14
3 マップ」 テキストマイニング 3-2: りうる ピックアップ 2 期時点での重要新概念語 0 30 0 16 4 16 2 16 4 15 0 15 4 12 0 10 える 2 9 0 9 0 9 1 8 3 8 0 7 2 7 する 1 7 0 6 する 1 6 2 6 0 6 する 0 6 3 5 0 5 1 5 0 5 1 5 2 5 0 5 2 5 0 5 各大学 2 5 越える 2 5 ポストドクター 0 5 3 期時点での重要新概念語 イノベーション 0 25 0 21 1 15 0 15 1 13 1 12 2 12 する 4 12 0 11 3 10 大学 0 10 する 0 9 0 9 1 9 1 9 0 8 0 8 0 8 みる 0 8 リードする 1 8 TLO 2 8 3 7 0 7 大学院 0 7 1 7 システム 0 7 0 7 0 7 コミュニティ 0 7 1 7 0 7 イノベーション 0 7 アジア 2 7 0 6 2 6 0 6 0 6 0 6 1 6 0 6 ・運 0 6 0 6 0 6 0 6 0 6 ベンチャー 0 6 2 6 3 6 1 6 0 6 0 6 0 6 1 5 0 5 システム 1 5 2 5 2 5 0 5 する 0 5 0 5 する 0 5 3 5 0 5 2 5 4 5 1 5 ・育 0 5 1 5 33 2007

3 章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキスト … · 第3 章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

表 3-2:将来概念になりうる語のピックアップ

第 2 期時点での重要新概念語語句 初期数 増加数公的研究機関 0 30知 0 16世界 4 16実現 2 16分野 4 15総合科学技術会議 0 15若手研究者 4 12生み出す 0 10支える 2 9間接経費 0 9安全 0 9透明性 1 8産学官連携 3 8創造 0 7機関 2 7確保する 1 7人文・社会科学 0 6重視する 1 6持続的 2 6国際競争力 0 6向上する 0 6目標 3 5発想 0 5日本 1 5長期的 0 5戦略的 1 5示す 2 5個人 0 5形成 2 5各府省 0 5各大学 2 5越える 2 5ポストドクター 0 5

第 3 期時点での重要新概念語イノベーション 0 25政策目標 0 21理念 1 15知的財産 0 15子ども 1 13女性研究者 1 12重点化 2 12強化する 4 12説明責任 0 11政府研究開発投資 3 10国立大学法人等 0 10支持する 0 9研究費制度 0 9競争的環境 1 9活躍 1 9

成果還元 0 8集中 0 8基本計画期間 0 8鑑みる 0 8リードする 1 8TLO 2 8問う 3 7分野別推進戦略 0 7大学院教育 0 7制度改革 1 7人事システム 0 7審査 0 7公的部門 0 7研究者コミュニティ 0 7競争力 1 7科学技術力 0 7イノベーション創出 0 7アジア諸国 2 7隘路 0 6法人 2 6分野内 0 6博士号取得者 0 6博士課程 0 6多様性 1 6戦略性 0 6制度・運用上 0 6人材育成機能 0 6国民意識 0 6個別政策目標 0 6研究領域 0 6研究開発型ベンチャー 0 6教員 2 6期待 3 6官民 1 6過度 0 6科学技術関係活動 0 6安心 0 6老朽施設 1 5府省間 0 5評価システム 1 5配分機関 2 5独立行政法人 2 5調査分析機能 0 5創造する 0 5戦略重点科学技術 0 5先導する 0 5政策 3 5世界的研究教育拠点 0 5世界的 2 5人 4 5新技術 1 5出産・育児 0 5社会還元 1 5

