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― 9 ― 2BOX 車型の車両空気抵抗低減技術の開発 プロジェクト責任者 安木 剛   トヨタ自動車株式会社 車両CAE部 著 者 安木 剛 * 1 、山村 淳 * 1 、忠津 雅也 * 1 、加藤 千幸 * 2 、山出 吉伸 * 2 、高山 務 * 2 鈴木 康方 * 2 、廣川 雄一 * 3 、西川 憲明 * 3 、上原 均 * 3 * 1 トヨタ自動車株式会社 車両CAE部 * 2 国立大学法人東京大学 生産技術研究所 * 3 独立行政法人海洋研究開発機構 利用施設: 独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータ 利用期間: 平成 23 年 4 月 1 日~平成 24 年 3 月 31 日 アブストラクト 平成 22 年度に地球シミュレータを用いた高精度な LES 計算により、2BOX 車の空気抵抗に影響が ある車両後流 (Wake) の渦構造の解明を試みた。その結果、車両後方の環状の渦と車両の空気抵抗の関 係を解明した。 平成 23 年度は、平成 22 年度に得られた知見に基づき、一般的に車両の空気抵抗が大きくなること が知られているバックウィンドウの傾斜角がさらに小さい車両の空気抵抗低減を試みた。本研究に供 した車両の後流では、線状の渦を形成することを新たに確認した。平成 22 年度の研究には現れなかっ た線状の渦が観察されたことから、渦構造の計算格子サイズの依存が無いこと確認するために、車両 周りの流れ場を計算格子数 4 億に離散化した大規模な計算を実施した。車両後流の渦の形状が線状に 形成する場合に比べて環状に形成する方が車両の空気抵抗は小さいと推定した。 キーワード: 自動車、空力、非定常流れ、LES、空気抵抗、渦 1. 背景・目的 地球温暖化、化石燃料の枯渇問題により、自動車業界において、温室効果ガス(CO 2 )削減、燃費 規制への対応が重要課題となっている。欧州では、2009 年 6 月に 2012 年からのフェーズインで全乗 用車の CO 2 排出量を 130g/km 相当とする規制が発行された。また、国内でも 2007 年 7 月の省エネ法 改正により 2015 年度を目標達成年度とした乗用車等の新燃費基準(2004 年度実績比で乗用車 23.5% 向上)が導入された。CO 2 排出量低減には、自動車の走行抵抗としての空気抵抗低減は重要な課題で ある。しかし、従来の経験や実験に基づく手法による改善で、車両形状は画一化しつつある。本プロジェ クトは、一般的に空気抵抗が増加することが知られているバックウィンドウの傾斜角が小さい車両形 状の空気抵抗低減を目的とする。

2BOX車型の車両空気抵抗低減技術の開発 - JAMSTEC...― 9 ― 2BOX車型の車両空気抵抗低減技術の開発 プロジェクト責任者 安木 剛 トヨタ自動車株式会社

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Page 1: 2BOX車型の車両空気抵抗低減技術の開発 - JAMSTEC...― 9 ― 2BOX車型の車両空気抵抗低減技術の開発 プロジェクト責任者 安木 剛 トヨタ自動車株式会社

