73
57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。 ここでは、フルタイム雇用者の労働時間及び生活時間の状況について、属性別の比較を 行い、その原因を探ることとする。 なお、労働に関する時間の把握にあたっては、平日・勤務日のデータが有用な場合が多 いが、欧州統一生活時間調査に収録されているデータの性質上、かかる条件によって出力 が困難な国も出てくる。このため、平日・勤務日のデータだけでなく、曜日・勤務日/休暇 日を問わないデータも併せて表示する。 なお、社会生活基本調査においては、「正規雇用者」等の雇用形態による集計表はほとん ど公表されていないため、参考として「有業者」の区分による集計を示す。

3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

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Page 1: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

57

3 労働時間・生活時間についての属性別比較

前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。 ここでは、フルタイム雇用者の労働時間及び生活時間の状況について、属性別の比較を

行い、その原因を探ることとする。 なお、労働に関する時間の把握にあたっては、平日・勤務日のデータが有用な場合が多

いが、欧州統一生活時間調査に収録されているデータの性質上、かかる条件によって出力

が困難な国も出てくる。このため、平日・勤務日のデータだけでなく、曜日・勤務日/休暇日を問わないデータも併せて表示する。 なお、社会生活基本調査においては、「正規雇用者」等の雇用形態による集計表はほとん

ど公表されていないため、参考として「有業者」の区分による集計を示す。

Page 2: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

58

3-1 労働時間 3-1-1 年齢別労働時間

年齢別に労働時間をみると、欧州各国では、男性については、年齢間で労働時間に大き

な差はみられない。他方、女性についてみると、ノルウェーやスペイン、フランスでは、

若年層(20-24歳)の労働時間が長く、それより上の年齢層では労働時間が短いという傾向が出ている。

図表 III-13 年齢別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

20-24歳 25-44歳 45-64歳 65-70歳 合計男性 8:42 8:53 8:46 .. 8:48女性 8:22 8:09 8:11 .. 8:11全体 8:34 8:39 8:32 .. 8:35男性 8:14 8:33 8:37 .. 8:32女性 7:30 7:38 7:40 .. 7:38全体 7:55 8:10 8:10 .. 8:08男性 8:02 8:19 8:00 .. 8:10女性 7:59 7:12 7:18 .. 7:18全体 8:01 7:56 7:45 7:44 7:52男性 8:40 8:52 8:54 7:44 8:52女性 7:45 7:24 7:13 6:06 7:23全体 8:19 8:19 8:24 7:08 8:20男性 8:20 8:21 8:24 .. 8:22女性 8:16 7:57 7:41 .. 7:53全体 8:19 8:13 8:09 .. 8:11男性女性全体男性 7:25 8:04 7:59 .. 7:58女性 7:12 7:22 7:27 .. 7:22全体 7:19 7:50 7:49 6:49 7:46男性 8:53 8:52 8:40 .. 8:48女性 8:16 7:52 8:05 .. 7:59全体 8:35 8:33 8:29 .. 8:32

男性 8:33 9:15 8:34 6:34 8:39

女性 7:45 7:24 7:04 6:33 7:14

全体 8:09 8:38 8:07 6:34 8:11

イタリア (集計なし)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

ドイツ

イギリス

日本

(※参考:有業

者のうち「主に

仕事」の者) ※日本は平成 18年社会生活基本調査(調査票A)第 1表による、有業者のうち「主に仕事」6の者の、平日の平均時間である。

※※日本の『65-70歳』の欄は、65-69歳の平均時間を示している。

6 有業者のうち「家事のかたわらに仕事」「通学のかたわらに仕事」以外の場合である。

Page 3: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

59

図表 III-14 年齢別労働時間(フルタイム雇用者・週平均)

(時間:分)

20-24歳 25-44歳 45-64歳 65-70歳 合計男性 4:53 5:27 5:21 .. 5:23女性 4:27 4:27 4:29 .. 4:28全体 4:43 5:06 4:59 .. 5:02男性 5:38 6:02 6:11 4:54 6:03女性 4:42 5:03 5:01 .. 5:01全体 5:13 5:36 5:37 5:20 5:35男性 5:29 5:15 4:57 4:18 5:08女性 5:26 4:12 4:23 .. 4:22全体 5:28 4:52 4:45 3:59 4:51男性 6:01 6:15 6:17 5:13 6:14女性 5:21 5:12 4:59 4:14 5:09全体 5:46 5:51 5:53 4:50 5:51男性 6:14 5:25 5:22 .. 5:27女性 5:39 4:54 4:52 .. 4:55全体 6:00 5:13 5:11 .. 5:15男性 6:30 6:29 6:23 6:11 6:27女性 5:44 5:21 5:10 5:30 5:19全体 6:12 6:07 6:00 6:05 6:05男性 5:09 5:24 5:14 4:38 5:19女性 4:44 4:54 4:38 .. 4:47全体 4:58 5:14 5:02 4:44 5:08男性 6:06 6:00 5:59 4:09 5:59女性 5:31 5:06 5:04 .. 5:08全体 5:50 5:42 5:42 3:53 5:42

男性 7:22 7:41 7:10 5:44 7:15

女性 6:42 6:03 6:01 5:56 6:06

全体 7:03 7:09 6:49 5:47 6:52

ドイツ

イギリス

日本

(※参考:有業

者のうち「主に

仕事」の者)

イタリア

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

※日本は平成 18年社会生活基本調査(調査票 A)第 1表による、有業者のうち「主に仕事」の者の、平日の平均時間である。

※※日本の『65-70歳』の欄は、65-69歳の平均時間を示している。

Page 4: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

60

3-1-2 職種別労働時間

職種別に労働時間をみると、多くの国で管理職に該当する層(立法議員・上級行政官・

管理的職業従事者)の労働時間が比較的長く、スウェーデン、スペイン、イギリスでは男

性の場合、9時間前後となっている。 日本については、有業者の数値であるが、管理的職業従事者の男性の場合、労働時間が 8時間 41分となっており、スウェーデンやイギリスとほぼ同じ時間となっている。 なお、日本の男性について、労働時間が長い職種をみると、運輸・通信事業者で 9 時間

59分、販売従事者で 9時間 30分、専門・技術的職業従事者で 9時間 17分などとなっている。

図表 III-15 職種別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Legislators,seniorofficials andmanagers(立法議員、 上級行政官、 管理的職業従事者)

Professionals(専門的職業従事者)

Technicians andassociateprofessionals(技術者及び準専門的職業従事者)

Clerks(事務的職業従事者)

Service,shop andmarketsalesworkers(サービス職業従事者, 店舗及び市場での販売従事者)

Skilledagricultureand Fisheryworkers(熟練の農林漁業従事者)

Craft andrelatedtradeworkers(熟練職業及び関連職業従事者)

Plant/machineryoperatorsandassemblers(装置・機械操作員及び組立工)

Elementaryoccupations(初級の職業)

All(合計)

男性 8:51 8:17 8:17 8:23 8:49 .. 8:10 8:35 .. 8:23女性 .. 7:41 7:47 8:01 7:58 .. .. 8:04 8:17 7:54全体 8:42 8:02 8:06 8:07 8:18 .. 8:11 8:32 8:20 8:12男性 8:24 8:27 8:13 .. 8:57 .. 8:28 8:45 8:34 8:27女性 8:11 7:34 7:38 7:47 7:34 .. .. 7:43 7:44 7:40全体 8:19 7:59 7:55 7:44 8:00 7:29 8:24 8:32 8:07 8:05男性 8:34 7:31 8:00 7:27 8:16 .. 8:06 8:36 .. 8:05女性 7:36 7:18 6:59 7:13 7:35 .. .. .. .. 7:16全体 8:17 7:26 7:34 7:19 7:47 .. 8:05 8:29 7:11 7:47男性 9:09 7:54 8:24 8:10 8:37 8:45 8:59 8:55 8:34 8:38女性 8:01 7:19 7:29 7:11 7:28 .. 7:57 8:22 6:41 7:19全体 8:58 7:37 7:59 7:37 8:00 8:26 8:52 8:50 7:40 8:08男性女性全体男性女性全体男性 7:55 8:00 7:29 7:33 7:18 8:03 7:38 8:03 7:27 7:42女性 .. 7:39 6:40 7:26 7:21 .. 6:58 .. 7:03 7:15全体 7:43 7:53 7:00 7:29 7:19 8:07 7:35 7:58 7:17 7:33男性 8:57 8:18 8:09 8:14 8:13 .. 8:51 9:01 8:29 8:38女性 8:26 8:13 7:40 7:39 7:20 .. 8:20 8:09 8:06 7:54全体 8:48 8:16 7:57 7:50 7:40 .. 8:49 8:51 8:24 8:22

管理的職業従事者

事務従事者 販売従事者農林漁業作業者

生産工程・労務従事者

運輸・通信従事者

合計

男性 8:41 9:12 9:30 6:59 8:57 9:59 9:00女性 6:15 6:58 6:21 5:10 6:16 7:47 6:36全体 8:29 7:48 8:18 6:12 8:10 9:52 7:59

フランス (集計なし)

イタリア (集計なし)

イギリス

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

ドイツ

専門・技術的職業従事者

日本(参考:有業者)

9:177:368:31

※日本については、有業者・平日・仕事のある日の平均時間である。

Page 5: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

61

図表 III-16 管理職に該当する層の労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

スウェーデン・

男性

フィンランド・

男性

ノルウェー・

男性

スペイン・

男性

ドイツ・

男性

イギリス・

男性

フィンランド・

女性

ノルウェー・

女性

スペイン・

女性

イギリス・

女性

フルタイム雇用者のうち、立法議員、上級行政官、管理的職業従事者

フルタイム雇用者合計

7時間

8時間

9時間

10時間

図表 III-17 職種別労働時間(フルタイム雇用者・週平均) (時間:分)

Legislators,

senior officials

and managers

(立法議員、

上級行政官、

管理的職業従

事者)

Professionals

(専門的職業

従事者)

Technicians

and associate

professionals

(技術者及び

準専門的職業

従事者)

Clerks

(事務的職業

従事者)

Service, shop

and market

sales workers

(サービス職

業従事者, 店

舗及び市場で

の販売従事

者)

Skilled

agriculture

and Fishery

workers

(熟練の農林

漁業従事者)

Craft and

related trade

workers

(熟練職業及

び関連職業従

事者)

Plant/machin

ery operators

and

assemblers

(装置・機械操

作員及び組立

工)

Elementary

occupations

(初級の職業)

All

(合計)

男性 5:28 5:04 5:06 4:28 6:03 .. 4:47 4:46 4:25 5:01女性 3:58 4:07 4:16 4:30 4:01 .. 5:06 3:41 4:37 4:13全体 4:58 4:38 4:46 4:30 4:42 4:09 4:48 4:38 4:33 4:42男性 6:20 6:03 5:47 5:39 6:19 4:59 5:45 5:49 5:37 5:52女性 5:02 5:03 5:06 5:13 4:33 4:22 5:35 5:14 4:49 5:00全体 5:49 5:30 5:25 5:17 5:01 4:40 5:44 5:42 5:11 5:27男性 5:27 4:36 5:10 4:29 5:08 .. 4:38 4:45 .. 4:56女性 4:50 3:56 4:34 4:13 4:30 .. .. 3:28 3:36 4:22全体 5:15 4:20 4:55 4:20 4:40 .. 4:40 4:33 4:19 4:43男性 6:05 5:13 5:29 5:28 6:37 6:11 6:11 6:13 5:52 5:56女性 4:52 4:43 5:16 4:46 5:38 5:52 5:17 5:40 4:37 5:04全体 5:52 4:58 5:24 5:05 6:05 6:08 6:05 6:09 5:16 5:37男性女性全体男性女性全体男性 5:03 5:06 4:52 4:48 4:55 5:35 5:06 4:55 4:52 5:00女性 .. 4:55 4:38 4:46 4:43 .. 3:42 4:07 4:28 4:40全体 4:54 5:02 4:44 4:47 4:49 5:41 4:57 4:50 4:42 4:53男性 5:56 5:16 4:56 5:24 5:34 5:23 6:21 6:17 6:03 5:47女性 5:19 5:04 4:42 5:05 4:38 .. 5:32 5:26 5:47 5:04全体 5:46 5:12 4:51 5:11 4:56 5:27 6:17 6:08 5:59 5:32

管理的職業従事者

事務従事者 販売従事者農林漁業作業者

生産工程・労務従事者

運輸・通信従事者

合計

男性 6:35 6:40 7:27 6:15 7:01 7:51 7:00

女性 4:37 4:58 4:57 4:42 4:49 5:56 5:00全体 6:25 5:36 6:27 5:35 6:22 7:45 6:09

(集計なし)

イタリア (集計なし)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

ドイツ

フランス

7:00

イギリス

専門・技術的職業従事者

6:205:34

日本(参考:有業者)

※日本については、有業者の平均時間である。

Page 6: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

62

3-1-3 業種別労働時間(参考)

我が国社会生活基本調査では勤め先の業種についてはたずねていないが、欧州各国にお

いては調査項目となっていることから、企業属性の1つとして参考に示す。 労働時間を業種別にみていくと、「教育、医療、社会事業」や「他のコミュニティ、社会

的および個人サービス業、家事サービス業」は比較的労働時間が短く、それ以外の業種は

比較的労働時間が長い。 特に、「飲食・宿泊業、運輸・倉庫・通信業」は、いずれの国・性別でも比較的労働時間

が長い業種といえ、フランス以外の国の男性では、いずれも労働時間が 9 時間超となっている。また、「飲食・宿泊業、運輸・倉庫・通信業」は男女の労働時間差が大きい点も特徴

である。スウェーデンやフィンランド、スペイン、イギリスで、男女間での労働時間の差

が 1時間超と、比較的大きくなっている。

図表 III-18 業種別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Agriculture,

fishing,

mining &

quarrying,utility supply

(農漁業、鉱

石業、公益事業)

Manufacturin

g andconstruction

(製造業)

Wholesale

and retail

trade

(卸売・小売業)

Hotels and

restaurants,transport,

storage and

communicati

on(飲食・宿泊

業、運輸・倉

庫・通信業)

Financialintermediatio

n, real

estate,

renting andbusiness

activities

(金融業、不動産・賃貸

業)

Education,

health and

social work(教育、医

療、社会事

業)

Public

administratio

n, defence,social

security,

extra-

territorialbodies

(公務及び国

防、治外法権組織)

Other

community,

social, &personal

service +

employment

in privatehouseholds

(他のコミュ

ニティ、社会的および個

人サービス

業、家事

サービス業)

All(合計)

男性 .. 8:10 8:38 9:04 8:19 8:25 8:26 .. 8:24女性 .. 7:57 8:18 8:14 8:00 7:43 8:00 7:36 7:53全体 .. 8:08 8:34 8:49 8:12 7:58 8:14 7:50 8:12男性 8:29 8:28 8:21 9:11 8:05 7:51 8:28 9:00 8:27女性 .. 7:52 7:43 7:44 7:50 7:35 7:34 7:07 7:40全体 8:19 8:19 8:06 8:39 7:57 7:38 7:59 7:54 8:05男性女性全体男性 8:33 8:56 8:46 9:09 8:11 7:40 7:51 7:56 8:37女性 7:29 8:00 7:33 7:40 7:18 6:53 6:50 6:51 7:19全体 8:21 8:46 8:15 8:34 7:48 7:10 7:27 7:12 8:08男性 8:23 8:25 8:36 8:14 8:42 8:06 8:04 7:44 8:22女性 8:14 8:08 8:04 7:55 8:21 7:36 7:48 6:59 7:53全体 8:20 8:21 8:25 8:09 8:33 7:46 7:58 7:17 8:12男性女性全体男性女性全体男性 8:29 8:39 8:45 9:09 8:28 8:36 8:05 8:07 8:38女性 .. 8:05 8:20 8:04 7:44 7:46 7:32 8:05 7:54全体 8:24 8:32 8:38 8:51 8:10 8:03 7:53 8:06 8:23

(集計なし)

ドイツ (集計なし)

イタリア (集計なし)

フィンランド

フランス

スペイン

スウェーデン

イギリス

ノルウェー

※日本(社会生活基本調査)では、業種をたずねていない。

Page 7: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

63

図表 III-19 業種別労働時間(フルタイム雇用者・週平均) (時間:分)

Agriculture,

fishing,

mining &quarrying,

utility supply

(農漁業、鉱石業、公益

事業)

Manufacturing and

construction

(製造業)

Wholesaleand retail

trade

(卸売・小売業)

Hotels and

restaurants,

transport,storage and

communicati

on(飲食・宿泊

業、運輸・倉

庫・通信業)

Financialintermediatio

n, real

estate,renting and

business

activities(金融業、不

動産・賃貸

業)

Education,

health andsocial work

(教育、医

療、社会事業)

Publicadministratio

n, defence,

socialsecurity,

extra-

territorialbodies

(公務及び国

防、治外法権組織)

Other

community,

social, &personal

service +

employmentin private

households

(他のコミュニティ、社会

的および個

人サービス業、家事

サービス業)

All

(合計)

男性 5:44 4:45 5:30 5:16 5:14 5:15 4:09 4:06 4:59女性 .. 4:16 4:27 3:56 4:36 4:01 3:57 4:51 4:11全体 5:29 4:39 5:15 4:48 4:59 4:24 4:04 4:28 4:40男性 5:57 5:51 5:59 5:50 5:36 5:43 6:09 6:32 5:52女性 4:26 5:37 4:40 4:36 5:15 5:00 4:51 4:20 5:00全体 5:34 5:48 5:22 5:22 5:26 5:08 5:27 5:12 5:27男性女性全体男性 6:06 6:08 6:17 6:30 5:32 4:57 5:13 5:28 5:56女性 4:50 5:23 5:48 5:46 4:49 4:35 4:21 4:56 5:04全体 5:50 5:59 6:04 6:13 5:14 4:43 4:52 5:07 5:36男性 5:47 5:33 5:40 5:03 6:12 4:52 4:44 6:02 5:27女性 5:37 5:09 5:26 4:56 5:34 4:26 4:46 4:41 4:56全体 5:44 5:28 5:35 5:01 5:56 4:35 4:45 5:13 5:15男性 6:14 5:59 6:25 6:42 6:02 5:37 5:24 6:22 6:02女性 5:50 5:02 5:41 5:29 5:13 4:38 4:41 5:57 5:06全体 6:10 5:46 6:06 6:27 5:44 4:59 5:10 6:11 5:42男性女性全体男性 5:31 5:50 6:02 6:38 5:25 5:29 5:06 5:33 5:47女性 5:26 5:17 5:17 5:49 5:03 4:50 4:23 5:07 5:04全体 5:30 5:43 5:47 6:24 5:16 5:03 4:51 5:24 5:32

(集計なし)

ドイツ (集計なし)

イギリス

フィンランド

フランス

イタリア

スペイン

スウェーデン

ノルウェー

※日本の社会生活基本調査では、業種について調査していない。

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64

3-1-4 最終学歴別労働時間

最終学歴別に労働時間をみると、同一性別内では、学歴間での労働時間の差はあまり大

きくない。 特に、後期中等教育以降の最終学歴についてみると、いずれの国、いずれの性別につい

ても、労働時間の差はおおむね 30分以内と、短くなっている。

図表 III-20 最終学歴別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Primary

<ISCED 1>(初等教育)

Lower

secondary<ISCED 2>

(前期中等教育)

Upper

secondary<ISCED3 or 4>

(後期中等教育)

<ISCED 5b>(準学士)

<ISCED 5a or

ISCED 6>(学士以上)

All(合計)

男性 8:12 8:39 8:20 8:24 8:33 8:24女性 .. 7:44 7:57 8:03 7:39 7:54全体 8:16 8:19 8:12 8:12 8:12 8:13男性 8:22 9:13 8:26 8:13 8:24 8:27女性 7:45 7:50 7:41 7:38 7:34 7:40全体 8:05 8:38 8:08 7:51 8:02 8:05男性 .. 8:12 8:04 8:03 8:00 8:04女性 .. 7:05 7:28 7:02 6:54 7:17全体 .. 7:44 7:50 7:37 7:45 7:46男性 9:00 8:48 8:31 7:59 8:23 8:37女性 7:07 7:19 7:19 7:12 7:40 7:19全体 8:30 8:20 8:03 7:33 8:04 8:08男性 8:16 8:20 8:15 8:42 8:38 8:22女性 7:39 7:39 7:56 8:14 7:54 7:53全体 8:04 8:03 8:09 8:30 8:19 8:12男性女性全体男性 .. 7:39 7:33 7:53 8:01 7:42女性 .. 7:04 7:09 7:33 7:36 7:15全体 6:07 7:22 7:25 7:47 7:52 7:33男性 8:54 8:25 8:40 8:23 8:39 8:38女性 7:45 7:50 7:53 7:47 8:07 7:54全体 8:37 8:14 8:24 8:05 8:28 8:23男性 8:22 8:51 8:59 8:29女性 5:49 6:17 6:56 6:01全体 7:15 7:09 8:28 7:26

フィンランド

フランス

ドイツ

ノルウェー

スペイン

イタリア

日本(*参考:有業者)

7:335:206:40

スウェーデン

イギリス

(集計なし)

※日本については、有業者・平日の平均時間である。 ※※日本の「準学士」欄は、短大・高専の卒業者の平均時間である。

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65

図表 III-21 最終学歴別労働時間(フルタイム雇用者・週平均) (時間:分)

Primary<ISCED 1>(初等教育)

Lowersecondary<ISCED 2>(前期中等教育)

Uppersecondary<ISCED3 or 4>

(後期中等教育)

<ISCED 5b>(準学士)

<ISCED 5a orISCED 6>(学士以上)

All(合計)

男性 5:01 4:31 4:59 5:12 5:13 4:59女性 4:17 4:11 4:17 4:27 3:51 4:12全体 4:52 4:24 4:43 4:46 4:37 4:41男性 5:54 6:11 5:45 5:47 6:02 5:52女性 4:59 5:22 4:54 4:56 5:14 5:01全体 5:29 5:50 5:23 5:14 5:41 5:28男性 .. 5:04 4:55 4:52 5:08 4:56女性 .. 4:19 4:29 4:18 3:35 4:22全体 .. 4:45 4:46 4:37 4:42 4:43男性 6:28 5:57 5:59 5:24 5:24 5:56女性 4:51 5:12 5:14 4:44 5:04 5:04全体 5:59 5:44 5:42 5:02 5:15 5:37男性 5:24 5:24 5:18 5:52 5:42 5:27女性 4:48 4:35 4:52 5:05 5:12 4:56全体 5:12 5:03 5:09 5:30 5:28 5:15男性 6:07 6:10 5:53 .. 6:06 6:02女性 5:11 5:21 5:13 .. 4:22 5:06全体 5:52 5:57 5:36 .. 5:22 5:42男性 5:07 4:45 4:56 4:58 5:14 5:00女性 .. 4:44 4:32 5:17 4:54 4:41全体 4:20 4:45 4:47 5:03 5:07 4:53男性 6:23 5:47 5:53 5:25 5:30 5:48女性 4:48 5:27 5:03 4:56 5:04 5:04全体 5:57 5:41 5:36 5:10 5:21 5:32男性 7:07 7:31 7:14 7:07女性 4:58 5:14 5:33 5:06全体 6:10 6:01 6:49 6:16

