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4 観光関連データの収集と分析
4 観光関連データの収集と分析
166
目 次
1 現状分析 ·········································································· 167
2 RESASデータ活用による分析 ·················································· 181
3 港区の観光資源 ·································································· 190
4 観光関連データの収集と分析
167
1 現状分析
当項目では全て年単位の統計を使用している。
(1) 東京都の観光動向に関する調査・統計
ア 東京都観光入込客数
東京都の観光入込客数は、平成 23 年には東日本大震災の影響で前年より 4,000 万人近く減少
したが、平成 30 年は 5億 5,073 万 9 千人・回(前年比 2.5%増)の訪問者数となっている。
訪都外国人旅行者をみると、平成 30 年は 1,424 万 3 千人・回(前年比 3.4%増)となってい
る。
図表4-1 東京都観光入込客数
249,908 247,433221,514 232,776 242,264 223,927
248,429 264,893 261,540 268,744 270,504 272,392 285,350
174,561 188,694203,685 183,105
214,909196,173
220,829240,934 244,708 247,951 243,796 250,919
251,1464,808
5,330 5,336 4,760
5,943
4,098
5,563
6,812 8,87411,894 13,102
13,774 14,243
429,277441,457 430,535
420,641
463,116
424,198
474,821
512,639 515,122 528,589 527,402537,085 550,739
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
外国在住者 道府県在住者 都内在住者
単位︓千⼈・回
出典︓東京都産業労働局「東京都観光客数等実態調査」
4 観光関連データの収集と分析
168
イ 東京都観光消費額
平成 30 年の訪都旅行者の観光消費額は、約 6兆円(前年比 3.3%増)で、過去最多となって
いる。内訳をみると、外国人旅行者の観光消費額は 1兆 1,966 億 9 千万円(同 5.4%増)であっ
た。
図表4-2 東京都観光消費額数推移
1,794,598 1,748,877 1,716,268 1,644,205 1,394,182 1,294,8881,629,716 1,793,013 1,791,352 1,822,974 1,777,039 1,784,552 1,858,587
2,139,410 2,334,748 2,433,2972,038,117 2,683,884
2,390,782
2,617,5602,871,931 2,974,128 3,023,526 2,824,703 2,924,458 2,980,851
339,725359,173 334,697
281,634
458,476
313,012
440,099
581,371785,408
1,115,0451,088,010 1,135,767
1,196,693
4,273,7334,442,798 4,484,262
3,963,956
4,536,542
3,998,682
4,687,375
5,246,3155,550,888
5,961,5455,689,752 5,844,777
6,036,131
0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
5,000,000
6,000,000
7,000,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28 H29年 H30年
外国在住者 道府県在住者 都内在住者
単位︓百万円
出典︓東京都産業労働局「東京都観光客数等実態調査」
4 観光関連データの収集と分析
169
(2) 羽田空港・成田空港の利用状況/航空路線の状況
ア 羽田空港・成田空港の輸送実数
羽田空港は平成 22年の国際化(D滑走路使用開始、新国際線ターミナルの開業)以来、国内
線・国際線ともに乗降客数は順調に増え続け、平成 30年は国内線が 6,692 万 5 千人、国際線は
1,778 万 5 千人の乗降客数となっている。国際線については、平成 23 年の乗降客数が 705 万 1
千人であり、7年間で 252.2%の伸びとなった。
