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5-1 省エネルギー対策等級23 5-1 省エネルギー対策等級 暖冷房に使用するエネルギー効率を向上させるためには暖冷房機器の性能を向上させることも必要ですが、ここでは、新築時点

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  • 23

    5-1 省エネルギー対策等級

     暖冷房に使用するエネルギー効率を向上させるためには暖冷房機器の性能を向上させることも必要ですが、ここでは、新築時点

    から対策を講じておくことがとくに重要と考えられる構造躯体の断熱・気密化、冬期の日射の採入れ効果、夏期の日射を遮蔽する

    対策など、住宅本体の効果について評価します。あわせて、結露の発生を抑制するための対策についても評価しています。

     表示する等級は、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(通称「省エネ法」)に基づき定められた、新旧の「住宅の省エネル

    ギー基準」の水準に準拠して定めています。等級が高くなるほど、よりエネルギー効率の良い住宅となるような対策が講じられて

    いることを表しています。

     等級と同時に表示される「地域区分」は、全国を気候条件の違いに応じて大きく6つの地域に分け、市町村界により設定してい

    るものです。九州地区(沖縄を除く)の地域区分は、Ⅳ、Ⅴ地域となります。

    項     目 等級 結     果

    5.温熱環境に 関すること

    5-1省エネルギー対策  等級

    暖冷房に使用するエネルギーの削減のための断熱化等による対策の程度

    地域区分〔Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ〕

    エネルギーの大きな削減のための対策(エネルギーの使用の合理化に関する法律の規定による建築主の判断の基準に相当する程度)が講じられている

    エネルギーの一定程度の削減のための対策が講じられている

    エネルギーの小さな削減のための対策が講じられている

    その他

    〈地域の気候風土を踏まえた省エネ措置に関する基準〉 等級と同時に表示される「地域区分」は全国の気候条件の違いに応じて大きく6つの地域に分け、市町村界により設定して

    いるものです。地域によって同じ等級でも発泡ウレタンの厚さ等、対策の程度が異なります。

    4

    3

    2

    1

    省エネルギー対策の4つの等級

    温熱環境の性能については、「省エネルギー対策等級」という項目が設定されており1~4の等級に区分されています。

    等級4、3、2は各省エネルギー基準に対応しています。

    等 級 4  次世代省エネルギー基準(1999年)レベル

    等 級 3  新省エネルギー基準(1992年)レベル

    等 級 2  旧省エネルギー基準(1980年)レベル

    等 級 1  等級2に満たないものなど

  • 25

    断熱材の施工法 部   位断 熱 材 の 厚 さ(単位:㎜)

    B C D EA-2A-1断熱材の

    熱抵抗値※

    4.6

    4.0

    2.2

    3.3

    2.2

    1.7

    0.5

    4.0

    1.7

    2.5

    1.7

    0.5

    240

    210

    115

    175

    115

    90

    30

    210

    90

    130

    90

    30

    230

    200

    110

    165

    110

    85

    25

    200

    85

    125

    85

    25

    210

    180

    100

    150

    100

    80

    25

    180

    80

    115

    80

    25

    185

    160

    90

    135

    90

    70

    20

    160

    70

    100

    70

    20

    160

    140

    75

    115

    75

    60

    20

    140

    60

    85

    60

    20

    130

    115

    65

    95

    65

    50

    15

    115

    50

    70

    50

    15

    充填断熱工法

    外張断熱工法

    土間床等の外周部

    土間床等の外周部

    屋 根

    天 井

    屋 根 又 は 天 井

    外気に接する部分

    その他の部分

    外気に接する部分

    その他の部分

    外気に接する部分

    その他の部分

    外気に接する部分

    その他の部分

    ●等級4Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ地域

    部    位断熱材の厚さ(単位:㎜)

    1.2

    0.8

    1.0

    0.5

    A-1

    65

    45

    55

    30

    A-2

    60

    40

    50

    25

    B

    55

    40

    45

    25

    C

    50

    35

    40

    20

    D

    45

    30

    35

    20

    E

    35

    25

    30

    15

    屋 根 又 は 天 井

    ●等級3Ⅳ地域

    土間床等の外周部

    外気に接する部分

    その他の部分

    外気に接する部分

    その他の部分

    Ⅴ地域

    (2)断熱材の熱抵抗の基準

       木造の住宅の場合(枠組壁工法を除く)

    部    位断熱材の厚さ(単位:㎜)

