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《基本的理念》 ③ 外国人技能実習生受け入れのための整備 ① 稼働率 19/20 % ④ 新規加算の検討と対応 かねデイ ④ デイ便りの定期的な発行をはじめ、PR用媒体の作成を通して 町内に広く呼びかけ、新たな利用者の発掘につなげる ③ ケアマネへの働きかけと密な情報交換の実施による利用者増の 実現 各事業の経営目標を達成し、安定した基盤の構築を図りながら、地域包括ケアシス テムの推進が求められる制度改革の趣旨を踏まえ、より一層の高い公共性を自覚し、 福祉の中核となるべく地域やご利用者に沿った様々な取り組みを継続する。 また、介護を含めた各種サービスの提供において、ご利用者等の「個人の尊厳」を 深く認識し、その重要性のもと改めて職員一人一人が基本に立ち返り、対応していく ことを今年度の方針に追加する。 各事業所における稼働率のUPを図るとともに、適切な加算の取得により、法人全 体として安定した経営が可能となるよう的確な対応を進めていく。 また、職場環境の向上、キャリアアップできる教育体系の一層の充実、チューター 制度の運用を通して、職員が働きやすく、やりがいの感じられる職場作りを構築し、 人材の確保及び離職率の低下を図ることで、厳しい採用状況に対応していく。 稼働率 77/80 % ② 日々の健康管理、各部署間の情報共有、口腔ケアの充実等によ る入院者の減による稼働率の維持、向上 ② 担当部署間のタイムリーな連絡及び情報の共有と居室調整の徹 底による稼働率の維持、向上 【経営・運営】 ④ 新規加算の検討と対応 短期入所 ③ 柔軟な対応と緊急時の受け入れによる稼働率の維持、向上 ② 利用者が足を運びたくなる、ずっと利用したくなる魅力あるデ イサービスを目指し、ご利用者の要望に沿ったサービス内容の充 実、改善等に早急かつ積極的に取り組むことを今年度の最重要目標 として位置付ける ① 稼働率 17/20 % 平成30年度 かねやま福祉会事業報告 社会福祉法人『かねやま福祉会』は、高齢者が住みなれた地域で安心し、心豊かに いつまでも暮していただけるよう各種事業を通して、地域社会の福祉の推進、発展に 寄与します。このため、ご利用者はもちろんご家族や地域のみなさん、そしてここで 働く全ての職員がいつも笑顔でいられるよう、提供するサービス全般において改善を 重ね、日々向上することで、信頼される存在となることを目指して歩んでまいります。 《事業方針》 事業所名 1

平成30年度 かねやま福祉会事業報告 《基本的理念》 社会福祉法人『かねやま福祉会』は、高齢者が住みなれた地域で安心し、心豊かに

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Page 1: 平成30年度 かねやま福祉会事業報告 《基本的理念》 社会福祉法人『かねやま福祉会』は、高齢者が住みなれた地域で安心し、心豊かに

《基本的理念》

③ 外国人技能実習生受け入れのための整備

① 稼働率 19/20 %

④ 新規加算の検討と対応

目   標

かねデイ

④ デイ便りの定期的な発行をはじめ、PR用媒体の作成を通して町内に広く呼びかけ、新たな利用者の発掘につなげる

③ ケアマネへの働きかけと密な情報交換の実施による利用者増の実現

各事業の経営目標を達成し、安定した基盤の構築を図りながら、地域包括ケアシステムの推進が求められる制度改革の趣旨を踏まえ、より一層の高い公共性を自覚し、福祉の中核となるべく地域やご利用者に沿った様々な取り組みを継続する。 また、介護を含めた各種サービスの提供において、ご利用者等の「個人の尊厳」を深く認識し、その重要性のもと改めて職員一人一人が基本に立ち返り、対応していくことを今年度の方針に追加する。

各事業所における稼働率のUPを図るとともに、適切な加算の取得により、法人全体として安定した経営が可能となるよう的確な対応を進めていく。 また、職場環境の向上、キャリアアップできる教育体系の一層の充実、チューター制度の運用を通して、職員が働きやすく、やりがいの感じられる職場作りを構築し、人材の確保及び離職率の低下を図ることで、厳しい採用状況に対応していく。

① 稼働率 77/80 %

② 日々の健康管理、各部署間の情報共有、口腔ケアの充実等による入院者の減による稼働率の維持、向上

② 担当部署間のタイムリーな連絡及び情報の共有と居室調整の徹底による稼働率の維持、向上

【経営・運営】

④ 新規加算の検討と対応

特  養

短期入所

③ 柔軟な対応と緊急時の受け入れによる稼働率の維持、向上

② 利用者が足を運びたくなる、ずっと利用したくなる魅力あるデイサービスを目指し、ご利用者の要望に沿ったサービス内容の充実、改善等に早急かつ積極的に取り組むことを今年度の最重要目標として位置付ける

① 稼働率 17/20 %

平成30年度 かねやま福祉会事業報告

 社会福祉法人『かねやま福祉会』は、高齢者が住みなれた地域で安心し、心豊かにいつまでも暮していただけるよう各種事業を通して、地域社会の福祉の推進、発展に寄与します。このため、ご利用者はもちろんご家族や地域のみなさん、そしてここで働く全ての職員がいつも笑顔でいられるよう、提供するサービス全般において改善を重ね、日々向上することで、信頼される存在となることを目指して歩んでまいります。

《事業方針》

事業所名

- 1 -

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⑥ 新規加算の検討と対応

② 要支援者委託分計画作成数30~40件/月

① 新規計画作成数30件/年

③ 病院等との連携、情報共有を通して、入退院時のご利用者へのきめ細かい対応を行っていくとともに合わせて加算へとつなげていく

⑥ 地域住民の在宅生活の継続を支援するため、医療との連携をよりいっそう図っていく

(2)地域ケア会議を充実させ、対象者が住み慣れた地域において自立した生活を営むための支援体制の構築、地域作り等、実効性のある取り組みとして定着させる

事業所名 目   標

かねデイ

よこデイ

④ 新規加算の検討と対応

③ 稼働率UPのための魅力あるサービスの提供を目指し、内容の工夫、改善とこれまで発信してきた「かわら版」の年2回以上の定期的な発行

⑤ 開放的で使いやすいデイスペースの検討

④ ご利用者の身体、精神等の状況を把握し、寄り添いながら、公平中立性をもって適切なサービス計画作成を行う

② 関連機関への働きかけと情報収集と密な情報交換の実施による利用者増の実現

① 稼働率  9/10 %

① 要介護者計画作成数100件/月

⑤ 介護保険のサービスに留まらず、地域のインフォーマルサービスを活用し、総合的な支援を目指す

包  括

(3)地域で開催される介護予防のための集まりへの参加も保持しながら、個別に自宅を訪ねて行う体操等の取り組みをさらに積極的に実施することで、よりいっそうの介護予防を進めていく

