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和和 和和和 和 15 和 和和和和和和和和和和和和和

和田 勝

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生物学. 第 15 回 愛は神経とホルモンに乗って. 和田 勝. 「愛」って何?. 定型行動( Fixed action pattern ). たとえば次の例を見てください。. 刺激と反応. 音、光、匂いなど. 外界からの刺激. 個体. 受容器. 中枢神経系. 効果器. 反応. いろいろな行動. ニューロンの数が増える. 脊髄と脳. ニューロンの数が増える. 中枢神経系(脊髄と脳)の中に介在ニューロンによる神経回路が、つくられるようになります。. 特定の神経回路が、定型的行動パターンに対応するようになります(たとえば、歩行運動)。. 定型行動の解発. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 和田 勝

和田 勝和田 勝

生物学生物学第 15 回 愛は神経とホルモンに乗って第 15 回 愛は神経とホルモンに乗って

Page 2: 和田 勝

「愛」って何?「愛」って何?

Page 3: 和田 勝

定型行動( Fixed action pattern )定型行動( Fixed action pattern )

たとえば次の例を見てください。たとえば次の例を見てください。

Page 4: 和田 勝

外界からの刺激外界からの刺激

中枢神経系中枢神経系 効果器効果器受容器受容器

反応反応

刺激と反応刺激と反応音、光、匂いなど音、光、匂いなど

いろいろな行動いろいろな行動

個体個体

Page 5: 和田 勝

ニューロンの数が増えるニューロンの数が増える

脊髄と脳脊髄と脳

Page 6: 和田 勝

中枢神経系(脊髄と脳)の中に介在ニューロンによる神経回路が、つくられるようになります。

中枢神経系(脊髄と脳)の中に介在ニューロンによる神経回路が、つくられるようになります。

特定の神経回路が、定型的行動パターンに対応するようになります(たとえば、歩行運動)。

特定の神経回路が、定型的行動パターンに対応するようになります(たとえば、歩行運動)。

ニューロンの数が増えるニューロンの数が増える

Page 7: 和田 勝

定型行動の解発定型行動の解発

鍵刺激鍵刺激

プログラム発生器

プログラム発生器

行動行動鍵刺激検出機構鍵刺激検出機構

ある特定の行動を引き起こすのは鍵刺激で、最初の鍵刺激は外界からの感覚情報です。

ある特定の行動を引き起こすのは鍵刺激で、最初の鍵刺激は外界からの感覚情報です。

Page 8: 和田 勝

と言えば、有名なのは Tinbergenによるトゲウオの研究です。と言えば、有名なのは Tinbergenによるトゲウオの研究です。

繁殖期を迎えると、オスのトゲウオの頭部から腹側にかけて赤くなり、眼は青くなります。

繁殖期を迎えると、オスのトゲウオの頭部から腹側にかけて赤くなり、眼は青くなります。

鍵刺激と定型行動鍵刺激と定型行動

オスはまず、なわばりを作ります。

オスはまず、なわばりを作ります。

Page 9: 和田 勝

オスはなわばりに入ってきた他のオスを追い払います。オスはなわばりに入ってきた他のオスを追い払います。

鍵刺激と定型行動鍵刺激と定型行動

Page 10: 和田 勝

オスはなわばりに入ってきたメスに対しては求愛行動を示します。

オスはなわばりに入ってきたメスに対しては求愛行動を示します。

鍵刺激と定型行動鍵刺激と定型行動

Page 11: 和田 勝

攻撃行動の解発因は( releaser )は赤い腹をしたオス個体です。攻撃行動の解発因は( releaser )は赤い腹をしたオス個体です。

鍵刺激と定型行動鍵刺激と定型行動

鍵刺激( key stimuli )となっているのは「腹部が赤い」です。鍵刺激( key stimuli )となっているのは「腹部が赤い」です。

一方、求愛行動の鍵刺激となっているのは「腹部が大きい」です。

一方、求愛行動の鍵刺激となっているのは「腹部が大きい」です。

Page 12: 和田 勝

それは次のような実験から確かめることができます。下の図で攻撃行動を誘発できるのは?

