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-47- 5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 5.1 代表研究者 名古屋大学大学院 人間情報学研究科 助教授 長岡正隆 5.2 概要 量子化学や分子動力学法などの計算科学的手法や負荷分散技術を基礎に、モデル計算、シミュ レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ の“非”)を加味した凝集系化学反応の新しい標準理論の建設を目指した。さらに環境問題などに 現れる現実系で実践的応用を同時に行った。 5.3 研究開発実施内容 本研究開発課題は、最近の精密測定技術を前提とした凝集反応系の新しい描像を、同じく最近 の情報技術を基礎として、できるだけ現実系に密着した立場で確立して理論構築へ向かおうとす る試みであった。まず、凝集反応系のダイナミクスにおける観測対象が、統計力学でいう位相的 アンサンブルの現実的な現れであり、測定結果は集団平均として得られるという事実に注目した。 例えば、光励起分子内反応における緩和ダイナミクスはその良い例で、溶液中、表面上、タンパ ク質内などを問わず、通常、観測されるサンプル試料にはアボガドロ数個に近い反応分子の集団 が存在している。こうした緩和ダイナミクスでは、平衡系では可能な、分子一個に対する長時間 平均はもはや意味をなさない。緩和過程などにおける反応分子の時間的応答(非平衡・非定常ダ イナミクス)を知るためには、むしろ多数の分子に対する集団平均(時間に依存した分布関数 f(x,u;t)についての平均)を考えることが重要になり、その時間変化は物質系に特徴的な非平衡・ 非定常性の情報を含んでいる。こうした観点から、溶液中、表面上、タンパク質内での特徴的ダ イナミクスについて、できるだけ忠実にシミュレートして特徴を抽出するとともに、その背後に 潜む共通の性質をモデル化して理論構築を目指した。 (1) 研究開発題目:凝集系の非平衡非定常の解明とその可視化 本研究題目では、まず、非平衡分子動力学シミュレーションの手法を一酸化炭素結合型ミ オグロビン(MbCO)のCO光解離過程に適用して、CO解離後の余剰エネルギーのヘムへの 緩和過程において、計算から得られた緩和の時定数が実験をうまく再現することを示した。ま たその緩和過程における活性中心の原子群の速度自己相関関数のフーリエ変換から、時間分解 されたヘムの振動モードの強度変化を計算してMbCO内の非定常過程を微視的な原子の動 きとして捉えることに成功した。最近、Straub ら(ボストン大学)は、本研究結果を支持す る論文を発表した。 一方、分子環境系の情報を、熱浴分布関数に関して平均化して、反応座標についての局所的 熱力学量として取り扱い、新たに分子熱浴に接した多原子分子系のクラマース‐フォッカー ‐プランク方程式 1 () () eff f f dU q f f p pf Tq t q dq p p p ς + = +

5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 · レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ

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5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 5.1 代表研究者 名古屋大学大学院 人間情報学研究科 助教授 長岡正隆

5.2 概要

量子化学や分子動力学法などの計算科学的手法や負荷分散技術を基礎に、モデル計算、シミュ

レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ

の“非”)を加味した凝集系化学反応の新しい標準理論の建設を目指した。さらに環境問題などに

現れる現実系で実践的応用を同時に行った。 5.3 研究開発実施内容

本研究開発課題は、最近の精密測定技術を前提とした凝集反応系の新しい描像を、同じく最近

の情報技術を基礎として、できるだけ現実系に密着した立場で確立して理論構築へ向かおうとす

る試みであった。まず、凝集反応系のダイナミクスにおける観測対象が、統計力学でいう位相的

アンサンブルの現実的な現れであり、測定結果は集団平均として得られるという事実に注目した。

例えば、光励起分子内反応における緩和ダイナミクスはその良い例で、溶液中、表面上、タンパ

ク質内などを問わず、通常、観測されるサンプル試料にはアボガドロ数個に近い反応分子の集団

が存在している。こうした緩和ダイナミクスでは、平衡系では可能な、分子一個に対する長時間

平均はもはや意味をなさない。緩和過程などにおける反応分子の時間的応答(非平衡・非定常ダ

イナミクス)を知るためには、むしろ多数の分子に対する集団平均(時間に依存した分布関数

f(x,u;t)についての平均)を考えることが重要になり、その時間変化は物質系に特徴的な非平衡・

非定常性の情報を含んでいる。こうした観点から、溶液中、表面上、タンパク質内での特徴的ダ

イナミクスについて、できるだけ忠実にシミュレートして特徴を抽出するとともに、その背後に

潜む共通の性質をモデル化して理論構築を目指した。

(1) 研究開発題目:凝集系の非平衡非定常の解明とその可視化

本研究題目では、まず、非平衡分子動力学シミュレーションの手法を一酸化炭素結合型ミ

オグロビン(MbCO)のCO光解離過程に適用して、CO解離後の余剰エネルギーのヘムへの

緩和過程において、計算から得られた緩和の時定数が実験をうまく再現することを示した。ま

たその緩和過程における活性中心の原子群の速度自己相関関数のフーリエ変換から、時間分解

されたヘムの振動モードの強度変化を計算してMbCO内の非定常過程を微視的な原子の動

きとして捉えることに成功した。最近、Straub ら(ボストン大学)は、本研究結果を支持す

る論文を発表した。

一方、分子環境系の情報を、熱浴分布関数に関して平均化して、反応座標についての局所的

熱力学量として取り扱い、新たに分子熱浴に接した多原子分子系のクラマース‐フォッカー

‐プランク方程式

1( )

( )efff f dU q f f

p pf T qt q dq p p p

ς∂ ∂ ∂ ∂ ∂

+ − = +∂ ∂ ∂ ∂ ∂

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を導出した。ここで、 ( )effU q 、 1 ( )T q 、ς は、それぞれ有効反応ポテンシャル、温度場、摩擦係数で

ある。この方程式は本研究開発で得られた大きな成果の一つである。モデル計算によると、温度勾配

によって活性化エネルギーが増加した結果、生成系の数密度が分子環境系の温度勾配により活

性化エネルギーが増加した結果、生成系の数密度が溶媒の温度勾配のない場合に比べて減少し

ていることが分かる。本研究で開発したプログラムは公開予定である。 本研究開発題目では、理論構築へ向けた重要な枠組みの提示と公開可能なソフトウエアの

開発が達成できたことが大きい。

(2) 研究開発題目:蛋白質の特異的な触媒作用とネットワーク

1分子レベルでのアクチンフィラメント上でのミオシン頭部の特徴的運動がタンパク質の

フォールディングで発展したエネルギーランドスケープ模型を適用することで説明可能であ

ることを示した。タンパク質のエネルギー分布を粗視化したランダムエネルギー模型を用いて

モンテカルロ計算を行ない、適切な自由エネルギー面を設計すればメトロポリス法という詳

細釣り合いを破らないダイナミクスから一方向的かつ多ステップに分かれた運動が生じるこ

とを示した。また特異的反応が実現する反応場としての水の構造と運動を理論的に解析した。

低温での水‐水相転移を記述するオーダーパラメータを開発し、分子動力学(MD)計算に

より、常温で2種類の水クラスターが共存していることを示した。基準振動解析により、低温

での2種類の水クラスターの生成消滅による熱ゆらぎと拡散運動とのカップリングを明らか

にした。この成果は、生体分子のまわりの水の構造と非平衡非定常運動を記述する新しい理論

的方法となる。 (3) 研究開発題目:不均一触媒表面における反応エネルギー移動の視覚的解析

金属表面上での分子の吸着・脱離は、触媒反応の重要なステップであり、非平衡非定常ダ

イナミクスが顕著に表れる凝集系反応過程である。最近、Pd(110)表面上で NO 分解反応によ

り生成した N2分子が、490K で面法線から[001]方向に 37°傾いた方向に脱離するという特異

な実験結果が報告された。この実験結果の非平衡・非定常な特徴を明らかにするために、分

子軌道(MO)法により、Pd(110)表面での N2、CO、NO 分子の吸着構造の求めて、反応ダイ

ナミクスに密接に関係する平衡構造情報を得た。次に MO 法の解析を元に分子動力学(MD)

