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26 宿泊施設などの情報を検索できるパソコンを設置。 コンシェルジュ室の様子。 案内所の外観。 安心を提供するコンシェルジュ 機能集約型案内所で 観光客の取り込みを図る 箱根強羅観光協会 基本データ サイン看板や英文のチラシも設置した。 アンテナショップには、強羅のゆるキャラ「ごうらん」グッ ズや、「箱根強羅エッセンスフェイスパック」「ごうらんまん じゅう」などの地域物産を取り揃え、地域の PR 活動を積 極的に展開していった。また、周辺には授乳できる場所が なく、やむを得ず強羅駅の駅長室を臨時授乳室として使っ ていたため授乳室も整備。3 月 25 日のプレオープンでは、 早速授乳室の利用があった。4 月の全面オープン後は 1 日 30 人程度の利用があるが、その大半が外国人観光客で、 きめ細かい案内が可能になっている。 現在、強羅エリアには 7 軒の空き店舗があるが、外国人 観光客の取り込みなどで地域の商業を活性化することが、 新規出店につながると考えている。2020 年に迫った東京 オリンピックの開催に向け、外国人観光客数はさらに増加 が見込まれることから、言葉の壁を取り払うシステムの整 備も急務だ。 また、高低差の激しい地形上、安全対策はもちろん、高 齢者や障がい者の受入れ策もより推進していく必要がある。 誰もが安心して滞在できる国際的な観光地を目指し、今後 は災害に悩むほかの観光地とも交流を図り、互いの意見を 出し合えるサミットの開催なども視野に入れている。 日本有数の温泉地であり、年間約 2,000 万人もの観光客 で賑わう箱根町。強羅は箱根町のほぼ中央の地域で、箱 根登山鉄道、箱根登山ケーブルカー、箱根登山バスなど 交通ターミナルの要衝だ。小売店や飲食店のほか、宿泊 施設などを含め約 130 店が営業しているが、観光地として の賑わいは今一つで、素通りさせないよう来街者の興味を いかに引きつけられるかが長年の課題だった。また、平成 27 年 5 月から 6 月にかけ大涌谷の火山活動が活発化した 影響で、平成 27 年 7 月の箱根全体の観光客数は対前年同 月比 -524,658 人と約 30%も減少した。危険というイメー ジの払拭とともに、災害時の情報提供機能の強化や、外 国人観光客の取り込みなどが急務となっていた。 そこで、「安心・安全な観光地 強羅」の PR を進めてい く拠点として、箱根強羅観光協会の空きスペースにアンテ ナショップを併設した観光客向けの案内所を設置した。案 内所には、一般的な観光案内に加え、災害時における避 難所や退避場所も案内できるコンシェルジュ室を整備。ま た、商店街の飲食店や宿泊施設などの情報を検索できる パソコンを設置し、外国人観光客にも対応できるよう案内 神奈川県 箱根町 箱根強羅観光協会 主な来街者 年齢:30歳代、60歳代  属性:国内観光客、外国人観光客 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅 1320-185 会員数:129名  店舗数:149店舗 URL:http://goura-kanko.jp/ 神奈川県足柄下郡箱根町 人口:11,620人(平成29年2月1日現在) 面積:92.86㎢  人口密度:125人/㎢ 外国人対応 地域資源活用 事業の経緯 大涌谷での噴火により観光客数が激減 事業の展開と成果 様々な機能を集約し、多様な来街者のニーズに対応 今後の事業展開 誰もが安心して滞在できる国際的な観光地へ

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宿泊施設などの情報を検索できるパソコンを設置。コンシェルジュ室の様子。案内所の外観。

安心を提供するコンシェルジュ機能集約型案内所で観光客の取り込みを図る

箱根強羅観光協会 基本データ

サイン看板や英文のチラシも設置した。

アンテナショップには、強羅のゆるキャラ「ごうらん」グッ

ズや、「箱根強羅エッセンスフェイスパック」「ごうらんまん

じゅう」などの地域物産を取り揃え、地域の PR 活動を積

極的に展開していった。また、周辺には授乳できる場所が

なく、やむを得ず強羅駅の駅長室を臨時授乳室として使っ

ていたため授乳室も整備。3 月 25 日のプレオープンでは、

早速授乳室の利用があった。4 月の全面オープン後は 1 日

30 人程度の利用があるが、その大半が外国人観光客で、

きめ細かい案内が可能になっている。

現在、強羅エリアには 7 軒の空き店舗があるが、外国人

観光客の取り込みなどで地域の商業を活性化することが、

新規出店につながると考えている。2020 年に迫った東京

オリンピックの開催に向け、外国人観光客数はさらに増加

が見込まれることから、言葉の壁を取り払うシステムの整

備も急務だ。

また、高低差の激しい地形上、安全対策はもちろん、高

齢者や障がい者の受入れ策もより推進していく必要がある。

誰もが安心して滞在できる国際的な観光地を目指し、今後

は災害に悩むほかの観光地とも交流を図り、互いの意見を

出し合えるサミットの開催なども視野に入れている。

日本有数の温泉地であり、年間約 2,000 万人もの観光客

で賑わう箱根町。強羅は箱根町のほぼ中央の地域で、箱

根登山鉄道、箱根登山ケーブルカー、箱根登山バスなど

交通ターミナルの要衝だ。小売店や飲食店のほか、宿泊

施設などを含め約 130 店が営業しているが、観光地として

の賑わいは今一つで、素通りさせないよう来街者の興味を

いかに引きつけられるかが長年の課題だった。また、平成

27 年 5 月から 6 月にかけ大涌谷の火山活動が活発化した

影響で、平成 27 年 7 月の箱根全体の観光客数は対前年同

月比 -524,658 人と約 30%も減少した。危険というイメー

ジの払拭とともに、災害時の情報提供機能の強化や、外

国人観光客の取り込みなどが急務となっていた。

そこで、「安心・安全な観光地 強羅」の PR を進めてい

く拠点として、箱根強羅観光協会の空きスペースにアンテ

ナショップを併設した観光客向けの案内所を設置した。案

内所には、一般的な観光案内に加え、災害時における避

難所や退避場所も案内できるコンシェルジュ室を整備。ま

た、商店街の飲食店や宿泊施設などの情報を検索できる

パソコンを設置し、外国人観光客にも対応できるよう案内

神奈川県箱根町

箱根強羅観光協会

● 主な来街者 年齢:30歳代、60歳代  属性:国内観光客、外国人観光客● 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅 1320-185● 会員数:129名 ● 店舗数:149店舗● URL:http://goura-kanko.jp/

神奈川県足柄下郡箱根町

● 人口:11,620人(平成29年2月1日現在)● 面積:92.86㎢ ● 人口密度:125人/㎢

外 国 人 対 応 地域資源活用

事業の経緯大涌谷での噴火により観光客数が激減

事業の展開と成果様々な機能を集約し、多様な来街者のニーズに対応

今後の事業展開誰もが安心して滞在できる国際的な観光地へ