宇宙空間物理学の課題

　　長井嗣信（東京工業大学）

2010 年 3 月 15 日 11:30 – 12:30

２．人工衛星 Geotail 磁場観測　　 PI 1992.9- 世界へのデータ提供

Geotail磁場観測

３．人工衛星「あけぼの」　　　 放射線粒子観測 PI 1989.3- WEB でのデータ公開

月探査衛星「かぐや」による月のプラズマ環境　　　　　　　　寺川・角川・松本・長井　（東工大）　　　　　　　　西野・斎藤　　　　　　　　（宇宙科学研究所）

プラズマ観測 PACE (Plasma experiment-Plasma energy Angle and Composition Experiment) PI 宇宙研 斎藤 東大、名古屋大、京大、情報通信研究機構、東工大

Physics of Solar System Plasmas Thomas E. Cravens 1997 The Moon lacks an atmosphere, or ionosphere, and does not possess a significantintrinsic magnetic field, and the lunar rock itself is a poor electrical conductors. Asa consequence of these properties the moon is not able to deflect the solar windaround it; instead, the solar wind runs into the Moon and is absorbed.

太陽風プラズマ

吸収

月に対する従来の考え方　（教科書）

プラズマのない真空

月探査衛星「かぐや」

高度 100km(40km) 周期 2 時間

UT 0030 0120 0210

April 20, 2009

1

1

2

3

1 2 3

月面での太陽風プロトンの反射

月面で反射されたプロトン

高度 40kmから見える月面は 370km先（経度 12度）

月面を向いた検出器の観測

月面を向いた検出器の観測

UT 0250 0340 0430

April 22, 2009

月面で反射されたプロトン

強い反射

２時間の月周回中の太陽風のイオン J(t’) に対する反射イオン J(t) の割合

太陽風イオン　　　　　　　太陽風イオン　　　　　　　　太陽風イオン

反射イオン

平均高度： 45.19km

2009年 4月

Reiner GammaDescartes

Rima Sirsalis Airy

Orientale antipode Crisium antipode

Imbrium antipodeSerenitatis antipode

South Pole-Aitken (SPA)

Stofler

月の磁気異常

90 120 150 180 -150 -120 -9060300-30-60-90

2009 年 4 月　平均高度： 45.18km

月の磁気異常で多大きな反射率

「かぐや」での高度 40kmの　　　月周辺の磁場強度

太陽風の磁場強度

月面を向いた検出器の観測

UT 0250 0340 0430

April 22, 2009

月面で反射されたプロトン

強い反射反射したプロトンはどこにいくのか？

プロトンの軌道　　　　太陽風電場による加速　　　（磁場は手前へ向き）

V = 400 km/s B = 5 nT E = 2 mV/m VExB = E/B = 400 km/s 10nT 4 mV/m VExB = E/B = 400 km/s

いろいろな方向

0,..90,..180度

V = 400 km/s

いろいろの初速度

0,50,..,400 km/s

反射されたプロトンの軌道

この領域真空だったはず

反射プロトンの速度

到達できる最高エネルギー　　　太陽風プロトンの 9倍

UT 1200 1300 1400 1500 1600

March 03, 2009

1A B

A

B

太陽風イオンと加速されたプロトン

太陽風イオン

月の前面での観測

加速されたプロトンの月の裏側への侵入

いろいろの初速度

0,50,..,400 km/s

観測されるプロトンにはエネルギーの上限がある

5 keV solar wind ions 0.6 keV (0.6 x 9 = 5.4)

太陽風イオンと加速されたプロトン

太陽風

太陽風

バックトレース 2009/03/03 1334 - 1435 UT

バックトレース 10 イベント● 着地した● 着地しそうだった● 着地した● 着地しそうだった

月の地理上の緯度・経度月の地理上の緯度・経度

月の前面　　　　　　　　　　　　　　　　　裏側

大きな磁気異常　 　（ SPA)

バックトレース 10 イベント ● 着地した● 着地しそうだった■ 太陽直下点

● 着地した● 着地しそうだった■ 太陽直下点

SSE座標の緯度・経度SSE座標の緯度・経度

太陽直下点を中心とした座標系加速イオン：　太陽直下点付近で反射した太陽風プロトンが太陽風電場で加速される

Physics of Solar System Plasmas Thomas E. Cravens 1997 The Moon lacks an atmosphere, or ionosphere, and does not possess a significantintrinsic magnetic field, and the lunar rock itself is a poor electrical conductors. Asa consequence of these properties the moon is not able to deflect the solar windaround it; instead, the solar wind runs into the Moon and is absorbed.

太陽風プラズマ

吸収

月に対する従来の考え方　（教科書）

プラズマのない真空

月探査衛星「かぐや」

高度 100km(40km) 周期 2 時間

太陽風プラズマ

「月に対する従来の考え方　（教科書）」改訂する必要

反射

月の裏側へも侵入できる

太陽直下点付近で月面で反射された太陽風のプロトンは、月の周辺を（裏側までも）満たしている。

２．人工衛星 Geotail 磁場観測　　 PI 1992.9- 世界へのデータ提供

Geotail磁場観測

UT 0900 1000 1100

April 24, 2009

電子

電子

イオン

イオン

電子の加速

イオンの減速

月探査衛星「かぐや」による月のプラズマ環境　　　　　　　　松本・長井　（東工大）　　　　　　　　西野・斎藤　　　　　　　　（宇宙科学研究所）

2010 年度の研究計画

電子のダイナミクスの調べ、月のプラズマ環境の解明