② 包括システムのさらなる浸透、構築のため、関係機関とより連携しながら、責任を持って、中心的な役割を担えるよう主体的に取り組む

居  宅

(1)認知症対策への積極的な関わりと課題解決に向けての中心的な役割を果たし、住み慣れた地域で暮らし続けるための町の実現を目指す

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【ご利用者の人権の尊重】

【人材の確保、育成と働きやすい環境の形成】

接遇委員会の活動により、各部署ごとに必要である目標設定を行い、その浸透、実践に努めた。また、5月に外部講師による接遇研修を3回にわたり実施し、全職員に参加してもらうことで、「優しさ・敬意・共感力」の向上を図った。今後も継続した取り組みにより、これまで以上にご利用者の人権が尊重される風土を目指していきたい。

ご利用者があって、法人が成り立っているという当たり前のことをもう一度、深く受け止め、全てのご利用者の人権を尊重し支援していくという基本に立ち返る。 サービスをする側とされる側という構図はともすると知らず知らずのうちに、強圧的で怠慢的な対応が現れることもあり、職員一人一人が「優しさ・敬意・共感力」を持って対応にあたっていく必要がある。 そのために、個別の接遇力の向上と不適切と思われる言動に対して部署全体での修正が日常的に行われ、ご利用者を尊重する接遇がしっかり定着するよう、研修や各会議、接遇委員会などの取り組みと合わせて、今まで以上にその向上を目指していく。

(1) 労働人口の減少と慢性的な人材不足と言われる状況下においても、必要な職員数が確保できるよう、様々なツールを駆使して積極的な活動を継続していく。また、外国人技能実習生の受け入れを通して、広く優秀な人材の確保にもあたっていく。

各事業とも稼働率を含め各目標の達成を目指し取り組んだ。 経営面では、施設が97.99%(78.39/80人)と目標を超える稼働率を達成した。収支では外国人技能実習生用の住居建設費用が臨時的に発生したことから、マイナスとなったが、その分の支出を除くと黒字となっている。 一方、短期では91.35%(18.27/20人)と目標までは達せず、収支差額も今年度はマイナスへと転じた。 かねやまホームデイサービスでは目標稼働率を上回る89.4%(17.88/20人)の利用があり、近年の利用者数の減少に歯止めが見られ、好調な利用推移により、昨年度に続き増収増益となった。 よこたデイサービスでは稼働率は80.24%(8.24/10人)と昨年度に続き、8割を維持したものの、総合事業に係る利用者の増という状況もあり、収入は減少となった。支出では人件費が減ったことから、昨年度に比べ減益額は縮小したものの、3年連続で厳しい結果となった。地域に根差した小規模の事業所としてなくてはならない事業所であり、今後も少しずつ改善に努め、事業の継続が可能となるように努めていかなければならない。 居宅介護支援事業所の計画件数は目標の9割であったが、職員の異動等による支出の減もあり、減益額は昨年に比べ減少となった。 包括では、限られた人員の中で積極的に業務に取り組み、目標を超える月平均で55件の計画作成に至った。介護予防、認知症対策等については関係機関との協働のもと、中心的な役割を果たすことができた。また、外部専門職を交えた地域ケア会議も一定の成果を達成することができており、次年度も包括ケアシステムの浸透に主体的に取り組んでいきたい。

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新卒、中途での介護職員の採用、厨房業務の直営に伴う新規採用、委託会社からの職員の移籍、パート職員の採用、内部異動による調整などを通して、各部署の職員数確保を行った。しかしながら、採用活動に対しての問い合わせなどは、年々減少しており、募集から採用までに時間がかかる状況となっている。 一方、外国人技能実習生の採用については、国家間の条約事項の変更やそれに伴う法の改正などにより、留学時期が当初より遅くなったため、自国で待機している学生が、辞退してしまうことがないよう、各人に手紙や写真、誕生日プレゼントの送付など定期的に連絡を取りながら対応することで辞退者もなく、現在、申請許可が出るのを待っている状況である。 また、社宅の建設や月に一度のベトナム語講座の開催など法人側の受け入れ準備も順調に進めることができている。介護職の技能実習生の受入は全国的にもまだ、始まったばかりで県内ではいち早い対応となり、戸惑う点も多々あるが、優秀な人材の活用という当初の目標達成はもちろん、高齢化が進む金山町への新たな取り組みの一歩としても良い成果となるよう、次年度以降も継続して対応していきたい。

 4名の新任介護職員を採用し、チューター制度に基づき、1年間の研修を実施した。少しずつではあるが「人を育てる」ことの重要性が浸透し始めた。また、同時に先輩であるチューター本人の成長にもつながっている。 下期においては外国人技能実習生が安心して働いてもらえるよう実習生専用のチューター制度の構築にも取り組んでおり、来日までには介護技術や日本語のスムーズな理解に向けてチェックリスト項目の完成を目指している。

 今年度の外部研修への参加は51の研修へ82名、施設内での研修は19回、659名の参加となった。特に外部の専門家による施設内での研修に力を入れ、職員からの要望を踏まえ、「接遇に関する研修」「口腔ケアに関する研修」「摂食、嚥下の研修」を実施した。 口腔、摂食、嚥下の研修では入所者個々の状況を直接見てもらいながら、多くのアドバイスをもらうなど、実践的で有益な研修となった。 次年度以降も法人として目指す方向に必要な内容や職員の要望を考慮して、積極的に外部の講師を招いた研修を実施していきたい。