33 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

資源配分方針 0 5国際競争 0 5国家的 1 5源泉 4 5研究費配分 0 5研究教育拠点 0 5

研究・教育機関 0 5競争的資金等 1 5起業活動 0 5基本 4 5活躍する 0 5意欲 3 5

表 3-3:第 1期から第 3期の間に成熟、衰退した概念語

新概念→成熟概念

21世紀

科学技術

基盤

技術

技術革新

研究

研究開発

研究開発活動

研究機関

研究成果

効果的・効率的

国際的

産業

資源

情報

人類

推進

整備

生活

促進する

能力

発展

必要

評価

幅広い

領域

新概念→衰退概念

1万人支援計画

APEC

DNA概要解析結果

IT

LAN

MT

NIH

SBIR

アウトソーシングする

アジア・太平洋諸国

アルツハイマー病研究

イネゲノム

インセンティブ

インターフェース

インターンシップ

インパクト

インフォームド・コンセント

エネルギー

エネルギー・セキュリティ

エネルギー供給不安

エネルギー需給構造

オーダー

オーダーメイド医療

ガイドライン

カリキュラム改革

ガン細胞

キャリア・パス

グループ研究

グローバリゼーション

グローバル化

クローン技術

グローバル化

ゲノム

ゲノム情報

コースワーク

コーディネート機能

コスト

コミュニケーション

コンピュータ

システム生物学

シミュレーション

シミュレーション技術等

ジャーナリスト

スーパーカミオカンデ

スコープ

ストックオプション制度

ストレス

スピード

セクター間

ソフトウェア技術

ソフトウェア技術等

ダイナミック

たんぱく質

チャンネル

データ

データベース

データベース化

データベース構築技術

テストベッド

テニュア制

デバイス

デバイス技術

ナノ

ナノサイズ特有

ナノテクノロジー・材料分野

ナノバイオロジー

ナノメートルオーダー

ナノメートルレベル

ナノレベル

ナノ情報デバイス

ナノ物質・材料

ネットワーク

ネットワーク社会

ネットワーク上

ネットワーク整備

ノーベル化学賞

パーソナルコンピュータ関連技術等

パートナーシップ強化

バイオテクノロジー

バイオテクノロジー等

バイオマス等

ハイテク産業

ピア・レビュー

ヒト

ヒトゲノム

ヒト胚性幹細胞等

フェローシップ等

プライバシー

ブレークスルー

プログラム・制度

プロジェクト

プロジェクトマネージメント能力

プロジェクト全体

フロンティア開拓型

ベンチャーキャピタリスト

ベンチャービジネス

ベンチャー企業

ポストゲノム科学

ポストドクター期間

ポストドクター経験者等

ポストドクター等

ポストドクトラル制度等

ポテンシャル

マイクロマシン等

マネジメント

メガコンペティション

メカニズム

メディア等

ものづくり

ものづくり革新

ものづくり能力

ライフサイエンス分野

ライフサイクルアセスメント手法

リーダーシップ

リスク

リスク・アセスメント

リスクマネー

ルール整備等

安心・安全

安心する

安心できる

安定する

安定供給

安定的運転

委託研究

委託研究開発

意識改革

異業種融合分野

移植・再生医療

遺伝子情報等

遺伝子組換食品

遺伝情報

遺伝性

医学

医療・福祉機器技術等

医療技術

宇宙

宇宙開発

宇宙利用

遠隔教育

温室効果ガス

温暖化

化学

化学物質

化学物質総合評価管理技術

化石燃料

家畜

科学技術システム

科学技術関係経費

科学技術関係人材

科学技術基盤

科学技術基本計画

科学技術基本法

科学技術振興

科学技術創造立国

科学技術文明

科学雑誌

科学的

科学的・技術的基盤

科学的・技術的視点

科学的・合理的・主体的

海洋開発

海洋等

海洋利用等

外国

外国人

外部化等

外部機関

外部認定制度

外部評価

各セクター

各機関

各研究機関

拡大・縮小

34 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

拡大する

拡大等

学科

学外者

学校教育

学校教育・社会教育

学習

学習できる

学生

学生数