成田空港は平成 30 年の国際線乗降客が 3,154 万 9 千人となった。これは平成 23 年の 2,101
万 7 千人からは 150.1%の伸びとなっている。
図表4-3 羽田空港乗降客数の推移
768 914 1,169 1,274 1,9323,543 3,975 4,005 5,297 6,327 7,536 8,383 8,895
776 911 1,186 1,3141,948
3,508 3,935 3,947
5,2156,311
7,5078,348
8,890
32,139 32,423 32,15129,611
30,117
27,741
29,394 30,264
31,089
31,269
31,808
33,12133,431
32,387 32,571 32,200
29,733
30,212 27,788
29,39730,185
31,074
31,232
31,827
33,14733,49466,070
66,820 66,706
61,932
64,20962,580
66,702
68,403
72,675
75,138
78,677
82,999
84,710
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
国内線降客 国内線乗客 国際線降客 国際線乗客
出典︓国⼟交通省「暦年・年度別空港管理状況調書」
単位︓千⼈
4 観光関連データの収集と分析
170
図表4-4 成田空港乗降客数の推移
13,751 14,04813,221
12,26013,088
10,53611,961 12,394 12,098 12,710
13,51514,500
15,733
13,67613,961
13,068
12,158
13,026
10,481
11,95312,414
12,149
12,791
13,630
14,583
15,816
557627
572
609
801
848
1,592
2,360 2,915
3,325
3,468
3,731
3,599
558614
571
632
851
877
1,644
2,465 3,029
3,396
3,536
3,809
3,650
28,54329,250
27,433
25,659
27,766
22,742
27,150
29,63330,190
32,223
34,150
36,623
38,797
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
国内線降客 国内線乗客 国際線降客 国際線乗客
出典︓国⼟交通省「暦年・年度別空港管理状況調書」
単位︓千⼈
出典︓国⼟交通省「暦年・年度別空港管理状況調書」
4 観光関連データの収集と分析
171
イ 羽田空港利用の訪日外国人数
平成 30 年の羽田空港利用の訪日外国人は出国・入国を合わせて、811 万 8千人で、これは平
成 23年の 183 万 6千人から、4.4 倍となっている。
図表4-5 訪日外国人羽田空港乗降客数の推移
344 441 533 512 751 908 1,098 1,293 1,752
2,486
3,264 3,746
4,082
341 440 525 491
736 928
1,129 1,334
1,785
2,482
3,272
3,732
4,036
685 881
1,058 1,003
1,487 1,836
2,227 2,627
3,537
4,968
6,536
7,477
8,118
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
出国 ⼊国
単位︓千⼈
出典︓法務省「出⼊国管理統計」
4 観光関連データの収集と分析
172
(3) 国内観光の動向
ア 国内宿泊観光旅行の回数・宿泊数
平成 30 年では、日本人の1人あたりの国内宿泊観光旅行の回数は 1.30 回で(前年比 7.8%
減)、1人あたりの国内宿泊観光旅行の宿泊数は 2.14 泊(同 7.0%減)となっている。
1人あたりの国内宿泊観光旅行の回数、宿泊数ともに、平成 26 年以降やや上昇傾向を見せた
が、平成 30年は再び減少した。豪雨、地震等の災害が相次いだことや、台風、猛暑等の天候要
因響等の影響と考えられる。
図表4-6 国内宿泊観光旅行の回数・宿泊数の推移
2.74 2.48 2.37 2.38
2.09 2.08 2.14 2.25 2.06
2.27 2.25 2.30 2.14
1.71 1.52 1.52 1.46
1.32 1.30 1.35 1.39 1.26 1.35 1.39 1.41 1.30
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
泊数/⼈ 回数/⼈
単位︓泊、回
出典︓観光庁「観光⽩書」
4 観光関連データの収集と分析
173
イ 国内宿泊・日帰り観光客数
平成 30 年の国内宿泊観光客の延べ人数は2億 9,105 万人で前年比 10.0%減となっている。
