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川川川川川川川川川川川川川川川川 (K-cube) 川川川川 川川川川川川川川 ――川川川川川川川 川川川川川川川川川川川川川川川川川「」 川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川 ―― 川川川 川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川 「」

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川崎の交通とまちづくりを考える会 (K-cube)

川崎市のコミュニティバス

実現に向けて

今年度、コミュニティバス「山ゆり号」が試行運行された麻生区高石地区

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

―― 交 通 不 便 地 域 や「 買 い物 難 民 」 などが社 会 問 題 化

する中 、

私 たちが安 心 して住 み続 けられるために必 要 な交

通 とは? ― ―

1

平成 22年度 まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

は じ め に野 口 浩 史 ( 川 崎 の 交 通 と ま ち づ く り を 考 え る 会 代

表 )

当 会 は 、 市 民 の 立 場 か ら 川 崎 が

「 住 み や す く 」 「 働 き や す く 」

「 安 心 ・ 安 全 で 快 適 に 」 「 環 境

に 配 慮 し つ つ 移 動 で き る 」 交 通

と ま ち づ く り を 実 現 す る た め の

諸 活 動 に 取 り 組 ん で い る 。

近 年 地 域 交 通 を 考 え る 中 で 、

「 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 」 が 全 国 各

地 で 実 現 し 、 地 域 交 通 の 一 端 を

担 う よ う に な っ て き た が 、 残 念

な が ら 川 崎 で の 成 功 事 例 を あ ま

り 聞 か な い 。 そ こ で 、 我 々 が コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 運 営

主 体 に は な り 得 な い も の の 、 市 内 で の 要 望 や 取 り 組 み

の 動 き を 支 援 す る た め 、 現 状 を 把 握 す る と と も に 、 導

入 希 望 や 取 り 組 ん で い る 地 域 ・ 団 体 等 を 調 査 し 、 課 題

点 等 を 抽 出 し て 取 り ま と め 、 市 民 へ の 情 報 提 供 と 関 心

の 喚 起 を 目 的 と し た 調 査 ・ 支 援 事 業 に 取 り 組 む こ と と

な っ た 。

事 業 運 営 に あ た っ て は 、 か ね て よ り 市 内 に お け る コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 調 査 や 取 り 組 み 団 体 と の 交 流 等 を

行 っ て き た 『 持 続 可 能 な 地 域 交 通 を 考 え る 会 』 と の 連

携 の も と 、 平 成 22 年 度 か わ さ き 市 民 活 動 助 成 金 事 業 に

『 ま ち づ く り ・ 地 域 交 通 調 査 支 援 事 業 』 を 提 案 し て 採

択 さ れ た 。 具 体 的 な 事 業 内 容 は 本 文 で 紹 介 す る 通 り だ

が 、 本 書 へ ご 寄 稿 頂 い た 『 長 尾 台 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 協

議 会 』 並 び に 『 宮 前 区 ま ち づ く り 協 議 会 交 通 専 門 部

会 』 と い う 実 際 に 導 入 に 向 け た 活 動 に 取 り 組 ま れ て い

る 団 体 に 加 え て 、 『 横 浜 の 公 共 交 通 活 性 化 を め ざ す

会 』 の 協 力 に よ り 横 浜 ・ 小 雀 地 区 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス

視 察 会 を 開 催 し 、 同 会 主 催 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス ・

フ ォ ー ラ ム に 市 内 取 り 組 み 団 体 と 共 に 参 加 し た 。 東

京 ・ 小 平 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ 交 通 視 察 会 で は 『 小 川 ・ 栄

町 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 走 ら せ る 会 』 他 の 協 力 を 得 て コ

ミ ュ ニ テ ィ 交 通 の 先 進 事 例 視 察 を 行 う こ と が で き た 。

こ の 他 に も 市 内 で 取 り 組 ま れ て い る 団 体 等 か ら 情 報 提

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

供 を 頂 く な ど ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 す る こ と が で き た 。

こ の よ う に 、 市 外 の 先 進 導 入 地 域 と 市 内 取 り 組 み 団 体

と の マ ッ チ ン グ を 行 う こ と が で き た こ と は 本 事 業 の 成

果 と し て 大 き い も の と な っ た 。

そ れ で は 、 本 書 を ご 覧 頂 き 、 川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ

バ ス の 現 状 と 実 現 に 向 け て の 理 解 と 参 考 の 一 助 に な れ

ば と 願 う 次 第 で あ る 。

目 次

は じ め に 、 目 次 .............................................................................................. 1川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 事 情 .................................................... 2

麻 生 区 高 石 地 区 「 山 ゆ り 号 」 の

挑 戦 ...................................................................... 3宮 前 区 ま ち づ く り 協 議 会 交 通 専 門 部 会 .................................. 4宮 前 区 白 幡 台 地 区 、 有 馬 ・ 東 有 馬 地 区 、 野 川 南 台 コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス 「 み ら い 」 ................................................................ 5多 摩 区 長 尾 台 .................................................................................................... 7高 津 区 、 幸 区 .................................................................................................... 8コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス が 地 域 を 創 る Ⅰ 市 民 の 足 を 求 め て

― 東 京 都 小 平 市 の 取 組 ― ...................................................................... 9コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス が 地 域 を 創 る Ⅱ 横 浜 市 戸 塚 区 小 雀

西 地 区 の 取 組 ................................................................................................. 11横 浜 市 ■ コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス に 関 す る フ ォ ー ラ ム 報 告 .12海 外 先 進 事 例 ■ 米 国 ポ ー ト ラ ン ド の 都 市 交 通 政 策 . 13提 言 ~ 川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 実 現 に 向 け て ~ ....14

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助成金審査会で本事業計画を説明する野口代表

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 事 情井 坂 洋 士 ( 持 続 可 能 な 地 域 交 通 を 考 え

る 会 代 表 )

高 齢 化 や 路 線 バ ス 経 営 の 厳 し さ な ど か

ら 、 各 地 で コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 等 の 導 入

へ の 期 待 が 高 ま っ て お り 、 比 較 的 公 共

交 通 の 利 便 が 高 い 川 崎 市 も 例 外 で は な

い 。 こ う し た 中 、 ま ず は 川 崎 市 の コ

ミ ュ ニ テ ィ 交 通 政 策 を 概 観 し て お き た

い 。

川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ 交 通 支 援 策川 崎 市 で は 、 坂 が 多 い 丘 陵 地 や 路 線 バ ス を 利 用 し づ

ら い 地 域 に お け る 交 通 手 段 の 確 保 、 高 齢 化 な ど に よ る

公 共 交 通 へ の 期 待 、 路 線 バ ス 事 業 者 の 厳 し い 経 営 環 境

な ど を 背 景 に 、 川 崎 市 地 域 交 通 あ り 方 検 討 会 が 平 成 17年 に 設 置 さ れ 、 そ の 報 告 を 受 け て 翌 年 度 か ら は 「 交 通

を 通 じ た 持 続 可 能 な 活 力 あ る ま ち づ く り 」 を 目 指 し て

地 域 交 通 検 討 委 員 会 が 設 置 さ れ 、 平 成 19 年 3 月 に 『 地

域 交 通 の 手 引 き 』 =右上=が 発 行 さ れ た 。 本 書 で は あ く ま

で 地 域 住 民 の 主 体 的 な 取 り 組 み を 前 提 条 件 に 置 き つ つ

も 、 計 画 、 ア ン ケ ー

ト な ど の 調 査 検 討 、

法 令 、 試 験 運 行 ・ 実

験 運 行 な ど の 支 援 を 行 政 が 行 い な が ら 本 格 運 行 に 至 る

ま で の 道 筋 が 詳 細 に 規 定 さ れ て お り 、 川 崎 市 の 公 共 交

通 政 策 や 自 動 車 対 策 を 所 管 す る ま ち づ く り 局 交 通 計 画

課 ( 本 年 度 よ り 交 通 政 策 室 ) が 中 心 に な っ て の 取 り 組

み が 進 め ら れ て い る 。 市 の 平 成 22 年 度 予 算 で は 「 コ

ミ ュ ニ テ ィ 交 通 支 援 事 業 」 に 約 2687 万 円 が 計 上 さ れ 、

こ こ に は 麻 生 区 高 石 地 区 で 実 施 さ れ た 運 行 実 験 ( 3ペ ー ジ 参 照 ) 等 の 費 用 が 含 ま れ て い る 。

市 内 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 要 望 地 域川 崎 市 は 首 都 圏 の 中 で も 比 較 的 公 共 交 通 の 利 便 が 高

く 、 中 で も JR 南 武 線 と そ れ に 交 差 す る 鉄 道 各 線 の 利 便

に 支 え ら れ て い る と こ ろ が 大 き い 。 交 通 手 段 分 担 率 の

34% が 鉄 道 で あ り 、 徒 歩 26% 、 自 転 車 16% 、 路 線 バ ス 4%を 合 わ せ て 計 80% の 移 動 に 徒 歩 ・ 自 転 車 ま た は 公 共 交

通 が 利 用 さ れ て お り ( 平 成 20 年 東 京 都 市 圏 パ ー ソ ン ト

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【参考】川崎市の交通政策(川崎市まちづくり局交通政策室)ホームページhttp://www.city.kawasaki.jp/50/50kousei/home/top.htm