法を用いて N2脱離の動的過程の解析を行った。一連の化学反応中の中間的な非定常非平衡過

程が金属表面上における吸着分子の脱離にみられる特異な指向性に本質的であることを解明

した。

(4) 研究開発題目:超臨界液体における特異的触媒作用の計算化学的探索 超臨界液体を分子レベルで明らかにするために、水クラスターおよびメタノールクラスター

のプロトン NMR の化学シフトをMO 計算で求めた。モノマーへの解離度のMO計算結果と組

合わせて、臨界点において、超臨界水はモノマーと鎖状ダイマーからなり、一方、超臨界メ

タノールはモノマーと環状テトラマーとからなりダイマーはほとんど存在しないことを明ら

かにした。これらの組成を用いて臨界点における NMR の推定値が実験結果を再現できることを

示した。

さらに超臨界液体中における特異な化学反応機構として、超臨界水中におけるシクロヘキ

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サノンオキシム(cxo)の無触媒ベックマン転位によるε-カプロラクタム生成反応を検討した。

1個の OH 基をもつ cxo は水分子と水素結合が可能であるが、上述の結果から臨界点で cxo に

配位できる水は1分子なので、裸の触媒プロトン H3O+のみを仮定した。MO法およびMD法か

ら誘電率が大きい亜臨界水中では溶媒効果によって cxo の加水分解の反応障壁が、超臨界水中

よりも顕著に低くなるので、加水分解によるシクロヘキサノン生成が有利になる。一方、誘電

率が小さい超臨界水中では、溶媒効果が効かずに cxo のベックマン転位のほうが有利になり、

このことが亜臨界水と超臨界水における生成物の違いの原因であることがわかった。

またMD計算から溶質分子への溶媒水の配位数が、ベックマン転位よりも加水分解のほうが

多く、しかも亜臨界水中のほうが超臨界水中よりも多いので、亜臨界水中では加水分解が有利

であることを分子レベルでも明らかにした。

5.4 題目別実施内容

(1) 研究開発題目:凝集系の非平衡非定常の解明とその可視化(総括担当者:長岡正隆)

長岡正隆、岡崎功、橋本直行、丸山豊により、CO結合型ミオグロビンの光解離過程におけ

るエネルギー移動の分子動力学的解析、氷表面におけるアンモニア分子の表面束縛状態の分子

論的解析、及び、分子熱浴に接した多原子分子系のクラマース-フォッカー-プランク方程式の

導出とその数値的求解、に関する研究を行った。とくに、ミオグロビンという大規模なヘム蛋

白における振動エネルギー緩和過程が解析され、側鎖と水分子との結合が重要であることが示

唆された。また、小分子の溶解過程は最近注目される非平衡非定常過程であるが、その原子論

的メカニズムが明らかとなった。クラマース-フォッカー-プランク方程式の数値解法において

は、高速コンピュータの並列化とネットワーク通信技術を大いに利用して従来では不可能な大

規模計算を実現した。

(a) 研究開発項目:反応理論における非平衡非定常の調査研究(担当者:長岡正隆、岡崎功、

橋本直行)

①ミオグロビンにおけるヘムの振動冷却過程を調べたヘンリーらのシミュレーションは、

CO解離過程を直接は扱ってはいない。そのため実際の微視的な化学反応を調べるには不

適切である。そこで、千葉らによるモデル系でのCASSCF計算で得られているヘム-

CO間ポテンシャルを参考にして、分子動力学シミュレーションに利用できるような力場

パラメータを作成した。

②ヘンリーらのシミュレーションでは、CO解離直後の振動エネルギーのヘムへの配分の

仕方も適切ではない。その点を少しでも改善するため、ヘムの全運動量、全角運動量を保存

するように振動エネルギーを分配するアルゴリズムを考案し、対応するアプリケーション・

コードを開発した。

③CO結合型ミオグロビンの光解離に伴う振動冷却過程を観察するため、分子動力学(M

D)シミュレーションを行なった。シミュレーション・エンジンとして MSI 社の Cerius2 を

用い、真空中にミオグロビンが孤立している系、及び、ミオグロビンが溶媒として、492

0個のフレキシブルな水分子に取り囲まれているモデル系についてシミュレーションを実施

した。また、以前では出来なかった短い時間間隔でのデータ蓄積を行ない、データ解析に利

用した。

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④ヘムの振動冷却過程について、ヘンリーらの結果と比べると特徴的に異なり、実験(水

溶液中)により測定されている結果に近い結果が得られた。そこではCOが解離するタイミ

ングにより多様な様子が見られた。また、ヘムの振動エネルギーがどのような基準振動を経

由して緩和するのかを、蓄積したデータから調べるためのプログラム・ツールを作成・解析

し、同時に原著論文を作成し公表した。

(b) 研究開発項目:凝集系の化学反応理論の開発(担当者:長岡正隆、丸山豊)

①一次元ポテンシャル面で反応初期に局所平衡仮定が破れる事を我々は古典フォッカー-プ

ランク(FP)方程式によって確かめた。一方、多くの化学反応は多原子分子によって起

こり、複雑なポテンシャル面を通過する事が知られている。例えば多原子分子がレーザー

などの外場によって励起された時、多くの振動モードのうちの一つが励起状態になると考

えても良い。この励起エネルギーを他の振動モードや周りの溶媒に散逸させながら分子は

再び平衡状態に落ち着いていく。

②一次元 FP 方程式を仮定した場合には他の振動モードと溶媒の影響を同レベルで考えてい

る事を意味するが、多原子分子の場合には分子内の振動モードがより強く結合していると

考えられる。そこで我々は二次元のポテンシャル面を考え、一次元に励起ポテンシャル、

もう一次元を分子内の振動モードとし、FP方程式の散逸を溶媒による影響という形に分

離したモデルを考えた。これによって分子内の振動モードが化学反応にどのように影響す

るかを調べる事ができる。このようにポテンシャル面を多次元化することにより現実に即

したモデルを考え、分子内振動モードの強弱によって反応初期の非平衡性がどのように変

わっていくかを調べた。

③通常の疎視化理論では一定温度をもつと仮定される熱浴に対して、その微視的構造を導入

するという観点から、分子熱浴概念を仮定して、分子内座標の関数としての熱浴パラメー

タを含んだ、拡張されたクラマース-フォッカー-プランク方程式を導出した。さらにその

方程式をモデル反応系に適用して熱浴温度勾配の反応の進行度に対する影響を調べた。

(c) 研究開発項目:アプリケーションツールの開発と適用(担当者:長岡正隆、岡崎功、丸山豊)

