8
福祉・介護人材の確保に向けた取組 ……………………………………………………………………3 平成30年7月豪雨災害 支援活動の報告 …………7 福祉のお仕事就職フェアのお知らせ …………8 新年のごあいさつ …………………………………… 2 特 集 「福祉・介護のお仕事体験バスツアー」車イス体験の様子(特別養護老人ホーム びーね) 482 January 2019 ふくし とちぎ ふれあいネットワーク No. 発行社会福祉法人栃木県社会福祉協議会 〒320-8508 宇都宮市若草1丁目10番6号 とちぎ福祉プラザ内 TEL 028(622)0524/FAX 028(621)5298 編集・デザイン藤﨑印刷株式会社 発行日平成31年1月10日 ホームページhttp://www.tochigikenshakyo.jp/ 月号 この広報紙は、赤い羽根共同募金の助成により発行しています。 「ふくしとちぎ」の1面を飾る写真を読者の皆様から募ります。 テーマは「福祉」に関するものです。とっておきの1枚をぜひお寄せください。 愛ちゃんと希望くん © 中央共同募金会

482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

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Page 1: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

も く じ

   福祉・介護人材の確保に向けた取組……………………………………………………………………3

平成30年7月豪雨災害 支援活動の報告 …………7 福祉のお仕事就職フェアのお知らせ …………8

新年のごあいさつ ……………………………………2

特 集

「福祉・介護のお仕事体験バスツアー」車イス体験の様子(特別養護老人ホーム びーね)

482January 2019

ふくしとちぎ

ふれあいネットワーク

No.

● 発行/社会福祉法人栃木県社会福祉協議会 〒320-8508 宇都宮市若草1丁目10番6号 とちぎ福祉プラザ内 TEL 028(622)0524/FAX 028(621)5298● 編集・デザイン/藤﨑印刷株式会社● 発行日/平成31年1月10日● ホームページ/http://www.tochigikenshakyo.jp/

月号

この広報紙は、赤い羽根共同募金の助成により発行しています。 「ふくしとちぎ」の1面を飾る写真を読者の皆様から募ります。テーマは「福祉」に関するものです。とっておきの1枚をぜひお寄せください。