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

リ ッ プ 調 査 よ り ) 、 現 時 点 で も 比 較 的 環 境 負 荷 が 低 く

人 に や さ し い 交 通 体 系 に な っ て い る と 言 え る 。

し か し な が ら 、 交 通 に 関 す

る 課 題 が 無 い わ け で は な い 。

先 述 の よ う な 理 由 に よ り 地 域

交 通 へ の 需 要 は 変 化 し て お り 、

既 存 の 交 通 体 系 が 必 ず し も 住

民 の 変 化 に 対 応 し き れ て い な

い 面 が あ る 。 そ の 最 た る も の

は 高 齢 化 に 伴 い 既 存 の 路 線 バ

ス や 鉄 道 が 利 用 し づ ら く な っ

て い る 人 の 増 加 で 、 地 形 そ の 他 の 様 々 な 条 件 か ら コ

ミ ュ ニ テ ィ 交 通 の 拡 充 を 求 め る 声 が 各 地 で 出 て き て お

り 、 ま ず は そ う し た 声 が 出 て い る 地 域 =左図=を 実 際 に 訪

れ る な ど し て 実 態 調 査 を 行 っ た 。

左 図 は 9 月 時 点 ま で に 何 ら か の 形 で 要 望 の 声 が 出 て

い る こ と が 確 認 で き た 地 域 を 挙 げ て お り 、 こ の う ち ◎

● 印 の 5 地 域 に つ い て は 本 書 で 報 告 を 行 っ て い る 。 ま

た 、 左 図 に 載 っ て い な い 地 域 で も 、 各 々 の 事 情 に 応 じ

た 要 望 が あ り 、 路 線 バ ス の 開 設 ・ 延 長 が 実 現 し た 地 域

( 虎 ノ 門 病 院 線 、 カ リ タ ス 線 ) も あ る 。 こ の 他 、 高 津

区 と 幸 区 の 状 況 を 本 書 8 ペ ー ジ で 概 説 し て い る 。

既 に 現 実 に な っ て い る 高 齢 化 や 交 通 事 故 、 大 気 汚

染 ・ 騒 音 な ど の 道 路 公 害 は も と よ り 、 今 後 は 地 球 温 暖

化 や 石 油 枯 渇 な ど に よ り 、 自 家 用 車 に 依 存 し た 生 活 は

一 層 厳 し く な る だ ろ う 。 今 は 元 気 に 歩 け て い る 人 も 、

10 年 後 、 20 年 後 に は 高 齢 者 の 仲 間 入 り を す る こ と に な

り 、 今 困 っ て い る 人 の 声 は 、 明 日 は 我 が 身 の 問 題 で も

あ る 。 地 域 を 住 み よ い ま ち に す る に は 、 世 代 を 超 え た

住 民 が 関 心 を 持 っ て 取 り 組 む 必 要 が あ る し 、 先 進 的 な

取 り 組 み に よ り 交 通 を 良 く す る こ と が 、 地 域 の 絆 を 強

め る こ と に も つ な が っ て い る 。 以 下 、 具 体 的 な 事 例 を

ご 覧 い た だ き た い 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

麻 生 区 高 石 地 区 「 山 ゆ り 号 」の 挑 戦高 橋 喜 宣 ( 川 崎 の 交 通 と ま

ち づ く り を 考 え る 会 )

車 が な け れ ば 生 き て い け ない 地 域「 ど う し て バ ス に 乗 ら な い の か と 言 わ れ る け れ ど 、

こ こ で は 車 が な け れ ば 、 生 き て い け な い 」 と 地 元 生 ま

れ の 笠 原 登 さ ん (73) は 語 る 。 こ の 自 動 車 ば か り が 目 に

つ く 、 自 転 車 や バ イ ク が ほ と ん ど 見 ら れ な い 多 摩 丘 陵

地 帯 に 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 本 格 運 行 に 向 け て 挑 戦 し

て い る グ ル ー プ が い る 。 2010 年 6 月 1 日 、 川 崎 市 麻 生 区

高 石 地 区 に て 3 ヶ 月 間 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 試 行 運 行

が 始 ま っ た = 下 写 真 。

か つ て 、 こ の 丘 陵 地 帯 の 高 石 地 区 に は ほ と ん ど 住 民

は 住 ん で お ら ず 、 当 り 一 面 が 雑 木

林 で 、 谷 間 に は 湧 き 水 が 流 れ 、 蛍

が 飛 び 交 う 自 然 豊 か な 地 域 だ っ た

と い う 。 1950 年 後 半 か ら 切 り 売 り

状 態 で 開 発 が 進 み 、 急 な 坂 が 多 く

道 幅 が 狭 い = 左 写 真 = た め 、 路 線

バ ス は 運 行 で き な い 。 2004 年 、 こ

う し た 交 通 不 便 地 域 の 解 消 を 目 指

し 、 住 民 が 麻 生 区 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 協 議 会 を 立 ち 上 げ

た 。 し か し 、 過 去 2007 年 か ら 1 度 の 運 行 実 験 と 2 度 の 試

行 運 行 を 、 市 の 協 力 で 実 現 し た が 、 本 格 運 行 に 至 ら な

か っ た 。

「 今 回 3 度 目 の 試 行 運 行 で 、 何 と か 本 格 運 行 に つ な

げ 成 功 さ せ た い 」 と 、 麻 生 に 生 ま れ

育 っ た 碓 井 勝 次 会 長 ( 83 ) は 訴 え て い る 。

「 自 ら の 足 を 自 ら の 力 で 」 と い う 市 の 基 本 方 針本 格 運 行 へ の 鍵 は 採 算 性 。 市 側 は 「 出 来 る 限 り の 支

援 を し て 行 き た い 」 と 述 べ る 一 方 、 「 自 ら の 足 を 自 ら

の 力 で 」 と い う 方 針 で 採 算 性 重 視 の 姿 勢 を 崩 さ な い 。

前 回 2007 年 12 月 か

ら 3 ヶ 月 間 、 6 人 乗

り タ ク シ ー 2 台 を

使 っ て 月 140万 円 の

6

山ゆり号、急斜面に開発された住宅地を走る

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

収 入 を 見 込 ん だ が 、 3 ヶ 月 で 経 費 約 420万 円 に 対 し 約 211万 円 の 赤 字 と な っ た 。 こ の た め 、 (1) 平 日 の み の 運 行 (2)ル ー ト の 見 直 し (3) タ ク シ ー の 大 型 化 ( 8 人 乗 ) に よ り

―台 数 を 減 ら し て 人 件 費 を 抑 え る な ど と し て 、 採 算 性

を 考 慮 。 サ ポ ー タ ー 割 引 制 度 を 導 入 。 そ れ に よ っ て 、

約 6 割 強 減 の 月 額 約 60 万 円 を 経 費 と し て 見 込 ん だ 。 基

本 料 金 は 大 人 300円 、 子 供 100円 。 70 歳 以 上 や 障 が い 者 は

200円 。 サ ポ ー タ ー 会 員 に 登 録 す る と 、 運 賃 が 50 円 安 く

な り 、 70 歳 以 上 の 登 録 者 は 150円 引 き と な る 。

試 行 運 行 の 結 果 、 期 間 中 の 利 用 人 数 は 計 5741 人 で 、

1 日 の 平 均 利 用 者 は 6 月 が 72 人 、 7 月 は 90 人 、 8 月 は

102人 に 上 り 、 3 カ 月 間 の 平 均 は 88 人 に 達 し た 。 「 1 カ

月 平 均 の 運 賃 収 入 は 約 51 万 円 で 、 本 格 運 行 し た 際 に 年

間 6 千 円 の 登 録 料 を 支 払 う こ と に な っ て い る 割 引 制 度

や 車 体 広 告 を 入 れ

る と 、 必 要 経 費 と

さ れ る 月 額 60 万 円 を 超 え た 」 と 言 わ れ る 。

  「 バ ス が 運 行 し て い る の は 知 っ て い る わ 。 で も 歩

け る う ち は こ の 階 段 = 表 紙 写 真 = で 使 っ て 買 い 物 に 行

き ま す 。 で も 5 年 先 を 考 え る と 、 階 段 を 登 る 降 り で き

る か し ら 」 と 地 元 の 高 石 団 地 の お ば あ さ ん 達 。

  「 市 は 来 年 度 の 早 い 時 期 で の 本 格 運 行 へ 向 け て 、

支 援 策 な ど を 検 討 し て い る 」 と 2010 年 10 月 6 日 付 『 神 奈

川 新 聞 』 に 報 道 さ れ た が 、 未 だ 本 格 運 行 に 至 っ て い な

い 。

7

4 度目の運行に向けて、出陣式は盛大に行われたが・・

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

宮 前 区 ま ち づ く り 協 議 会 交通 専 門 部 会藤 田 信 吾 ( 宮 前 区 ま ち づ く

り 協 議 会 交 通 専 門 部 会 会

長 )

活 動 の 主 旨宮 前 区 ま ち づ く り 協 議 会 の ひ と つ の 組 織 と し て 、

「 交 通 の 利 便 性 の 良 い ま ち づ く り 」 を 理 念 に 、 平 成 7年 よ り 区 民 の 有 志 が 活 動 し て い ま す 。 主 に 公 共 交 通 の

空 白 地 帯 の 解 消 を 目 指 し て 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 導 入

検 討 や 既 存 バ ス 路 線 の 改 善 検 討 を し て お り 、 こ れ ま で

の 活 動 で の 大 き な 成 果 と し て 虹 バ ス 路 線 の 開 設 が あ り

ま す 。

こ れ ま で の 活 動 実 績 虹 バ ス 路 線 の 開 設 ( 虎 ノ 門 病 院 分 院 線 )

宮 前 平 駅 ~ 区 役 所 ~ 宮 崎 台 駅 ~ 虎 ノ 門 病 院 分 院 を 結

ぶ 路 線 を 市 民 、 行 政 、 東 急 バ ス の 3 者 で 協 働 し て 開 設

し た 、 市 民 発 意 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス で す 。 コ ミ ュ ニ

テ ィ バ ス と い っ て も 、 行 政 か ら の

財 政 補 助 の な い 、 民 間 独 自 採 算

ベ ー ス の 開 設 路 線 で す 。 車 体 の デ

ザ イ ン を 市 民 公 募 し 、 そ の 形 か ら

愛 称 が 「 虹 バ ス 」 に な り ま し た 。

中 核 病 院 へ の 足 の 確 保

●虎 ノ 門 病 院 分 院 虹 バ ス と し

て 実 現  (右写真)

●川 崎 市 立 多 摩 病 院 登 戸 駅 へ の バ ス 路 線

●横 浜 市 立 北 部 病 院 鷺 沼 駅 ~ セ ン タ ー 北 駅 路 線

●聖 マ リ ア ン ナ 医 大 病 院 増 便 と 鷺 沼 駅 か ら の ア ク セ

交 通 空 白 地 帯 の 解 消

●白 幡 台 地 区 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 勉

強 会 (5 ページ参照)と 協 力

●有 馬 ・ 東 有 馬 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス

協 議 会 (5 ページ参照)へ の 協 力

そ の 他

●区 役 所 を 中 心 と し た バ ス 時 刻 表

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「虹バス」東急バス虎ノ門病院線(通常塗装車)

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

の 作 成 配 布  (右写真)

●鷺 沼 駅 周 辺 の 交 通 調 査 ( 問 題 点 の 調 査 )

