13
東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 調査時点 2009年12月末 森ビル株式会社(東京都港区 代表取締役社長 森稔)では、1986年から継続して、東京23区 で1986年以降に竣工した事務所延床面積10,000㎡以上のオフィスビル(以下「大規模オフィスビ ル」という)を対象に、需給動向に関する調査を行っております。また当調査結果を多角的に分析 することで、将来のオフィスマーケット動向の予測も行っております。この度、2009年12月末時点の 調査結果をご報告致します。 ■「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査」調査要項 調査時点 2009年12月末 対象地域 東京23区 集計対象ビル 事務所延床面積10,000㎡以上(1986年以降竣工) 一般に公開されている情報を基に、各計画について現地調査ならびに聞き取り調査を行っています。 ※供給量は、1986年以降に竣工した大規模オフィスビル(自社ビルを含む)のうち、店舗、住宅、ホテ ル等の事務所以外の用途を除いた事務所部分の延床面積(グロス)を集計しています。 ※吸収量(新規需要)とは、1986年以降に竣工した大規模オフィスビルにおける当年の新規稼働床面 積(前年末の空室面積+新規供給面積-当年末の空室面積)のことです。供給量と比較するた め、賃貸面積(ネット)を大規模オフィスビルの平均有効率で延床面積(グロス)に割り戻しています。 【問合せ先】 森ビル株式会社 営業本部 マーケティング室 松本栄二 諸黎瑋 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー 〒106-6155 TEL 03-6406-6672 / URL http://www.mori.co.jp <市場動向> 2010年の供給量(85万㎡)は、3年連続で過去平均(103万㎡) を下回る水準 ○ 2011年(153万㎡)と2012年(140万㎡)は過去平均を上回る水準 ○ 都心3区の供給割合(57%)は過去10年(75%)と比べ低水準 ○ 都心3区は建替割合(66%)が高く、ストック増は供給量の概ね半分程度 <需要動向> ○ 2009年の吸収量(新規需要)は31万㎡、2009年末の空室率は5.9% ○ 新規賃借意向が回復し、75%が都心3区での新規賃借を予定 ○ 外資系企業と金融保険業の新規賃借意向が旺盛 <今後の市場動向> 2010年~12年は吸収量が供給量を上回り、2012年には空室率が5%を下回る見込み 2010年8月5日

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

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東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査調査時点 2009年12月末

森ビル株式会社(東京都港区 代表取締役社長 森稔)では、1986年から継続して、東京23区

で1986年以降に竣工した事務所延床面積10,000㎡以上のオフィスビル(以下「大規模オフィスビ

ル」という)を対象に、需給動向に関する調査を行っております。また当調査結果を多角的に分析

することで、将来のオフィスマーケット動向の予測も行っております。この度、2009年12月末時点の

調査結果をご報告致します。

■「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査」調査要項

  調査時点    : 2009年12月末

  対象地域    : 東京23区

  集計対象ビル : 事務所延床面積10,000㎡以上(1986年以降竣工)

※一般に公開されている情報を基に、各計画について現地調査ならびに聞き取り調査を行っています。

※供給量は、1986年以降に竣工した大規模オフィスビル(自社ビルを含む)のうち、店舗、住宅、ホテ

ル等の事務所以外の用途を除いた事務所部分の延床面積(グロス)を集計しています。

※吸収量(新規需要)とは、1986年以降に竣工した大規模オフィスビルにおける当年の新規稼働床面

積(前年末の空室面積+新規供給面積-当年末の空室面積)のことです。供給量と比較するた

め、賃貸面積(ネット)を大規模オフィスビルの平均有効率で延床面積(グロス)に割り戻しています。

【問合せ先】

森ビル株式会社

営業本部  マーケティング室  松本栄二  諸黎瑋

東京都港区六本木6丁目10番1号  六本木ヒルズ森タワー 〒106-6155

TEL 03-6406-6672 / URL http://www.mori.co.jp

<市場動向>

○ 2010年の供給量(85万㎡)は、3年連続で過去平均(103万㎡) を下回る水準

○ 2011年(153万㎡)と2012年(140万㎡)は過去平均を上回る水準

○ 都心3区の供給割合(57%)は過去10年(75%)と比べ低水準

○ 都心3区は建替割合(66%)が高く、ストック増は供給量の概ね半分程度

<需要動向>

○ 2009年の吸収量(新規需要)は31万㎡、2009年末の空室率は5.9%

○ 新規賃借意向が回復し、75%が都心3区での新規賃借を予定

○ 外資系企業と金融保険業の新規賃借意向が旺盛

<今後の市場動向>

○ 2010年~12年は吸収量が供給量を上回り、2012年には空室率が5%を下回る見込み

2010年8月5日

Page 2: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

1

(万㎡)

供給量

供給件数

過去実績年平均104万㎡/年

0

50

100

150

200

'10'09'08'07'06'05'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93'92'91'90'89'88'87'86

42

28

19

1614

15

21

3029

4644

364041

32

24

12

47

19

37

2826 26

21

3329

17

4

'09年以降年平均100万㎡/年

216

121

8777

154

119

56 55

83

100108

114118

183

92

119

74

99

36

72

91

125

157

'11 '12

65

'13

141

26

8981

70

5

104

1986~2008年までの

① 計画数 667件

② 総供給量 2,381万㎡

2009~2013年までの

① 計画数 109件

② 総供給量 500万㎡

図1 : 東京23区の大規模オフィスビルの供給量推移

(出典)当社資料より作成

凡例

竣工済の物件

未着工の物件

着工済の物件

図1 : 東京23区の大規模オフィスビルの供給量推移

図2 : 供給量の比較

(万㎡)