学長

学長等

学部・学科等

楽しむ

官民役割分担

感染症対策

感染症等

環境・安全等

環境づくり

環境教育等

環境対策

環境対策自体

環境負荷最小化技術

環境分野

基準認証制度

基礎科学

基盤技術

基盤整備

基盤的技術

基盤的経費

基盤的分野

寄附講座

既存材料技術

既存産業

既存施設

既存制度

機関長

機能性食品

起業家

起業家精神

起源

技術マネジメント教育

技術開発費

技術革新システム

技術継承

技術指導事例

技術支援

技術者教育

技術評価

休業制度

休職制度等

競う

競争できる

競争的研究資金

競争的資金一般

競争優位性

共通基盤

共通基盤技術開発

教育・訓練

教育機能

教育研究

教育研究活動

教育研究基盤校費

教育研究機能

教育研究指導

教育研究実績

教育研究条件

教育研究水準

教育現場

教育内容

教員研修

教授

業績評価

極小

極小化する

繰越明許費

携帯電話

兼業緩和等

兼業許可

研究コミュニティ

研究システム改革

研究する

研究できる

研究ネットワーク

研究プロジェクト

研究ポテンシャル

研究員当積算庁費

研究科

研究科・専攻

研究課題

研究課題選定

研究開発機能

研究開発拠点

研究開発資金

研究開発資源

研究開発実績

研究開発情報

研究開発制度

研究開発成果

研究開発全般

研究開発組織

研究開発費

研究開発評価

研究開発予算

研究期間

研究機関・研究者

研究機関管理

研究機関間

研究機関全体

研究機関等

研究機関内

研究機関評価

研究休職

研究業務

研究系

研究経験

研究結果

研究交流

研究交流促進法

研究効率

研究指導者

研究支援業務

研究支援者数

研究支援体制

研究支援等

研究施設

研究資源等

研究実態

研究者・技術者等

研究者レベル

研究者個人

研究者自身

研究者養成

研究所等

研究情報基盤

研究人材

研究成果等

研究責任者

研究対象

研究棟

研究等

研究動向

研究能力

研究発展

研究評価・政策評価

研究分野

研究分野等

研修

原子・分子

原子・分子サイズ

原子力安全技術等

現場

現代医療

雇用機会

雇用創出力

娯楽

光通信技術

幸福

硬直性等

貢献

高精度加工技術

高精度技術

高度経済成長

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部

高度情報通信社会

高等教育

高等教育機会

高等教育機関

高付加価値極限技術

高齢社会

合理化効果

国家公務員

国家行政組織

国家的・社会的課題

国家的取組

国境

国際化

国際環境

国際関係

国際協力プロジェクト

国際協力活動

国際協力等

国際交流

国際社会

国際水準

国際的議論

国際的水準

国際的調和

国内総生産

国民生活

国民的合意

国立大学

採用

採用機会等

採用手続

災害

災害対策

災害防止等

裁量

裁量労働制

在宅勤務

材料

材料技術

材料等

産学官間

産学官連携プロジェクト

産学官連携窓口

産業化

産業化・事業化

産業活動

産業技術

産業教育

産業現場等

司令塔

市場原理

思考法

資源エネルギー

持続的成長

持続的発展

治療

自然科学のみなる

自然科学系

自然環境

自然循環機能

自然生態系

自由

疾患・薬物反応性遺伝子

疾患遺伝子

疾病

実験

実験・実習

実質的

実践的

実践的能力

社会システム

社会基盤技術等

社会教育

社会経済活動

社会資本

社会人講師

社会全体

社会的・経済的

社会的コンセンサス

社会的責任

手当

受託研究

35 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

受託者

授業科目

縦割り

熟練技能者

出産後

出産後職場

循環システム

初等中等教育

助教授・助手

奨学金

将来

少子高齢社会

省エネルギー・エネルギー利用高度化技術

省エネルギー・リサイクル・省資源

省庁間

情報化

情報格差

情報管理

情報技術

情報交換

情報公開

情報通信

情報通信革命

情報通信技術等先端的技術

情報通信産業

情報通信社会