それは次のような実験から確かめることができます。下の図で攻撃行動を誘発できるのは?

鍵刺激と定型行動鍵刺激と定型行動

XX

○○ ○○

○○○○

Page 13: 和田 勝

定型行動の連鎖定型行動の連鎖

Page 14: 和田 勝

生得的行動の解発生得的行動の解発鍵刺激鍵刺激

プログラム発生器

プログラム発生器

行動行動鍵刺激検出機構鍵刺激検出機構

プログラム発生器

プログラム発生器

行動行動鍵刺激検出機構鍵刺激検出機構

行動が鍵刺激となって、次の行動を引き起こす。このような連鎖が起こって一連の生得的行動が起こる。

行動が鍵刺激となって、次の行動を引き起こす。このような連鎖が起こって一連の生得的行動が起こる。

Page 15: 和田 勝

愛はどこに行ったの?愛はどこに行ったの?

トゲウオと極楽鳥の2つの求愛行動( courtship behavior )を例として挙げましたが、ここに「愛」は存在するのでしょうか?

トゲウオと極楽鳥の2つの求愛行動( courtship behavior )を例として挙げましたが、ここに「愛」は存在するのでしょうか?

子孫を残すための繁殖を成功させるために、オスとメスが一時的に番いとなって一連の繁殖行動を行っています。

子孫を残すための繁殖を成功させるために、オスとメスが一時的に番いとなって一連の繁殖行動を行っています。

Page 16: 和田 勝

オキシトシンの発見オキシトシンの発見

ここでまたまた唐突ですが、オキシトシンの発見物語をします。ここでまたまた唐突ですが、オキシトシンの発見物語をします。

オキシトシン( oxytocin )は、哺乳類の脳下垂体神経葉(後葉ともいう)から血中に放出されるペプチドホルモン(アミノ酸 9 つからなる)で、出産のときに子宮筋を収縮させ、乳腺に働いて乳汁の射出を促す働きがあります。

オキシトシン( oxytocin )は、哺乳類の脳下垂体神経葉(後葉ともいう)から血中に放出されるペプチドホルモン(アミノ酸 9 つからなる)で、出産のときに子宮筋を収縮させ、乳腺に働いて乳汁の射出を促す働きがあります。

Page 17: 和田 勝

オキシトシンの発見オキシトシンの発見1909 年に、 Dale が脳下垂体神経葉の抽出物に子宮を収縮させる物質が含まれていることを報告しました。

1909 年に、 Dale が脳下垂体神経葉の抽出物に子宮を収縮させる物質が含まれていることを報告しました。

Page 18: 和田 勝

オキシトシンの発見オキシトシンの発見

1953 年になって、アメリカのVigneaud によって、オキシトシンの一次構造が決められ、生化学的に合成された。オキシトシンは構造が明らかになった最初のペプチドホルモンである。

1953 年になって、アメリカのVigneaud によって、オキシトシンの一次構造が決められ、生化学的に合成された。オキシトシンは構造が明らかになった最初のペプチドホルモンである。オキシトシンの一次構造(アミノ酸配列)オキシトシンの一次構造(アミノ酸配列)    S             S

   Cys-Tyr-Ile-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly ( NH2 )

    S             S   Cys-Tyr-Ile-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly ( NH2 )

Page 19: 和田 勝

オキシトシンオキシトシン1 番目と 6 番目の2つの Cystein の間で S-S 結合が作られるので、下の図のような構造となり、

1 番目と 6 番目の2つの Cystein の間で S-S 結合が作られるので、下の図のような構造となり、

Page 20: 和田 勝

オキシトシンオキシトシン空間充填モデルで表すと、次のような構造。空間充填モデルで表すと、次のような構造。

Page 21: 和田 勝

オキシトシン受容体オキシトシン受容体信号分子が作用を表すことができるのは、その分子に対する受容体があるからです。子宮筋や乳腺の周りの平滑筋には受容体が存在します。