 適正な時間の確保のため、特に退勤時間の遵守と必要な場合の時間外申請の徹底を中心に職員への働きかけを随時行った。勤務時間に対して一部、意識の低いケースも見られるが昨年度からの継続目標ということもあり、全体にその主旨は広がっている。

(2)チューター制度をより充実し、新任職員が安心して働ける体制作りを継続し、合わせて先輩であるチューター本人の成長も図っていく。

(3)職員の希望する研修の受講、外部講師による専門的な研修会の実施など法人として必要な研修を組み合わせ、個々の成長と全体的な底上げを図れるようバックアップしていく。

(4)昨年度に引き続き、出勤・退勤時間の遵守を図っていく。そのために時間の使い方を意識し、工夫して勤務にあたっていく一方で、各部署ごとに業務内容を随時見直しながら、課題をクリアしていくことで、適正な労働時間を確保する。

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【コミュニケーション】

(1) 報告・連絡・相談の徹底

(2) 情報の共有と決定事項の確認と実行

(3) チームワークの確立と利用者、家族、地域住民、関係機関との信頼関係の構築

【感染症の予防と健康管理】

【事故の防止】

(1)予見可能、防止可能な介護事故の防止

(2)送迎、受診、通勤等における安全運転と事故の防止

 上記(1)、(2)については長期にわたり目標として取り組んできたが、残念ながらまだ十分といえない点もある。 特に(2)については、その対応に職員間での差が見られることから、今後も地道に法人としての働きかけを続けていきたい。 (3)については、各事業所、各職種ともに積極的な働きかけができており、信頼関係は良好に構築されつつある。

 育休明けの職員など子供の小さな職員への勤務時間、曜日の配慮及び長距離通勤者への冬期間の勤務形態の調整などを通して継続して働きやすい職場を目指した。 育休取得率も継続し100%を維持しており、誕生日休暇も職員のリフレッシュに良い効果をもたらしている。 次年度は働き方改革を踏まえ、有給休暇について目標を超える取得となるよう取り組んでいきたい。

(2)職員の健康管理の徹底とその重要性の啓蒙

(5)職員ひとりひとりのライフスタイルに合わせた多様な雇用形態により、継続して働くことのできる、働きやすい職場環境作りを実施する。

(1)感染対策委員会の活性化と委員を中心とした感染予防及び拡大防止のための的確な対応

 今年度10名以上に同じような症状が現れた感染は4回あり、早い段階で対応策を検討し、拡大防止に努めたが完治まで1~2ヶ月を要し、長期化傾向が続いている。 また、発症が職員からというケースも多くあり、個々の健康管理面や高齢者施設における感染の怖さについての危機意識が乏しい状況もあり、次年度も引き続き委員会を中心にその重要性の理解に努めていきたい。

 (1)については事故に対する対応、検証、再発防止策等についてのあり方を改めて考えさせられる介助中の対応が原因と考えられる事故の発生があった。 次年度は事故分析をより丁寧に、また、事故とヒヤリ等の区分を変更し、インシデントレポートを導入するなど予見可能、防止可能な事故の予防に努めていきたい。 (2)については事故なく1年を経過することができており今後も入所者、ご利用者、職員の安全性の確保を継続していきたい。

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【地域貢献】

Ⅰ 特別養護老人ホームかねやまホーム

《基本事項》

2.介護技術の習得と個別ケアの推進

1.接遇力の強化

 法人の方針に沿って、これまで以上に接遇面に力を入れ、ご利用者の人権を尊重する質の高い支援が日常的に行えるよう各職員のレベルを上げる

②「生活ケア委員会」を中心とした入所者・ご家族の想いの実現のための「プロジェクト」の継続と施設内のイベント等へのご家族、地域の方への参加実績が前年度以上に増えるよう、継続して対応

①RX組の指導の継続により、特に介護技術の習得の面で、日常業務で使いこなせる職員を一定割合育成

 これまでご利用者にやさしく、職員にも負担をかけない介護技術をRX組から長年にわたり指導を受け学んできたが、十分に習得できていない面も見受けられるため、今年度は目標を定め、日常の介助に適切に使える職員を一定割合育成するよう、RX組と協議しながら進めていく。 【その人らしい生活が送れるような施設】の取り組みに関しては第二次3ケ年計画の2年目としてこれまで同様、限られた人員の中でも少しでも多くの想いがかなうよう、職員間の協力のもと、継続していく。

公益性や専門性を踏まえ、地域ケアの中心的な役割を担い「地域に根ざし、支え、貢献しうる事業」として、地域住民への車両貸出し事業及び趣味を通じての交流、生きがいを目指したグラウンドゴルフ大会を継続して実施していく。また、今年度は、新たに地域の方々に「介護」に関する知識の普及などを目指したセミナーを開催する。

 職員一人一人がご利用者に寄り添いながら、『その人』を知り、『その人らしさ』を感じて、真摯にサービスを提供することで多くの方から、安心と信頼を感じていただけるような施設となることを目指す。 そのため、ご利用者の人権を尊重し、「優しさ・敬意・共感力」を意識した接遇に徹していく。さらに、施設の目標、各部署の目標に沿って、「創意工夫」と「前向きで積極的な対応」を常に心がけ、さらには、様々な課題に対して他人事ではなく、常に「我が事」としての意識を持って取り組む。 また、地域包括ケアシステムの推進という方向性のもと、ご利用者の重度化にともなう医療ニーズへの対応がこれまで以上に求められている状況において、地域的に厳しい医療環境の中にあっても、看取りの充実化をはじめ、ご利用者に沿った質の高いサービスの提供を目指す。

 初めて法人主催の介護セミナーを実施した。家族、地域住民、他施設職員など合わせて35名の参加者があり、介護に関する知識・技術の地域への還元や日頃の法人の取り組みを外部に知っていただける貴重な機会となった。 車両貸出事業では年間77回の使用があった。恒例となったグラウンドゴルフ大会は今年も110名を超える参加をいただいた。次年度は外国人技能実習生と近隣住民の交流も積極的に行って理解を図っていきたい。