0

100

200

300

400

500

600

'05'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93'92'91'90'89'88'87'86

400

461439

232

125111

131133

264

217

143138

217

101116

194

387

485 485

361

85

178

'06 '07

174

'08 '09

287

図2 : 東京23区のオフィスビル全体着工量    (「小規模オフィスビル」含む)

(出典)財団法人建設物価調査会資料をもとに作成

(万㎡)

供給量

供給件数

過去実績年平均103万㎡/年

0

50

100

150

200

'11'10'08'07'06'05'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93'92'91'90'89'88'87'86

42

28

19

1614

15

21

3029

4644

364041

32

24

12

47

19

37

2826 25

21

31

38

21

79'10年以降年平均

100万㎡/年

216

121

8577

154

119

56 55

83

100108

114118

183

92

119

74

99

36

72

91

125

140

153

'12 '13

65

'09

86

'14

76

45

104

1986~2009年までの

① 計画数 692件

② 総供給量 2,467万㎡

2010~2014年までの

① 計画数 106件

② 総供給量 499万㎡

凡例

竣工済の物件

未竣工の物件

'10'09

87

157

'11 '12 '13

141

26

89

凡例

竣工済の物件

未竣工の物件

(万㎡)

0

50

100

150

200

85

140

45

'10'09 '11 '12 '13

(万㎡)

0

50

100

150

200

86

153

2008年調査 2009年調査

2010年の大規模オフィスビル供給量は85万㎡となり、2008年から3年連続で過去平均(103万㎡)を

下回る水準となる(図1)。一方で、2011年(153万㎡)と2012年(141万㎡)は過去平均を上回る水準と

なり、2010〜2014年の供給量は499万㎡(約100万㎡/年)。

通常は、1年が経過して、

新たな計画が浮上するた

め、供給量は前回調査より

増加する傾向にあるが、計

画の凍結や竣工時期の遅延

により、2010〜2012年の供

給 量 が 前 回 調 査 よ り 減 少

(2010年▲4万㎡、2011年▲

4万㎡、2012年▲1万㎡)。

1-1.供給動向

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

○ 2010年の供給量(85万㎡)は、3年連続で過去平均(103万㎡)を下回る水準

○ 2011年(153万㎡)と2012年(140万㎡)は過去平均を上回る水準

Page 3: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

2

図4 : エリア別大規模オフィスビルの供給量割合 図5 : 今後5年間のエリア別大規模オフィスビルの供給量割合

'09~'13年

都心3区 その他20区

49%(45万㎡/年)

51%(47万㎡/年)

69%(78万㎡/年)

31%(36万㎡/年)

27%(30万㎡/年)

73%(78万㎡/年)

26%(28万㎡/年)

74%(79万㎡/年)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

'86~'93年

'94~'98年

'99~'03年

51%(51万㎡/年)

49%(49万㎡/年)

'04~'08年

2013年

都心3区 その他20区

24%(21万㎡/年)

76%(66万㎡/年)

58%(51万㎡/年)

42%(38万㎡/年)

57%(90万㎡/年)

43%(67万㎡/年)

50%(71万㎡/年)

50%(70万㎡/年)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2009年

2010年

2011年

90%(23万㎡/年)

10%(3万㎡/年)

2012年

図3 : 規模別大規模オフィスビルの供給量割合

3万㎡以上 3万㎡未満

0% 20% 40% 60% 80% 100%

'90~'94年

'95~'99年

'86~'89年

'00~'04年

'05~'09年

49%(36万㎡/年)

51%(38万㎡/年)

43%(53万㎡/年)

57%(72万㎡/年)

30%(25万㎡/年)

70%(58万㎡/年)

19%(24万㎡/年)

81%(101万㎡/年)

'10~'14年

26%(26万㎡/年)

74%(74万㎡/年)

20%(20万㎡/年)

80%(80万㎡/年)

2014年

都心3区 その他20区

58%42%

59%41%

43%57%

100%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2010年2010~2012年都心3区の割合

47%2011年

2012年

18%82%

2013年

都心3区 その他20区

25%75%

26%74%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

'05~'09年

'00~'04年

43%57%'10~'14年

1-2.規模別の供給動向

○ 今後5年間、3万㎡以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

次に、ビルの規模別の供給動向を見てみる。図3は

供給量を年代ごとに区分し、「事務所延床面積が1万㎡

以上3万㎡未満の物件」と「事務所延床面積が3万㎡以

上の物件(以下「超大規模オフィスビル」)」に分けて集

計したものである。

過去15年間は、超大規模オフィスビルの割合が70%

~80%で推移している。

今後5年間も、総供給量に対して、3万㎡以上の超大

規模オフィスビルの割合(80%)は依然として高いこと

が分かる。

続いて、エリア別の供給動向を見てみる。過去10年間は都心3区が約75%を占めていたが、今後5

年間は都心3区の割合が57%に低下し、エリア別の供給動向が大きく変化することが分かる(図4)。

また今後の供給エリアを年別に見ていくと、2010年〜2012年の都心3区の供給割合は47%となり、

その他20区での供給割合が急激に増加していることが分かる(図5)。この理由としては都心部での大

規模開発用地が少なくなったことが挙げられる。

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

○ 今後5年間の都心3区の供給割合(57%)は、過去10年(75%)と比べ低い水準

○ 特に、2010年~12年は、都心3区の割合が47%に低下

1-3.エリア別の供給動向

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3

0 1km 2km

●供給量(万㎡)について

10万m2以上

30万m2以上

10万m2未満

30万m2未満

凡 例

主要ビジネスエリア

●エリアについて

CBDエリア

都市再生緊急整備地域

'10~'14供給予定量:

'86~'09供給量

上面の数字は'86~'14の全供給量表示白色数字は内訳を表示30

39

36

2412

59

198

27

132

51

71

2018

157

67

16

93

133

24

24

174

58

13

18

92

40

293

79

156

3813

214

38

21

3

67

178

19

9772

10

12

3431

2121

3636

8

2929

117 90

60

95

22

87

63

24

76

14

133

15320

22

台場・有明・青海

新宿

四ツ谷

田町

品川

渋谷

大崎

番町

麹町

飯田橋

神保町

人形町

五反田・大崎

東日本橋

築地

茅場町・八丁堀

日本橋・八重洲

丸の内・ 大手町

銀座赤坂・六本木

新橋・虎ノ門

内幸町・永田町

勝どき・晴海

芝浦・海岸

港南

芝・三田

青山

西麻布

西新宿

豊洲・東雲

浜松町

秋葉原

須田町

飯田橋

東京環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域 東京駅・有楽町駅

周辺地域

更に供給動向をビジネスエリア毎に、より詳細に見てみる(図6)。その結果、丸の内・大手町エリア

(79万㎡)と日本橋・八重洲エリア(40万㎡)が突出しており、両エリア(119万㎡)で今後5年間総供

給量の約4分の1を占める。続いて、20万㎡以上の供給が予定されているエリアは、赤坂・六本木

(24万㎡)、港南(24万㎡)、豊洲・東雲(24万㎡)、新橋・虎ノ門(22万㎡)、五反田・大崎(22万㎡)、

神保町(21万㎡)、西新宿(20万㎡)である。

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

1-3.新規・建替の供給動向

今後5年間の供給量の内訳を見ると(図2)、約4割が建替計画※となっている。これをエリア別に

見ると、都心3区では供給量の6割強を建替計画が占めている。

※当調査における「建替」とは、計画敷地に本調査基準の大規模オフィスビルに相当する規模のオフィスビルがあったも

のを指す。住宅やホテル、小規模オフィスビル等から大規模オフィスビルへの建替えは含まない。

○ 都心3区における今後5年間の総供給量の6割強が建替計画

※都心部でも供給実績及び将来の供給水準が高いエリアは、①赤坂・六本木エリア、②丸の内・大手町エリア、③新橋・

虎ノ門エリアであり、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域と重ねあわせると、「環状二号線新橋周