― 9 ―

2BOX 車型の車両空気抵抗低減技術の開発

プロジェクト責任者

安木 剛   トヨタ自動車株式会社 車両CAE部

著 者

安木 剛 *1、山村 淳 *1、忠津 雅也 *1、加藤 千幸 *2、山出 吉伸 *2、高山 務 *2、

鈴木 康方 *2、廣川 雄一 *3、西川 憲明 *3、上原 均 *3

* 1 トヨタ自動車株式会社 車両CAE部

* 2 国立大学法人東京大学 生産技術研究所

* 3 独立行政法人海洋研究開発機構

利用施設: 独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータ

利用期間: 平成 23 年 4 月 1 日~平成 24 年 3 月 31 日

アブストラクト

平成 22 年度に地球シミュレータを用いた高精度な LES 計算により、2BOX 車の空気抵抗に影響が

ある車両後流 (Wake) の渦構造の解明を試みた。その結果、車両後方の環状の渦と車両の空気抵抗の関

係を解明した。

平成 23 年度は、平成 22 年度に得られた知見に基づき、一般的に車両の空気抵抗が大きくなること

が知られているバックウィンドウの傾斜角がさらに小さい車両の空気抵抗低減を試みた。本研究に供

した車両の後流では、線状の渦を形成することを新たに確認した。平成 22 年度の研究には現れなかっ

た線状の渦が観察されたことから、渦構造の計算格子サイズの依存が無いこと確認するために、車両

周りの流れ場を計算格子数 4 億に離散化した大規模な計算を実施した。車両後流の渦の形状が線状に

形成する場合に比べて環状に形成する方が車両の空気抵抗は小さいと推定した。

キーワード: 自動車、空力、非定常流れ、LES、空気抵抗、渦

1. 背景・目的

地球温暖化、化石燃料の枯渇問題により、自動車業界において、温室効果ガス(CO2)削減、燃費

規制への対応が重要課題となっている。欧州では、2009 年 6 月に 2012 年からのフェーズインで全乗

用車の CO2 排出量を 130g/km 相当とする規制が発行された。また、国内でも 2007 年 7 月の省エネ法

改正により 2015 年度を目標達成年度とした乗用車等の新燃費基準(2004 年度実績比で乗用車 23.5%

向上)が導入された。CO2 排出量低減には、自動車の走行抵抗としての空気抵抗低減は重要な課題で

ある。しかし、従来の経験や実験に基づく手法による改善で、車両形状は画一化しつつある。本プロジェ

クトは、一般的に空気抵抗が増加することが知られているバックウィンドウの傾斜角が小さい車両形

状の空気抵抗低減を目的とする。

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2. 供試品

Case 1、Case 2、Case 5の3形状を供試品とした。3ケースは車両後部の形状以外は同一の形状である。

Fig. 1 に Case 1 の供試形状を示す。Fig. 2 に 3 ケースの車両形状側面視を示す。

Case 2 の供試形状は、Case 1 のバックウィンドウ傾斜角をさらに小さくした形状であり、Case 5

の供試形状は、Case 2 の供試形状から車両上面と側面後

端のみ形状を凹形状とした以外は同一である。ここで、

バックウィンドウ上端と下端を結ぶ線と x 軸とのなす角

をバックウィンドウ傾斜角と定義した。また、Case 1 と

Case 3、及び、Case 2 と Case 4 の車両形状は同一で計

算格子数のみ異なる計算に供した。

3. 計算手法

計算には、東京大学生産技術研究所革新的シミュレーション研究センターにおいて開発された LES

流体計算ソルバー FrontFlow/blue ver.5.2 を用いた。FrontFlow/blue は有限要素法を用いた流体計算

ソルバーであり、運動方程式の計算に時間と空間を二次精度で計算する Crank Nicolson 法、圧力方程

式の計算に Fractional Step 法を使用している。また、乱流モデルには、Dynamic Smagorinsky Model

を使用した。

本プロジェクトでは計算要素数約 5000 万の計算に、地球シミュレータの 16 ノードを用いて 35 時

間程度の計算を実施した。また、計算要素数約 4 億の計算に、地球シミュレータの 32 ノードを用いて

50 時間程度の計算を実施した。

4. 計算条件

計算条件を Table 1 に示す。計算領域を Fig. 3 に示し、計算格子数 5000 万での計算格子を Fig. 4

に示す。計算格子数 5000 万での計算格子の最小要素幅は約 1[mm]、計算格子数 4 億での計算格子の最

小要素幅は約 0.5[mm] とした。

x y

z

a) Upper View x

y

z

b) Lower View Fig. 1 Car Model (Case 1)

c) Case 5

a) Case 1 (Case 3)

b) Case 2 (Case 4)

x z Tilt Angle of Back Window

Fig. 2 Car Models of Side View

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Table 1 Calculation Condition

Reynolds Number 2.5 × 105 [-]

Dynamic Viscosity Coefficient 1.54 × 10-5 [m2/s]

Characteristic Length 1.876 [m]

Number of Element50 Million(Case 1, Case 2)

400 Million(Case 3, Case 4, Case 5)107.5[m]

17.0[m]