愛ちゃんと希望くん ©中央共同募金会

Page 2: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

 あけましておめでとうございます。

 県民の皆様には日頃から地域福祉の推進に御支援、御協力をいた

だき厚く御礼を申し上げます。

 さて、今日、急速な少子高齢化の進行や地域のつながりの希薄化

など、地域社会を取り巻く環境の変化に伴い、一つの世帯や個人が

複数の課題を抱え、障害、高齢、児童などの個々の福祉制度のみで

は十分な支援が行えない複雑なケースや制度の狭間にある世帯の増

加が指摘されています。そのため、県では、地域の核となって住民

主体の福祉のまちづくりを実践されている社会福祉協議会、社会福

祉法人、NPO法人、民生委員・児童委員など地域の力を生かし、

お互いに支え合いながら暮らすことのできる「地域共生社会」の実

現を目指しています。

 また、東日本大震災をはじめ、昨年の西日本豪雨など、近年大規

模災害が多発しております。高齢者や障害者など福祉的配慮が必要

な方が避難所において必要な支援が受けられず生活機能の低下など

二次被害が生じている場合もあり、避難生活の早期の段階から福祉

ニーズを的確に把握し、生活機能の維持を支援する災害時の福祉支

援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体

とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法

人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(D

WAT

)を

派遣できるよう取組を進めています。

 こうした取組を着実に進めるためには、地域に根ざした活動をさ

れている社会福祉協議会をはじめ、皆様方のお力添えが不可欠であ

りますので、今後とも、より一層の御理解・御協力を賜りますよう

お願い申し上げます。

 結びに、皆様の御健康と御多幸、そして、本年が素晴らしい年とな

りますようお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

社会福祉法人

栃木県社会福祉協議会

       会長 田 嶋   進

 あけましておめでとうございます。

 県民の皆様には、日頃から地域福祉の推進にご支援、ご協力いただ

き厚く御礼申し上げます。

 昨年は、全国各地で大規模な自然災害が発生し、本会においては、

平成30年7月豪雨で被災された広島県へ、市町社協の協力を得て応援

職員を派遣いたしました。被災された皆様にはお見舞い申し上げます

とともに、早期の復興を心からお祈り申し上げます。

 これまで本県においても、東日本大震災、関東・東北豪雨災害など

の自然災害により甚大な被害を受けましたが、これら災害の復旧復興

に際しては、多くの地域住民、ボランティアの皆さまにご尽力いただ

きました。

 本会といたしましては、こうした多くの方々の地域福祉活動を支え

ながら、地域福祉推進の中核としての役割を今後も十分に果たしてい

こうという決意を新たにする次第です。

 さて、近年は、特集で取り上げておりますとおり、少子高齢化の進

展により、福祉ニーズの需要がますます増大している中、介護・福祉

人材の確保は年々、厳しさを増してきています。このような中、本会

といたしましては、福祉人材・研修センターによる福祉人材の確保と

定着並びに福祉人材の育成に努めるなど、時代の要請にかなった事業

の充実を図り、「明るく活力あふれる地域づくり〜共に支え合い、心

豊かな福祉社会を築く〜」の基本理念のもと、県民の皆様や関係団体

などとの連携を図りながら、地域福祉を積極的に推進して参りたいと

考えておりますので、なお一層のご支援、ご協力をよろしくお願いい

たします。

 結びに皆様のご健勝とご多幸、そして本年がすばらしい年となりま

すようお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

栃木県知事 福 田 富 一

新年のごあいさつ

2

ちぎ介護人材育成認証制度〜」が

昨年3月からスタートしました。

 認証制度への参加と

 「見える化」のメリット

 「とちぎ介護人材育成認証制

度」は、介護事業所における人材

育成・確保の取組の「見える化」

を行うために、評価基準を設けて

介護事業所を運営する法人を評

価し、その取組の度合いに応じて

認証を行う仕組みです。

 介護事業所においては例えば、

認証の取得を公表することで優良

な法人であることを広くPRで

き、人材の採用につながります。

また、認証を取得することで事業

 福祉・介護人材の

 現状について

 来たる2025年、わが国では

すべての団塊の世代が75歳以上と

なり、後期高齢者が2000万人

の大台を超えると推計されていま

す。

 寝たきりや認知症など、日常生

活において介護を必要とする要介

護高齢者の増大が見込まれてい

ますが、こうした高齢者の日常生

活を支える介護職員は全国で約

33・7万人(2025年時点)が

不足すると推計されています。

 本県においてはおよそ5200人

の不足が見込まれるなど、福祉・介

護人材の確保は喫緊の課題です。

 人材の確保・定着を

 図るために

 このような状況を踏まえて県は

「栃木県介護職員人材育成指針」

(平成28年3月策定)において、

介護事業所、県、関係団体等が連

携して介護人材の育成を目指し、

人材の確保・定着を図るための方

向性を示しました。

 また、同年4月に介護関係団体

とともに介護人材の育成・確保・

定着に向けた具体的な取組を検討

するため「栃木県介護人材確保対

策連絡調整会議」を立ち上げ、介

護人材のすそ野を拡げる「参入促

進」、専門性の確立やキャリアパ

スの構築などを促進する「資質の

向上」、離職防止・定着のための

「労働環境・処遇改善」を3本の

柱として事業を実施しています。

 これらの事業を推進していくた

めには、これから介護の仕事を目

指す人やすでに介護の現場で働い

ている人に向けて、やりがいを

持って長く働いてもらうために、

介護事業所の人材育成や働きや

すい職場づくりの取組を「見える

化」し、広く周知する必要があり

ます。

 そこで、栃木県介護人材確保対

策連絡調整会議において認証制

度の導入に向けた検討を重ねた

結果、栃木県版認証制度となる

「介護の職場☆魅力UP宣言〜と

「福祉・介護人材の確保に向けた取組」

 わが国では高齢化の進展に伴い、介護や医療費など社会保障費の増加が懸念されるほか、高齢者の

日常生活を支える福祉・介護人材の不足が叫ばれています。

 栃木県は介護人材確保対策の一環として、介護事業所の人材育成や職場環境改善の支援を目的に

今年度より「介護の職場☆魅力UP宣言

〜とちぎ介護人材育成認証制度〜」の運用を行っています。

特 集

ふくしとちぎ January 2019 No.482

3

Page 3: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

 あけましておめでとうございます。

 県民の皆様には日頃から地域福祉の推進に御支援、御協力をいた

だき厚く御礼を申し上げます。

 さて、今日、急速な少子高齢化の進行や地域のつながりの希薄化

など、地域社会を取り巻く環境の変化に伴い、一つの世帯や個人が

複数の課題を抱え、障害、高齢、児童などの個々の福祉制度のみで

は十分な支援が行えない複雑なケースや制度の狭間にある世帯の増

加が指摘されています。そのため、県では、地域の核となって住民

主体の福祉のまちづくりを実践されている社会福祉協議会、社会福