●バ ス 停 留 所 の 環 境 整 備 に 向 け た 調 査 実 施

現 在 の 問 題 点宮 前 区 は 川 崎 市 内 で も 山 坂 が 多 く 、 鉄 道 駅 も 3 つ し

か な く 、 公 共 交 通 で あ る 路 線 バ ス に 頼 る と こ ろ が 多 い 。

そ の バ ス も 主 要 道 路 が 低 地 を 走 る た め バ ス を 降 り て か

ら 住 居 ま で は 坂 道 を 登 る 必 要 が あ る な ど 、 特 に 高 齢 者

に と っ て 、 不 便 に な り つ つ あ り ま す 。 そ の た め コ ミ ュ

ニ テ ィ バ ス の 導 入 が 必 要 と の 声 が 多 く 、 区 の 課 題 と も

な っ て い ま す 。

交 通 専 門 部 会 と 共 に 、 各 地 区 の 活 動 が あ り ま す が 、

市 民 、 行 政 、 事 業 者 の 3 者 協 力 体 制 の 実 現 に は 隘 路 が

多 く 、 苦 戦 し て い ま す 。

9

本文中にもあるように、宮前区は面積 18.6km2の中に鉄道駅が 3 つ、田園都市線が一方向に走っているのみで、しかも、全域が丘陵地で自転車の利用範囲も限られ、区民の足の大部分を路線バスに頼っています。さらに、歴史的な中心地(宮前地区=馬絹、向丘地区=平)と現在の行政の中心(宮前平駅の北側の丘の上)や公共施設(病院など)と交通結節点(鷺沼駅など)が一致していないことが、問題をより難しくしていそうです。半面、市内 7 区の中で最も活発に交通の課題に取り組まれているのも宮前区だと思います。私たちの毎日の足が市民有志の継続的な活動に支えられていることを、忘れずにいたいところです。 (井坂)

宮前図書館の入口に掲示されているバス時刻表

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

宮 前 区 白 幡 台 地 区 コ ミ ュ ニ テ ィ バス 勉 強 会藤 田 信 吾 ( 宮 前 区 ま ち づ く り 協

議 会 交 通 専 門 部 会 会 長 )

勉 強 会 は 馬 の 背 の 丘 陵 地 帯 ( 白 幡 台 地 区 、 初 山 団 地

地 区 、 初 山 地 区 、 南 菅 生 地 区 、 蔵 敷 団 地 地 区 ) の 5 地

区 の メ ン バ ー と 交 通 専 門 部 会 で 毎 月 1 回 行 っ て い ま す 。

平 成 16 年 に コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 運 行 実 験 を 1 ヶ 月 間

行 い ま し た 。 そ の 時 は 採 算 の 計 算 や PR に 経 験 不 足 も あ

り 、 採 算 面 で 運 行 は 実 施 困 難 と の 結 果 で し た 。 こ の 地

区 は 超 高 齢 化 地 帯 で あ り 、 高 齢 者 運 転 、 防 災 、 防 犯 等

の 生 活 環 境 の 確 保 が 重 要 な 課 題 で す 。 こ れ ま で の 経 験

を 生 か し 、 不 便 地 帯 を 解 消 す る た め の 路 線 の コ ミ ニユテ ィ バ ス 導 入 を 検 討 し て い ま す 。 こ れ か ら は 導 入 に 向

け て 地 域 の 問 題 、 専 門 的 な 事 項 、 法 律 や 制 度 等 の 多 く

の 問 題 を 地 域 住 民 と 行 政 と 事 業 者 が 連 携 し て 取 り 組 む

必 要 が あ り 、 皆 様 の ご 協 力 を お 願 い し ま す 。

活 動 の 経 緯(1) 平 成 16 年 1 月   白 幡 台 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 運 行 実 験

実 施

(2) ま ち づ く り 広 場 「 白 幡 台 の 交 通 を 考 え る 」 会 を 地

元 で 2 回 開 催

(3) 平 成 18 年 9 月   白 幡 台 地 区 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 勉 強

会 を 発 足

(4) 平 成 19 年   採 算 性 と 利 便 性 を 元 に 路 線 を 検 討 、 現

地 調 査 を 実 施

(5) 平 成 20 年   他 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 導 入 ま で の 問

題 点 と 解 決 等 に つ い て 調 査

事 業 者 、 行 政 と 合 同 現 地 調 査 の 結 果 、 道 路 幅 員 狭 隘

等 の 問 題 解 決 ま で は 運 行 が 難 し い こ と が 判 明 、 新 路

線 を 検 討 し 合 同 現 地 調 査 を 実 施 し ま し た 。 調 査 結 果

で 「 1 箇 所 坂 道 で バ ス の 底 面 が 道 路 に 触 れ る 可 能 性

が あ る 」 こ と か ら 再 検 討 が 必 要 と な り ま し た 。

(6) 平 成 21 年   新 路 線 で の 運 行 実 験 を 小 型 バ ス で と 考

え 、 走 行 環 境 テ ス ト の 準 備 を し て い る が 、 肝 心 の 小

型 バ ス の 手 配 が で き な い と の こ と で 、 活 動 が 停 止 し

て い ま す 。

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

現 在 の 問 題 点(1) 既 に 1 度 運 行 実 験 を 実 施 し て い

る の で 、 新 路 線 で の 運 行 は 実 現

の 目 処 が 立 た な い と 住 民 の み な

さ ん 全 体 で の 取 り 組 み ( 協 議 会

を 立 ち 上 げ て の 取 り 組 み ) に で

き な い 。

(2) そ の た め 、 小 型 バ ス で の 走 行

環 境 テ ス ト が 必 須 と 考 え て い る

が 、 そ の 準 備 段 階 で 取 り 組 み が

止 ま っ て お り 、 こ の 部 分 で は 行

政 と 事 業 者 の 協 力 な く し て は 前

進 で き な い 。

今 後 こ の 部 分 を ど う 取 り 組 め ば 前 進 で き る の か 、 考

慮 中 で す 。

宮 前 区 有 馬 ・ 東 有 馬 地 区野 口 浩 史

宮 前 区 は 、 宮 前 平 駅 か ら 宮 前 区 役 所 に 至 る 坂 道 に 象

徴 さ れ る 通 り 、 市 内 で も 坂 が 多 い 区 で あ る 。 有 馬 ・ 東

有 馬 地 区 に は 古 く か ら の 市 営 団 地 が あ り 、 近 年 は 高 齢

者 の 比 率 が 高 く な っ て き た 。 鷺 沼 駅 な ど の 鉄 道 駅 に 行

く バ ス 路 線 は 充 実 し て い る も の の 、 団 地 や 住 宅 地 か ら

バ ス 停 に 向 か う 坂 道 が 多 く 、 公 共 施 設 ・ 病 院 な ど を 結

ぶ 交 通 が 不 足 し て い る こ と か ら 、 地 元 の 町 会 ・ 市 営 団

地 自 治 会 ・ 商 店 会 な ど か ら コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 導 入 を

望 む 声 が 出 さ れ る よ う に な っ た 。

平 成 17 年 1 月 に 有 馬 ・ 東 有 馬 地 区 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス

導 入 協 議 会 が 発 足 す る 。 地 元 の 有 馬 町 会 、 東 有 馬 町 会 、

市 営 団 地 自 治 会 、 有 馬 温 泉 商 店 会 等 を は じ め 、 市 議 会

議 員 や 宮 前 区 ま ち づ く り 協 議 会 交 通 専 門 部 会 も 加 わ り 、

同 年 、 当 初 路 線 案 の 宮 前 区 役 所 ― 宮 前 平 駅 ― 有 馬 病 院

― 有 馬 ・ 東 有 馬 地 区 ― 地 下 鉄 中 川 駅 ( 片 道 約 10km) に

つ い て 、 関 係 者 に よ る 実 験 走 行 、 事 務 局 に よ る 路 線 ・

停 留 所 候 補 地 実 地 踏 査 、 市 ( コ ン サ ル タ ン ト 起 用 ) に

よ る 実 験 走 行 、 県 警 立 会 い に よ る 実 車 走 行 テ ス ト 等 を

経 て き た が 、 停 留 所 設 置 条 件 な ど に 大 幅 な 検 討 事 項 の

指 摘 が あ り 、 計 画 の 見 直 し に つ い て 行 政 と 協 議 会 と の

話 し 合 い が 続 け ら れ た 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

翌 平 成 18 年 に 行 政 か ら 当 初 案 の 約 半 分

と な る 片 道 5km の 短 縮 路 線 が 提 案 さ れ 、

採 算 性 を 踏 ま え た 検 討 が 重 ね ら れ て き た 。 以 降 、 20 数回 を 数 え る 協 議 会 の 中 で 、 川 崎 市 か ら 提 案 の あ っ た 改

善 案 を 軸 に 、 路 線 の 妥 当 性 ・ 採 算 性 ・ 運 行 時 間 ・ 実 験

期 間 等 に つ い て 様 々 な 議 論 が 重 ね

ら れ て き た 。 平 成 22 年 12 月 に 市 議

会 議 員 よ り 議 会 の さ ら な る バ ッ ク

ア ッ プ も 可 能 に な る と の 意 見 か ら 、

協 議 会 と し て 、 川 崎 市 長 に 対 し て

早 朝 か ら の バ ス 運 行 と 半 年 程 度 の

実 験 期 間 の 設 置 を 盛 り 込 ん だ 運 行

実 験 実 施 の 要 望 書 を 提 出 し た 。

現 在 も 実 現 に 向 け た 運 行 実 験 の 実 施 な ど 、 検 討 が 続

け ら れ て い る 。

宮 前 区 野 川 南 台 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 「 み ら い 」井 坂 洋 士 ( 持 続 可 能 な 地 域 交 通 を 考 え る 会 )