①古典 FP 方程式によって確率密度の時間発展を計算するプログラムを二次元に拡張した。さ

らに局所温度やエントロピー流などの物理量を計算するルーチンを作成した。実際の計算

には4GBないし8GB程度のメモリと高い処理能力を持つ CPU が必要となったために、

大容量メモリ搭載可能並列機である Alpha マシンを導入して、プログラムの動作確認後に

具体的な計算を実行した。

②分子動力学法で計算される位置と運動量について、運動量一定である上に角運動量も同時

に一定に保つ初期条件を発生するアルゴリズムの作成と、それに基づいたプログラムコー

ドの作成した。

(2) 研究開発題目:蛋白質の特異的な触媒作用とネットワーク(総括担当者:笹井理生)

笹井理生、寺田智樹、木村明洋により、ランダムエネルギー近似、格子モデル、経験的

ポテンシャルモデル、分子動力学計算を用いて、蛋白質の特異的な触媒作用の研究を行っ

た。とくに、大規模な構造変化による反応場形成が研究され、分子モータ、シグナル伝達

に関する反応機構が解析された。また、反応場設計のための配列デザインのシミュレーシ

ョンが行われ、特異的な触媒作用を可能にする反応機構が分析された。研究はネットワー

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クを利用した議論に基づいて行われ、成果は国際会議での招待講演、およびインパクトフ

ァクターの高い国際的な学術誌に発表されている。反応場設計のためのプログラムが作ら

れたが、プログラムの一般への公開のためにはさらなる研究開発が必要である。

(a) 研究開発項目:ランダムエネルギー近似による触媒作用の研究(担当者:笹井、寺田)

①蛋白質の大規模な変形による運動が、分子モータにおけるエネルギー変換の主要な機構で

ある、という仮説を証明することを目的として、ランダムエネルギー近似による蛋白質モ

デルの開発を行った。

②モデルの示す蛋白質の運動は蛋白質の動的特性の設計が反応設計の重要なポイントである

ことを示しており、蛋白質とは何か、という基礎概念に触れるアプローチのあり方を示し

た。

③溶媒の効果をランダムエネルギー近似で取り入れる理論が研究され、溶媒ゆらぎの分子動

力学計算との比較を行った。

(b) 研究開発項目:格子モデルによる反応理論の開発(担当者:笹井、寺田)

①側鎖を考慮した新規の格子モデルを考案し、蛋白質のフォールディング反応に関する実験

データと矛盾のない計算結果を得た。

②側鎖の統計ゆらぎによる反応制御の理論の開発が行った。

(c) 研究開発項目:格子モデルによる反応機構の研究(担当者:笹井)

①複数の安定構造を持つ蛋白質による反応機構を説明するため、格子モデルを用いた研究を

行った。

②複数の安定構造はフォールディングの速度過程に決定的な影響を与えることを示し、速い

速度過程と遅い速度過程の共存、中間体収量のオーバーシュートなどの機構を説明した。

③蛋白質の格子模型によって折れ畳み過程のキネティックスの分析を行った。

④低温では伸長指数関数型の遅い緩和、高温では短縮指数型の速い緩和が生じることを示し、

緩和の特性とエネルギーランドスケープの構造との間の相関について基本的シナリオを明

らかにした。

(d) 研究開発項目:アミノ酸配列選択による反応場デザインの理論(担当者:笹井、寺田)

①触媒機能に基づいた配列選択を行ったときの蛋白質の物性、構造の変化の経験的ポテンシ

ャルモデルによる予測を行った。

②機能設計と蛋白質物性の間の関係を明らか にする方法論の開発を行った。

(e) 研究開発項目:蛋白質の大規模変形による反応場の設計(担当者:笹井、寺田、木村)

①蛋白質の大規模な変形による運動が、分子モータにおけるエネルギー変換の主要な機構で

ある、という仮説に基づき、外部から負荷がかかったときの分子モータの応答について計

算を行った。

②高次元空間における変形運動のトラジェクトリーが負荷に応じて柔軟に変化するため、分

子モータは1分子レベルで負荷に対してしなやかな応答を示すことを予測した。

③蛋白質を取り囲む水分子の協同運動を表す指標として、個々の分子に着目するのではなく、

個々の場所に着目して「場の量」のゆらぎを表す新しい方法の開発が行われた。

(3) 研究開発題目:不均一触媒表面における反応エネルギー移動と視覚的解析

(総括担当者:松原世明)

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松原世明と永井朋子により、固体表面における分子の吸着過程と反応過程における非平衡非

定常性について、分子軌道(MO)法と分子動力学(MD)法を併用した解析を行った。とくに、

最近報告された、Pd(110)表面上の NO 分解反応で生成した N2は 490K で法線から(001)方向

に 37°傾いた方向に脱離するという実験結果に関して、非平衡非定常状態場を考慮した表面に

おける化学反応機構の理論的解明を目指し、金属表面での化学反応における最後の重要なステ

ップである生成分子の脱離過程について検討を行った。これらの結果から一連の化学反応中の

中間的な非定常非平衡過程が金属表面上における吸着分子の脱離にみられる特異な指向性に

本質的であることを解明した。得られた成果を論文として公表した後、現在、提出したモデル

の適用限界を吟味中である。

(a) 研究開発項目:不均一触媒表面における吸着分子の構造の研究(担当者:松原世明)

①金属表面での化学反応における重要なステップである分子の吸着・脱離過程についての知

見を得るために、ab initio 分子軌道(MO)法により、Pd(110)表面での代表的な N2、CO、

NO 分子の吸着構造の解析を行った。 ②三層まで考慮した、Pd クラスターモデルを用い、B3LYP レベルで解析した結果、分子の

電子的性質に、Pd 表面と吸着分子との間の電子の授受が大きく影響を受けるため、分子に

よって、吸着サイトおよび吸着構造が、大きく異なることが明らかとなった。 (b) 研究開発項目:不均一触媒表面における反応エネルギー移動の研究(担当者:永井朋子) ①Pd(110)表面上に吸着した N2分子の脱離過程における、Pd(110)表面と N2分子との間のエ

ネルギー移動について、量子化学的手法による基準振動解析を行った。 ②Pd5 クラスター上の N2 吸着構造に対し、B3LYP/lanl2dz レベルで求めたエネルギー二次

微分行列(ヘシアン行列)を用い、基準振動を解析することで、Pd5クラスターと N2分子と

の間の基準振動を介したエネルギー伝達確率を基準振動モード別に求め、エネルギー移動

についての解析を行った。

(c) 研究開発項目:不均一触媒表面における反応のダイナミクスの研究

(担当者:松原世明、永井朋子)

①Pd(110)表面上の NO 分解反応で生成した N2分子の脱離において、方向性が現れる原因につ

いて、分子動力学(MD)法を用いて検討を行った。

②方向性が現れる原因の鍵となる N2O 反応中間体からの N2分子生成過程を、力場ポテンシャ

ルを用い、ミクロカノニカルアンサンブル(EVN-MD)で計算し、N2脱離の軌跡を解析した。

③Pd 表面および N2解離により生成する酸素原子から、生成 N2分子へのエネルギー移動が、

方向性を発現させるための重要な原因であることが明らかとなった。

(4) 研究開発題目:超臨界液体における特異的触媒作用の計算化学的探索

(総括担当者:山口洋一)

山口洋一により、超臨界液体の構造の分子論的描像と環境クリーン化技術へとつながる超臨

界液体中における特異的触媒反応を明らかにする目的で、計算化学的方法である密度汎関数法

を含む分子軌道法と分子動力学法を用いて、超臨界水と超臨界メタノールの水素結合の構造と

無触媒ベックマン転位の反応機構の理論的検討を、ネットワークを利用して名古屋大学と共同

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で行った。

(a) 研究開発項目: 超臨界液体の分子間相互作用の研究(担当者:山口洋一)