信号分子が作用を表すことができるのは、その分子に対する受容体があるからです。子宮筋や乳腺の周りの平滑筋には受容体が存在します。

オキシトシンオキシトシン

オキシトシン受容体オキシトシン受容体

G タンパク質G タンパク質

平滑筋の収縮平滑筋の収縮

Page 22: 和田 勝

一次構造(アミノ酸配列)は次の通り。一次構造(アミノ酸配列)は次の通り。

オキシトシン受容体オキシトシン受容体

10 20 30 40 50 60 1 MEGALAANWS AEAANASAAP PGAEGNRTAG PPRRNEALAR VEVAVLCLIL LLALSGNACV 61 LLALRTTRQK HSRLFFFMKH LSIADLVVAV FQVLPQLLWD ITFRFYGPDL LCRLVKYLQV 121 VGMFASTYLL LLMSLDRCLA ICQPLRSLRR RTDRLAVLAT WLGCLVASAP QVHIFSLREV 181 ADGVFDCWAV FIQPWGPKAY ITWITLAVYI VPVIVLAACY GLISFKIWQN LRLKTAAAAA 241 AEAPEGAAAG DGGRVALARV SSVKLISKAK IRTVKMTFII VLAFIVCWTP FFFVQMWSVW 301 DANAPKEASA FIIVMLLASL NSCCNPWIYM LFTGHLFHEL VQRFLCCSAS YLKGRRLGET 361 SASKKSNSSS FVLSHRSSSQ RSCSQPSTA

3p253p25

Page 23: 和田 勝

オキシトシン受容体オキシトシン受容体

推定モデル推定モデル

Page 24: 和田 勝

セカンドメッセンジャーセカンドメッセンジャー前のスライドでは、 G タンパク質が直接、平滑筋の収縮を起こすように書いてあるが、実際には G タンパク質は、酵素を活性化して、その酵素がセカンドメッセンジャーを生成する。

前のスライドでは、 G タンパク質が直接、平滑筋の収縮を起こすように書いてあるが、実際には G タンパク質は、酵素を活性化して、その酵素がセカンドメッセンジャーを生成する。G タンパク質G タンパク質

酵素の活性化酵素の活性化

セカンドメッセンジャー生成

セカンドメッセンジャー生成

平滑筋の収縮平滑筋の収縮

Page 25: 和田 勝

セカンドメッセンジャーセカンドメッセンジャーオキシトシン受容体の場合は、活性化される酵素はホスホリパーゼ C で、セカンドメッセンジャーは IP3/DAGである。

オキシトシン受容体の場合は、活性化される酵素はホスホリパーゼ C で、セカンドメッセンジャーは IP3/DAGである。G タンパク質G タンパク質

ホスホリパーゼ Cホスホリパーゼ C

IP3/DAG 生成IP3/DAG 生成

平滑筋の収縮平滑筋の収縮

Ca2+上昇Ca2+上昇

Page 26: 和田 勝

ホスホリパーゼ C は、リン脂質のリン酸ジエステル結合(グリセロールとの間)を切断し、ジアシルグリセロール( DAG )とリン酸基を有する頭部(ここではイノシトール三リン酸、 IP3 )を生成する酵素である。

ホスホリパーゼ C は、リン脂質のリン酸ジエステル結合(グリセロールとの間)を切断し、ジアシルグリセロール( DAG )とリン酸基を有する頭部(ここではイノシトール三リン酸、 IP3 )を生成する酵素である。

ホスホリパーゼ C の補足ホスホリパーゼ C の補足

Page 27: 和田 勝

細胞膜( cell membrane )細胞膜( cell membrane )