情報通信端末

情報通信分野

情報通信分野 人

情報発信力

情報流通

情報流通・人材交流

職業倫理

食生活

食料

食料・環境問題

食料安全保障

新エネルギー技術

新興分野

新産業創出

新薬

神経関連疾患

人工衛星

人工物質・素材等

人材交流

人材情報

人材養成

人事院

人的ネットワーク

推進戦略

水準

制御

制御する

制御技術

制御等

成果管理等

成果報告等

政府調達

生活できる

生活環境

生活空間

生活水準

生産システム

生産技術等

生存基盤

生態系

生物遺伝資源等

生物現象

生物資源

生物種

生命

生命・身体

生命科学

生命科学等

生命線

生命倫理

生命倫理上

精密部品加工技術

精緻

製造技術

責務

先進的ものづくり技術

先端生命科学研究

専攻科

専修学校

専門大学院

専門調査会

専門的業務

専門的情報

専門要員・人材

専用実施権

組織運営

組織運営体制

組織編制

創造的人材

増加試験研究費税額控除制度等

臓器移植

臓器移植・再生医療の

多い

多く

多数

多様化する

体験学習

貸付事業

大学院学生

大学院学生数

大学運営

大学改革

大学共同利用機関

大学図書館等

大学設置基準

大学評価・学位授与機構

大学評価・学位授与機構等

淡水管理

短期大学

弾力化

弾力性

弾力的

弾力的受入れ等

知識・手法

知識社会

知識集約的

知的クラスター形成

知的活動

知的基盤

知的財産権

知的財産権制度一般

知的財産権等研究開発

知的資源

知的資産

地球温暖化対策技術

地球温暖化対策技術等

地球温暖化等環境問題

地球温暖化防止等

地球科学

地球環境

地球環境保全

地球環境問題

地球規模

地元

地震

地震防災科学技術

地理情報システム

中小企業技術革新制度

超軽量化

超高強度化

超高効率発光等

超高速情報処理

超高速通信

超微細化技術

点検・評価

電子システム

電子化及ぶ

電子商取引

電子図書館的機能

電子政府

導電性高分子

特許

特許化

特許申請数

特許等

特殊法人

特殊法人研究機関等

独創的

独立行政法人化

独立行政法人研究機関

独立行政法人研究機関等

内閣総理大臣

日常生活

日常的

日本人研究者

任期付教員

任期付研究員

任期付研究員制度

任期付任用制度

燃料電池

脳機能

脳死

波及効果

廃棄物等

媒介機能

媒介的活動

博士課程学生

博士課程修了者

博物館・科学館等

発揮

発揮する

発展途上国

発明者

非営利

非常時・防災通信技術等

微生物ゲノム

標準化

標準化協力関係

標準化戦略

評価体制

病気

品質

品質管理

品質管理・製造現場安全確保技術

福祉

物質

物質・材料

物質構造等

物質特性等

物理

分子生物学

文化

米国

法改正

法制度

法的問題

法律

防災・危機管理関連技術

防災科学技術

未来

民間活力

民間企業等

民間研究資金

民間事業者

民間主体

民間団体

面白さ

目的意識

有機的

有識者

有用資源

幼児期

利子助成事業

理科等

理学部・工学部等

立体構造

流動化

量子効果

量子力学

倫理

倫理観

倫理面

臨床試験

連携大学院制度

労働者派遣事業

労働力人口

老化

老朽化・狭隘化

老朽化・狭隘化問題

老朽化施設

論文

論文発表等

36 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

表 3-3のリストを見ると、例えば「研究」関連でどういった語が衰退し、代わりにどんな語が

現れているのか、といったように、大枠のカテゴリの中でどのような変遷があるのかを単語レベ

ルで見ることが出来る。表 3-4に「研究」関連のキーワードを抽出した。

表 3-4:「研究」関連のキーワードの変遷

「研究」関連衰退概念語

研究コミュニティ研究システム改革研究する研究できる研究ネットワーク研究プロジェクト研究ポテンシャル研究員当積算庁費研究科研究科・専攻研究課題研究課題選定研究開発機能研究開発拠点研究開発資金研究開発資源研究開発実績研究開発情報研究開発制度研究開発成果研究開発全般研究開発組織研究開発費研究開発評価研究開発予算研究期間研究機関・研究者