日本(*参考:有業者)

6:424:505:57

スペイン

スウェーデン

イギリス

フィンランド

フランス

ドイツ

イタリア

ノルウェー

※日本については、有業者の平均時間である。

※※日本の「準学士」欄は、短大・高専の卒業者の平均時間である。

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3-1-5 婚姻状況別労働時間

婚姻状況別の労働時間をみると、男性では、ノルウェー以外はいずれの国においても、「既

婚」の方が「独身、未婚」よりも労働時間がやや長くなっている。 一方、女性では、男性とは逆に、「独身、未婚」の方が「既婚」よりも労働時間がやや長

くなっている。特に、スペインやドイツ、フランスにおいては、他の国に比べてその差が

大きくなっている。

図表 III-22 婚姻状況別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Formallymarried(既婚)

Single,nevermarried(独身、未婚)

Widowed(死別)

Divorced or

separated

(離別・別居)

All(合計)

男性 8:28 8:21 .. 8:08 8:23女性 7:47 7:57 .. 7:56 7:54全体 8:13 8:13 .. 8:02 8:12男性 8:31 8:26 .. 7:44 8:27女性 7:40 7:47 .. 7:19 7:40全体 8:08 8:09 .. 7:29 8:05男性 8:03 8:09 .. 7:57 8:04女性 7:14 7:29 .. 7:03 7:17全体 7:45 7:55 .. 7:31 7:46男性 8:40 8:34 8:43 8:21 8:37女性 7:03 7:42 7:19 7:13 7:19全体 8:08 8:13 7:46 7:41 8:08男性 8:24 8:19 .. 8:29 8:22女性 7:43 8:05 8:02 7:53 7:53全体 8:11 8:13 7:58 8:10 8:12男性女性全体男性 7:42 7:38 .. 7:57 7:42女性 7:02 7:28 .. 7:18 7:16全体 7:31 7:34 7:37 7:36 7:33男性 8:42 8:36 .. 7:59 8:37女性 7:50 8:02 .. 7:45 7:54全体 8:26 8:23 .. 7:52 8:22

男性 8:31 7:52 8:19

女性 5:24 6:45 5:52

全体 7:19 7:22 7:16

7:50

6:02

6:35

イギリス

日本

(※参考:勤務

日以外含む有

業者)

イタリア (集計なし)

フィンランド

フランス

ドイツ

ノルウェー

スペイン

スウェーデン

※日本については、有業者、平日の平均時間である。

※日本は死別・離別を一括して分類し、Separated(別居)は区分していない。

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図表 III-23 <参考>婚姻状況別労働時間(フルタイム雇用者・週平均)

(時間:分)

Formallymarried(既婚)

Single,nevermarried(独身、未婚)

Widowed(死別)

Divorced or

separated

(離別・別居)

All(合計)

男性 5:03 5:02 .. 4:26 4:59女性 4:08 4:16 .. 4:08 4:13全体 4:41 4:46 6:31 4:17 4:41男性 5:59 5:48 .. 5:03 5:52女性 4:59 5:03 .. 4:48 5:00全体 5:31 5:28 5:34 4:54 5:27男性 4:54 5:03 .. 4:51 4:56女性 4:31 4:36 .. 3:20 4:22全体 4:45 4:54 4:02 4:02 4:43男性 5:54 5:59 6:18 5:53 5:56女性 4:47 5:28 5:03 5:03 5:04全体 5:31 5:46 5:25 5:23 5:36男性 5:28 5:25 5:07 5:19 5:27女性 4:33 5:26 5:12 4:59 4:56全体 5:10 5:26 5:11 5:08 5:15男性 6:05 5:52 6:06 6:22 6:02女性 4:49 5:29 5:47 5:17 5:06全体 5:40 5:44 5:51 5:49 5:42男性 4:50 5:21 5:58 5:02 5:00女性 4:20 4:56 4:53 4:54 4:41全体 4:42 5:10 5:27 4:58 4:53男性 5:48 5:48 .. 5:38 5:47女性 5:03 5:08 .. 4:50 5:04全体 5:34 5:32 6:13 5:15 5:32男性 7:07 6:44 7:00女性 4:34 5:48 5:00全体 6:08 6:19 6:09

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

日本

(※参考:有業

者)

6:425:155:42

イタリア

ドイツ

イギリス

※日本については、有業者の平均時間である。 ※日本は死別・離別を一括して分類し、Separated(別居)は区分していない。

Page 12: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

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3-1-6 配偶者の就業状況・形態別労働時間(参考)

配偶者の就業状況別にみてみると、配偶者が「失業」の場合については、そうでない場

合に比べて労働時間が長くなっている傾向がみられる。 また、配偶者がフルタイム雇用者であるかパートタイム雇用者であるか別にみてみると、

男性については、労働時間に大きな差はみられない。女性については、ドイツで配偶者が

「パートタイム雇用」である場合の方が、配偶者が「フルタイム雇用」である場合に比べ、

労働時間が 49分長くなっている。 図表 III-24 配偶者の就業状況・形態別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Employed

full-time

(フルタイム

雇用者)

Employed

part-time

(パートタイ

ム雇用者)

On leave

(休職)

Unemployed

(失業)

In retirement

or early

retirement or

has given up

business

(定年・早期

退職、廃業)

Fulfilling

domestic

tasks

(家事専業)

Otherperson(その他)

All(合計)

男性 8:25 8:28 .. .. .. .. 8:34 8:27女性 7:52 .. .. .. .. .. .. 7:50全体 8:08 8:27 .. 8:09 7:57 .. 8:26 8:13男性 8:28 8:05 8:29 8:53 .. 8:25 8:36 8:29女性 7:44 .. 7:52 .. .. .. .. 7:44全体 8:06 7:58 8:15 8:39 .. 8:24 8:18 8:09男性女性全体男性 8:34 8:39 8:36 8:52 .. 8:50 8:26 8:41女性 7:11 .. .. 6:52 6:28 .. 7:36 7:09全体 7:53 8:39 8:07 8:26 6:48 8:50 8:05 8:11男性 8:18 8:25 .. 8:36 .. 8:32 8:39 8:25女性 7:49 7:44 .. 7:45 7:26 .. .. 7:47全体 8:05 8:18 .. 8:25 7:34 8:32 8:30 8:12男性女性全体男性 7:50 7:43 7:57 8:00 7:50 .. 7:31 7:45女性 7:09 7:58 .. 7:14 5:54 .. .. 7:08全体 7:29 7:44 7:52 7:44 6:51 .. 7:29 7:34男性 8:29 8:35 8:53 .. .. 8:42 9:11 8:37女性 7:47 .. .. .. .. .. .. 7:49全体 8:08 8:33 8:51 .. 8:37 8:42 9:04 8:22

(集計なし)

イタリア (集計なし)

イギリス

スウェーデン

フィンランド

スペイン

フランス

ドイツ

ノルウェー

※日本(社会生活基本調査)では、配偶者の就業状況・形態をたずねていない。

Page 13: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

69

図表 III-25 配偶者の就業状況・形態別労働時間(フルタイム雇用者・週平均) (時間:分)

Employed

full-time

(フルタイム

雇用者)

Employed

part-time

(パートタイ

ム雇用者)

On leave

(休職)

Unemployed

(失業)

In retirement

or early

retirement orhas given up

business

(定年・早期

退職、廃業)

Fulfilling

domestic

tasks

(家事専業)

Otherperson(その他)

All(合計)

男性 4:57 4:54 4:41 5:13 5:01 4:43 5:50 5:00女性 4:08 3:58 .. 4:07 3:30 .. 3:30 4:05全体 4:31 4:50 4:37 4:52 4:09 4:43 5:22 4:38男性 5:52 5:34 5:25 6:39 .. 6:08 5:30 5:52女性 5:08 .. 4:28 4:44 5:13 .. 5:22 5:04全体 5:29 5:23 5:03 6:08 5:08 6:06 5:27 5:30男性女性全体男性 5:56 6:03 5:16 5:48 6:03 5:55 6:11 5:55女性 4:54 .. 3:42 5:01 4:25 .. 4:59 4:53全体 5:26 6:06 4:57 5:38 4:45 5:54 5:40 5:34男性 5:20 5:26 6:05 5:15 .. 5:40 5:45 5:26女性 4:40 4:43 .. 4:43 4:34 .. 5:10 4:41全体 5:01 5:16 5:42 5:07 4:45 5:39 5:36 5:10男性 5:53 6:24 5:56 6:21 6:06 6:08 5:20 6:04女性 4:50 5:11 3:21 6:06 5:00 .. 4:05 4:50全体 5:20 6:19 5:21 6:18 5:23 6:08 4:57 5:40男性 4:56 4:54 4:46 5:05 4:57 .. 4:41 4:53女性 4:26 4:57 .. 4:59 4:08 .. 4:40 4:29全体 4:39 4:54 4:45 5:03 4:32 .. 4:41 4:46男性 5:45 5:40 5:19 6:14 6:10 5:51 5:40 5:43女性 5:04 4:17 .. .. 3:02 .. 4:46 4:57全体 5:25 5:36 5:09 5:45 5:02 5:46 5:29 5:29

(集計なし)

ドイツ

イギリス

スウェーデン

フィンランド

スペイン

フランス

イタリア

ノルウェー

※日本(社会生活基本調査)では、配偶者の就業状況・形態をたずねていない。

Page 14: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

70

3-2 労働時間以外の生活時間 本項では、労働時間以外の生活時間のうち、日欧の間で差がみられた家事時間・レジャ

ー時間について属性別に比較を行う。 3-2-1 年齢別生活時間

まず年齢別に、家事時間についてみると、いずれの国においても、20-24歳に比べ、それより上の年齢層で家事時間が長くなっていることがわかる。

図表 III-26 年齢別家事時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

20-24歳 25-44歳 45-64歳 65-70歳 合計男性 1:05 1:32 1:37 .. 1:33女性 1:21 2:12 2:11 .. 2:09全体 1:11 1:45 1:50 .. 1:46男性 0:58 1:26 1:22 .. 1:23女性 1:11 2:31 2:17 .. 2:20全体 1:03 1:53 1:48 .. 1:48男性 0:42 1:42 1:33 .. 1:35女性 1:24 2:31 2:26 .. 2:23全体 1:00 1:59 1:52 1:36 1:52男性 0:20 1:01 0:49 0:32 0:54女性 1:13 2:50 3:20 3:12 2:49全体 0:40 1:42 1:35 1:32 1:35男性 0:39 1:15 1:10 .. 1:11女性 1:15 2:13 2:28 .. 2:14全体 0:53 1:36 1:38 .. 1:34男性女性全体男性 0:38 1:25 1:23 .. 1:20女性 1:03 2:11 2:21 .. 2:05全体 0:49 1:40 1:41 2:26 1:35男性 0:30 1:10 1:09 .. 1:07女性 0:55 2:01 2:06 .. 1:54全体 0:42 1:26 1:26 .. 1:22

男性 0:16 0:18 0:15 4:05 0:19

女性 0:35 1:53 2:36 3:45 2:00

全体 0:25 0:51 0:58 0:56 0:51

(集計なし)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

ドイツ

イギリス

日本

(※参考:有業

者のうち「主に

仕事」の者)

イタリア

※日本は有業者のうち「主に仕事」の者の、平日の平均時間である。 ※※日本の『65-70歳』の欄は、65-69歳の平均時間を示している。

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71

年齢別に、レジャー時間についてみると、多くの国で、20-24歳に比べ、それより上の年齢層でレジャー時間が短くなっていることがわかる。

図表 III-27 年齢別レジャー時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

20-24歳 25-44歳 45-64歳 65-70歳 合計男性 3:11 3:09 3:26 .. 3:16女性 3:17 2:44 3:05 .. 2:56全体 3:13 3:01 3:18 .. 3:09男性 3:30 3:27 3:32 .. 3:30女性 3:40 2:56 3:22 .. 3:09全体 3:34 3:14 3:27 .. 3:21男性 4:03 3:32 4:06 .. 3:47女性 3:38 3:30 3:35 .. 3:33全体 3:53 3:31 3:54 3:46 3:42男性 3:13 2:43 2:56 3:52 2:50女性 2:44 2:15 2:25 2:55 2:20全体 3:02 2:32 2:46 3:31 2:39男性 3:14 2:36 2:41 .. 2:41女性 2:08 2:01 2:06 .. 2:03全体 2:49 2:23 2:29 .. 2:27男性女性全体男性 4:22 3:32 3:41 .. 3:40女性 3:49 3:16 3:11 .. 3:19全体 4:08 3:27 3:32 3:20 3:33男性 3:23 3:00 3:20 .. 3:09女性 2:59 2:48 3:02 .. 2:54全体 3:12 2:56 3:14 .. 3:04

男性 4:05 3:17 3:40 4:50 3:36

女性 2:22 3:13 3:20 3:43 3:17

全体 3:54 3:16 3:33 4:31 3:31

イタリア (集計なし)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

ドイツ

イギリス

日本

(※参考:有業

者のうち「主に

仕事」の者) ※日本は有業者のうち「主に仕事」の者の、平日の平均時間である。 ※※日本の『65-70歳』の欄は、65-69歳の平均時間を示している。

Page 16: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

72

3-2-2 職種別生活時間

職種別に家事時間をみると、男性・女性ともに、職種間のバラツキは小さくなって

いる。ただし、「初級の職業」については、やや家事時間が長い傾向がみられる。 図表 III-28 職種別家事時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Legislators,

senior officials

and managers

(立法議員、

上級行政官、

管理的職業従

事者)

Professionals

(専門的職業

従事者)

Technicians

and associate

professionals

(技術者及び

準専門的職業

従事者)

Clerks

(事務的職業

従事者)

Service, shop

and market

sales workers

(サービス職

業従事者, 店

舗及び市場で

の販売従事

者)

Skilled

agriculture

and Fishery

workers

(熟練の農林

漁業従事者)

Craft and

related trade

workers

(熟練職業及

び関連職業従

事者)

Plant/machin

ery operators

and

assemblers

(装置・機械操

作員及び組立

工)

Elementary

occupations

(初級の職業)

All

(合計)

男性 1:37 1:26 1:33 1:33 0:51 .. 1:46 1:48 .. 1:35女性 .. 2:06 1:57 2:06 2:21 .. .. 1:51 2:26 2:06全体 1:42 1:43 1:42 1:58 1:45 .. 1:47 1:48 2:13 1:46男性 1:37 1:15 1:16 .. 1:25 .. 1:35 1:29 1:04 1:24女性 1:40 2:03 2:32 2:01 2:28 .. .. 2:20 2:22 2:15全体 1:38 1:41 1:56 1:54 2:09 2:30 1:39 1:40 1:45 1:48男性 1:32 1:39 1:36 1:48 1:14 .. 1:37 1:32 .. 1:36女性 2:10 2:15 2:26 2:14 2:28 .. .. .. .. 2:23全体 1:43 1:52 1:58 2:03 2:07 .. 1:37 1:39 3:04 1:54男性 0:51 1:20 1:04 1:13 1:10 0:47 0:47 0:55 0:48 0:59女性 2:17 2:32 2:23 2:45 2:33 .. 2:42 2:49 3:29 2:44全体 1:06 1:54 1:40 2:05 1:54 1:14 0:59 1:11 2:04 1:38男性女性全体男性女性全体男性 0:57 1:16 1:32 1:19 1:06 0:43 1:24 1:29 1:37 1:21女性 .. 1:57 2:02 1:57 1:59 .. 1:46 .. 2:07 1:59全体 1:05 1:28 1:50 1:42 1:29 1:09 1:26 1:29 1:49 1:34男性 1:03 1:11 1:23 0:56 1:14 .. 1:01 1:02 1:09 1:06女性 1:39 1:48 1:58 1:51 2:09 .. 1:51 1:31 2:06 1:52全体 1:13 1:24 1:38 1:34 1:49 .. 1:05 1:07 1:23 1:22

管理的職業従事者

事務従事者

販売従事者

農林漁業作業者

生産工程・労務従事者

運輸・通信従事者

合計

男性 0:16 0:12 0:12 0:31 0:14 0:08 0:16女性 2:59 2:30 2:22 3:25 3:05 2:22 3:58全体 0:29 1:40 1:02 1:46 1:05 0:17 1:16

フランス (集計なし)

イタリア (集計なし)

ドイツ

イギリス

専門・技術的職業従事者

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

日本0:162:181:10

※日本については、有業者・平日・仕事のある日の平均時間である。

Page 17: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

73

職種別にレジャー時間についてみると、ドイツの男性を除く欧州各国で、いずれの

性別においても管理職に該当する層のレジャー時間が短くなっている。また、北欧諸

国やスペインに関しては、販売職のレジャー時間も短い傾向がある。 図表 III-29 職種別レジャー時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Legislators,

senior officials

and managers

(立法議員、

上級行政官、

管理的職業従

事者)

Professionals

(専門的職業

従事者)

Technicians

and associate

professionals

(技術者及び

準専門的職業

従事者)

Clerks

(事務的職業

従事者)

Service, shop

and market

sales workers

(サービス職

業従事者, 店

舗及び市場で

の販売従事

者)

Skilled

agriculture

and Fishery

workers

(熟練の農林

漁業従事者)

Craft and

related trade

workers

(熟練職業及

び関連職業従

事者)

Plant/machin

ery operators

and

assemblers

(装置・機械操

作員及び組立

工)

Elementary

occupations

(初級の職業)

All

(合計)

男性 2:51 3:19 3:14 3:24 3:25 .. 3:30 3:20 .. 3:19女性 .. 3:06 2:53 2:59 2:47 .. .. 2:55 3:05 2:56全体 2:49 3:13 3:07 3:06 3:02 .. 3:27 3:17 3:05 3:10男性 3:26 3:25 3:43 .. 2:54 .. 3:34 3:24 3:42 3:31女性 3:14 3:20 2:54 3:13 3:02 .. .. 3:10 3:28 3:10全体 3:22 3:22 3:18 3:20 2:59 3:34 3:33 3:21 3:34 3:21男性 3:29 4:00 3:49 3:57 3:34 .. 4:01 3:34 .. 3:47女性 3:15 3:33 3:41 3:46 3:17 .. .. .. .. 3:33全体 3:25 3:50 3:45 3:51 3:22 .. 4:02 3:34 3:41 3:41男性 2:38 3:06 3:07 3:03 2:48 2:50 2:44 2:53 2:54 2:54女性 2:03 2:35 2:21 2:25 2:21 .. 1:55 2:02 2:24 2:23全体 2:32 2:51 2:46 2:41 2:34 2:51 2:39 2:45 2:40 2:42男性女性全体男性女性全体男性 3:51 3:25 3:45 4:00 3:46 3:50 3:57 3:31 3:34 3:43女性 .. 2:58 3:28 3:18 3:09 .. 3:49 .. 3:36 3:20全体 3:53 3:17 3:35 3:35 3:30 3:39 3:57 3:35 3:35 3:35男性 2:59 3:06 3:09 3:30 3:29 .. 3:04 3:12 3:19 3:09女性 2:41 2:37 3:03 2:58 2:58 .. 2:41 3:14 2:55 2:53全体 2:54 2:56 3:07 3:08 3:10 .. 3:02 3:13 3:13 3:04

管理的職業従事者

事務従事者

販売従事者

農林漁業作業者

生産工程・労務従事者

運輸・通信従事者

合計

男性 3:34 3:13 2:59 4:44 3:33 2:56 3:22女性 3:35 3:12 3:27 4:02 3:36 2:57 3:21全体 3:35 3:12 3:10 4:26 3:34 2:55 3:22

フランス (集計なし)

スウェーデン

フィンランド

専門・技術的職業従事者

日本3:063:033:05

スペイン

ドイツ

イギリス

ノルウェー

イタリア (集計なし)

※日本については、有業者・平日の平均時間である。

Page 18: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

74

3-2-3 業種別生活時間(参考)

業種別に家事時間をみると、スウェーデンやイギリス、スペインでは「飲食・宿泊業、

運輸・倉庫・通信業」や「金融・不動産等」の業種で他に比べて家事時間が短い傾向があ

る。

図表 III-30 業種別生活時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Agriculture,

fishing,mining &

quarrying,

utility supply(農漁業、鉱

石業、公益事業)

Manufacturin

g and

construction(製造業)

Wholesale

and retailtrade

(卸売・小売

業)

Hotels and

restaurants,transport,

storage andcommunicati

on

(飲食・宿泊業、運輸・倉

庫・通信業)

Financialintermediatio

n, realestate,

renting and

businessactivities

(金融業、不動産・賃貸

業)

Education,health and

social work

(教育、医療、社会事

業)

Public

administratio

n, defence,social

security,extra-

territorial

bodies(公務及び国

防、治外法権組織)

Other

community,

social, &personal

service +employment

in private

households(他のコミュ

ニティ、社会的および個

人サービス業、家事

サービス業)

All

(合計)

男性 1:38 1:49 1:25 1:16 1:18 1:28 1:29 1:59 1:33女性 .. 2:05 2:16 2:00 1:48 2:16 2:06 2:25 2:08全体 1:47 1:52 1:36 1:29 1:29 1:59 1:46 2:14 1:46男性 1:31 1:32 1:17 0:56 1:29 1:21 1:16 1:00 1:23女性 4:06 2:09 2:12 2:09 1:58 2:27 2:27 1:55 2:21全体 2:14 1:41 1:40 1:20 1:42 2:14 1:53 1:33 1:49男性女性全体男性 0:39 0:48 0:47 0:50 1:00 1:28 1:23 1:03 0:54女性 4:00 2:39 2:35 2:28 2:49 3:00 3:04 2:54 2:49全体 1:20 1:08 1:31 1:24 1:44 2:27 2:04 2:17 1:34男性 1:16 1:13 1:01 1:17 0:51 1:21 1:22 0:57 1:11女性 2:25 2:09 1:42 2:20 1:52 2:29 2:14 2:45 2:14全体 1:35 1:24 1:15 1:33 1:16 2:07 1:43 2:02 1:34男性女性全体男性女性全体男性 1:20 1:00 1:01 1:04 1:01 1:18 1:38 1:23 1:06女性 .. 1:39 1:44 1:51 1:38 2:12 2:10 1:56 1:54全体 1:26 1:07 1:13 1:16 1:15 1:53 1:50 1:36 1:22

(集計なし)

(集計なし)

(集計なし)ドイツ

イギリス

スウェーデン

フィンランド

フランス

イタリア

スペイン

ノルウェー

※日本(社会生活基本調査)では、業種をたずねていない。

Page 19: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

75

業種別にレジャー時間をみてみると、「飲食・宿泊業、運輸・倉庫・通信業」においては、

スウェーデンとフィンランドで、女性のレジャー時間が男性を上回っている。一方、フラ

ンスの「飲食・宿泊業、運輸・倉庫・通信業」については、女性がレジャーに充てる時間

が、男性に比べ 1時間以上短くなっている。 また、フィンランドでは「農漁業、鉱石業、公共事業」や「他のコミュニティ、社会的

および個人サービス業、家事サービス業」の男性のレジャー時間が 4 時間を超えており、特に長い傾向がみられる。

図表 III-31 業種別生活時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Agriculture,

fishing,mining &

quarrying,

utility supply(農漁業、鉱

石業、公益事業)