脂質の二重膜( lipid bilayer )である。脂質の二重膜( lipid bilayer )である。

タンパク質タンパク質

Page 28: 和田 勝

細胞膜の構造細胞膜の構造

電子顕微鏡で観察すると、上の写真のように二重の膜である。電子顕微鏡で観察すると、上の写真のように二重の膜である。

Page 29: 和田 勝

細胞膜の構成要素細胞膜の構成要素脂質とタンパク質から構成される。脂質とタンパク質から構成される。脂質は以下のように分類できる脂質は以下のように分類できる

単純脂質単純脂質

複合脂質複合脂質

誘導脂質誘導脂質

トリアシルグリセロールなどの中性脂肪トリアシルグリセロールなどの中性脂肪

グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質など

グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質など

Page 30: 和田 勝

    OR1-C

     O-

    OR1-C

     O-++

HH-C-OHH-C-OHH-C-OH  H

HH-C-OHH-C-OHH-C-OH  H

    OR2-C

     O-

    OR2-C

     O-

    OR3-C

     O-

    OR3-C

     O-

中性脂肪中性脂肪

   H    O   O H-C-O-C-R1

R2-C-O-C-H   H-C-O-C-R3

    H O

   H    O   O H-C-O-C-R1

R2-C-O-C-H   H-C-O-C-R3

    H O

R は長い炭化水素の鎖。途中に二重結合を含むこともある。

R は長い炭化水素の鎖。途中に二重結合を含むこともある。

Page 31: 和田 勝

   H    O   O H-C-O-C-R1

R2-C-O-C-H O   H-C-O-P-O-X    H O-

   H    O   O H-C-O-C-R1

R2-C-O-C-H O   H-C-O-P-O-X    H O-

X=コリン、セリン、エタノールアミン、  イノシトールなど

X=コリン、セリン、エタノールアミン、  イノシトールなど

リン脂質( phospholipid )リン脂質( phospholipid )フォスファチド( phosphatide )とも言うフォスファチド( phosphatide )とも言う

Page 32: 和田 勝

   O    H   R1-C-O-C-H O          CH3

    H-C-O-P-O-CH2-CH2-N+-CH3

R2-C-O-C-H O-         CH3

   O    H             

   O    H   R1-C-O-C-H O          CH3

    H-C-O-P-O-CH2-CH2-N+-CH3

R2-C-O-C-H O-         CH3

   O    H             

フォスファチジルコリンフォスファチジルコリン

細胞膜の主要な成分細胞膜の主要な成分

Page 33: 和田 勝

フォスファチジルコリンフォスファチジルコリン

頭部極性頭部極性

尾部非極性尾部非極性

のように簡単にあらわすことができる

のように簡単にあらわすことができる

Page 34: 和田 勝

フォスファチジルコリンをフォスファチジルコリンを

フォスファチジルコリンをぎっしり並べると、、、フォスファチジルコリンをぎっしり並べると、、、

Page 35: 和田 勝

脂質二重膜lipid bilayer

脂質二重膜lipid bilayer

水分子水分子

水分子水分子

脂質の二重膜脂質の二重膜

Page 36: 和田 勝

脂質二重膜の性質脂質二重膜の性質分子の性質 例 透過性

疎水性分子 N2 、 O2 、炭化水素 自由に透過

極性のある小分子

H2O 、 CO2 、グリセロール、尿素

自由に透過

極性のある大分子

ブドウ糖などの単糖類、二糖類

透過できない

イオンや電荷を持つ分子

アミノ酸、 H+ 、 HCO3- 、 Na+ 、 K+ 、 Ca2+ 、 Cl- 、Mg2+

透過できない

Page 37: 和田 勝

IP3 は滑面小胞体に蓄えられた Ca2 +を放出させる。IP3 は滑面小胞体に蓄えられた Ca2 +を放出させる。

ホスホリパーゼ C の補足ホスホリパーゼ C の補足

Page 38: 和田 勝

乳腺の平滑筋にはオキシトシン受容体( OT: Gq/11 )が備わっており、これにオキシトシンが結合すると、 IP3/DAG がセカンドメッセンジャーとして生成される。