辺・赤坂・六本木地域」と「東京駅・有楽町駅周辺地域」からなるエリアが供給の中心となり、このエリアを東京における

セントラル・ビジネス・ディストリクト(東京CBD)と定義。

図6 : 主要ビジネスエリア別の供給量

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4

図7 : 供給量のうち建替計画の割合

図8 : 主要ビジネスエリア別建替計画の割合

凡例

その他計画

建替計画

CBDエリア

図8 : 主要ビジネスエリア別建替計画の割合

丸の内・大手町エリア

青海・有明・台場エリア

豊洲・東雲・辰巳エリア

五反・

田大崎エリア

西新宿エリア

日本橋・八重洲エリア

赤坂・六本木エリア

飯田橋エリア

内幸町・霞ヶ関・永田町エリア

神保町エリア

麹町エリア

港南エリア

勝どき・晴海エリア

芝浦・海岸エリア

銀座エリア

番町エリア

青山エリア

新橋・虎ノ門エリア

浜松町エリア

秋葉原エリア

築地エリア

西麻布エリア

須田町エリア

人形町エリア

芝・三田エリア

東日本橋エリア

茅場町・八丁堀エリア

0

20

40

60

80

100

120 万

建替計画 その他の計画

58%42%

34%66%

89%11%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

都心3区

その他の20区

凡例

その他計画

建替計画

CBDエリア

丸の内・大手町エリア

青海・有明・台場エリア

豊洲・東雲・辰巳エリア

五反田・

大崎エリア

西新宿エリア

日本橋・八重洲エリア

赤坂・六本木エリア

飯田橋エリア

内幸町・霞ヶ関・永田町エリア

神保町エリア

麹町エリア

港南エリア

勝どき・晴海エリア

銀座エリア

新橋・虎ノ門エリア

芝・三田エリア

0

20

40

60

80

100 万

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

1-4.新規・建替の供給動向

今後5年間の供給量の内訳を見ると(図7)、約4割が建替計画※となっている。これをエリア別に見

ると、都心3区では供給量の3分の2を建替計画が占めている。

※当調査における「建替」とは、計画敷地に本調査基準の大規模オフィスビルに相当する規模のオフィスビルがあったもの

を指す。住宅やホテル、小規模オフィスビル等から大規模オフィスビルへの建替えは含まない。

今後5年間の供給量の内訳を見ると(図7)、約4割が建替計画※となっている。これをエリア別に見

ると、都心3区では供給量の6割強を建替計画が占めている。

※当調査における「建替」とは、計画敷地に本調査基準の大規模オフィスビルに相当する規模のオフィスビルがあったもの

を指す。住宅やホテル、小規模オフィスビル等から大規模オフィスビルへの建替えは含まない。

また、ビジネスエリアごとに見ると、東京CBDでは、建替計画の比率が高いことが分かる(図8)。特

に、丸の内・大手町エリアでは8割弱、日本橋・八重洲エリアでは9割強を建替計画が占めている。

今後5年間に竣工する建替計画48件のうち16件を抽出し、竣工後の面積と従前の面積を比較した

結果、建替計画による新規供給量から建替前の事務所延床面積を除いた事務所延床面積の純増

分は、新規供給量のうちの26%に留まっており、新規供給量がそのままオフィス総ストックの増加に

繋がらないことが分かった。

そのため、既存ビルの解体によるオフィスストックの減少によって一時的にマーケットがタイトになる

事に加え、建替前後でのオフィス総ストックの純増面積は新規供給量程には多くならないことが見込

まれる。

○ 都心3区における今後5年間の供給量の3分の2が建替計画

○ 都心3区のストック増は供給量(284万㎡)の概ね半分程度(145万㎡)

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5

(万㎡)

0

50

100 93

69

純増分26%

(24万㎡)

図9 : 建替計画16件の事例による建替前後のオフィスストックの変化

建替前事務所延床面積(ストック)

建替後事務所延床面積(ストック)

凡例

【参考】

昨年の調査によって、建替計画による新規供給量から建替前の事務所延床面積を除いた事務所

延床面積の純増面積は、新規供給量の26%(図9)に相当することが分かった。

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

この数値を用いて、今後5年間、都心3区のオフィスビルのストック増を試算すると、供給量(284万

㎡)の概ね半分程度(145万㎡)と推計される※。

※自社試算より、建替計画による新規供給量から建替前の事務所延床面積を除いた事務所延床面積の純増

面積は、新規供給量の26%に相当する。(参考:2008年東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査)

計算式:

都心3区の供給量(284万㎡) = 全体供給量(499万㎡)×都心3区の割合(57%)

都心3区ストックの増(145万㎡) = 建替計画によるストックの増加 + 建替以外の計画によるストックの増加

                   = 都心3区の供給量(284万㎡)×都心3区建替割合(66%)×純増係数(26%)

                    + 都心3区の供給量(284万㎡)×都心3区建替以外の割合(34%)

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東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

6

1)吸収量がプラスの時 2)吸収量がマイナスの時

図10 : 吸収量の概念

図11 : 前回調査の予測

図12 : 今回調査の結果

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1 2.4

1.2

3.6

8.1

6.75.3

3.2 2.8 2.5 3.8

7.1空室率(%)

0

50

100

150

'06 '07 '08'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93

142

121

223216

125

4854

9188

72

36

9199

8074

130119123

92

182183

83

154

'05

115

157

65

34

119122

77

供給量

吸収量

200(万㎡)

44

118

'09

86

3

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1 2.4

1.2

3.6

8.1

6.75.3

3.2 2.8 2.5 3.8

5.9空室率(%)

0

50

100

150

'06 '07 '08'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93

142

121

223216

125

4854

9188

72

36

9199

8074

130119123

92

182183

83

154

'05

115

157

65

34

119122

77

供給量

吸収量

200(万㎡)

44

118

'09

86

31

2008年末ストック

2009年末ストック

稼動面積

稼動面積

空室面積

空室面積

吸収量(+) 2009年新規供給量

稼動面積

2008年末ストック

2009年末ストック

稼動面積 空室面積

吸収量(-) 2009年新規供給量

空室面積

※ 数値は賃貸面積(ネット)を代表的な大規模オフィスビルの平均有効率

65.5%で割り戻すことで延床面積(グロス)に換算。

【参考】 図12 : 都心3区の1985年以前竣工超大規模オフィスビルと1986年以降竣工大規模オフィスビルの吸収量推移

(出典)当社資料より作成

(万㎡)

-50

0

50

100

150

200

250

'05'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93 '06 '07 '08 '09

83

182

123

4

130

8088

11

54

223

157

122

22

48

3 39

2

34

10

▲11 ▲10 ▲15▲3

31

▲6 ▲6 ▲8▲1

91

44

142

115

86年以降竣工大規模オフィス

(23区、1万㎡以上)

85年以前竣工の超大規模オフィス

(都心3区、3万㎡以上)

▲11

図19 : 今後の需要予測10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1 2.4

1.2

3.6

8.1

6.75.3

3.2 2.8 2.53.8

空室率(%)

0

50

100

150

'06 '07 '08'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93

142

121

223216

125

4854

9188

72

36

9199

8074

130119123

92

182183

83

154

'05

115

157

65

34

119122

7.1

'09

87

3

6.3

'10

89100

5.7

'11

157168

77

供給量

吸収量

200(万㎡)