Manufacturin

g and

construction(製造業)

Wholesale

and retailtrade

(卸売・小売

業)

Hotels and

restaurants,transport,

storage andcommunicati

on

(飲食・宿泊業、運輸・倉

庫・通信業)

Financialintermediatio

n, realestate,

renting and

businessactivities

(金融業、不動産・賃貸

業)

Education,health and

social work

(教育、医療、社会事

業)

Public

administratio

n, defence,social

security,extra-

territorial

bodies(公務及び国

防、治外法権組織)

Other

community,

social, &personal

service +employment

in private

households(他のコミュ

ニティ、社会的および個

人サービス業、家事

サービス業)

All

(合計)

男性 2:51 3:23 3:04 2:39 3:19 3:34 3:22 3:11 3:15女性 .. 2:52 2:43 3:14 2:52 3:00 3:06 2:41 2:57全体 2:53 3:17 3:00 2:50 3:10 3:12 3:15 2:55 3:09男性 4:04 3:27 3:15 3:06 3:28 3:36 3:31 4:06 3:30女性 2:52 3:07 2:47 3:22 3:05 3:10 2:59 3:54 3:10全体 3:44 3:22 3:04 3:11 3:18 3:16 3:14 3:59 3:21男性女性全体男性 2:52 2:41 2:46 2:25 3:11 3:07 3:26 3:24 2:50女性 2:03 2:04 2:09 2:08 2:24 2:39 2:43 2:29 2:20全体 2:42 2:34 2:31 2:19 2:52 2:49 3:09 2:47 2:39男性 2:42 2:37 2:33 2:57 2:25 2:55 2:52 2:41 2:41女性 1:43 2:03 2:09 1:52 1:44 2:07 2:14 2:31 2:03全体 2:26 2:30 2:24 2:41 2:09 2:23 2:36 2:35 2:27男性女性全体男性女性全体男性 3:05 3:14 3:11 2:52 3:08 3:00 3:20 3:16 3:08女性 .. 3:05 2:35 2:45 2:53 2:51 3:14 2:47 2:54全体 3:04 3:12 3:00 2:50 3:02 2:54 3:18 3:05 3:04

(集計なし)

(集計なし)

(集計なし)

ノルウェー

イギリス

スウェーデン

フィンランド

フランス

イタリア

スペイン

ドイツ

※日本(社会生活基本調査)では、業種をたずねていない。

Page 20: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

76

3-2-4 最終学歴別生活時間

最終学歴別に家事時間をみると、スペインの女性において上位の学歴ほど家事時間が短

い傾向がみられるものの、他の国・性別では学歴による家事時間の差はあまり大きくない。

図表 III-32 最終学歴別家事時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Primary

<ISCED 1>

(初等教育)

Lower

secondary

<ISCED 2>

(前期中等教育)

Upper

secondary

<ISCED3 or 4>

(後期中等教育)

<ISCED 5b>

(準学士)

<ISCED 5a or

ISCED 6>

(学士以上)

All

(合計)

男性 1:37 1:35 1:32 1:32 1:34 1:33女性 .. 2:16 2:05 2:07 2:15 2:09全体 1:47 1:48 1:43 1:52 1:50 1:46男性 1:30 1:06 1:25 1:31 1:16 1:23女性 2:35 2:09 2:27 2:24 2:00 2:21全体 1:57 1:30 1:49 2:03 1:34 1:48男性 .. 1:22 1:34 1:43 1:34 1:35女性 .. 2:49 2:17 2:26 2:34 2:23全体 .. 1:52 1:49 2:01 1:48 1:52男性 0:42 0:46 1:00 1:17 1:05 0:54女性 3:23 3:12 2:41 2:29 2:18 2:49全体 1:25 1:29 1:38 1:54 1:35 1:35男性 1:11 1:10 1:17 0:58 1:03 1:11女性 2:45 2:32 2:19 1:51 1:46 2:14全体 1:42 1:44 1:37 1:21 1:21 1:34男性女性全体男性 .. 1:12 1:21 1:27 1:16 1:20女性 .. 1:37 2:07 2:07 2:08 2:05全体 1:25 1:24 1:37 1:38 1:32 1:35男性 1:08 1:07 1:08 1:11 1:00 1:06女性 2:01 2:22 1:47 2:02 1:39 1:54全体 1:21 1:27 1:21 1:36 1:14 1:22

男性 0:20 0:21 0:18 0:20

女性 3:07 2:46 2:22 2:56

全体 1:19 1:38 0:49 1:26

イタリア (集計なし)

0:21

2:21

1:10

ドイツ

イギリス

日本

(※勤務日以外

含む有業者)

フランス

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

※日本については、有業者・平日の平均時間である。

※※日本の「準学士」欄は、短大・高専の卒業者の平均時間である。

Page 21: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

77

最終学歴別にレジャー時間をみると、スペインでは学歴が高い方がレジャー時間が長く、

フランスやドイツでは逆に学歴が高い方がレジャー時間が短い傾向がみられる。

図表 III-33 最終学歴別レジャー時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Primary

<ISCED 1>

(初等教育)

Lower

secondary

<ISCED 2>

(前期中等教育)

Upper

secondary

<ISCED3 or 4>

(後期中等教育)

<ISCED 5b>

(準学士)

<ISCED 5a or

ISCED 6>

(学士以上)

All

(合計)

男性 3:22 3:09 3:19 3:26 3:06 3:16女性 .. 2:51 2:54 2:59 2:57 2:55全体 3:15 3:03 3:11 3:10 3:03 3:09男性 3:41 3:21 3:28 3:26 3:35 3:30女性 3:09 3:09 3:05 3:00 3:25 3:08全体 3:27 3:17 3:19 3:10 3:31 3:20男性 .. 4:00 3:52 3:31 3:46 3:47女性 .. 3:29 3:33 3:36 3:30 3:33全体 .. 3:49 3:45 3:33 3:43 3:42男性 2:38 2:46 2:55 2:58 3:01 2:50女性 2:11 2:09 2:22 2:34 2:31 2:20全体 2:31 2:35 2:43 2:46 2:49 2:39男性 2:49 2:43 2:45 2:27 2:25 2:41女性 1:58 1:58 2:01 2:11 2:08 2:03全体 2:32 2:24 2:31 2:20 2:18 2:27男性女性全体男性 .. 3:50 3:49 3:32 3:24 3:40女性 .. 3:37 3:25 3:19 2:55 3:19全体 4:05 3:44 3:40 3:29 3:15 3:33男性 3:11 3:25 3:03 3:17 2:59 3:09女性 3:06 2:40 3:03 2:50 2:45 2:53全体 3:10 3:13 3:03 3:04 2:54 3:04

男性 3:57 3:37 3:21 3:43

女性 3:51 3:40 3:15 3:40

全体 3:54 3:39 3:18 3:42

イタリア (集計なし)

日本

(※勤務日以外

含む有業者)

4:22

4:09

4:16

スペイン

フランス

ドイツ

イギリス

ノルウェー

スウェーデン

フィンランド

※日本については、有業者・平日の平均時間である。

※※日本の「準学士」欄は、短大・高専の卒業者の平均時間である。

Page 22: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

78

3-2-5 婚姻状況別生活時間

婚姻状況別に家事時間についてみると、フルタイム雇用者の平日勤務日に限ってみてい

るにもかかわらず、多くの国で、既婚女性は既婚男性に比べ、おおむね 1 時間以上家事時間が長くなっている。特にスペインでは、既婚女性と既婚男性との間で、家事時間の差が

2時間半以上と大きくなっている。 なお、「既婚」と「離別・別居」の間では、男女全体の平均家事時間ほぼ同一となってい

る。

図表 III-34 婚姻状況別家事時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Formallymarried(既婚)

Single,nevermarried(独身、未婚)

Widowed(死別)

Divorced or

separated

(離別・別居)

All(合計)

男性 1:38 1:22 .. 1:59 1:33女性 2:28 1:50 .. 1:52 2:09全体 1:56 1:31 .. 1:56 1:46男性 1:29 1:12 .. 1:26 1:23女性 2:37 1:53 .. 2:08 2:20全体 1:59 1:28 .. 1:50 1:48男性 1:42 1:23 .. 1:34 1:35女性 2:33 2:03 .. 2:29 2:23全体 2:00 1:36 .. 2:00 1:52男性 1:03 0:34 1:07 1:07 0:54女性 3:37 1:31 3:12 2:57 2:49全体 1:52 0:56 2:34 2:08 1:35男性 1:16 1:00 .. 1:13 1:11女性 2:42 1:42 2:20 2:04 2:14全体 1:43 1:17 2:16 1:39 1:34男性女性全体男性 1:30 0:57 .. 1:28 1:20女性 2:42 1:24 .. 2:08 2:05全体 1:49 1:08 2:03 1:48 1:35男性 1:14 0:47 .. 1:14 1:07女性 2:12 1:20 .. 2:03 1:54全体 1:31 0:59 .. 1:36 1:22男性 0:20 0:07 0:20女性 3:57 0:44 2:51全体 1:45 0:29 1:24

イタリア (集計なし)

日本(※勤務日

以外含む有業

者)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

0:382:25

ドイツ

イギリス

1:52

※日本については、有業者、平日の平均時間である。 ※日本は死別・離別を一括して分類し、Separated(別居)は区分していない。

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79

前頁の表を、既婚者のみについて示したのが以下のグラフである。 スペインは男性の家事時間が他の国に比べて短く、女性の家事時間は他の国に比べて長

い。

図表 III-35 既婚者の家事時間グラフ(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

スウェーデン フィンランド ノルウェー スペイン フランス ドイツ イギリス 日本

男性

女性

4時間

3時間

2時間

1時間

0時間

※日本は、有業者・平日の平均時間である。

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婚姻状況別にレジャー時間についてみると、未婚者と既婚者を比べた場合、ノルウェー

を除くいずれの国においても、若干であるが、既婚者の方がレジャー時間が短い。特にス

ペインでは、(前頁に示した家事時間とトレードオフになっていると思われるが)既婚女性

は、未婚女性に比べ 40分以上レジャー時間が短くなっている。 図表 III-36 婚姻状況別レジャー時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Formallymarried(既婚)

Single,nevermarried(独身、未婚)

Widowed(死別)

Divorced or

separated

(離別・別居)

All(合計)

男性 3:11 3:22 .. 3:16 3:16女性 2:50 2:59 .. 3:08 2:56全体 3:04 3:15 .. 3:12 3:09男性 3:22 3:40 .. 3:52 3:30女性 3:00 3:28 .. 3:02 3:09全体 3:12 3:35 .. 3:24 3:21男性 3:47 3:48 .. 3:37 3:47女性 3:27 3:38 .. 3:48 3:33全体 3:40 3:45 .. 3:42 3:42男性 2:41 3:08 2:45 2:57 2:50女性 2:03 2:47 2:25 2:27 2:20全体 2:29 3:00 2:31 2:41 2:39男性 2:35 2:56 .. 2:23 2:41女性 1:52 2:15 1:47 2:13 2:03全体 2:21 2:39 1:54 2:18 2:27男性女性全体男性 3:31 4:00 .. 3:38 3:40女性 3:07 3:28 .. 3:28 3:18全体 3:25 3:47 3:31 3:33 3:33男性 3:04 3:18 .. 3:23 3:09女性 2:51 2:58 .. 2:58 2:54全体 3:00 3:10 .. 3:12 3:04男性 3:42 4:08 3:49

女性 3:39 4:01 3:47

全体 3:41 4:04 3:48

イタリア (集計なし)

4:04

日本(※勤務日

以外含む有業

者)

4:02

4:05

ドイツ

イギリス

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

※日本については、有業者、平日の平均時間である。 ※日本は死別・離別を一括して分類し、Separated(別居)は区分していない。

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3-2-6 配偶者の就業状況・形態別生活時間(参考)

配偶者の就業状況・形態別の家事時間についてみると、男性については、配偶者もフル

タイム雇用者(すなわち、夫婦ともフルタイム雇用者)の場合には、いずれの国において

も家事時間がおおむね1時間半前後となっている。なお、配偶者がパートタイム雇用者で

ある場合でも、家事時間に大きな差はみられない。

図表 III-37 配偶者の就業状況・形態別家事時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

Employed

full-time

(フルタイム雇用者)

Employed

part-time

(パートタイム雇用者)

On leave

(休職)

Unemployed

(失業)

In retirement

or earlyretirement or

has given up

business

(定年・早期退職、廃業)

Fulfilling

domestic

tasks(家事専業)

Otherperson(その他)

All(合計)

男性 1:39 1:35 .. .. .. .. 1:46 1:37女性 2:21 .. .. .. 1:54 .. .. 2:19全体 1:59 1:39 1:42 1:58 1:26 .. 1:42 1:52男性 1:28 1:36 1:43 1:13 .. 1:36 1:10 1:28女性 2:35 .. 2:15 .. .. .. .. 2:30全体 2:00 1:38 1:54 1:19 1:47 1:40 1:30 1:54男性女性全体男性 1:19 1:07 1:18 0:58 0:41 0:44 0:55 1:03女性 3:33 .. 3:35 3:10 3:33 .. 3:34 3:31全体 2:23 1:11 1:46 1:26 3:01 0:44 2:03 1:49男性 1:22 1:11 .. 0:59 .. 1:05 0:56 1:13女性 2:34 2:28 .. 2:18 2:33 .. .. 2:32全体 1:56 1:25 .. 1:17 2:13 1:05 1:15 1:39男性女性全体男性 1:27 1:28 2:05 1:21 1:11 .. 1:20 1:28女性 2:31 2:08 .. 2:34 2:44 .. .. 2:30全体 2:00 1:30 2:08 1:47 1:56 .. 1:24 1:45男性 1:18 1:20 1:09 .. 0:49 1:00 0:59 1:14女性 2:07 .. .. .. .. .. .. 2:05全体 1:41 1:21 1:17 1:17 0:59 1:00 1:03 1:28

(集計なし)

(集計なし)

イギリス

ドイツ

スウェーデン

フィンランド

フランス

イタリア

スペイン

ノルウェー

※日本(社会生活基本調査)では、配偶者の就業状況・形態をたずねていない。

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配偶者の就業状況・形態別のレジャー時間についてみると、いずれの国においても、配

偶者が「休職」の場合はレジャー時間が短い傾向にある。 配偶者がフルタイム雇用者であるか、パートタイム雇用者であるかによる差はあまりみ

られない。

図表 III-38 配偶者の就業状況・形態別レジャー時間 (フルタイム雇用者・平日・勤務日)

(時間:分)

Employed

full-time

(フルタイム雇用者)

Employed

part-time

(パートタイム雇用者)

On leave

(休職)

Unemployed

(失業)

In retirement

or earlyretirement or

has given up

business

(定年・早期退職、廃業)

Fulfilling

domestic

tasks(家事専業)

Otherperson(その他)

All(合計)

男性 3:17 3:11 .. .. .. .. 2:35 3:10女性 2:49 .. .. .. 3:37 .. .. 2:52全体 3:03 3:10 2:41 2:59 3:29 .. 2:42 3:04男性 3:27 3:26 3:10 3:15 .. 3:07 3:22 3:24女性 3:00 .. 3:04 .. .. .. .. 3:03全体 3:14 3:27 3:08 3:16 4:01 3:04 3:23 3:15男性女性全体男性 2:37 2:35 2:25 2:42 4:06 2:44 2:37 2:40女性 2:00 .. 2:07 2:28 2:36 .. 2:04 2:03全体 2:20 2:33 2:22 2:39 2:53 2:44 2:22 2:29男性 2:29 2:35 .. 2:38 .. 2:51 2:41 2:36女性 1:52 2:06 .. 1:56 2:18 .. .. 1:55全体 2:12 2:30 .. 2:28 2:21 2:51 2:28 2:22男性女性全体男性 3:21 3:36 3:07 3:38 3:25 .. 3:43 3:31女性 3:00 3:13 .. 3:28 3:40 .. .. 3:07全体 3:10 3:35 3:07 3:34 3:32 .. 3:44 3:25男性 3:13 3:04 2:47 .. 3:35 2:49 2:52 3:05女性 2:52 .. .. .. .. .. .. 2:54全体 3:03 3:05 2:44 2:58 3:38 2:49 2:53 3:02

ノルウェー (集計なし)

(集計なし)イタリア

ドイツ

イギリス

スウェーデン

フィンランド

フランス

スペイン

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3-3 小括 欧州各国においては、職種や業種、婚姻状況の違いによる労働時間や生活時間の差はあ

る程度みられるものの、あまり大きな差とはなっておらず、特に労働時間が長い傾向があ

る「管理職・フルタイム雇用」の男性についても、日本の「管理職・有業者」とほぼ同程

度となっている。 日本については、フルタイム雇用者のデータに制限があるため、「有業者」や「有業者で

あり、主に仕事」などの条件によって欧州各国と比較しているが、これで見ても、日本と

欧州の労働時間はほぼ同程度であることから、日本と欧州を同様の条件(日本につき「正

規雇用者」、欧州各国につき「フルタイム雇用者」)とした場合には、総じて日本の各属性

の労働時間が、欧州各国の労働時間に比べて長くなるのではないかと考えられる。 なお、年齢や最終学歴、配偶者の就業状況の違いによる労働時間や生活時間の差は、一

部の国、性別でみられるものの、全体的には大きな差はみられない。

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4 我が国の労働時間が長時間である理由の検討

4-1 仮説設定

我が国労働者の労働時間が長い点については、従来から様々な理由が唱えられている。そこで、

平成 20年度研究の結果を踏まえ、様々な「労働時間長時間化」の要因と考えられる仮説を設定した。これについて、欧州各国の状況をみてその妥当性を検討する。 なお、社会生活基本調査においては、下表 ii に示す各項目について、一部を除き公表集計表には掲載されていないため、日本と欧州との比較分析を行うことはできない。今度、平成 22年度研究においてこれを作成し、欧州各国との比較を行うこととする。

i:考えられる仮説・確認すべき点 ii:社会生活基本調査や

欧州統一生活時間調査を使用した分析方法として考え

られるもの

1.誰が仕事をしているのか

(1)夫婦の役割分担について

・欧州は短時間でも夫婦ともに働いて収入を得ている

のではないか。(欧州は女性の社会進出が目覚ましい)

・世帯の1人当たり労働時間は、家族形態やライフス

テージで異なるか、また、育児支援等のインフラがあ

る場合は労働時間に変わりがないか。

(ライフスタイル別労働時間の分析として)

(ア)男女別・年齢別の就業状況の分析

(イ)男女別の労働形態比率の分析

(ウ)婚姻状況別労働時間の分析

(エ)世帯最年少構成員の年齢別生活時間の分析

(オ)子の有無・人数別の労働時間の分析

(カ)配偶者の雇用形態別の労働時間の分析

(2)仕事時間帯について

欧州でも、エリート層は(日本と同様)遅くまで仕事

しているのではないか。

(ア)年齢別労働時間の分析

(イ)職種別労働時間の分析

(ウ)最終学歴別労働時間の分析

(エ)時間帯別の労働時間の分析

(3)仕事量について

欧州は仕事量に見合った人員が配置されているのでは

ないか。(例えば、仕事をリストラする際に人もリスト

ラする)

(生産性に関わる部分であり、平成 22 年度に検討課題

1で行ったアンケート結果を分析する)

2.私生活とのバランス

・日本人は帰ってもやることが無いから遅くまで仕事

しているのではないか(家事や育児をしない、家族以外

との交流がない、社会的活動がない)

・欧州は(特に)食事や食事準備の時間にゆとりをも

っているのではないか

・家族で一緒に食事をとるという「決めごと」が生活

時間のメリハリになっているのではないか

(ア)生活行動小分類による分析(家事や育児の時間、

家族との交流時間、家族以外との交流時間などの把

握)

(イ)食事を一緒に摂った相手(または一人で食事し

ているか)の分析

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i:考えられる仮説・確認すべき点 ii:社会生活基本調査や

欧州統一生活時間調査を使用した分析方法として考え

られるもの

3.仕事の仕方

・労働の文化的位置づけについて

(所定外労働、休暇、会議方法、社内資料等諸々におい

て、考え方が日欧で異なるのではないか)

・仕事実施場所につき、週末を自宅で過ごすため、仕

事を持ち帰るケースがあるのではないか。

(ア)時間帯別労働時間の分析

(イ)場所別の仕事時間の分析

(ウ)職場にいるときの生活時間の分析

(エ)仕事のある日(平日)の労働時間と仕事のない

日(休日)の労働時間の分析

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4-2 検討 4-2-1 夫婦の役割分担について

(ア) 男女別・年齢別の就業状況

まず、労働時間を示すにあたり、欧州各国及び日本の就業状況を性別・年齢別にみる。特

に女性に着目すると、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス及び日本においては、

25歳~59歳の各年齢階層で、就業率が 60%を超えている。ただし、日本の女性が、出産・育児を機にいったん離職(非労働力化)し、その後育児が終わってから再び働き出す、とい

う行動によって形成される、いわゆる「M字カーブ」を描くような傾向は、欧州各国にはみ

られず、おおむね 45~49歳までは、年齢の上昇につれて、就業率が上昇し続けている。 他方でイタリアの女性についてみると、最も就業率が高い年齢階層(35~39歳)でも、就業率は 63.3%にとどまっており、15~64歳の平均就業率は 5割未満となっていて、全般に女性の就業率が低い。

図表 III-39 男女別・年齢別の就業率

(%)