乳腺の平滑筋にはオキシトシン受容体( OT: Gq/11 )が備わっており、これにオキシトシンが結合すると、 IP3/DAG がセカンドメッセンジャーとして生成される。

そのため、平滑筋のサイトゾール中に Caイオン濃度があがり、収縮が起こる。

そのため、平滑筋のサイトゾール中に Caイオン濃度があがり、収縮が起こる。

乳腺平滑筋が収縮するのは乳腺平滑筋が収縮するのは

Page 39: 和田 勝

「オキシトシンは、子宮の筋層に働いて子宮の収縮を起こし、乳腺の筋肉性上皮を収縮させて乳汁の射出を促す、神経性下垂体ホルモンの一つ。視床下部の視索上核・室旁核で合成され、神経の軸索内を流れて神経葉に貯えられ、 Ca2

+依存性で血中に放出される。

「オキシトシンは、子宮の筋層に働いて子宮の収縮を起こし、乳腺の筋肉性上皮を収縮させて乳汁の射出を促す、神経性下垂体ホルモンの一つ。視床下部の視索上核・室旁核で合成され、神経の軸索内を流れて神経葉に貯えられ、 Ca2

+依存性で血中に放出される。

生物学辞典で調べると生物学辞典で調べると

Page 40: 和田 勝

乳汁の射出は、乳頭に加えられた刺激が神経を通って視床下部に伝えられ、オキシトシンを分泌させるという神経内分泌反射によって行われる。」(以上『岩波生物学辞典第4版』より)

乳汁の射出は、乳頭に加えられた刺激が神経を通って視床下部に伝えられ、オキシトシンを分泌させるという神経内分泌反射によって行われる。」(以上『岩波生物学辞典第4版』より)

Page 41: 和田 勝

オキシトシンの産生場所オキシトシンの産生場所オキシトシンは神経葉から放出されるが、産生場所は別だった(ちなみに腺葉のホルモンは脳下垂体で産生される)。

オキシトシンは神経葉から放出されるが、産生場所は別だった(ちなみに腺葉のホルモンは脳下垂体で産生される)。

Page 42: 和田 勝

視床下部の構造視床下部の構造

Page 43: 和田 勝

視床下部 - 神経葉系視床下部 - 神経葉系

この部分を拡大この部分を拡大

Page 44: 和田 勝

視床下部 - 神経葉系視床下部 - 神経葉系

アルデヒドフクシン染色アルデヒドフクシン染色神経葉ホルモンの抗体で染色神経葉ホルモンの抗体で染色

Page 45: 和田 勝

視床下部 - 神経葉系視床下部 - 神経葉系神経葉から分泌されるホルモンは視床下部のニューロンで合成され、軸索流によって神経葉まで運ばれる。

神経葉から分泌されるホルモンは視床下部のニューロンで合成され、軸索流によって神経葉まで運ばれる。

ニューロンへの入力によって、ホルモンが離れた場所の神経葉から血中に放出される。

ニューロンへの入力によって、ホルモンが離れた場所の神経葉から血中に放出される。

このように、神経細胞がホルモンを分泌する現象を神経分泌( neurosecretion )と呼んでいる。

このように、神経細胞がホルモンを分泌する現象を神経分泌( neurosecretion )と呼んでいる。

Page 46: 和田 勝

神経内分泌反射神経内分泌反射

Page 47: 和田 勝

神経内分泌反射神経内分泌反射

Page 48: 和田 勝

再び鳥の求愛行動再び鳥の求愛行動

Page 49: 和田 勝

鳥類の場合、愛は?鳥類の場合、愛は?この鳥はチャイロニワシドリといい、このあずまやは産卵場所として使われることはなく、メスは別なところに一人で巣をつくり、産卵して子育てをします。

この鳥はチャイロニワシドリといい、このあずまやは産卵場所として使われることはなく、メスは別なところに一人で巣をつくり、産卵して子育てをします。

鳥類の中にも永続的な番いを作るものもいますが、この鳥では番い関係は希薄です。

鳥類の中にも永続的な番いを作るものもいますが、この鳥では番い関係は希薄です。

Page 50: 和田 勝

哺乳類では違う?哺乳類では違う?

