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JESRA TR-0040「エックス線診療室の管理区域

漏洩線量測定マニュアル」の改正について

平成27年度標準化部会活動報告会

サイト設備設計Ｇ WG-7120 細沼宏安

平成28年3月14日


Ｘ線室漏洩線量測定について

Ｘ線室を有している事業所について

・病院、診療所、歯科診療所

・動物病院

・研究施設等

⇒安全性の観点から、Ｘ線室は関係法令・規則で規定されて

おり、Ｘ線室がその規定を満たしているか、判断、確認し

なければならない。

⇒その方法のひとつに、Ｘ線室漏洩線量測定があげられる。



Ｘ線室についての関係法令・規則

・医療法施行規則

・獣医療法施行規則

・電離放射線障害防止規則等



Ｘ線室は線量限度により規定されている。

Ｘ線室

画壁外側1.0mSv/週以下

管理区域境界1.3mSv/3月間以下

事業所境界250μSv/3月間以下

居住区域境界250μSv/3月間以下

病室1.3mSv/3月間以下



Ｘ線室が線量限度(数値)で規定されている以上、正確な線量値

の把握が必要となる。

⇒同一施設、同一測定点、同一測定条件において、誰が

漏洩線量測定をおこなっても、毎回同じ線量値を得られ

なければならない。⇒再現性が必要である。

Ｘ線室についての関係法令・規則

・医療法施行規則

・獣医療法施行規則

・電離放射線障害防止規則等

⇒実際のＸ線室の漏洩線量測定方法については記述されて

いない。



Ｘ線室漏洩線量測定

⇒標準的なＸ線室漏洩線量測定方法の提示が必要。



Ｘ線室の漏洩線量測定方法

⇒2003年3月、ＪＩＲＡから、標準的なＸ線室漏洩線量測定方法

の普及を目的として、

「エックス線診療室の管理区域漏洩線量測定マニュアル」

が発行された。

⇒その後のＸ線装置やその撮影方法の多様化にともない、

2013年3月、上記マニュアルの改訂がおこなわれ、その際に

JESRA規格となった。

⇒JESRA TR-0040-2013



JESRA TR-0040-2013の改正

JESRA TR-0040-2013


の改正をおこなった。

改正の目的

①内容をわかりやすく

②JESRA TR-0040-2013の内容の見直し、文言の修正等

⇒JESRA TR-0040*A-2016

「Ｘ線診療室の管理区域漏洩線量測定マニュアル」


JESRA TR-0040*A-2016


⇒将来、漏洩線量測定の講習会等が開催された際に使用

できるテキストとして。

⇒Ｘ線室漏洩線量測定業務を始める方、始めて間もない

方、学習したい方に理解しやすいマニュアルを目指す。

⇒JESRA TR-0040-2013より内容を詳細に記述、追記を

おこなった。




例1）X線室の漏洩線量測定がどういった場合に必要か


⇒X 線室の漏洩線量測定が、X 線装置の新規設置時、更新時、

X線室の構造変更時、6か月を超えない毎の定期的な測定等で

必要であることを追記した。

JESRA TR-0040-2013

⇒記載なし




例2）X線室に対する線量限度


⇒X 線室の管理区域境界、画壁外側、病室、居住区域境界、

事業所境界の実効線量限度について記述をおこない、かつ、

それらを示す模式図を追加した。

JESRA TR-0040-2013

⇒記載なし




例3）各種Ｘ線装置の漏洩線量測定方法について


⇒「間歇的に放射線を発生する場合」について、より詳細に記述した。

積算線量計を用いて積算線量測定をおこなう(単位：μSv)

⇒一般撮影用Ｘ線装置、乳房用Ｘ線診断装置、医用Ｘ線ＣＴ装置、

歯科用Ｘ線装置Ｘ線透視撮影装置等による撮影、循環器用Ｘ線

診断装置等のパルス撮影、骨塩定量分析等

JESRA TR-0040-2013

⇒「間歇的に放射線を発生する場合」について、以下の記述。

積算線量計を用いて測定をする

⇒撮影用エックス線装置(口内法撮影用エックス線装置、歯科用

パノラマ断層撮影装置を含む、医用エックス線CT装置等)




例4）バックグラウンドの測定について


⇒「バックグラウンド値の測定及び測定値の算定」として、

バックグラウンド値の測定は線量率でおこなうこと、照射後の

指示値からバックグラウンド値を差し引いて測定値とすること、

及び単位時間あたりのバックグラウンド値の算定方法を、

例を挙げて解説した。

JESRA TR-0040-2013

⇒「照射後の指示値から照射直前の指示値を差し引く」との記述のみ。




例5）漏洩線量とX線室の線量限度について


⇒漏洩線量測定により得られた測定値から、3月間あたりの漏洩線量

を算定し、Ｘ線室が規定される線量限度を満たすか判断する方法に

ついて、例を挙げて解説した。

JESRA TR-0040-2013

⇒記述なし。




例6）JESRA規格の様式に則り、マニュアル全体の体裁を修正。




Ｘ線診療室

画壁外側

1.0mSv/週以下

管理区域境界

1.3mSv/3月間以下病室

1.3mSv/3月間以下

居住区域境界

250μSv/3月間以下

事業所境界

250μSv/3月間以下

正面図側面図

45cm

30cm 20cm

外層

内層

Ｘ線室の線量限度についての図測定の際に用いるファントムの外形図

例7）新たに図を作成し、視覚的に情報を理解しやすいようにした。



②JESRA ＴＲ0040-2013の内容の見直し・文言の修正等

⇒記述内容の見直し、文言の修正等をおこない、

正確な内容となるように努め、より有効な漏洩線量測定

の実践に役立ててもらう。




例8）測定時の照射条件の見直し

⇒現在のX線装置の照射条件を考慮し、Ｘ線照射条件を見直した。


⇒現在のX線装置の照射条件を考慮して、「85kV 2mA相当にて照射」、

とした。

JESRA TR-0040-2013

⇒連続放射線の測定の照射条件について、装置のオート(自動)条件

による測定ができない場合、「90kV 1mA相当にて照射」とある。




例9）測定箇所についての文言の追記

⇒測定箇所についての文章中に文言を追記することにより、

より有効な漏洩測定の実践を促す。


⇒管理区域境界外側の画壁等を適当な間隔で測定する。測定器は

床から1m の高さとし、～(中略)～開口部などは床からの高さを

問わず特に念入りに測定する。

JESRA TR-0040-2013

⇒管理区域境界外側の画壁等を適当な間隔で測定する。測定器は

床から1m の高さとし、～(中略)～開口部などは特に念入りに測定

する。



JESRA TR-0040*A-2016では、以上のような改正をおこなった。

本マニュアルがＸ線室の漏洩線量測定業務に従事される方々に

有効に活用され、漏洩線量測定への正確な理解とその実践への

一助となることを願っている。


ご清聴ありがとうございました。

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