44

118

(出典)当社資料より作成

予測値

○ 2009年の吸収量(新規需要)は31万㎡

○ その結果、2009年末の空室率は5.9%

次に、「吸収量」という概念を用いて新規需要動向を見ていく。なお、吸収量とは、当調査が対象と

する1986年以降に竣工した全ての大規模オフィスビルにおける当年の新規稼働床面積(前年末の空

室面積+新規供給面積-当年末の空室面積)を示す(図10)。

2-1.需要動向

前回調査では、2008年9月

以降の急激な景気後退の影響

により2009年の吸収量(新規需

要)を3万㎡、2009年末の空室

率を7.1%と予測した(図11)。し

かしながら、結果的には、吸収

量は31万㎡、空室率は5.9%と

なり、予測を上回る新規需要が

発生した(図12)。その理由とし

ては、空室率の上昇に伴い賃

料相場が調整され、相対的に

競争力が強い大規模オフィスビ

ルが、ビルグレート改善や集

約・統合ニーズなどの需要を獲

得したためであろう。

【参考】

ここで、築年数は経っているもの

の、大規模かつ好立地のオフィスビル

の需要動向を把握するために、都心

3区における1985年以前に竣工した

3万㎡以上の超大規模オフィスビル

(以下「1985年以前の超大規模オフィ

スビル」)の吸収量も見ておく(図12)。

1985年以前の超大規模オフィスビル

は景気後退の影響を受け、更に築浅

の大規模オフィスビルより競争力が弱

いため、2008年のマイナス3万㎡に

引き続き、2009年の吸収量はマイナ

ス11万㎡となった。

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

Page 8: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

7

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

'93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '07 '08

50

0

100

150142

121

223

216

125

4854

9188

72

4436

9199

8074

130

119123

92

182183

83

118

(万㎡)

77

115

'06

154157

119122

65 68

8.8

4.9

3.42.7 3.1

2.41.2

3.6

8.1

6.7

5.3

3.2 2.8 2.5 2.3

予測値

'93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '07 '08

50

0

100

150142

121

223

216

125

4854

9188

72

4436

9199

8074

130

119123

92

182183

83

118

(万㎡)

77

115

'06

154157

119122

6575

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1

2.41.2

3.6

8.1

6.7

5.3

3.2 2.8 2.5 2.1

10.8

(出典):当社資料より作成(出典):当社資料より作成

図14 : 2008年の吸収量と空室率の予測 シナリオ2     (昨年版の当調査予測より)

図13 : 2008年の吸収量と空室率の予測 シナリオ1     (昨年版の当調査予測より)

空室率(%)

(図11再掲) 大規模オフィスビルの供給量、吸収量、空室率の推移

供給量

吸収量

空室率(%)

供給量

吸収量

'93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '07 '08 '09

50

0

100

150142

121

223

216

125

4854

9188

72

4436

9199

8074

130

119123

92

182183

83

118

(万㎡)

77

115

'06

154157

119122

65 68

87 88

8.8

4.9

3.42.7 3.1

2.41.2

3.6

8.1

6.7

5.3

3.2 2.8 2.5 2.3 2.1

'10

81 83

予測値

2.2

'93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '07 '08 '09

50

0

100

150142

121

223

216

125

4854

9188

72

4436

9199

8074

130

119123

92

182183

83

118

(万㎡)

77

115

'06

154157

119122

6575

87

95

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1

2.41.2

3.6

8.1

6.7

5.3

3.2 2.8 2.5 2.11.3

'10

8190

予測値

1.7

10.8

(出典):当社資料より作成(出典):当社資料より作成

図14 : 2008年の吸収量と空室率の予測 シナリオ2     (昨年版の当調査予測より)

図13 : 2008年の吸収量と空室率の予測 シナリオ1     (昨年版の当調査予測より)

空室率(%)

供給量

吸収量

空室率(%)

供給量

吸収量

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1 2.4

1.2

3.6

8.1

6.75.3

3.2 2.8 2.53.8

空室率(%)

過去実績平均空室率4.6%

0

50

100

150

'06 '07 '08'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93

142

121

223216

125

4854

9188

72

36

9199

8074

130119123

92

182183

83

154

'05

115

157

65

34

119122

77

供給量

吸収量

200(万㎡)

44

118

(出典)当社資料より作成

予測値

【参考】 図13 : 都心3区の1985年以前竣工超大規模オフィスビルと1986年以降竣工大規模オフィスビルの吸収量推移

(万㎡)

-50

0

50

100

150

200

250

'05'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93 '06 '07 '08 '09

83

182

123

4

130

8088

11

54

223

157

122

22

48

3 39

2

34

10

▲11 ▲10 ▲15▲3

31

▲6 ▲6 ▲8▲1

91

44

142

115

86年以降竣工大規模オフィス

(23区、1万㎡以上)

85年以前竣工の超大規模オフィス

(都心3区、3万㎡以上)

▲11

【参考】

ここで、築年数は経っているものの、大規模かつ好立地のオフィスビルの需要動向を把握するた

めに、都心3区における1985年以前に竣工した3万㎡以上の超大規模オフィスビル(以下「1985年

以前の超大規模オフィスビル」)の吸収量も見ておく(図13)。1985年以前の超大規模オフィスビル

は景気後退の影響を受け、2008年の▲3万㎡に引き続き、2009年も吸収量がマイナス(▲11万㎡)