祉法人、NPO法人、民生委員・児童委員など地域の力を生かし、

お互いに支え合いながら暮らすことのできる「地域共生社会」の実

現を目指しています。

 また、東日本大震災をはじめ、昨年の西日本豪雨など、近年大規

模災害が多発しております。高齢者や障害者など福祉的配慮が必要

な方が避難所において必要な支援が受けられず生活機能の低下など

二次被害が生じている場合もあり、避難生活の早期の段階から福祉

ニーズを的確に把握し、生活機能の維持を支援する災害時の福祉支

援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体

とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法

人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(DWAT

)を

派遣できるよう取組を進めています。

 こうした取組を着実に進めるためには、地域に根ざした活動をさ

れている社会福祉協議会をはじめ、皆様方のお力添えが不可欠であ

りますので、今後とも、より一層の御理解・御協力を賜りますよう

お願い申し上げます。

 結びに、皆様の御健康と御多幸、そして、本年が素晴らしい年とな

りますようお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

社会福祉法人

栃木県社会福祉協議会

       会長 田 嶋   進

 あけましておめでとうございます。

 県民の皆様には、日頃から地域福祉の推進にご支援、ご協力いただ

き厚く御礼申し上げます。

 昨年は、全国各地で大規模な自然災害が発生し、本会においては、

平成30年7月豪雨で被災された広島県へ、市町社協の協力を得て応援

職員を派遣いたしました。被災された皆様にはお見舞い申し上げます

とともに、早期の復興を心からお祈り申し上げます。

 これまで本県においても、東日本大震災、関東・東北豪雨災害など

の自然災害により甚大な被害を受けましたが、これら災害の復旧復興

に際しては、多くの地域住民、ボランティアの皆さまにご尽力いただ

きました。

 本会といたしましては、こうした多くの方々の地域福祉活動を支え

ながら、地域福祉推進の中核としての役割を今後も十分に果たしてい

こうという決意を新たにする次第です。

 さて、近年は、特集で取り上げておりますとおり、少子高齢化の進

展により、福祉ニーズの需要がますます増大している中、介護・福祉

人材の確保は年々、厳しさを増してきています。このような中、本会

といたしましては、福祉人材・研修センターによる福祉人材の確保と

定着並びに福祉人材の育成に努めるなど、時代の要請にかなった事業

の充実を図り、「明るく活力あふれる地域づくり〜共に支え合い、心

豊かな福祉社会を築く〜」の基本理念のもと、県民の皆様や関係団体

などとの連携を図りながら、地域福祉を積極的に推進して参りたいと

考えておりますので、なお一層のご支援、ご協力をよろしくお願いい

たします。

 結びに皆様のご健勝とご多幸、そして本年がすばらしい年となりま

すようお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

栃木県知事 福 田 富 一

新年のごあいさつ

2

ちぎ介護人材育成認証制度〜」が

昨年3月からスタートしました。

 認証制度への参加と

 「見える化」のメリット

 「とちぎ介護人材育成認証制

度」は、介護事業所における人材

育成・確保の取組の「見える化」

を行うために、評価基準を設けて

介護事業所を運営する法人を評

価し、その取組の度合いに応じて

認証を行う仕組みです。

 介護事業所においては例えば、

認証の取得を公表することで優良

な法人であることを広くPRで

き、人材の採用につながります。

また、認証を取得することで事業

 福祉・介護人材の

 現状について

 来たる2025年、わが国では

すべての団塊の世代が75歳以上と

なり、後期高齢者が2000万人

の大台を超えると推計されていま

す。

 寝たきりや認知症など、日常生

活において介護を必要とする要介

護高齢者の増大が見込まれてい

ますが、こうした高齢者の日常生

活を支える介護職員は全国で約

33・7万人(2025年時点)が

不足すると推計されています。

 本県においてはおよそ5200人

の不足が見込まれるなど、福祉・介

護人材の確保は喫緊の課題です。

 人材の確保・定着を

 図るために

 このような状況を踏まえて県は

「栃木県介護職員人材育成指針」

(平成28年3月策定)において、

介護事業所、県、関係団体等が連

携して介護人材の育成を目指し、

人材の確保・定着を図るための方

向性を示しました。

 また、同年4月に介護関係団体

とともに介護人材の育成・確保・

定着に向けた具体的な取組を検討

するため「栃木県介護人材確保対

策連絡調整会議」を立ち上げ、介

護人材のすそ野を拡げる「参入促

進」、専門性の確立やキャリアパ

スの構築などを促進する「資質の

向上」、離職防止・定着のための

「労働環境・処遇改善」を3本の

柱として事業を実施しています。

 これらの事業を推進していくた

めには、これから介護の仕事を目

指す人やすでに介護の現場で働い

ている人に向けて、やりがいを

持って長く働いてもらうために、

介護事業所の人材育成や働きや

すい職場づくりの取組を「見える

化」し、広く周知する必要があり

ます。

 そこで、栃木県介護人材確保対

策連絡調整会議において認証制

度の導入に向けた検討を重ねた

結果、栃木県版認証制度となる

「介護の職場☆魅力UP宣言〜と

「福祉・介護人材の確保に向けた取組」

 わが国では高齢化の進展に伴い、介護や医療費など社会保障費の増加が懸念されるほか、高齢者の

日常生活を支える福祉・介護人材の不足が叫ばれています。

 栃木県は介護人材確保対策の一環として、介護事業所の人材育成や職場環境改善の支援を目的に

今年度より「介護の職場☆魅力UP宣言

〜とちぎ介護人材育成認証制度〜」の運用を行っています。

特 集

ふくしとちぎ January 2019 No.482

3

Page 4: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

所のイメージや知名度が上がるほ

か、現在働いている職員のモチ

ベーションアップにもつながり、

組織の活性化が期待できます。

 一方、求職者においては、就職

活動にあたり人材育成・定着に積

極的な事業所であるかの判断が

でき、また、就職後のキャリアパ

スが見えることにより、長く働く

ことができる職場を選べるなどの

メリットがあります。

 レベルで評価した

 認証制度の仕組み

 現在、いくつかの都道府県で同

様の認証制度が実施されていま

すが、本県の大きな特徴として、

取組の状況をレベルに応じて評価

している点が挙げられます。

 認証の取得を目指す法人は、ま

ずはじめにスタートアップセミ

ナーを受講し、取組宣言を行いま

す。これらの法人は「宣言法人」

となります。宣言法人は、認証の

取得に向けて、テーマ別研修や個

別相談などの支援が受けられま

す。

 宣言法人が認証を取得する場

合は申請を行い、基準を満たして

いるかどうかの審査を受けます。

 その後、審査結果を基に学識経

験者等で構成される認証委員会

において、認証の決定が行われま

す。

 評価項目4分野のうちクリアし

た数が2〜3であれば「レベル2

(★★)」、4項目すべてをクリ

アしていれば「レベル3(★★

★)」となります。

▲ 認証制度のロゴマーク▲ 認証マーク(一例)