宮 前 区 内 で は 周 辺 の 鉄 道 駅 へ 向 か う バ ス 路 線 が 発 達

し て お り 、 大 半 の 地 域 で は 、 健 脚 な ら ば 10 分 も 歩 け ば

バ ス 通 り ま で 出 る こ と が で き る 。 か つ て は 農 業 が 盛 ん

だ っ た 丘 陵 地 だ が 今 で は 至 る 所 に 団 地 が 造 成 さ れ て お

り 人 口 も 多 く 、 バ ス 利 用 者 が 多 い こ と か ら 、 相 応 の 便

数 が 維 持 さ れ て い る 。

と こ ろ が 、 丘 陵 地 の 高 台 に 造 成 さ れ て か ら 3 ~ 40 年

経 つ 団 地 を 中 心 に 、 高 齢 化 に 伴 い 、 バ ス 停 に 出 る ま で

の 急 坂 が 障 害 に な り 、 買 い 物 や 通 院 、 公 共 施 設 な ど へ

の 外 出 が で き な い 住 民 の 増 加 が 課 題 に な っ て い る 。

こ う し た 課 題 を 受 け コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス

の 継 続 運 行 実 現 に 向 け た 調 査 を 行 っ て

い た 本 会 で は 、 市 内 で 唯 一 の 継 続 運 行

事 例 と 言 わ れ る コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 「 み

ら い 」 の 自 主 運 行 を 2008 年 7 月 よ り 始 め

た 県 営 野 川 南 台 団 地 自 治 会 ( 738世 帯 1500人 ) へ 、 翌 年 7 月 に 視 察 へ 訪 れ た 。 運 行

ル ー ト は 左 図 の 3 系 統 で 、 郵 便 局 や コ ン

ビ ニ エ ン ス ス ト ア な ど の 敷 地 で 乗 降 を

行 い 、 近 隣 商 店 で の 買 い 物 や 、 路 線 バ

ス に 乗 り 換 え て 鉄 道 駅 な ど へ 出 る こ と が で き る よ う 工

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2009年 3月実施の実験運行の様子

2009年 3月実施の実験運行の様子

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

夫 さ れ て い る 。 週 3 日 ( 月 ・ 水 ・ 金 ) 、 1 日 3 ル ー ト 計

18 便 が 運 行 さ れ て お り 、 ボ ラ ン テ ィ ア 運 転 手 に よ る 自

主 運 行 に よ り 経 費 を 抑 え て い る 。

こ の 運 行 に よ り 、 今 ま で 外 出 を 控 え て い た お 年 寄 り

が 外 出 し や す く な っ た 、 車 内 で 話 が で き て 楽 し い 、 運

転 手 さ ん が 乗 り 降 り を 手 伝 っ て く れ て 助 か る 、 と い っ

た 声 が 聞 か れ た 。 そ の 一 方 で 課 題 も あ る 。 道 路 運 送 法

そ の 他 法 令 の 制 約 に よ り 自 治 会 員 し か 利 用 で き ず 、 公

道 上 で の 乗 降 も 制 限 さ れ て い る 事 な ど か ら 、 乗 合 バ ス

と し て の 機 能 は 果 た せ な い 。 さ ら に 運 賃 を 取 れ ず 、 運

行 を 維 持 す る た め に 寄 付 ・ 協 賛 収 入 も 得 て い る が 、 自

治 会 か ら の 負 担 が 重 く の し か か る 。 川 崎 市 の よ う な 独

立 採 算 を 原 則 と す る 地 域 で コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 継 続 運

行 す る こ と の 厳 し さ を 実 感 す る 視 察 に な っ た 。

こ こ 野 川 南 台 で 様 々 な 負 担 を し な が ら も 継 続 運 行 が

出 来 て い る 理 由 は 、 ひ と え に 地 域 の つ な が り が 強 い こ

と に あ る と 思 わ れ る 。 団 地 の 集 会 所 の 掲 示 板 に は 予 定

が び っ し り 書 き 込 ま れ 、 様 々 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活

動 が 継 続 的 に 行 わ れ て い た し 、 7 月 の 夏 祭 り は 毎 年 盛

大 に 開 催 さ れ て い る と い う 。 さ ら に 会 長 は 毎 回 選 挙 に

よ り 選 ば れ て い る と い い 、 自 治 会 活 動 に 会 員 の 皆 さ ん

か ら の 理 解 と 厚 い 信 頼 が 寄 せ ら れ て い る 様 子 が 感 じ ら

れ た 。 こ う し た 地 域 の つ な が り こ そ が コ ミ ュ ニ テ ィ バ

ス 運 行 実 現 の 基 盤 に な っ て い る の だ と 実 感 さ れ る 視 察

と な っ た 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

多 摩 区 長 尾 台児 井 正 臣 (長尾台コ ミ ュ ニ テ ィ 交

通導入推進協議会 会長)

コ ミ バ ス 導 入 に 取 り 組 ん だき っ か け とこ れ ま で の 経 緯多 摩 区 長 尾 台 は 多 摩 川 右 岸 の 丘 陵 上 に あ り 昭 和 40 年

代 に 造 成 さ れ ま し た 。 約 500所 帯 の 住 宅 の 他 、 小 学 校 、

独 立 行 政 法 人 の 研 究 所 、 あ じ さ い 寺 ( 妙 楽 寺 ) な ど が

あ り ま す 。 鉄 道 駅 や 既 存 の バ ス 停 か ら 離 れ て お り 坂 が

き つ く 、 以 前 か ら バ ス の 導 入 希 望 が あ り 、 歴 代 の 自 治

会 の 課 題 で も あ り 、 何 度 か 関 係 方 面 へ の 働 き か け を

行 っ て き ま し た 。 平 成 20 年 9 月 「 長 尾 台 コ ミ ュ ニ テ ィ

交 通 導 入 推 進 協 議 会 」 が 発 足 、 メ ン バ ー は 12 名 で す 。

コ ミ ュ ニ テ ィ 交 通 に つ い て の

学 習 、 先 進 事 例 の 調 査 研 究 、 交

通 量 調 査 、 住 民 へ の ア ン ケ ー ト

な ど を 行 い 、 そ れ ら を ま と め た

「 要 望 お よ び 提 案 書 」 を 平 成 21年 7 月 に 市 に 提 出 し て い ま す 。

現 在 は 、 市 交 通 政 策 室 、 多 摩

区 に 本 社 の あ る 貸 切 バ ス 事 業 者

な ど の 協 力 の も と 、 バ ス 運 行 に 関 す る 詳 細 な 調 査 ・ 研

究 を 行 っ て い ま す 。 ま た 住 民 に 対 し て は 、 説 明 会 や ア

ン ケ ー ト を 通 じ 、 住 民 の 希 望 す る ル ー ト や 運 行 時 間 帯 、

運 行 頻 度 、 希 望 料 金 な ど を 聞 き 、 絞 り 込 み を 行 い 、

サ ー ビ ス 案 を 作 成 し ま し た 。

当 該 地 域 住 民 や 、 広 く 市 民 に お 伝 え し た い こ と以 下 の 3 原 則 の も と に 活 動 を 行 っ て い ま す 。

(1) 当 地 へ の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 導 入 に 、 地 域 住 民 だ け

で な く 全 川 崎 市 民 が 納 得 で き る 理 由 を 明 確 に す る 。

(2) 既 存 の 路 線 バ ス 網 に 悪 影 響 を 与 え な い と い う こ と

を 明 確 に す る 。

(3) 技 術 面 と 経 済 面 で 持 続 可 能 な サ ー ビ ス を 作 る 。

当 初 は (3) の み を 解 決 す る こ と に 集 中 し て い ま し た が 、

途 中 で ま ず (1)(2)が 解 決 さ れ な い 限 り (3) に は 進 め な い こ

と が わ か り ま し た 。 そ の 中 で 、 (2) に つ い て 関 係 機 関 と

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最寄り駅・バス停からの急な坂

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

の 調 整 の 場 を 作 る よ う 市 交 通 政 策 室 に 要 請 し 、 地 域 公

共 交 通 会 議 分 科 会 と し て 開 催 が 決 ま り ま し た 。

こ こ で は 長 尾 台 に コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス が 走 る こ と に

よ っ て 、 既 存 の 路 線 バ ス の 利 用 者 が 減 る と 同 時 に 、 逆

に 増 え る 可 能 性 も あ る 、 そ れ は 自 動 車 に し か 頼 れ な

か っ た 多 く の 高 齢 者 に 、 自 動 車 を 手 放 さ せ る き っ か け

と な る 。 し か し 行 き 先 や 利 用 時 間 に よ っ て は す べ て を

コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス で カ バ ー す る こ と は で き ず 、 必 然 的

に そ の 人 た ち は 既 存 の 路 線 バ ス を 利 用 す る よ う に な る

か ら で あ る 。 自 動 車 依 存 か ら 公 共 交 通 機 関 を 「 か し こ

く 」 使 う 方 向 へ と 変 わ っ て 行 く モ ビ リ テ ィ ・ マ ネ ジ メ

ン ト の 実 ケ ー ス と し て 、 市 長 も 明 言 さ れ て い る 私 交 通

か ら 公 共 交 通 に シ フ ト さ せ る と い う 川 崎 市 の 交 通 基

本 戦 略 の た め の 具 体 的 施 策 の ひ と つ で あ る と い う こ と

を 訴 え て ゆ き ま す 。

今 後 の 展 望 、 目 標   等一 部 住 民 へ の ア ン ケ ー ト を 通 じ 、 利 用 予 測 が あ る 程

度 で き ま し た の で 、 今 後 は そ の 他 の 住 民 や 来 訪 者 な ど

の 潜 在 需 要 の 顕 在 化 を 行 い ま す 。 そ の た め に は 運 行 実

験 が 必 要 で あ り 、 こ れ を 市 に 要 求 し て ゆ き ま す 。 そ の

結 果 を 反 映 さ せ て サ ー ビ ス 内 容 の 見 直 し を 図 り 、 試 行

運 行 、 本 運 行 に 続 け て ゆ き た い と 考 え て い ま す 。 本 運

行 前 の 地 域 公 共 交 通 会 議 で は 、 我 々 の 3 原 則 を 明 確 に

説 明 で き る よ う に し ま す 。 運 行 実 験 は 23 年 度 中 に 、 本

運 行 は 遅 く と も 25 年 度 に は 実 現 さ せ た い と 考 え て い ま

す 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

高 津 区 、 幸 区井 坂 洋 士

高 津 区JR 南 武 線 と 東 急 田 園 都 市

線 ・ 大 井 町 線 が 交 差 す る 溝 口

駅 周 辺 に 中 心 市 街 地 を 形 成 し

て お り 、 川 崎 市 第 2 の 商 業 地

域 と し て 商 業 が 集 積 し て い る 。

概 ね 北 部 の 高 津 地 区 、 南 部 の 橘 地 区 に 分 か れ て お り 、

多 摩 川 に 沿 う 北 部 の 高 津 地 区 に は 平 坦 地 が 多 い 。 区 内

に は 鉄 道 駅 が 7 つ ( 隣 接 区 に 1 つ ) あ り 、 平 坦 地 で は 徒

歩 と 自 転 車 利 用 が 盛 ん で 、 区 内 を 走 る 路 線 バ ス 網 は 溝

口 駅 へ 集 中 し て い る ( 一 部 に 新 城 駅 、 小 杉 駅 ~ 鷺 沼 駅

等 の 路 線 が あ る ) 。

こ の よ う に 比 較 的 交 通 の 利 便 が 高 い 地 域 で は あ る が 、

最 近 で は 工 場 跡 地 に 大 型 マ ン シ ョ ン が 建 設 さ れ て 通 勤

通 学 需 要 が 新 た に 発 生 す る と と も に 、 か つ て 開 発 さ れ

た 宅 地 で 高 齢 化 が 進 む 等 の 事 情 を 受 け て 、 路 線 バ ス の

改 善 や 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 新 設 に 関 す る 要 望 が 出 て