となった。

Page 9: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

8

図16 : 2009年 回答企業別内訳図14 : 新規賃借予定の有無

図17 : 過去5年間貸借意向あり回答企業別内訳図15 : 新規貸借予定時期

71%29%

78%22%

81%19%

81%19%

69%31%

79% 1,412件21% 365件

82% 1,526件18% 345件

84% 1,759件16% 340件

81% 1,354件19% 321件

76% 1,102件24% 339件

87% 1,190件13% 176件

79% 1,475件21% 411件

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

2-2.今後の需要動向

日 本 企 業

外 資 系 企 業

金融・保険業

非 製 造 業

製 造 業

賃借意向あり 賃借意向なし

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2008年

2009年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

賃借意向あり 賃借意向なし

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3年以内19% 79件

4年後以降20% 82件

2年以内22% 91件

1年以内37% 150件

無回答 2% 9件

○ 新規賃借意向が回復し、75%が都心3区での新規賃借を予定

○ 外資系企業と金融保険業の新規賃借意向が旺盛

ここからは、今後の需要動向がどのように推移するかについて、当社が2003年より継続実施してい

る「東京23区のオフィスニーズに関する調査」から考察する。

2008年11月に実施した前回の調査は世界的な金融危機の直後だったこともあり、新規賃借予定

「有り」の割合が13%と急激に落ち込んだが(前年比11ポイント減)、2009年11月に実施した今回の

調査では、新規賃借予定「有り」の割合が21%(図14)に回復した(前年比8ポイント増)。この割合

は、大量供給による借り控え需要が一気に顕在化した2003年調査と同じ水準である。また、新規賃

借予定時期も1年以内の割合が約4割、2年以内を含めると約6割(図15)となっている。

資本・業種別では、外資系企業(31%)と金融・保険業(29%)は新規賃借予定「有り」の割合が高く

(図16)、それぞれ前年比で14ポイント、12ポイント改善した(図17)。

以上のことから、外資系企業や金融・保険業を中心にこの1年でオフィスニーズが回復していること

がうかがえる。

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年

金融・保険業 21% 25% 23% 17% 29%

非製造業 17% 20% 28% 13% 22%

製造業 14% 15% 17% 11% 19%

日本企業 15% 19% 21% 12% 19%

外資系企業 23% 21% 36% 17% 31%

資本金別

Page 10: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

9

(%)14.0

12.0

10.0

8.0

6.0

4.0

2.0

0大手町

丸の内

有楽町

内幸町

日比谷

麹町・番町

紀尾井町

平河町・

飯田橋

秋葉原

八重洲

日本橋

京橋

銀座

晴海

汐留

新橋

虎ノ門

神谷町

赤坂

六本木

青山

浜松町

田町

台場・青海

品川(駅周辺)

有明

シーサイド

天王洲・品川

大崎

渋谷

恵比寿

新宿

四ッ谷

豊洲

〈中央区〉 〈港区〉 〈その他の区〉〈千代田区〉

(%)35.0

30.0

25.0

20.0

15.0

10.0

5.0

0大手町

丸の内

有楽町

内幸町

日比谷

麹町・番町

平河町・

紀尾井町

飯田橋

秋葉原

八重洲

日本橋

京橋

銀座

汐留

新橋

虎ノ門

神谷町

赤坂

六本木

青山

浜松町

田町

台場・青海

品川(駅周辺)

有明

天王洲・品川

シーサイド

大崎

渋谷

恵比寿

新宿

四ッ谷

豊洲

〈中央区〉 〈港区〉 〈その他の区〉〈千代田区〉

(%)35.0

30.0

25.0

20.0

15.0

10.0

5.0

0大手町

丸の内

有楽町

内幸町

日比谷

麹町・番町

平河町・

紀尾井町

飯田橋

秋葉原

八重洲

日本橋

京橋

銀座

汐留

新橋

虎ノ門

神谷町

赤坂

六本木

青山

浜松町

田町

台場・青海

品川(駅周辺)

有明

天王洲・品川

シーサイド

大崎

渋谷

恵比寿

新宿

四ッ谷

豊洲

〈中央区〉 〈港区〉 〈その他の区〉〈千代田区〉

13

12

65 5

4 4

7 7 7 7

10

8 8

1 1

4 4

12 12

6 6 6 6

9 9 9

0.3

3 3

11

97

17

107

53

76 6

13

96

98

14

69

1 2 10

7 63

64

15

3 324

86

89

15

14

129

5 6 6

15

97

3 35

35

35 6

2 3

31

17

2 200 0 0 0 0 00 0 0 0 0

2 2 2 2 2 2

107 66

46

25 6

225 4

81011

47 88

107

36777 7

42

54

11

786

10

14

698

46

8 98810

341

63

5 6

1315 15

1313

13 2

10

15

568

522

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

図19 : 新規賃借予定希望エリア

図20 : 資本別内訳

図21 : 業種別内訳

外資系企業(外資50%以上)

日系企業(外資なし又は50%未満)

※複数回答可とし、全回答企業が選択した場合を100%とする。

非製造業金融・保険業

製造業

図18 : 新規賃借予定地

都心3区以外25%

都心3区75%

また、新規貸借予定の希望エリアは、都心3区が75%を

占める(図18)。

全体では「丸の内」、「日本橋」、「品川」、「渋谷」の割合

が高い一方で、港区のビジネスエリアは全般的に高い水準

となった(図19)。

新規貸借意向の高い外資系企業は、「赤坂」、「六本

木」、「品川」、「虎ノ門」の割合が「丸の内」とほぼ同水準と

なった(図20)。

同じく新規貸借意向の高い金融・保険業は、「丸の内」の

割合が高く、「大手町」、「日本橋」、「赤坂」、「六本木」、「虎

ノ門」が続く(図21)。

更に供給動向をビジネスエリア毎に、より詳細に見てみる(図6)。その結果、丸の内・大手町エリア

(79万㎡)と日本橋・八重洲エリア(40万㎡)が突出しており、両エリア(119万㎡)で今後5年間総供

給量の約4分の1を占める。続いて、20万㎡以上の供給が予定されているエリアは、赤坂・六本木

(24万㎡)、港南(24万㎡)、豊洲・東雲(24万㎡)、新橋・虎ノ門(22万㎡)、五反田・大崎(22万㎡)、

神保町(21万㎡)、西新宿(20万㎡)である。

Page 11: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

10

(%)