Inlet

Outlet

Wall

x

z

y

Fig. 3 Calculation Domain

a) Front View b) Rear View

x

z y x z

y

Fig. 4 Grids of Case 1

CD

High

Low Time

Duration A

Fig. 5 CD Time History of Calculation

Table 2 Drag CoefficientsNumber of Element CD

Case 150 Million

0.269

Case 2 0.289

Case 3

400 Million

0.276

Case 4 0.283

Case 5 0.269

5. 計算結果

Case 1 の空気抵抗係数 (CD 値 ) 時刻暦を Fig. 5 に示す。以降の計算結果は CD 値が安定した区間 A

で時間平均された流れ場を分析した。他のケースについても、同様に CD 値が安定した区間で時間平均

した。Table 2 に各ケースの CD 値を示す。Case 1 に比べて Case 2 の CD 値が大きく、Case 3 に比べ

て Case 4 の CD 値が大きく、Case 4 に比べて Case 5 の CD 値が小さい。

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a) Case 1

b) Case 2

a) Case 1

b) Case 2

Static Pressure [Pa]

Low High

Velocity Magnitude [m/s]

Low High x

z x

z

Fig. 6 Static Pressure Distribution at Center

Plane

Fig. 7 Velocity Magnitude Distribution at

CenterPlane

a) Case 3

b) Case 4

c) Case 5

a) Case 3

b) Case 4

c) Case 5

Static Pressure [Pa]

Low High

Velocity Magnitude [m/s]

Low High x

z x

z

Fig. 8 Static Pressure Distribution at Center

Plane

Fig. 9 Velocity Magnitude Distribution at Center

Plane

Fig. 6 と Fig. 7 に Case 1 と Case 2 の車両中央断面での静圧分布と流速分布を示す。

Fig. 8 と Fig. 9 に Case 3 ~ Case 5 の車両中央断面での静圧分布と流速分布を示す。

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a) Case 1 b) Case 2

Velocity Magnitude [m/s]

Low High x

z x y

Z=0.72[m]

Fig. 10 に Case 1 と Case 2、Fig. 11 に Case 3 ~ Case 5 の車両背面圧力分布を示す。

a) Case 1 b) Case 2

Static Pressure

[Pa]

Low

High y

z

a) Case 3 b) Case 4 c) Case 5

Static Pressure [Pa]

Low High y

z

6. 考察

本プロジェクトでは、平成 22 年度と同様の計算格子数 5000 万で Case 1 と Case 2 を計算し、その後、

計算格子数 4 億で Case 3 ~ Case 5 を計算した。

6.1 Case 1 と Case 2 の比較

Fig. 10 から Case 1 に比べて、Case 2 の車両背面の上半分の圧力が低下したことがわかる。Case2

Fig. 10 Static Pressure Distribution at Vehicle Backward

Fig. 11 Static Pressure Distribution at Vehicle Backward

Fig. 12 Plane Position

Fig. 13 Velocity Magnitude Distribution and Streamlines at Fig. 12

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の空気抵抗増加要因は、この車両

背面の上半分の圧力低下と推定さ

れる。

Fig. 12 に示す断面位置での、車

両後端近傍の流速分布と流線を

Fig. 13 に示す。Case 1 に比べて、

Case 2 の主流は車両背面近傍を通

過する。

Fig. 14 に Case 1 と Case 2 の車両後流に形成した渦中心の 3 次元形状を示す。渦中心は、平成 22

年度と同一の方法で特定した 4)。Case 1 の車両後流の渦は環状に形成されたが、Case 2 の車両後流の

渦は車両背面上側に 2 本、下側に 2 本の計 4 本が線状に形成した。

Fig. 15 に車両中央断面での車両後半の圧力分布を示し、Fig. 16 に地面に平行な断面での車両後半

の圧力分布を示す。車両背面の上半分の圧力が低い Case 2 は、Case 1 に比べて車両上面後端の前側と

車両側面後端の前側の圧力が低いことがわかる。車両上面後端と側面後端での剥離直前の圧力低下が、

車両背面上の圧力が低下した要因である。これを CD 値増加要因であると推定し、この領域での圧力上

昇を狙う Case 5 形状を新たに作成した。

a) Case 1 b) Case 2 x

y z

Fig. 14 Vortex Core in Wake

a) Case 1 b) Case 2

Static Pressure[Pa]

Low High x

z

Y=0[m]

Fig. 15 Static Pressure Distribution at Vehicle Backward Face

a) Case 1 b) Case 2

Static Pressure[Pa]

Low High x

y

Z=0.72[m]

Fig. 16 Static Pressure Distribution at Fig. 12 Plane

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平成 22 年度の研究において、車両後流に環状の渦を形成する場合の計算格子数 5000 万と 4 億の計