③全ての職員において同等の取り組みが可能となるよう、意識の底上げと棟ごとに特色のある余暇活動の定着と充実

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①  外部講師による研修の受講と技術・知識の浸透

②  協力歯科医との連携の強化

③  健康サポート委員会口腔部門の委員間の目標の共有と明確化

② 感染対策委員を中心とした施設内感染の対応

(1)施設内湿度の適性化のための換気の継続

(2)手洗い、うがいの徹底と職員ごとの健康管理の強化

(3)各感染マニュアルの理解と症状発生時の初期対応の適正化

5.情報の共有と報告・相談・連絡の重要性の再確認

《重点事項》

【 総 務 ・ 生 活 相 談 部 門 】

1.ご利用者の尊厳を守る姿勢

① 事故の防止

 日々の業務の中で、「もしかすると」「このままでは」という心配りを通して、リスク管理を徹底し、重大な事故の防止を図る。そのための、一部の人のみが分かっているということのないよう部署間での連絡・申し送りを徹底する。 また、ご利用者への「気づき」の心を持つことで安全な環境作りと予見可能で防止することのできる事故の発生を、ゼロに近づけていく。

3.口腔ケアの強化と摂食・嚥下に関するスキルの習得を通して のご利用者に合った ポジショニング等の取り組み

 入所者のみなさんにより良い生活を送っていただくための委員会活動や発生する課題への取り組みに対しては、様々な約束事を決めながら対応してきたが、その情報や方法が全員に周知されず、十分になされていないケースも見受けられる。  このため、各委員の役割について再度確認し、これらのケースを少しでもなくしていくための委員活動をより徹底していく。 また、「報告」「連絡」「相談」についても、「どの職位まで」「いつまでに」「どのような内容を」ということを考え、 最終報告のみならず、経過報告も含めて適正に行いながら、「“言った”“書いた”ではなく“伝わったかどうか”」に視点を置き対応することで、職員間の円滑なコミュニケーションとより高い和(チームワーク)を形成することを今年度も継続して実践していく。

① 接遇の基本を振りかえり、常に感謝の心を込めた言葉遣いと態度で接することができるよう、個々の接遇力向上に取り組む。

 口腔ケアの持つ「誤嚥性肺炎の予防」「唾液の分泌を促すことによる病気の予防」「口腔機能低下による免疫力、体力、認知機能低下の予防」等を理解し、優先順位を決めながら取り組んでいく。 また、摂食・嚥下に関するスキルアップを通して、【楽しく・美味しく・安全な食事の提供】と個別の座位姿勢の習得についても昨年度に引き続き、専門の外部講師による研修を通して、施設の財産としていく。

4.安全への取組み

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2.介護報酬の改正に伴う収入の確保

 4月から稼働率を意識し関連事業所と連携を図りながら確保に努めてきた。特に長期入所者に関しては退所後のスムーズな次入所のため、待機上位者の実態調査を早めに実施し、空床日数を少なくできるよう取り組むことができた。ショートについても、空床が出た時にはすぐにその情報を反映し、新規利用や追加利用に上手くつなげることができた。また、引き続き他町村からのご利用者の受け入れも、積極的に行ってきた。 9月より特養・短期入所・各デイの当日の利用者数・月平均利用者数・年間平均利用者数を毎日ホワイトボードに記入掲示して、全職員が把握できるようにした。

 関連部署の協力を得て体制・書類等を整備し、7月には褥瘡マネジメント加算、8月から看取り介護加算、2月に夜勤体制加算の新規取得を行い、収入アップを図った。各担当職員が、日常の対応、書類の整備、実績の確認等着実に実施することができた。

③ 取得可能な補助金や助成金の申請を継続し、施設としての収入増はもちろん、職員個人への助成金も活用することで職員が張り合いを持って勤務できるような環境を作る。

 接遇向上に職員全体で取り組むため、5月に外部講師を招いて施設内研修を行ったことで、接遇に対する心構え・行動を再確認することができた。形式的な内容だけではなく、感謝の気持ちを持ってどの様にご利用者に接するのかを学び、接遇目標の確認を行ないながら職員ひとりひとりへの意識の浸透を図ってきた。日々の取り組みが着実に施設の良い風土になりつつあると感じているが、現状の接遇レベルに満足してしまうのではなく、相手の気落ちに寄り添い、自然と丁寧な振る舞いができるよう継続して行きたい。

① 今まで以上の稼働率を確保できるよう、常に数字を意識しながら対応する。

 ご利用者、ご家族はもとより地域の皆様から頂ける声は施設がより良く向上できる糧であり、声を届けて下さる方への感謝と敬意をもって取り組めるよう、施設内部での周知・改善に力を入れた。ご意見の中には、施設全体の課題に気づかされる内容もあり、反省させられる事も多かった。今後もご利用者ご家族に対し、意見を言いやすい雰囲気作りを継続し、謙虚にそして確実に改善へとつなげていきたい。また、それらを第三者委員会で確認・検討し、地域への回覧、施設内への掲示等を行ない意識が風化しないようにして行きたい。

② 介護報酬の改正の内容を熟知し、新たな加算の取得に向けて、体制づくりや書類の整備などに取り組む。

② ご利用者の声、ご家族の声、地域の声に謙虚に耳を傾け、施設運営に生かしながら、施設全体のレベルアップにつなげる。

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3.人材確保・育成への取り組み

4.個別ケアへの取り組み

 今年度は、各個人の介護技術力の向上を掲げて取り組んできた。全体のレベルアップを目標に技術検定を実施したことで、職員個人ごとの技術の習得状況が把握できた。今後は、不足している部分の習得を目指し、取り組みを継続して行く。

 施設内研修の開催および職員の研修派遣費用について、福島県地域医療介護総合確保基金補助金に全体で2,965千円の補助金を頂くことができた。今年度は、ご家族や地域の方等に参加していただくセミナーを開催したことから、新たに「地域住民や学校の生徒に対する介護や介護の仕事の理解促進事業」の申請につながった。また、福祉車輌の購入において、24時間テレビ、日本財団、公益財団法人JKA(競輪・モーターボート協会)の3団体に助成金の申請を行ったが、残念ながらすべて不採用通知が届いた。今後も継続申請を行っていきたい。