計 男性 女性 計 男性 女性 計 男性 女性

15-19歳 27.0 23.8 30.5 11.5 14.3 8.5 7.2 9.3 4.9

20-24歳 63.0 66.0 59.8 52.2 55.1 49.3 40.9 48.5 33.1

25-29歳 80.5 84.5 76.3 79.2 85.3 73.1 64.3 73.2 55.4

30-34歳 87.2 90.9 83.4 83.7 91.0 76.4 74.7 86.2 63.0

35-39歳 88.9 91.7 85.9 84.6 91.0 78.4 76.8 90.1 63.3

40-44歳 88.9 92.1 85.7 85.4 91.4 79.5 76.2 90.2 62.2

45-49歳 87.2 89.1 85.2 85.0 89.8 80.5 75.3 90.6 60.1

50-54歳 85.3 87.1 83.4 80.6 86.0 75.5 71.0 87.2 55.2

55-59歳 80.7 83.4 77.9 56.4 58.9 54.0 47.6 60.3 35.4

60-64歳 60.4 64.4 56.5 16.4 18.3 14.6 20.0 29.1 11.6

65-69歳 16.8 21.5 12.2 4.0 5.1 3.0 7.6 12.5 3.2

70-74歳 6.0 9.2 3.0 1.2 1.9 0.7 3.2 5.6 1.3

75歳以上 - - - 0.3 0.5 0.2 0.9 2.0 0.3

15-64歳 75.7 78.1 73.2 64.6 69.2 60.1 58.7 70.3 47.2

15歳以上合計 67.9 70.8 64.9 52.3 57.7 47.3 45.9 57.3 35.4

計 男性 女性 計 男性 女性 計 男性 女性

15-19歳 29.0 31.9 25.9 43.1 41.5 44.8 14.9 14.5 15.2

20-24歳 64.5 66.9 62.1 66.5 70.0 63.0 64.4 63.9 64.8

25-29歳 74.8 79.3 70.2 80.4 87.1 73.8 80.3 88.5 71.8

30-34歳 79.0 87.5 70.5 81.0 90.0 72.1 77.3 92.4 61.7

35-39歳 82.4 90.0 74.6 81.3 89.4 73.4 78.0 93.4 62.2

40-44歳 84.3 90.1 78.1 82.9 88.7 77.2 81.5 94.1 68.7

45-49歳 83.5 88.6 78.3 83.7 88.2 79.2 83.5 94.1 72.9

50-54歳 79.3 84.7 74.0 80.1 83.9 76.3 81.3 92.9 69.8

55-59歳 68.8 76.7 61.3 70.3 76.9 63.9 74.5 89.2 60.0

60-64歳 35.1 43.2 27.2 45.9 58.4 34.1 57.2 72.5 42.5

65-69歳 7.6 9.8 5.6 16.9 21.9 12.3 36.1 47.8 25.5

70-74歳 3.6 5.1 2.4 7.0 9.9 4.4 21.8 29.9 14.9

75歳以上 1.1 1.9 0.6 1.6 2.8 0.7 8.7 13.9 5.5

15-64歳 70.2 75.9 64.3 72.7 78.5 66.9 70.7 81.6 59.7

15歳以上合計 54.8 61.5 48.5 60.1 66.6 53.9 57.8 69.8 46.5

ドイツ イギリス 日本

スウェーデン フランス イタリア

(出所:(独)労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較 2010」第 2-13表、なお、フィンランド、ノルウェー、スペインはデータがないため、表記を省略している)

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(イ) 男女別の労働形態比率

次に、男女別に労働形態比率をみる。特に女性に着目すると、フィンランドでは就業率は

子供がいる場合で 72.0%と、子供がいない場合(77.9%)との差は小さい。 それ以外の国では、子供がいる場合の就業率は、いない場合に比べて 10%以上低くなっている。また、パートタイム雇用の比率が高くなっており、特にドイツやイギリスの女性で

は、それぞれ 35.1%、36.2%がパートタイム労働者となっている。

図表 III-40 20~49歳の、男女別パートタイム就業率 (12歳以下の子供の有無別、2003年)

(%)

合計パートタイム

合計パートタイム

合計パートタイム

合計パートタイム

スウェーデンフィンランド 77.9 10.2 72.0 7.8 76.6 5.0 92.4 (2.4)ノルウェースペイン 61.7 8.7 51.2 9.7 90.0 1.4 93.0 0.9フランス 76.6 14.1 66.3 17.6 85.4 3.3 91.4 2.5イタリア 60.4 12.3 49.7 15.2 91.6 3.3 94.0 3.3ドイツ 79.5 21.3 60.0 35.1 83.1 4.3 89.7 3.0イギリス 83.2 18.5 61.8 36.2 87.1 3.4 90.9 3.3

子供有り

(データなし)

(データなし)

20~49歳の女性 20~49歳の男性12歳以下の子供無し

12歳以下の子供有り

12歳以下の子供無し

12歳以下の

※括弧付きの数値は、サンプル数が少ないため、信頼性が比較的低いことを示す。

※出所:労働政策研究・研修機構 2005年 5月「海外労働情報-EU」 (http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2005_5/eu_02.htm)

以上のことから、北欧諸国については、女性は結婚(あるいは出産)によって無業者にな

ることは少なく、雇用形態をフルタイム雇用からパートタイム雇用に変更することも少ない

ものと考えられる。 スペインやフランス、イタリアについては、就業していない女性が一定程度みられること

から、結婚(あるいは出産)によって、仕事を離れる場合もあるものと考えられる。 ドイツ、イギリスについては、12歳以上の子供を有さない女性のパートタイム雇用率が20%前後であるのに対し、12歳以上の子供を有する女性のパートタイム比率は 35%以上となっており、結婚(あるいは出産)により、雇用形態をフルタイム雇用からパートタイム雇

用に転換しているケースがあるものと考えられる。

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(ウ) ライフスタイル別労働時間(婚姻状況別の労働時間)

欧州各国の既婚者と独身・未婚者の労働時間の差についてみると、女性については、

スペインで 39分、ドイツで 26分、フランスで 22分と、既婚者の労働時間の方が独身・未婚者の労働時間に比べて短くなっている。 ただし、北欧 3カ国に限ってみると、既婚者と独身・未婚者の労働時間の差は男女とも小さくなっており(最大 15分である)、男女ともに、結婚によっては働き方を変えていないものと考えられる。

図表 III-41 婚姻状況別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)<再掲> (時間:分)

Formallymarried(既婚)

Single,nevermarried(独身、未婚)

Widowed(死別)

Divorced or

separated

(離別・別居)

All(合計)

男性 8:28 8:21 .. 8:08 8:23女性 7:47 7:57 .. 7:56 7:54全体 8:13 8:13 .. 8:02 8:12男性 8:31 8:26 .. 7:44 8:27女性 7:40 7:47 .. 7:19 7:40全体 8:08 8:09 .. 7:29 8:05男性 8:03 8:09 .. 7:57 8:04女性 7:14 7:29 .. 7:03 7:17全体 7:45 7:55 .. 7:31 7:46男性 8:40 8:34 8:43 8:21 8:37女性 7:03 7:42 7:19 7:13 7:19全体 8:08 8:13 7:46 7:41 8:08男性 8:24 8:19 .. 8:29 8:22女性 7:43 8:05 8:02 7:53 7:53全体 8:11 8:13 7:58 8:10 8:12男性女性全体男性 7:42 7:38 .. 7:57 7:42女性 7:02 7:28 .. 7:18 7:16全体 7:31 7:34 7:37 7:36 7:33男性 8:42 8:36 .. 7:59 8:37女性 7:50 8:02 .. 7:45 7:54全体 8:26 8:23 .. 7:52 8:22

男性 8:31 7:52 8:19

女性 5:24 6:45 5:52

全体 7:19 7:22 7:16

7:50

6:02

6:35

イギリス

日本

(※参考:勤務

日以外含む有

業者)

イタリア (集計なし)

フィンランド

フランス

ドイツ

ノルウェー

スペイン

スウェーデン

※日本については、有業者、平日の平均時間である。

※日本は死別・離別を一括して分類し、Separated(別居)は区分していない。

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89

(エ) ライフスタイル別労働時間(世帯最年少構成員の年齢別生活時間)

スウェーデンでは、男性が家事に参加するピークは「0-1歳」のときとなっているが、労働時間は子の年齢に左右されていない。 フィンランドについては、世帯最年少構成員が「0-1歳」「2-3歳」のとき、男性の家事時間が長くなっており、男性が特に家事に参加をしている傾向がみてとれる。労働時間はこの間やや短くなっており、労働時間をある程度調整している可能性がある。 一方で、ノルウェーでは、世帯最年少構成員が「0-1歳」の場合、特に男性の労働時間が長く、特に収入を得る役割を担っているものと考えられる。

図表 III-42 世帯最年少構成員別の生活時間-北欧(フルタイム雇用・平日・勤務日)

(時間:分)

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 8:35 9:13 8:30 8:50 8:43 8:53 8:49 .. .. 9:36 8:59 9:15 9:19 9:16 8:40 9:08 8:48 8:53 8:58 9:03 8:59労働計 8:40 8:33 8:46 8:33 8:47 8:48 8:45 .. .. 7:34 8:01 8:12 8:22 8:12 8:32 8:13 8:27 8:21 8:30 8:38 8:33学習計 0:00 0:02 0:03 0:04 0:01 0:03 0:02 .. .. 0:01 0:03 0:02 0:02 0:02 0:01 0:01 0:03 0:04 0:01 0:02 0:02家事計 2:41 2:08 2:12 1:55 1:42 1:14 1:35 .. .. 2:48 2:52 2:14 1:45 2:06 2:43 2:30 2:22 2:17 1:57 1:26 1:47レジャー計 2:29 2:43 2:51 3:03 3:17 3:33 3:18 .. .. 2:24 2:29 2:53 3:08 2:57 2:27 2:45 2:44 2:50 3:06 3:24 3:10移動計 1:32 1:18 1:28 1:32 1:26 1:25 1:26 .. .. 1:35 1:33 1:22 1:21 1:24 1:33 1:21 1:30 1:32 1:24 1:23 1:25その他・不明 0:03 0:02 0:09 0:03 0:05 0:03 0:04 .. .. 0:02 0:03 0:02 0:03 0:03 0:04 0:02 0:07 0:03 0:03 0:03 0:04

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 9:35 9:05 9:13 9:06 9:16 8:59 9:06 .. 9:10 9:47 9:28 9:19 9:21 9:24 9:35 9:07 9:27 9:18 9:18 9:09 9:14労働計 8:12 8:21 8:31 8:40 8:16 8:36 8:31 .. 7:46 7:12 7:32 7:50 7:50 7:44 8:06 8:05 7:58 8:03 8:02 8:15 8:09学習計 0:01 0:01 0:04 0:01 0:03 0:06 0:04 .. 0:02 0:06 0:03 0:06 0:06 0:05 0:00 0:02 0:05 0:02 0:05 0:06 0:05家事計 2:03 2:30 1:45 1:21 1:22 1:09 1:24 .. 3:30 3:01 2:34 2:22 1:48 2:15 2:21 2:57 2:17 2:01 1:54 1:27 1:47レジャー計 3:06 2:39 3:06 3:27 3:30 3:46 3:31 .. 2:05 2:28 3:03 3:07 3:30 3:10 2:54 2:23 2:50 3:14 3:17 3:39 3:21移動計 1:02 1:21 1:17 1:22 1:17 1:16 1:16 .. 1:22 1:22 1:14 1:10 1:18 1:17 1:03 1:21 1:19 1:17 1:13 1:17 1:16その他・不明 0:01 0:03 0:04 0:04 0:16 0:10 0:09 .. 0:05 0:03 0:07 0:06 0:07 0:06 0:01 0:04 0:04 0:06 0:10 0:08 0:07

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 8:43 9:00 8:47 8:44 8:54 9:06 8:59 .. .. 9:02 9:03 9:23 9:28 9:22 8:47 9:09 8:54 8:52 9:05 9:15 9:07労働計 8:36 8:01 8:08 8:03 7:52 8:07 8:07 .. .. 6:57 7:32 7:13 7:24 7:19 8:22 7:48 7:38 7:51 7:37 7:50 7:49学習計 0:00 0:05 0:00 0:03 0:02 0:03 0:02 .. .. 0:04 0:03 0:05 0:06 0:05 0:02 0:04 0:02 0:03 0:03 0:04 0:03家事計 2:14 2:03 2:18 1:46 1:28 1:19 1:36 .. .. 3:23 2:43 2:33 1:57 2:23 2:26 2:19 2:45 2:09 1:53 1:34 1:54レジャー計 3:14 3:11 3:13 3:50 4:13 3:58 3:48 .. .. 3:13 3:19 3:33 3:43 3:32 3:13 3:04 3:13 3:38 3:57 3:52 3:42移動計 1:12 1:35 1:31 1:31 1:30 1:23 1:26 .. .. 1:17 1:18 1:12 1:19 1:17 1:08 1:32 1:25 1:26 1:23 1:21 1:22その他・不明 0:02 0:05 0:03 0:02 0:01 0:03 0:03 .. .. 0:04 0:01 0:02 0:03 0:03 0:02 0:04 0:03 0:02 0:01 0:03 0:03

ノルウェー男性 女性 男女計

男性 女性 男女計スウェーデン

フィンランド男性 女性 男女計

※日本(社会生活基本調査)では、同様の集計を行っていない。

Page 34: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

90

スペインやフランスでは、世帯最年少構成員の年齢は、労働時間に大きな影響を及ぼしていない。 イギリスについては、男性で、世帯最年少構成員が 0-1歳の場合には、労働時間が長い。世帯最年少構成員が 2-3歳になると、労働時間が短くなり、逆に

家事の時間が長くなっている。ドイツの女性についてはフルタイム雇用者でありながら労働時間が 6時間を割り込んでいる場合もあり、短時間勤務等が適用されているものと推察される。

図表 III-43 世帯最年少構成員別の生活時間-西欧(フルタイム雇用・平日・勤務日)

(時間:分)

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 9:41 9:35 9:39 9:49 9:54 9:52 9:49 9:33 9:41 9:29 9:36 9:44 9:54 9:47 9:38 9:37 9:36 9:44 9:50 9:53 9:48労働計 8:43 8:43 8:50 8:51 8:37 8:36 8:40 7:02 6:47 7:02 6:54 7:20 7:35 7:21 8:12 8:03 8:12 8:09 8:08 8:12 8:11学習計 0:05 0:05 0:07 0:03 0:07 0:08 0:07 0:07 0:04 0:06 0:06 0:08 0:14 0:11 0:06 0:04 0:06 0:04 0:07 0:10 0:08家事計 1:48 1:37 1:17 1:01 0:47 0:46 0:59 4:09 4:18 3:52 3:40 2:44 2:05 2:44 2:31 2:32 2:11 1:58 1:31 1:17 1:38レジャー計 2:12 2:26 2:34 2:43 3:04 3:07 2:54 1:31 1:39 1:42 2:10 2:34 2:37 2:23 2:00 2:10 2:16 2:31 2:53 2:55 2:42移動計 1:27 1:32 1:31 1:29 1:29 1:30 1:30 1:35 1:29 1:47 1:32 1:28 1:31 1:32 1:30 1:31 1:36 1:30 1:29 1:30 1:31その他・不明 0:03 0:02 0:03 0:03 0:02 0:02 0:02 0:03 0:02 0:02 0:03 0:03 0:03 0:03 0:03 0:02 0:03 0:03 0:02 0:02 0:02

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 10:14 10:23 10:20 10:21 10:20 10:28 10:24 10:25 10:19 10:24 10:24 10:29 10:31 10:28 10:16 10:22 10:21 10:22 10:24 10:29 10:25労働計 8:32 8:20 8:18 8:24 8:16 8:24 8:22 7:59 7:45 7:43 7:29 7:36 8:05 7:54 8:26 8:10 8:08 8:07 8:00 8:16 8:12学習計 0:00 0:00 0:00 0:01 0:01 0:01 0:01 0:00 0:06 0:01 0:03 0:01 0:03 0:02 0:00 0:02 0:01 0:01 0:01 0:02 0:01家事計 1:34 1:31 1:18 1:14 1:16 1:00 1:11 2:53 2:49 2:47 2:41 2:42 1:50 2:13 1:48 1:53 1:44 1:41 1:49 1:21 1:34レジャー計 2:12 2:20 2:41 2:35 2:47 2:46 2:40 1:11 1:30 1:53 1:52 2:05 2:11 2:03 2:01 2:05 2:27 2:22 2:31 2:31 2:27移動計 1:26 1:23 1:21 1:23 1:18 1:19 1:20 1:27 1:29 1:13 1:30 1:05 1:17 1:16 1:26 1:25 1:18 1:25 1:13 1:18 1:19その他・不明 0:02 0:02 0:02 0:02 0:02 0:02 0:02 0:04 0:03 0:01 0:01 0:03 0:03 0:03 0:02 0:02 0:02 0:02 0:02 0:03 0:02

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 9:17 .. 9:10 9:16 9:14 9:17 9:16 8:35 .. 9:35 9:34 9:46 9:28 9:31 9:11 .. 9:16 9:21 9:26 9:21 9:21労働計 7:53 .. 8:00 8:07 8:01 7:52 7:56 6:11 .. 5:49 7:07 7:16 7:43 7:28 7:38 .. 7:32 7:50 7:44 7:48 7:46学習計 0:04 .. 0:03 0:04 0:08 0:09 0:07 0:03 .. 0:17 0:08 0:15 0:11 0:11 0:04 .. 0:06 0:05 0:10 0:10 0:09家事計 2:15 .. 1:45 1:27 1:11 1:12 1:21 4:49 .. 3:06 2:38 2:01 1:43 1:58 2:38 .. 2:02 1:47 1:30 1:24 1:34レジャー計 3:06 .. 3:25 3:31 3:54 3:50 3:43 2:47 .. 3:20 3:07 3:18 3:23 3:20 3:03 .. 3:24 3:24 3:41 3:39 3:35移動計 1:20 .. 1:32 1:31 1:29 1:36 1:33 1:24 .. 1:47 1:20 1:21 1:28 1:27 1:21 .. 1:35 1:28 1:26 1:33 1:31その他・不明 0:05 .. 0:05 0:05 0:04 0:03 0:04 0:10 .. 0:06 0:06 0:03 0:04 0:04 0:06 .. 0:05 0:05 0:03 0:03 0:04

0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計 0-1歳 2-3 4-7 8-12 13-19 20 - 合計パーソナルケア計 9:17 9:02 8:59 9:14 9:23 9:19 9:16 .. 9:10 9:27 9:39 9:30 9:40 9:35 9:14 9:04 9:07 9:22 9:26 9:27 9:23労働計 9:19 8:28 9:06 8:35 8:40 8:44 8:46 .. 8:00 7:25 7:45 8:16 8:06 8:02 9:01 8:21 8:39 8:18 8:31 8:29 8:31学習計 0:02 0:01 0:01 0:01 0:02 0:02 0:02 .. 0:08 0:07 0:02 0:03 0:02 0:03 0:03 0:03 0:03 0:01 0:02 0:02 0:02家事計 1:23 1:41 1:27 1:08 1:06 0:57 1:07 .. 2:50 2:54 2:21 1:48 1:36 1:52 1:41 1:57 1:50 1:33 1:23 1:12 1:22レジャー計 2:22 2:59 2:50 3:17 3:05 3:20 3:09 .. 2:06 2:24 2:40 2:52 3:03 2:53 2:20 2:47 2:43 3:05 3:00 3:14 3:04移動計 1:34 1:40 1:30 1:39 1:36 1:34 1:35 .. 1:41 1:36 1:26 1:25 1:28 1:29 1:36 1:41 1:32 1:35 1:31 1:32 1:33その他・不明 0:04 0:08 0:07 0:06 0:08 0:04 0:05 .. 0:05 0:08 0:07 0:06 0:05 0:05 0:05 0:07 0:07 0:06 0:07 0:04 0:05

イギリス男性 女性 男女計

フランス男性 女性 男女計

ドイツ男性 女性 男女計

スペイン男性 女性 男女計

※日本(社会生活基本調査)では、同様の集計を行っていない。またイタリアは「集計なし」のため、表記を省略している。

Page 35: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

91

(オ) ライフスタイル別労働時間(世帯での乳幼児(7歳未満)の構成人員数別生活時間)

女性は世帯に乳幼児がいる場合は、乳幼児がいない場合に比べて労働時間、レジャー時間が短く、家事時間が長くなっている。 他方、男性については、フィンランドを除き、「乳幼児 2 名以上」の方が、労働時間が長くなる。ただ、家事時間も長くなっており、その分レジャー時間

が短くなっている。 乳幼児が 2名になると、フィンランドについては、労働時間は減少に転じ家事時間がさらに長くなっている。

図表 III-44 7歳未満の世帯構成員人数別の生活時間-北欧(フルタイム雇用・平日・勤務日) (時間:分)

なし 1人 2人以上 合計 なし 1人 2人以上 合計 なし 1人 2人以上 合計パーソナルケア計 8:50 8:47 8:30 8:49 9:16 9:30 .. 9:16 9:00 8:58 8:38 8:59労働計 8:46 8:30 9:05 8:45 8:17 7:18 .. 8:12 8:35 8:12 8:48 8:33学習計 0:02 0:01 0:07 0:02 0:03 0:02 .. 0:02 0:02 0:01 0:05 0:02家事計 1:25 2:26 2:08 1:35 2:00 2:50 .. 2:06 1:38 2:32 2:28 1:46レジャー計 3:26 2:45 2:38 3:18 2:59 2:43 .. 2:56 3:16 2:44 2:28 3:10移動計 1:27 1:25 1:27 1:27 1:23 1:36 .. 1:24 1:26 1:28 1:28 1:26その他・不明 0:04 0:06 0:05 0:04 0:03 0:02 .. 0:03 0:03 0:05 0:05 0:04

パーソナルケア計 9:03 9:15 9:15 9:06 9:22 9:42 9:08 9:24 9:12 9:26 9:13 9:14労働計 8:33 8:25 8:13 8:31 7:47 7:13 7:50 7:44 8:11 7:55 8:06 8:09学習計 0:04 0:03 0:01 0:04 0:06 0:03 0:00 0:05 0:05 0:03 0:01 0:05家事計 1:13 1:41 2:43 1:24 2:03 3:12 3:36 2:15 1:37 2:18 2:59 1:47レジャー計 3:39 3:16 2:33 3:31 3:20 2:23 2:03 3:10 3:30 2:54 2:24 3:21移動計 1:16 1:16 1:13 1:16 1:15 1:25 1:18 1:17 1:16 1:20 1:14 1:16その他・不明 0:10 0:04 0:01 0:09 0:06 0:03 0:05 0:06 0:08 0:03 0:03 0:07

パーソナルケア計 9:01 8:53 8:47 8:59 9:23 9:11 .. 9:22 9:10 9:00 8:54 9:07労働計 8:03 8:06 8:34 8:07 7:22 7:01 .. 7:19 7:47 7:42 8:23 7:49学習計 0:03 0:02 0:02 0:02 0:06 0:02 .. 0:05 0:04 0:02 0:01 0:03家事計 1:25 2:21 1:56 1:36 2:12 3:19 .. 2:23 1:44 2:42 2:08 1:54レジャー計 3:59 3:11 3:08 3:47 3:37 3:10 .. 3:32 3:50 3:11 3:04 3:42移動計 1:25 1:24 1:32 1:26 1:18 1:14 .. 1:17 1:22 1:20 1:29 1:22その他・不明 0:03 0:03 0:02 0:03 0:02 0:03 .. 0:03 0:03 0:03 0:02 0:03

フィンランド 男性

ノルウェー 男性 女性 男女計

女性 男女計

男性 女性 男女計スウェーデン

※日本(社会生活基本調査)では、同様の集計を行っていない。

Page 36: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

92

女性は、世帯に乳幼児がいる場合には、ドイツやイギリスでは、乳幼児がいない場合に比べて労働時間、レジャー時間が短く、家事時間が長くなって

いるが、、スペイン、フランスでは、顕著な傾向はない。フランスについては、「2名以上」となった際に、むしろ労働時間が長くなっている。他方、男性

については、「乳幼児 2名以上」の方が、労働時間が長くなる。ただ、家事時間も長くなっており、その分レジャー時間が短くなっている。

図表 III-45 7歳未満の世帯構成員人数別の生活時間-西欧(フルタイム雇用・平日・勤務日) (時間:分)