先述のとおり、豪雨、地震等の災害や、台風、猛暑等の天候要因響等の影響と考えられる。ま
た、国内日帰り観光客の延べ人数は2億 7,073 万人で、対前年比 16.5%減と、宿泊観光客を上
回る減少率となっている。
図表4-7 国内宿泊・日帰り観光客数の推移
31,753 31,356 31,555 32,042
29,734
31,299
32,566
32,333
29,105 31,406
29,896 29,720
31,053 29,788
29,173
31,542
32,418
27,073
25,000
27,000
29,000
31,000
33,000
35,000
H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
宿泊旅⾏ ⽇帰り旅⾏
単位︓万⼈
出典︓観光庁「旅⾏・観光消費動向調査」(注)当該形式による結果公表は平成22年から
4 観光関連データの収集と分析
174
ウ 日本人の国内旅行における消費額
国内旅行消費額については、平成 26 年以降、微増傾向が見られたものの、平成 30 年は減少
に転じ、前年比 2.8%減の 20.5 兆円となっている。
図表4-8 国内旅行消費額
エ 日本人の国内旅行における1人1回あたりの旅行消費額
平成 30 年における宿泊・日帰りを合わせた国内旅行における1人1回あたりの旅行消費額は、
3万 6,462 円で、当該形式による結果が公表された平成 22年以降では最高額となっている。
図表4-9 日本人の国内旅行における1人1回あたりの旅行消費額
20.4 19.7 19.4 20.2 18.4
20.4 21.0 21.1 20.5
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
出典︓観光庁「旅⾏・観光消費動向調査」
単位︓兆円
平成26年4⽉消費税増税
(注)当該形式による結果公表は平成22年から
32,355 32,222 31,695 31,995 30,947 33,750 32,687 32,606
36,462
0
10,000
20,000
30,000
40,000
H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
単位︓円
出典︓観光庁「旅⾏・観光消費動向調査」
平成26年4⽉消費税増税
(注)当該形式による結果公表は平成22年から
4 観光関連データの収集と分析
175
オ 都道府県別延べ宿泊者数
平成 30 年の都道府県別の延べ宿泊者数をみると、東京都が突出して多く 6,610 万 9千人とな
っている。これは、延べ宿泊者数(全国)5億 3,800 万 2 千人の 12.3%にあたる。
図表4-10 都道府県別延べ宿泊者数
35,309
5,059
6,099
10,405
3,505
5,431
11,396
5,892
9,470
8,305
4,913
25,586
66,109
23,022
9,771
3,780
9,131
4,057
8,613
18,325
6,852
21,862
17,010
8,901
4,831
20,451
39,898
13,392
2,572
5,132
3,563
2,976
5,615
9,899
4,352
2,224
4,048
4,250
3,015
16,732
2,753
7,855
8,053
7,774
4,159
8,864
26,791
10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000
北海道⻘森県岩⼿県宮城県秋⽥県⼭形県福島県茨城県栃⽊県群⾺県埼⽟県千葉県東京都
神奈川県新潟県富⼭県⽯川県福井県⼭梨県⻑野県岐⾩県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府⼤阪府兵庫県奈良県
和歌⼭県⿃取県島根県岡⼭県広島県⼭⼝県徳島県⾹川県愛媛県⾼知県福岡県佐賀県⻑崎県熊本県⼤分県宮崎県
⿅児島県沖縄県
邦⼈宿泊数 外国⼈宿泊数
出典︓観光庁 「宿泊旅⾏統計調査」 <平成30年>
単位︓千⼈
全 国(千⼈)邦⼈宿泊数 ︓443,726外国⼈宿泊数︓ 94,275合計宿泊数 ︓538,002
4 観光関連データの収集と分析
176
カ 宿泊施設の客室稼働率
平成 23 年以降の客室稼働率をみると、近年鈍化しているもののリゾートホテル及びビジネス
ホテルは一貫して増加基調にある。最も稼働率が高いシティホテルは平成 27 年から 28 年にか
けて微減となったものの再び上昇し、平成 30年は 80.2%となっている。旅館は平成 25年に最
も低い 33.4%を記録したものの、以後上昇を続け、平成 30年は 38.8%まで回復した。
図表4-11 宿泊施設の客室稼働率の推移
(4) 東京都・港区 宿泊施設の状況
ア 東京都・港区 延べ宿泊者数合計(月別推移)
平成 30 年の港区の延べ宿泊者数は 719 万人となっている。同年の東京都全体の延べ宿泊者数