①NMRの実験データを基礎に、最大分子数6から構成される環状構造をもつ水クラスター、

および鎖状と環状構造をもつメタノールクラスターを非経験的分子軌道(MO)法(MP2

法レベル)で構造最適化し、この構造をもとにプロトンNMRの化学シフトを MP2 法レベ

ルで計算した。

②臨界点におけるクラスターからモノマーへの解離度の計算に必要な熱力学量を MP2 法と

CCSD(T)法を用いて計算した。これらの計算結果をもとにして、臨界点における水とメタノールの

クラスター組成とNMRの化学シフトの予測を行った。

(b) 研究開発項目:超臨界液体の構造の研究(担当者:山口洋一)

①水とメタノールの構成原子の電荷を密度汎関数法(B3LYP 法レベル)を用いて決定し、各々

500分子について NVT アンサンブルを調製するために、常温常圧と臨界点における分子

動力学(MD)計算を行った。

②計算結果をもとにして、水とメタノールの誘電率や水素結合に関する動径分布関数を常温

常圧と臨界点について比較検討を行った。

(c) 研究開発項目:超臨界液体中における化学反応の研究(担当者:山口洋一)

①超臨界水中における特異的な反応であるシクロヘキサノンオキシムの無触媒ベックマン転

位によるε-カプロラクタムの生成反応を、亜臨界水中における加水分解反応も考慮して、

密度汎関数法(B3LYP 法レベル)で遷移状態を含めて構造最適化した。

②この構造をもとに溶媒効果を分極連続体モデル(PCM レベル)で近似して反応機構の検討

を行った。

③律速反応について、亜臨界状態と臨界状態における活性化エネルギーと反応速度定数の温

度依存性を B3LYP 法レベルで計算し、実験データとの比較検討を行った。 5.5 全体の総括と今後の課題

近年、表面動的現象の微視的観察や、有機反応や生化学反応の振動エネルギー緩和過程におけ

る非熱平衡分布の観測がなされ、平衡論や定常状態論ではもはや取り扱えない実験事実が相次い

で報告されている。こうした現状を背景として推進された本研究開発「凝集反応系の非平衡非定

常ダイナミクスの研究」はまさに時宜を得たものであったと言える。

“非平衡状態”に関する研究の歴史は古く、その基礎的研究例は多い。しかし、それらは

①線形領域 ・・・線形応答理論

②巨視的取り扱い ・・・反応・拡散系のダイナミクス cf. BZ反応など。

③均一系 ・・・非平衡液体の統計理論

④モデル理論 ・・・個別具体例についての応用

⑤非平衡定常状態 ・・・温度勾配下のおける定常状態における熱伝導係数の厳密解

といった範疇のうち、どれか一つに限定されたものが大多数であった。本研究開発では、こうし

た範疇を超えて、現実密着型の凝集反応系を原子レベル・分子レベルで取り扱い、溶液反応系、

表面反応系、タンパク質反応系、などの具体例に対して実行して計算科学上のデータをもとに、

横断的な視点で非平衡非定常状態の理論開発に向かった点に非常に高い新規性があったと考えて

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いる。

一方、計算科学分野における位置付けとしては、従来、

①計算方法の研究開発、

②計算科学手法の応用研究、

③ハードウエアに近い研究、

が主流であった当分野で、まず、応用研究を横断的に対象にして、その中から実験研究では知り

得ない新しい共通の知見を探り出して理論開発するという、今までには無かった視点からの新規

な取り組み方を提示した。計算科学分野におけるその貢献度は非常に高いと考える。

具体的に、本研究開発で得られた計算科学的技術及び手法上の代表的成果を二つあげると、

①分子動力学法で得られる原子運動情報の一部を疎視化し、メソ分子理論として、分子

熱浴に接した多原子分子系のモデル化に繋げる手法の開発

②分子動力学法における初期条件の調整に、角運動量一定の条件を課すためのアルゴリ

ズムの考案とそのコード化

との二つが特筆に価するであろう。

特に、前者の成果は、将来、新産業の創出に資する潜在的可能性は非常に高い。なぜなら、凝

集反応系を利用した化学産業は多いが、既存の合成方法では、反応の平衡到達時の収率をもって

最終生成物の多寡を評価する。しかしながらベローゾフ・ジャボチンスキー(BZ)反応のよう

に、反応の過渡的非定常状態が特異かつ有用な生成物を生み出している可能性があるからである。

現時点での社会的意義は知的なレベルに限定されるかもしれない。ただ、研究開発内容の国際的

な学術的意義と重要性が非常に高いことは事実であり、今後の継続的研究の必要性がある。

採択に向けた面接審査の際に、審査委員のお一人から、「(本開発研究内容を)3年間でできま

すか?」と質問された。その際、当研究開発代表者は「すでに進んでいる研究もありますが3年

間での完成は難しいかもしれません。」と率直にお答えした。しかし3年間を終えてみて、私の予

想に反して、①現実系についての研究の展開、および②新しい理論の提示等、当初、3年後の到

達目標に掲げたかなりの部分が達成できたと考えている。

3年間の研究開発を終了するに当たり、いくつかの反省と今後の課題を述べる。まず、プロジ

ェクト遂行のために研究主動の博士研究員を採用して進めるという実施計画を作成し、実際に延

べ 6 人の博士研究員を採用したが、単なる研究ではなく“研究開発”という性格を考えた場合は、

純粋な研究者ではなく、むしろプログラマなどの技術補佐員(テクニシャン)を雇用することがよ

り効率的かつ適切であったかもしれないと感じている。一方で本研究開発の実施体制は極めて適

切かつ有効に機能したことも事実である。ただ、大学法人化が決定され、産学連携の学領域への

浸透がかなり進んだ今日においても、なお大学の研究における知的所有権の有無や、その資産化

の具体的手法についての理解と知識が不足している感があることは否めない。その点を補う実施

体制(資産化に向けた教育や支援など)を具体的に考慮していただけたら一層充実かつ適切な実

施体制にできたと実感している。

他方、当初の計画で導入を決めた並列コンピュータ等は3年間の研究期間を通して有効かつ適

切に利用できた。本研究開発では、各研究開発機関に既存の利用可能なコンピュータ・システム

の性能と性格を考慮して、量子化学計算は各サイトの高スカラー性能マシーンにより実行し、そ

の上でデータ集積と解析には学術情報ネットワークを積極的に利用した。また、分子動力学計算

は高ベクトル性能が期待される SX-4(基礎化学研究所)や、プログラムのパラレル化により

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-55-

ORIGIN2000(関西新技術研究所)や、ALPHA クラスターシステム(名古屋大学)を利用して負荷

分散をはかった。特に関西新技術研究所と名古屋大学との共同研究である研究開発題目(4-

(4))においては、画像データなどを相互に活用することで、大幅に研究期間を短縮して成果を

まとめることができ、ネットワーク利用の有効性を実証できた。

最後に、本研究開発題目では、①理論構築へ向けた重要な枠組みの提示と②公開可能なソフト

ウエアの開発が達成できたことが大きい。今後、個別の研究成果を総合的に考察して、「凝集反応

系に対する非平衡非定常性ダイナミクス」に関する微視的化学反応理論の構築・完成へつなげた

い。平成13年度中には成果公開と本研究分野の広報を兼ねて総合的な公開シンポジウムを開催

すると共に総合報告集をまとめる予定であることを付記する。

5.6 研究開発実施体制

代表研究者氏名: 長岡正隆 所属・役職:名古屋大学大学院人間情報学研究科 (1) 研究開発題目1:凝集系の非平衡非定常の解明とその可視化

A.参加研究者 長岡正隆、名古屋大学大学院人間情報学研究科、助教授 ・反応理論における非平衡非定常の調査研究

・凝集系の化学反応理論の開発

・反応理論における非平衡非定常の理論的研究

・凝集系における非平衡非定常性の可視化

岡崎功、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員

・量子化学計算と分子動力学計算の実行と実行とデータ解析

・凝集系における非平衡非定常性の可視化

丸山豊、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員

・反応理論における非平衡非定常の理論的研究

橋本直行、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員

・反応理論における非平衡非定常の理論的研究

寺田智樹、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員

・反応理論における非平衡非定常の理論的研究 (2) 研究開発題目2:蛋白質の特異的な触媒作用とネットワーク

A.参加研究者 笹井理生、名古屋大学大学院人間情報学研究科、教授

・ランダムエネルギーモデルによる触媒作用の研究

・格子モデルによる反応理論の開発 格子モデルによる反応機構の研究

・アミノ酸配列選択による反応場デザインの理論

・蛋白質の大規模変形による反応場の設計

寺田智樹、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員 ・格子モデルによる反応理論の開発