平成30年度 栃木県介護人材緊急確保対策事業の全体図

【量】参入促進介護職員人材育成指針

栃木県介護人材確保対策連絡調整会議

連絡調整会議ワーキンググループ

○小中高校生向け介護のお仕事 出前講座○職場体験の実施○再就職支援○介護人材マッチング事業○ホームページ等を活用した周知・啓発○障害者雇用に向けた初任者研修事業○中高齢者向け介護入門研修○小中学生向け体験バスツアー○児童・生徒向けパンフレット作成○高等学校教員対象介護の仕事 理解促進事業○離職した介護人材の届出事業○修学資金貸付事業○再就職準備金貸付事業

【質】資質の向上

○介護人材キャリアパス支援事業◆社会福祉士会◆介護福祉士会◆老人福祉施設協議会◆介護福祉士養成校○初任者研修費用助成事業○各種研修に係る代替要員の確保○実務者研修費用貸付

【基盤整備】

○栃木県介護人材確保対策 連絡調整会議ワーキンググループ○介護人材の育成・定着に取り組む 介護事業所の認証・評価制度

【環境整備】労働環境・処遇改善

○介護職員合同入職式○介護ロボット導入支援事業○雇用管理改善に取り組む事業者の 表彰制度○事業所内保育施設運営支援事業

◆介護人材確保対策の提案・実施◆介護人材確保対策の連携強化 など

○主要団体による人材確保対策の協議等・取組の方向性の確認 など

○「参入促進」、「資質の向上」、「労働環境・処遇改善」という3つの柱は循環し、事業効果が高まる仕組み

[特集]福祉・介護人材の確保に向けた取組

4

 認証を取得した法人は県の

ホームページ等に掲載され、求職

者等に向けて周知されるほか、事

業所の看板や車両等に「認証マー

ク」を表示でき、県民に対して

「介護人材育成」に取り組んでい

る法人であることをアピールでき

ます。

 現時点で、認証制度の取組宣言

をした法人は83、認証を受けた法

人は11です。(H30・12・1現在)

介護の現場を見て、体験して、感じてほしい。

小中高校生が将来の仕事を考えるきっかけに

社会福祉法人

栃木県社会福祉協議会

福祉人材・研修センター

介護人材の参入促進に向けて

 同センターは「栃木県介護

人材確保対策連絡調整会議」

の一団体として、介護人材育

成・確保・定着に向け、各種

事業に取り組んでいます。中

でも、若者の介護職への参入

を促進するため、小中学生向

け「福祉・介護のお仕事体験

バスツアー」や小中高校生向

け「介護のお仕事出前講座」

などを積極的に実施していま

す。

 平成29年度より開始したバ

スツアーの参加者は延べ83

人、出前講座の今年度の開催

は県内56校になります。

 同センターでは、子ども時

代の様々な体験や活動が将来

の職業選択に影響すると考

え、福祉・介護の現場で働く

職員の生の声を多くの子ども

たちに届けると同時に、自分

の目で見て、聞いて、さらに

体験することで福祉・介護職

に興味を持つきっかけになっ

て欲しいと願っています。

 また、「福祉・介護のお仕

事体験バスツアー」では、子

どもたちと一緒に保護者にも

参加してもらうことで、保護

者への啓発も行い、子どもた

ちの進路や職業選択時の後押

しにつながっていくようにと

考えています。

 参加した子どもたちや保護

者からは、人に感謝される、

人の役に立つ仕事だと思っ

た、これまでのイメージがが

らりと変わり、介護の仕事に

興味を持った等の感想が寄せ

られています。

◀認証制度のガイドブック

1.スタートアップ

  セミナーへの参加

2.取組宣言

3.宣言書の受付(公表)

4.審査申請の準備

5.審査申請

6.訪問審査

7.県による認証

8.法人名を公表

▲介護浴槽にリフトを使って入浴体験

Step

4Step

3Step

2Step

1

▲認証制度に関するさまざまな情報発信をするホームページ。ここから必要書類をダウンロードできる

(https://www.eidell.co.jp/tochigi-kaigo/)

ふくしとちぎ January 2019 No.482

5

Page 5: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

所のイメージや知名度が上がるほ

か、現在働いている職員のモチ

ベーションアップにもつながり、

組織の活性化が期待できます。

 一方、求職者においては、就職

活動にあたり人材育成・定着に積

極的な事業所であるかの判断が

でき、また、就職後のキャリアパ

スが見えることにより、長く働く

ことができる職場を選べるなどの

メリットがあります。

 レベルで評価した

 認証制度の仕組み

 現在、いくつかの都道府県で同

様の認証制度が実施されていま

すが、本県の大きな特徴として、

取組の状況をレベルに応じて評価

している点が挙げられます。

 認証の取得を目指す法人は、ま

ずはじめにスタートアップセミ

ナーを受講し、取組宣言を行いま

す。これらの法人は「宣言法人」

となります。宣言法人は、認証の

取得に向けて、テーマ別研修や個

別相談などの支援が受けられま

す。

 宣言法人が認証を取得する場

合は申請を行い、基準を満たして

いるかどうかの審査を受けます。

 その後、審査結果を基に学識経

験者等で構成される認証委員会

において、認証の決定が行われま

す。

 評価項目4分野のうちクリアし

た数が2〜3であれば「レベル2

(★★)」、4項目すべてをクリ

アしていれば「レベル3(★★

★)」となります。

▲ 認証制度のロゴマーク▲ 認証マーク(一例)