は 6,610 万 9 千人であり、訪都宿泊者の 10.9%が港区に宿泊したと言える。
月別の推移を見ると、訪都宿泊者は1~2月に落ち込みが見られるのに対し、港区の宿泊者
は年間を通じて比較的安定している。
図表4-12 東京都・港区 延べ宿泊者数合計(平成 30 年 月推移)
52.9
34.7 35.5 33.4 35.2 37.0 37.1 37.5 38.8
52.6 46.8 48.0
52.3 54.0 56.0 56.9 57.5 58.3
68.3 62.3
67.3 69.5 72.1 74.2 74.4 75.3 75.5
75.7
67.1 72.5 75.7 77.3 79.2 78.7 79.5 80.2
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
旅館 リゾートホテル ビジネスホテル シティホテル出典︓観光庁「宿泊旅⾏統計調査」
単位︓%
553,284 569,960 648,414 658,711 613,872 592,068 569,144 648,880 558,112 592,929 566,498 617,677
4,599,590
4,750,940
5,648,390 5,617,020 5,405,620 5,318,470
5,868,390 6,018,460
5,635,660 5,706,720 5,657,260 5,882,550
0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
5,000,000
6,000,000
7,000,000
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉
港区(第2次速報値) 東京都(確定値)
単位︓⼈泊
出典︓観光庁「宿泊統計調査」<平成30年>
(注)当該形式による結果公表は平成 22 年から
4 観光関連データの収集と分析
177
イ 東京都・港区 客室稼働率(月推移)
客室稼働率をみても、港区内の施設の客室稼働率は東京都の稼働率よりも高い数字で推移し、
月ベースでは、76.4%から 91.7%で推移している。
前述の通り、東京都の入込観光客数は年々増えており、港区の宿泊施設が収容能力と集客実績
を持っていることは、入込客の拡大に向けて強みとなる。
図表4-13 東京都・港区 客室稼働率(平成 30 年 月推移)
76.4
86.8 87.7
91.6
86.5 88.5 88.9
87.4 89.5 90.4 91.7
83.1
70.8
81.0 80.4
84.2
77.9 79.5
81.1 80.3 81.1 81.4 83.5
79.0
60.0
70.0
80.0
90.0
100.0
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉
港区(第2次速報値) 東京都(確定値)
出典︓観光庁「宿泊旅⾏統計調査」<平成30年>
単位︓%
4 観光関連データの収集と分析
178
(5) 国際観光の状況、訪日外国人観光客の動向
ア 世界各国・地域への国際観光客数上位 40 か国
世界各国・地域の外国人旅行者受入数を比較すると、平成 30 年の訪日外国人旅行者数 3,119 万
2 千人は、世界で第 11 位で、アジアでは第4位に相当する。
図表4-14 世界各国・地域への国際観光客数上位 40 か国(平成 30 年)
86,918
82,773
76,941
62,900
62,146
45,768
41,447
38,881
38,277
37,651
31,192
30,816
30,123
29,263
25,832
24,551
21,200
21,134
19,014
18,493
18,258
17,152
16,645
15,920
15,543
15,498
15,347
15,334
14,230
13,909
12,948
12,808
12,289
11,743
11,346
11,133
11,067
10,472
10,338
9,246
0 50,000 100,000
フランス (France) 1位スペイン (Spain) 2位⽶国 (U.S.A.) 3位中国 (China) 4位イタリア (Italy) 5位
トルコ (Turkey) 6位メキシコ (Mexico) 7位ドイツ (Germany) 8位
タイ (Thailand) 9位英国 (U.K.) 10位
⽇本 (Japan) 11位オーストリア (Austria) 12位
ギリシャ (Greece) 13位⾹港 (Hong Kong) 14位
マレーシア (Malaysia) 15位ロシア (Russia) 16位
ポルトガル (Portugal) 17位カナダ (Canada) 18位
オランダ (Netherlands) 19位マカオ (Macau) 20位
ポーランド (Poland) 21位ハンガリー (Hungary) 22位