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・格子モデルによる反応機構の研究

木村明洋、名古屋大学大学院人間情報学研究科、科学技術振興事業団研究員

・凝集系ダイナミクス機構の分析による反応場デザインの理論

(3) 研究開発題目3:不均一触媒表面における反応エネルギー移動と視覚的解析

A.参加研究者 松原世明、基礎化学研究所、研究員

・不均一触媒表面反応の解析プログラムの開発

・不均一触媒表面における反応の研究

・金属表面における反応エネルギー移動の解析手法の確立

・分子動力学的手法による金属表面反応の研究

・金属表面反応におけるエネルギー移動の研究

・金属表面上での N2分子の生成および脱離過程の量子化学的解析

・金属表面上での N2分子の生成および脱離過程の分子動力学的解析

永井朋子、基礎化学研究所、博士研究員

・表面における原始分子再配列機構の研究

・分子動力学的手法による金属表面反応の研究

・金属表面上での N2分子の生成および脱離過程の分子動力学的解析

橋本直行、基礎化学研究所、博士研究員

・反応エネルギー移動の解析のためのプログラム開発

(4) 研究開発題目4:超臨界液体における特異的触媒作用の計算化学的探索

A.参加研究員 山口洋一、関西新技術研究所情報通信研究センター、主任研究員

・超臨界液体の分子間相互作用の研究

・超臨界液体の構造の研究

・超臨界液体中における化学反応の研究

注 1) 事業団が直接雇用し派遣している共同研究提案者は、所属は派遣先研究機関、役職は科学

技術振興事業団研究員(又は技術員、事務員等)となります。

5.7 本事業により得られた研究成果

(1) 外部発表等(著者名は全て記入して下さい) (a)原著論文

発表年

論文タイトル 掲載雑誌名 巻・号・ページ

著者名 整理番号

2000/1(書

籍)

Hierarchy and Connectivity in the Folding Funnel

Old and new Views of Protein Folding P.125-131

笹井理生

11/10A-5 発 02

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1999/8(論文

投稿) 1999/10(論

文投稿) 1999/10(論

文投稿) 1999(論文投

稿) 1999(論文投

稿) 1999/8(総説) 2000/1/27 2000/6/6 2001/5/25 Submitted

Gradual Development of Protein-like Global Structures through Functional Selection Slippage of Initial Conditions for the Redfield Master Equation Non‐Markovian Stochastic Schödinger Equation Kinetic Lattice Model for Long‐Time Chemical Phenomena: Introduction of Time‐Scale into Monte Carlo Simulation Characteristics of Numerical Realization via Stochastic Partial Differential Equation: An Application to Density Matrix Calculation 反応非平衡非定常ダイナミ

クスの解明‐新しい化学反

応論を目指して‐ Internal Temperature

Concept for Fast Transient

Dynamics of Chemical

Species in Solution

Structure optimization via

free energy gradient

method: Application to

glycine zwitterions in

aqueous solution

Theoretical Prediction of

Proton Chemical Shift in

Supercritical Water using

Gas-Phase Approxiimation

Ab initio study of

noncatalyticcc Beckmann

rearrangement and

hydrolysis of

cyclohexanone-oxime in

subcritical and

supercritical water using

the polarizable continuum

model

Nature Structural Biology, 6, 743-746 Journal of Chemical Physics, 111, 5668-5675 Journal of Chemical Physics, 111, 5676-5690 Molecular Simulation 21, 343-355 International Journal of Quantum Chemistry, 74, 653-660 物性研究、73, P.6-13 International Journal of Quantum Chemistry 80.117-124 Journal of Chemical Physics, 113,9,3519-3524 Chemical Physics Letters,340,129-136 Journal of American Chemical Society

Tetsuya Yomo, Seiji Saito, and Masaki Sasai Pierre Gaspard , Masataka Nagaoka Pierre Gaspard , Masataka Nagaoka Masataka Nagaoka, Katsuhiro Suenobu, Tokio Yamabe Yoshihiro Saito, Masataka Nagaoka 長岡正隆 長岡正隆・岡本拓

也・丸山豊

奥山直人・片岡健・

長岡正隆・山邊時雄

山口洋一・安武成

記・長岡正隆

山口洋一・安武成

記・長岡正隆

11/10A-5 発 03 11/10A-5 発 19 11/10A-5 発 20 11/10A-5 発 21 11/10A-5 発 22 11/10A-5 発 23 12/10A-5 発 26 12/10A-5 発 27 12/10A-5 発 28 12/10A-5 発 29

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2000(書籍) 2000(論文投

稿) 2000 2000/8 2001/1/26 2001/3/30 2001/5/25 In press In press

Spatiotemporal Inhomogeneity and Rugged Energy Landscape in Liquid Water Spatiotemporal Inhomogeneity and Rugged Energy Landscape in Liquid Water Internal Heat Flux and Entropy Production Rate for Chemically Reacting System in Solution 生体高分子における化学反

応過程とその分子メカニズ

ム Ab Initio MO Study of the Structures of N2, NO and CO Molecules Coordinated to the Pdn (n=1,2,5,25) Clusters as a Model of Pd(110) Surface On vibrational cooling upon photodissociation of carbonmonoxymyoglobin and its microscopic mechanism from the viewpoint of vibrational modes of heme Theoretical Prediction of Proton Chemical Shift in Supercritical Water using Gas-Phase Approximation Toward Quantum Chemodynamics in Condensed Phase via Stochastic Quantization Method Transition-State Optimization by the Free Energy Gradient Method : Application to Aqueous phase Menshutkin Reaction between Ammonia and Methyl Chloride

Science and Technology of High Pressure, ed. by Murli H. Manghnani et al. (Universities Press, Hyderabad, India) 122-124 Physica A , 285, No.3-4, 315-324 .