    1.2

    0.5

    0.7

    0.3

    A-1

    65

    30

    40

    20

    A-2

    60

    25

    35

    15

    B

    55

    25

    35

    15

    C

    50

    20

    30

    15

    D

    45

    20

    25

    15

    E

    35

    15

    20

    10

    屋 根 又 は 天 井

    土間床等の外周部

    外気に接する部分

    その他の部分

    外気に接する部分

    その他の部分

    ※基準値 単位:㎡・K/W

    b 躯体の断熱性能などに関する基準

    断熱材の熱抵抗値※

    断熱材の熱抵抗値※

    ※厚さ不足を補う断熱材のトレードオフ

    ①木造の住宅の床(充填断熱工法のものに限る)において、床根太の相互の間隔が

    450mm以上である場合(その場合において、床端部等における床根太相互の間隔が

    450mm以下となる部分があるときは、当該部分を含む。)は、当該床の断熱材の熱抵抗

    の値を上表に掲げる床の基準値に0.9を乗じた値以上とすることがある。

    ②次のいずれかに該当する場合は、屋根又は天井の断熱材の熱抵抗の値を上表に掲げる

    屋根又は天井の基準値に0.5を乗じた値以上にするができる。(RC造は除く)

     イ 壁の断熱材の熱抵抗の値を、上表に掲げる屋根又は天井の基準値と当該屋根又は

      天井の断熱材の熱抵抗の値との差に0.3を乗じた値に、上表に掲げる壁の基準値

      を加えた値以上とする場合。

     ロ 開口部の熱貫流率が4.07以下とする場合。

  • 26

    開口部の評価方法には、(1)(イ)熱貫流率・(ロ)夏期日射侵入率の基準と、(2)建具の基準(イ)断熱性能・(ロ)日射遮蔽性能があります。

    (1)は基準値に対して、その性能を有する開口部を選択します。�

    (2)は建具の仕様として決まります。�

    (1)イ又は(2)イ 及び (1)ロ又は(2)ロ を満たす必要があります。�

    ここでは、Ⅳ、Ⅴ・地域における等級4の場合の(1)(イ)と(2)(ロ)について解説します。�

    ●(1)(イ)開口部の熱貫流率の基準

    d 結露の発生を防止する対策

    等 級

    4

    3

    窓の方位

    全方位

    全方位

    4.65

    6.51

    4.65

    6.51

    熱貫流率[W/㎡K] ※床面積の2%まで、熱貫流率の緩和を受けることができます。�

    P28の開口部の熱貫流率より(一重)金属製複層(A6)は基準に満たします。

    基準に満たない窓の面積は2%以下に抑えてください。

    ●(2)(ロ)日射遮蔽性能に応じた建具の種類又はその組み合わせ

    ※「付属部材」とは、レースカーテン、内付けブラインド、紙障子、外付けブラインドもしくはサンシェードその他日射の

    侵入を防止するため開口部に取り付けるものをいう。

    ※「ひさし、軒等」とは、オーバーハング型日除けで、東南から南を経て南西までの方位に設置され、外壁からの出寸法が

    その下端から窓下端までの高さの0.3倍以上のものをいう。

    ※�床面積の4%まで、建具の基準の緩和を受けることができます。

    真北±30

    度の方位

    真南±112.5

    度の方位

    上記以外の

    方位

    方位等級 建具の種類もしくはその組み合わせ又は付属部材、ひさし、軒等の設置

    次のイ又はロに該当するものイ ガラスの日射侵入率が0.60以下であるものロ 付属部材を設けるもの

    次のイ又はロに該当するものイ ガラスの日射侵入率が0.66以下であるものロ 付属部材を設けるものハ ひさし、軒等を設けるもの

    次のイ又はロに該当するもの� イ ガラスの日射侵入率が0.49以下であるもの� ロ ガラスの日射侵入率が0.66未満のものに、付属部材又はひさし、軒等を設けるものハ 内付けブラインド又はこれと同等以上の遮蔽性能を有する付属部材を設けるもの二 付属部材及びひさし、軒等を設けるもの

    4

    3

    等 級

    4

    3

    2

    Ⅰ)室内側の防湿層(繊維系断熱材の場合)

    Ⅱ)外壁と屋根(屋根断熱の場合)における通気層などの排湿措置

    Ⅲ)通気層側の防風層(繊維系断熱材の場合)