平成30年度 栃木県介護人材緊急確保対策事業の全体図

【量】参入促進介護職員人材育成指針

栃木県介護人材確保対策連絡調整会議

連絡調整会議ワーキンググループ

○小中高校生向け介護のお仕事 出前講座○職場体験の実施○再就職支援○介護人材マッチング事業○ホームページ等を活用した周知・啓発○障害者雇用に向けた初任者研修事業○中高齢者向け介護入門研修○小中学生向け体験バスツアー○児童・生徒向けパンフレット作成○高等学校教員対象介護の仕事 理解促進事業○離職した介護人材の届出事業○修学資金貸付事業○再就職準備金貸付事業

【質】資質の向上

○介護人材キャリアパス支援事業◆社会福祉士会◆介護福祉士会◆老人福祉施設協議会◆介護福祉士養成校○初任者研修費用助成事業○各種研修に係る代替要員の確保○実務者研修費用貸付

【基盤整備】

○栃木県介護人材確保対策 連絡調整会議ワーキンググループ○介護人材の育成・定着に取り組む 介護事業所の認証・評価制度

【環境整備】労働環境・処遇改善

○介護職員合同入職式○介護ロボット導入支援事業○雇用管理改善に取り組む事業者の 表彰制度○事業所内保育施設運営支援事業

◆介護人材確保対策の提案・実施◆介護人材確保対策の連携強化 など

○主要団体による人材確保対策の協議等・取組の方向性の確認 など

○「参入促進」、「資質の向上」、「労働環境・処遇改善」という3つの柱は循環し、事業効果が高まる仕組み

[特集]福祉・介護人材の確保に向けた取組

4

 認証を取得した法人は県の

ホームページ等に掲載され、求職

者等に向けて周知されるほか、事

業所の看板や車両等に「認証マー

ク」を表示でき、県民に対して

「介護人材育成」に取り組んでい

る法人であることをアピールでき

ます。

 現時点で、認証制度の取組宣言

をした法人は83、認証を受けた法

人は11です。(H30・12・1現在)

介護の現場を見て、体験して、感じてほしい。

小中高校生が将来の仕事を考えるきっかけに

社会福祉法人

栃木県社会福祉協議会

福祉人材・研修センター

介護人材の参入促進に向けて

 同センターは「栃木県介護

人材確保対策連絡調整会議」

の一団体として、介護人材育

成・確保・定着に向け、各種

事業に取り組んでいます。中

でも、若者の介護職への参入

を促進するため、小中学生向

け「福祉・介護のお仕事体験

バスツアー」や小中高校生向

け「介護のお仕事出前講座」

などを積極的に実施していま

す。

 平成29年度より開始したバ

スツアーの参加者は延べ83

人、出前講座の今年度の開催

は県内56校になります。

 同センターでは、子ども時

代の様々な体験や活動が将来

の職業選択に影響すると考

え、福祉・介護の現場で働く

職員の生の声を多くの子ども

たちに届けると同時に、自分

の目で見て、聞いて、さらに

体験することで福祉・介護職

に興味を持つきっかけになっ

て欲しいと願っています。

 また、「福祉・介護のお仕

事体験バスツアー」では、子

どもたちと一緒に保護者にも

参加してもらうことで、保護

者への啓発も行い、子どもた

ちの進路や職業選択時の後押

しにつながっていくようにと

考えています。

 参加した子どもたちや保護

者からは、人に感謝される、

人の役に立つ仕事だと思っ

た、これまでのイメージがが

らりと変わり、介護の仕事に

興味を持った等の感想が寄せ

られています。

◀認証制度のガイドブック

1.スタートアップ

  セミナーへの参加

2.取組宣言

3.宣言書の受付(公表)

4.審査申請の準備

5.審査申請

6.訪問審査

7.県による認証

8.法人名を公表

▲介護浴槽にリフトを使って入浴体験

Step

4Step

3Step

2Step

1

▲認証制度に関するさまざまな情報発信をするホームページ。ここから必要書類をダウンロードできる

(https://www.eidell.co.jp/tochigi-kaigo/)

ふくしとちぎ January 2019 No.482

5

Page 6: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

採用の間口を広げパーソナルな働き方を支援。

フルタイムにこだわらない勤務形態を整備

社会福祉法人

宝生会(ほうせいかい)