Progress of theoretical physics supplenment, 138,588-589 化学、8月号(化学同人) 62-63 The Journal of Physical Chemistry B 105,3235-3244 Chemical Physics Letters, 337,151-157 Chemical Physics Letters ,340, 129-136 World Scientific Chemical Physics Letters

Masaki Sasai Masaki Sasai Masataka Nagaoka 長岡正隆 松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山邊

時雄 岡崎功、原雄介、長

岡正隆 山口洋一、安武成記、

長岡正隆 長岡正隆,末信克浩 平尾一・永江有起

彦・長岡正隆

12/10A-5 発 33 12/10A-5 発 34 12/10A-5 発 35 12/10A-5 発 36 13/10A-5 発 01 13/10A-5 発 03 13/10A-5 発 04 13/10A-5 発 09 13/10A-5 発 10

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In press In press 2001 2001/10/19 In press (2001) Submitted Submitted Submitted

Ab Intio Study of Ammonia Adsorption States on an Ice Surface I : Structures, Adsorption Energies and Linear Dependences on Coverage Rate Ab Intio Study of Ammonia Adsorption States on an Ice Surface II: Theoretical Characterization of the Surface Bound State Large vortex-like structure of dipole field in computer models of liquid water and dipole-bridge between biomolecules Strange kinetics and complex energy landscapes in a lattice model of protein folding Energy Landscape Perspective of Kinetic Slowing Down in Liquid Water Empirical Formula of Exciton Coherent Domain in Oligomer and Application to LH2 Correlation between the conformation space and the sequence space of peptide chain Conformational change of actomyosin complex drives the multiple stepping movement

Chemical Physics Letters Chemical Physics Letters Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, No.11, 5961-5964 Chem. Phys. Lett. 347,247-254 New types of phase transition, ed. by V. Brazhkin, V. Ryzhov, S. Buldyrev, H.E. Stanley, (Kluwer) The Journal of Physical Chemistry B J. Biol. Phys Nature

原雄介・橋本直行・

長岡正隆

橋本直行・原雄介・

長岡正隆

J. Higo, M. Sasai, H. Shirai, H. Nakamura, T. Kugimiya H. K. Nakamura, T. N. Sasaki, and M. Sasai M. Sasai Toshiaki Kakitani (垣谷俊昭), and Akihiro Kimura Takeshi Sasaki and Masaki Sasai Tomoki P.Terada, Masaki Sasai, Tetsuya Yomo

13/10A-5 発 11 13/10A-5 発 12 13/10A-5 発 24 13/10A-5 発 25 13/10A-5 発 26 13/10A-5 発 27 13/10A-5 発 28 13/10A-5 発 29

(b)口頭・ポスター発表

発表年月日 開催場所

発表タイトル 学会等の名称 (予稿集名、掲載ページ)

発表者 整理番号

1999/3/28 神奈川大学

水溶液中におけるグリシ

ン双性イオンの構造最適

化-自由エネルギー勾配

法-

日本化学会第76春季年

片岡健・奥山直

人・長岡正隆・山

邊時雄

10/10A-5 発 01

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1999/7/25~ 7/30(招待講

演) 米国ホノルル 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 1999/9/27~ 9/30(ポスタ

ー) 大阪大学 2000/1/20~ 22(ポスター) 岡崎 2000/3/28~ 31(口頭) 日本大学 2000/3/22~ 25(口頭) 関西大学 1999/6/15(口頭) 京都大学 1999/5(招待講

演) 中国

Spatiotemporal Inhomogeneity and Rugged Landscape in Liquid Water 超臨界メタノールのクラ

スターモデルによる検討 金属表面における吸着分

子のダイナミクスに関す

る理論的研究 溶液内反応におけるエネ

ルギー移動の非平衡非定

常量子ダイナミクス 凝集反応系におけるプロ

トン移動の非平衡性(量子

フィッカープランク方程

式による解析 凝集反応系における局所

平衡仮定とその有効性 光励起ミオグロビンの振

動冷却過程に関する理論

的研究 Pd(110)表面における

N2,CO および NO 吸着分

子に関する理論的研究 Pd(110)表面における吸着

分子のダイナミクスに関

する理論的研究 Pd(110)表面における吸着

分子のダイナミクス 凝集系エネルギーの非平

衡非定常ダイナミクス-

現状と展望- Nonstationary Nature in Transient Period of Reactive Energy Transfer in Condensed Reaction

高圧科学技術国際会議 分子構造総合討論会 99 講演要旨集 P.361 分子構造総合討論会 99 講

演要旨集 P.664 分子構造総合討論会 99 講演要旨集 P.327 分子構造総合討論会 99 講演要旨集 P.334 分子構造総合討論会 99 講演要旨集 P.333 分子構造総合討論会 99 講演要旨集 P.654 岡崎コンファレンス『次世

代の分子軌道理論』 日本化学会第 78 春季年回 講演予稿集 P.460 日本物理学会 2000 年春の

分科会 予稿集 P.308 第 3 回理論化学討論会 講演要旨集 P.7 The 5th Sino-Japan Symposium on Theoretical, Hefei Program and Abustracts P.51,52

笹井理生 山口洋一・安武成

記・長岡正隆 永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄 橋本直行・戸田幹

人・長岡正隆 丸山豊・岡本拓

也・長岡正隆 岡本拓也・丸山

豊・長岡正隆 岡崎功・長岡正隆 松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山

邊時雄 松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山

邊時雄 永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄 長岡正隆 Masataka Nagaoka

11/10A-5 発 01 11/10A-5 発 04 11/10A-5 発 05 11/10A-5 発 06 11/10A-5 発 07 11/10A-5 発 08 11/10A-5 発 09 11/10A-5 発 10 11/10A-5 発 11 11/10A-5 発 12 11/10A-5 発 13 11/10A-5 発 14

Page 15: 5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 · レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ

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1999/5(招待講

演) 米国アトラン

タ 1999/7/27(招待講演) 福岡 1999/10(ポス

ター) 金沢 1999/11(招待

講演) メイキシコ

1999/7/28(ポ

スター)

名古屋大学

2000/5/11~5/13(ポスター) 東京都立大学 2000/5/11~5/13(ポスター) 東京都立大学 2000/5/11~5/13(ポスター) 東京都立大学 2000/5/11~5/13(ポスター) 東京都立大学 2000/6/1~6/2(口頭) 江東区文化セ

ンター 2000/6/1~6/2(口頭) 江東区文化セ

ンター

Geometry Optimization of Glycine Zwitterion in Aqueous Solution: Free Energy Gradient Method Structure Optimization of Glycine in Aqueous Solution: Toward Solution Chemical Reaction Ergodography Intrinsic Molecular Temperature and Entropy Production in Reactive Energy Flow in Solution Intrinsic Molecular Temperature and Entropy Production in Reactive Energy Flow Intramolecular Proton Transfer Process of Compatible Solute in Aqueous Solution ミオグロビンにおけるヘ

ムの振動緩和過程の理論

的研究

溶液内反応におけるエネ

ルギー移動の量子ダイナ

ミクス-モードクラスタ

リング機構-

Pd(110)表面上の吸着分子

の構造と脱離過程のダイ

ナミクス. 1

Pd(110)表面上の吸着分子

の構造と脱離過程のダイ

ナミクス.2

Pd(110)表面でNO分解反応

により生成した N2分子の

脱離方向に関する理論的

研究

Pd(110)表面における吸着

分子の構造とダイナミク

In the Frontiers of Quantum Chemistry and Chemical 26th International Conference on Solution Chemistry Abstracts of papers P.90 The 5th International Conference on Computational Physics Book of Abstract P2-49 3rd congress of the International Society for Theoretical Chemical Physics 3rd Inrternational Conference on Low Temperature Chemistry P.99 第 4 回理論化学討論会 第 4 回理論化学討論会 第 4 回理論化学討論会 講演要旨集 P.24 第 4 回理論化学討論会 2000 計算化学討論会 講演要旨集 P.26 2000 計算化学討論会 講演要旨集 P.24