クロアチア (Croatia) 23位アラブ⾸⻑国連邦 (U.A.E.) 24位
インド (India) 25位ベトナム (Vietnam) 26位
韓国 (South Korea) 27位サウジアラビア (Saudi Arabia) 28位
ウクライナ (Ukraine) 29位シンガポール (Singapore) 30位インドネシア (Indonesia) 31位チェコ (Czech Republic) 32位
モロッコ (Morocco) 33位デンマーク (Denmark) 34位
エジプト (Egypt) 35位スイス (Switzerland) 36位
台湾 (Taiwan) 37位南アフリカ共和国 (South Africa) 38位
アイルランド (Ireland) 39位オーストラリア (Australia) 40位
単位︓千⼈
出典︓ 国連世界観光機関(UNWTO) 作成︓⽇本政府観光局(JNTO) <平成30年>
注1︓本表の数値は2019年8⽉時点の暫定値である。注2︓フランス、⽶国、英国、ポルトガル、ポーランド、インド、ウクライナ、シンガポール、インドネシア、デンマーク、スイス、アイルランドについては
2018年の数値が公表されていないため、2017年の数値を、チェコについては2016年の数値を採⽤した。注3︓本表で採⽤した数値は、⽇本、ロシア、韓国、ベトナム、エジプト、台湾、豪州を除き、原則的に1泊以上した外国⼈訪問者数である。注4︓外国⼈訪問者数は、数値が追って新たに発表されたり、さかのぼって更新されることがあるため、数値の採⽤時期によって、その都度
順位が変わり得る。注5︓外国⼈訪問者数は、各国・地域ごとに⽇本とは異なる統計基準により算出・公表されている場合があるため、これを⽐較する際には
注意を要する。注6︓法務省出⼊国管理統計の地域分類に基づき、中国、トルコ、タイ、⽇本の順にカウント。
4 観光関連データの収集と分析
179
イ 訪日外国人数
訪日旅行者数は平成 23年の東日本大震災以降は着実に増加し、平成 31 年(令和1年)の訪日
旅行者数は、過去最高であった前年(平成 30 年)の 3,119 万 2 千人を超え、3,188 万 2 千人とな
るものと推計されている(前年比 2.2%増)。ここ数年で増加率は急速に減少している。
図表4-15 訪日外国人数の推移
ウ 訪日外国人旅行消費金額
訪日旅行者の国内消費額は大幅に拡大しており、平成 31 年(令和1年)の速報値では4兆
8,113 億円(前年比 6.5%増)と見積もられている。これは平成 23年の 5.9 倍に相当する。
図表4-16 訪日外国人旅行消費金額の推移
7,3348,347 8,351
6,790
8,611
6,219
8,358
10,364
13,413
19,737
24,040
28,691
31,192 31,882
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年 H31年(R1年)
単位︓千⼈
出典︓⽇本政府観光局(JNTO)「訪⽇外客統計」注︓H31年(R1年)は推計値
8,135
10,846
14,167
20,278
34,771
37,476
44,162 45,189
48,113
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年 H31年(R1年)
単位︓億円
出典︓観光庁「訪⽇外国⼈消費動向調査」
注1︓H22年4-6⽉期から開始した調査のため、年間値が⽐較可能なH23年以降を表⽰。注2︓H31年(R1年)は速報値
4 観光関連データの収集と分析
180
エ 国・地域別訪日外国人旅行者数
各国・地域別にみると、平成31年(令和1年)の主要アジア8ヶ国・地域からの訪日旅行者は2,528
万6千人で、前年比0.5%の微減となったが、英国・米国・カナダ・オーストラリアからの年間の訪日旅
行者数は314万5千人と前年比14.6%増を記録し、中でも米国が172万4千人と、主要地域では大幅な
増加となるものとみられている。
平成26年の国・地域別訪日者数は、台湾、韓国、中国の順であったが、中国の急伸により平成31年
(令和1年)は中国が959万4千人を記録し、最も多くなっている。
図表4-17 国別訪日外国人旅行者数の推移
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年 H31年(R1年)
韓国 中国 台湾 ⾹港タイ シンガポール マレーシア フィリピン英国 ⽶国 カナダ オーストラリア
単位︓千⼈
出典︓⽇本政府観光局(JNTO)注︓H31年(R1年)は推計値
H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年 H31年(R1年)