研究機関管理研究機関間研究機関全体研究機関等研究機関内研究機関評価研究休職研究業務研究系研究経験研究結果研究交流研究交流促進法研究効率研究指導者研究支援業務研究支援者数研究支援体制研究支援等研究施設研究資源等研究実態研究者・技術者等研究者レベル研究者個人研究者自身研究者養成研究所等

研究情報基盤研究人材研究成果等研究責任者研究対象研究棟研究等研究動向研究能力研究発展研究評価・政策評価研究分野研究分野等「研究」関連成熟概念語

研究開発研究開発活動研究機関研究成果「研究」関連新概念語

政府研究開発投資研究費制度研究者コミュニティ研究領域研究開発型ベンチャー世界的研究教育拠点研究費配分研究教育拠点研究・教育機関

3-3 第 2期~第 3期科学技術基本計画とその間の意見書・提言との

関連性

これまで単語レベルの変化を見てきたが、次は科学技術基本計画や意見書・提言に含まれるよ

り具体的な概念を得ることで比較の精度を上げるために、MultiWebグラフを用いる。

今回は意見書・提言に関して科学技術基本計画の第 1期以前のものが 1部、第 1期~第 2期の

間に 1部、第 2期~第 3期の間に 34部、第 3期以降に 5部と、第 2期~第 3期以外は非常に本

数が少なかったため、分析対象として第 2期~第 3期のみを選んだ。

まず第 2期と第 3期科学技術基本計画のMultiWebグラフを比較し、相違があるか検討した上

で、その間の意見書・提言が科学技術基本計画に及ぼす影響を分析した(図 3-13参照)。

37 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

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図 3-13: 第 2期~第 3期科学技術基本計画とその間の意見書・提言との関連性分析

科学技術基本計画の第 2期と第 3期には、語句レベルでは共通部分が見られるものの、リンク

のペアにかなりの相違が見られた。また、第 2期と意見書・提言のリンクを比較しても同様の傾

向がある。一方、科学技術基本計画への意見書・提言は次期の科学技術基本計画に影響を与えて

いる傾向が見られる。意見書・提言と、第 3期科学技術基本計画の一致するトピックは以下のよ

うなものが挙げられる。

• 大学と公的研究機関との連携

• 連携の強化

• イノベーション

• 優秀な人材の育成

• 国際競争力の必要性

• 知の創造(ただし、このリンクは第 2期から減っていることに注意)

ただ、意見書・提言は「企業」という概念が多く存在するのに対し、第 3期科学技術基本計画に

はその概念が少ない。また、第 3期科学技術基本計画に府省関連の概念が存在するのに対し、意

見書・提言には府省関連の概念は少ない。このように、科学技術基本計画とその意見書・提言は

まだ噛み合っていない概念が存在し、それらの相互性を強化することで、産官学連携色の強い計

画を打ち出せるのではないかと考える。

第 2期科学技術基本計画、第 3期科学技術基本計画、意見書・提言の各MultiWebグラフを一

対比較することで得られた共通リンクを表にまとめたのが表 3-5である。

38 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

3

図3-

14:第

2期科学技術基本計画の

Mul

tiW

ebグラフ(4リンク以上)

39 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

3

図3-

15:第

3期科学技術基本計画の

Mul

tiW

ebグラフ(4リンク以上)

40 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

3

3

図3-

16:第

2期から第

3期までの意見書・提言に関する

Mul

tiW

ebグラフ(

15リンク以上)

41 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

表 3-5: MultiWebグラフを比較した際に見られたリンクの特徴

(色つき部分は全てで共通のリンク)