Masataka Nagaoka Naoto Okuyama‐Yoshida, Ken Kataoka, Masataka Nagaoka and Tokio Yamabe Masataka Nagaoka Masataka Nagaoka 末信克浩、長岡正

隆、山邊時雄 岡崎功・原雄介・

長岡正隆

橋本直行・戸田幹

人・長岡正隆

永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄

松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山

邊時雄

松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山

邊時雄

永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄

11/10A-5 発 15 11/10A-5 発 16 11/10A-5 発 17 11/10A-5 発 18 11/10A-5 発 24 12/10A-5 発 01 12/10A-5 発 02 12/10A-5 発 03 12/10A-5 発 04 12/10A-5 発 05 12/10A-5 発 06

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2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(ポスター) 東京大学 2000/9/27~9/30(口頭) 東京大学 2000/12/14~12/19(ポスター) 米国ホノルル 2000/12/14~12/19(ポスター) 米国ホノルル 2000/12/14~12/19(ポスター) 米国ホノルル 2000/12/14~12/19(招待講演) 米国ホノルル 2000/12/14~12/19(ポスター) 米国ホノルル

超臨界水構造のクラスタ

ーモデルに基づく計算化

学的解明

MD-QM/MM 法による水溶液

中の化学反応機構の研究

氷表面上でのN2O4吸着構造

に関する理論的研究

ミオグロビンにおけるヘ

ム振動緩和と振動強度に

付いての理論的研究

散逸的カップリングの溶

液ダイナミクスにおける

役割-振動と回転の2次元

Fokker-Planck 方程式-

超臨界水中におけるベッ

クマン転位の量子化学的

検討

Pd(110)表面から N2分子の

脱離方向に関する理論的

研究

Pd(110)表面から N2脱離の

ダイナミクス

Ab initio MO 法による

Pd(110)表面上の吸着分子

に関する理論的研究:N2分

子脱離が方向性を持つ可

能性

光解離後ミオグロビンの

ヘムの振動冷却・振動緩和

についての理論的研究

確率過程量子化に基づい

た凝集系における量子ダ

イナミクス

氷表面上でのN2O4吸着構

造に関する理論的研究

分子構造総合討論会 2000(東京大学) 講演要旨集 P.457 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.768 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.330 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.439 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.433 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.456 分子構造総合討論会 2000 講演要旨集 P.64 2000 環太平洋国際化学会

議(ホノルル) Book of Abstract 10・Phys

685

2000 環太平洋国際化学会

議 Book of Abstract PartII

10・Phys 695

2000 環太平洋国際化学会

議 Book of Abstract PartII

10・Phys 995

2000 環太平洋国際化学会

議 Book of Abstract PartII

10・Phys 1272

2000 環太平洋国際化学会

議 Book of Abstract PartII

10・Phys 696

安武成記・山口洋

一・長岡正隆

平尾一・永江有起

彦・長岡正隆

原雄介・橋本孝俊

岡崎功・原雄介・

長岡正隆

丸山豊・岡本拓

也・長岡正隆

山口洋一・安武成

記・長岡正隆

永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄

永井朋子・松原世

明・長岡正隆・山

邊時雄

松原世明・永井朋

子・長岡正隆・山

邊時雄

岡崎功・原雄介・

長岡正隆

長岡正隆

原雄介・橋本孝

俊・長岡正隆

12/10A5-発 07 12/10A-5 発 08 12/10A-5 発 09 12/10A-5 発 10 12/10A-5 発 11 12/10A-5 発 12 12/10A-5 発 13 12/10A-5 発 14 12/10A-5 発 15 12/10A-5 発 16 12/10A-5 発 17 12/10A-5 発 18

Page 17: 5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 · レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ

-63-

2000/12/14~12/19(ポスター) 米国ホノルル 2001/1/11~1/13(ポスター) 熊本 2001/3/11~3/13(招待講演) つくば市 2001/3/11~3/13(ポスター) つくば市 2001/3/11~3/13(ポスター) つくば市 2001/3/11~3/13 中央大学 2001/3/28~3/31 神戸市 2000/5/26(招待講演) 分子科学研究

所 2001/1/22(ポスター) 東京 2001/3/30 中央大学 2001/5/17 仙台戦災復興

記念館 2001/9/24~27 札幌市 2001/9/24~27 札幌市

溶液化学の過渡的ダイナ

ミクスにおける内部温度

とエントロピー生成速度

について

密度汎関数法による氷表

面への NH3の吸着状態に関

する研究

凝集反応系における非平

衡非定常ダイナミクスに

向けて

自由エネルギー勾配法に

よる遷移状態の構造最適

化:アンモニアと塩化メチ

ルの水溶液内 Menshutkin

反応への応用

CO 結合型ミオグロビンの

光解離におけるヘム振動

冷却の微視的メカニズム

アクトミオシンの滑り運

動でエネルギーが小分け

にされる気候の理論モデ

自由エネルギー勾配法に

よる遷移状態の構造最適

化 凝集系分子の理論的取り

扱い-KFP 方程式と MD計算- 格子モデルで見る速くフ

ォールドする配列情報の

統計 大腸腫瘍の成長パターン

の研究 氷表面でもアンモニア分

子の吸着状態に関する理

論的研究 超臨界水中における無触

媒ピナコール転位反応に

関する理論的研究 水溶液中グリシンの移動

性プロトンの量子効果

2000 環太平洋国際化学会

議 Book of Abstract PartII

10・Phys 1040

物質設計と反応制御の分

子物理化学 Computational Science Workshop (CSW 2001) 15 Computational Science Workshop (CSW 2001) P22 Computational Science Workshop (CSW 2001) P22 日本物理学会代 56 回年次

会 30aWA-5 日本化学会第 79 春季年会

(2001) 講演予稿集 P.543 分子科学研究所研究会(凝

縮相ダイナミクス研究の

現状と将来) タンパク質高次構造に基

づくゲノム情報科学 第 1回公開ワークショップ 日本物理学会第56回年

次大会 物理学会年会概要集 P.272 第 5 回理論化学討論会 講演要旨集 P.73 2001 年分子構造総合討論

講演要旨集 P.786

2001 年分子構造総合討論

講演要旨集 P.749

岡本拓也・丸山

豊・長岡正隆

原雄介・橋本直

行・橋本孝俊・

長岡正隆

長岡正隆

平尾一・永江有起

彦・長岡正隆 岡崎功・原雄介・

長岡正隆 寺田智樹・笹井理

生・四方哲也 平尾一・永江有起

彦・長岡正隆 長岡正隆 中村寛則 笹井理

生 長嶺共全、小野謙

三、笹井理生、宮

島佐 橋本直行,原雄介,長岡正隆 安武成記・山口洋

一・長岡正隆 永江有起彦,平尾

一,長岡正隆

12/10A-5 発 19 12/10A-5 発 20 12/10A-5 発 21 12/10A-5 発 22 12/10A-5 発 23 12/10A-5 発 24 12/10A-5 発 25 12/10A-5 発 30 12/10A-5 発 31 12/10A-5 発 32 13/10A-5 発 02 13/10A-5 発 05 13/10A-5 発 06

