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アルミニウム合金板と超高張力鋼板の3枚板メカニカルクリンチング接合
極限成形システム研究室 前田 崇登
抵抗スポット溶接→容易ではないセルフピアスリベッティング→高コスト
メカニカルクリンチング
(a)成形前 (b)成形中 (c)成形後
上板最小肉厚さtmin
インターロックΔx
上板
パンチ板押え
ダイ
下板
1枚のアルミニウム合金板と2枚の超高張力鋼板の3枚板接合目的
自動車の軽量化衝突安全性の向上
外板:アルミニウム合金板
マルチマテリアル化
リベット
骨格部材:超高張力鋼板
1.メカニカルクリンチングによる3枚板接合
2.各板組における接合性と接合強度
アルミニウム合金板と超高張力鋼板の3枚板メカニカルクリンチング接合
メカニカルクリンチングによる3枚板の接合プロセス
Δx1
上板最小肉厚さtmin
中板と下板のインターロックΔx2
上板
下板ダイ
板押えパンチ
中板
(a) 成形前 (b) 成形中 (c) 成形中Δx1形成
(d) 成形後Δx2形成
・Δx1,Δx2の形成・板の破断なし
接合要件
上板と中板のインターロックΔx1
接合性に及ぼす板組の影響
Δx2:なしΔx1
アルミニウム合金板
超高張力鋼板
(b)下板アルミニウム合金板
アルミニウム合金板:高延性,抵抗小
ダイ
板押えパンチ
超高張力鋼板:低延性,抵抗大
Δx1 Δx2
tmin:小
(a)上板アルミニウム合金板
Δx2:なしΔx1
アルミニウム合金板
超高張力鋼板
(c)中板アルミニウム合金板
上板割れ
上板割れ
Δx1:小 Δx2:小
tmin:小
d:小
Δx1:小 Δx2:小
tmin:大
d:大
Δx1:大 Δx2:大
tmin:小
h:大
Δx1:小 Δx2:小
tmin:大h:小
材料流動に及ぼすダイ形状の影響
(b)ダイ深さによる影響
(a)ダイ直径による影響
3枚板メカニカルクリンチング条件
ダイ直径 d [mm] 8.0 8.5 9.0 9.5
ダイ深さ h [mm] 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 2.0
Δx2
tminパンチ
上板
下板
ダイ
板押え
h
中板
d
2.5°
2.5°Ø5.21
11
P=70kN(980MPa級)60kN(590MPa級)
板材 板厚 [mm] 引張強さ [MPa] 伸び [%]
5000系アルミニウム合金板 1.0 275 25
980 MPa級鋼板 1.0 1002 14
590 MPa級鋼板 1.0 633 24
アルミ
同強度鋼板
Δx1
接合強度試験条件
(a) 引張せん断試験(JIS Z 3136)
接合部
(ii) 上-下引張り
(iii) 中-下引張り
(i) 上-中引張り
上板中板
下板
(b) 十字引張試験(JIS Z 3137)
接合部
上板アルミニウム合金板:(i) , (ii)
下板アルミニウム合金板:(ii) , (iii)中板アルミニウム合金板:(i) , (iii)
1.メカニカルクリンチングによる3枚板接合
2.各板組における接合性と接合強度
アルミニウム合金板と超高張力鋼板の3枚板メカニカルクリンチング接合
上板アルミニウム合金板における接合範囲に及ぼすダイ形状の影響
1.6
1.7
1.9
2.0
8 8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
接合
インターロック不足
Δx1,Δx2≧50µmで接合良好
1mm
Δx1=
306µm
Δx2=
71µm
tmin=126µm
1.8
8 8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
(b)590MPa級
1.5
(a)980MPa級
ダイ深さ
h [m
m]
上板アルミニウム合金板における接合強度
0
1
2
3
4
5
引張せん断荷重
[kN
]
上-中 上-下0
1
2
3
4
5
十字引張荷重
[kN
]
上-中 上-下
980MPa級 590MPa級
接合部
すべて上割れ 上割れ 中抜け
上板
中板
中板
下板
上板
接合部
下板アルミニウム合金板における接合範囲に及ぼすダイ形状の影響
1.6
1.9
8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
接合
インターロック不足
1.8
8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
(b)590MPa級
1.5
(a)980MPa級
ダイ深さ
h [m
m]
上板割れ
1mm
割れ
1.7
Δx1,Δx2≧50µmで接合良好
(a)中板の穴抜き加工
スクラップ
ii)加工後i)加工前
中板の超高張力鋼板
パンチ
板押え
ダイ
(b)クリンチング
材料流動
ii)加工中
穴
フラットダイ
i)加工前
アルミニウム合金板
超高張力鋼板
パンチ
板押え
iii)加工後
下板流入部厚さ tlmin
上板くびれ部厚さ tumin
インターロック Δx
・Δxの形成・板の破断なし
接合要件
下板アルミニウム合金板における穴を有する中板を用いたメカニカルクリンチング方法
中板
パンチ
板押え
ダイ
穴径 dh = 6 , 6.5 , 7 mm
クリアランス比10%
(a)中板の穴抜き加工
下板アルミニウム合金板における穴を有する中板を用いたメカニカルクリンチング条件
パンチ
2.5°
2.5°Ø5.2
上板
下板
フラットダイ
板押え
中板dh
(b)クリンチング
Δx tlmin
tumin
11
1
60kN
パンチ
上板
下板
フラットダイ
板押え
中板dh
下板アルミニウム合金板における穴を有する中板を用いた
メカニカルクリンチングによる接合結果
(b) dh=6.5mm
1mm
tlmin=228µm
tumin=532µm
Δx=81µm
(a) dh=6.0mm
上板割れ
(c) dh=7.0mm
Δxなし接合(Δx≧50µm)
下板アルミニウム合金板における接合強度
0
1
2
3
4
5
引張せん断荷重
[kN
]
上-下 中-下0
1
2
3
4
5
十字引張荷重
[kN
]
上-下 中-下
980MPa級,穴あり 590MPa級,穴なし
下割れ
下割れ
上割れ
中抜け
下割れ
下割れ
中抜け
中抜け
中板
下板 下板
中板
中板アルミニウム合金板における接合範囲に及ぼすダイ形状の影響
1.6
1.8
8 8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
接合
インターロック不足
Δx1,Δx2≧50µmで接合良好
1.7
8 8.5 9 9.5ダイ直径 d [mm]
(b)590MPa級
1.4
(a)980MPa級
ダイ深さ
h [m
m]
上板割れ
1mm
1.5
Δx2なし
中板アルミニウム合金板における接合強度
0
1
2
3
4
5
引張せん断荷重
[kN
]
上-中 中-下0
1
2
3
4
5
十字引張荷重
[kN
]
上-中 中-下
590MPa級
上抜け割れ
中抜け割れ
上抜け 中抜け
上板
中板 中板
上板
1. 上板アルミニウム合金板では適切なダイ形状により3枚板接合ができたが,下板アルミニウム合金板,中板アルミニウム合金板では接合ができなかった.
2. 穴を有する中板を用いたメカニカルクリンチングを適用することで,下板アルミニウム合金板と超高張力鋼板の3枚板接合ができた.
アルミニウム合金板と超高張力鋼板の3枚板メカニカルクリンチング接合