い る 。

久 末 ・ 蟹 ヶ 谷 地 区 は 、 周 辺 道 路 お よ び 丘 の 上 の 蟹 ヶ

谷 バ ス タ ー ミ ナ ル を 発 着 す る 路 線 は 充 実 し て い る 一 方 、

急 坂 が 多 く 傾 斜 地 に 住 宅 が 建 っ て い る た め 、 バ ス 停 ま

で の 急 坂 が 障 害 に な っ て い る 。 久 末 地 区 で は 外 周 部 に

路 線 バ ス が 運 行 さ れ て い る が 、 中 央 の 谷 戸 を 通 っ て 高

台 の 団 地 ま で 運 行 す る バ ス 路 線 は 1 系 統 の み 、 そ れ も

日 中 1 時 間 間 隔 で あ る な ど 、 利 便 性 の 課 題 も あ る 。

久 地 ・ 宇 奈 根 地 区 は 、 最 寄 り の 鉄 道 駅 ま で 1 ~ 2kmの 距 離 が あ り 、 バ ス 停 も 遠 い 上 に 運 行 本 数 が 日 中 毎 時

2 本 程 度 の 地 域 だ が 、 平 坦 地 の た め 自 転 車 利 用 が 多 い 。

近 年 、 大 型 マ ン シ ョ ン 建 設 な ど に よ り 新 た に 転 入 し た

住 民 が 多 く 比 較 的 高 齢 化 率 が 低 い 地 域 だ が 、 新 た に 転

入 し て き た 住 民 の 通 勤 通 学 需 要 に 加 え 、 高 齢 者 の 移 動

も 課 題 に な っ て い る 。

久 地 地 区 で は マ ン シ ョ ン 建 設 に 伴 い コ ミ ュ ニ テ ィ バ

ス の 運 行 が 検 討 さ れ た 事 が

あ る が 、 継 続 運 行 等 の 課 題

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

に 直 面 し 断 念 さ れ た 経 緯 が あ る 。 現 在 は 、 既 存 の バ ス

路 線 を 持 つ 事 業 者 が 一 部 区 間 を 増 発 す る 形 で の 試 行 運

行 が 行 わ れ て い る 。

幸 区JR 川 崎 駅 西 口 か ら 、 南 武 線 に 沿 っ て 鹿 島 田 駅 ま で の

地 域 。 概 ね 平 坦 な 地 域 だ が 、 南 武 線 各 駅 に 加 え 路 線 バ

ス 網 が 充 実 し て お り 、 自 転 車 と 路 線 バ ス の 利 用 も 多 い 。

ま た 、 JR 横 須 賀 線 ・ 湘 南 新 宿 ラ イ ン の 新 川 崎 駅 も 立 地

す る 。

一 方 、 西 部 の 日 吉 地 区 に 一 部 丘 陵 地 が あ る こ と に 加

え 、 旧 国 鉄 の 新 鶴 見 操 車 場 の 広 大 な 跡 地 が 中 央 に あ り 、

こ の 跡 地 を 越 え る 陸 橋 が 4 ヶ 所 ( う ち 幸 区 内 は 2 ヶ 所 )

に あ る が 、 こ の 跡 地 に よ り 区 内 が 分 断 さ れ て い る こ と

か ら 、 西 側 の 地 区 か ら JR 南 武 線 や 区 役 所 ( 東 側 ) へ 出

る 移 動 が 主 な 課 題 に な っ て い る 。

区 内 を 運 行 す る 路 線 バ ス は ほ と ん ど が 川 崎 駅 を 発 着

し ( こ の 他 に 元 住 吉 駅 や 武 蔵 小 杉 駅 へ 出 る 路 線 が あ

る ) 、 公 共 交 通 網 は 川 崎 駅 が 中 心 に な っ て い る が 、 区

役 所 ・ 図 書 館 ・ 市 民 館 な ど が 鉄 道 駅 か ら 離 れ た 場 所 に

立 地 し て い る こ と 、 区 の 東 西 が 広 大 な 跡 地 で 分 断 さ れ

て い る こ と か ら 、 公 共 施 設 へ の ア ク セ ス 路 線 と し て コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス 運 行 に 期 待 す る 声 が 出 て い る 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス が 地 域 を 創 る Ⅰ 市 民 の 足 を 求 め て― 東 京 都 小 平 市 の 取 組 ―高 橋 喜 宣

「 コ ミ バ ス は 万 能 で は あ り ま せ ん 。 過 大 な 期 待 を

し て は い け な い 。 地 域 に 一 番 合 っ た も の を 、 編 み 出

し て い く こ と で す 」 と 交 通 ジ ャ ー ナ ル リ ス ト の 鈴 木

文 彦 さ ん は 主 張 し て い る 。

  一 人 当 た り の 家 庭 か ら の CO2( 用 途 別 ) で 自 家 用

乗 用 車 の 占 め る 割 合 は 30.3 % ( 国 立 環 境 研 研 究 所 ・

2008 年 度 最 新 集 計 ) で あ る 。 市 民 が CO2 を 削 減 す る

も っ と も 効 果 的 な 方 法 の 一 つ は 、 自 動 車 に な る べ く

頼 ら な い で 、 自 転 車 や 公 共 交 通 を 利 用 促 進 す る こ と

だ 。 そ の 有 効 な 手 段 の ひ と つ が コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス で

あ る 。

し か し 、 単 に 補 助 金 を 多 量 に 使 い 運 行 す べ き だ と

は 考 え な い 。 地 域 住 民 が 地 域 で 利 用 す る と い う 機 運

が な け れ ば 、 た だ 空 気 を 運 ぶ こ と に な り か ね な い 。

地 域 の 市 民 、 地 域 の 企 業 、 行 政 が 一 体 と な っ て 、 コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 運 行 し て い る 地 域 を 探 っ て み た 。

あ る と 心 強 い 市 民 の 足「 今 日 は 駅 ま で 乗 車 。 月 2 、 3 度 と あ ま り 乗 ら な い け れ

ど も 、 バ ス が あ る と 心 強 い で す わ 」 。

「 自 転 車 に 乗 っ て い て ケ ガ を し た ら 、 息 子 に 『 タ ク

シ ー に 乗 り な さ い 』 と 自

転 車 を 捨 て ら れ て し ま っ

た の 。

病 院 ま で 乗 れ る よ う に

な っ て 助 か っ て い ま

す 」 。

「 今 回 が 初 め て 。 今 ま で 夫

を 車 椅 子 で 病 院 に 運 ん で

い ま し た 。 杖 を 突 か せ て 、

夫 を バ ス に 載 せ て み ま し

た 」

こ ん な 女 性 の 話 を 聞 い た 。

こ こ 東 京 都 小 平 市 で は 2004 “年 の コ ミ ニ テ ィ バ ス に じ

”バ ス 試 験 運 行 開 始 ( そ の 後 本 格 運 行 に 移 行 ) を 皮 切

り に 、 2009 年 9 月 か ら ワ ン ボ ッ ク ス 車 両 に よ る コ ミ ュ ニ

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市民の足となっている「ぶるべー号」

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

“ ”テ ィ タ ク シ ー ぶ る べ ー 号 を 運 行 = 右 写 真 。 も っ と 増

や し て 欲 し い と の 声 に 、 小 川 ・ 栄 町 地 区 で も   2010 年 9月 か ら   1 年 計 画 で コ ミ ニ テ ィ タ ク シ ー の 実 証 実 験 運 行

中 だ

= 10 頁 写 真 。

「 に じ バ ス 」 は 市 民 の 虹 の か け は し に な る か小 平 市 は 東 京 都 の 多 摩 地 域 に あ る 市 で 都 心 か ら は 26

キ ロ の と こ ろ に 位 置 し 、 市 内 に は 西 武 鉄 道 の 新 宿 線 、

拝 島 線 、 国 分 寺 線 、 多 摩 湖 線 の ほ か JR 武 蔵 野 線 が 走 っ

て い る 。 鉄 道 が 7 つ 、 市 境 も 含 め る と 9 駅 が あ る 。

「 20 分 歩 け ば ど こ か の 駅 に 出 ら れ る と 市 は い つ も 言 い

ま す 。 で も 東 京 都 の 『 い き い き 事 業 』 の 不 便 地 域 指 定

と は 『 バ ス 停 留 所 か ら 200メ ー ト ル 、 鉄 道 駅 か ら 500メ ー

ト ル 』 と す る と 、 小 平 市 の 65 丁 町 の う ち 、 35 丁 町 が 該

当 し ま す 。 『 本 当 に 交 通 不 便 地 域 』 の 多 い 市 で す 。 こ

れ か ら ま す ま す 高 齢 化 が 進 ん で い く 社 会 で 、 市 民 が 元

気 で 生 活 で き る た め に は 交 通 権 の 確 保 は 欠 か せ な い 市

民 サ ー ビ ス で す 。 鉄 道 駅 、 バ ス 停 、 買 い 物 、 病 院 、 公

民 館 、 図 書 館 な ど コ ミ ュ ニ テ ィ 形 成 の 場 所 な ど へ の ア

ク セ ス で き る 公 共 交 通 の 将 来 ビ ジ ョ ン を 描 い て 、 計 画

に 向 か っ て の 方 策 を 繰 り 広 げ る こ と が 出 来 れ ば 、 『 市

民 の 虹 の か け は し 』 に も な れ る か と 夢 見 て い ま す 。 」

( 『 小 平 市 民 財 政 白 書 』 よ り 抜 粋 )

市 民 の 声 か ら 運 行 実 現こ の コ ミ バ ス “ に じ バ ス ” 運 行 ま で の 道 の り は 簡 単 で

は な か っ た 。 そ こ に は 小 平 市 民 が 自 分 た ち の 足 を 求 め

る と い う 意 思 が あ っ た 。 1986 年 、 小

平 市 プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム 設

置 規 定 に 基 づ く 「 小 平 市 バ

ス 網 対 策 研 究 会 」 が 発 足 し 、

翌 年 9 月 に 提 出 し た 報 告 書 に

「 実 現 は 極 め て 困 難 」 と 断

言 し た 。 そ ん な 中 、 1986 年 、

西 武 バ ス ( 現 在 、 「 に じ バ

ス 」 を 運 行 ) が 路 線 バ ス を

突 然 廃 止 。

  1997 年 12 月 、 「 小 平 に 環

境 バ ス を 走 ら せ る 会 」 を 結 成 、 賛

同 署 名 6,500筆 を 集 め 市 議 会 へ の 請 願

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市民の夢を乗せて走る「にじバス」

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

運 動 を 始 め た 。 2000 年 、 市 の 「 第 2 次 小 平 市 バ ス 網 対 策

研 究 会 」 が 発 足 、 10 か 月 の 調 査 の 結 果 が 150頁 の 報 告 書

に ま と め ら れ た 。

「 こ れ を 受 け て 、 2001 年 5 月 、 『 小 平 市 コ ミ ュ ニ テ ィ

バ ス 研 究 会 』 ( 会 長 : 岡 並 木 氏 。 委 員 12 名 の う ち 3 名が 市 民 公 募 委 員 ) が 発 足 し た 。 研 究 会 は 毎 回 多 数 の 市