なし 1人 2人以上 合計 なし 1人 2人以上 合計 なし 1人 2人以上 合計パーソナルケア計 9:52 9:40 9:33 9:49 9:50 9:35 9:32 9:47 9:51 9:38 9:32 9:48労働計 8:39 8:41 8:53 8:40 7:27 6:57 7:01 7:21 8:11 8:06 8:18 8:11学習計 0:07 0:07 0:03 0:07 0:12 0:05 0:07 0:11 0:09 0:06 0:04 0:08家事計 0:48 1:32 1:53 0:59 2:25 4:03 4:20 2:44 1:26 2:23 2:39 1:38レジャー計 3:03 2:26 2:10 2:54 2:33 1:36 1:36 2:23 2:51 2:09 1:59 2:42移動計 1:30 1:31 1:26 1:30 1:31 1:41 1:21 1:32 1:30 1:35 1:24 1:31その他・不明 0:02 0:03 0:02 0:02 0:03 0:02 0:03 0:03 0:02 0:03 0:03 0:02

パーソナルケア計 10:25 10:23 10:13 10:24 10:29 10:22 10:16 10:28 10:26 10:23 10:13 10:25労働計 8:22 8:16 8:38 8:22 7:54 7:47 7:54 7:54 8:11 8:07 8:31 8:12学習計 0:01 0:01 0:00 0:01 0:03 0:00 0:13 0:02 0:01 0:00 0:02 0:01家事計 1:06 1:24 1:35 1:11 2:08 2:52 2:38 2:13 1:30 1:50 1:44 1:34レジャー計 2:45 2:28 2:16 2:40 2:07 1:40 1:17 2:03 2:30 2:14 2:07 2:27移動計 1:19 1:26 1:17 1:20 1:16 1:17 1:38 1:16 1:18 1:23 1:20 1:19その他・不明 0:02 0:03 0:01 0:02 0:03 0:02 0:04 0:03 0:02 0:02 0:02 0:02

パーソナルケア計 9:16 9:16 9:05 9:16 9:32 9:04 .. 9:31 9:22 9:14 9:13 9:21労働計 7:56 7:52 8:11 7:56 7:35 6:22 .. 7:28 7:48 7:35 7:34 7:46学習計 0:08 0:03 0:06 0:07 0:11 0:17 .. 0:11 0:09 0:06 0:05 0:09家事計 1:15 1:58 1:58 1:21 1:51 3:33 .. 1:58 1:28 2:16 2:21 1:34レジャー計 3:48 3:18 3:13 3:43 3:21 2:57 .. 3:20 3:38 3:14 3:18 3:35移動計 1:34 1:29 1:21 1:33 1:26 1:41 .. 1:27 1:31 1:31 1:23 1:31その他・不明 0:03 0:04 0:06 0:04 0:04 0:06 .. 0:04 0:03 0:05 0:07 0:04

パーソナルケア計 9:18 9:09 9:10 9:16 9:38 9:05 .. 9:35 9:26 9:08 9:13 9:23労働計 8:43 8:57 9:05 8:46 8:05 7:33 .. 8:02 8:29 8:35 8:59 8:31学習計 0:02 0:00 0:03 0:02 0:02 0:12 .. 0:03 0:02 0:03 0:03 0:02家事計 1:00 1:33 1:22 1:07 1:44 3:05 .. 1:52 1:17 1:57 1:30 1:22レジャー計 3:17 2:39 2:39 3:09 2:58 2:12 .. 2:53 3:10 2:33 2:36 3:04移動計 1:35 1:37 1:32 1:35 1:27 1:46 .. 1:29 1:32 1:39 1:32 1:33その他・不明 0:05 0:05 0:08 0:05 0:05 0:07 .. 0:05 0:05 0:06 0:08 0:05

イギリス 男性 女性 男女計

フランス 男性 女性 男女計

ドイツ 男性 女性 男女計

スペイン男性 女性 男女計

※日本(社会生活基本調査)では、同様の集計を行っていない。またイタリアは「集計なし」のため、表記を省略している。

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93

(カ) 配偶者の雇用形態別の労働時間

本人、配偶者とも働いている雇用者について、雇用形態別(フルタイム・パートタイム

の別)に労働時間を示したのが以下の図表である。 本人の労働時間をみると、ドイツのパートタイム男性とフルタイム女性について、配偶

者がフルタイムであるかパートタイムかで、1時間近い差が生じており、配偶者の雇用形態に応じ、労働時間を調整している可能性がある。 他の国では、配偶者の雇用形態による労働時間の差は小さい。

図表 III-46 共稼ぎ世帯の雇用形態別労働時間(配偶者雇用形態別・平日・勤務日)

(時間:分)

男性 女性 男性 女性 男性 女性男性フル・女性フル 8:44 8:04 8:31 7:51 8:01 7:10男性フル・女性パート 8:53 7:00 8:08 6:00 8:14 6:02男性パート・女性フル .. .. .. .. .. ..男性パート・女性パート .. .. .. .. .. ..

男性 女性 男性 女性 男性 女性男性フル・女性フル 8:36 7:32 8:18 7:49男性フル・女性パート 8:48 7:38 8:22 6:02男性パート・女性フル 6:36 .. .. ..男性パート・女性パート .. 4:54 .. ..

男性 女性 男性 女性男性フル・女性フル 8:03 7:28 8:39 7:52男性フル・女性パート 7:55 3:17 8:45 5:19男性パート・女性フル 2:14 8:22 .. ..男性パート・女性パート 3:22 2:46 .. ..

ドイツ イギリス

(集計なし)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

スペイン フランス イタリア

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94

4-2-2 仕事時間帯について

(ア) 年齢別労働時間

年齢別に労働時間をみると、欧州各国では、男性では、年齢別の労働時間に大きな差は

みられない。他方、女性についてみると、ノルウェーやスペイン、フランスで、若年層(20-24歳)の労働時間が長く、それより上の年齢層の労働時間が短い傾向が出ている。 ただし、フルタイム雇用者のボリュームゾーンである 25-64 歳が 2 つの区分にしかされていないため、平成 22年度に年齢の刻みを再調整するなどし、詳細に比較検討する必要がある。

図表 III-47 年齢別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)<再掲> (時間:分)

20-24歳 25-44歳 45-64歳 65-70歳 合計男性 8:42 8:53 8:46 .. 8:48女性 8:22 8:09 8:11 .. 8:11全体 8:34 8:39 8:32 .. 8:35男性 8:14 8:33 8:37 .. 8:32女性 7:30 7:38 7:40 .. 7:38全体 7:55 8:10 8:10 .. 8:08男性 8:02 8:19 8:00 .. 8:10女性 7:59 7:12 7:18 .. 7:18全体 8:01 7:56 7:45 7:44 7:52男性 8:40 8:52 8:54 7:44 8:52女性 7:45 7:24 7:13 6:06 7:23全体 8:19 8:19 8:24 7:08 8:20男性 8:20 8:21 8:24 .. 8:22女性 8:16 7:57 7:41 .. 7:53全体 8:19 8:13 8:09 .. 8:11男性女性全体男性 7:25 8:04 7:59 .. 7:58女性 7:12 7:22 7:27 .. 7:22全体 7:19 7:50 7:49 6:49 7:46男性 8:53 8:52 8:40 .. 8:48女性 8:16 7:52 8:05 .. 7:59全体 8:35 8:33 8:29 .. 8:32

男性 8:33 9:15 8:34 6:34 8:39

女性 7:45 7:24 7:04 6:33 7:14

全体 8:09 8:38 8:07 6:34 8:11

イタリア (集計なし)

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

フランス

ドイツ

イギリス

日本

(※参考:有業

者のうち「主に

仕事」の者) ※日本は有業者のうち「主に仕事」の者の、平日の平均時間である。 ※※日本の『65-70歳』の欄は、65-69歳の平均時間を示している。

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95

(イ) 職種別労働時間

職種別に労働時間をみると、欧州においては、特に男性について、多くの国で管理職に

該当する層(立法議員・上級行政官・管理的職業従事者)の労働時間が比較的長くなって

いる。 逆に、日本においては、フルタイム雇用者でなく「有業者」のデータではあるが、職種

別に労働時間をみると、管理的職業従事者の労働時間は相対的に短く、運輸・通信従事者

や販売従事者等で長くなっている。

図表 III-48 職種別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)<再掲> (時間:分)

Legislators,seniorofficials andmanagers(立法議員、 上級行政官、 管理的職業従事者)

Professionals(専門的職業従事者)

Technicians andassociateprofessionals(技術者及び準専門的職業従事者)

Clerks(事務的職業従事者)

Service,shop andmarketsalesworkers(サービス職業従事者, 店舗及び市場での販売従事者)

Skilledagricultureand Fisheryworkers(熟練の農林漁業従事者)

Craft andrelatedtradeworkers(熟練職業及び関連職業従事者)

Plant/machineryoperatorsandassemblers(装置・機械操作員及び組立工)

Elementaryoccupations(初級の職業)

All(合計)

男性 8:51 8:17 8:17 8:23 8:49 .. 8:10 8:35 .. 8:23女性 .. 7:41 7:47 8:01 7:58 .. .. 8:04 8:17 7:54全体 8:42 8:02 8:06 8:07 8:18 .. 8:11 8:32 8:20 8:12男性 8:24 8:27 8:13 .. 8:57 .. 8:28 8:45 8:34 8:27女性 8:11 7:34 7:38 7:47 7:34 .. .. 7:43 7:44 7:40全体 8:19 7:59 7:55 7:44 8:00 7:29 8:24 8:32 8:07 8:05男性 8:34 7:31 8:00 7:27 8:16 .. 8:06 8:36 .. 8:05女性 7:36 7:18 6:59 7:13 7:35 .. .. .. .. 7:16全体 8:17 7:26 7:34 7:19 7:47 .. 8:05 8:29 7:11 7:47男性 9:09 7:54 8:24 8:10 8:37 8:45 8:59 8:55 8:34 8:38女性 8:01 7:19 7:29 7:11 7:28 .. 7:57 8:22 6:41 7:19全体 8:58 7:37 7:59 7:37 8:00 8:26 8:52 8:50 7:40 8:08男性女性全体男性女性全体男性 7:55 8:00 7:29 7:33 7:18 8:03 7:38 8:03 7:27 7:42女性 .. 7:39 6:40 7:26 7:21 .. 6:58 .. 7:03 7:15全体 7:43 7:53 7:00 7:29 7:19 8:07 7:35 7:58 7:17 7:33男性 8:57 8:18 8:09 8:14 8:13 .. 8:51 9:01 8:29 8:38女性 8:26 8:13 7:40 7:39 7:20 .. 8:20 8:09 8:06 7:54全体 8:48 8:16 7:57 7:50 7:40 .. 8:49 8:51 8:24 8:22

管理的職業従事者

事務従事者 販売従事者農林漁業作業者

生産工程・労務従事者

運輸・通信従事者

合計

男性 8:41 9:12 9:30 6:59 8:57 9:59 9:00女性 6:15 6:58 6:21 5:10 6:16 7:47 6:36全体 8:29 7:48 8:18 6:12 8:10 9:52 7:59

フランス (集計なし)

イタリア (集計なし)

イギリス

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

スペイン

ドイツ

専門・技術的職業従事者

日本(参考:有業者)

9:177:368:31

※日本については、有業者・平日・仕事のある日の平均時間である。

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96

(ウ) 最終学歴別労働時間

最終学歴別に労働時間をみると、学齢による労働時間の差はあまりみられない。特に、「後

期中等教育」以降の最終学歴に限ってみると、労働時間の差はおおむね 30分以内となっている。

図表 III-49 最終学歴別労働時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日)<再掲> (時間:分)

Primary

<ISCED 1>(初等教育)

Lower

secondary<ISCED 2>

(前期中等教育)

Upper

secondary<ISCED3 or 4>

(後期中等教育)

<ISCED 5b>(準学士)

<ISCED 5a or

ISCED 6>(学士以上)

All(合計)

男性 8:12 8:39 8:20 8:24 8:33 8:24女性 .. 7:44 7:57 8:03 7:39 7:54全体 8:16 8:19 8:12 8:12 8:12 8:13男性 8:22 9:13 8:26 8:13 8:24 8:27女性 7:45 7:50 7:41 7:38 7:34 7:40全体 8:05 8:38 8:08 7:51 8:02 8:05男性 .. 8:12 8:04 8:03 8:00 8:04女性 .. 7:05 7:28 7:02 6:54 7:17全体 .. 7:44 7:50 7:37 7:45 7:46男性 9:00 8:48 8:31 7:59 8:23 8:37女性 7:07 7:19 7:19 7:12 7:40 7:19全体 8:30 8:20 8:03 7:33 8:04 8:08男性 8:16 8:20 8:15 8:42 8:38 8:22女性 7:39 7:39 7:56 8:14 7:54 7:53全体 8:04 8:03 8:09 8:30 8:19 8:12男性女性全体男性 .. 7:39 7:33 7:53 8:01 7:42女性 .. 7:04 7:09 7:33 7:36 7:15全体 6:07 7:22 7:25 7:47 7:52 7:33男性 8:54 8:25 8:40 8:23 8:39 8:38女性 7:45 7:50 7:53 7:47 8:07 7:54全体 8:37 8:14 8:24 8:05 8:28 8:23男性 8:22 8:51 8:59 8:29女性 5:49 6:17 6:56 6:01全体 7:15 7:09 8:28 7:26

フィンランド

フランス

ドイツ

ノルウェー

スペイン

イタリア

日本(*参考:有業者)

7:335:206:40

スウェーデン

イギリス

(集計なし)

※日本については、有業者・平日の平均時間である。 ※※日本の「準学士」欄は、短大・高専の卒業者の平均時間である。

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97

(エ) 時間帯別労働時間

職種別労働時間において、管理職に該当する層の労働時間が比較的長かったことから、

管理職平日勤務日の、夜間の生活時間について比較する。 フルタイム雇用者の勤務日における 18~24時の生活時間を示したのが下表である。 北欧諸国を除くと、管理職の労働時間がやや長い傾向がみられる。そこで特に管理職に

ついてみると、スペインを除き、いずれの国も労働時間は1時間未満となっており、レジ

ャー時間が2時間半前後などとなっている。必ずしも管理職が夜間勤務をしているとはい

えないことがわかる。 図表 III-50 18時~24時の生活時間(フルタイム雇用・平日・勤務日)

(時間:分)

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:36 1:37 1:45 .. 1:39 1:38 1:38 1:19 1:54 1:24 1:46 1:21 1:11 1:12 1:17 1:23 1:14 1:15労働計 0:39 0:38 0:29 .. 0:35 0:35 0:46 0:33 0:27 0:39 0:37 0:35 0:39 0:50 0:31 0:26 0:36 0:43学習計 0:01 0:00 0:02 .. 0:01 0:01 0:02 0:00 0:04 0:08 0:03 0:03 0:01 0:00 0:03 0:02 0:02 0:01家事計 0:45 0:56 0:58 .. 0:50 0:58 0:39 0:51 0:55 0:49 0:46 0:51 0:48 0:47 1:06 1:09 0:55 0:54レジャー計 2:35 2:20 2:22 .. 2:30 2:23 2:31 2:40 2:21 2:42 2:26 2:41 2:57 2:48 2:44 2:38 2:52 2:45移動計 0:21 0:29 0:22 .. 0:22 0:26 0:20 0:31 0:16 0:16 0:18 0:26 0:21 0:21 0:18 0:21 0:20 0:21その他・不明 0:03 0:00 0:02 .. 0:02 0:00 0:04 0:05 0:04 0:01 0:04 0:04 0:02 0:02 0:02 0:01 0:02 0:02

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:27 1:15 1:16 1:15 1:23 1:15労働計 1:13 1:36 1:07 1:02 1:11 1:31学習計 0:04 0:02 0:06 0:10 0:05 0:03家事計 0:35 0:34 1:22 1:16 0:52 0:41レジャー計 2:07 1:57 1:40 1:36 1:57 1:54移動計 0:32 0:34 0:28 0:37 0:30 0:35その他・不明 0:02 0:02 0:02 0:04 0:02 0:02

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:54 1:50 2:06 .. 1:58 1:50 1:43 1:44 1:51 1:49 1:46 1:45労働計 0:29 0:28 0:22 .. 0:26 0:27 0:44 0:42 0:26 0:28 0:38 0:38学習計 0:03 0:02 0:04 .. 0:03 0:02 0:01 0:01 0:02 0:02 0:01 0:01家事計 0:33 0:27 0:44 .. 0:37 0:28 0:33 0:34 0:52 0:59 0:40 0:41レジャー計 2:38 2:44 2:21 .. 2:32 2:45 2:29 2:22 2:22 2:13 2:26 2:20移動計 0:21 0:26 0:21 .. 0:21 0:25 0:28 0:33 0:22 0:25 0:26 0:31その他・不明 0:03 0:04 0:03 .. 0:03 0:03 0:03 0:03 0:04 0:04 0:03 0:03

(集計なし)(集計なし)

イギリス

男性 女性 男女計

男性 女性

ノルウェー

イタリア

フィンランド

男性 女性 男女計

男性 女性 男女計

フランス

男女計 男性 女性 男女計

男性 女性 男女計

スペイン

ドイツ

スウェーデン

男性 女性 男女計男性 女性 男女計

※日本については同条件での集計を行っていない。

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更に深夜帯の 21~24時の 3時間に絞り込んだのが、下表である。 労働に関する時間は、いずれの国でもおおよそ 20分を下回っており、深夜帯における労働はほとんどみられない。 また、管理職であっても、深夜帯に及ぶ労働はあまりしていないことがわかる。

図表 III-51 21時~24時の生活時間(フルタイム雇用・平日・勤務日) (時間:分)

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:12 1:07 1:21 .. 1:16 1:09 1:15 1:00 1:32 1:08 1:23 1:03 0:53 0:53 0:59 1:02 0:56 0:56労働計 0:14 0:21 0:09 .. 0:12 0:18 0:16 0:13 0:07 0:08 0:12 0:11 0:13 0:17 0:10 0:06 0:12 0:14学習計 0:00 0:00 0:00 .. 0:00 0:00 0:01 0:00 0:01 0:03 0:01 0:01 0:00 0:00 0:01 0:01 0:01 0:00家事計 0:10 0:14 0:13 .. 0:11 0:16 0:08 0:12 0:14 0:16 0:11 0:13 0:12 0:13 0:21 0:21 0:15 0:15レジャー計 1:16 1:13 1:09 .. 1:14 1:13 1:12 1:26 1:00 1:23 1:06 1:25 1:33 1:29 1:22 1:26 1:29 1:28移動計 0:07 0:05 0:05 .. 0:06 0:05 0:06 0:07 0:04 0:03 0:05 0:05 0:07 0:06 0:05 0:04 0:06 0:06その他・不明 0:01 0:00 0:01 .. 0:01 0:00 0:02 0:02 0:02 0:00 0:02 0:01 0:01 0:01 0:01 0:00 0:01 0:01

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:08 1:06 1:03 1:06 1:06 1:06労働計 0:15 0:12 0:13 0:04 0:14 0:10学習計 0:01 0:01 0:01 0:04 0:01 0:01家事計 0:12 0:16 0:30 0:36 0:19 0:19レジャー計 1:14 1:16 1:02 0:56 1:10 1:13移動計 0:09 0:08 0:09 0:11 0:09 0:08その他・不明 0:01 0:02 0:01 0:02 0:01 0:02

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:23 1:18 1:35 .. 1:27 1:19 1:12 1:12 1:21 1:18 1:15 1:13労働計 0:11 0:17 0:05 .. 0:09 0:16 0:15 0:13 0:09 0:08 0:13 0:12学習計 0:01 0:00 0:01 .. 0:01 0:00 0:00 0:00 0:01 0:01 0:00 0:00家事計 0:04 0:02 0:06 .. 0:05 0:02 0:08 0:10 0:12 0:14 0:09 0:11レジャー計 1:14 1:16 1:06 .. 1:11 1:17 1:16 1:17 1:11 1:13 1:14 1:16移動計 0:06 0:04 0:05 .. 0:05 0:04 0:07 0:07 0:05 0:04 0:06 0:06その他・不明 0:01 0:02 0:01 .. 0:01 0:02 0:01 0:02 0:02 0:02 0:01 0:02

(集計なし) (集計なし)

ドイツ イギリス男性 女性 男女計 男性 女性 男女計

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計

男性 女性 男女計

スペイン フランス イタリア男性 女性 男女計

スウェーデン フィンランド ノルウェー男性 女性 男女計 男性 女性 男女計

※日本については同条件での集計を行っていない。

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99

4-2-3 私生活とのバランスについて

(ア) 生活行動小分類による分析

私生活とのバランスをみるために、生活行動の小分類によって生活時間をみると、平日・

勤務日であっても、男女ともに、「子どもの世話」「子どもへの教育・読み聞かせ・会話」

といった育児について 10~20 分程度行っている。また、「その他の社会生活7」(近所付き

合いや親せき付き合い、友人との付き合い)についても一定の時間がとられており、平均

時間からみる限り、家庭における家事や社会生活のバランスが保たれている。 図表 III-52 フルタイム雇用・平日・勤務日の生活時間(生活行動小分類、抜粋)

(時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計睡眠 7:05 7:19 7:10 7:00 7:20 7:07 7:35 7:36 7:35食事 1:10 1:08 1:09 1:23 1:14 1:19 1:33 1:26 1:30主業・副業 8:27 7:53 8:15 8:08 7:16 7:49 8:49 7:21 8:18食事の準備 0:17 0:29 0:21 0:19 0:33 0:24 0:13 0:46 0:25皿洗いや食卓の清拭など 0:07 0:11 0:08 0:05 0:12 0:08 0:02 0:16 0:07掃除・ゴミの分別など 0:08 0:16 0:11 0:08 0:20 0:12 0:03 0:26 0:11ガーデニング、庭いじり 0:03 0:04 0:04 0:05 0:03 0:04 0:02 0:01 0:02買い物やサービスの利用 0:14 0:21 0:17 0:15 0:21 0:17 0:09 0:23 0:14子どもの世話 0:10 0:10 0:10 0:11 0:14 0:12 0:08 0:19 0:12子どもへの教育・読み聞かせ・会話 0:05 0:05 0:05 0:04 0:05 0:04 0:04 0:05 0:04その他の家事 0:08 0:09 0:08 0:09 0:09 0:09 0:03 0:09 0:05ボランティア活動 0:03 0:01 0:03 0:02 0:02 0:02 0:01 0:01 0:01他の家庭への支援・手伝い 0:03 0:03 0:03 0:05 0:02 0:04 0:02 0:03 0:03無料または少額参加費用の活動 0:02 0:02 0:02 0:05 0:04 0:05 0:01 0:01 0:01友人宅等への訪問、食事会、冠婚葬祭 0:10 0:10 0:10 0:23 0:29 0:25 0:04 0:06 0:04その他の社会生活 0:23 0:28 0:25 0:31 0:35 0:32 0:24 0:21 0:23出勤・退勤 0:47 0:45 0:47 0:53 0:50 0:52 1:04 1:01 1:03通学 0:00 0:00 0:00 0:00 0:01 0:00 0:01 0:01 0:01買い物に関する移動 0:10 0:12 0:10 0:06 0:07 0:06 0:03 0:07 0:05子どもの送迎 0:04 0:04 0:04 0:03 0:02 0:03 0:03 0:06 0:04