 法律の改正により、受け入れ時期が当初より遅れることとなったが、毎月の職員全体会議において、ベトナム語講座を開催した。施設独自で仕事における礼儀的なものや業務上良く使用する言葉を選び、ベトナム語で表記した資料を作成して職員に浸透するよう取り組んだ。また、定期的に実習生に手紙を送り、施設の状況を伝えることで、不安の解消やスムーズな受け入れとなるよう努めながら、受け入れ側としての準備も着実に進めることができた。

 早くから、地元の高校への採用活動を中心に進めてきた。担当教諭との連絡調整のズレから、思うように採用活動は進まなかったが、課題も見つかり今後に生かしていきたい。また、専門学校については、これまでの採用実績のある学校と情報のやり取りはしてるが、厳しい状況である。今後も、実習生へ将来就職のひとつの道として考えていただけるよう、かねやまホームのアピールを実施したり、実習に良いイメージを持ってもらえるようなサポートを継続して行きたい。

 今年度は、4名の新人職員への対応として、取り組んだ。チューター制度が定着してきていると感じ、また、チューター自身も、指導する職員のレベルに合わせ、対応の仕方を変えるなど、成長が感じられた。

 ① 外国人技能実習生の受け入れのために、自らベトナム語の習得など積極的に関わりを深めながら、同じ職員として働くことへの意識を高めて、介護の魅力ややりがいの発信に努める。

① 介護技術の向上を目指しながら、日々の活動を充実させることで、ご利用者へのサービスの質が向上し、施設での生活の満足度もアップして頂けるように取り組む。

② 高校、専門学校等への積極的な採用活動と、就職セミナーへの参加、また、職員からの紹介など、常に情報を得て、採用につなげることができるように取り組む。

③ チューター制度の継続により、新人職員の成長はもちろん、チューター本人も成長できるよう、バックアップして行く。

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5.安全への取り組み

6.地域との交流・貢献

 定期と随時の訪問歯科実施で歯科受診必要者への柔軟でスムーズな対応が可能となり、口腔機能の向上につながった。

 日々の業務の中での気づき力を向上させるため、ヒヤリハット後の原因と対策の追究に力を入れてきた。発生したヒヤリハットの原因と対策を一つ一つ丁寧に分析・検討することで同じ事象が繰り返し発生することは少なくなり、徐々に職員のリスクに対する意識も上がってきているように感じる。ご利用者のいつもと違う行動や体調変化等の「気づき」についても、以前より目を向けることが出来る職員が増えてきた。 また、新規の方については、実態調査や入所契約時の聞き取りを詳しく行い、まとめた内容を各職員へ申し送り適切な受け入れ対応ができるように努めた。しかし、ご利用者ごとに決められた居室環境ではない設定となっていることがしばしば見受けられる。全職員へ十分に浸透できているとは言えないので、今後も引き続きリスクマネジメント委員会を中心に意識向上に努めなければならない。

 手洗い・うがい・換気と職員への体調管理の徹底の呼びかけを行ったが、風邪などの感染症の流行が長引くことがあった。また、ご家族や業者等にも予防対策の協力をお願いしながら取り組んだが、職員・ご利用者とインフルエンザ発症者があり、流行時期のさらなる対策強化が課題となった。また除菌剤(セクリンゲル)のモニターは、昨年度に引き続き良好であり、設置した棟からの感染は見られなかった。

 「非常災害防災計画」に基づき、初期消火訓練、放水訓練、日中・夜間想定の避難訓練を実施し、防災に対する意識の向上と有事の際の対処の流れ等を確認することができた。特に水害・地震における訓練は、施設としては初めての訓練となったが、ご利用者・職員における避難動作の混乱などなく実施することができた。また、9月には招集訓練を実施し、近隣協力隊の方々にも参加して頂いた。ご利用者の情報が記載されている「避難時お客様カード」を使用することによって、近隣協力隊の方への情報伝達もスムーズだった。

② 歯科医師との連携により、訪問歯科を開始することで、より多くのご利用者の口腔機能が向上し、健康増進へつながるよう積極的に取り組む。

② 感染予防のため、手洗い・うがい・換気の継続を徹底し、職員自身が「施設内に持ち込まない」また「絶対に媒介しない」と言う意識を高く持つ。

① ご利用者の今までの生活習慣や行動様式などを把握することで、いつもと違う行動や体調の変化に「気づき」、予見可能な事故を防いでいく。

③ 「非常災害防災計画」に基づいた訓練を実施し、防災に対する職員の意識を高める。

① 施設内で介護に関するセミナーを開催し、施設内の取り組みを理解して頂くと共に、介護の関する相談など、地域の方々の不安に感じておられる事への拠り所となれるように取り組む。

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【看 護 部 門 】

1.心身共に健やかに暮らす生活の支援

 

 

 

2.接遇への取り組み

細目な訪室と状態観察により異常の早期発見に努めた。また、各部署との情報交換を密に行う事で早い段階で対応し先生から指示を仰ぐ事が出来た。

健康サポート委員の口腔担当が中心となり、ご利用者にあった口腔ケアを継続し疾病の予防に努めた。月1回の歯科回診の他に4月から訪問診療も開始され、必要な時に先生に来て頂けるようになり、早い診察と受診の負担軽減が図られた。

 食事量が減ったり、熱が出たり体調を崩すご利用者や施設での看取りを希望されるご家族も増え、主治医と連絡をとりながらご利用者やご家族の意向に沿った対応をして来た。看取りに関しては各部署と連携をとりながら取り組み「施設で最期まで看てもらえて良かった」という言葉が頂けた。

③ ご利用者の重度化に伴い医療ニーズの対応が求められて来ている為、嘱託医、ご家族との連携を密にとり、ご利用者に沿った 対応と職員の負担軽減が出来るようにしていく。

 秋まつり実施については、町民の皆様へ開催のお知らせを工夫することにより、大変多くの住民の方に参加して頂くことができた。お祭り会場内の配置を一部変更し通路を拡張することで、お客様が安全かつスムーズに施設内から施設外へ、そして出店等の行き来がしやすいように工夫することができた。また、グラウンドゴルフ大会も昨年度同様に参加者が集まり、大会を通して親睦を深めることができた。 施設内で開催する出張デパートなどにも、地域の方へお知らせはしているが、まだ、参加につながっていない状況である。今後も、地域の皆様に喜ばれるイベントの実施とふれあいを大切にしながら、取り組みを継続して行きたい。