民 が 傍 聴 す る 中 で 前 向 き の 討 議

が 進 め ら れ 、 後 日 の コ ミ ニ テ ィ

バ ス ( コ ミ バ ス ) 実 現 に 大 き く 貢 献 し た 」 と い う 。

(『クルマ社会を問い直す』第 60 号(2010 年6 月号) 渡辺進氏「小平市における公共交通不便地域

解消運動」より)

2004 年 1 月 、 市 の コ ミ バ ス 1 号 の 試 験 運 行 が 始 ま っ た 。

だ が 、 賑 や か な と こ ろ し か 通 ら な い 。 そ こ で 2004 年 に

市 内 4 地 域 は 2 万 5 千 筆 の 署 名 を 集 め て 市 議 会 に 請 願 を

出 し た 。 「 お 金 が な い 」 「 N P O を 立 ち 上 げ れ ば 市 は

オ ブ ザ ー バ ー と し て 経 費 を 補 助 す る 」 「 運 動 の 盛 り 上

が っ た 地 域 か ら 対 処 し て い く 」 と い う 市 側 の 意 見 が

あ っ た が 、 市 民 の 力 に よ っ て 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス や タ

ク シ ー の 運 行 が 実 現 し た 。

小 平 市 コ ミ バ ス & タ ク シ ー の 取 組 を 知 ろ う !   意 見交 換 会「 行 政 と 市 民 の 間 に 対 立 す る よ う な 空 気 が あ っ た 。

今 や 協 同 し て お 互 い に 進 む よ う に な っ た 」 と 市 民 代

表 。 「 い や 私 は そ う ( 対 立 す

る よ う な 事 が あ っ た と は )

思 っ て い な い 」 と 市 の 交 通 担

 当 者 。 「 ( コ ミ ニ テ ィ バ ス

運 行 の ) NPO 法 人 を 立 ち 上 げ

れ ば 、 補 助 す る 、 と 市 が 言 っ

た こ と も あ っ た 」 小 平 市 中 央

公 民 館 で の 意 見 交 換 会 で こ ん な 会 話 が 行 わ れ た 。

平 成 22 年 8 月 19 日 、 「 小 平 市 コ ミ バ ス & タ ク シ ー の

 取 組 を 知 ろ う ! 先 進 事 例 を チ ェ ッ ク 」 と 題 し 、 地 元

の 「 小 川 ・ 栄 町 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 走 ら せ る 会 」 代 表

で 「 小 平 に 循 環 バ ス を 走 ら

せ る 連 絡 協 議 会 」 副 会 長 の

渡 辺 進 さ ん の ご 協 力 で 、 視 察 会 と 意 見 交 換 会 を 行 っ

た 。

「 140万 都 市 川 崎 で は 本 格 的 に 運 行 す る コ ミ ュ ニ テ ィ

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地元の市民・行政と川崎市民が意見を交わす

実証実験中にかかわらず地域の担い手となっている

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

バ ス や タ ク シ ー は あ り ま せ ん 。 18 万 都 市 小 平 市 で は 平

成 20 年 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス “ に じ バ ス ” を 皮 切 り に 、 昨 年

9 月 コ ミ ュ ニ テ ィ タ タ ク シ ー “ ぶ る ベ ー 号 ” を 運 行 し 、

更 に 今 年 5 月 か ら 1 年 間 の 実 証 実 験 運 行 を 行 っ て い ま す 。

こ の 違 い は な ぜ で し ょ う か ?   現 地 で 実 際 に 乗 っ て 調

べ て み ま せ ん か 」 と い う の が 今 回 の 目 的 。

「 コ ミ タ ク 事 業 は 行 政 と 市 民 の 協 同 事 業 の 代 表 例 で

す 。 市 民 が 加 わ れ ば 中 味 も 変 っ て く る 。 長 い 紆 余 曲 折

が あ っ た が 、 コ ミ タ ク の 先 進 事 例 に な り し ま た 。 そ の

理 由 と し て 、 賛 同 会 員 が 多 か っ た こ と 、 例 会 ・ 年 次 総

会 を 必 ず や っ た こ と 、 専 門 家 の 鈴 木 文 彦 さ ん ( フ リ ー

の 交 通 ジ ャ ー ナ リ ス ト ) に も ア ド バ イ ザ ー に な っ て も

ら っ た こ と で す 。 大 事 な の は 楽 し く や る こ と 」 と 渡

辺 代 表 は 語 っ て い た 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス が 地 域 を 創 る Ⅱ 横 浜 市 戸 塚 区 小 雀西 地 区 の 取 組高 橋 喜 宣

「 誰 も が 実 現 不 可 能 」 と 言 う 中 で ス タ ー ト「 当 初 、 誰 も が 実 現 不 可

能 、 無 駄 な 努 力 と 半 ば 疑 い の

気 持 ち で ス タ ー ト し ま し た

が 、 多 く の 人 達 の 協 力 を 得 て

実 現 に い た り ま し た 。 天 の

時 、 地 の 利 、 人 の 和 に 恵 ま れ

た と 思 っ て い ま す 」 と 横 浜 市

戸 塚 区 小 雀 町 内 会 長 の 荻 谷 邦

昭 さ ん 。

2005 年 11 月 20 日 、 バ ス 路 線 開 設 に 向 け て 、 町 内 会 及

び 近 隣 の 住 民 が 80 人 で 意 見 交 換 会 を 開 催 。 そ の 4 年 後

2009 年 7 月 6 日 、 定 員 13 名 の 乗 合 バ ス 「 こ す ず め 号 」 の

本 格 運 行 を 実 現 さ せ た 。 現 在 、 運 行 費 用 の 補 助 金 は 一

切 受 け て い な い 。

小 雀 地 区 は 横 浜 市 の 南 西 部 に

位 置 し 鎌 倉 市 と 接 し て い る 。

戸 塚 区 の 中 で 最 少 の 人 口 密 度 で 、 65 歳 以 上 の 人 が 24 %の 超 高 齢 社 会 だ 。 山 と 谷 に 囲 ま れ て 、 平 坦 地 が 少 な く

自 然 が 残 っ て い る 。 大 船 駅 か ら 3 ~ 4 キ ロ 、 バ ス 停 ま で

徒 歩 15 ~ 20 分 と い う 地 区 が 多 い 。 こ れ か ら 高 齢 社 会 に

な っ て も っ と 不 便 と な る だ ろ う と 予 想 さ れ て い た 。 地

元 の 大 手 バ ス 会 社 に 打 診 を し て も 採 算 性 で 困 難 と 耳 を

貸 し て も ら え な い 。 そ こ で 町 内 会 が 全 面 的 に バ ッ ク

ア ッ プ し て 、 小 雀 町 内 会 に 事 務 局 を 設 置 し 、 小 雀 西 地

区 交 通 対 策 委 員 会 を 立 ち 上 げ た 。 地 元 の タ ク シ ー 会 社

で あ る ㈱ 共 同 か ら 2 人 、 住 民 側 9 人 、 地 域 交 通 サ ポ ー ト

事 業 担 当 の 市 職 員 6 人 か ら な る 。 毎 月 協 議 を 重 ね 、 2007年 か ら 3 次 の 本 活 動 時 に は 定 期 的 な 会 合 を 月 2 回 行 う よ

う に な っ た 。

2010 年 10 月 26 日 、 そ の 3 人 の 住 民 側 委 員 に 、 当 会 会 員

5 名 が 現 地 で 話 を 聞 い た 。 「 最 初 は 反 対 で し た 。 で も

途 中 か ら 真 剣 に な り ま し た 」 と 委 員 の 一 人 。 「 う ま く

い く 自 信 は な か っ た が 、 や れ る と こ ろ ま で や ろ う 」 と

い う 合 意 が で き た と い う 。

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住民・行政・事業者の連携で実現、「こすずめ号」

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

3者 が 得 意 分 野 で 力 を 発 揮 、 事 業 者 が 運 行 続 行 を 勇断地 域 住 民 、 行 政 、 事 業 者 が そ れ ぞ れ の 得 意 分 野 で 活

動 を 分 担 。 住 民 は 運 行 ル ー ト を 提 案 し 、 地 元 ・ 地 主 へ

の 説 明 と 承 諾 、 町 内 会 の 「 小 雀 だ よ り 」 に 掲 載 、 チ シ

ラ ・ ポ ス タ ー の 配 布 、 ア ン ケ ー ト の 配 布 と 回 収 を 担 う 。

行 政 の 役 割 も 大 き か っ た 。 市 職 員 や 交 通 計 画 コ ン サ ル

タ ン ト の 派 遣 、 警 察 な ど 他 の 行 政 に 関 わ る 届 出 、 認 可

の 調 整 や 支 援 。 更 に 、 ㈱ 共 同 が 認 可 を 受 け る 事 務 の 支

援 。 実 証 運 行 の 赤 字 補 填 な ど 、 本 格 運 行 ま で 欠 か せ な

か っ た 。 ㈱ 共 同 は 運 行 試 験 を 重 ね 、 運 行 ル ー ト や 停 車

場 の 提 案 、 時 刻 表 の 設 定 な ど 専 門 分 野 で 活 躍 。

そ う し て 2008 年 10 月 5 日 か ら 12 月 4 日 ま で 2 ヶ 月 間 の 試

験 運 行 に こ ぎ つ け た 。 近 隣 自 治 会 に も 協 力 を 要 請 し 、

チ ラ シ の 配 布 、 ポ ス タ ー 掲 示 、 口 コ ミ 促 進 活 動 な ど で 、

10 月 の 平 日 平 均 109人 が 12 月 に は 141人 と な っ て 終 了 。 試

験 運 行 後 、 ㈱ 共 同 の 社 長 が 「 一 旦 中 断 し て か ら の 本 格

運 行 で は 頓 挫 し て し ま う 。 地 域 の 役 に 立 ち た い 。 多 少

の 赤 字 は 覚 悟 」 と 自 主 的 に 運 行 継 続 を 勇 断 し た 。 ( た

だ し 本 格 運 行 時 は 行 政 か ら の 赤 字 補 填 は さ れ な い )