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計睡眠 7:16 7:28 7:20 7:35 7:47 7:39食事 1:19 1:10 1:16 1:03 0:59 1:02主業・副業 7:44 7:10 7:33 8:39 7:51 8:23食事の準備 0:10 0:22 0:14 0:16 0:32 0:22皿洗いや食卓の清拭など 0:04 0:08 0:05 0:05 0:09 0:06掃除・ゴミの分別など 0:05 0:17 0:09 0:04 0:14 0:07ガーデニング、庭いじり 0:08 0:04 0:07 0:03 0:02 0:03買い物やサービスの利用 0:17 0:31 0:22 0:08 0:16 0:10子どもの世話 0:04 0:06 0:05 0:06 0:09 0:07子どもへの教育・読み聞かせ・会話 0:05 0:04 0:04 0:05 0:03 0:04その他の家事 0:05 0:07 0:06 0:02 0:02 0:02ボランティア活動 0:07 0:03 0:06 0:01 0:01 0:01他の家庭への支援・手伝い 0:04 0:03 0:04 0:02 0:03 0:02無料または少額参加費用の活動 0:03 0:01 0:02 0:02 0:02 0:02友人宅等への訪問、食事会、冠婚葬祭 0:05 0:06 0:06 0:06 0:13 0:08その他の社会生活 0:38 0:44 0:40 0:21 0:22 0:21出勤・退勤 1:00 0:46 0:56 1:02 0:54 0:59通学 0:01 0:01 0:01 0:00 0:01 0:00買い物に関する移動 0:11 0:16 0:13 0:07 0:10 0:08子どもの送迎 0:02 0:02 0:02 0:03 0:06 0:04

スウェーデン ノルウェー スペイン

ドイツ イギリス

※日本については同条件での集計を行っていない。また、 フィンランド・フランス・イタリアは、表記を省略している。

7 「近所の人や親族と過ごすこと」と定義されており、具体例としては「近所の人との会話」「親族とのカフェテリアでの会話」「屋外で友人と過ごす」などが示されている。

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100

(イ) 食事を一緒に摂った相手

単独世帯について、食事を一緒に摂った相手についてみると、スウェーデンやドイツでは、

「単独で食事」の時間が比較的長い。逆に、ノルウェーでは、「家族以外のみと食事」の時間

が比較的長い。 図表 III-53 食事を一緒に摂った相手(フルタイム雇用・平日・勤務日・単独世帯)

(時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:30 0:26 0:28 0:29 0:26 0:28家族と食事 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00家族以外のみと食事 0:15 0:13 0:14 0:50 0:46 0:49食事時間計 0:45 0:39 0:43 1:19 1:12 1:17

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:46 0:49 0:47家族と食事 0:02 0:01 0:01家族以外のみと食事 0:41 0:27 0:36食事時間計 1:29 1:17 1:24

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:43 0:35 0:40 0:28 0:29 0:28家族と食事 0:06 0:02 0:05 0:02 0:01 0:01家族以外のみと食事 0:27 0:24 0:26 0:32 0:22 0:28食事時間計 1:17 1:02 1:11 1:02 0:52 0:58

フランス イタリア

(集計なし)

(集計なし) (集計なし)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

スペイン

ドイツ イギリス

※日本については同条件での集計を行っていない。

2 人以上の世帯についてみた場合には、ノルウェー以外の国では、家族と食事をする時間の割合が、食事時間全体の半分以上を占めている。特にスウェーデンではその割合が 7 割近くとなっており、家族と食事を一緒に摂る傾向が強いことがうかがえる。

図表 III-54 食事を一緒に摂った相手(フルタイム雇用・平日・勤務日・2人以上世帯)

(時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:12 0:12 0:12 0:16 0:13 0:15家族と食事 0:40 0:39 0:39 0:37 0:35 0:37家族以外のみと食事 0:04 0:04 0:04 0:29 0:25 0:28食事時間計 0:57 0:56 0:56 1:23 1:13 1:19

家族との食事の割合 70.2% 69.6% 69.6% 44.6% 47.9% 46.8%

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:15 0:15 0:15家族と食事 0:55 0:52 0:55家族以外のみと食事 0:16 0:11 0:15食事時間計 1:26 1:20 1:24

家族との食事の割合 64.0% 65.0% 65.5%

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計単独で食事 0:21 0:20 0:20 0:07 0:08 0:07家族と食事 0:43 0:37 0:42 0:33 0:31 0:33家族以外のみと食事 0:13 0:13 0:13 0:17 0:16 0:17食事時間計 1:16 1:10 1:14 0:58 0:56 0:58

家族との食事の割合 56.6% 52.9% 56.8% 56.9% 55.4% 56.9%

スペイン フランス イタリア

(集計なし)

ドイツ イギリス

(集計なし)(集計なし)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

※日本については同条件での集計を行っていない。

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101

なお、食事の回数については、「フランスとドイツの家庭生活調査-フランスの出生率はな

ぜ高いのか-」(内閣府経済社会総合研究所、2005 年)において調査が行われている。同調査によれば、ドイツで 1週間あたり 4.5~4.7回、フランスで 4.9~5.2回、家族全員で夕食がとられているのに対し、日本(東京)では、1週間あたり 2.7回にとどまっている。

図表 III-55 (参考)都市別 1週間に家族全員で夕食をとる回数

出所:内閣府経済社会総合研究所(2005)「フランスとドイツの家庭生活調査-フランスの出生率はなぜ高

いのか-」図表 8-34 都市別 1 週間に家族全員で食事をとる回数 を引用

(http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou020/hou12d.pdf)

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102

4-2-4 仕事の仕方について

(ア) 時間帯別労働時間(再掲)

職種別労働時間において、管理職に該当する職種の労働時間が比較的長かったことから、

管理職平日勤務日の、夜間の生活時間について着目する。 スペインを除くと、いずれの国も労働時間は1時間未満となっており、レジャー時間が2

時間半前後などとなっている。必ずしも管理職は夜間勤務をしている、とはいえないことが

わかる。 図表 III-56 18時~24時の生活時間(フルタイム雇用・平日・勤務日)<再掲>

(時間:分)

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:36 1:37 1:45 .. 1:39 1:38 1:38 1:19 1:54 1:24 1:46 1:21 1:11 1:12 1:17 1:23 1:14 1:15労働計 0:39 0:38 0:29 .. 0:35 0:35 0:46 0:33 0:27 0:39 0:37 0:35 0:39 0:50 0:31 0:26 0:36 0:43学習計 0:01 0:00 0:02 .. 0:01 0:01 0:02 0:00 0:04 0:08 0:03 0:03 0:01 0:00 0:03 0:02 0:02 0:01家事計 0:45 0:56 0:58 .. 0:50 0:58 0:39 0:51 0:55 0:49 0:46 0:51 0:48 0:47 1:06 1:09 0:55 0:54レジャー計 2:35 2:20 2:22 .. 2:30 2:23 2:31 2:40 2:21 2:42 2:26 2:41 2:57 2:48 2:44 2:38 2:52 2:45移動計 0:21 0:29 0:22 .. 0:22 0:26 0:20 0:31 0:16 0:16 0:18 0:26 0:21 0:21 0:18 0:21 0:20 0:21その他・不明 0:03 0:00 0:02 .. 0:02 0:00 0:04 0:05 0:04 0:01 0:04 0:04 0:02 0:02 0:02 0:01 0:02 0:02

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:27 1:15 1:16 1:15 1:23 1:15労働計 1:13 1:36 1:07 1:02 1:11 1:31学習計 0:04 0:02 0:06 0:10 0:05 0:03家事計 0:35 0:34 1:22 1:16 0:52 0:41レジャー計 2:07 1:57 1:40 1:36 1:57 1:54移動計 0:32 0:34 0:28 0:37 0:30 0:35その他・不明 0:02 0:02 0:02 0:04 0:02 0:02

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

パーソナルケア計 1:54 1:50 2:06 .. 1:58 1:50 1:43 1:44 1:51 1:49 1:46 1:45労働計 0:29 0:28 0:22 .. 0:26 0:27 0:44 0:42 0:26 0:28 0:38 0:38学習計 0:03 0:02 0:04 .. 0:03 0:02 0:01 0:01 0:02 0:02 0:01 0:01家事計 0:33 0:27 0:44 .. 0:37 0:28 0:33 0:34 0:52 0:59 0:40 0:41レジャー計 2:38 2:44 2:21 .. 2:32 2:45 2:29 2:22 2:22 2:13 2:26 2:20移動計 0:21 0:26 0:21 .. 0:21 0:25 0:28 0:33 0:22 0:25 0:26 0:31その他・不明 0:03 0:04 0:03 .. 0:03 0:03 0:03 0:03 0:04 0:04 0:03 0:03

(集計なし)(集計なし)

イギリス

男性 女性 男女計

男性 女性

ノルウェー

イタリア

フィンランド

男性 女性 男女計

男性 女性 男女計

フランス

男女計 男性 女性 男女計

男性 女性 男女計

スペイン

ドイツ

スウェーデン

男性 女性 男女計男性 女性 男女計

※日本については同条件での集計を行っていない。

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103

(イ) 場所別の労働時間

労働場所別の労働時間についても、特に管理職に該当する職種について着目して集計を行

った。 男性については、スペインとドイツを除くいずれの国においても、管理職の「自宅での仕

事」の時間が、全体に比べて長い。特にフィンランドの男性管理職の場合は、自宅での仕事

時間が 47分と、特に長い。逆に、職場での仕事の時間は、管理職の方が全体に比べて短くなっているのが特徴的である。 なお、スペイン、ドイツについては、男女とも自宅での労働時間は 10分以下となっており、

自宅で仕事が行われることは少ない。

図表 III-57 「仕事」を行う場所(フルタイム雇用・平日・勤務日) (時間:分)

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

自宅 0:07 0:19 0:12 .. 0:09 0:18 0:10 0:47 0:18 0:08 0:14 0:33 0:14 0:19 0:12 0:15 0:13 0:18職場・学校 7:59 8:21 7:35 .. 7:51 8:12 7:29 6:51 7:09 7:11 7:20 6:58 7:33 7:41 6:56 7:05 7:19 7:31他人の家 0:00 0:00 0:00 .. 0:00 0:00 0:01 0:00 0:01 0:00 0:01 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00レストラン・カフェ・パブ 0:00 0:00 0:00 .. 0:00 0:00 0:01 0:01 0:00 0:02 0:01 0:02 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00その他の場所 0:15 0:11 0:07 .. 0:12 0:12 0:46 0:44 0:11 0:50 0:30 0:46 0:16 0:33 0:09 0:16 0:13 0:28労働時間計 8:22 8:51 7:54 .. 8:11 8:42 8:27 8:24 7:40 8:11 8:05 8:19 8:04 8:34 7:17 7:36 7:46 8:17

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

自宅 0:07 0:07 0:10 0:02 0:08 0:06職場・学校 8:25 8:50 7:06 7:59 7:56 8:41他人の家 0:00 0:01 0:00 0:00 0:00 0:01レストラン・カフェ・パブ 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00その他の場所 0:05 0:10 0:02 0:00 0:04 0:09労働時間計 8:37 9:09 7:19 8:01 8:08 8:58

全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職 全体 うち管理職

自宅 0:07 0:08 0:08 .. 0:08 0:11職場・学校 7:24 7:32 6:57 .. 7:15 7:18他人の家 0:01 0:01 0:02 .. 0:01 0:01レストラン・カフェ・パブ 0:00 0:00 0:00 .. 0:00 0:00その他の場所 0:10 0:14 0:08 .. 0:09 0:13労働時間計 7:42 7:55 7:15 .. 7:33 7:43

(集計なし)

男性 女性 男女計イギリス

男性 女性 男女計

男女計 男性 女性 男女計 男性 女性

男女計フィンランド ノルウェー

フランス

(集計なし) (集計なし)

イタリア男女計

男女計 男性 女性 男女計 男性 女性

ドイツ

スペイン男性 女性

スウェーデン男性 女性

※日本については同条件での集計を行っていない。

<参考> ※日本については同様の集計は行っていないものの、2008 年度までにテレワーク人口は15.2%に達している。(国土交通省:テレワーク実態調査による) 特に高役職者を中心にテレワークが普及しているところであるが、他方で、管理職のテレ

ワークは夜間に行われる割合も少なくなく8、「持ちかえり残業」が反映されているという指

摘もある。9

8 テレワーク推進フォーラム第 2回総会資料による。 (http://www.telework-forum.jp/documentation/soukai/060926-1shiryo05.pdf) 9 労働政策研究・研修機構(2009)「働く場所と時間の多様性に関する調査研究」(労働政策研究報告書No.106)は、『「自宅」で働いている人々の多くが、在宅勤務制度等に基づいて働くよりもいわゆる「持ち帰り残業」をしている可能性が高く、そのために長時間労働になっている』ことを指摘している。

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104

(ウ) 職場にいるときの生活時間

職場にいるときの生活時間についてみると、ノルウェーを除く国では、職場における生活

時間の大部分が「労働」の時間であり、職場での行動についてはメリハリを持っているもの

と考えられる。ノルウェーについては、パーソナルケアに含まれる「食事」の時間が計上さ

れていると考えられる。(なお、調査票の回答様式上、食事時間が 15分未満の場合は記録されなかったり、昼食休憩を「coffee and other breaks(小休憩)」と捉え、大分類の労働に扱われるような回答がされている可能性があるため、この結果をもって、「ノルウェー以外の欧

州諸国は、職場で食事をほとんど摂らない」とはいえない。)

図表 III-58 職場における生活時間(フルタイム雇用者・平日・勤務日) (時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 0:09 0:10 0:09 0:17 0:15 0:16 0:37 0:32 0:35労働計 8:17 7:45 8:06 7:05 6:50 6:58 7:37 6:56 7:23学習計 0:01 0:00 0:01 0:01 0:01 0:01 0:01 0:02 0:01家事計 0:00 0:00 0:00 0:01 0:00 0:01 0:01 0:00 0:01レジャー計 0:01 0:01 0:01 0:02 0:01 0:01 0:03 0:04 0:04移動計 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:01 0:01 0:01その他・不明 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00 0:00職場にいる時間計 8:28 7:56 8:17 7:25 7:08 7:17 8:20 7:36 8:04

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 0:08 0:06 0:07労働計 8:35 7:05 8:03学習計 0:01 0:02 0:02家事計 0:00 0:00 0:00レジャー計 0:01 0:00 0:01移動計 0:00 0:00 0:00その他・不明 0:00 0:00 0:00職場にいる時間計 8:45 7:14 8:13

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 0:13 0:11 0:13労働計 7:23 6:57 7:14学習計 0:04 0:05 0:04家事計 0:00 0:01 0:01レジャー計 0:15 0:13 0:14移動計 0:00 0:00 0:00その他・不明 0:00 0:00 0:00職場にいる時間計 7:55 7:27 7:45

(集計なし)

ドイツ イギリス

イタリア

(集計なし) (集計なし)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

スペイン フランス

※日本については同条件での集計を行っていない。

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105

(エ) 平日の仕事時間/週末の過ごし方

まず、平日勤務日の過ごし方をみると、日本は、欧州に比べて労働時間が長く、また、家

事時間やレジャー時間が短いことがわかる。パーソナルケアについては、日欧で極端な差は

みられない。

図表 III-59 生活時間の全体像(フルタイム雇用者・平日・勤務日)<再掲> (時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 8:51 9:17 9:00 9:12 9:27 9:19 9:01 9:22 9:08労働計 8:48 8:11 8:35 8:32 7:38 8:08 8:10 7:18 7:52学習計 0:02 0:02 0:02 0:04 0:05 0:04 0:02 0:05 0:03家事計 1:33 2:09 1:46 1:23 2:20 1:48 1:35 2:23 1:52レジャー計 3:16 2:56 3:09 3:30 3:09 3:21 3:47 3:33 3:42移動計 1:24 1:23 1:24 1:11 1:14 1:12 1:22 1:16 1:20その他・不明 0:04 0:03 0:04 0:08 0:06 0:07 0:03 0:03 0:03

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 9:52 9:49 9:51 10:24 10:28 10:25労働計 8:52 7:23 8:20 8:22 7:53 8:11学習計 0:06 0:10 0:07 0:01 0:02 0:01家事計 0:54 2:49 1:35 1:11 2:14 1:34レジャー計 2:50 2:20 2:39 2:41 2:03 2:27移動計 1:25 1:27 1:26 1:20 1:16 1:19その他・不明 0:02 0:03 0:02 0:02 0:03 0:02

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 9:20 9:33 9:24 9:17 9:36 9:24 9:29 9:45 9:33労働計 7:58 7:22 7:46 8:48 7:59 8:32 9:51 8:37 9:30学習計 0:07 0:11 0:08 0:02 0:03 0:02 0:00 0:00 0:00家事計 1:20 2:05 1:35 1:07 1:54 1:22 0:11 1:30 0:34レジャー計 3:40 3:19 3:33 3:09 2:54 3:04 2:55 2:45 2:53移動計 1:32 1:26 1:30 1:32 1:29 1:31 1:28 1:17 1:25その他・不明 0:03 0:04 0:04 0:06 0:06 0:06 0:04 0:06 0:05

日本※(正規雇用者)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

(集計なし)

スペイン フランス イタリア

ドイツ イギリス

※日本については、正規雇用者・平日・勤務日の平均時間を使用している

Page 50: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

106

一方、フルタイム雇用者のオフの日の過ごし方をみると、日本では欧州に比べて、男性の

レジャーに関する時間が長いことが目立つ。欧州では、男性のレジャーに関する時間がおお

むね 7~8時間であるのに対し、日本では 9時間近い時間となっている。 その一方で、男性の家事時間は、欧州各国が 2~3時間以上であるのに対し、日本では1時間 34分と短くなっている。他方、日本の女性の家事時間は 3時間 54分となっており、欧州各国とほぼ同じ程度となっている。

図表 III-60 日曜日で、勤務日以外(オフ)の場合の生活時間(フルタイム雇用) (時間:分)

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 12:07 12:31 12:16 12:17 12:15 12:16 12:04 12:29 12:13労働計 0:24 0:22 0:24 0:13 0:12 0:12 0:15 0:04 0:11学習計 0:04 0:06 0:05 0:01 0:05 0:03 0:00 0:01 0:01家事計 3:31 4:10 3:46 2:38 3:51 3:13 2:45 3:45 3:06レジャー計 6:21 5:33 6:04 7:27 6:23 6:56 7:43 6:44 7:22移動計 1:27 1:13 1:22 1:16 1:10 1:14 1:11 0:54 1:05その他・不明 0:05 0:04 0:05 0:08 0:05 0:06 0:02 0:03 0:03

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 13:18 13:01 13:13 13:33 13:37 13:34労働計 0:27 0:26 0:26 0:14 0:14 0:14学習計 0:04 0:05 0:04 0:04 0:01 0:03家事計 1:53 3:43 2:30 2:26 4:21 3:10レジャー計 7:02 5:36 6:33 6:47 4:55 6:04移動計 1:14 1:04 1:11 0:54 0:51 0:53その他・不明 0:02 0:04 0:03 0:02 0:01 0:02

男性 女性 男女計 男性 女性 男女計 男性 女性 男女計パーソナルケア計 11:57 12:19 12:05 11:43 11:50 11:45労働計 0:13 0:09 0:12 0:21 0:17 0:20学習計 0:03 0:02 0:02 0:00 0:00 0:00家事計 3:11 4:16 3:35 1:34 3:54 2:14レジャー計 6:56 5:49 6:31 8:58 6:38 8:18移動計 1:29 1:17 1:25 1:01 0:58 1:00その他・不明 0:11 0:07 0:09 0:24 0:23 0:24

イタリア

イギリス 日本※(正規雇用者)ドイツ

(集計なし)

(集計なし)

スウェーデン フィンランド ノルウェー

スペイン フランス

※日本については、正規雇用者・日曜日・仕事のない日の平均時間を使用している

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4-2-5 結果と今後の検討すべき視点

仮説設定に対し検討した結果と、平成 22年度の研究において実施すべき事柄を以下のとおりまとめた。 i:考えられる仮説・確認すべき点 ii:社会生活基本調査や欧州統一

生活時間調査を使用した分析方

法として考えられるもの

ウ:結果と今後の検討・研究課題

1.誰が仕事をしているのか

(ア)夫婦の役割分担について

・欧州は短時間でも夫婦ともに働いて収入を得て

いるのではないか。(欧州は女性の社会進出が目

覚ましい)

・世帯の1人当たり労働時間は、家族形態やライ

フステージで異なるか、また、育児支援等のイ

ンフラがある場合は労働時間に変わりがない

か。

・ライフスタイル別労働時間

(ア)男女別・年齢別の就業状況の

分析

(イ)男女別の労働形態比率の分析

(ウ)婚姻状況別労働時間の分析

(エ)世帯最年少構成員の年齢別生

活時間の分析

(オ)子の有無・人数別の労働時間

の分析

(カ)配偶者の雇用形態別の労働時

間の分析

<結果>

北欧諸国については、女性は結婚(あるいは出産)によって仕事を離

れることは少なく、雇用形態をフルタイム雇用からパートタイム雇用に

変更することも少ないものと考えられる。ただし、7歳未満の世帯構成

員がいる場合には、女性の労働時間が短い傾向があり、幼い子がいる間

は、夫婦間で、役割の調整をしていることが考えられる。

スペインやフランス、イタリアについては、就業していない女性が一

定程度みられることから、結婚(あるいは出産)によって、仕事を離れ

る場合もあるものと考えられる。

ドイツ、イギリスについては、12 歳以上の子供を有さない女性のパー

トタイム雇用率が 20%前後であるのに対し、12 歳以上の子供を有する

女性のパートタイム比率は 35%以上となっており、結婚(あるいは出産)