Page 18: 5.研究開発課題名 凝集反応系の非平衡非定常ダイナミクスの研究 · レーション、ネットワーク上でのデータ構造化を通して、非線形性、非平衡性、非定常性(三つ

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2001/9/24~27 札幌市 2001/9/24~27 札幌市 2001/5/23~5/28 モスクワ 2001/7/15~20 メキシコ,カン

クーン 2001/5/28 名古屋大学 2001/6/3 大阪大学 2001/6/3 大阪大学 2001/7/30~8/3 京都市 2001/7/30~8/3 京都市 2001/7/30~8/3 京都市 2001/7/30~8/3 京都市

分子熱浴に接した多原子

分子系の

Kramers-Fokker-Planck 方

程式

超臨界液体中における化

学反応の溶媒効果の計算

化学による検討 Energy landscape perspective of kinetic slowing down in liquid water A Study of Growth Pattern for the Neoplasm in the Colon 蛋白質-進化によって作ら

れたソフトマシン 蛋白質の大規模変形と機

能 タンパク質の配列選択過

程と折れたたみ過程であ

らわれる立体構造間の相

関 RNA folding simulation toward structure prediction Comparison between protein-like conformations observed in the simulated selection process of amino acid sequence and those in the folding process Artificial Chemical Reaction Network of Molecular Automaton Correlation between the conformation space and the sequence space of peptide chain

2001 年分子構造総合討論

講演要旨集 P.67

2001 年分子構造総合討論

講演要旨集 P.784 NATO Advanced Research Workshop IUPAP 21st International Conference on Statistical Physics 日本機械学会研究分科会 日本蛋白質科学会第1回

年会 プログラム・要旨集 P.56 日本蛋白質科学会第1回

年会 プログラム・要旨集 P.365 4th International Conference on Biological Physics Abstracts P.101 4th International Conference on Biological Physics Abstracts P.123 4th International Conference on Biological Physics Abstracts P.77 4th International Conference on Biological Physics Abstracts P.18

岡本拓也,岩崎博

樹,丸山豊,長岡

正隆

山口洋一,安武成

記,長岡正隆 Masaki Sasai Tomomasa Nagamine, Kenzo Ono, Masaki Sasai and Sasuke Miyazima 笹井理生 笹井理生 長尾知生子 笹井

理生 四方哲也 S.Soga and M.Sasai Chioko Nagao, Masaki Sasai and Tetsuya Yomo T. Ushikubo and M. Sasai Takeshi N. Sasaki and Masaki Sasai

13/10A-5 発 07 13/10A-5 発 08 13/10A-5 発 13 13/10A-5 発 14 13/10A-5 発 15 13/10A-5 発 16 13/10A-5 発 17 13/10A-5 発 18 13/10A-5 発 19 13/10A-5 発 20 13/10A-5 発 21

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2001/7/30~8/3 京都市 2001/10/6~10/8 大阪大学

New mechanism of the excitation energy transfer from the B800 to the B850 in the light harvesting system II. 光合成アンテナ系LH2

のB800からB850

への励起移動の新しいメ

カニズム

4th International Conference on Biological Physics Abstracts P.44 日本生物物理学会第 39 回

年会

P.S70

Akihiro Kimura, Toshiaki Kakitani, Takahisa Yamato 木村明洋, 垣谷俊

昭, 倭剛久

13/10A-5 発 22 13/10A-5 発 23

(2) 成果プログラム等

プログラム名称:分子熱浴 Kramers-Fokker-Planck(xKFP)方程式 Version 1.00 L 機能概要(150 字程度):1 次元 Fokker-Planck 方程式を数値的に計算するソフトウェア。

基底状態で平衡な分布(Maxwell-Boltzmann 分布)を励起し(有効熱浴温度 T0)、

熱浴温度 T で与えられる励起ポテンシャル上のダイナミクスを計算する。出力され

たデータは表計算ソフト、解析ソフト等で処理することができる。VRML ファイル

の出力に対応し、ブラウザで 3D 表示することができる。 使用言語: Microsoft Visual C++ 6.0 サイズ: 備考:公開に関する制限は非営利目的に限り無し。ただし、現在、本プログラムを利用し

た計算結果を解析している段階にあるため、ソースコードは非公開とする。また、

分子熱浴情報を取り入れた分子熱浴 Fokker-Planck 方程式に関するソフトウェア

を開発している。 プログラム名称:余剰振動エネルギー追加プログラム Version 1.00 機能概要(150 字程度): 分子に余剰振動エネルギーを加える。MSI 社 Cerius2 で出力

されるトラジェクトリーデータに対して、ある時刻の原子速度を「分子動力学シミ

ュレーションにおける余剰振動エネルギーの一様な付加アルゴリズム」にしたがっ

て変更する。 使用言語:MIPSpro C++ compiler version 7.2.1 サイズ: 備考:現時点で、ProteinDF は一般ユーザには公開されていないためコンパイル・リンク

に必要な format.cxx,format.h を使用することはできない。九州工業大学柏木浩教

授の承諾が必要である。なお、近々公開の予定があるが期日は不明。しかしながら、

format 関数は表示の書式形成をしており、使用方法は C 言語の sprintf 関数に類似

しているため、sprintf 関数を利用してプログラムの修正は可能である。一方、コン

パイル・リンクに必要な文字列クラスは、将来的には公開可能である。 プログラム名称:基準振動ベクトルの3D 描画ソフトウエア用フォーマット変換プログラ

ム Version 1.00 機能概要(150 字程度):Gaussian などの出力ファイルに含まれる基準振動ベクトルを3

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次元描画ソフトウエア用フォーマットに変換するプログラム。2つのベクトルを同

時に読み込み、出力ファイルとしてnormal_vec.dat,normal_vec2.datを書き出す。

3次元描画ソフトとして、xmol,jmol,molden などがある。 使用言語:Linux、fortran、g77。 サイズ: 備考:非営利目的に限り無償公開に対する問題はなし。

(3) 特許出願記録

なし。 (4) 新聞記事、雑誌記事、テレビ報道等

なし。 (5) 受賞等

なし。 (6) ワークショップ等(主催分) 開催日、名称、場所、内容、参加人数

月 日 名 称 場 所 内 容 参加人数 備 考

平成 11 年 4

月 24 日

計算科学技術活

用型特定研究開

発推進事業:「凝

集反応系の非平

衡非定常ダイナ

ミクスの研究」

第一回研究会

名古屋大学

大学院人間

情報学研究

科 第 2 講義

本研究開発課題のグル

ープ報告会

15 人

平成 11 年

10 月 16 日

計算科学技術活

用型特定研究開

発推進事業:「凝

集反応系の非平

衡非定常ダイナ

ミクスの研究」

第二回研究会

同上 同上 17 人

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2000/7/15 計算科学技術活

用型特定研究開

発推進事業:「凝

集反応系の非平

衡非定常ダイナ

ミクスの研究」

第三回研究会

同上 同上 25 人 紹介講演者 1

名(杉田護教

授)

2002年3月

8 日~10 日

(予定)

計算科学技術活

用型特定研究開

発推進事業:「凝

集反応系の非平

衡非定常ダイナ

ミクスの研究」

公開シンポジウ

岡崎国立共

同研究機構・

分子科学研

究所

本研究開発課題の成果

報告会を兼ねた公開シ

ンポジウム

100 人 外国人招待講

演者2名、依

頼講演者約 20

名、ポスター

発表者 20 名