そ れ を 知 る 地 域 住 民 は 「 タ ク シ ー を 呼 ぶ な ら 共 同 さ

ん 」 に し て い る そ う だ 。

望 む こ と を 、 皆 で 楽 し く 実 現そ し て 、 本 格 運 行 が 実 現 に 至 っ た 。 運 行 時 間 は 平 日

6 時 台 か ら 22 時 台 の 26 便 、 土 休 日 は 9 時 台 か ら 20 時 台 13便 。 運 賃 300円 ( 未 就 学 辞 無 料 ) 。 満 車 時 の 増 発 便 の 確

保 と 定 時 運 行 の 正 確 性 で 地 元 の 信 頼 性 を 確 保 し て い る 。

「 こ の 活 動 を 通 じ て 、 住 民 が 望 む こ と を 皆 で 動 け ば 実

現 す る こ と を 知 っ た 。 喜 び を み ん な で 体 験 で き た 」 と 、

萩 谷 町 内 会 長 は 強 調 し た 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

横 浜 市 ■ コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス に 関 す る フ ォ ー ラ ム 報 告小 田 部 明 人 ( 横 浜 の 公 共 交 通 活 性 化 を め ざ す 会 )

2 月 5 日 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を テ ー マ と し た 公 共 交 通

フ ォ ー ラ ム が 横 浜 で 開 催 さ れ 、 各 地 域 で こ の 問 題 に 取

り 組 ん で い る 方 な ど 約 80 名 が 参 加 し 、 各 地 の 現 状 や 課

題 な ど が 語 ら れ た 。

横 浜 市 は 比 較 的 公 共 交 通 に 恵 ま れ て い る と 言 わ れ て

い る が 、 川 崎 市 北 部 地 域 と 同 様 に 丘 陵 地 が 多 く 交 通 不

便 地 域 も 各 所 に あ り 、 高 齢 化 の 進 行 に 伴 っ て 身 近 な 足

の 確 保 を 求 め る 声 が 上 が っ て お り 、 今 回 の フ ォ ー ラ ム

は 都 市 部 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 問 題 が 取 り 上 げ ら

れ た 。

基 調 講 演 は コ ミ ュ ニ

テ ィ バ ス の 第 一 人 者 と 言

わ れ て い る 交 通 ジ ャ ー ナ

リ ス ト の 鈴 木 文 彦 氏 。 地

域 全 体 の 公 共 交 通 ネ ッ ト

ワ ー ク を 組 立 て る 中 で 、

コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を ど う

位 置 付 け 、 活 か し て い く

か を 考 え る こ と が 大 切 で 、

丹 念 な ニ ー ズ 調 査 と 導 入 目 的 を し っ か り 構 築 す る こ と

が 欠 か せ な い と の 話 が あ っ た 。 中 で も 最 も 重 要 な の は 、

「 持 続 で き る 交 通 」 の 仕 組 み を 築 く こ と で 、 そ の た め

に は そ の 地 域 の 最 適 形 態 を 探 り 、 行 政 、 市 民 、 事 業 者

の 役 割 と 責 任 を 明 確 に し 、 み ん な が 当 事 者 に な っ て 地

域 の 交 通 を 育 て る 意 識 を 持 つ こ と が 大 事 で あ る と の 指

摘 が あ っ た 。

事 例 報 告 は 3 地 区 か ら で 、 最 初 の 「 こ す ず め 号 」 は 、

JR 大 船 駅 か ら 戸 塚 区 小 雀 西 地 区 を 結 ぶ ワ ン ボ ッ ク ス タ

イ プ ( 13 人 乗 り ) の 車 両 に よ り 、 試 験 運 行 を 経 て 平 成

21 年 7 月 か ら 本 格 運 行 が 開 始 さ れ た 。 開 始 ま で に は 町

内 会 を 中 心 に 会 合 を 重 ね 実 現 に 結 び 付 け た が 、 活 動 を

通 じ て 町 内 会 へ の 信 頼 が 向 上 し 、 町 内 お よ び 近 隣 地 域

と の 繋 が り が 深 ま っ た と の こ と で あ る 。

2 番 目 は 、 泉 区 下 和 泉 地 区 の 「 E バ ス 」 で 、 こ の 地 区

は 平 成 11 年 の 市 営 地 下 鉄

延 伸 に 伴 う バ ス 路 線 再 編

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盛況となったフォーラム

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

に よ り 、 周 辺 の バ ス の 便 数 が 大 幅 に 削 減 さ れ た 。 ま た

地 域 の 高 齢 化 ( 現 在 の 高 齢 化 率 32% ) が 進 む 中 で 、 平

成 14 年 か ら 自 治 会 の 自 主 運 営 に よ り 運 行 さ れ て い る 。

運 行 形 態 は 貸 切 バ ス を 利 用 し た 会 員 制 で 、 予 め 会 費 を

納 め た 人 の み が 乗 れ る 仕 組 み 。 各 便 に は ボ ラ ン テ ィ ア

に よ る 添 乗 員 が 同 乗 し 、 会 員 券 の 確 認 や 乗 客 の ケ ア を

行 っ て い る 。 運 行 後 の 成 果 と し て 、 住 民 が 外 出 す る 機

会 が 増 え 、 ま た 自 治 会 へ の 協 力 度 が 高 ま っ た こ と が 報

告 さ れ た 。

最 後 の 事 例 報 告 は 、 試 運 行 段 階 で あ る 港 北 区 錦 が 丘

地 区 の 「 菊 名 お で か け バ ス 」 で 、 過 去 7 年 5 回 に 渡 る 試

運 行 の 経 過 と 、 今 年 1 月 か ら 開 始 さ れ た 6 回 目 の 試 運 行

計 画 の 説 明 が あ っ た 。 先 の 2 地 区 と 異 な り 、 市 街 地 で

比 較 的 鉄 道 駅 に も 近 く 恵 ま れ た 地 区 で は あ る が 、 坂 の

多 い 地 域 で 、 高 齢 化 に 伴 い ニ ー ズ は あ る と の こ と 。 今

回 の 試 運 行 は 、 週 1 日 4 便 を 1 年 間 に 渡 り 行 う 予 定 で 、

こ ち ら も 会 員 制 で お 年 寄 り の 買 い 物 支 援 が 主 目 的 で あ

る 。

3 事 例 と も 地 域 住 民 主 導 の 運 行 で あ る が 、 行 政 サ イ

ド ( 道 路 局 ) は 財 政 支 援 を 一 切 行 わ ず 、 運 行 開 始 前 の

調 査 費 や 実 証 運 行 経 費 の 一 部 を 負 担 す る の み で 、 本 運

行 は あ く ま で 地 域 の 責 任 で と の ス タ ン ス で 、 平 成 21 年

度 の 年 間 予 算 は 横 浜 市 の 人 口 368万 人 に 対 し わ ず か に

1500 万 円 で あ る 。 従 っ て 今 後 い か に し て 安 定 的 に 収 入

を 確 保 し て 運 行 を 維 持 し て い く か が 恒 常 的 な 課 題 で あ

る 。

フ ォ ー ラ ム の 最 後 は 、 鈴 木 氏 と 各 地 か ら の 報 告 者 お

よ び コ ー デ ィ ネ ー タ ー 役 の 主 催 者 代 表 に よ る “ コ ミ ュ

ニ テ ィ バ ス が コ ミ ュ ニ テ ィ を つ く る ” と 題 し た パ ネ ル

デ ィ ス カ ッ シ ョ ン が 行 わ れ 、 導 入 に あ た り 最 も 苦 労 し

た 点 な ど が 語 ら れ た 。 鈴 木 氏 か ら は 、 成 功 さ せ る に は

地 域 住 民 の 強 い 意 志 と 頑 張 り が 不 可 欠 だ が 、 今 回 の 3地 区 は そ の 点 が 上 手 く い っ た 要 因 の 一 つ で あ る と の コ

メ ン ト が あ り 、 ま た 今 後 は 後 継 者 づ く り が 求 め ら れ る

と の 指 摘 が あ っ た 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

海 外 先 進 事 例 ■ 米 国 ポ ー ト ラ ン ド の 都 市 交 通 政 策小 田 部 明 人

ア メ リ カ 北 西 部 に 位 置 す る 人 口 57 万 人 ( 都 市 圏 人 口

220万 人 ) の オ レ ゴ ン 州 ポ ー ト ラ ン ド は 、 公 共 交 通 を 活

用 し た 都 市 計 画 の 成 功 事 例 と し て 世 界 中 か ら 注 目 さ れ

て お り 、 全 米 で 住 ん で み た い 都 市 、 エ コ フ レ ン ド リ ー

な 都 市 の ナ ン バ ー ワ ン の 座 を 常 に 獲 得 し て い る 。

ポ ー ト ラ ン ド 市 と 周 辺 の 都 市 で 構 成 す る 「 メ ト ロ 」

と 呼 ば れ る 独 立 し た 行 政 機 関 が あ り 、 こ の 組 織 が 、 土

地 利 用 計 画 と 地 域 公 共 交 通 政 策 を 総 合 的 に 策 定 し 管 理

し て い る 。 メ ト ロ が 管 轄 す る 地 域 で は 都 市 部 と 農 村 部

を 明 確 に 区 分 ( 都 市 成 長 境 界 線 ) し 、 ス プ ロ ー ル 化 を

防 ぐ と 同 時 に 自 然 環 境 の 保 護 と 農 業 の 維 持 発 展 に 努 め

て い る 。

   

<都心 部 を走 るライトレールとバス> <ライトレールMAX の路線図とフリーレイルゾーン>

早 く も 1970 年 代 か ら 歩 行 者 中 心 の ま ち づ く り を 目 指

し 、 市 内 中 心 部 を 流 れ る 川 沿 い の 高 速 道 路 を 撤 去 し 歩

行 者 ・ 自 転 車 用 の 道 路 や 公 園 の 整 備 を 行 い 、 ま た 都 心

部 の ト ラ ン ジ ッ ト モ ー ル 化 や 、 駐 車 場 ス ペ ー ス を 人 々

が 集 ま る 広 場 に 転 換 し て い る 。

ま た ポ ー ト ラ ン ド は 自 動 車 中 心 社 会 の ア メ リ カ に 在

り な が ら 、 公 共 交 通 の 充 実 化 と 利 用 促 進 を 積 極 的 に

図 っ て お り 、 バ ス 路 線 の 整 備 や 郊 外 か ら 街 中 に 直 接 乗

り 入 れ て く る MAX と 呼 ば れ る ラ イ ト レ ー ル の 拡 充 が な

さ れ て い る 。 利 用 促 進 策 で 最 も 特 徴 的 な の が 、 都 心 地

域 で は MAX や ス ト リ ー ト カ ー の 運 賃 は 無 料 ( フ リ ー レ

イ ル ゾ ー ン ) で 設 定 さ れ て お り 、 車 の 利 用 を 抑 制 す る

一 方 で 人 々 が 気 軽 に 移 動 で き ま ち が 活 性 化 さ れ る よ う

に と の ね ら い か ら で あ る 。

地 域 の 公 共 交 通 を 一 元 的 に 運 営 す る 機 関 ( TRIMET) の

財 源 は 、 運 賃 収 入 は 約 2 割 の み で 、 最 も 多 く を 占 め て

い る の が 事 業 所 な ど か ら の 税 金 で 賄 わ れ て い る 。 ( 下

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

図 参 照 )