MultiWebグラフに見られるリンクを第 2期と第 3期の科学技術基本計画で比較すると、「優れ

る‐人材」「知‐創造」「質‐高い」「質‐向上」「科学技術‐成果」「科学技術‐振興」といった計

画の基幹部分と言えるものを除けば「国家的・社会的課題‐対応する」「競争的‐研究開発環境」

の2種類しか共通しておらず、具体的な概念を表すリンクの種類には多くの相違が見られた。ま

た、第 2期と意見書・提言のリンクを比較しても同様の傾向がある。

一方、同様のMultiWebグラフの比較から、科学技術基本計画への意見書・提言と第 3期科学技

術基本計画は、計画の基幹部分と言えるものを除く共通リンクの種類が比較的多いことが分かっ

た。意見書・提言と、第 3期科学技術基本計画の一致するトピックをまとめると以下のようなも

のが挙げられる。

• 大学と公的研究機関との連携

• 連携の強化

• 優秀な人材の育成

• 国際競争力の必要性

• 知の創造1

以上の分析から、下記の点が明らかになった。

(1) 第 2期科学技術基本計画以降、科学技術基本計画への意見書・提言のトレンドは第 2期計画

と比べて変化している。

(2) 第 3期科学技術基本計画は、世論(少なくとも計画策定チーム外の政府関係者、学者)と共

通のトレンドに沿っている部分が存在する。

また、意見書・提言は「企業」という概念が多く存在するのに対し、第 3期科学技術基本計画に

はその概念が少ない。さらに、第 3 期科学技術基本計画に府省関連の概念が存在するのに対し、1ただし、このリンクは第 2期科学技術基本計画から減っていることに注意

42 知識社会研究  2007年度報告書

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

意見書・提言には府省関連の概念は少ない。このように、科学技術基本計画とその意見書・提言

には、中心的な議論について異なる部分が存在していることが分かった。

このように、MultiWebグラフを用いることで、文書群の比較から各々の相違を抽出するといっ

た「見える化」ができれば、それを基に新たな問題を議論する(e.g.相互でかみ合わない部分を

強化する)ための指針になるのではと考える。

3-4 科学技術基本計画と同時期の施政方針演説との関連性

本節では、3-1と 3-2の分析結果を踏まえて、それらの比較による、科学技術計画が政策(施政

方針演説)に与える影響を分析する。

3-4-1 新概念語と改革の推移の関連性

新概念語が国家的な改革の要素として組み込まれればその概念は広く波及していくと考えられ

る。そこで、新概念語の改革への波及を見るために、表 3-2の「重要新概念語リスト」と図 3-3を

基に比較、検討を試みた。

(1)第 2期の重要新概念語とそれが及ぼす改革への影響

具体的な概念として捉えられる語を探すと、「産学官連携」「国際競争力」「ポストドクター」が

挙げられる。そこで第 2期以降(第 151回森内閣~第 164回小泉内閣)に行われた改革を見ると、

「大学改革」が関連性を持つと考えられる。大学改革の内容を掘り下げてみると、小泉内閣で行わ

れた大学改革に関しては、1991年には日本の国際競争力が1位であったものが、2001年には 26

位に低下したことを踏まえたうえで、

(1) 基礎研究の促進

(2) 研究開発の戦略的重点化

(3) 産学官の連携

(4) 大学システムの改革

-大学の活動に競争原理を導入

-国立大学は行政によるコントロール(規制)を取り外す

-若手研究者のクリエイティブな能力が十分発揮できる環境を整備する

-新しくフレキシブルな管理運営を確立

が重要であるとしており、実際に改革の中に新概念語が組み込まれていることが分かる。

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

(2)第 3期の重要新概念語とそれが及ぼす改革への影響

第 3期の科学技術基本計画に現れた重要新概念語に対し、今のところ対応するような改革は現

れていない(財政改革色が強い)。今回ピックアップした第 3期の重要新概念語に関しては、今後

の動向が注目される。

3-5 予備作業から得られた知見

3-1節では施政方針演説の文書群を時系列に見たときの語句推移変化の可視化を行った。その結

果、「改革」など特定の語句で周期性が見られ、それが社会情勢の動きと同期するというような、

文書内にある潜在的な情報を抽出することができた。これは TMを用いて文書群を俯瞰すること

による新しい視点であり、時系列をより多く取れる文書群で同様の分析を行うことで、文書群の

新たな情報を抽出できる可能性を示唆した。

3-2節では第 1期~第 3期科学技術基本計画を題材に、PPM(Product Portfolio Management)