 10月31日に「介護セミナー」を開催し、外部から35名の参加者があり、自分たちの日々の取り組みを発信する大変良い機会となった。また、参加して下さった方からも高い評価をいただくことができたので、今後も発信する機会を作っていきたい。

① 日々の健康管理や状態観察、各部署との情報共有の中でいつもと違った様子に早く気付き対応する事で重症になるのを防ぐ。

② ご利用者に合った口腔ケアを継続して実践し「肺炎」「疾病」「認知機能」等の低下を防止する。

 ① ご利用者の人権を尊重し、常に優しさ、敬う気持ちを忘れずご利用者の声に耳を傾けて対応する。

② 秋祭りなどの地域との交流に加え、ご家族や地域の方々に、施設内でのイベントへの参加を積極的に働きかけ、今まで以上に参加して頂けるように取り組む。

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3.施設内感染の予防

 

【 養 護 部 門 】

Ⅰ ひだまり・こもれび棟

1.ご利用者の人権を尊重し支援する介護

 各部署の感染対策委員に、ご利用者、職員の風邪症状の把握や情報入力等責任を持って行ってもらうと共に、職員の健康管理も全体会議の時に毎回呼び掛け意識付けを行った。しかし、感染に対して意識の低い職員も見受けられる為継続して呼び掛けていきたい。

 30年度は10人以上の大きな感染症の流行が4回あり、2月~3月にはインフルエンザの感染もみられた。早い段階で対応策を検討し、居室対応、マスク着用、面会の制限を行い拡大防止に努めたが、完治までに時間がかかってしまうという傾向は続いてしまった。

 施設内研修会で学んだ「感謝の気持ちを心の真ん中におくこと」を棟の接遇目標として掲げ、「ありがとう」をたくさん伝えることに取り組んだ。また働きやすい環境作りのひとつとして整理整頓を常に心がけている。

③ 感染発症時の初期対応に重点を置き、的確な対応により拡大防止に努める。

 ご利用者と目線を同じにし、挨拶はもちろん出来るだけコミュニケーションをとる事を心掛け業務にあたった。しかし、ご家族への対応で不快に感じさせてしまったケースもあり、言葉遣いや言い回し等十分に配慮し接遇の向上に努めていきたい。

 5月に外部講師による研修会に参加し、安心出来る声掛けと感謝の気持ちを忘れず「ありがとう」の一言を伝える事を目標に掲げ取り組んだ。皆が目標を意識し「ありがとうございます」という言葉を沢山伝える事が出来た。

 手洗い、嗽、換気は継続的に全体会議で呼び掛け感染防止に努めた。12月には全部署で手洗いチェッカーによる手洗いのチェックを行い、自身の手洗いの確認と手洗いの重要性について周知した。

 ① 湿度を適正に保つ為の換気の継続、手洗い、嗽を徹底し感染を予防する。

 ② 接遇の研修会に参加し、職員のレベルアップと部署全体の向上を目指す。また、研修会で得た事を個人個人がしっかり実践して行く。

② 感染対策委員が役割をしっかり認識し、各部署での情報収集職員の健康管理の重要性、意識付けを呼び掛けていく。

① 接遇力の向上を図るため、研修や勉強会に積極的に参加し、学んだことを日々の業務に取り入れていく。

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 2.介護技術の習得と個別ケアの推進

3.安心・安全な生活環境

 安全に過ごしていただけるよう、車椅子やL字バーの点検を行った。また、新しく入所されたご利用者のご希望や生活リズムに合わせて居室内の環境を整え、車椅子やポータブルトイレの置き方についても職員全体で統一し対応した。夜間の転倒予防の対策としてセンサーライトを設置している。介助中の対応が原因と考えられる骨折事故の発生があり、今後そのようなことが無いよう、職員の意識の向上や、安全な介助方法について外部講師のアドバイスもいただきながら取り組んでいる。

 風邪とインフルエンザについて、棟内にて感染の流行があった。看護職員や感染対策委員を中心に拡大防止と完治に努め、マニュアルに沿った対応を行った。職員の感染症に対する知識や、予防に対する意識が大変重要であることを再確認した。

 毎朝の申し送りにて接遇目標の唱和を行っている。また、随時改善すべき言葉使いや身だしなみについて意見を交換し、意識の向上を図った。

 生活ケア委員を中心に技術練習会を行い、ご利用者の状態に合わせた介護技術の活用に努めた。技術検定において自分自身の技術のレベルを振り返り、学ぶべきポイントを知ることができた。

 外出を計画する際にはご家族へ連絡し、可能であれば一緒に出かけることについての提案を行った。今後もご利用者やご家族のご希望を聞きながらお気持ちに沿った企画を進めていきたい。

② 入所者やご家族の思いを実現できるよう活動し、企画したイベントについてはご家族にも参加していただけるよう働きかけていく。

① RX組の技術を継続し活用していくことで、入所者が自分の力を発揮し維持していくことと、職員の負担軽減を図る。

② 入所者との関わりについて振り返り、それを基に目標を定めて朝の申し送りにて唱和し、意識を高め合い業務に入る。

② 感染症の予防と、発生時の適正な初期対応に重きをおく。また感染症の拡大と長期化を回避すべく、感染対策委員を中心に発症者の正確な情報収集と把握に努める。

① 業務の中で感じた気付きを、事故防止のための安全な環境作りに繋げていく。職員全体で取り組んでいけるよう、確実な連絡・申し送りを行う。

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Ⅱ そよかぜ棟

1. 職員の質の向上を意識し、棟の目標や取組を充実させる

 上半期に発生した接遇面での苦情について、反省を踏まえ更に意識を持って対応できるよう、あいさつや言葉かけを丁寧に行ってきた。特に「看取り対応」のご利用者・ご家族に対しては、尊敬の心を意識し最後まで心を込めて日々のケアに取り組んだ。今後もご利用者・ご家族の気持ちを考え、相互の信頼関係が高められるよう取り組んで行きたい。