    Ⅰ)室内側の防湿層(繊維系断熱材の場合)

    Ⅰ)室内側の防湿層(繊維系断熱材の場合)

    ●等級4の場合(Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ地域のみ) ●等級3の場合(Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ地域のみ)

    c 開口部の断熱性能等に関する基準

    真北±30°

    真北

    S±45°

    S

    EW

    等級4の場合は全方位が日射遮蔽対策が必要です。

    日射遮蔽対策の必要な範囲のうち、比較的規準の緩い範囲です。

    日射遮蔽対策の必要な範囲のうち、付属部材のみ有効な範囲です。

    日射遮蔽対策の必要な範囲のうち、付属部材及び庇、軒等が有効な範囲です。

    日射遮蔽対策の必要ない範囲です。

    日射遮蔽対策の必要な範囲のうち、付属部材のみ有効な範囲です。

    日射遮蔽対策の必要な範囲のうち、付属部材及び庇、軒等が有効な範囲です。

    真北

    S±45°

    S±112.5°

    S

    EW

  • 28

    建 具 の 構 成

    ガラスの仕様

    普通三層複層ガラス普通複層ガラス低放射複層ガラスA低放射複層ガラスB低放射複層ガラスC低放射複層ガラスA低放射複層ガラスB低放射複層ガラスC遮熱複層ガラスA遮熱複層ガラスB遮熱複層ガラスC普通単板ガラス熱反射ガラス2種熱反射ガラス3種

    12㎜12㎜12㎜12㎜12㎜ 6 ㎜ 6 ㎜ 6 ㎜ 6 ㎜ 6 ㎜ 6 ㎜

    ---

    0.710.790.750.620.590.740.610.580.500.420.550.880.550.35

    0.500.530.550.480.470.530.460.450.370.320.390.560.410.31

    0.160.170.160.150.140.160.150.140.120.110.130.190.130.10

    0.380.380.440.390.400.420.370.370.290.260.300.380.320.26

    0.440.450.490.430.430.470.410.410.330.290.350.460.360.28

    空気層ガラス面のη値

    日射遮蔽物等の種類な   し レースカーテン 内付ブラインド 紙 障 子 外付ブラインド

    計算に用いる熱貫流率W/㎡K

    [kcal/(㎡・h・℃)]

    製品の熱貫流率の範囲(※)W/㎡K[kcal/(㎡・h・℃)]

    2.33[2.0]建 物 の 仕 様 ガラスの仕様

    3.49[3.0]

    4.65[4.0]

    6.51[5.6]

    窓・引戸・框ドア

    窓・引戸

    ドア

    (一重)木製またはプラスチック製

    (一重)金属・プラスチック(木)複合構造製

    (一重)金属製熱遮断構造

    (一重)金属製

    (二重)金属製+プラスチック(木)製

    (二重)金属製+金属製(枠中間部熱遮断構造)

    木製断熱積層構造

    金属製高断熱構造    扉:断熱フラッシュ構造

    辺縁部等熱遮断構造    枠:熱遮断構造木 製 扉:木製、枠:金属製金属製 扉:断熱材充填フラッシ

    ュ構造金属製 扉:ハニカムフラッシュ

    構造

    2.33[2.0]2.33[2.0]2.91[2.5]3.49[3.0]2.33[2.0]3.49[3.0]3.49[3.0]4.07[3.5]2.91[2.5]3.49[3.0]3.49[3.0]4.07[3.5]4.07[3.5]4.65[4.0]4.07[3.5]4.65[4.0]6.51[5.6]2.33[2.0]2.91[2.5]3.49[3.0]

    2.33[2.0]2.33[2.0]2.91[2.5]2.33[2.0]2.91[2.5]

    4.65[4.0]4.07[3.5]

    4.65[4.0]

    低放射複層(A12)三層複層(A12×2)複層(A12)複層(A6)低放射複層(A12)低放射複層(A6)複層(A10~A12)複層(A6)低放射複層(A12)低放射複層(A6)複層(A10~A12)複層(A6)低放射複層(A6)複層(A6)単板2枚(A12以上)単板2枚(A12未満)単板単板+複層(A12)単板+単板単板+単板

    低放射複層(A12)三層複層(A12×2)複層(A12)低放射複層(A12)複層(A12)

    複層(A6)複層(A6)

    複層(A6)

    開口部の熱貫流率(K値)

    窓の日射侵入率(η値)