を基にした概念変化のグラフを作成した。ここから語の使用度合いの変化を傾向別に分類するこ

とで語の特徴をとらえることができ、今後の科学技術基本計画を策定する際、トピックになりう

る語を推定するための指標として利用することができると考える。

3-3節では第 2期、第 3期科学技術基本計画とその間の意見書・提言の間に影響があるか分析

を試みた。文書群同士のトピックをより具体的に比較できるように、MultiWebグラフを用いて

語句のリンクを視覚化した。文書群間でトピックの共通点はいくつか拾えたものの、語句のつな

がりが 2語間しか分からないため、より掘り下げた内容を視覚化することが課題として挙げられ

た。しかし今回の予備分析の中では、膨大な文書群の中から知を抽出・視覚化する最良の方法と

して注目をし、本研究会でさらに応用的な分析を検討することにした。

3-4節では科学技術基本計画が施政方針演説に影響を与えているかどうかを、3-1節と 3-2節の

結果を比較することで分析した。結果、定性的な分析によって影響があると判断したものの、客

観性、網羅性に不足分があり、その説明力に課題が残った。

以上の予備作業を踏まえて、3-3のMultiWebグラフのような「視覚化」の手法に着目し、文

書内構造をさらに詳細に表現するグラフの作成を試みることにした。次章ではその概要、プロセ

ス、および結果を示していく。

補足:追加予備作業~MultiWebグラフを用いて~

3-3節で行ったMultiWebグラフによる分析に関して、視覚化できるというメリットに着目し、

科学技術基本計画全体同士の比較だけでなく各文書に含まれる共通語句、例えば「研究者」とい

う語に関して、その周辺語句の量、種類がどのように変化しているかを比較することで各期科学

技術基本計画の変化とその特徴を捉えることを試みた。

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

Clementineで作成できるMultiWebグラフをサークルレイアウトで表示すると、図 3-17のよ

うになる。

図 3-17: サークルレイアウトのMultiWebグラフで表示した「研究者」のリンク

図 3-17は、文書内で「研究者」と係り関係にある語句を全て抜き出してリンク表示したもので

ある。このグラフを見ることで、「研究者」という語の前後に何種類の、どんな種類の語があるか

を一覧することができる。線の太さはリンク度数(文書中にその組み合わせが何回出てきたか)

を表し、点線を 1回、細線を 2~3回、太線を 4回以上としている。

さらにこの形のMultiWebグラフを第 1期~第 3期科学技術計画に適用し、時系列比較すると、

図 3-18のようになる(左から第 1期、第 2期、第 3期の順)。これらの図から、検索語の周辺語

の種類や数がどう変化しているか一覧することが出来る。

Max:11

Max:3

Max:4

(11)

(6)

1

2~3

4~

1

2~3

4~

図 3-18: 「研究者」MultiWebグラフの時系列変化

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第 3章「知識構造マップ」開発の予備作業-特定文書群のテキストマイニング分析-

図 3-18のような「研究者」のMultiWebグラフを比較した場合、第 1期科学技術基本計画には

多種のリンクが見られ、リンク度数の高いリンクも存在するが、第 2期、第 3期は第 1期と比較

するとリンクの種類が減り、またその内容も変化してきていることがわかる。

以上の追加予備作業により、特定の語に関して、

• 周辺にどのような概念があるか視覚的に一覧できる

• 周辺の概念変化を時系列で認識できる

といった考え方が、次章で「知識構造マップ」の作成を考えていく際、文書内構造をさらに詳

細に表現するグラフの作成を行う上で有用であろうという認識を得た。よってここで得られた知

見も知識構造マップ作成の要素に含むことを考慮に入れながら今後の議論を進めていく。

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