認証法人の取組

 同法人は、宇都宮市宝木本

町の介護老人保健施設「白楽

園」と介護老人福祉施設「敬

祥苑」のほか、同市星が丘で

グループホーム「カトレア」

を運営しています。

 3拠点合わせて約190人

の職員が勤務し、施設運営に

必要な法的人員は確保してい

ますが、理想とするサービス

を突き詰めれば突き詰めるほ

◀新棟機能訓練室。県内で初めてパワー

 リハビリ機器を導入

ど終わりのない介護の現場にお

いて、人手不足を感じる場面も

少なくないそうです。

 かねてより労働環境の整備に

力を入れてきた同法人は、職員

一人ひとりの働き方に合わせ、

フルタイムにこだわらない勤務

形態を整備してきました。1日

3〜4時間や週2日など短時間

勤務を実施しています。

 同時に、採用の間口を広げる

ために介護アシスタント制を導

入。掃除や片付け、ベッドメイ

クなど補助的な作業をアシスタ

ントが行い、介護職員をサポー

トしています。中にはアシスタ

ント職を通じて介護の仕事にや

りがいを見出し、介護職員に

キャリアアップするケースもあ

るといいます。

 ちなみに、同法人の人材確保

は通常採用が基本で人材紹介や

人材派遣は利用していません。

ハローワークへの求人のほか、

施設の利用者や職員の家族、施

設に出入りするボランティアか

らの紹介で採用に至るケースも

あるそうです。

 幅広い年齢層の採用も人材確

保の一手段で、同法人には新卒

採用した20歳の職員から70歳代

の送迎運転手まで、個々人のス

キルや強みを生かして適材適所

で仕事をしています。

 また、同法人は県内の社会福

祉法人の中でもいち早く人事考

課制度を導入し、職員の貢献度

や業績を一定の基準で評価して

きました。同時にキャリアパス

を念頭に置いた人材育成や資質

向上、資格取得支援に取り組む

ほか、ワークライフバランスの

実現に向けて「短時間有給休暇

制度」や「短時間正職員制度」

を導入するなど、先進的な取組

を続けています。

 今年度、とちぎ介護人材育成

認証制度を受けた理由は、法人

としてこれまで取り組んできた

ことを再確認し、客観的な視点

で見直すため。認証分野全4

分野をクリアした「レベル3

(★★★)」の認証を受けまし

た。

 「利用者にとってはどの施設

に行っても安心して介護サー

ビスが受けられ、また、職員

にとってはやりがいを持って

働けることが理想です。この

認証制度が一法人だけのお墨

付きに留まらず、業界全体の

レベルアップに寄与し、介護

の仕事の魅力向上につながる

ことを切に願います」(沼尾理

事長)

▲研修(グループワーク)

6

[特集]福祉・介護人材の確保に向けた取組

●職員派遣について

 平成30年6月28日から7月8日に

かけて、西日本を中心に大きな被害

をもたらした「平成30年7月豪雨災

害」の支援として、被災地社会福祉

協議会の応援要請により、生活福祉

資金緊急小口資金特例貸付業務支

援、災害ボランティアセンター運営

支援のための職員派遣を行いまし

た。

 今回の職員派遣では、県内の13市

町社会福祉協議会の協力を得て、本

会職員も含めた延べ27名の職員を広

島県広島市(11名)・呉市(16名)

へ派遣しました。

●被災地の様子

 職員派遣が行われた広島県は、瀬

戸内海と山に囲まれて平地が少な

く、大雨による土砂崩れや土石流が

発生しやすい地理的特徴を持ちま

す。そのため、支援に入った広島市

や呉市も山間部や河川の合流地付近

を中心に、豪雨による土砂や浸水な

どの被害がありました。

 派遣先の災害ボランティアセン

ターでは、センターの運営に地域住

民の協力が欠かせないものとなって

いました。特に特徴的な取り組み

だったのが、呉市安浦地区の一部の

地域で行われていた、ボランティア

の活動先を自治会が調整する手法で

す。

 これは、センターが自治会へボラ

ンティアを派遣し、ボランティアの

活動先や活動内容の調整は、自治会

長が中心となって、その地域の中で

行う手法です。

 地域をよく知る自治会長が、活動

先・活動内容の調整をはじめ、ボラ

ンティア送迎の調整や資

機材の運搬等、様々な場

面で主体となって活動し

ており、センター運営の

キーパーソンとなってい

ました。

 日頃から地域の一人ひ

とりに寄り添う地元社協

の姿勢が、住民との協働

によるセンター運営を可

能としているのではない

かと感じました。

●今回の災害派遣の学び

を生かして

 平成30年9月に、県内

から派遣された職員を対

象に災害

派遣の振

り返りを

実施しま

した。振

り返りで

は、派遣

先の災害

ボランテ

ィアセン

ターの参

考になっ

た点や今後県内で活かせる点につい

て話し合いました。参考になった点

としては「災害ボランティアセンタ

ーに地域住民が積極的に参加・協働

していた」「ブロック派遣者間での

引継ぎ(被災地社協の負担減)」な

どが挙げられ、県内でも活かせる点

としては「地元住民との協働」「救

護班(看護ボランティア)の同行」

「5日間程度継続した派遣スパン」

など多くの意見が出されました。

 栃木県社協では、社協の災害支援

体制や協働について検討する「災害

支援のあり方検討会」をはじめ、災

害対応強化・基盤づくりに向けた、

各種会議・研修を実施しています。

今回の災害派遣の経験や振り返りで

の意見をそれらの各種会議・研修に

繋げ、栃木県としての災害対応力の

底上げや災害支援体制の構築を図っ

ていきます。

平成30年7月豪雨災害 支援活動の報告

▲ ボランティアの活動先調整の様子

災害ボランティアセンター職員派遣先

8月 4日~10日 鹿沼市、壬生町、栃木県 各1名8月21日~27日 宇都宮市、栃木市 各1名10月13日~18日 宇都宮市、栃木県 各1名

期 間       派遣社協職員[派遣先]広島市南区・安芸区災害ボランティアセンター

生活福祉資金職員派遣先

07月25日~28日   栃木市、栃木県 各1名07月29日~08月01日 鹿沼市、栃木県 各1名08月05日~08月11日 栃木県 1名

期 間         派遣職員[派遣先]広島市・呉市社会福祉協議会

08月04日~10日 日光市、那須塩原市、栃木県 各1名08月21日~27日 真岡市、那珂川町、栃木県 各1名09月03日~09日 鹿沼市、市貝町、栃木県 各1名09月15日~21日 野木町、那須町、栃木県 各1名09月27日~29日 小山市、芳賀町、栃木県 各1名

