/min

④ 揚 程

(ア) 実揚程

Ha=15m

⑤ 膨張タンク揚水ポンプ諸元

形 式 水中タービンポンプ

口 径 40 mm

揚 程 18 m

吐出量 0.1 m3/min

出 力 1.5 kW

台 数 2台(1台予備)

(3) 屋内排水ポンプ

① 排水ピットの容量を 20 分で排水可能なものを計画する。

排水ピット容量=1.0×1.0×1.0+側溝(0.375m3)=1.375 m3

これを 20分で排水することにする。

1.375

20 = 0.069 → 0.10 m3/min

② 屋内排水ポンプ諸元

形 式 水中モータポンプ

口 径 65 mm

揚 程 10.0 m

吐出量 0.10 m3/min

出 力 0.75 kW

台 数 2台(1台予備)

15m

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(4) 燃料小出槽

燃料小出槽はディーゼル機関全台を3時間運転可能な容量とする。

V=ΣQF×3 h

ここに、V:燃料小出糟有効容量 ℓ

ΣQF:全燃料消費量 ℓ/h

QF= PE×BE

1000×γ

ここに、PE:ディーゼル機関出力 kW

BE:燃料消費率

γ:燃料の単位体積質量

A重油 γ=0.85 kg/ℓ

表 2-20 全燃料消費量

用 途 PE(kW) BE(kg/kW・h) γ(kg/ℓ) QF(ℓ/h) 台 数 小計(ℓ/h)

主ポンプ用 1400 0.23 0.85

378.8 1 378.8

発電機用 74 0.34 29.6 1 29.6

ΣQF = 408.4

V=408.4×3=1225.2 ℓ → 1200 ℓ とする。

数量は1基とする。

(5) 燃料移送ポンプ

燃料移送ポンプの吐出量(Q)は小出槽を 30~60min で給油可能なものとする。

Q=1200 ℓ

(30~60 min)=40~20 ℓ/min

汎用ポンプのカタログから燃料移送ポンプを次のように選定する。

φ25mm歯車ポンプ×2台(内 1台予備)

55 ℓ/min×0.3 MPa×1,800 min-1×0.75 kW

(6) 燃料貯油槽

燃料貯油槽の容量(V)は1回の計画基準降雨時における連続運転に支障のないように決定

する。

本設計では、ディーゼル機関全台を計画洪水継続時間 35 時間運転可能なものとし、それに

20~30%の余裕を加えて決定する。

V =ΣQF×35 h×(1.2~1.3)

=408.4×35×(1.2~1.3)=17152.8~18582.2 ℓ → 18,000 ℓ = 18 kℓ

(7) 始動空気槽

空気槽1本の容量は連動操作で3回以上始動可能なものとし、300 ℓ を選定する。

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2-139

(8) 空気圧縮機

空気圧縮機の行程容積(VC )は 300 ℓ 空気糟1本を 30~60min で大気圧から規定圧力

まで充塡できるものとする。

VC=(P2-P1)・VA

T・P0

ここに、VC:空気圧縮機の行程容積 m3/h P0:大気圧 0.10 MPa abs

VA:空気槽の容積 0.30 m3 P1:充塡前の空気槽圧力 0 MPaG

T :充塡時間 0.5~1 h P2:充塡後の空気糟圧力 2.94 MPaG

(2.94-0)×0.30

(0.5~1)×0.10 =17.6~8.9 m3/h

メーカ標準機種から空気圧縮機を次のように選定する。

空冷式2段空気圧縮機×2台(内1台予備)