(%)

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

オーナーの信頼度が

高いビルに移りたい

賃料の安いビルに

移りたい

1フロア面積が

大きなビルに移りたい

環境に配慮したビルに

移りたい

設備グレードの

高いビルに移りたい

立地の良いビルに

移りたい

企業ステイタスの向上

新規事業展開

業容・人員拡大

分室が必要

セキュリティの優れたビルに

移りたい

耐震性の優れたビルに

移りたい

防災体制、バックアップ体制

の優れたビルに移りたい

事務所の統合

支店・営業所の新設

一時的な仮移転

入居中のオフィスビルが

建て替えるため

オーナーの信頼度が

高いビルに移りたい

賃料の安いビルに

移りたい

1フロア面積が

大きなビルに移りたい

環境に配慮したビルに

移りたい

設備グレードの

高いビルに移りたい

立地の良いビルに

移りたい

企業ステイタスの向上

新規事業展開

業容・人員拡大

分室が必要

セキュリティの優れたビルに

移りたい

耐震性の優れたビルに

移りたい

防災体制、バックアップ体制

の優れたビルに移りたい

事務所の統合

支店・営業所の新設

一時的な仮移転

入居中のオフィスビルが

建て替えるため

(%)50.0

30.0

20.0

10.0

0.0

オーナーの信頼度が

高いビルに移りたい

賃料の安いビルに

移りたい

1フロア面積が

大きなビルに移りたい

環境に配慮したビルに

移りたい

設備グレードの

高いビルに移りたい

立地の良いビルに

移りたい

企業ステイタスの向上

新規事業展開

業容・人員拡大

分室が必要

セキュリティの優れたビルに

移りたい

耐震性の優れたビルに

移りたい

防災体制、バックアップ体制

の優れたビルに移りたい

事務所の統合

支店・営業所の新設

一時的な仮移転

入居中のオフィスビルが

建て替えるため

40.0

7

26

21

1519 19

13 1216

911 11

734

9

4

911

232224

4441

2 1

74

1013

9 89

24 23

31

0 03

7

01

111413

0 1 1 25 5

24

18

23

16 1514

8

13

25

8 8

1922

4239

64

15

96

11

2829

12 12

1413

11 2

7

20

3633

3030

2521

3837

31

40

3333

2527

3 55

129 1111 11

171515

912

1415

3228

43 4342

25

3 3 3 26

42 2

19

131515

12

0 11 12

2119

15

11

27

2219

32

262630

23

141410

4 4

10

222218

32

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

図22 : 新規賃借予定理由

図23 : 資本別内訳

図24 : 業種別内訳

外資系企業(外資50%以上)

日系企業(外資なし又は50%未満)

非製造業金融・保険業

製造業

※複数回答可とし、全回答企業が選択した場合を100%とする。

※2009年調査で項目を追加

2007年2006年2005年

2008年2009年

※2007年調査で項目を追加

景気の後退に伴い企業のコスト削減意識が強まったため、「賃料の安いビルに移りたい(40%)」

が増加しトップとなった。前回の調査でトップだった「業容・人員拡大(28%)」は、減少したものの2番

目に多く、以下、「1フロア面積が大きなビルに移りたい(21%)」、「立地の良いビルに移りたい

(20%)」、「設備グレードの高いビルに移りたい(19%)」が続く(図22)。

外資系企業は「立地のよいビルに移りたい」、「設備グレードの高いビルに移りたい」、「企業ステイ

タスの向上」の割合が日本系企業より高く、立地やビルグレードの改善に前向きな姿勢がうかがえる

(図23)。金融・保険業は「賃料の安いビルに移りたい」の割合が他業種と比べかなり低いことが特徴

的である(図24)。

更に供給動向をビジネスエリア毎に、より詳細に見てみる(図6)。その結果、丸の内・大手町エリア

(79万㎡)と日本橋・八重洲エリア(40万㎡)が突出しており、両エリア(119万㎡)で今後5年間総供

給量の約4分の1を占める。続いて、20万㎡以上の供給が予定されているエリアは、赤坂・六本木

(24万㎡)、港南(24万㎡)、豊洲・東雲(24万㎡)、新橋・虎ノ門(22万㎡)、五反田・大崎(22万㎡)、

神保町(21万㎡)、西新宿(20万㎡)である。

Page 12: 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査 - Mori …1-2.規模別の供給動向 今後5年間、3万 以上の超大規模オフィスビルは80%と引き続き高い水準

11

図25 : 今後の需要予測

10.8

8.8

4.9

3.42.7 3.1 2.4

1.2

3.6

8.1

6.75.3

3.2 2.8 2.53.8

空室率(%)

0

50

100

150

'06 '07 '08'04'03'02'01'00'99'98'97'96'95'94'93

121

216

125

54

9188

72

36

9199

8074

130119123

92

182183

83

154

'05

157

65

34

119122

5.9

'09

86

31

5.6

'10

8587

5.0 4.6

'11 '12

153161

140145

77

供給量

吸収量

200

250(万㎡)