           

<運 営財源( TRIMET HP から)> <リフト付き小型バス( TRIMET HP から)>

ポ ー ト ラ ン ド の バ ス や ラ イ ト レ ー ル で は 車 イ ス 使 用

の 利 用 者 を 多 く 見 か け る が 、 単 独 で は 乗 合 の バ ス な ど

を 利 用 で き な い 人 々 の 移 動 手 段 と し て リ フ ト バ ス サ ー

ビ ス が 提 供 さ れ て い る 。 前 日 の 夕 方 ま で に 申 し 込 め ば 、

早 朝 か ら 深 夜 ま で い つ で も ド ア ・ ツ ー ・ ド ア で 利 用 す

る こ と が で き 、 1 回 当 た り の 利 用 料 金 は 通 常 の 路 線 バ

ス よ り も 安 い $1.85  の 設 定 と な っ て い る 。 財 源 等 の 問 題

は あ る も の の 、 利 用 者 へ の 負 担 を で き る だ け 抑 え て 高

齢 者 や 障 が い 者 の 外 出 を 促 す 制 度 は 、 我 が 国 の 現 状 と

大 き く か け 離 れ て お り う ら や ま し い 限 り で あ る 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

提 言 ~ 川 崎 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 実 現 に 向 け て ~野 口 浩 史 ( 川 崎 の 交 通 と ま ち づ く り を 考 え る 会 代

表 )

ま ず は 先 進 的 な 都 市 交 通 政 策 を 参 考 に す る麻 生 区 高 石 地 区 の 「 山 ゆ り 号 」 に 乗 り 、 急 な 坂 を

昇 っ て 終 点 に 降 り 立 っ た 時 は 「 川 崎 に も こ ん な 高 台 の

地 域 が あ っ た の か 」 と 正 直 驚 か さ れ た 。 も し 、 歩 行 困

難 と な り 、 マ イ カ ー が 利 用 で き な く な っ た ら と 想 像 す

る と 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 存 在 が 非 常 に 心 強 い も の に

な る と 実 感 で き た 。

そ も そ も 「 ど う し た ら コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 川 崎 で 実

現 で き る の か 」 と の 思 い で 始 め た 本 事 業 。 こ こ で 再 度 、

ポ ー ト ラ ン ド 市 の 都 市 交 通 政 策 ( 左 ペ ー ジ ) を ご 覧 頂

き た い 。 同 市 で は 独 立 行 政 機 関 「 メ ト ロ 」 が 土 地 利 用

計 画 と 地 域 公 共 交 通 計 画 を 総 合 的 に 策 定 し て 管 理 し 、

既 に 40 年 も 前 か ら 歩 行 者 中 心 の ま ち づ く り を 目 指 し 、

バ ス ・ LRTな ど の 公 共 交 通 機 関 を 充 実 さ せ る 都 市 政 策 を

成 功 さ せ 、 同 市 は 全 米 で 住 ん で み た い 、 エ コ フ レ ン ド

リ ー な 都 市 ナ ン バ ー ワ ン に な っ て い る 。 一 方 、 川 崎 市

で は 「 民 間 が 高 台 に 住 宅 を 建 て て そ の 交 通 手 段 を 行 政

に 求 め る の は 如 何 な も の か 」 と い っ た 某 職 員 の 言 葉 を

耳 に し た こ と が あ る が 、 行 政 内 に お け る 都 市 計 画 と 交

通 政 策 が 一 致 し て い な い こ と を 示 す 象 徴 的 な 言 葉 で 、

い わ ゆ る 「 縦 割 り 行 政 」 の 弊 害 の 一 例 と 言 え る 。 コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス 導 入 以 前 の 問 題 と し て 、 ま ず は 先 進 的

な 都 市 交 通 政 策 か ら 学 び 、 取 り 入 れ る こ と か ら 始 め な

け れ ば な ら な い 。

そ し て 市 民 ・ 行 政 の 協 働 を 進 め るコ ミ ュ ニ テ ィ バ ス 成 功 の 条 件 と し て 、 地 域 の 強 い 要

望 と 熱 意 が よ く 挙 げ ら れ る が 、 川 崎 で は そ れ が 足 り な

い の だ ろ う か 。 例 え ば 、 今 回 ヒ ア リ ン グ し た 長 尾 台

( 7 ペ ー ジ ) で は 緻 密 な 導 入 計 画 を 立 て て 、 事 業 者 を

独 力 で 探 し 出 す 、 宮 前 区 ( 4 ~ 6 ペ ー ジ ) で は ま ち づ く

り 協 議 会 が 中 心 と な っ て 永 年 に 亘 り 運 行 ル ー ト 等 を 検

討 す る な ど 、 導 入 に か け る 熱 意 や 取 り 組 み は 先 進 事 例

視 察 で 伺 っ た 小 平 ( 9 ペ ー ジ ) や 小 雀 ( 11 ペ ー ジ ) と

比 べ て も 大 き な 差 は な か っ た 。 結 論 か ら 述 べ る と 、 市

民 ・ 行 政 の 協 働 体 制 に 差 が あ る と 思 わ れ る 。 小 雀 を 例

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まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

に と る と 、 横 浜 市 も 川 崎 市 と 同 様 、 運 行 に 関 し て は 財

政 支 援 を 行 わ ず 、 独 立 採 算 の 立 場 を と り 、 運 行 実 験 等

の 支 援 に 留 め て い る の は 同 じ だ が 、 市 民 側 に 市 職 員 OBが 加 わ り 、 行 政 側 の 担 当 者 も 誠 意 を 持 っ て 、 実 現 を 前

提 に 非 常 に 協 力 的 で あ っ た と 聞 く 。 小 平 で も 当 初 は 行

政 と 市 民 の 間 に 対 立 感 情 が あ っ た も の の 、 議 論 を 経 て

い く う ち に 行 政 か ら も 積 極 的 な サ ポ ー ト が 得 ら れ る よ

う に な っ た 経 緯 が あ り 、 お 互 い の 信 頼 関 係 が 構 築 さ れ

て い っ た と 聞 く 。 と こ ろ が 、 川 崎 で は 「 質 問 に 対 す る

回 答 が 数 ヶ 月 も か か る 」 「 永 年 活 動 し て い る う ち に 市

担 当 者 が 異 動 し て 交 渉 が 振 り 出 し に 戻 る 」 「 市 の 窓 口

担 当 者 や 権 限 は 誰 が 持 つ の か 」 「 市 の コ ミ バ ス 導 入 マ

ニ ュ ア ル に 従 っ て 計 画 を 立 て 要 望 し て も 結 局 認 め ら れ

な い 」 な ど と 、 残 念 な が ら 行 政 に 対 す る 不 満 が 多 く 聞

か れ た 。

当 会 は あ く ま で も 第 3 者 的 立 場 か ら 、 行 政 及 び 市 議

会 議 員 と の 意 見 交 換 も 行 っ て き た が 、 コ ミ ュ ニ テ ィ バ

ス へ の 理 解 が 低 い 訳 で も 、 導 入 意 志 が 弱 い 訳 で も な

か っ た も の の 、 成 功 事 例 と 比 較 す る と 、 市 民 と 行 政 の

間 に 当 然 生 じ る す れ 違 い の 中 か ら マ ッ チ ン グ を 図 る 調

整 役 の 不 在 と 協 働 の 未 熟 さ を 感 じ た 。 今 後 、 長 尾 台 や

高 石 地 区 で 取 り 組 ま れ 始 め た 「 地 域 公 共 交 通 会 議 」 が

そ の 突 破 口 と な る か 関 心 を 持 っ て い る 。

川 崎 市 を い つ ま で も 住 み 続 け た い 、 エ コ フ レ ン ドリ ー な 都 市 に す る た め にも う 既 に 始 ま っ て い る 高 齢 化 社 会 。 一 部 で 生 ま れ つ

つ あ る 買 い 物 難 民 や 移 動 困 難 者 の 問 題 を 鑑 み 、 川 崎 市

の コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス を 少 し で も 早 く 、 1 路 線 で も 多 く

実 現 さ せ る こ と が 必 要 で あ る 。 そ し て 、 そ の 実 現 が 意

味 す る こ と は 、 川 崎 市 が マ ス タ ー プ ラ ン で 重 視 す る 行

政 と 市 民 と の 「 協 働 」 が 絵 に 描 い た 餅 で は な く 、 如 何

に 多 く 具 現 化 で き る の か 。 コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス は そ の 指

標 で あ り 、 ひ い て は 川 崎 市 の 実 力 が 試 さ れ て い る と

言 っ て も 過 言 で は な い 。

今 年 度 の 取 り 組 み 、 そ し て 本 書 が 川 崎 市 に お け る コ

ミ ュ ニ テ ィ バ ス 実 現 に 僅 か で も 役 立 て ば と 願 う 次 第 だ

が 、 今 年 度 で 終 わ る 課 題 で は な く 、 今 後 も 何 ら か の 形

で 導 入 支 援 や 情 報 発 信 等 に 取 り 組 ん で い く 所 存 で あ る 。

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川崎市のコミュニティバス実現に向けて

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平成22年度 まちづくり・地域交通調査支援事業 報告書

川崎市のコミュニティバス実現に向けて2011年 3月 27日 初版発行

川崎の交通とまちづくりを考える会・編発行者 野口 浩史

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制作・発行                                                                          川崎の交通とまちづくりを考える会 (K-cube)〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東 3-1100-12

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本冊子には、管理された森林からの木材、間伐材、古紙再生材を合わせて 100%となる森林認証を取得した用紙を使用しています。 (表紙:ECFパルプ 100%、本文:再生紙 70%以上+国内産間伐材等 10%以上)

平成 22年度 かわさき市民公益活動助成金事業