19.3 m3/h×2.94 MPa×1,800 min-1×3.7 kW

(9) 歯車減速機の給油装置

歯車減速機の初期潤滑油ポンプは下表から 3.7kW とする。

表 2-21 減速機の給油装置の容量及び概略寸法

(10) ディーゼル機関の給油装置

ポンプ駆動用原動機の初期潤滑油ポンプは、3.7kW とする。

尚、自家用発電機駆動用ディーゼル機関の初期潤滑は、始動時クランキングにより行う。

そのため、専用の初期潤滑油ポンプは設けないものとする。

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2-140

(11) 換気扇

1) 換気容量の算出

換気容量は各機器より大気放熱する熱量の排出と燃料の燃焼に必要な空気量から求め

られる。

各機器からの発生熱量計算式を表-3 に示す。

換気扇の容量はそれぞれ次式から求める。

a) 排気扇

排気扇の容量は、ポンプ室内の温度上昇防止と機械室として要求される適切な換気回数

(8~12 回/h、平均 10 回/h 程度)の選定から決定する。

室内温度上昇防止のための排気扇容量は、式-1 から算出する。

VF=QM+QE+QG+QR+QB-QW+QD+QS

60・ρ・CP・ΔT (式-1)

ここに、 VF :排気扇の容量 (m3/min)

QM :電動機からの発生熱量 (kW)

QE :ディーゼル機関の発生熱量 (kW)

QG :発電機の発生熱量 (kW)

QR :流体継手の発生熱量 (kW)

QB :歯車減速機の発生熱量 (kW)

QW :ポンプ室の床、壁面から放熱する熱量 (kW)

QD :排気消音器及び排気管の発生熱量 (kW)

QS :配電盤からの放熱量 (kW)

ρ :空気密度 1.2 (kg/m3、at30℃)

CP :空気の定圧比熱 1.01 (kW・h/kg・℃、 at101.3 kPa、30℃)

ΔT :室温と外気温との差で 5~10℃とする

b) 給気扇

室内の温度上昇を防止する換気量と機関燃焼に必要な空気量を給気するもので、 その

容量は式-2 から求める。

V=VE+VF+VR+VB (式-2)

ここに、V :給気扇の容量 (m3/min)

VE :ディーゼル機関燃焼に必要な空気量 (m3/min)

VF :排気扇容量 (m3/min)

VR :ラジエータファンによる排気量 (m3/min)

VB :空冷ディーゼル機関における冷却空気量 (m3/min)

c) 換気設備の容量

換気設備の容量計算の中で、温度差ΔT=10℃としたのは、夏期外気温度 30℃、室内最

高許容温度 40℃の差より定めた。実際にはポンプ室の床、壁、天井面からの放熱量(一

般には発熱量の 6~10%程度)もあり、十分余裕となるので 10℃で計算する場合が多い。

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2-141

本設計では第3種機械換気を採用するので換気設備容量は下図に示すVFを求めればよ

い。

エラー! 編集中のフィールド コードからは、オブジェクトを作成できません。

図 2-19 強制排気方式(第3種機械換気)

d) 発生熱量の算出

本設計では、流体継手を使用しないこと、また、配電盤は専用の電気室に設置すること

から QR と QS は計算対象外であり、QW は余裕として計算から除外する。

ア 電動機から発生する熱量 QM

補機用電動機から発生する熱量を求める。ただし、間欠運転で長時間停止する補機は

除くので、本設計では発生熱量はないものとする。

QM=0

e) ディーゼル機関から発生する熱量 QE

QE=QE1×1 台+QE2×1 台

ア 主ポンプ用ディーゼル機関から発生する熱量 QE1

QE1=PE1・BE1・HU1・f1

ここに、PE1 =1400 kW

BE1 =0.23 kg/kW・h

HU1 =11.86 kW・h/kg

f1 =0.025 とする (750 min-1)

f1:ディーゼル機関の表面から発熱する比率

高速ディーゼル機関(1,200 min-1 以上)0.04

低速ディーゼル機関(600~1,000 min-1 以下)0.02~0.025

QE1=1400×0.23×11.86×0.025=95.473 kW

イ 自家用発電機ディーゼル機関から発生する熱量 QE2

QE2=PE2・BE2・HU2・f2

ここに、PE2 =74 kW

BE2 =0.34 kg/kW・h

HU2 =11.86 kW・h/kg

f2 =0.04 とする (1,800 min-1)