韓国 2,117 2,601 2,382 1,587 2,440 1,658 2,043 2,456 2,755 4,002 5,090 7,140 7,539 5,585中国 812 942 1,000 1,006 1,413 1,043 1,425 1,314 2,409 4,994 6,374 7,356 8,380 9,594台湾 1,309 1,385 1,390 1,024 1,268 994 1,466 2,211 2,830 3,677 4,168 4,564 4,757 4,891⾹港 352 432 550 450 509 365 482 746 926 1,524 1,839 2,232 2,208 2,291タイ 126 167 192 178 215 145 261 454 658 797 902 987 1,132 1,319シンガポール 116 152 168 145 181 111 142 189 228 309 362 404 437 492マレーシア 86 101 106 90 115 82 130 177 250 305 394 440 468 502フィリピン 96 90 82 71 77 63 85 108 184 268 348 424 504 613英国 216 222 207 181 184 140 174 192 220 258 292 310 334 424⽶国 817 816 768 700 727 566 717 799 892 1,033 1,243 1,375 1,526 1,724カナダ 157 166 168 153 153 101 135 153 183 231 273 306 331 375オーストラリア 195 223 242 212 226 163 206 245 303 376 445 495 552 622
単位︓千⼈
4 観光関連データの収集と分析
181
2 RESASデータ活用による分析
(1) 滞在人口分析
都道府県・市町村単位で、港区に2時間以上滞在した人(以下、「滞在人口」という)が、どの都道
府県・市町村から入ってきているのかを示すデータである。
平日をみると、平成30年の滞在人口は、60.5%が都内からで、残る39.5%が都外からの滞在であ
り、都外の内訳は近郊の3県(神奈川、千葉、埼玉)で9割近くとなっている。
図表5-1 港区の平日における滞在人口内訳(平成 30 年)
休日においては、都内からの滞在割合が増加し、都外では、近郊の3県以外からの滞在割合が増えて
いる。
図表5-2 港区の休日における滞在人口内訳(平成 30 年)
1位 神奈川県 43.4 2位 千葉県 22.3 3位 埼⽟県 22.4 4位 茨城県 1.8 5位 栃⽊県 1.3 6位 静岡県 1.0 7位 ⼤阪府 0.8 8位 群⾺県 0.8 9位 愛知県 0.6 その他 5.8
都外ランキング (⽐率%)
都内在住者6,896,032
60.5%
都外在住者4,500,293
39.5%滞在⼈⼝
11,396,325
単位︓⼈
出典︓平成30年国勢調査⼈⼝等基本集計(総務省統計局)株式会社NTTドコモ・株式会社ドコモ・インサイトマーケティング「モバイル空間統計®」
RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成※各⽉の14時調査の滞在⼈数の合算値
1位 神奈川県 34.7 2位 千葉県 20.2 3位 埼⽟県 18.9 4位 茨城県 2.6 5位 静岡県 2.3 6位 群⾺ 2.3 7位 岡⼭県 1.8 8位 栃⽊県 1.4 9位 ⼤阪府 1.2 その他 14.5
都外ランキング (⽐率%)
都内在住者3,357,826
68.7%
都外在住者1,526,655
31.3%
単位︓⼈
滞在⼈⼝4,884,481
出典︓平成30年国勢調査⼈⼝等基本集計(総務省統計局)株式会社NTTドコモ・株式会社ドコモ・インサイトマーケティング「モバイル空間統計®」
RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成※各⽉の14時調査の滞在⼈数の合算値
4 観光関連データの収集と分析
182
(2) 滞在人口率分析
滞在人口率は、港区の実際の人口に対して、月間平均で何倍の滞在人口(2時間以上の滞留)が来
ているかを示すデータである。
滞在人口率を平日の月間平均でみれば、買い物客や通勤者・通学者などがどれだけ域外から流入し
ているか把握でき、休日のみの月間平均でみれば、観光客がどれだけ域外から流入しているかが把握
できる。港区は、平日の方が滞在人口は多い。また、23区内において、平日、休日ともに滞在人口率
が高く、平成30年10月のサンプル調査では、平日3位、休日4位という結果だった。
図表5-3 港区月別滞在人口内訳<14 時調査>(平成 30 年)
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉平⽇ 休⽇ 国勢調査⼈⼝
単位︓⼈
出典︓株式会社NTTドコモ・株式会社ドコモ・インサイトマーケティング「モバイル空間統計®」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