により、雇用形態をフルタイム雇用からパートタイム雇用に転換してい

るケースがあるものと考えられる。

特にドイツのフルタイム雇用の女性は、配偶者がパートタイム労働者

である場合には、労働時間が長い傾向がみられ、配偶者の雇用形態に応

じ、より多い収入を得る役割を担っている。

<平成 22 年度の研究課題>

我が国についても同条件での集計を行い、比較を行う。

また、生活時間のみならず、日欧の正規雇用者/非正規雇用者の比率

等についても考慮のうえで検討を行う。

(イ)仕事時間帯について

欧州でも、エリート層は(日本と同様)遅くまで

仕事しているのではないか。

(ア)年齢別労働時間の分析

(イ)職種別労働時間の分析

(ウ)最終学歴別労働時間の分析

(エ)時間帯別の労働時間の分析

<結果>

欧州においては、エリート層と規定される人のうち、管理職について

はやや労働時間が長い傾向がみられた。但し、労働時間が深夜に及んで

いるという傾向はみられない。

Page 52: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

108

i:考えられる仮説・確認すべき点 ii:社会生活基本調査や欧州統一

生活時間調査を使用した分析方

法として考えられるもの

ウ:結果と今後の検討・研究課題

なお、学歴による労働時間の長さの差はみられず、高学歴であっても

労働時間は長くはない。

<平成 22 年度の研究課題>

我が国についても同条件での集計を行い、比較を行う。

また、欧州統一生活時間調査については既存の年齢区分よりも、より

細かい区分によって集計された労働時間での比較検討が必要である。

(ウ)仕事量について

欧州は仕事量に見合った人員が配置されている

のではないか。(例えば、仕事をリストラする際

に人もリストラする)

(生産性に関わる部分であり、平成

22年度に検討課題1で行ったアンケ

ート結果を分析する)

<研究課題>

本研究の検討課題 1 において生産性に関する研究を行う。平成 22 年

度アンケート結果を詳細に分析することにより、究明を目指す。

2.私生活とのバランス

・日本人は帰ってもやることが無いから遅くまで

仕事しているのではないか(家事や育児をしな

い、家族以外との交流がない、社会的活動がな

い)

・欧州は(特に)食事や食事準備の時間にゆとり

をもっているのではないか

・家族で一緒に食事をとるという「決めごと」が

生活時間のメリハリになっているのではないか

(ア)生活行動小分類による分析(家

事や育児の時間、家族との交流

時間、家族以外との交流時間な

どの把握)

(イ)食事を一緒に摂った相手(ま

たは一人で食事しているか)の

分析

<結果>

欧州においては、平日・勤務日であっても、家事や社会的活動(交流)

のバランスがとられている。

また、食事については家族と摂る時間が多くを占めており、家庭生活

における食事の意義が大きいものであることがわかる。

<平成 22 年度の研究課題>

我が国についても同条件での集計を行い、比較を行う。

また、食事については特に「朝食」「夕食」と「出勤時間」「帰宅時間」

がそれぞれ関連あるものと考えられるため、それぞれの食事(または朝、

夕の時間帯)について着目して比較する。

3.仕事の仕方の

バランス

・労働の文化的位置づけについて

(所定外労働、休暇、会議方法、社内資料等諸々

において、考え方が日欧で異なるのではないか)

・仕事実施場所につき、週末を自宅で過ごすため、

仕事を持ち帰るケースがあるのではないか。

(ア)時間帯別労働時間の分析

(イ)場所別の仕事時間の分析

(ウ)職場にいるときの生活時間の

分析

(エ)仕事のある日(平日)の労働

時間と仕事のない日(休日)の

労働時間の分析

<結果>

特に長時間労働になりがちな管理職についてみたところ、仕事を行う

場所について、欧州ではフィンランドで「自宅」(での労働)が 47 分と

なっているものの、仕事の多くは職場で遂行されている。仕事は職場で

行うというスタンスがとられている。

<平成 22 年度の研究課題>

我が国についても同条件での集計を行い、比較を行う。

Page 53: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

109

5 平成 22年度研究について

5-1 事務局における分析

本報告で示している集計は、我が国における労働時間が、欧州各国に比べて長いことを示

している。 しかし、多くの我が国に関する集計は、「有業者」という属性に関して行っており、「フル

タイム雇用者」について集計した欧州とは異なる。我が国の集計について「有業者」を更に

「正規の職員・従業員」として絞り込む場合には、より労働時間が長く算出される可能性が

ある。 平成 22年度においては、我が国と欧州の労働時間を含めた生活時間を、より近い条件で比較するため「正規の職員・従業員」について、属性別の集計を行い、本分析の更なる精緻

化を目指す。仮説の検討・吟味に際しても「正規の職員・従業員」を比較対照とする。

Page 54: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

110

5-2 研究会における分析

本研究会においては、欧州統一生活時間調査について、先行研究を行っている水野谷

武志 北海学園大学准教授に、その仕様・使用法等を伺ううとともに、我が国社会生活

基本調査の調査仕様について総務省統計局から説明を受けるなどして、どのような比較

研究ができるのかを検討してきた。 社会生活基本調査については、データの有用性は認められながらも、公表されている

統計表には限界があり、より詳細な分析を実施するためには、個票を申請して別途に集

計を行うことが必要との結論に至った。 そこで、次頁に示すとおり、平成 22 年度研究において、研究会委員それぞれが社会

生活基本調査の個票による集計を行った上で、労働時間や生活時間に関する分析を行う

こととなった。

氏名 主な研究領域 研究テーマ 阿部正浩(獨協大学) 労働時間 労働時間と起床、就寝時間 永井暁子(日本女子大学) 生活時間 夫婦の働き方と家族時間・自分時

間 佐藤香(東京大学) 生活時間 ジェンダーからみた生活時間 小倉一哉(労働政策研究・研修機構) 労働時間 会社(職場)の外で仕事時間に関

する分析 戸田淳仁(リクルートワークス研究所) 労働時間 労働時間の測定に関する議論―社

会生活基本調査を利用した分析

Page 55: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

111

5-2-1 労働時間と起床、就寝時間(阿部 正浩)

1. 問題意識 日本人の起床、就寝時間を規定する要因を探ることが、この研究の目的である。 しばしば指摘されるように、睡眠時間は個々人の健康状態に影響する。睡眠不足は脳・

心臓疾患の有病率や死亡率を高めると指摘されているし、夜更かしは体温上昇を遅くし体

調に影響すると指摘されている。 では、睡眠時間は何によって規定されているのだろうか。これまでの研究では、長時間

労働が平均的に睡眠時間を短くしているとの指摘はあるものの、労働時間制度や労働時間

の長さが個人の起床と就寝行動にどのような影響を与えているかまで踏み込んだ研究はな

い。また、職種や職業などと睡眠時間との関連性を分析している研究もない。早朝や深夜

に働かなければならない人々の睡眠行動はどうなっているのか。経済のサービス化の進展

で不定期に働く人々も増加しているが、そうした人々の睡眠時間はどうなっているのか。

さらに、労働時間管理をされていないはずの管理的職業従事者、フレックスタイムなどが

適用されるケースが多い専門的・技術的職業従事者と、労働時間管理されている事務・販

売従事者との違いはどうだろうか。雇用者と自営業者との違いもどうなっているのか。 起床や就寝時間は労働時間だけでなく、通勤時間や家事・育児時間とも関連するのはも

ちろんである。通勤時間が長い都市部とそれ以外では、起床・就寝時間に違いがあるだろ

う。また、子供の有無や三世代同居の有無などの世帯構成は、家事・育児時間にも影響す

るだろう。こうした点も踏まえて、労働と睡眠の関係を検討する必要がある。

2. 先行研究 労働時間制度と睡眠との関係について検討している研究はほとんどないが、以下の論文

は、今回の研究の問題意識に近い研究を行ったものである。 上でも触れたように、長時間労働は睡眠の質の低下をもたらし、労働者の健康状態に影

響する。我々の健康を支える医師の労働時間も長時間化しており、しばしば問題視されて

いる。我が国でも研修医の労働環境が劣悪であり、長時間労働により過労死が起きている

という報道はしばしばなされるが、米国でも状況は似ているようだ。そこで米国では、研

修医の労働条件を改善するため、2003年 2月に研修医の労働時間を 4週間あたり 320時間(週 80 時間)未満に制限している(詳細は The Accreditation Council for Graduate Medical Education (ACGME)のホームページを参照)。しかし例外として 32時間までは追加で研修を行っても良いことになっていることと、この規制が実施される直前まで研修医

は週 140 時間も労働を行っていることから、実際にこの規制が研修医の労働条件の改善に結実するかどうか不明な点が多かった。

Lockly et.al[2004]では、この規制が効果的かどうかを調査した Harvard Work Hours, Health and Safety Groupの結果をまとめたものである。Harvardグループは、2002年 3

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月に、卒業 1年目の内科臨床研修医 51名について、異なる二つの研修スケジュール・シフトを設計して、それぞれのグループの研修医たちの労働時間と睡眠時間の違いについて検

討を行った。その結果、通常行われている研修スケジュール・シフトでは労働時間が長く

なりがちで、睡眠時間は短い。他方、もう一方の研修スケジュール・シフトを行った研修

医たちの労働時間は短く、睡眠時間は長くなった。これは研修スケジュール・シフトによ

って、同一の労働を行ったとしても、労働時間や睡眠時間に差がつくことを示唆している。 Basner et.al[2007]は、American time use surveyを用いて、起きている間の各種活動

と睡眠時間との関係を検討している。彼らが行った回帰分析の結果、まず労働時間が睡眠

時間に強く影響し、次いで通勤時間が睡眠時間に影響していることを見いだした。 Hamermesh et.al[2006]は、American time use surveyを用いて、アメリカ各地の標準

時間と TV放映時間の違いが、人々の行動にどのような影響を与えているかを検討している。その結果、標準時間と TV放映時間が労働と睡眠の時間に強く影響していることがわかった。 3. 分析方法 (1) クロス集計表 上の問題意識を検討するため、都道府県別、性別、世帯主との続柄別、配偶者の有無別、

年齢別、学歴別、就業の有無別、雇用形態別、仕事の種類別、企業全体の従業者数別に、

クロス集計表を作成する。 (2) 回帰分析 起床時刻および就寝時刻を従属変数として、都道府県別、性別、世帯主との続柄別、配

偶者の有無別、子供の有無別、年齢別、学歴別、就業の有無別、雇用形態別、仕事の種類

別、企業全体の従業者数別、ふだんの 1 週間の就業時間、実際の就業時間、ふだんの片道の通勤時間、実際の通勤時間、週休制度、連続した休暇の取得の有無・時期、本人の家事

時間、本人の介護、看護時間、本人の育児時間、実際の起床時刻、世帯の年間所得、末子

の年齢、末子の在学・在園状況別、それぞれを説明変数として回帰する。 たとえば、午前 5 時から 5 時 15 分までの間に起床しているかどうかを従属変数とした

場合、Pr(午前 5時から 5時 15分までに起床)=f(都道府県別、性別、世帯主との続柄別、配偶者の有無別、子供の有無別、年齢別、学歴別、就業の有無別、雇用形態別、仕事の種

類別、企業全体の従業者数別、ふだんの 1 週間の就業時間、実際の就業時間、ふだんの片道の通勤時間、実際の通勤時間、週休制度、連続した休暇の取得の有無・時期、本人の家

事時間、本人の介護、看護時間、本人の育児時間、実際の起床時刻、世帯の年間所得、末

子の年齢、末子の在学・在園状況別) という推定式をプロビットモデルにより推定する。

Page 57: 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 - ESRI57 3 労働時間・生活時間についての属性別比較 前項では、日本の労働時間が欧州各国に比べて長いことを確認した。

113

参考文献 Mathias Basner, Kenneth M. Fomberstein, Farid M. Razavi, Siobhan Banks, Jeffrey

H. William, Roger R. Rosa, and David F. Dinges. [2007] “American Time Use Survey: Sleep Time and Its Relationship to Waking Activities,” Sleep 30(9): pp.1085―95.

Daniel S. Hamermesh, Caitlin Knowles Myers, Mark L. Pocock. [2006]. "Time Zones

as Cues for Coordination: Latitude, Longitude, and Letterman," NBER Working Papers 12350, National Bureau of Economic Research, Inc.

Steven W. Lockley, John W. Cronin, Erin E. Evans, Brian E. Cade, Clark J. Lee,

Christopher P. Landrigan, Jeffrey M. Rothschild, Joel T. Katz, Craig M. Lilly, Peter H. Stone, Daniel Aeschbach, Charles A. Czeisler. [2004] “Effect of Reducing Interns' Weekly Work Hours on Sleep and Attentional Failures,” The New England Jourgnal of Medicine 351(18): pp.1829-37

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114

5-2-2 夫婦の働き方と家族時間・自分時間(永井 暁子)

1. 目的 夫婦、とくに子どものいる夫婦は、仕事と家庭/生活のバランスをどのように取っているのだろうか。高度成長期以降、主流となったバランスの取り方は、夫が仕事で妻は家庭/生活という性別分業に基づいて夫婦合計でバランスを取る方法である。男性にはライフコー

スによる変動は少なく、そのため女性は、ライフコースの各段階の家族的責任の多さによ

りバランスを常に修正せざるを得ない。現在問われているのは、今までのような夫婦単位

のワーク・ライフ・バランスではなく、個人単位のワーク・ライフ・バランスである。 人々は、仕事と家庭、そして個人の時間をどのように構成しているのか。とくに家事や

育児の時間を多く必要とする夫婦に焦点をあて、夫婦の働き方、働き方による家族と過ご

す時間、自分のために使う時間の違いを明らかにすることが目的である。 2. 先行研究 これまでの多くの研究は、労働時間の長さ、家事時間・育児時間の長さやそれらの性別

による偏り、そしてそれらの要因について、経済学、社会学などの領域で分析されている。

一方、生活時間研究では、現在、注視されているワーク・ライフ・バランスについて、は

やくからテーマとして取り上げ、生活の質についての知見が蓄積されている。個人の時間

配分に関して労働時間に着目した分析課題として、(ア)週休 2日制などの普及によって仕事への時間配分は削減されたか、(イ)労働時間の短縮で生じた時間はどのような活動に使

われたか、(ウ)女性の職場進出は女性の時間配分をどのように変えたか、(エ)共働き世

帯の男性の家事時間は増加したかなどをあげている(佐藤 2004)。たとえば、日本の労働者の特徴は、長い在勤務先時間、短い睡眠、少ない家族時間と自由時間とされている(白石

2009)。 さらに、 生活時間研究の多くで用いられる time budget調査では、時間量のみならず、タイミングについての貴重な情報を与えてくれる。これは藤原の言うところの「平均時間

アプローチ」ではない「時刻別行為者率アプローチ」でもある(藤原 2006)。この「時刻別行為者率アプローチ」から、藤原は残業の影響の男女差を明らかにしている。残業は男性

に対しては起床のタイミングを遅らせることで睡眠を維持し、女性は就寝時間を維持する

ことで睡眠を維持し起床を遅らせない。また、タイミングは時間のプレッシャーたとえば

他のイベントの発生までの間隔や他のイベントとの生起関係についての示唆を与えてくれ

る。夫と妻の睡眠時間の差についてタイミングの視点からの分析を行った平田は、妻のほ

うが早起きであることが妻の睡眠時間が短いことの一因であり、起床後 2 時間の生活時間分析から、妻とくに共働きの妻のタイムプレッシャーの大きさを示した(平田 2005)。 本研究では、このような生活時間研究の蓄積を背景に仕事のタイミングという視点から、

家族の時間や自分の時間について明らかにすることができると考えている。また、世帯の

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他の成員の生活時間を組み合わせて分析を行うという点で興味深い知見が得られると思わ

れる。 3. 分析計画 3つの領域に分けて分析を行う。第一に、父親と母親は生活時間をどのように構成しているか(→(1))、第二、にどのような働き方であれば家族と過ごすことができるのか(→(2))、第三に、育児をすること、仕事と家庭を両立させることいずれも個人の時間を消失させて

いるのではないか(→(3))。それぞれについて対照グループとして片働き(妻専業主婦)世帯の回答者の分布も用いる。 (1) 父親・母親の働き方と育児(調査票 A・調査票 B) 育児をする人は、どのような時間帯で働いているか

1-1 配偶者の出勤・帰宅時間と自身の出勤・帰宅時間(保育サービス利用・親同居別) 1-2 子どもの送迎・世話・付き添い・教育・遊びをする人の仕事時間帯 (出勤時間、始業時間、終業時間、帰宅時間 /親同居別 )

1-3 子どもの送迎など育児をする人の週当たり労働時間(親同居別) 表頭(平均値、分布) 本人と配偶者仕事時間帯(出勤・始業・終業・帰宅時間)、週当たり労働時間 表側 長子年齢,末子年齢,夫年齢階級,妻年齢階級,夫の職業,妻の職業,住宅の所有関係,

年間世帯収入,都市階級区分,地域区分,夫婦の働き方(夫就業と妻就業の組み合わせ),

夫学歴,妻学歴,世帯類型(親同居/非同居),子どもの送迎をするかしないかの別,子どもの世話をするかしないかの別,子どもの付き添いをするかしないかの別,子どもの教育を

するかしないかの別,子どもの遊びをするかしないかの別,保育所の利用,幼稚園の利用,

学童保育の利用 (2) 父親・母親の働き方と家族の時間((調査票 A・調査票 B)) 何時に家にいると家族と過ごすことができるか(家にいる人は家族と過ごしているか)

2-1 帰宅時間と家族(子ども)との食事 2-2 出勤時間と家族(子ども)との食事 2-3 週当たり労働時間と家族(子ども)との食事

2-4 帰宅時間と家族(配偶者と子ども)との時間

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2-5 出勤時間と家族(配偶者と子ども)との時間 2-6 週当たり労働時間と家族(配偶者と子ども)との時間 表頭及び被説明変数(平均値、分布、二項ロジスティック回帰分析あるいは分散分析) 子どもの送迎をするかしないかの別,子どもの世話をするかしないかの別,子どもの付き

添いをするかしないかの別,子どもの教育をするかしないかの別,子どもの遊びをするか

しないかの別,朝食の取り方,夕食の取り方 表側及び説明変数 長子年齢,末子年齢,夫帰宅時間,妻帰宅時間,夫出勤時間,妻出勤時間,夫年齢階級,

妻年齢階級,夫の職業,妻の職業,住宅の所有関係,年間世帯収入,都市階級区分,地域

区分,夫婦の働き方(夫就業と妻就業の組み合わせ),夫学歴,妻学歴,世帯類型(親同居

/非同居),夫 1週間の労働時間,妻 1週間の労働時間,保育所の利用,幼稚園の利用,学童保育の利用 Ex) 二項ロジスティック回帰分析 被説明変数 子どもの教育をする(=1)かしない(=0)か 説明変数 長子年齢,夫帰宅時間,妻帰宅時間,都市階級区分,地域区分,夫学歴,妻学歴,夫 1 週間の労働時間,妻 1週間の労働時間 (3) 育児と自分の時間(調査票 A・調査票 B) 育児をする人は、自分の時間をもっているか

3-1 平日育児時間、家族時間、仕事時間と一人・家族外の人との時間/行為 3-2 休日育児時間、家族時間、仕事時間と一人・家族外の人との時間/行為 表頭及び被説明変数(平均値、分布、二項ロジスティック回帰分析あるいは分散分析) 一人・家族外の人との時間の有無、時間(平日、休日) 表側及び説明変数 長子年齢,末子年齢,夫帰宅時間,妻帰宅時間,夫年齢階級,妻年齢階級,夫の職業,妻

の職業,住宅の所有関係,年間世帯収入,都市階級区分,地域区分,夫婦の働き方(夫就

業と妻就業の組み合わせ),夫学歴,妻学歴,世帯類型(親同居/非同居),子どもの送迎を

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するかしないかの別,子どもの世話をするかしないかの別,子どもの付き添いをするかし

ないかの別,子どもの教育をするかしないかの別,子どもの遊びをするかしないかの別,

夫 1週間の労働時間,妻 1週間の労働時間,朝食の取り方,夕食の取り方,保育所の利用,幼稚園の利用,学童保育の利用 Ex) 多元配置の分散分析 被説明変数 一人・家族外の人との時間の時間(平日) 説明変数 長子年齢,末子年齢,夫帰宅時間,妻帰宅時間,夫年齢階級,妻年齢階級,夫の職業,妻

の職業,住宅の所有関係,年間世帯収入,都市階級区分,地域区分,夫婦の働き方(夫就

業と妻就業の組み合わせ),夫学歴,妻学歴,世帯類型(親同居/非同居),子どもの送迎をするかしないかの別,子どもの世話をするかしないかの別,子どもの付き添いをするかし

ないかの別,子どもの教育をするかしないかの別,子どもの遊びをするかしないかの別,

夫 1週間の労働時間,妻 1週間の労働時間,朝食の取り方,夕食の取り方,保育所の利用,幼稚園の利用,学童保育の利用 参考文献 佐藤博樹,2004,「生活時間配分-生活と仕事の調和を求めて」佐藤博樹・佐藤厚編『仕事の社会学』,pp.123-140,有斐閣. 白石利政,2009,「雇用労働者の生活リズムと労働生活時間」財団法人連合総合生活開発研究所『生活時間の国際比較-日米仏韓のカップル調査』,pp.23-46. 平田道憲,2005,「タイミングからみた夫と妻のタイムプレッシャ」『広島大学大学院教育学研究科紀要』第二部第 54号,pp.355-361. 藤原眞砂,2006,「ホワイトカラーのワークライフバランス―時刻別行為者率アプローチによる生活時間構造変動分析」『日本労働社会学会年報』16号,pp.3-58.