算結果を比較し、環状に渦を形成する場合の計算格子解像度は格子数 5000 万格子で充足していると推

定した。本プロジェクトにおいては、車両後流に線状の渦を形成する場合の必要格子解像度を向上さ

せるため、計算格子数 4 億とした。

6.2 Case 2 から CD 値減形状の立案

Case 2 から CD 値を低減する形状と

して Case 5 を立案した。6.1 節での、

車両上面後端と車両側面後端での剥離

直前での圧力を上昇させることで車両

背面の CD 値が低減するとの推定に基

づき、流体計算ソルバー OpenFOAM

を用いたポテンシャル流れの計算と

Reynolds Averaged Navier Stokes 方程

式に SST k- ω乱流モデルを適用した

計算で、車両上面形状と車両側面形状

の形状探索を実施した。

Fig. 17 と Fig. 18 に形状探索の結果、

車両上面後端と側面後端での圧力上

昇への寄与が確認された形状を示す。

Case2 から Case 5 への形状変更は、車

両上面と車両側面後端を凹形状とした

のみであり、この形状以外は同一の形状である。

6.3 Case 3、Case 4 と Case 5 の比較

Fig. 19 に、車両中央断面での車両後半の圧力分布を示す。Fig. 19 より、車両上面後端の前側での

Case 2 Case 5

x z

x y

Case 5 Case 2

Fig. 17 Line of Vehicle Upper Face at Vehicle Center Plane

Fig. 18 Line of Horizontal Plane at Back window Center

a) Case 3 b) Case 4 c) Case 5

Static Pressure [Pa]

Low High x

z

Fig. 19 Static Pressure Distribution at Vehicle Center Plane

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圧力がCase 3に比べてCase 4の方が低いが、Case 4に比べてCase 5の方が高いことがわかる。同様に、

車両上面後端の後方 ( バックドア部 ) の圧力も、Case 3 に比べて Case 4 の方が低いが、Case 4 に比べ

て Case 5 の方が高いことがわかる。

Fig. 20 に、Fig. 14 と同一の方法で可視化した車両後流中の渦中心分布を示す。車両後流の渦中心

分布は、CD 値が Case 4 に比べて小さい Case 3 と Case 5 では環状に形成されたが、Case 4 では線状

に形成した。平成 22 年度に車両後流渦が車両背面に近づくに従って、車両背面の CD 値が大きくなる

ことを報告 4) したが、Case 4 は車両背面直近の位置に線状の渦を形成したことで、車両背面の CD 値

が大きくなったと推定される。

7. 結論

バックウィンドウ傾斜角が小さい車両模擬形状を計算格子数 5000 万と 4 億の計算に供した。

一般的に空気抵抗が大きくなることが知られているバックウィンドウ傾斜角が小さい形状の中から、

新たに CD 値が小さくなる形状を見出した。また、本プロジェクトの供試品では、車両後流に環状に渦

を形成した場合に比べて、線状に渦を形成した場合の方が空気抵抗が大きいことがわかった。

謝 辞

本プロジェクトの推進に際して、独立行政法人海洋研究開発機構地球シミュレータセンター渡

邉國彦氏に御指導、御助言を頂いた。計算コード FrontFlow/blue は、文部科学省次世代 IT 基盤

構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトの一環

として、東京大学生産技術研究所で開発されたものである。

ここに記して、感謝の意を表します。

参考文献

1) Zhuang, M., Kubota, T. and Dimotakis, P. E.,”Instability of Inviscid, Compressible Free

ShearLayers”, AIAA Journal, Vol. 28, No. 10 (1990), pp.1728-1733.

2) 中山,高光,安木,前田:車両外板の見切りが空気抵抗に及ぼす影響の研究,自動車技術会学術講

演会前刷集,No153-10,p.1-6,2010

3) 忠津,山村,安木:2Box 車の空気抵抗低減に関する研究 ( 第 1 報 ),自動車技術会学術講演会前刷集,

No.47-11,p.7-12,2011

4) 忠津,山村,安木他:平成 22 年度「地球シミュレータ産業利用戦略プログラム」利用成果報告書,

p.11-19,2011

a) Case 3 b) Case 4 c) Case 5 x

z y

Fig. 20 Vortex Core in Wake