期 間       派遣社協職員[派遣先]呉市災害ボランティアセンター(安浦サテライト)

安芸太田町

北広島町安芸高田市

安佐北区

広島市広島市

大竹市

佐伯区 安佐南区

西区西区東区

中区中区南区南区

府中町府中町安芸区安芸区

安浦地区安浦地区

海田町海田町熊野町熊野町

東広島市

竹原市

三原市

世羅町

尾道市福山市

府中市

神石高原町三次市

庄原市

大崎上島町大崎上島町

坂町坂町

呉市

江田島市江田島市

廿日市市

ふくしとちぎ January 2019 No.482

7

Page 7: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

採用の間口を広げパーソナルな働き方を支援。

フルタイムにこだわらない勤務形態を整備

社会福祉法人

宝生会(ほうせいかい)

認証法人の取組

 同法人は、宇都宮市宝木本

町の介護老人保健施設「白楽

園」と介護老人福祉施設「敬

祥苑」のほか、同市星が丘で

グループホーム「カトレア」

を運営しています。

 3拠点合わせて約190人

の職員が勤務し、施設運営に

必要な法的人員は確保してい

ますが、理想とするサービス

を突き詰めれば突き詰めるほ

◀新棟機能訓練室。県内で初めてパワー

 リハビリ機器を導入

ど終わりのない介護の現場にお

いて、人手不足を感じる場面も

少なくないそうです。

 かねてより労働環境の整備に

力を入れてきた同法人は、職員

一人ひとりの働き方に合わせ、

フルタイムにこだわらない勤務

形態を整備してきました。1日

3〜4時間や週2日など短時間

勤務を実施しています。

 同時に、採用の間口を広げる

ために介護アシスタント制を導

入。掃除や片付け、ベッドメイ

クなど補助的な作業をアシスタ

ントが行い、介護職員をサポー

トしています。中にはアシスタ

ント職を通じて介護の仕事にや

りがいを見出し、介護職員に

キャリアアップするケースもあ

るといいます。

 ちなみに、同法人の人材確保

は通常採用が基本で人材紹介や

人材派遣は利用していません。

ハローワークへの求人のほか、

施設の利用者や職員の家族、施

設に出入りするボランティアか

らの紹介で採用に至るケースも

あるそうです。

 幅広い年齢層の採用も人材確

保の一手段で、同法人には新卒

採用した20歳の職員から70歳代

の送迎運転手まで、個々人のス

キルや強みを生かして適材適所

で仕事をしています。

 また、同法人は県内の社会福

祉法人の中でもいち早く人事考

課制度を導入し、職員の貢献度

や業績を一定の基準で評価して

きました。同時にキャリアパス

を念頭に置いた人材育成や資質

向上、資格取得支援に取り組む

ほか、ワークライフバランスの

実現に向けて「短時間有給休暇

制度」や「短時間正職員制度」

を導入するなど、先進的な取組

を続けています。

 今年度、とちぎ介護人材育成

認証制度を受けた理由は、法人

としてこれまで取り組んできた

ことを再確認し、客観的な視点

で見直すため。認証分野全4

分野をクリアした「レベル3

(★★★)」の認証を受けまし

た。

 「利用者にとってはどの施設

に行っても安心して介護サー

ビスが受けられ、また、職員

にとってはやりがいを持って

働けることが理想です。この

認証制度が一法人だけのお墨

付きに留まらず、業界全体の

レベルアップに寄与し、介護

の仕事の魅力向上につながる

ことを切に願います」(沼尾理

事長)

▲研修(グループワーク)

6

[特集]福祉・介護人材の確保に向けた取組

●職員派遣について

 平成30年6月28日から7月8日に

かけて、西日本を中心に大きな被害

をもたらした「平成30年7月豪雨災

害」の支援として、被災地社会福祉

協議会の応援要請により、生活福祉

資金緊急小口資金特例貸付業務支

援、災害ボランティアセンター運営

支援のための職員派遣を行いまし

た。

 今回の職員派遣では、県内の13市

町社会福祉協議会の協力を得て、本

会職員も含めた延べ27名の職員を広

島県広島市(11名)・呉市(16名)

