36 差厚テーラードブランクの逐次鍛造と

ホットスタンピング 極限成形システム研究室 木下 鷹弥

差厚テーラードブランク

→ 軽量化

板厚：大

板厚：小

ルーフレール

溶接 圧延 現状差厚テーラードブランク製造方法

材料メーカーから購入

コスト : 大 ， フレキシビリティ : 小

プレス機

逐次鍛造

部品メーカーで製造可

コスト : 小 ， フレキシビリティ : 大

差厚テーラードブランクの逐次鍛造と

ホットスタンピング

1. 差厚テーラードブランクの逐次鍛造方法 2. 送り量による差厚テーラードブランクの 板厚制御 3. 差厚ルーフレールのホットスタンピング

研究目的

・ プレス機による差厚テーラードブランクの 製造方法の開発

・ 逐次鍛造差厚テーラードブランクの ホットスタンピング成形性の調査

研究目的

プレス機で製造可

逐次鍛造

差厚テーラードブランク ブランク

（板厚一定）

プレス機

搬送装置 圧縮による歪み

ルーフレールモデル

ホットスタンピング

形状凍結性 : 高

研究目的

・ プレス機による差厚テーラードブランクの 製造方法の開発

・ 逐次鍛造差厚テーラードブランクの ホットスタンピング成形性の調査

研究目的

プレス機で製造可

逐次鍛造

差厚テーラードブランク ブランク

（板厚一定）

プレス機

搬送装置 圧縮による歪み

ルーフレールモデル

ホットスタンピング

形状凍結性 : 高

逐次鍛造に用いた工具

C Si Mn P B 0.21 0.25 1.2 0.015 0.0014

熱間プレス成形用鋼板の組成

ブランク 材質 熱間プレス成形用鋼板

硬さ /HV20 250

送り量 f

ブランク ブランク 1.6

C1

搬送装置

上工具

下工具

10 12

プレス機

搬送装置

スライド

s

ブランク

工具

逐次鍛造動画

上工具

下工具

搬送装置

ブランク

逐次鍛造動画

逐次鍛造されたテーラードブランク

(s = 2.4 mm, f = 5 mm)

板厚遷移部

(a) 外観

(b) 断面

(c) 板厚分布

x [mm]

0

0.5

1

1.5

2

6mm 5mm

50 100 150 200

素板

x

z y

圧縮部 非圧縮部 非圧縮部

板厚

[m

m]

260mm (素板 : 215mm)

波状

圧縮部 非圧縮部 非圧縮部

加工方向

差厚テーラードブランクの逐次鍛造と

ホットスタンピング

1. 差厚テーラードブランクの逐次鍛造方法 2. 送り量による差厚テーラードブランクの 板厚制御 3. 差厚ルーフレールのホットスタンピング

(a) 送り量：小 (b) 送り量：大

荷重：小 荷重：大

弾性変形：小

弾性変形：大

プレス機

逐次鍛造における送り量による板厚制御方法

板厚：小

板厚：大

板厚および鍛造荷重に及ぼす送り量の影響 (s = 2.4 mm)

送り量 ｆ [mm / shot]

鍛造荷重

[kN

]

板厚

[m

m]

700

800

900

1000

0 2 4 6 8 0.5

1

1.5

3種類の板厚を持つ

テーラードブランクの板厚分布(s = 2.1 mm)

x [mm]

0.5

1

1.5

2

0 50 100 150 200 250

板厚

[m

m] 素板

加工方向

f =7 mm/shot f = 1 mm/shot f = 7 mm/shot

x

z y

非圧縮部 非圧縮部

圧縮部の表面平滑化

送り 下工具

上工具

プレス機

(a)傾斜抑制無し (b)傾斜抑制有り

曲面板

バネ

-0.04

-0.02

0

0.02

0.04

0 5 10 15 x [mm]

z [m

m]

傾斜抑制有り

傾斜抑制無し

x

z y

差厚テーラードブランクの逐次鍛造と

ホットスタンピング

1. 差厚テーラードブランクの逐次鍛造方法 2. 送り量による差厚テーラードブランクの 板厚制御 3. 差厚ルーフレールのホットスタンピング

(b)断面

圧縮部 非圧縮部

(a) 外観

ホットスタンピングされたルーフレール

非圧縮部

圧縮部

(c) 板厚分布

0

0.5

1

1.5

2

50 100 150 200 250

圧縮部 非圧縮部 非圧縮部

x [mm]

板厚

[m

m]

x

z y

(b) 板幅中央部の長手方向形状

(a) 圧縮中央部の幅方向形状

ルーフレールの幅および長手方向の形状

x

z y

z [m

m]

y [mm] 0

2

4

6

8

10

12

20 40 60 80

冷間 ホットスタンピング

金型形状

x [mm]

ホットスタンピング前

ホットスタンピング後

-4

0

4

8

12

16

0 50 100 150 200 250

z [m

m]

x

z y

めっき鋼板への逐次鍛造の適用

ホットスタンピング前

ホットスタンピング後

非圧縮部(x = 130 mm)

30.3 µm

50μm

32.1 µm

50μm 50μm

31.6 µm

圧縮部(x = 230 mm)

50μm

16.6 µm

破壊

2

板厚

[m

m]

x [mm]

0.5

1

1.5

0 50 100 150 200 250

非圧縮部 圧縮部 圧縮部

x

z y

(a) 板厚分布

(b) 断面

ブランク 材質 アルミめっき鋼板

めっき膜厚 [µm] 20 - 33

板厚 [mm] 1.6

ホットスタンピング条件 910

加熱時間 [s] 360

加熱温度[℃]

まとめ

1. 逐次鍛造により，送り量を制御することでプレス機の下死点位置の調整なしに板厚を制御することができた．

2. プレス機と上型の間に曲面板を取り付け上型をプレス機から独

立させることで，プレス機の弾性変形による工具の傾斜を抑制し，ブランク表面が平滑化できた．

3. 逐次鍛造によるテーラードブランクの歪みはホットスタンピングにより消去された．

4. めっき鋼板逐次鍛造テーラードブランクでは圧縮によりめっき

膜厚が減少したが，ホットスタンピング後には，非圧縮部と同程度のめっき膜厚が得られた．