 各担当を中心に、ご利用者の希望する外出・おやつ作り等プロジェクトに沿った取り組みが出来た。些細な事でもご利用者の為に考えそれを実行して形にして行けるよう、コミュニケーション力を高め、ご利用者の思いを受け止めていきたい。

 下半期において、新人職員の教育を継続しながら、他職員による勤務の安定が図られ、日々の予定に合わせながら効率よく勤務を進めることが出来た。その中で「報告」「連絡」「相談」の必要性・重要性を理解しながら、不足の時は職員間で声をかけ合ったり、申し送りノートで注意を促し棟内のチームワークを図ることが出来た。

 介護技術向上に向けて、職員個々の技術を確認しRX組青山氏の指導のもと、出来ない部分が上達できるよう技術委員を中心に練習や指導を行った。摂食・嚥下の研修において指導された内容を継続しながら、座位・口腔ケア・ベット上のポジショニングが確実に実施できるよう職員間で声をかけ合っている。研修で学んだ事を活用し、ご利用者を個別に観察することで、安心して生活が出来るよう取り組んでいる。

③ 勤務時間を意識して、計画的に効率良く業務に取り組む中で、「報告」「連絡」「相談」が速やかに出来るようチームワークを高めていく。

④ 「その人らしい生活」ができるよう、個別ケアをより意識し、外部講師の研修で学んだ事を活用し、介護技術の向上(移動介助・座位や摂取のポジショニングなど)、口腔ケアの重要性を理解し、確実に実施できるように取り組む。

⑤ ご利用者の個々の動きを理解し、重大な事故に繋がらないよう「予見する力」を身につける。また、生活環境を整え、転倒や感染症の予防を対策する事により、安全に生活できるよう配慮する。

① ご利用者に対する尊敬の心や職員との信頼関係が高められるよう、言葉使い・あいさつ・身だしなみ等の接遇面を強化する。

② 今年度のプロジェクトの取り組みにおいて、それぞれの思いの実現に向けて、各担当職員を中心にご利用者・ご家族との関わりを積極的に持つ。

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 2. 業務内容を随時見直ししながら、棟内の活動が円滑に進むよう対応する   

 下半期に職員の不適切な介護による「肩の脱臼」、ご自身の行動中による「転倒・骨折」、施設から外に出てしまう「離設」など、日頃注意をはらっているが、重大な事故の発生もあった。 特に職員の関わりによって発生した脱臼については、再度棟内で介助の仕方を確認し、周知・徹底に取り組んだ。 「転倒骨折事故」や「離設」に関しては、充分に原因究明・検証を行い、居場所確認をしながらご利用者の動きに合わせて対応を行っている。次年度はご利用者の安全面を更に強化し、個々の生活スタイルがマイナスに大きく変化しないよう注意して行きたい。

 定例会を中心に棟内の問題点を話し合い、業務がスムーズに遂行できるよう見直しや改善に取り組んだ。また早期解決が 求められる課題に関しては、役職者を中心に部下の意見を良く聞き、スピーディな解決に心掛けた。

 食堂フロアの活動を中心に、体操やレクリエーションを行った。他にも、畑で作った野菜を調理したり、月1回のおやつ作りでは、ご利用者の希望する物を一緒に作って食べた。普段は見られないご利用者の活き活きした表情が見られた事はとても良かった。合わせて誕生会を実施しており毎月楽しみにされている。

 計画表に沿ってスムーズなショートスティの利用が出来るよう、送迎担当者またはご家族からの申し送りを確実に受け、ご利用期間中に希望や要望を実施した。短期間ではあるが楽しく安全に過ごして頂けるよう、今後も丁寧に対応していく。

 下半期においては風邪などの感染症の流行は無く、日々の活動も充実したものになった。職員も自己の健康管理に気を配り、体調を崩すことなく仕事に従事することが出来た。

②  余暇活動の充実を図り、日々ご利用者に合わせたメニューを実行する。

④ ご利用者の健康を観察し、感染症が流行しないようにすると共に、職員自身の健康管理もしっかり行い、明るく元気で仕事が出来るよう努力する。

③ ショートステイご利用者の入退所の業務にミスが無いよう、書類の記入や荷物の取り扱いには細心の注意をはらう。

①  各職員が棟内の問題点や課題点を意識して業務に当たり、皆が自分の考えや意見を言える職場環境にする。

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Ⅲ ほのぼの棟

 

 

 各職員が業務時間内に工夫して時間を作り、日々の生活の中での小さな楽しみを持ってもらえる様なお楽しみ活動や、日課として行えるラジオ体操・リハビリ体操等を行った。

 接遇研修会で学んだ「感謝の気持ち」を各職員が忘れず、ご利用者・ご家族・職員間での「ありがとう」の気持ちを伝える事を意識し、継続的に取り組んだ。

 各職員が「報・連・相」を実施し、活発に意見を交換しながら、チームワークを深めた。次年度もこの目標を重視し継続していく。

 ご利用者への対応は人生の先輩として尊敬し、「慣れあい」や「友達」感覚の行動・言動にならないように意識して取り組んだ。今年度は百歳のお祝いや看取りのご利用者への対応が多くあり、人生の先輩として尊敬の気持ちを持ち各職員が対応する事ができた。

③ ご利用者が楽しみを持ち穏やかに過ごせる生活環境をつくる。

1.介護の基本に立ち返り「心のこもったケア」に取り組む。

② 棟内での職員間の「報・連・相」を強化し、業務の「標準時間」を意識しながらチームワークを持って取り組んでいく。

② ご利用者・ご家族とのコミュニケーションを深め、ご利用者がどのような生活を望んでいるか考え、その人にあった「個別ケア」を実践していく。

2.職員のスキルアップと業務内容の充実を図る。

 ご利用者の「声」を聴く事により「その人がやりたい事、ご家族がして欲しいこと」を見つけだし、自宅外出・買い物外出・手芸等を実現し楽しみを持って過ごしてもらえた。

① 接遇研修などで学び職員としての質の向上を目指す。

① 職員がご利用者に対し尊厳を持った対応をする。(ご利用者へ対しての節度のある態度やマナーを意識する)