23区における滞在⼈⼝率⽐較(平成30年)No 区名 平⽇ 順位 休⽇ 順位01 千代⽥区 19.96 1位 7.71 1位02 中央区 5.31 2位 2.49 2位03 港区 4.86 3位 2.06 4位04 新宿区 2.70 5位 1.95 5位05 ⽂京区 1.61 7位 1.18 8位06 台東区 1.76 6位 1.63 6位07 墨⽥区 1.09 11位 1.12 9位08 江東区 1.34 10位 1.12 10位09 品川区 1.46 9位 1.05 11位10 ⽬⿊区 0.95 12位 0.96 12位11 ⼤⽥区 0.95 13位 0.95 13位12 世⽥⾕区 0.83 16位 0.92 15位13 渋⾕区 3.14 4位 2.41 3位14 中野区 0.82 17位 0.85 20位15 杉並区 0.72 22位 0.84 22位16 豊島区 1.47 8位 1.50 7位17 北区 0.87 14位 0.92 14位18 荒川区 0.84 15位 0.86 18位19 板橋区 0.77 19位 0.85 19位20 練⾺区 0.67 23位 0.81 23位21 ⾜⽴区 0.81 18位 0.91 16位22 葛飾区 0.75 20位 0.87 17位23 江⼾川区 0.72 21位 0.85 21位
(注) サンプルデータは、平成30年10⽉14時調査による。Noは全国地⽅公共団体コードの末尾2桁。
出典︓ 株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
183
(3) 目的地分析
目的地分析は、指定した表示年月に、ウェブサイトや携帯電話・スマートフォンにて利用するナビ
ゲーションサービスを使って経路検索された、指定地域(都道府県)内の目的地を示すデータであ
る。また、指定地域(都道府県・市区町村)内で検索された目的地の一覧を把握可能である。
[ 自動車編 ]
自動車のナビゲーションによって検索された港区内の目的地別の平成30年1年間における平日、
休日ごとの合計値順位である。年間の合計値であるため平日検索回数が多い結果となっている。
順位の上位3位までは、平日と休日の変化はないが、4位以降は「お台場」、「アクアシティお台
場」などの商業、観光施設が、休日において多く検索されている。
図表5-4 港区内の目的地検索一覧<交通手段:自動車>(平成 30 年)
9,241
8,587
8,099
5,128
4,234
4,087
3,949
3,902
3,886
3,384
3,327
2,882
2,764
2,585
2,535
2,476
2,281
1,940
1,899
1,709
4,367
3,557
3,139
3,101
1,640
1,450
1,317
919
1,504
1,010
1,140
1,019
982
1,689
1,016
634
799
857
976
779
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000
東京タワー
六本⽊ヒルズ
品川プリンスホテル
お台場
東京ミッドタウン
フジテレビ本社ビル
ホテルオークラ 本館アーケード
⻁ノ⾨ヒルズ
ANAインターコンチネンタルホテル東京
東京プリンスホテル
グランドプリンスホテル新⾼輪
グランドニッコー東京 台場
⽇テレタワー
アクアシティお台場
ホテル⽇航東京
迎賓館(⾚坂離宮)
ザ・プリンスパークタワー東京
テレビ朝⽇
エプソン品川アクアスタジアム
コンラッド東京
平⽇ 休⽇
単位︓回
<平⽇検索回数昇順>
出典︓株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
184
[ 公共交通機関編 ]
公共交通機関(鉄道、航空機、バス、フェリー、タクシー、徒歩等)を交通手段として指定した経
路検索の結果の合計値である。自動車検索では出現しなかった「スヌーピーミュージアム」や「国立
新美術館」等が上位に出現しており、交通手段によって目的地の違いがわかる。自動車と同様、休日
検索上位に、「東京ミッドタウン」、「お台場」、「アクアシティお台場」などの商業、観光施設が出現
している。
図表5-5 港区内の目的地検索一覧<交通手段:公共交通>(平成 30 年)
11,414
8,694
6,764
6,566
5,768
4,106
4,004
3,972
3,232
2,955
2,954
2,669
2,579
2,376
2,370
2,039
2,034
1,941
1,886
1,856
-
-
-
-
7,038
7,358
1,994
3,866
4,297
3,242
2,503
1,208
2,253
1,372
1,336
1,449
1,680
1,184
2,063
-
1,187
-
-
-
1,715
1,454
1,292
1,252
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000
六本⽊ヒルズ
東京タワー
スヌーピーミュージアム
東京ミッドタウン
国⽴新美術館