QE2=74×0.34×11.86×0.04=11.936 kW

(ア) と(イ)より QE=95.473+11.936=107.409 kW

f) 発電機から発生する熱量 QG

ここに、PG =75 kVA

ηG =0.857

QG=75×0.8×(1-0.857) =8.58 kW

VF

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g) 歯車減速機から発生する熱量 QB

QB=1.0×1400×(1-0.97)×1 台=42 kW

h) 排気消音器及び排気管から発生する熱量 QD

① 主ディーゼル機関の消音器

屋外設置のため、発生熱量はないものとする。

② 自家用発電機ディーゼル機関の消音器

d1=0.57 m、d0=0.42 m、L=0.75 m

QD1= 2×π×(450-37)

2

11.67×0.57+

1

0.08×loge

0.57

0.42

×0.75 /1000 = 0.473 kW

QD2= 450-37

1

11.67+

0.075

0.08

× 2×π×0.422

4 /1000 = 0.134 kW

③ 主ディーゼル機関の排気管

d1=0.60 m、d0=0.45 m、L=8.5 m

QD3= 2×π×(450-37)

2

11.67×0.60+

1

0.08×loge

0.60

0.45

×8.5 /1000 = 5.682 kW

④ 自家用発電機ディーゼル機関の排気管

d1=0.25 m、d0=0.1 m、L=3.0 m

QD4= 2×π×(450-37)

2

11.67×0.25+

1

0.08×loge

0.25

0.1

×3 /1000 = 0.641 kW

⑤ 合計熱量 QD

QD=QD1+QD2+QD3+QD4

=0.473+0.134+5.682+0.641= 6.93 kW

2) 換気設備の容量 VF

換気設備の容量(VF)は式-1 から、

VF= 107.409+8.58+42+6.93

60×1.024×0.00028×(37-27) = 958.653 m3/min

また、ポンプ室の換気回数(10 回/h)から必要な換気設備の容量は、

VF'= W×L×H×10

60

ここに、W =ポンプ室内幅 (=15.0 m)

L =ポンプ室内長さ (=17.8 m)

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H =ポンプ室内高さ (=13.6 m)

VF'= 15.0×17.8×13.6×10

60 =605.2 m3/min

したがって、ポンプ室換気装置(排気扇)容量は 958.653 m3/min と決定する。

3) 換気設備の選定

台数を2台としメーカカタログから換気設備を次のように選定する。

低騒音屋上換気扇×2台

520 m3/min×50 Pa×2.2 kW

4) ディーゼル機関の燃焼に必要な空気量

ディーゼル機関の燃焼に必要な空気量は、次のように求める。

a) 主原動機燃焼空気量

VE1=0.552×BE1×PE1

ここに、BE1 =0.23 kg/kW・h

PE1 =1400 kW

VE1 =0.552×0.23×1400

=177.744 m3/min

b) 自家用発電機機燃焼空気量

VE2=0.552×BE2×PE2

ここに、BE2 =0.34 kg/kW・h

PE2 =74 kW

VE2 =0.552×0.34×74

=13.888 m3/min

aとbより、VE =177.744 + 13.888 = 191.632 m3/min

5) 給気ガラリの検討

自然給気用の給気ガラリの有効開口面積は、次のように求める。

a) 給気量

Vi = VF + VE

=520×2+191.632

=1231.632 m3/min → 1250 m3/min

b) 給気ガラリ

A = Vi

ν×α

ここに、ν:有効開口通過面風速 3.0 m/s

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α:有効開口率 70% (縦型防水ガラリ)

A = 1250 / 60

3.0×0.7 = 9.92 → 10 ㎡

上記より、給気ガラリの有効開口面積は、10 ㎡以上(有効開口率 70%) とする。

(12) 電気設備

電力会社との契約電力、自家発電機容量、制御用直流電源容量、ケーブル選定を次頁以降

に示す。

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