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5-2-3 ジェンダーからみた生活時間(佐藤 香)

1. はじめに これまで多くの先行研究が明らかにしてきたように、日本では、実際の生活における性

別役割分業、すなわち「男性は仕事、女性は家事・育児」という規範が強いため、男女に

よる生活時間の違いが大きい(たとえば水野谷 2005 など)。その一方で、女性の労働力率が上昇し、家事・育児のみをおこなう専業主婦は少なくなっている。性別役割分業規範と

女性の雇用労働力化は、とくに長時間労働を余儀なくされているホワイトカラーの正規従

業員男性の家庭において、女性の仕事と家事の二重負担を生み出しているといわれている 矢野(1995)は 1972年と 1991年の国内調査の比較から、1)有職男性において仕事時間の二極化が生じているが、全体としてはやや仕事時間が増加した、2)仕事時間が長いグループでは睡眠時間の減少とテレビ時間の増加がみられる、3)仕事時間が長いと平日の余暇活動が新聞とテレビだけになってしまう、4)女性では未婚/既婚の別によって生活時間のパターンが大きく異なる、などを指摘している。

6 カ国の国際比較調査データをもちいた矢野・連合総合生活開発研究所(1998)では、1)日本の男性の労働時間の長さは、残業の他に職場での休憩時間・始業前や終業後に職場にいた時間・小集団活動の時間などの影響による、2)日本以外の男性では労働時間が減少すると家事時間が増加するが、日本ではその傾向がみられない、3)日本の男性の余暇活動では、知人との交際、喫茶店・クラブなどでの交際、家族・知人との会話、地域・ボランティア

活動など社交的な活動が極端に少ない、4)時間配分における男女の差異は日本が最も大きい、5)女性の生活時間のパターンにみられる未婚/既婚の別による違いは日本が最大である、などの知見が得られている。 これらの研究をふまえ、現時点で最も包括的な生活時間研究といえる前掲水野谷(2005)は、生活時間研究におけるジェンダーの視点の重要性を強調している。性別役割分業を特

徴とする日本社会で時間資源の配分バランスに着目する生活時間研究をおこなう以上、生

活をともにしている世帯内での資源配分をこそ明らかにすべきだという主張である。 矢野らの調査は世帯単位ではないため、男女別の集計はなされているが、世帯内での時

間資源の配分をみることはできない。「社会生活基本調査」は世帯単位でサンプリングされ

ているが、総務省は世帯単位での集計をおこなっていない。研究者への試験的提供の段階

を経て、2009年度から個票データの提供が開始されたが、世帯単位での研究成果はまだ多くない。 以上をふまえ、本研究では、配偶関係と就業形態に着目して、生活時間における男女の

違いを明らかにし、男性・女性それぞれ及び世帯における男女間での仕事と家事・育児時

間のバランスをみていく。 2. 分析計画

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本研究では、学生を除き、既婚カップルを分析の中心とするが、比較対象群として未婚

男女の分析をおこなう。有配偶者については、夫と妻の就業形態によって、正規雇用・正

規雇用、正規雇用・非正規雇用、正規雇用・専業主婦(無職)、自営夫婦、の4種類に区別

して分析をおこなう。また未婚男女についても就業形態の正規・非正規を分けて生活時間

の配分をみていく。 生活時間については、1.睡眠、2.身の回りの用事、食事、受信・診療、3.仕事、4.通勤・通学、5.通勤・通学を除く移動、6.学業、学習・研究、7.家事・育児、介護・看護、8.買い物、9.テレビ・ラジオ・新聞・雑誌、10.趣味・娯楽、スポーツ、11.休養・くつろぎ、12.交際・つきあい、13.ボランティア活動、社会参加活動、14.その他、の 14分類をもちいる。職種については、1.専門管理、2.事務・販売、3.保安・サービス職、4.農林漁業作業者、5.運輸通信従事者、6.生産工程・労務作業者、7.その他、の7分類をもちいる。 「社会生活基本調査」など多くの生活時間調査では、一般に、ある1日について 24時間を実際にどのように過ごしたかを 15分単位で記入してもらう。これらの調査では、あらかじめ用意された選択肢から活動を記入する。たとえば 2006年に実施された「社会生活基本調査」では、表1のような 20の小分類が用意されている。これらは3つの大分類に統合することができる。

表1 活動の種類と分類

活動 大分類

1 睡眠 生理的必要時間

2 身の回りの用事 (一次活動)

3 食事

4 通勤・通学

5 仕事

6 学業 社会生活を営む上で義務

7 家事 的な性格の強い活動

8 介護・看護 (二次活動)

9 育児

10 買い物

11 移動(通勤・通学を除く)

12 テレビ・ラジオ・新聞・雑誌

13 休養・くつろぎ

14 学習・研究

15 趣味・娯楽 各人が自由に使える時間に

16 スポーツ おける活動

17 ボランティア活動・社会参加活動 (三次活動)

18 交際・つきあい

19 受診・療養

20 その他

従来の生活時間研究においては、この3つの大分類をもちいた分析が主流となってきた。

そこから、たとえば、一次活動・二次活動・三次活動の時間配分は男女でほとんど異なら

ないが、性別役割分業によって二次活動の内容が男女で異なる、すなわち男性は仕事に、

女性は家事に比重が大きく配分されていることが指摘されている(たとえば御船 2008)。 3カテゴリーからなる大分類をもちいた分析では仕事と家事が同じカテゴリーに含まれ

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るため、性別役割分業をとらえることはできない。それに対して、小分類あるいは中分類

をもちいると、それぞれの活動について詳細にとらえることはできるが、全体像がとらえ

にくくなる。この点をふまえ、分析から学生を除いたうえで、上記の 3.仕事と 4.通勤を「仕事時間」に、7.家事・育児、介護・看護と 8.買い物を「家事時間」として、二次活動を区別することとする。 (1)配偶関係と男女および就業形態による生活時間の違い ここでは、学生を除く 18歳以上について、配偶関係と就業形態および男女による平日と

休日の生活時間(平均時間)の違いをみる。 (2)年代別を加えた生活時間の違い (3)末子年齢別を加えた生活時間の違い (4)夫の職業別にみた生活時間 (5)就業形態組み合わせ別からみた既婚カップルの週当たり平均時間 ここでは、有配偶者に限定して、4種類のタイプごとに男女それぞれの週平均の生活時

間を算出する。そのうえで、平日・休日・週平均の仕事時間と家事・育児時間を夫婦がど

のように分担しているか、また夫婦での合計時間がタイプによって、どのように異なるか

をみる。さらに、末子年齢別にして、同様の分析をおこなう。 3. 関連する研究 『生活時間の国際比較――日・米・仏・韓のカップル調査』連合総合生活開発研究所(2009)は、4カ国の首都近郊に住む各 400 カップルを対象とした生活時間調査データにもとづく成果である。 ここで佐藤(2009)は、性別役割分業の影響は、まず就業形態にあらわれていることを指摘している。表2は正規雇用(フルタイム)・非正規雇用(パートタイム)・無職の3つ

の就業形態をもちいて、4カ国のカップルの組み合わせ構成比をみたものである。日本では夫がフルタイムで妻がパートタイムの組み合わせが最も多く(32.5%)、次いで夫婦ともフルタイム(27.5%)、フルタイム・専業主婦(19.1%)となっている。アメリカ・フランス・韓国では夫婦ともフルタイムが最も多く(アメリカ 53.0%、フランス 63.1%、韓国 36.5%)、とくにフランスでは過半数を超える。 同報告書で、大石(2009)は、このような就業形態の構成比の違いが、国ごとの生産活動時間の総量の違いとしてあらわれてくることを明らかにしている。図1は、ここで示さ

れた週あたりの生産活動時間(実労働時間)である。夫については日本が 49時間と最も長く、逆に、妻については日本が 23時間と最も短い。韓国は日本と同様に男性の長時間労働が顕著であるが、週休二日制が普及途中であることもあって、1日あたりの生産活動時間

は日本よりも短い。そのため、カップルの生産活動時間に占める夫のシェアも、日本(72.2%)>韓国(69.9%)>アメリカ(62.4%)>フランス(57.3%)の順となっている。また、生

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産活動のカップル合計時間では、夫婦ともフルタイムの比率が最も高いフランスが最大と

なっている。

表2 カップルの就業形態組み合わせ日本 アメリカ フランス 韓国 計

夫 妻正規 正規 27.5 53.0 63.1 36.5 45.0正規 非正規 32.5 12.0 13.1 12.5 17.7正規 無職 19.1 15.8 7.5 26.0 17.1非正規 正規 4.1 5.0 5.6 5.5 5.0非正規 非正規 7.2 0.8 1.0 4.8 3.4

9.6 13.4 9.7 14.7 11.8100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

その他合計

図4-2 夫婦の実労働時間(週当たり)12歳以下の子どものいる夫婦

49.441.6 42.2

48.3

17.527.4

31.4 21.3

0

10

20

30

40

50

60

70

80

日本 アメリカ フランス 韓国

0

10

20

30

40

50

60

70

80

夫 妻 夫のシェア(右目盛)

(%)(時間)

図1 カップルの週当たり生産活動時間

以上のように、性別役割分業による生活時間のあり方の違いは、社会全体での労働力

のあり方と深くかかわっている。将来的な人口減少・労働力不足を考えるうえでも、ジェ

ンダーの視点から生活時間の現状と問題点とを明らかにする必要がある。 文献

水野谷武志(2005)『雇用労働者の労働時間と生活時間 国際比較統計とジェンダーの視角から』御茶の水書房 御船美智子(2008)「家庭と職場のありかたとワーク・ライフ・バランス」山口一男・樋口美雄編『論争 日本のワーク・ライフ・バランス』日本経済新聞出版社 矢野眞和・連合総合生活開発研究所(1998)『ゆとりの構造――生活時間の6か国比較』日本労働研究機構 連合総合生活開発研究所(2009)『生活時間の国際比較――日・米・仏・韓のカップル調査』連合総合生活開発研究所

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5-2-4 会社(職場)の外で仕事時間に関する分析(小倉 一哉)

1.分析のねらい

日本の労働者の長時間労働の原因として、会社(職場)の外でも仕事をすることが影響

していると考えられる。労働政策研究・研修機構(2009)によれば、正社員の 43%が「通常の勤務先以外の勤務場所がある」と回答している。またこれらの「ある」と回答した人

は、「ない」と回答した人に比べて労働時間が長いことも示されている。さらに「自宅」で

も仕事をする人は、「所属先企業の他事業所」「顧客先の事務所や工場」など「自宅」以外

の「通常の勤務先以外の勤務場所」を選択した人に比べて、労働時間が最も長い。 他方で、情報通信機器や通信ネットワークの発達に伴い、自宅で会社の仕事をする「在

宅勤務」が注目を浴びている。労働政策研究・研修機構(2009)によれば、「自宅」で仕事をする人は 37.8%に及ぶが、その人たちのうち「在宅勤務」を会社の人事制度として利用しているのは、わずか 2.8%にすぎず、また上司の裁量や習慣として利用する人も 3.3%にすぎなかった。つまり他の 93.9%は、制度や運用上の「在宅勤務」ではないのに、「自宅」で仕事をしているのである。これにはいわゆる「持ち帰り残業」「ふろしき残業」といわれる

ような働き方が背景にあると推測される。 しかし自宅で仕事をする時間の実態はあまりよくわかっていない。このことを知るため

には、回答者の 1日の生活時間の配分から、「場所」を区別し、その場所で仕事をする人の比率や時間の長さを知る必要がある。 また、通勤時間においても仕事をする可能性がある。これは「通勤」の「同時行動」と

なるが、例えば通勤電車内でその日の会議資料に目を通すというような場合は、仕事をす

る時間と捉えることもできる。このようなことをどのくらい多くの人が、何分ほど行って

いるかという実態はよくわかっていない。 さらに、所属先の企業における「主な仕事」以外に収入を得る「副業」をする人は、「副

業」をしない人に比べて、全体的な労働時間が長いのかもしれない。就業構造基本調査(2007年)によれば、本業が「正規就業者」である 34,324,200人のうち、「副業あり」の人は 763,700人(2.2%)であった。これらの人々の「副業」に関連する時間の長さと「本業」の労働時間の長さを知り、合計した時間について知ることによって、会社(職場)以外の労働時間

の長さの実態を把握することが可能となる。 2.分析計画

本研究では、平成 13年と平成 18年の調査票 Bを用いて、以下の作業を行う。なお 2年分のデータを利用する理由は、5年間の変化を見るためである。 (1)場所別の主な仕事について

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123

・従業上の地位で雇用されている人の性別・「雇用形態」別・平日及び休日の場所別主な仕

事の行動者率、主な仕事時間の長さの分布及び平均時間の集計表の作成。 ・正規の職員・従業員の性別・職業別・平日及び休日の場所別主な仕事の行動者率、主な

仕事時間の長さの分布及び平均時間の集計表の作成。 ・場所別に見た主な仕事の有無に影響する要因の探索。 方法:プロビット 被説明変数:場所別主な仕事の有無(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 ・場所別に見た主な仕事時間の長さに影響する要因の探索。 方法:二段階通常最小二乗法及びヘックマンの二段階推定 被説明変数:場所別主な仕事時間の長さ(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 (2)通勤中の主な仕事について ・従業上の地位で雇用されている人の性別・雇用形態別・平日及び休日の通勤の同時行動

(主な仕事)の行動者率、主な仕事時間の長さの分布及び平均時間の集計表の作成。 ・正規の職員・従業員の性別・職業別・平日及び休日の場所別通勤の同時行動(主な仕事)

の行動者率、主な仕事時間の長さの分布及び平均時間の集計表の作成。 ・通勤の同時行動(主な仕事)の有無に影響する要因の探索。 方法:プロビット 被説明変数:通勤の同時行動(主な仕事)の有無(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 ・通勤の同時行動(主な仕事)時間の長さに影響する要因の探索。 方法:二段階通常最小二乗法及びヘックマンの二段階推定 被説明変数:通勤の同時行動(主な仕事)時間の長さ(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 (3)副業について

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124

・就業形態別・性別・平日及び休日の副業の行動者率、副業時間の平均時間の集計表の作

成。 ・就業形態別・性別・自宅での・平日及び休日の副業の行動者率、副業時間の平均時間の

集計表の作成。 ・正規の職員・従業員の性別・職業別・自宅での・平日及び休日の副業の行動者率、副業

時間の平均時間、仕事時間との合計の集計表の作成。 ・副業の有無に影響する要因の探索。 方法:プロビット 被説明変数:副業の有無(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 ・副業時間の長さに影響する要因の探索。 方法:二段階通常最小二乗法及びヘックマンの二段階推定 被説明変数:副業時間の長さ(平日・休日) 説明変数:性別、年齢、教育、情報通信機器の使用状況、介護の有無、ふだんの就業状

態、従業上の地位、雇用形態、職業、週間就業時間、ライフステージ、世帯の家族類型、

共働きか否か、住居の種類、世帯の年間収入。 参考文献

労働政策研究・研修機構(2009)『働く場所と時間の多様性に関する調査研究』(労働政策研究報告書 No.106.)

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125

5-2-5 労働時間の測定に関する研究―社会生活基本調査を利用した分析(戸田 淳仁)

1. 分析のねらい 日本の労働時間が長いことで有名であり、多くの研究者が日本の長時間労働の原因につ

いて探求してきた。 たとえば、小倉(2007)は長時間労働につながる残業について、その発生原因を調査したところ、「業務量が多いから」「自分の仕事だから」という理由が多く、会社や仕事の都合で

仕方ないという回答が多いという点で実はそれほど多様でないということを見出した。そ

の上で、勤務時間を企業側がきちんと把握することはもちろんのこと、業務量の調整につ

いて、労働者側の意向をもっと反映するべきだとしている。また、大竹・奥平(2008)は長時間労働の発生要因を実証的に分析し、先延ばし行動が重要な要因であることを明らか

にした。このことから、定時に仕事を終わらせるコミットメントメカニズムが重要である

と結論付けている。玄田(2010)は就業構造基本調査を使い、「失われた 10 年」と呼ばれ

る 1990 年代で、長時間労働の背景となる業務量の偏向が入社後まもない層に拡大している

とし、同時期にしばしばいわれていた即戦力志向について、その背景には、正社員求人の

条件が長時間労働を即座に担いうる人材へとシフトした結果であると主張している。 たしかに、労働時間が長くなることの負の側面が大きいといえる。岩崎(2008)が既存研究をレビューしているように、長時間労働は睡眠時間、疲労、脳・心臓疾患に大きな影

響を与えることが確認されている。また、玄田・川上(2006)は、長時間労働は既婚給与所得者の性頻度を抑制することを実証的に明らかにしており、少子化に拍車をかけている

可能性を指摘している。 日本の労働時間が長いという主張の根拠は国際比較によって求められていると思われる。

OECD Factbook 2009によると、年間実労働時間は日本 1785時間に対し、アメリカ 1794時間、イギリス 1670時間、フランス 1533時間、ドイツ 1433時間となっている。しかし、労働時間の国際比較は容易ではない。調査方法の違い、たとえば調査対象、調査時期や、

労働時間の定義の違い、休日の日数の違いなど同じ基準で比較可能なものとするためには

様々な要素を考慮しなくてはいけない。厳密な比較が不可能であるから、労働時間の定義

を変更したときに日本の労働時間はどのように変わるかを見ることが重要だと考える。た

とえば、仕事中の休憩を労働時間とみなした場合とそうでない場合で、日本の労働時間が

大きく変わった場合、仮に他の国で採用されている労働時間の測定方法を日本に導入した

としても労働時間は仕事中の休憩の短い国に比べ過大となる可能性が高い。労働時間の定

義をいくつか変えたうえで労働時間の長さを考察することで日本の労働時間の特徴を明ら

かにすることは、今後国際比較をするために重要な示唆を与えると考える。 以上の問題意識に基づき本研究では、職場にいる時間(出社してから退社するまで、た

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とえば営業職のように一時的に職場を離れる時もここでは考慮する)の間に限定して、い

くつかの労働時間を定義してその平均値を算出し、その違いを分析する。 2. 分析計画 本研究では、平成 13 年と平成 18 年の調査票Bを用いて、以下の作業を行う。なお、2年分のデータを利用する理由は、アフターコード式である調査票Bが 2 年分すでに調査されていることだけでなく、2年分の変化を注目することで、労働時間の定義の違いによる差をより鮮明に表したいという意図による。 (1) 労働時間の定義 本研究では以下の定義にしたがって労働時間を各個人について計算し、平均値を算出す

る。以下の分析では、平日(仕事のある日)でかつ仕事をしている人に限定する。雇用者

か否かも重要な視点であるので、雇用者か自営業かの違いについては別途考察することに

する。 A. 出社時間から退社時間までの時間 B. 出社時間から退社時間までのうち、仕事中または仕事のための移動の時間の合計 C. 出社時間から退社時間までのうち、仕事中である時間 ただし、

(ア)主行動のみに限定した場合または主行動と同時行動を合わせた場合、 (イ)主な仕事のみに限定した場合と主な仕事と副業を合わせた場合

の組み合わせごとに労働時間を算出する。また、出社時間と退社時間の判定は、その時間

にいた場所が「職場」かそれ以外ということで判定する。 それぞれの労働時間の平均値、標準偏差を男女別、調査年別に算出する。年齢階層、職

種、雇用形態ごとにも労働時間の平均値、標準偏差を算出する。 (2) 労働時間の定義による差の分析 上記 A~C(または、AとBの差、AとCの差)について、その長さに対して影響を与える要因を探索的に見ていく。上記 A~C(または、AとBの差、AとCの差)を被説明変数とし、以下を説明変数とした回帰分析を行う。 ・世帯主との続柄(世帯主、世帯主の配偶者、など) ・年齢(15-19歳、20-24歳、・・・) ・配偶者有無(未婚、配偶者あり、死別・離別) ・教育水準(小学・中学、高校、短大・高専、大学・大学院)

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・家族の介護をしているか否か ・職種(専門的・技術的、管理的、事務職、・・・) ・雇用形態(正規の職員・従業員、パート、アルバイト、・・・) ・住宅(持家、民営の賃貸住宅、・・・) ・世帯の年収(100万円未満、100-199万円、・・・1500万円以上) ・子供の有無、末子の年齢 (3) 仕事に関連する時間(詳細分類)の回帰分析

(2)の回帰分析の補足分析として、社会生活基本調査で調査されている、仕事に関連する以下の時間について(2)と同様の説明変数で回帰分析を行いその結果を考察する。

・仕事の時間 ・通勤時間 ・仕事中の休憩 ・仕事中の移動 ただし、(ア)主行動の場合だけ or主行動と同時行動を合計した場合、(イ)主な仕事の場合だけ or主な仕事と副業を合計した場合をそれぞれ考慮する。 3. 先行研究 本研究に直接的に関連する研究は、著者の知る限り見当たらないが、関連する研究とし

て 2点ほど紹介しておこう。 まずは、水野谷(2005)である。水野谷は労働時間の定義について国際比較を行う際の注意点を述べたうえで、国際比較を行った上で、さらに不払い労働時間の国際比較も行ってい

る。日本の年間実労働時間は「毎月勤労統計調査」に基づいて計算されているが、これは

事業所調査であるため不払い残業を捕捉することができない。そのため個人調査である「労

働力調査」を用いて祝日や年休を考慮して週労働時間を考察し、さらに通常であれば週労

働時間に 365/7 をかけるのであるが、年間実労働週数という概念を提案し、この週数をかけることで年間の実労働時間を算出した。その結果、2000 年において日本の男性は、アメ

リカの男性に比べても年間で 110 時間多く働いており、その要因は週休 2 日制導入の遅れ

と年休取得日数の少なさだけでなく、残業時間の影響を大きいことを見出した。

また黒田(2009)は、社会生活基本調査を用いて、高齢化、高学歴化といった人口構成

やライフスタイルの変化を調整した上で、日本人の平均労働時間・余暇時間の計測を行っ

た。その結果、時短導入前の 1986 年と導入 20 年後にあたる 2006 年を比較すると、日本人

の有業者 1 人あたりの週あたり労働時間は統計的に見て有意に異ならないとの結果が得ら

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れた。その背景として、週末の労働時間が平日にシフトし、結果として平日と土日の労働

時間が相殺されている可能性を指摘している。また、アメリカの労働時間と比較を行った

ところ、男女ともに 9~10 時間程度、日本の労働時間が長いことが分かった。

以上のような先行研究で行われている国際比較をより正確に行うために、本研究では労

働時間の定義の違いによる労働時間の差に注目したい。

4. その他の補足的研究 上記の問題意識に関連して、以下の 2 つについても考察を行い、報告できる結果が出た場合は、別の研究論文としてまとめたいと考えている。 (1) 出社時間と労働時間との関係 日本でも裁量労働制やフレックスタイム制などが多くの企業に導入され、出社時間や労

働時間を比較的自由に選べるようになったといわれる。しかし、このような制度が導入さ

れることにより、逆に仕事量が増大すること、または時間に縛られなくなったためにだら

だらと働くことが習慣となり労働時間が長くなる可能性もある。社会生活基本調査が同じ

個人を 2日にわたって調査しているため、2日間とも仕事をしている労働者に限り出社時間の違いが、労働時間にどのように影響を与えているのかについて考察する。 具体的には、2日間での出社時間が同じグループと異なるグループを作成し、労働時間に影響を与える要因をコントロールした上で、そのグループ間によって労働時間に差がある

のかないのかについて考察する。 (2) 退社時間と自己啓発との関係 近年ワーク・ライフ・バランスの認識が高まり、残業を抑制する、言い換えれば比較的

早めに退社する傾向がよく見られる。その中で比較的早く退社した労働者は、そのあと何

をしているのだろうか? 休憩をして仕事に備える、家族や友人と一緒に過ごす、仕事の

ための学習をするなどいろいろな要素が考えられる。 一方で、雇用に対する不安が多くの労働者で高まっており、不安を取り除こうとして、1つの可能性は自己啓発を行い、自身の雇用可能性(エンプロイヤビリティ)を高めること

が考えられる。早く退社することにより、自己啓発をしている労働者が増えているのか、

2001年と 2006年の比較に注目することでこれらの課題について、考察してみたい。 参考文献

岩崎健二(2008)「長時間労働と健康問題」日本労働研究雑誌 No.575

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大竹文雄・奥平寛子(2008)「長時間労働の経済分析」RIETI Discussion Paper Series 08-J-019 小倉一哉(2007)『エンドレス・ワーカーズ』日本経済新聞社 黒田祥子(2009)「日本人の労働時間は減少したか?-1976-2006年タイムユーズ・サーベイを用いた労働時間・余暇時間の計測」 ISS Discussion Paper Series J-174. 玄田有史(2010)「即戦力の背景で-分配問題としての長時間労働」玄田有史『人間に格はない』ミネルヴァ書房 玄田有史・川上淳之(2006)「就業二極化と性行動」日本労働研究雑誌 No.556 水野谷武志(2005)『雇用労働者の労働時間と生活時間―国際比較統計とジェンダーの視角から』御茶ノ水書房