NHK  人体Ⅱ「脳と心」よりNHK  人体Ⅱ「脳と心」より

Page 51: 和田 勝

解体新ショー解体新ショー

NHK  解体新ショーよりNHK  解体新ショーより

Page 52: 和田 勝

オキシトシンスプレーオキシトシンスプレー

Page 53: 和田 勝

お値段は?お値段は?

Page 54: 和田 勝

オキシトシン受容体の脳内分布オキシトシン受容体の脳内分布Vole で示されたようにオキシトシンの受容体が脳内にあることが示されている。I125 で標識したアゴニストを使って、オートラジオグラムを作成してみる。

Vole で示されたようにオキシトシンの受容体が脳内にあることが示されている。I125 で標識したアゴニストを使って、オートラジオグラムを作成してみる。

一夫一婦性( Monogamous )な prairie vole と、そうでない montane vole を使って、比較した。

一夫一婦性( Monogamous )な prairie vole と、そうでない montane vole を使って、比較した。ProNAS 89,5981-5985 (1992)ProNAS 89,5981-5985 (1992)

Page 55: 和田 勝

prairie voleprairie vole montane volemontane vole

オキシトシン受容体の脳内分布オキシトシン受容体の脳内分布

Page 56: 和田 勝

オキシトシンの作用機序オキシトシンの作用機序受容体があるのだから、そこへオキシトシンニューロンが来ているはずである。受容体があるのだから、そこへオキシトシンニューロンが来ているはずである。

オキシトシンニューロンは、神経葉から血中へ分泌するだけではなく、脳の様々な部位に投射をして、神経伝達物質の役割をはたしている。

オキシトシンニューロンは、神経葉から血中へ分泌するだけではなく、脳の様々な部位に投射をして、神経伝達物質の役割をはたしている。

特に重要なのが「扁桃体( amygdala )」である。特に重要なのが「扁桃体( amygdala )」である。

Page 57: 和田 勝

扁桃体扁桃体

Page 58: 和田 勝

扁桃体扁桃体扁桃体は、恐怖のような情動行動に関与している。サルで扁桃体を破壊すると、恐怖心がなくなり、不適切な対象物を口に運んだりする。

扁桃体は、恐怖のような情動行動に関与している。サルで扁桃体を破壊すると、恐怖心がなくなり、不適切な対象物を口に運んだりする。

Page 59: 和田 勝

扁桃体扁桃体

NHK  人体Ⅱ「脳と心」よりNHK  人体Ⅱ「脳と心」より

Page 60: 和田 勝

オキシトシンの作用機序オキシトシンの作用機序オキシトシンは、扁桃体で不安やストレスを軽減し、愛着や母性行動を高め、条件反射的な忌避反応を低減させるように働いている。つまり他人に対する警戒心を抑え、相手を信頼するように働く。

オキシトシンは、扁桃体で不安やストレスを軽減し、愛着や母性行動を高め、条件反射的な忌避反応を低減させるように働いている。つまり他人に対する警戒心を抑え、相手を信頼するように働く。

これが「愛」の原型である。これが「愛」の原型である。

Page 61: 和田 勝

愛とは愛とはオキシトシンというホルモンは、扁桃体という古い脳で働く神経伝達物質であったものが、哺乳類になって乳腺や子宮ができて、平滑筋に働くように転用されたのだろうと考えられる。

オキシトシンというホルモンは、扁桃体という古い脳で働く神経伝達物質であったものが、哺乳類になって乳腺や子宮ができて、平滑筋に働くように転用されたのだろうと考えられる。

さらにこの「愛」の原型に、大脳のさまざまな機能が関与するようになったのだろう。

さらにこの「愛」の原型に、大脳のさまざまな機能が関与するようになったのだろう。