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2 0 1 2 10 3 2 4 6 9 10 6 1 6 9 20 貿 2 5 貿 15 3 20 5 2 0 0 2 3 5 1 B S C B S C B S C B S C S W O T 4 9 28 2 3 2 10 12 調 9 18 28 調 F I P 薬事新報 No. 2760(2012) 21 【ニュース・ 4 】

2760号(1)

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日本経済大学公開セミナー2012

で赤瀬朋秀氏(日本経済大学大学院教

授)が「保険薬局を取り巻く環境変化

と将来予測」をテーマに講演した。公

開セミナーは10月3日、日本経済大学

大学院246ホールで行われた。公開

セミナー・保険薬局経営コースは9月

から10月にかけて全6回開催され、赤

瀬氏の講演はその1コマ。

講演の概要

「医療崩壊は地方だけの話ではなく

なってきている。国際的に目を転じて

も米国では公立病院の売却が急増して

いる。現在の社会保障は高度経済成長

の時代に考えられた仕組み。長く続か

ないのは道理。医療機関の倒産も増加

しており、病院依存型の門前薬局にも

経営危機の波が押し寄せてくる。保険

薬局が旧態然とした経営を続ける限

り、病院の経営危機は深刻なリスクと

して直結してくる。

薬剤費は6兆円から9兆円と短期間

に急増している。ジェネリック普及は

続いているのになぜ高騰するのか。高

額な医薬品が次々に上市されている。

20万円以上かかる抗がん剤もある。貿

易収支の赤字が約2・5億円になった

が、震災、原発、経済低迷に加えて薬

が輸入超過し、貿易赤字に一役買って

いる部分もある。これは各病院でも同

様で、ミクロで同じ現象が起きている

と言える。このような時代に保険薬局

はどのような医薬品戦略を立てるべき

だろうか。

医薬分業は、日本の経済のなかでは

まれに見る成長を遂げた分野。15年で

3割増、20年で5倍以上の成長を遂げ

た。しかし、いつまでも続くものでも

なく、2002年には鈍化した。この

背景には処方箋料の大幅引き下げ、薬

価差益縮小、厚労省の分業促進補助事

業の廃止などがある。薬局が量的に十

分整備されたことで、医薬分業を国で

推進する時代は終わったと判断され

た。薬局自身の自助努力でやっていき

なさいということ。要するにいつもの

はしご外しが行われた。

ところで、その医薬分業は国民のた

めになっているのか。患者にとっては

二度手間で割高感があり、メリットは

実感できない。袋に入れるだけなら誰

でもできるし、薬剤情報は画一的。保

険薬局での応対も決して満足が得られ

るものでもない。保険薬局のあり方に

ついて、今一度考える時期に入ってい

る。激動の時代に必要なものは戦略と

マネジメント。

戦略は、経営層が中期的に3〜5年

を見据え、企業・組織の成長と顧客へ

の価値を提供するためのもの。かたや

マネジメントは管理職が年次単位で、

組織の構成員を育成し、組織の目標を

達成させるためのもの。加えて説明す

ると、オペレーションは、従業員が1

日単位で、日常業務の遂行・管理・改

善を行うためのもの。戦略ツールには

色々なものがあるが、ここではバラン

スト・スコアカード(BSC)を勧め

たい。BSCはビジネス社会では時代

遅れなどと言われているが、医療や病

院には非常になじみやすいツールであ

る。医療は営利だけでなく非財務の指

標も重視され、BSCが適している」

※BSC=SWOT分析により、強み、

弱み、機会、脅威をあぶり出す。それ

らをかけあわせてクロス分析を行い、

経営課題を導き出す。その経営課題を

財務、顧客、業務プロセス、学習と成

長の4つの視点に置き換え、各課題を

因果連鎖させる。その項目をスコア

カードにすることで、理念・戦略を現

場レベルに落とし込むことができる。

東京都薬剤師会は9月28日付で各支

部長あてに「保険薬局及び保険薬剤師

療養担当規則2条の3の2『経済上の

利益の提供による誘引の禁止』条項の

施行について」を発出した。10月12日

の会見で山本信夫会長が説明した。

厚生労働省保健局医療課長の通知

「保険医療機関及び保険医療療養担当

規則及び保険薬局及び保険薬剤師療養

担当規則の一部改正に伴う実施上の留

意事項について」により、調剤による

ポイント付与は原則禁止された。日薬

では9月18日、各都道府県薬会長あて

の文書で、適切な運用が図られるよう

会員への周知を呼びかけた。

関連して都薬では同28日、冒頭にあ

る文書を出した。都薬会員薬局が調剤

一部負担金に対するポイント付与禁止

条項に抵触するという事態にならない

よう、周知徹底をはかった。日薬より

現場に近いという組織の側面を踏まえ

「傘下会員が確実に規則の遵守を実行

されるようご指導賜りますよう」と幾

分強い言い回しになった。

その他▼三井辨雄厚生労働大臣就

任:

薬剤師の大臣就任というと石井道

子さんの例があったが、厚生労働関係

となると初めて。薬剤師に甘いのでは

ないかと周囲からとらえられたりする

かもしれない。苦労も絶えないと思う

が、就任そのものは喜ばしいことと考

えている。▼FIP副会長選:

残念な

がら落選した――など。

東京都薬剤師会     �

   支部長あて文書発出�

薬事新報 No. 2760(2012) 21【ニュース・ 4】

日本経済大学公開セミナー

赤瀬朋秀教授が講演