へ派遣しました。

●被災地の様子

 職員派遣が行われた広島県は、瀬

戸内海と山に囲まれて平地が少な

く、大雨による土砂崩れや土石流が

発生しやすい地理的特徴を持ちま

す。そのため、支援に入った広島市

や呉市も山間部や河川の合流地付近

を中心に、豪雨による土砂や浸水な

どの被害がありました。

 派遣先の災害ボランティアセン

ターでは、センターの運営に地域住

民の協力が欠かせないものとなって

いました。特に特徴的な取り組み

だったのが、呉市安浦地区の一部の

地域で行われていた、ボランティア

の活動先を自治会が調整する手法で

す。

 これは、センターが自治会へボラ

ンティアを派遣し、ボランティアの

活動先や活動内容の調整は、自治会

長が中心となって、その地域の中で

行う手法です。

 地域をよく知る自治会長が、活動

先・活動内容の調整をはじめ、ボラ

ンティア送迎の調整や資

機材の運搬等、様々な場

面で主体となって活動し

ており、センター運営の

キーパーソンとなってい

ました。

 日頃から地域の一人ひ

とりに寄り添う地元社協

の姿勢が、住民との協働

によるセンター運営を可

能としているのではない

かと感じました。

●今回の災害派遣の学び

を生かして

 平成30年9月に、県内

から派遣された職員を対

象に災害

派遣の振

り返りを

実施しま

した。振

り返りで

は、派遣

先の災害

ボランテ

ィアセン

ターの参

考になっ

た点や今後県内で活かせる点につい

て話し合いました。参考になった点

としては「災害ボランティアセンタ

ーに地域住民が積極的に参加・協働

していた」「ブロック派遣者間での

引継ぎ(被災地社協の負担減)」な

どが挙げられ、県内でも活かせる点

としては「地元住民との協働」「救

護班(看護ボランティア)の同行」

「5日間程度継続した派遣スパン」

など多くの意見が出されました。

 栃木県社協では、社協の災害支援

体制や協働について検討する「災害

支援のあり方検討会」をはじめ、災

害対応強化・基盤づくりに向けた、

各種会議・研修を実施しています。

今回の災害派遣の経験や振り返りで

の意見をそれらの各種会議・研修に

繋げ、栃木県としての災害対応力の

底上げや災害支援体制の構築を図っ

ていきます。

平成30年7月豪雨災害 支援活動の報告

▲ ボランティアの活動先調整の様子

災害ボランティアセンター職員派遣先

8月 4日~10日 鹿沼市、壬生町、栃木県 各1名8月21日~27日 宇都宮市、栃木市 各1名10月13日~18日 宇都宮市、栃木県 各1名

期 間       派遣社協職員[派遣先]広島市南区・安芸区災害ボランティアセンター

生活福祉資金職員派遣先

07月25日~28日   栃木市、栃木県 各1名07月29日~08月01日 鹿沼市、栃木県 各1名08月05日~08月11日 栃木県 1名

期 間         派遣職員[派遣先]広島市・呉市社会福祉協議会

08月04日~10日 日光市、那須塩原市、栃木県 各1名08月21日~27日 真岡市、那珂川町、栃木県 各1名09月03日~09日 鹿沼市、市貝町、栃木県 各1名09月15日~21日 野木町、那須町、栃木県 各1名09月27日~29日 小山市、芳賀町、栃木県 各1名

期 間       派遣社協職員[派遣先]呉市災害ボランティアセンター(安浦サテライト)

安芸太田町

北広島町安芸高田市

安佐北区

広島市広島市

大竹市

佐伯区 安佐南区

西区西区東区

中区中区南区南区

府中町府中町安芸区安芸区

安浦地区安浦地区

海田町海田町熊野町熊野町

東広島市

竹原市

三原市

世羅町

尾道市福山市

府中市

神石高原町三次市

庄原市

大崎上島町大崎上島町

坂町坂町

呉市

江田島市江田島市

廿日市市

ふくしとちぎ January 2019 No.482

7

Page 8: 482No.482 3 人等に御協力いただき、避難所等に福祉の専門チーム(とともに「栃木県災害福祉広域支援協議会」を設置し、社会福祉法援体制づくりが求められています。そこで、県では、福祉関係団体ニーズを的確に把握し、生活機能の

開催時間(両日)▶13:00~15:30 履歴書不要入退場自由 服 装 自 由申 込 不 要参加費無料

[会場]小山市中央公民館    小山市中央町1-1-1

[主な参加事業所対象エリア] 小山市、栃木市、下野市、野木町、壬生町、上三川町

1月26日土県南小山市 [会場]とちぎ福祉プラザ

    宇都宮市若草1-10-6[主な参加事業所対象エリア] 県内全域(25市町)

2月16日土県域宇都宮市

[TEL]028-643-5622 [FAX]028-623-4963

社会福祉法人 栃木県社会福祉協議会福祉人材・研修センター(福祉人材無料職業紹介所)[問い合わせ]

福祉のお仕事就職フェア(エリア別)のお知らせ県内を地域ごとにエリア分けし、合同就職相談会を実施します。福祉事業所の採用担当者などから、仕事の内容や勤務条件を直接聞くことができます。総合相談ブースもありますので、未経験の方や資格のない方も気軽にご参加ください。 

[対象者]以下の①~③の全てに該当する方/①と④に該当する方①介護職員初任者研修の受講料を負担し受講した方でかつ研修を修了した方(但し平成30年4月以降に修了する研修に限る)②栃木県社会福祉協議会 福祉人材・研修センターに求職登録のある方、これから登録する方③介護職員初任者研修を修了した日から3ヶ月以内に県内の介護施設等に就職し、6ヶ月以上継続して就労し、引き続き就労している方④県内の介護施設等に所属し、初任者研修を修了し資格取得後も継続して就労している方

介護職員初任者研修受講費用助成制度のご案内

今年度最後の就職フェアです!ご参加お待ちしてます!

介護の仕事を始める方や介護のお仕事従事者を応援します!

[助成額]介護職員初任者研修     受講費用の半額で

50,000円以内(千円未満は切り捨て)

●定員50名程度(先着順となります)●申請から助成金の交付までは、2ヶ月程度かかりますのでご了承ください

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