③ チューター制度を活かし新人職員の基本教育を徹底する。業務内容だけでなく「ご利用者への対応力」など、指導する側の職員も自分の行動を「再確認」しながらスキルアップしていく。

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【 栄 養 部 門 】

1.食を通して楽しく、より快適な生活を提供する。

① 郷土料理や旬の食材を取り入れた季節感のある食事を提供する。

 今年度はご利用者の動きへの見守り不足で骨折事故を起こしてしまった為、その経験と事故後の検証・対策を忘れず他ご利用者への対応にも活かして行けるよう、情報の共有を重視し努力した。

 旬の食材(山菜、野菜、果物など)を献立に取り入れ、季節感を感じていただけるような楽しみの持てる食事の提供を心がけた。

 季節に合わせた行事食の提供や、各棟での季節を感じることの出来るおやつ作りやリクエストメニューなど、食を通して生活に楽しみを持っていただくことが出来た。今年度、バイキング食の実施は実現出来なかったが、ぼたもちなどの人気メニューを実施することが出来た。

 新人職員にはチューターを中心にして、他職員も関わりながら取り組む事ができ。各職員が教える事の難しさを感じながら成長に繋げ卒業する事ができた。これからも介護力の向上のため継続した指導をしていく。

 ご利用者との1対1で行う口腔ケアの関わりの中で、ご利用者の状態を良く観察する事により状態の急変への早い対応が行えた。

 各職員が介護技術習得への意識を高め、互いに指導を求め協力しあいながら取り組む事ができて来た。次年度以降も継続実施していく。

3.ご利用者に元気に穏やかに過ごしてもらうため、安心で安全な生活環境を作っていく。

③ 地域の特産品を使用した料理を楽しむ機会を提供し、地産地消による地域への貢献に努める。

② 介護技術を修得し、ご利用者・介護職員自身の身体的負担の軽減に努力する。

③ 各部署と情報を共有し、ご利用者(ショート含む)の生活リズムや健康状態・危険行動の把握をする事によって転倒リスク等の予測・予防をしていく。(ご利用者毎に合わせた介助の方法や居室環境の整備を行う)

② 季節の行事食、バイキング食、リクエスト食、おやつ作りを継続して実施し、生活に変化を持たせるとともに、楽しく美味しく食べられる時間を提供する。

① 口腔ケアの充実を図り、ご利用者の日々の心と体調の変化に「気づき」を持って対応していく。

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2.口から食べる楽しみの支援の充実を図る。

3.安全な食事を提供する。

 地域の特産品(白米、赤かぼちゃ、山菜など)をご寄付でいただく事も多く、地域の特産品を献立に反映させたり、おやつ作りなどに有効活用しご利用者にも喜ばれた。

 「きざみ食」から「やわらか一口食」への移行により、より安全な食事の提供をすることが出来るようになった。 外部専門家から紹介を受けた新しい介助用スプーンの導入によりご利用者の負担も少なく、また、介助者も提供しやすいようになり、食事を美味しく召し上がっていただけるようになった。

③ ご利用者・ご家族の想いに職員一人一人が寄り添い、個々の「食」に関わる支援を通して良好な信頼関係の形成に努め、安心と信頼を感じていただける施設作りを目指す。

② 歯科医師から受けた口腔に関する問題点、口腔ケアの技術的指導や助言に対し、適切なサービスが提供できるよう栄養部門としても積極的に取り組む。

 とろみ剤の固さと使用量について、職員が統一できるよう新しい使用表を写真付で作成した。誰が行っても統一したとろみが提供できるよう適切化を図った。

 ご利用者やご家族の声を大切にし、嗜好や食事形態などご希望に添えるよう対応した。食事形態の変更については、入所者だけでなく、ショートステイご利用者についても退院後などの変化の見られるときは、状態の確認を行い、相談しながら進めていった。

 異物混入には十分注意し、盛り付け時に異物混入を目視確認しながら行うよう周知し防止に努めた。配膳ミスについては最後の確認を徹底し、間違いがないように努めた。

 非常食の提供訓練を実施し、非常時の食器の使いにくさや食べにくさなどが反省点としてあった。今後、非常食の内容の検討を行う必要あり、次期購入分より対応したい。

② 緊急時(災害、感染症、食中毒)における食事提供が円滑にすすめられるよう必要物品(食材、使い捨て食器等)を備蓄し、非常時を想定した食事提供の訓練を実施する。

① 調理従事者個々の事故に対する意識を高め、ケアレスミスによる事故(異物混入、配膳ミス他)をゼロに近づける対策を講じ、再発防止に努める。

① 認知機能や摂食・嚥下機能の低下により、口から食べることが難しい利用者に、いつまでも口から食べられるようにそれぞれの専門職(医師、歯科医師、介護支援専門員、看護師、介護職員、管理栄養士、調理員)が連携し、最善のケアを提供できるよう中心的な役割を担う。

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4.新しい体制のもと、職員間の連携を密にし、喜ばれる食事の提供に努める。

 食中毒、感染症の発生がなく経過することができた。いつ発生するかわからないため、健康管理に十分注意するとともに、常に手洗い・うがいを徹底するよう声掛けを行ってきた。

 統一した食事作りが出来るよう改善点や工夫点については申し送りをしながら行ってきた。職員一人ひとりの技術の向上も見られ、意識レベルも上がったようである。

③ 食中毒や施設内感染のリスクを十分に理解するとともに、手洗い、うがいの徹底および職員の健康管理の強化に努める。

② 施設での各委員会活動や発生する課題への取り組みに対し、情報共有、報告・連絡・相談を的確に行い、円滑なコミュニケーションとチームワークを形成することで、「喜ばれる食事」という目標達成を目指す。

 一年を通し、円滑なコミュニケーションと、報告・連絡・相談・確認を心がけ業務にあたった。人員不足が続いていたが、お互い協力しあい、事故なく経過することが出来大変良かった。

① 栄養バランスを考慮しながら、自宅のような温もりを大切にした食事を提供するために、それぞれの専門性と役割を十二分に発揮し、意識レベルの向上に努める。

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