お台場
品川プリンスホテル
⻁ノ⾨ヒルズ
サントリーホール
ANAインターコンチネンタルホテル東京
ザ・プリンスパークタワー東京
グランドプリンスホテル新⾼輪
フジテレビ本社ビル
東京プリンスホテル
アクアシティお台場
ホテルオークラ 本館アーケード
テレビ朝⽇
⽇テレタワー
明治記念館
品川シーズンテラス
秩⽗宮ラグビー場
エプソン品川アクアスタジアム
増上寺
⾚坂BLITZ
平⽇ 休⽇
単位︓回
<平⽇検索回数昇順>
出典︓株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
185
(4)流動人口分析
メッシュ分析(流動人口)では、月別、平日・休日別、時間帯(2時間単位)別の流動人口の推移
を250mメッシュ単位(政令指定都市及び東京23 区以外については500mメッシュ単位)で、ヒート
マップで把握できる。また、任意の地域ごとにも把握可能である。そこで、港区内の5地区における
平成30年1年間の月ごと及び1日の時間ごとの流動人口の推移を示した。
なお、5地区はそれぞれの地区において、中心から合計約30メッシュ分をサンプルとして設定し
た結果である。
[ 平日 ]
都内でも屈指のビジネス街を有する芝地区の流動人口が高い数値となっており、次いで、赤坂地
区、芝浦港南地区と続く。年末休暇、夏季休暇のある1月と8月に減少する傾向がある。
時間別では、お台場地区を除き6時以降から大きく増加する傾向にある。季節別の比較では、2月
と10月では大きな差が見受けられない。
図表5-6 流動人口マップ(平成 30 年平日 月別推移)
注:「メッシュ」とは、統計に利用するために、緯度経度に基づき地域をほぼ同じ大きさの網の目に
分けたもの。
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
単位︓千⼈
4 観光関連データの収集と分析
186
図表5-7 流動人口マップ(平成 30 年2月平日 時間推移)
図表5-8 流動人口マップ(平成 30 年 10 月平日 時間推移)
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0時 2時 4時 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
単位︓千⼈
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0時 2時 4時 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
単位︓千⼈
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
187
[ 休日 ]
平日と同様に芝地区が高い値になっている。その他の4地区では、平日と異なり麻布地区
が、高い値になっている。東京タワー等の観光地地点を多数有する芝地区の流動人口が高い数
値となっており、次いで、麻布地区、赤坂地区と続く。お台場地区では、ゴールデンウイーク
の5月と夏季休暇の8月は増加する傾向にある。
時間別では、芝地区では 10 時までに大幅に増加し、16時台まで一定の水準となっている。
また、お台場地区では、12 時から 18 時の時間帯で数値が高くなっている。
図表5-9 流動人口マップ(平成 30 年休日 月別推移)
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
1,800
2,000
1⽉ 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ 6⽉ 7⽉ 8⽉ 9⽉ 10⽉ 11⽉ 12⽉
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
単位︓千⼈
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
188
図表5-10 流動人口マップ(平成 30 年2月休日 時間推移)
図表5-11 流動人口マップ(平成 30 年 10 月休日 時間推移)
0
50
100
150
200
0時 2時 4時 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
単位︓千⼈
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
0
50
100
150
200
0時 2時 4時 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時
芝地区 ⿇布地区 ⾚坂地区 ⾼輪地区 芝浦港南地区 お台場地区
単位︓千⼈
出典︓株式会社Agoop「流動⼈⼝データ」RESAS(地域経済分析システム)を加⼯して作成
4 観光関連データの収集と分析
189
(参考図)流動人口マップで使用したメッシュ
芝浦港南地区
お台場地区
芝地区
赤坂地区
麻布地区
高輪地区