44

118

予測値

142

223

48

115

【参考】 今後の市場動向

2008年9月以降の急激な景気後退に伴い、2008年と2009年は吸収量が供給量を大きく下回る水

準で推移した。その結果、空室率は2年連続で上昇し、2009年末の空室率は5.9%となった。

一方で、2010年以降は、実質GDP予測が前年度比でプラスに転じ、また、企業の新規賃借意向が

回復していることから、2010年以降は吸収量が供給量を上回って推移し、2012年には空室率が5%

を下回ると予測する(図25)。

また、都心3区の供給量が過去10年と比べて少ない一方で、新規賃借意向が都心3区に集中して

いるため、都心3区は23区全体に先行して空室率が改善するものと思われる。

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

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豊洲3-1街区

住友不動産飯田橋ファーストタワー

住友不動産新宿セントラルパークビル

三井住友銀行本店ビルディング

中日新聞 旧東京本社ビル建替え

江東区豊洲

文京区後楽

新宿区西新宿

千代田区丸の内

港区港南

三菱地所、IHI

住友不動産

住友不動産

三井不動産

中日新聞社

106,877

78,398

153,464

80,134

72,621

32,330

23,715

46,423

24,241

21,968

プロジェクト名(ビル名)

延 床 面 積

(㎡) (坪)事 業 主 体 所在地

2010年

(仮)北新宿地区市街地再開発1街区・1-2業務棟

(仮)西新宿8丁目成子地区市街地再開発事業・超高層棟

(仮)大崎駅西口C地区開発計画

有明セントラルタワー

豊洲3-3街区

(仮)御殿山プロジェクト Aブロック

(仮)新飯野ビル計画

JA共済ビル

(仮)京橋二丁目16地区開発 A地区(清水建設本社ビル)

パレスホテル建替計画 オフィス棟

(仮)元赤坂Kプロジェクト(鹿島旧本社建替)

(仮)東五反田地区(B地区)開発計画

(仮)業平橋押上地区開発計画(新タワー計画)

新宿区北新宿

新宿区西新宿

品川区大崎

江東区有明

江東区豊洲

品川区北品川

千代田区内幸町

千代田区平河町

中央区京橋

千代田区丸の内

港区元赤坂

品川区東五反田

墨田区押上

三菱地所、平和不動産

西新宿8丁目成子地区再開発組合(住友不動産)

ソニー

日本土地建物、大和ハウス工業

第一生命保険

積水ハウス

飯野海運

全国共済農業協同組合連合会

清水建設

パレスホテル

鹿島建設

東洋製缶

東武鉄道

96,000

180,163

123,962

71,285

98,823

63,000

106,000

87,620

51,000

68,000

53,710

72,543

229,410

29,040

54,499

37,499

21,564

29,894

19,058

32,065

26,505

15,428

20,570

16,247

21,944

69,397

2013年

2012年

新宿イーストサイドスクエア

渋谷ヒカリエ

(仮)虎ノ門・六本木地区再開発 複合棟

(仮)南平台町計画

(仮)三井住友海上神田駿河台三丁目計画 新館

(仮)JPタワー

大手町一丁目第2地区第一種市街地再開発事業 A棟

大手町一丁目第2地区第一種市街地再開発事業 B棟

(仮)丸の内1-4計画

(仮)三田ベルジュビル建設計画新築工事

(仮)明治安田生命新東陽町ビル新築工事

(仮)中野駅前開発プロジェクト(北東側)

(仮)中野駅前開発プロジェクト(南東側)

(仮)JR南新宿ビル

新宿区新宿

渋谷区渋谷

港区六本木

渋谷区南平台町

千代田区神田駿河台

千代田区丸の内

千代田区大手町

千代田区大手町

千代田区丸の内

港区芝

江東区東陽

中野区中野

中野区中野

渋谷区代々木

三菱地所、日本地建物、大和ハウス工業、平和不動産

東京急行電鉄

森ビル

住友不動産

三井住友海上火災保険

日本郵政公社

都市再生機構

三菱地所

三菱地所

ベルジュ

明治安田生命保険

東京建物

東京建物

JR東日本

170,274

144,177

143,726

61,600

66,475

212,131

110,000

132,000

139,728

56,500

96,227

39,025

151,577

57,984

51,508

43,614

43,477

18,634

20,109

64,170

33,275

39,930

42,268

17,091

29,109

11,805

45,852

17,540

2014年

※ 延床面積には事務所棟以外に商業棟、住宅棟等を含む。

※ 一般公開されている情報と事業主体へのヒアリング調査によって得た情報が相違するプロジェクトについては、当リストには掲載していない。

※ 当社発表の供給量は、当表の延床面積とは異なる“純粋な事務所部分の延床面積”にて集計。

(仮)大手町1-6計画

(仮)環状2号線プロジェクト

(仮)芝浦水再生センター再構築工事

(仮)上野ゲートタワープロジェクト

千代田区大手町

港区虎ノ門

港区港南

台東区東上野

東京建物、大成建設

森ビル

NTT都市開発

リサ・パートナーズ

198,390

259,200

179,980

41,200

60,013

78,408

54,444

12,463

今後竣工予定(一部竣工済み)の主な大規模オフィスビル

東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査

2011年

(仮)歌舞伎座建替え計画

(仮)淡路町二丁目西部地区第一種市街地再開発事業 北街区

(仮)室町東地区開発計画(2-3街区)

(仮)21・25森ビル建替計画新築工事

(仮)京橋3丁目1地区再開発

中央区銀座

千代田区神田淡路町

中央区室町

港区六本木

中央区京橋

松竹グループ

準備組合(安田不動産)

三井不動産

森ビル

東京建物、大栄不動産

93,900

129,223

63,000

55,061

116,000

28,405

39,090

19,058

16,656

35,090